JP5196235B2 - インクジェット用記録インク、インクカートリッジ、インクジェットプリント装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されているが、染料系インクは色調の鮮明性は優れているものの耐光性に劣る欠点があった。一方カーボンブラックや各種の有機顔料を分散させた顔料系インクは染料系インクと比較して耐光性に優れるため盛んに研究されている。
しかし顔料系インクは染料系インクと比べてノズルの目詰まりが生じやすい傾向がある。
顔料インクは、一般に水やアルコール類等の水性溶媒中に色材及び分散剤を予備分散させた分散物を調整したのち、該分散物をサンドミル等のメディア型分散機を用いて所定の程度まで分散させる分散工程を行い、次いで所定の濃度に希釈することにより調整されている。
顔料系の水系インクでは疎水性の顔料を分散させるために界面活性剤や水溶性樹脂を使用しているのが一般的であるが、得られる画像の信頼性は極めて悪い。
そこで、画質向上を目的として造膜性の樹脂微粒子をインク液に添加する技術が開示されているが、複数の成分を微細に安定に長期分散させるのは困難で、これらの微粒子を安定に分散させるために界面活性剤などの分散剤を多く使用すると、インクタンク、ヘッド内での気泡の発生、画質の劣化などの問題も起こってしまう。また、分散性を向上させる目的で顔料の表面を親水基に変える方法や親水基を含有した樹脂などを用いる事が検討されているが、それぞれ単独では安定であっても異なる種類を混ぜた場合、分散が不安定になり保存安定性が悪化するという問題があった。
また、分子内にカルボキシル基とノニオン親水基を有する水分散性樹脂を水に分散させる方法(特許文献5の特開平5−239392号公報)、水溶性高分子と界面活性剤を同じ極性にするかノニオンを添加する方法(特許文献6の特開平8−283633号公報)、水系記録液において着色イオン性含有ポリエステル樹脂と着色剤の親水基の極性を同じにする方法(特許文献7の特開2000−63727号公報)、顔料と樹脂微粒子の分散極性を同じにする方法(特許文献8の特開2001−81366号公報)、が報告されている。
また分散液中の粒子の少なくとも70%が0.1μm未満の直径を有し、当該分散液中の他の粒子が0.1μmに等しいか又はそれ以下の直径を有する粒度分布を有する顔料粒子を含む顔料分散液、アルデヒドナフタレンスルホネート分散剤、及び/又は少なくとも一つのスルホン溶媒、を含む水性インクジェットインク組成物(特許文献9の特開平08−333531号公報)が提案されている。
また、特許文献10の特開昭56−147871号公報においては、顔料、高分子分散剤および非イオン性界面活性剤を含有する水性媒体からなる記録液が提案されている。また、特許文献11の米国特許第5085698号明細書、特許文献12の米国特許第5221334号明細書においては、ABあるいはBABブロックコポリマーを、顔料の分散剤として用いることが提案されている。さらに、特許文献13の米国特許第5172133号明細書においては、特定の顔料、水溶性樹脂、溶媒を用いることが提案されている。
また、インクの定着性を高めるために、水性顔料系インクに樹脂エマルジョンを含有させること自体は、すでに提案されているが、例えば、特許文献14(特許第2867491号公報)では、ワックスエマルジョン、樹脂エマルジョン、ラテックス、無機あるいは有機の超微粒子を含有させ、しかも、インクの最低造膜温度が40℃以上であるインクが開示されている。そして、実施可能な樹脂エマルジョンとしては酢酸ビニル系、アクリル系、スチレン系、オレフィン系等の単独または共重合エマルジョンで、最低造膜温度が40℃以上である場合を例示している。すなわち、最低造膜温度の制約さえ満たせば、樹脂の組成には特別な限定はないのである。また、樹脂の種類による効果の優劣については記述も示唆もなく、実施例に示されたインクの性能と効果は、樹脂の種類に無関係に同じで優れている。しかし、これは顔料の粒径が1.0μm以下と大きい範囲での開示であり、顔料の粒径を70〜180nmとした時の耐擦過性・インク保存性・画像濃度を満足する樹脂エマルジョンではなかった。
一方、分散剤を用いない顔料分散方法として、カーボンブラックに水可溶化基を含む置換基を導入する方法が特許文献16の米国特許第5571311号明細書に、水溶性モノマー等をカーボンブラック表面に重合させる方法が特許文献17の特開平8−81646号公報に、カーボンブラックを酸化処理する方法が特許文献18の特開平8−3498号公報に開示されている。また、酸化処理を施したカーボンブラックおよびアクリル酸、スチレン、αメチルスチレンからなる3元重合体を含むインクによって耐水性と吐出安定性を確保する方法が、特許文献19の特開平9−194775号公報に開示されている。
しかし上記従来のインク液ではカラー顔料インクに関しては高い画像濃度は得られるものの黒色顔料インクに関してはいまだ十分ではなく満足するものではなかった。
即ち、本発明の上記目的は以下の(1)〜(16)により達成される。
(1)少なくともカーボンブラック、分散剤、ポリウレタン樹脂粒子、および水を含有するインクジェット用記録インクであって、
前記カーボンブラックがチャンネルブラック及び/又はガスブラックであり、
記録インクの動的光散乱法による粒子径測定における前記カーボンブラック平均粒子径(D50)が70nm以上180nm以下であり、
前記分散剤が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物のナフタレンスルホン酸の2量体、3量体、4量体の合計含有量が20%から80%であり、
