JP5196235B2 - インクジェット用記録インク、インクカートリッジ、インクジェットプリント装置、及び画像形成方法 - Google Patents

インクジェット用記録インク、インクカートリッジ、インクジェットプリント装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット用記録インクに関するものであり、詳しくは吐出安定性、液安定性に優れたインクジェット用インクに関するものである。更に詳しくは、インクジェットヘッドの目詰まりが改良され、高い画像濃度が得られ、かつ保存安定性、耐擦過性の優れたインクジェット用黒色インクに関するものである。
インクジェット記録方式は他の記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点がある。
インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されているが、染料系インクは色調の鮮明性は優れているものの耐光性に劣る欠点があった。一方カーボンブラックや各種の有機顔料を分散させた顔料系インクは染料系インクと比較して耐光性に優れるため盛んに研究されている。
しかし顔料系インクは染料系インクと比べてノズルの目詰まりが生じやすい傾向がある。
顔料インクは、一般に水やアルコール類等の水性溶媒中に色材及び分散剤を予備分散させた分散物を調整したのち、該分散物をサンドミル等のメディア型分散機を用いて所定の程度まで分散させる分散工程を行い、次いで所定の濃度に希釈することにより調整されている。
顔料系の水系インクでは疎水性の顔料を分散させるために界面活性剤や水溶性樹脂を使用しているのが一般的であるが、得られる画像の信頼性は極めて悪い。
そこで、画質向上を目的として造膜性の樹脂微粒子をインク液に添加する技術が開示されているが、複数の成分を微細に安定に長期分散させるのは困難で、これらの微粒子を安定に分散させるために界面活性剤などの分散剤を多く使用すると、インクタンク、ヘッド内での気泡の発生、画質の劣化などの問題も起こってしまう。また、分散性を向上させる目的で顔料の表面を親水基に変える方法や親水基を含有した樹脂などを用いる事が検討されているが、それぞれ単独では安定であっても異なる種類を混ぜた場合、分散が不安定になり保存安定性が悪化するという問題があった。
特許文献1の特開2005−290044号公報には、画像の光沢と初期分散を安定化する目的で、顔料と酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂含有インクが開示され、特許文献2の特開平9−31360号公報には、ポリウレタン樹脂にポリカプロラクトンジオールから得られるポリカプロラクトン系ポリウレタン樹脂を用いたインクが開示され、特許文献3の特開2000−1639号公報には、ポリエーテルジオールから得られるポリエーテル系ポリウレタン樹脂を用いたインクが開示され、特許文献4の特開2002−167536号公報では、脂肪族ポリエステルジオールから得られるポリエステル系ポリウレタン樹脂を用いたインクが提案されている。
また、分子内にカルボキシル基とノニオン親水基を有する水分散性樹脂を水に分散させる方法(特許文献5の特開平5−239392号公報)、水溶性高分子と界面活性剤を同じ極性にするかノニオンを添加する方法(特許文献6の特開平8−283633号公報)、水系記録液において着色イオン性含有ポリエステル樹脂と着色剤の親水基の極性を同じにする方法(特許文献7の特開2000−63727号公報)、顔料と樹脂微粒子の分散極性を同じにする方法(特許文献8の特開2001−81366号公報)、が報告されている。
また分散液中の粒子の少なくとも70%が0.1μm未満の直径を有し、当該分散液中の他の粒子が0.1μmに等しいか又はそれ以下の直径を有する粒度分布を有する顔料粒子を含む顔料分散液、アルデヒドナフタレンスルホネート分散剤、及び/又は少なくとも一つのスルホン溶媒、を含む水性インクジェットインク組成物(特許文献9の特開平08−333531号公報)が提案されている。
また、特許文献10の特開昭56−147871号公報においては、顔料、高分子分散剤および非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体からなる記録液が提案されている。また、特許文献11の米国特許第5085698号明細書、特許文献12の米国特許第5221334号明細書においては、ABあるいはBABブロックコポリマーを、顔料の分散剤として用いることが提案されている。さらに、特許文献13の米国特許第5172133号明細書においては、特定の顔料、水溶性樹脂、溶媒を用いることが提案されている。
また、インクの定着性を高めるために、水性顔料系インクに樹脂エマルジョンを含有させること自体は、すでに提案されているが、例えば、特許文献14(特許第2867491号公報)では、ワックスエマルジョン、樹脂エマルジョン、ラテックス、無機あるいは有機の超微粒子を含有させ、しかも、インクの最低造膜温度が40℃以上であるインクが開示されている。そして、実施可能な樹脂エマルジョンとしては酢酸ビニル系、アクリル系、スチレン系、オレフィン系等の単独または共重合エマルジョンで、最低造膜温度が40℃以上である場合を例示している。すなわち、最低造膜温度の制約さえ満たせば、樹脂の組成には特別な限定はないのである。また、樹脂の種類による効果の優劣については記述も示唆もなく、実施例に示されたインクの性能と効果は、樹脂の種類に無関係に同じで優れている。しかし、これは顔料の粒径が1.0μm以下と大きい範囲での開示であり、顔料の粒径を70〜180nmとした時の耐擦過性・インク保存性・画像濃度を満足する樹脂エマルジョンではなかった。
