JP6525638B2 - 記録方法、記録物、記録物の処理方法、及び記録物の耐折り割れ性の向上方法 - Google Patents

記録方法、記録物、記録物の処理方法、及び記録物の耐折り割れ性の向上方法 Download PDF

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Description

本発明は記録方法、記録物、記録物の処理方法、及び記録物の耐折り割れ性の向上方法に関する。
近年、インクジェット用記録媒体を用いたフォトブックなどの需要が高まっている。フォトブックを作製する方法としては、片面にのみ画像を記録した複数のインクジェット用記録媒体に予め折り目を付け、この折り目を境界として、画像が記録されていない面同士を貼り合わせる方法が挙げられる。このような方法によって、ページを跨ぐような大きな画像を記録媒体に配置したようなフォトブックを作製することができる。
このような用途における課題として、記録物に折り目を付けた際に、記録媒体のインク受容層が割れるなどして、画像の一部が割れたり剥がれたりしてしまう場合があった。また、フォトブックの作製時のように積極的に折り目を付けるような場合でなくても、保管時などに意図せずに記録物が折れてしまい、画像の一部が割れたり剥がれたりしてしまう場合があった。そこで、折り目を付けた場合や折り目が付いてしまった場合に画像の割れや剥がれが起きないような、即ち、耐折り割れ性の高い記録物を得ることができる記録方法への需要が高まっている。
従来、記録物の耐折り割れ性を改善する方法として、記録媒体のインク受容層と基材との間に水溶性樹脂を含む下引き層を設ける方法が知られている(特許文献1及び2)。下引き層が折り目を付けた際の応力を緩和するため、耐折り割れ性が改善される。また、インク受容層に含有するバインダーを工夫することで記録物の耐折り割れ性を改善する方法も知られている(特許文献3)。特許文献3には、インク受容層に含有するバインダーとして重合度4,100以上の高重合度のポリビニルアルコールを用いることで、記録物の耐折り割れ性を改善することが記載されている。
一方、画像の耐候性を向上する目的で、画像にアニオン性ウレタン樹脂粒子を塗工する方法も知られている(特許文献4)。
特開2001−096898号公報 特開2008−183807号公報 特開2003−170660号公報 特開2002−240414号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1〜3に記載の記録媒体では、得られる記録物の耐折り割れ性が十分でなかった。また、特許文献4に記載の方法で得られる記録物も、耐折り割れ性が十分でなかった。
したがって、本発明の目的は、耐折り割れ性に優れた記録物、並びに、耐折り割れ性に優れた記録物が得られる記録方法、記録物の処理方法、及び記録物の耐折り割れ性の向上方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
本発明における第1の実施形態は、基材と、インク受容層とを有する記録媒体にインクを付与するインク付与工程と、前記インクが付与された記録媒体に、前記インクが付与された領域と少なくとも一部が重複するように、ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物を付与することで被覆層を形成する被覆層形成工程と、によって、記録物を得る記録方法であって、前記基材は、基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であり、前記被覆層の破断強度が0.14N以上0.71N以下であり、かつ、破断伸度が211%以上910%以下であることを特徴とする記録方法である。
本発明における第2の実施形態は、基材と、色材を含有するインク受容層とを有する記録物であって、更に、前記インク受容層の色材を含有する領域と少なくとも一部が重複するように、ポリウレタン樹脂を含有する被覆層が設けられており、前記基材は、基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であり、前記被覆層の破断強度が0.14N以上0.71N以下であり、かつ、破断伸度が211%以上910%以下であることを特徴とする記録物である。
本発明における第3の実施形態は、基材と、インク受容層とを有する記録媒体にインクを付与することで得られる記録物を折る折り処理工程を有する記録物の処理方法であって、前記折り処理工程に先立って、ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物を付与することで被覆層を形成する被覆層形成工程を有し、前記基材は、基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であり、前記被覆層の破断強度が0.14N以上0.71N以下であり、かつ、破断伸度が211%以上910%以下であることを特徴とする記録物の処理方法である。
本発明における第4の実施形態は、基材と、インク受容層とを有する記録媒体にインクを付与することで得られる記録物の耐折り割れ性を向上する方法であって、前記基材は、基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であり、前記記録物の少なくとも一部に、ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物を付与することで被覆層を形成する被覆層形成工程を有し、前記被覆層の破断強度が0.14N以上0.71N以下であり、かつ、破断伸度が211%以上910%以下であることを特徴とする記録物の耐折り割れ性の向上方法である。