前記ポリウレタン樹脂粒子がアニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂粒子であり、該アニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂粒子は、酸価が40以上120以下及び分子量が500以上50000以下、一次粒子の平均径が20nm以下のものであることを特徴とするインクジェット用記録インク。
(2)前記カーボンブラックのBET表面積が100m2/gから400m2/gであり、一次粒子の平均径は10nm〜30nmであることを特徴とする前記(1)項に記載のインクジェット用記録インク。
(3)前記記録インクの動的光散乱法による粒子径測定による、カーボンブラック粒度分布の粒子径標準偏差が、平均粒子径の1/2以下であることを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載のインクジェット用記録インク。
(4)前記分散剤が重量基準として顔料1に対し0.1以上2以下の割合で含まれることを特徴する前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
(5)前記カーボンブラックの含有量が5重量%から50重量%であることを特徴とする前記(1)乃至(4)項のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
(6)前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンのガラス転移点が−50〜150℃であることを特徴とする(1)乃至(5)項のいずれかに記載の請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
(7)前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの最低増膜温度が25℃以下であることを特徴とする前記(1)乃至(6)項のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
(8)前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの含有量が0.1重量%以上20重量%以下であることを特徴とする前記(1)乃至(7)項のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
(9)前記カーボンブラックの含有量が1重量%から20重量%であることを特徴とする前記(1)乃至(8)項のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
(10)前記(1)項乃至(9)項のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
(11)前記(1)項乃至(9)項のいずれかに記載のインクジェット用インクを画像支持体上に吐出させるインク吐出手段を有することを特徴とするインクジェットプリント装置。
(12)ピエゾ方式であることを特徴とする前記(11)項に記載のインクジェットプリント装置。
(13)サーマル方式であることを特徴とする前記(11)項に記載のインクジェットプリント装置。
(14)前記(1)項乃至(9)項のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを用いてインクジェット方式で印字することを特徴とする画像形成方法。
(15)前記(1)項乃至(9)項のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを用いてインクジェットプリント装置で印字された画像形成物。
(16)画像形成物の画像支持体が紙であることを特徴とする前記(15)項に記載の画像形成物。
上記のように、本発明のインクジェット用記録インクは、少なくともカーボンブラックと分散剤、アニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂粒子、水からなり、前記カーボンブラックがチャンネルブラック及び又はガスブラックであり、前記アニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂粒子の酸価が40以上120以下及び分子量が500以上50000以下及び一次粒子の平均径は20nm以下であることを特徴とするインクジェット用記録インクである。
チャンネルブラックとは、主に芳香族油を原料として、不完全燃焼する炎とチャンネル鋼(H型の鋼)を接触させて析出させたカーボンブラックであり、ガスブラックとは主に天然ガスを原料として、不完全燃焼させて析出させたカーボンブラックである。
また、ナフタレンスルホン酸の2量体から4量体の含有率が80%を超えると粘度が高くなり、分散が困難になる。
特に、平均粒径を10nm以下にすることによって、印刷を継続している途中でインクジェットプリンターは作動しているのにインクが吐出しなくなるトラブルを防止する効果が高まる。
より好ましくは−10〜100℃の範囲である。理由は定かではないが、ガラス転移点が150℃を超えるとエーテル系ポリウレタン樹脂の成膜性はガラス状で硬いが、顔料粒子とエーテル系ポリウレタン樹脂が画像支持体に同時に着弾し、できた印字部分の耐擦過性は意外にもろく、一方、150℃以下ではポリウレタンム状で柔らかいが、耐擦過性に優れたものができる。しかしながら−50℃未満となると膜が柔らかすぎて、耐擦過性は劣る。以上の点から、同じ添加量では、ガラス転移点が−50〜150℃の範囲の方が耐擦過性の効果が大きい。なお、本発明でいう樹脂のガラス転移点は、DSC(示差走査熱量計)、TMA(熱機械分析)のいずれかの測定法によるものである。
ここで、「最低造膜温度(MFT)」とは、エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョン粒子を水に分散させて得られた水性エマルジョン粒子をアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていった時に透明な連続フィルムの形成される最低の温度をいう。最低造膜温度未満の温度領域では白色粉末状となる。