そこで我々は先に、特許文献15(特開2004−169008号公報)にて、特定のポリウレタン系樹脂(本発明におけるポリウレタン系樹脂と同様のアニオン性自己乳化型ポリウレタン系樹脂)を選択することで、カラー顔料の粒径が70〜180nmの範囲においても画像定着性・インク保存性・吐出安定性を満足させることを提案したが、この中で、ブラック顔料として、ファーネス法のものもチャネル法ものも、同様に(遜色なく)使用可能であるとの認識を開示([0028])した。しかしその後、検討を深めた結果、場合によっては、ポリウレタン系樹脂がインクジェック記録用インクに含まれる有機溶剤によって凝集し、画像定着性・インク保存性・吐出安定性を損ねることもあることが判明するに至り、而して、これらの特性を完全に満足する樹脂エマルジョンは見出されていない。
一方、分散剤を用いない顔料分散方法として、カーボンブラックに水可溶化基を含む置換基を導入する方法が特許文献16の米国特許第5571311号明細書に、水溶性モノマー等をカーボンブラック表面に重合させる方法が特許文献17の特開平8−81646号公報に、カーボンブラックを酸化処理する方法が特許文献18の特開平8−3498号公報に開示されている。また、酸化処理を施したカーボンブラックおよびアクリル酸、スチレン、αメチルスチレンからなる3元重合体を含むインクによって耐水性と吐出安定性を確保する方法が、特許文献19の特開平9−194775号公報に開示されている。
また、インクジェット記録液における分散粒子の体積平均粒子径が、30〜200nmであることを特徴とするインクジェット記録液(特許文献20の特開2000−144028号公報)が提案されている。
しかし上記従来のインク液ではカラー顔料インクに関しては高い画像濃度は得られるものの黒色顔料インクに関してはいまだ十分ではなく満足するものではなかった。
特開2005−290044号公報 特開平09−031360号公報 特開2000−001639号公報 特開2002−167536号公報 特開平05−239392号公報 特開平08−283633号公報 特開2000−063727号公報 特開2001−081366号公報 特開平08−333531号公報 特開昭56−147871号公報 米国特許第5.085.698号明細書 米国特許第5.221.334号明細書 米国特許第5.172.133号明細書 特許第2.867.491号公報 特開2004−169008号公報 米国特許第5.571.311号明細書 特開平08−081646号公報 特開平08−003498号公報 特開平09−194775号公報 特開2000−144028号公報
本発明は上記のような事情に鑑みなされたもので、画像濃度が高く、吐出安定性や液安定性、耐擦過性にも優れたインクジェット記録用黒色顔料インク、これを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法及び画像形成物を提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の製造法によるカーボンブラックにおける一次粒子径及びにBET表面積の範囲の特定、さらには分散剤としてのナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナフタレンスルホン酸縮合度の範囲を特定すること及びアニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンを含有してなることを特徴とするインクジェット用記録インクにより、上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明の上記目的は以下の(1)〜(1)により達成される。
(1)少なくともカーボンブラック、分散剤、ポリウレタン樹脂粒子、および水を含有するインクジェット用記録インクであって、
前記カーボンブラックがチャンネルブラック及び/又はガスブラックであり、
記録インクの動的光散乱法による粒子径測定における前記カーボンブラック平均粒子径(D50)が70nm以上180nm以下であり、
前記分散剤が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物のナフタレンスルホン酸の2量体、3量体、4量体の合計含有量が20%から80%であり、
前記ポリウレタン樹脂粒子がアニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂粒子であり、該アニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂粒子は、酸価が40以上120以下及び分子量が500以上50000以下、一次粒子の平均径が20nm以下のものであることを特徴とするインクジェット用記録インク。
(2)前記カーボンブラックのBET表面積が100m/gから400m/gであり、一次粒子の平均径は10nm〜30nmであることを特徴とする前記(1)項に記載のインクジェット用記録インク。
)前記記録インクの動的光散乱法による粒子径測定による、カーボンブラック粒度分布粒子径標準偏差が、平均粒子径の1/2以下であることを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載のインクジェット用記録インク。
)前記分散剤が重量基準として顔料1に対し0.1以上2以下の割合で含まれることを特徴する前記(1)乃至()のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