本発明によれば、耐折り割れ性に優れた記録物を得ることができる記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、耐折り割れ性に優れた記録物、耐折り割れ性に優れた記録物が得られるような処理方法、及び、記録物の耐折り割れ性の向上方法を提供することができる。
本発明におけるインク付与手段の構成の一例を示した断面図である。 汲み上げロール式塗布装置の構成の一例を示した概略図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、第1の実施形態を挙げて詳細に説明する。尚、第2〜4の実施形態に関しても、第1の実施形態と共通する部分に関しては同様である。
[記録方法]
本発明における第1の実施形態の記録方法は、記録媒体にインクを付与する(1)インク付与工程と、インクが付与された記録媒体に、前記インクが付与された領域と少なくとも一部が被覆するように、ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物を付与することで、被覆層を形成する(2)被覆層形成工程と、を少なくとも有する。更に、記録物を折る(3)折り処理工程や、(4)その他の工程を有していてもよい。これらの各工程について以下に説明する。
(1)インク付与工程
インクを記録媒体に付与する方式としては、インクジェット方式を用いることが好ましい。また、インクジェット方式としては、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる、所謂、サーマルインクジェット方式でも、ピエゾ素子を用いて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる、所謂、ピエゾインクジェット方式でもよい。
記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを走査して記録を行う、所謂、シリアルタイプのインクジェット記録ヘッドでも、複数のノズルを使用が想定される記録媒体の最大幅をカバーする範囲に配列させた、所謂、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドでもよい。画像をより高速で記録する観点から、記録ヘッドは、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドであることが好ましい。フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドは、記録媒体の搬送方向に対して垂直方向にノズル列が並ぶように設けられていることが好ましい。また、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドは、インクの色毎に複数設けられ、それぞれの記録ヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられていることが好ましい。
<記録媒体>
本発明で用いる記録媒体は、従来公知のものであれば何れも用いることができるが、中でも、基材とインク受容層を有するインクジェット用記録媒体を用いることが好ましい。更に、本発明では、基材上に下層と上層の2層のインク受容層とを有する記録媒体を用いることが好ましい。以下、記録媒体を構成する、基材とインク受容層についてそれぞれ説明する。
(基材)
本発明では、基材として耐水性基材を用いることが好ましい。耐水性基材としては、例えば基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙(Resin Coated紙)、合成紙、プラスチックフィルムなどが挙げられる。耐水性基材としては、特に樹脂被覆紙を用いることが好ましい。
樹脂被覆紙の基紙としては、一般的に用いられている普通紙などが使用できるが、写真用基材に用いられているような平滑な原紙が好ましい。特に、紙を抄造中または抄造後カレンダーなどにて圧力を付加して圧縮する表面処理をした表面平滑性の高いものが好ましい。原紙を構成するパルプとしては、例えば天然パルプ、再生パルプ、合成パルプなどを1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般的に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料などの添加剤を配合してもよい。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤などを表面塗工してもよい。基紙の密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは0.7g/cm以上である。1.2g/cm以下であれば、クッション性が低下することや、搬送性が低下することを抑制できる。0.6g/cm以上であれば、表面平滑性が低くなることを抑制できる。基紙の膜厚は50.0μm以上であることが好ましい。50.0μm以上であれば、引っ張りや引き裂きに対する強度や、質感が高まる。基紙の膜厚は、生産性などの点から350.0μm以下であることが好ましい。基紙を被覆する樹脂(樹脂層)の膜厚は、5.0μm以上であることが好ましく、8.0μm以上であることがより好ましい。また40.0μm以下であることが好ましく、35.0μm以下であることがより好ましい。5.0μm以上であれば、基紙への水やガスの浸透を抑制し、折り曲げによるインク受容層のひび割れの発生を抑制できる。40.0μm以下であれば、耐カール性を高めることができる。樹脂としては、例えば低密度のポリエチレン(LDPE)や高密度のポリエチレン(HDPE)が用いられる。他にも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)やポリプロピレンなどを用いてもよい。特にインク受容層を形成する側(表面側)の樹脂層には、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白剤、群青をポリエチレン中に添加して、不透明度、白色度及び色相を改良することが好ましい。樹脂層に酸化チタンを含有させる場合は、酸化チタンの含有量は樹脂全量に対して3.0質量%以上であることが好ましく、4.0質量%以上であることがより好ましい。また、20.0質量%以下であることが好ましく、13.0質量%以下であることがより好ましい。