本発明において用いられる水溶性有機溶剤としては以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
また好ましくは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(EHD)を含むことで、インクの浸透性をあげると同時に顔料を表面にとどめることで滲みをなくし、画像濃度が高くかつ裏抜けが少ない印字画像を得ることが可能となった。EHDの含有量としては0.1質量%以上、10.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、5.0質量%以下である。0.1質量%未満では効果が少なく、10.0質量%を超えると、これ自体の溶解性が低いために、信頼性が悪くなる。
また、ノニオン、アニオン、カチオン、両性の各種の界面活性剤、防腐剤等が挙げられる。
[分散液A]
(処方)
カーボンブラック NIPEX160-IQ(degussa社製:ガスブラック) 200部
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂社製A-45-PN)
(ナフタレンスルホン酸2量体、3量体、4量体の合計含有量:49%) 50部
蒸留水 750部
上記の混合物をプレミックス後、プレミックス後ビーズミル分散機(寿工業社製 UAM−015)を用い0.03mmジルコニアビーズ(密度6.03×10−6g/m2)で周速10m/s、液温25℃で20分間分散した後、遠心分離機(久保田商事(株)製Model−3600)で粗大粒子を遠心分離し、カーボンブラック分散液の平均粒子径124.5nm、標準偏差20.5nmの表1の分散液(A)を得た。
分散液AのカーボンブラックをNIPEX150(degussa社製:ガスブラック)にする以外は同様にして表1の顔料分散液(B)を得た。
分散液Aのナフタレンスルホン酸2量体、3量体、4量体の合計含有量を順次26、75と代える以外は同様にして表1の顔料分散液(C)、(D)を得た。
分散液Aのナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂社製A-45-PN)を下記一般式(1)の化合物(n=40)に代える以外は同様にして表1の顔料分散液(E)を得た。
分散液Aのカーボンブラックを順次、Printex95、FW285(degussa社製:ファーネスブラック)、にする以外は同様にして各顔料分散液を表1の顔料分散液(F)、(G)を得た。
(インク処方(a))
顔料分散液A(顔料濃度20%) 50.0部
グリセリン 3.0部
ジエチレングリコール 15.0部
2―エチル−1,3−ヘキサンジオール 3.0部
2−ピロリドン 3.0部
W5661(アニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン) 2.0部
(酸価:48、重量平均分子量:20000、平均粒径:11.0nm、)
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム 0.45部
蒸留水 23.55部
(インク液(b))
インク液処方(a)のW5661の酸価を66、平均粒子径を8.2nm、に代える以外同様にして実施例2のインク液(b)を得た。
(インク液(c))
インク液(a)のW5661の酸価を66、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.4nmに代える以外同様にして実施例3のインク液(c)を得た。
(インク液(d))
インク液(a)のW5661の酸価を80、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.3nmに代える以外同様にして実施例4のインク液(d)を得た。
(インク液(e))
インク液(a)のW5661の酸価を66、重量平均分子量を10900、平均粒径を10.3nmに代える以外同様にして実施例5のインク液(e)を得た。
(インク液(f))
インク液(a)のW5661の酸価を66、重量平均分子量を31000、平均粒径を9.8nmに代える以外同様にして実施例6のインク液(f)を得た。
(インク液(g))
インク液(a)のW5661の酸価を110、平均粒径を8.3nmに代える以外同様にして実施例7のインク液(g)を得た。
(インク液(h))
インク液(a)のW5661の酸価を30、平均粒径を12.3nmに代える以外同様にして実施例8のインク液(h)を得た。
(インク液(i))
インク液(a)の顔料分散液AをBに、W5661の酸価を80、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.2nmに代える以外同様にして実施例9のインク液(i)を得た。
(インク液(j))
インク液(a)の顔料分散液AをCに、W5661の酸価を80、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.4nmに代える以外同様にして実施例10のインク液(j)を得た。
(インク液(k))
インク液(a)の顔料分散液AをDに、W5661の酸価を80、重量平均分子量を16000、平均粒径を10.3nmに代える以外同様にして実施例11のインク液(k)を得た。
[分散液(E)]
カーボンがFW18(degussa社製:チャンネルブラック)である他、A液と同様にして参考例1の分散液Eを得た。
[分散液A2]
A液のナフタレンスルホン酸の2、3、4量体の合計含有量を15%にする以外は同様にして参考例2の分散液A2を得た。