)前記カーボンブラックの含有量が5重量%から50重量%であることを特徴とする前記(1)乃至()項のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
)前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンのガラス転移点が−50〜150℃であることを特徴とする(1)乃至()項のいずれかに記載の請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
)前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの最低増膜温度が25℃以下であることを特徴とする前記(1)乃至()項のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
)前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの含有量が0.1重量%以上20重量%以下であることを特徴とする前記(1)乃至()項のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
)前記カーボンブラックの含有量が1重量%から20重量%であることを特徴とする前記(1)乃至()項のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
10)前記(1)項乃至()項のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
11)前記(1)項乃至()項のいずれかに記載のインクジェット用インクを画像支持体上に吐出させるインク吐出手段を有することを特徴とするインクジェットプリント装置。
12)ピエゾ方式であることを特徴とする前記(11)項に記載のインクジェットプリント装置。
13)サーマル方式であることを特徴とする前記(11)項に記載のインクジェットプリント装置。
14)前記(1)項乃至()項のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを用いてインクジェット方式で印字することを特徴とする画像形成方法。
15)前記(1)項乃至()項のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを用いてインクジェットプリント装置で印字された画像形成物。
16)画像形成物の画像支持体が紙であることを特徴とする前記(15)項に記載の画像形成物。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明の顔料分散液インクは高い画像濃度を発揮し、吐出安定性、インク保存性、耐擦過性においても従来のものより優れるものである。
以下、本発明を詳細かつ具体的に説明する。
上記のように、本発明のインクジェット用記録インクは、少なくともカーボンブラックと分散剤、アニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂粒子、水からなり、前記カーボンブラックがチャンネルブラック及び又はガスブラックであり、前記アニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂粒子の酸価が40以上120以下及び分子量が500以上50000以下及び一次粒子の平均径は20nm以下であることを特徴とするインクジェット用記録インクである。
チャンネルブラックとは、主に芳香族油を原料として、不完全燃焼する炎とチャンネル鋼(H型の鋼)を接触させて析出させたカーボンブラックであり、ガスブラックとは主に天然ガスを原料として、不完全燃焼させて析出させたカーボンブラックである。
本発明におけるカーボンブラックは、ガスブラック方式により製造されたものである。また、該カーボンブラックは、平均一次粒子径が10.0nm〜30.0nmで、BET表面積は100m/g〜400m/gのものであることが好ましい。より好ましくは該カーボンブラッの平均一次粒子径は15.0nm〜20.0nmで、BET表面積は150m/g〜300m/gである。
また本発明のインクジェット用記録インクのカーボンブラックの分散剤は、重量基準としてカーボンブラック1に対し0.1以上2以下の割合で含まれるのが好ましい。さらに好ましくは、前記割合はカーボンブラック1に対し0.25〜1である。このような分散剤の使用量を採用することにより、本発明の分散液のカーボンブラック平均粒子径(D50)が70nm以上180nm以下で、該カーボンブラック粒度分布における粒子径標準偏差が平均粒子径の1/2以下にすることができ、これにより高い画像濃度、吐出安定性、液安定性が良い顔料分散液を提供することができる。前記分散剤の使用量が0.1未満では前記効果が達成されにくいことのほか、顔料分散液及びインクの保存安定性が劣り、その結果ノズルの目詰まりが発生しやすい傾向があり、2より大きいと顔料分散液およびインクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
本発明において前記分散剤としては、次の一般式のナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン付加縮合物が好ましく用いられるが、但し、該ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物のナフタレンスルホン酸の2量体、3量体、4量体の合計含有率が20%未満だと分散性が悪くなり顔料分散液及びインクの保存安定性が劣り、その結果ノズルの目詰まりが発生しやすい。