また、プラスチックフィルムとしては、例えば、熱可塑性樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステルなど、熱硬化性樹脂である尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などから製造されたフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムの膜厚は50.0μm以上250.0μm以下であることが好ましい。
耐水性基材の面質は、光沢面、半光沢面、無光沢面など、所望の面質とすることができる。中でも、半光沢面或いは無光沢面とすることが好ましい。例えば、樹脂を基紙表面上に溶融押し出ししてコーティングする際に、凹凸の模様がついたローラーに圧接することにより型付け処理を行うことで、半光沢面或いは無光沢面とすることができる。半光沢面或いは無光沢面を有する基材上にインク受容層を形成すると、インク受容層の表面、即ち記録媒体の表面には、基材の凹凸を反映した凹凸が形成される。この結果、過度に高い光沢によるぎらつきを抑制することができる。また、基材とインク受容層の接着面積が広く、耐折り割れ性が向上する。記録媒体表面のJIS B 0601:2001に規定されるカットオフ値0.8mmでの算術平均粗さ(Ra)は、0.3μm以上6.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上3.0μm以下であることがより好ましい。0.3μm以上6.0μm以下であることにより、良好な光沢性を得ることができる。
本発明においては、基材のインク受容層を設ける側の面に、ゼラチンやポリビニルアルコールなどの親水性高分子を主体とするプライマー層を設けてもよい。或いは、コロナ放電やプラズマ処理などによる易接着処理を行ってもよい。これらによって基材とインク受容層の接着性を高めることができる。
(インク受容層)
インク受容層は、無機顔料やバインダーなどから構成される。無機顔料は、特に限定されず、例えば、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどの無機顔料を何れも好適に用いることができる。これらの中でも良好な多孔質構造を形成し、インクの吸収性が良好なアルミナ、アルミナ水和物、シリカを無機顔料として用いるのが好ましい。また、これら無機顔料の複数種類を併用して用いても構わない。即ち、無機顔料として、アルミナ、アルミナ水和物及びシリカから選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
バインダーは、水溶性樹脂であることが好ましい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ゼラチン及びその誘導体、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミンなどの天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、カチオン変性、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのラテックス類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸又はその共重合体などを挙げることができ、1種もしくは2種以上を組合せて用いることができる。
上記したバインダーの中でも、強度の高いインク受容層が得られるため、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。
また、インク受容層には、バインダーを架橋するための材料(架橋剤)としてホウ素化合物を1種以上含有させることが好ましい。ホウ素化合物としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、次ホウ酸、及びこれらホウ素化合物の塩などが挙げられる。ホウ素化合物の塩としては、上記ホウ素化合物の水溶性の塩であることが好ましい。具体的には、例えば、ホウ素化合物のナトリウム塩(Na・10HO、NaBO・4HOなど)、カリウム塩(K・5HO、KBOなど)などのアルカリ金属塩;ホウ素化合物のアンモニウム塩(NH・3HO、NHBOなど)などが挙げられる。塗工液の経時安定性と、クラック発生の抑制効果の点から、オルトホウ酸を用いることが好ましい。
また、無機顔料を水などの溶媒に均一に分散させるための解膠剤や、耐水性が向上するためのカチオン性ポリマーが含まれていてもよい。例えば、無機顔料としてアルミナ水和物を用いる場合の解膠剤として、酸を用いることでアルミナ水和物が均一に分散した分散体を得ることができる。解膠剤となる酸としては、一般に知られている酸の中で、酢酸、蟻酸、シュウ酸、アルキルスルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホ酸、ブタンスルホン酸、イソ−プロパンスルホン酸など)などの有機酸;硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸が挙げられる。