[分散液G]
A液のナフタレンスルホン酸の2、3、4量体の合計含有を84%にする以外は同様にして参考例3の分散液Gを得た。
[分散液H]
:カーボンブラックのBET表面積が90m2/g(Printex140u:degussa社製:チャンネルブラック)にする以外はA液と同様にして実施例12の分散液Hを得た。
[分散液I]
カーボンブラックのBET表面積が460m2/g(FW2:degussa社製:チャンネルブラック)にする以外はA液と同様にして実施例13の分散液Iを得た。
[分散液J]
カーボンブラックの一次粒子の平均径が9nm(FW285:degussa社製:ガスブラック)にする以外はA液と同様にして実施例14の分散液Jを得た。
[分散液K]
カーボンブラックの一次粒子の平均径が31nm(Printex150T:degussa社製:チャンネルブラック)にする以外はA液と同様にして実施例15の分散液Kを得た。
[分散液L]
分散液A2の分散時間を40分にする以外は同様にして参考例4の分散液Lを得た。
[分散液M]
分散液M:分散液Bの分散時間を10分にする以外は同様にして参考例5の分散液Mを得た。
[分散液N]
分散液Aのビーズミル分散機を日本精機製作所製US−300T超音波分散機に代え分散時間を15分にする以外は同様にして実施例16の分散液Nを得た。
[分散液O]
分散液Aのナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の添加量が10部、蒸留水790部以外は同様にして実施例17の分散液Oを得た。(顔料1に対し分散剤0.05)
[分散液P]
A液のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物の添加量が500部、蒸留水50部以外は同様にして実施例18の分散液Pを得た。(顔料1に対し分散剤2.2)
(インク液(x))
インク液(a)の顔料分散液Aを20部にし、蒸留水を58.55部にする以外は同様にしてカーボンブラック含有量が4%実施例19のインク液(x)を得た。
(インク液(y))
インク液(a)の顔料分散液を下記分散液Qの添加量を104重量部にし、蒸留水無しにする以外同様にしてカーボンブラック含有量が52%の実施例20のインク液(y)を得た。
分散液Q:カーボンブラックNIPex160-IQ(degussa社製:ガスブラック) 500部
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂製:A-45-PN) 50部
蒸留水 450部
(インク液(z))
インク液(a)のW5661の酸価を40に代える以外同様にして実施例21のインク液(z)を得た。
(インク液(z’)
インク液(a)のW5661の酸価を120に代える以外同様にして実施例22のインク液(z’)を得た。
(インク液(z”)
インク液(a)のW5661の分子量を500に代える以外同様にして実施例23のインク液(z”)を得た。
(インク液(z’”))
インク液(a)のW5661の分子量を50000に代える以外同様にして実施例24のインク液(z’”)を得た。
(インク液(1))
インク液(a)のW5661の酸価を30、重量平均分子量を6000、平均粒径を26nmに代える以外同様にして比較例1のインク液(1)を得た。
(インク液(2))
インク液(a)のW5661の酸価を124、重量平均分子量を1000、平均粒径を21nmに代える以外同様にして比較例2のインク液(2)を得た。
(インク液(3))
インク液(a)の顔料分散液Aを下記分散液Rに、W5661の代わりに第一工業製薬社製:SF650(自己乳化アニオン:エステル型)する以外は同様にして比較例3のインク液(3)を得た。
[分散液R]
分散液R:カーボンブラックPrintex95(degussa社製:ファーネスブラック)200部
ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂製:A-45-PN)50部
蒸留水 750部
(インク液(4))
インク液(a)の顔料分散液AをGに、W5661の代わりに三井化学ポリウレタン社製(自己乳化アニオン:エステル型)に変える以外同様にして比較例4のインク液(4)を得た。
(インク液(5))
インク液(a)のアニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂粒子の分子量を450にする以外は同様にして比較例5のインク液(5)を得た。
(インク液(6))
インク液(a)の代わりにSF150(第一工業製薬社製:エステル系ポリウレタン樹脂粒子:平均粒径87nm)を用いる以外、同様にして比較例6のインク液(6)を得た。
(インク液(7))
インク液(a)の顔料分散液Aを分散液F(Printex95:degussa社製ファーネスブラック)にする以外は同様にして比較例7のインク液(7)を得た。
(インク液(8))
インク液処方(a)のW5661の酸価を30に代える以外同様にして比較例8のインク液(8)を得た。
(インク液(9))
インク液処方(a)のW5661の酸価を124に代える以外同様にして比較例9のインク液(9)を得た。
(インク液(10))
インク液処方(a)のW5661の分子量を55000に代える以外同様にして比較例10のインク液(10)を得た。
(インク液(11))
インク液処方(a)のW5661の平均粒子径を23nmに代える以外同様にして比較例11のインク液(11)を得た。
また、EPSON社製インクジェットプリンタMJ−930Cでゼロックス(株)社製PPC用紙4024に印字し、吐出安定性及び印字画像をXrite濃度計にて測定した。また、インク液保存性についても下記試験法により評価した。
・装置:LC−10vp(島津製作所)
・カラム:ZORBAX BP-ODS(4.6id.×150mm)GLサイエンス)