また、ナフタレンスルホン酸の2量体から4量体の含有率が80%を超えると粘度が高くなり、分散が困難になる。
Figure 0005196235

(ここで、lは1乃至3の整数、mは1以上200以下の整数、好ましくは1乃至4の整数である。)
本発明のインクジェット用記録インクにおいて、顔料濃度は分散液全量に対して5重量%以上50重量%以下が好ましい。5重量%未満では生産性が劣り、50重量%より多いと顔料分散液の粘度が高すぎて分散が困難になる傾向がある。
ポリウレタン樹脂エマルジョンには、比較的親水性の通常のポリウレタン系樹脂を外部に乳化剤を使用してエマルジョン化したものと、樹脂自体に乳化剤の働きをする官能基を共重合等の手段で導入した自己乳化型のエマルジョンがある。本発明のインクに用いられ得るアニオン性自己乳化型のポリウレタン樹脂エマルジョンは後者に属する。その際、顔料の固着性・分散安顔料や分散剤との各種組み合わせにおいて、常に分散安定性に優れているアニオン性のポリウレタン系樹脂としてはポリエステル型、ポリカーボネート型よりエーテル型である方が好ましい。理由は定かではないが、非エーテル型は耐溶剤性に弱いものが多く、インクの高温保存時に粘度が凝集しやすい。
前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンのうち、好ましいものとしては酸価が40以上120以下、分子量が500以上50000以下、及び一次粒子の平均径が20nm以下、好ましくは15nm以下、より好ましくは10nm以下のものが挙げられる。
本発明のガスブラックタイプのカーボンブラッックはエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの平均粒子径の小さいものとのマッチングが良く分散は安定するようである。
特に、平均粒径を10nm以下にすることによって、印刷を継続している途中でインクジェットプリンターは作動しているのにインクが吐出しなくなるトラブルを防止する効果が高まる。
インクが吐出しなくなった場合は、インクジェットプリンターのノズル孔を含むインク流路を掃除すれば印刷再開可能となるが、これでは実用性を阻害することになる。尚、本発明におけるエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの平均粒径は、23℃、55%RHの環境において、日機装製マイクロトラックUPAで測定した値を示す。
上記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンのガラス転移点は−50〜150℃の範囲が好ましい。
より好ましくは−10〜100℃の範囲である。理由は定かではないが、ガラス転移点が150℃を超えるとエーテル系ポリウレタン樹脂の成膜性はガラス状で硬いが、顔料粒子とエーテル系ポリウレタン樹脂が画像支持体に同時に着弾し、できた印字部分の耐擦過性は意外にもろく、一方、150℃以下ではポリウレタンム状で柔らかいが、耐擦過性に優れたものができる。しかしながら−50℃未満となると膜が柔らかすぎて、耐擦過性は劣る。以上の点から、同じ添加量では、ガラス転移点が−50〜150℃の範囲の方が耐擦過性の効果が大きい。なお、本発明でいう樹脂のガラス転移点は、DSC(示差走査熱量計)、TMA(熱機械分析)のいずれかの測定法によるものである。
上記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンは室温以下の最低造膜温度を有するものであることが好ましく、より好ましくは25℃以下である。エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの膜形成が室温以下、特に25℃以下で行なえば、画像形成された画像支持体を特に加熱又は乾燥等の処理を行なうことなく、紙繊維の結着が自動的に進行するので好ましい。
ここで、「最低造膜温度(MFT)」とは、エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョン粒子を水に分散させて得られた水性エマルジョン粒子をアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に透明な連続フィルムの形成される最低の温度をいう。最低造膜温度未満の温度領域では白色粉末状となる。
「造膜性」とは、樹脂微粒子を水に分散させて樹脂エマルジョンの形態としたとき、この樹脂エマルジョンの連続層である水成分を蒸発させていくと、樹脂の皮膜が形成されることを意味する。この樹脂皮膜は、インク中の顔料を画像支持体表面に強固に固着する役割を担う。これによって、耐擦性および耐水性に優れた画像が実現できると考えられる。
本発明の顔料分散液中の、エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョン粒子は分散体に予め入れて置かなくてもよく、インク液調整時に後添加しても良い。
本発明でいう水溶性有機溶剤としては沸点が180℃以上のものが好ましい。該水溶性有機溶剤がインクジェット記録用インク中に含有されていると、インクの保水と湿潤性を確保することができ、その結果、インクジェット記録用インクを長期間保存しても色材の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を実現できる。また、インクジェットプリンターのズル先端等で開放状態に放置されても、乾燥物の流動性を長時間維持するインクジェット記録用インクが実現できる。更に印字中もしくは印字中断後の再起動時にノズルの目詰まりが発生することもなく、高い吐出安定性が得られる。