また、無機顔料としてシリカを用いる場合の好ましいカチオン性ポリマーとしては、例えば、4級アンモニウム塩、ポリアミン、アルキルアミン、ハロゲン化第4級アンモニウム塩、カチオン性ウレタン樹脂、アミン・エピクロルヒドリン重付加体、ジハライド・ジアミン重付加体、ポリアミジン、ビニル(共)重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアン系カオチン樹脂、ポリアミン系カオチン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド−SO共重合物、ジアリルアミン塩−SO共重合物、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー・第4級アンモニウム塩基置換アルキル基を有するスチリル型ポリマー、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン系樹脂などが挙げられる。
また、インク受容層には、含硫黄高分子化合物を併用することが好ましい。併用により、色材の耐光性や、耐ガス性などの堅牢性を向上させたり、にじみやローラーマークの発生をより効果的に抑制できたりといった効果を発現できる。色材の染着位置を考慮すると、色材の堅牢性の観点から含硫黄高分子化合物は上層に多く配合することが好ましい。上層における含硫黄高分子化合物の好ましい含有量は、上層全体に対して0.1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上6質量%以下である。
また、インク受容層に、以下の添加剤を加えても良い。例えば、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤である。
(上層と下層を有する記録媒体)
上述の通り、本発明では、基材上に下層と上層の2層のインク受容層とを有する記録媒体を用いることが好ましい。また、基材と下層とは隣接していること、及び、下層の基材と隣接している面と反対側の面は上層と隣接していることが好ましい。尚、上層の更に上、または上層と下層との間、或いは下層と基材との間に、薄膜を設けてもよい。薄膜の膜厚は、0.1μm以上3.0μm以下とすることが好ましい。特に薄層として上層の上にコロイダルシリカを含有した表面層を設けると、光沢性及び耐傷性の点で好ましい。
インク受容層の膜厚は、上層と下層とを合わせて15.0μm以上とすることが好ましく、20.0μm以上とすることがより好ましく、25.0μm以上とすることが特に好ましい。また、50.0μm以下とすることが好ましく、40.0μm以下とすることがより好ましい。インク受容層の膜厚が15.0μm以上50.0μm以下であることにより、耐折り割れ性とインク吸収性、さらに画像濃度を良好とすることができる。本発明においては、インク受容層の膜厚を30.0μm以上38.0μm以下とすることが最も好ましい。尚、本発明におけるインク受容層の膜厚とは、絶乾時の膜厚であり、走査電子顕微鏡を用いて断面を4点測定した平均値である。本発明では、膜厚を測定する対象を四角形とし、四隅から四角形の重心方向に1cm離れた部分を4点としている。
2層のインク受容層は、何れも、無機粒子、バインダー及び架橋剤を含有し、かつ、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が、上層より下層の方が小さいことが耐折り割れ性を向上する観点から好ましい。インク受容層におけるバインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が高い程、インク受容層の架橋度が高まり、インク受容層は硬くなる傾向がある。下層におけるバインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率を上層より小さくすることで下層が軟らかくなるため記録媒体全体の柔軟性が向上し、記録媒体を折った際にかかる応力を緩和することができる。
本発明においては、特に、下層における、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が2.0質量%以上7.0質量%以下であることが好ましい。また、上層における、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が10.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。更には、下層における、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が3.0質量%以上6.5質量%以下であることがより好ましい。また、上層における、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が12.0質量%以上25.0質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明においては、下層用塗工液における、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が2.0質量%以上7.0質量%以下であることが好ましい。また、上層用塗工液における、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が10.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。更には、下層用塗工液における、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が3.0質量%以上6.5質量%以下であることがより好ましい。また、上層用塗工液における、バインダーの含有量に対する架橋剤の含有量の比率が12.0質量%以上25.0質量%以下であることがより好ましい。
更に、無機顔料に対するバインダーの比率が、下層より上層の方が小さいことが好ましい。係る構成とすることで、上層と下層の密着性が向上し、耐折り割れ性が向上するからである。