・ガードカラム:ZORBAX BP-ODS(4.0id.×10mm)GLサイエンス)
・検出機:UV(237nm)
・移動相:CH3CN/0.005M PIC水溶液=25/75
・流速:1mL/min
・サンプル調整:200ppm soln
・注入量:20μL
画像濃度は画像サンプルのベタ画像の測色をXrite濃度計にて測定を行なう。
吐出安定性については、印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって評価した。
◎:クリーニング無しで印刷できた。
○:1回の動作により回復した。
△:2回〜3回の動作により回復した。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった。
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃3週間保存した後の粒径、表面張力、粘度を測定し初期物性との変化率により下記の様に評価した。
◎:5%未満(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
○:5〜10%(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
△:30%以内(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
×:50%を超える(粒径、粘度)
市販の砂消しゴムに750gの加重をかけて10回摩擦を行ない、摩擦前後の画像の剥離状態を観察した。判定は次のように行なった。
○:剥離なし
△:部分的に剥離が認められ、視認性も低下。
×:ほとんどの部分が剥離
Claims (16)
- 少なくともカーボンブラック、分散剤、ポリウレタン樹脂粒子、および水を含有するインクジェット用記録インクであって、
前記カーボンブラックがチャンネルブラック及び/又はガスブラックであり、
記録インクの動的光散乱法による粒子径測定における前記カーボンブラック平均粒子径(D50)が70nm以上180nm以下であり、
前記分散剤が、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物のナフタレンスルホン酸の2量体、3量体、4量体の合計含有量が20%から80%であり、
前記ポリウレタン樹脂粒子がアニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂粒子であり、該アニオン性自己乳化型エーテル系ポリウレタン樹脂粒子は、酸価が40以上120以下及び分子量が500以上50000以下、一次粒子の平均径が20nm以下のものであることを特徴とするインクジェット用記録インク。 - 前記カーボンブラックは、BET表面積が100m2/gから400m2/gであり、一次粒子の平均径は10nm〜30nmのものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録インク。
- 前記記録インクの動的光散乱法による粒子径測定による、カーボンブラック粒度分布の粒子径標準偏差が、平均粒子径の1/2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用記録インク。
- 前記分散剤が、重量基準として前記カーボンブラックに対し0.1以上2以下の割合で含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
- 前記カーボンブラックの含有量が5重量%から50重量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
- 前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンのガラス転移点が−50〜150℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
- 前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの最低造膜温度が25℃以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
- 前記エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの含有量が0.1重量%以上20重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
- 前記カーボンブラックの含有量が1重量%から20重量%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット用インクを画像支持体上に吐出させるインク吐出手段を有することを特徴とするインクジェットプリント装置。
- ピエゾ方式であることを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリント装置。
- サーマル方式であることを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリント装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを用いてインクジェット方式で印字することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット用記録インクを用いてインクジェットプリント装置で印字された画像形成物。
- 画像形成物の画像支持体が紙であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成物。
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