本発明において用いられる水溶性有機溶剤としては以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチルグリコール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキナンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ぺトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノべンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。これらの湿潤剤は、単独又は2種類以上混合して使用することができる。
前記水溶性有機溶剤の中でも、1,3−ブチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び/またはグリセリンを含むことが好ましい。インクの乾燥による目詰まりすなわち水分蒸発による噴射特性不良の防止、及び本発明の形成画像の彩度向上等の優れた効果が得られる。
また好ましくは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(EHD)を含むことで、インクの浸透性をあげると同時に顔料を表面にとどめることで滲みをなくし、画像濃度が高くかつ裏抜けが少ない印字画像を得ることが可能となった。EHDの含有量としては0.1質量%以上、10.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、5.0質量%以下である。0.1質量%未満では効果が少なく、10.0質量%を超えると、これ自体の溶解性が低いために、信頼性が悪くなる。
また、本発明の顔料分散液には、水の他に各種添加剤を配合することができる。例えば、水溶性有機媒体としてメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
また、ノニオン、アニオン、カチオン、両性の各種の界面活性剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明のカーボンブラック分散液は、前記カーボンブラック、分散剤、水、必要に応じて各種添加剤をサンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、超高速回転ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の公知の分散機で分散することによって得られる。
このとき、分散剤の使用量を前記のように重量基準として顔料1に対し0.1以上2以下の割合にするとともに、湿式分散処理を採用するのが好適である。尚本発明で言う湿式分散処理とは顔料、分散剤、水、必要に応じて水溶性有機溶剤の混合物を前記サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等により、いわゆる湿式分散方式で微粉砕・分散する処理のことである。
このようにして得られた本発明の顔料分散液は、特に顔料系インクジェット用インクとして好適に使用することができる。顔料系インクジェット用インクは公知の方法、例えば本発明の顔料分散液、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤等を攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することによって得られる。尚、インクに於けるカーボンブラックの濃度は全量に対して1重量%以上20重量%以下が好ましい。1重量%未満では画像濃度が低いため印字の鮮明さに欠け、20重量%より多いとインクの粘度が高くなる傾向があるばかりでなくノズルの目詰まりが発生しやすくなる。またインクには前記顔料分散液への添加剤で記した材料と同等の材料を必要に応じて配合することができる。たとえば水溶性有機溶剤の含有量としては、インク全量に対して0重量%以上50重量%以下、好ましくは5重量%〜40重量%、さらに好ましくは10重量%〜35重量である。
このようにして得られた本発明の顔料系インクジェット用インクは、これを収容するインクカートリッジに好適に用いることができる。また本発明の顔料系インクジェットインクは、これを例えば紙のような画像支持体に吐出させ記録(印字)を行なって画像形成するインクジェットプリント装置により、画像形成することができる。
印字する方法としては連続噴射型あるいはオンデマンド型が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお例中の部は重量基準である。
[分散液A]
(処方)
カーボンブラック NIPEX160-IQ(degussa社製:ガスブラック) 200部
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂社製A-45-PN)
(ナフタレンスルホン酸2量体、3量体、4量体の合計含有量:49%) 50部
蒸留水 750部
上記の混合物をプレミックス後、プレミックス後ビーズミル分散機(寿工業社製 UAM−015)を用い0.03mmジルコニアビーズ(密度6.03×10−6g/m)で周速10m/s、液温25℃で20分間分散した後、遠心分離機(久保田商事(株)製Model−3600)で粗大粒子を遠心分離し、カーボンブラック分散液の平均粒子径124.5nm、標準偏差20.5nmの表1の分散液(A)を得た。
[分散液B]
分散液AのカーボンブラックをNIPEX150(degussa社製:ガスブラック)にする以外は同様にして表1の顔料分散液(B)を得た。
[分散液C、D]
分散液Aのナフタレンスルホン酸2量体、3量体、4量体の合計含有量を順次26、75と代える以外は同様にして表1の顔料分散液(C)、(D)を得た。
[分散液E]
分散液Aのナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂社製A-45-PN)を下記一般式(1)の化合物(n=40)に代える以外は同様にして表1の顔料分散液(E)を得た。
[分散液F、G]
分散液Aのカーボンブラックを順次、Printex95、FW285(degussa社製:ファーネスブラック)、にする以外は同様にして各顔料分散液を表1の顔料分散液(F)、(G)を得た。
上記の方法で得られた顔料分散液(A)〜(G)を用いてインク液を調整し、30分攪拌後孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過、真空脱気して(a)〜(z’”)の実施例及び比較例のインク液を得た。
[実施例1]
(インク処方(a))
顔料分散液A(顔料濃度20%) 50.0部
グリセリン 3.0部
ジエチレングリコール 15.0部
2―エチル−1,3−ヘキサンジオール 3.0部
2−ピロリドン 3.0部
W5661(アニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン) 2.0部
(酸価:48、重量平均分子量:20000、平均粒径:11.0nm、)
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム 0.45部
蒸留水 23.55部
[実施例2]
(インク液(b))
インク液処方(a)のW5661の酸価を66、平均粒子径を8.2nm、に代える以外同様にして実施例2のインク液(b)を得た。
[実施例3]
(インク液(c))
インク液(a)のW5661の酸価を66、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.4nmに代える以外同様にして実施例3のインク液(c)を得た。
[実施例4]
(インク液(d))
インク液(a)のW5661の酸価を80、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.3nmに代える以外同様にして実施例4のインク液(d)を得た。
[実施例5]
(インク液(e))
インク液(a)のW5661の酸価を66、重量平均分子量を10900、平均粒径を10.3nmに代える以外同様にして実施例5のインク液(e)を得た。
[実施例6]
(インク液(f))
インク液(a)のW5661の酸価を66、重量平均分子量を31000、平均粒径を9.8nmに代える以外同様にして実施例6のインク液(f)を得た。
[実施例7]
(インク液(g))
インク液(a)のW5661の酸価を110、平均粒径を8.3nmに代える以外同様にして実施例7のインク液(g)を得た。
[実施例8]
(インク液(h))
インク液(a)のW5661の酸価を30、平均粒径を12.3nmに代える以外同様にして実施例8のインク液(h)を得た。
[実施例9]
(インク液(i))
インク液(a)の顔料分散液AをBに、W5661の酸価を80、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.2nmに代える以外同様にして実施例9のインク液(i)を得た。
[実施例10]
(インク液(j))
インク液(a)の顔料分散液AをCに、W5661の酸価を80、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.4nmに代える以外同様にして実施例10のインク液(j)を得た。
[実施例11]
(インク液(k))
インク液(a)の顔料分散液AをDに、W5661の酸価を80、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.3nmに代える以外同様にして実施例11のインク液(k)を得た。
参考例1
[分散液(E)]
カーボンがFW18(degussa社製:チャンネルブラック)である他、A液と同様にして参考例1の分散液Eを得た。
参考例2
[分散液A2]
A液のナフタレンスルホン酸の2、3、4量体の合計含有量を15%にする以外は同様にして参考例2の分散液A2を得た。
参考例3
[分散液G]
A液のナフタレンスルホン酸の2、3、4量体の合計含有を84%にする以外は同様にして参考例3の分散液Gを得た。
[実施例12
[分散液H]
:カーボンブラックのBET表面積が90m/g(Printex140u:degussa社製:チャンネルブラック)にする以外はA液と同様にして実施例12の分散液Hを得た。
[実施例13
[分散液I]
カーボンブラックのBET表面積が460m/g(FW2:degussa社製:チャンネルブラック)にする以外はA液と同様にして実施例13の分散液Iを得た。
[実施例14
[分散液J]
カーボンブラックの一次粒子の平均径が9nm(FW285:degussa社製:ガスブラック)にする以外はA液と同様にして実施例14の分散液Jを得た。
[実施例15
[分散液K]
カーボンブラックの一次粒子の平均径が31nm(Printex150T:degussa社製:チャンネルブラック)にする以外はA液と同様にして実施例15の分散液Kを得た。
参考例4
[分散液L]
分散液A2の分散時間を40分にする以外は同様にして参考例4の分散液Lを得た。
参考例5
[分散液M]
分散液M:分散液Bの分散時間を10分にする以外は同様にして参考例5の分散液Mを得た。
[実施例16
[分散液N]
分散液Aのビーズミル分散機を日本精機製作所製US−300T超音波分散機に代え分散時間を15分にする以外は同様にして実施例16の分散液Nを得た。
[実施例17
[分散液O]
分散液Aのナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の添加量が10部、蒸留水790部以外は同様にして実施例17の分散液Oを得た。(顔料1に対し分散剤0.05)
[実施例18
[分散液P]
A液のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の添加量が500部、蒸留水50部以外は同様にして実施例18の分散液Pを得た。(顔料1に対し分散剤2.2)
[実施例19
(インク液(x))
インク液(a)の顔料分散液Aを20部にし、蒸留水を58.55部にする以外は同様にしてカーボンブラック含有量が4%実施例19のインク液(x)を得た。
[実施例20
(インク液(y))
インク液(a)の顔料分散液を下記分散液Qの添加量を104重量部にし、蒸留水無しにする以外同様にしてカーボンブラック含有量が52%の実施例20のインク液(y)を得た。
分散液Q:カーボンブラックNIPex160-IQ(degussa社製:ガスブラック) 500部
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂製:A-45-PN) 50部
蒸留水 450部
[実施例21
(インク液(z))
インク液(a)のW5661の酸価を40に代える以外同様にして実施例21のインク液(z)を得た。
[実施例22
(インク液(z’)
インク液(a)のW5661の酸価を120に代える以外同様にして実施例22のインク液(z’)を得た。
[実施例23
(インク液(z”)
インク液(a)のW5661の分子量を500に代える以外同様にして実施例23のインク液(z”)を得た。
[実施例24
(インク液(z’”))
インク液(a)のW5661の分子量を50000に代える以外同様にして実施例24のインク液(z’”)を得た。
[比較例1]
(インク液(1))
インク液(a)のW5661の酸価を30、重量平均分子量を6000、平均粒径を26nmに代える以外同様にして比較例1のインク液(1)を得た。
[比較例2]
(インク液(2))
インク液(a)のW5661の酸価を124、重量平均分子量を1000、平均粒径を21nmに代える以外同様にして比較例2のインク液(2)を得た。
[比較例3]
(インク液(3))
インク液(a)の顔料分散液Aを下記分散液Rに、W5661の代わりに第一工業製薬社製:SF650(自己乳化アニオン:エステル型)する以外は同様にして比較例3のインク液(3)を得た。
[分散液R]
分散液R:カーボンブラックPrintex95(degussa社製:ファーネスブラック)200部
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂製:A-45-PN)50部
蒸留水 750部
[比較例4]
(インク液(4))
インク液(a)の顔料分散液AをGに、W5661の代わりに三井化学ポリウレタン社製(自己乳化アニオン:エステル型)に変える以外同様にして比較例4のインク液(4)を得た。
[比較例5]
(インク液(5))
インク液(a)のアニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂粒子の分子量を450にする以外は同様にして比較例5のインク液(5)を得た。
[比較例6]
(インク液(6))
インク液(a)の代わりにSF150(第一工業製薬社製:エステル系ポリウレタン樹脂粒子:平均粒径87nm)を用いる以外、同様にして比較例6のインク液(6)を得た。
[比較例7]
(インク液(7))
インク液(a)の顔料分散液Aを分散液F(Printex95:degussa社製ファーネスブラック)にする以外は同様にして比較例7のインク液(7)を得た。
[比較例8]
(インク液(8))
インク液処方(a)のW5661の酸価を30に代える以外同様にして比較例8のインク液(8)を得た。
[比較例9]
(インク液(9))
インク液処方(a)のW5661の酸価を124に代える以外同様にして比較例9のインク液(9)を得た。
[比較例10]
(インク液(10))
インク液処方(a)のW5661の分子量を55000に代える以外同様にして比較例10のインク液(10)を得た。
[比較例11]
(インク液(11))
インク液処方(a)のW5661の平均粒子径を23nmに代える以外同様にして比較例11のインク液(11)を得た。
次にインク液(a)〜(11)に含まれる顔料の平均粒径は、日機装(株)製の粒度分析計UPA150により測定した。
また、EPSON社製インクジェットプリンタMJ−930Cでゼロックス(株)社製PPC用紙4024に印字し、吐出安定性及び印字画像をXrite濃度計にて測定した。また、インク液保存性についても下記試験法により評価した。
[※1 ナフタレンスルホン酸縮合物 HPLC分析]
・装置:LC−10vp(島津製作所)
・カラム:ZORBAX BP-ODS(4.6id.×150mm)GLサイエンス)
・ガードカラム:ZORBAX BP-ODS(4.0id.×10mm)GLサイエンス)
・検出機:UV(237nm)
・移動相:CHCN/0.005M PIC水溶液=25/75
・流速:1mL/min
・サンプル調整:200ppm soln
・注入量:20μL
[※2 画像濃度測定]
画像濃度は画像サンプルのベタ画像の測色をXrite濃度計にて測定を行なう。
[※3 吐出安定性]
吐出安定性については、印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって評価した。
◎:クリーニング無しで印刷できた。
○:1回の動作により回復した。
△:2回〜3回の動作により回復した。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった。
[※4 インク保存性]
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃3週間保存した後の粒径、表面張力、粘度を測定し初期物性との変化率により下記の様に評価した。
◎:5%未満(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
○:5〜10%(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
△:30%以内(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
×:50%を超える(粒径、粘度)
[※5 耐擦過性]
市販の砂消しゴムに750gの加重をかけて10回摩擦を行ない、摩擦前後の画像の剥離状態を観察した。判定は次のように行なった。
○:剥離なし
△:部分的に剥離が認められ、視認性も低下。
×:ほとんどの部分が剥離
Figure 0005196235

Claims (16)

  1. 少なくともカーボンブラック、分散剤、ポリウレタン樹脂粒子、および水を含有するインクジェット用記録インクであって、
    前記カーボンブラックがチャンネルブラック及び/又はガスブラックであり、
    記録インクの動的光散乱法による粒子径測定における前記カーボンブラック平均粒子径(D50)が70nm以上180nm以下であり、
    前記分散剤が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物のナフタレンスルホン酸の2量体、3量体、4量体の合計含有量が20%から80%であり、
    前記ポリウレタン樹脂粒子がアニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂粒子であり、該アニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂粒子は、酸価が40以上120以下及び分子量が500以上50000以下、一次粒子の平均径が20nm以下のものであることを特徴とするインクジェット用記録インク。
  2. 前記カーボンブラックは、BET表面積が100m/gから400m/gであり、一次粒子の平均径は10nm〜30nmのものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録インク。
  3. 前記記録インクの動的光散乱法による粒子径測定による、カーボンブラック粒度分布粒子径標準偏差が、平均粒子径の1/2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用記録インク。
  4. 前記分散剤が、重量基準として前記カーボンブラックに対し0.1以上2以下の割合で含まれることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
  5. 前記カーボンブラックの含有量が5重量%から50重量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
  6. 前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンのガラス転移点が−50〜150℃であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
  7. 前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの最低造膜温度が25℃以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
  8. 前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの含有量が0.1重量%以上20重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
  9. 前記カーボンブラックの含有量が1重量%から20重量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  11. 請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用インクを画像支持体上に吐出させるインク吐出手段を有することを特徴とするインクジェットプリント装置。
  12. ピエゾ方式であることを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリント装置。
  13. サーマル方式であることを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリント装置。
  14. 請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを用いてインクジェット方式で印字することを特徴とする画像形成方法。
  15. 請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを用いてインクジェットプリント装置で印字された画像形成物。
  16. 画像形成物の画像支持体が紙であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成物。
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