本発明においては、特に、下層における、無機粒子の含有量に対するバインダーの含有量の比率が11.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。また、上層における、無機粒子の含有量に対するバインダーの含有量の比率が5.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。更には、下層における、無機粒子の含有量に対するバインダーの含有量の比率が12.0質量%以上30.0質量%以下であることがより好ましい。また、上層における、無機粒子の含有量に対するバインダーの含有量の比率が6.0質量%以上9.0質量%以下であることがより好ましい。
<インク>
(色材)
インクに含有させる色材としては、染料、有機顔料や無機顔料などの顔料が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。インク中の色材の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下、さらには0.3質量%以上8.0質量%以下であることが好ましい。色材の色相としては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーなどのものを用いることができる。
本発明においては、記録した画像の品位を銀塩写真に匹敵する高いレベルとすることが容易に達成されるため、色材として染料を用いることが特に好ましい。スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基があることで水溶性を有する染料を用いることが好ましく、具体的には、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載された、酸性染料、直接染料、反応性染料などが挙げられる。また、カラーインデックスに記載のない染料であっても、スルホン酸基やカルボキシ基などのアニオン性基を少なくとも有する染料であれば、いずれのものも使用することができる。
(水性媒体)
インクには、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。インク中の水の含有量は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量を基準として、2.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
水としては、脱イオン水やイオン交換水を使用することが好ましい。水溶性有機溶剤としては、1価ないしは多価のアルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができ、1種又は2種以上をインクに含有させることができる。本発明においては、保湿性に優れ、耐固着性を向上することができるため、25℃における蒸気圧が水よりも高い水溶性有機溶剤を少なくとも1種用いることが好ましい。
本発明においては、記録媒体に付与するインクが、水溶性有機溶剤として、多価アルコール類やグリコール類を含有していることが記録物の耐折り割れ性の観点から好ましい。多価アルコール類やグリコール類はその構造中に複数のヒドロキシル基を有する。インクが記録媒体に付与された際に、複数のヒドロキシル基の作用により、被覆層や記録媒体のバインダーとして用いられているポリビニルアルコールやその誘導体が可塑化するため、記録媒体及び記録物がより柔軟になり耐折り割れ性が向上すると考えられる。多価アルコール類及びグリコール類の中でも、アルキルジオール及びグリセリンから選択される少なくとも1種がより好ましく、1,5−ペンタンジオール及びグリセリンから選択される少なくとも1種が特に好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インクには、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパンやトリメチロールエタンなどの多価アルコール類など、常温(25℃)で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、上記で説明した成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマーなどの、種々の添加剤を含有させてもよい。
(2)被覆層形成工程
本発明における第1の実施形態の記録方法において、被覆層形成工程は、インクが付与された記録媒体に、インクが付与された領域と少なくとも一部が重複するように、ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物を付与することで被覆層を形成する工程である。液体組成物を付与する方式としては、インクジェット方式や塗布方式などが挙げられるが、塗布方式が好ましい。塗布方式としては、例えば、ローラーコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、刷毛などによる塗布法などが挙げられる。中でも、耐折り割れ性に優れた被覆層を形成するためには、後述するように液体組成物の固形分塗布量として3g/m以上を塗布することが好ましい。このような被覆層を一度の塗布で形成するためには、液体組成物を溜めるパンと、パン内から汲み上げた液体組成物を記録媒体に塗布するためのロールとを備えたロール式塗布装置(以下、「汲み上げロール式塗布装置」ともいう)を用いて塗布することが好ましい。
また、被覆層を形成する領域は、インクが付与された領域と少なくとも一部が重複すればよく、記録媒体の全領域でも、インクが付与された領域を全て含むような領域でも、インクが付与された領域の一部の領域でもよい。
保管時などに意図せずに記録物が折れてしまい、画像の一部が割れたり剥がれたりしてしまうことを防ぐ目的であれば、記録媒体の全領域や、インクが付与された領域を全て含むような領域に、液体組成物を付与し被覆層を形成することが好ましい。
一方、フォトブックの作製時のように積極的に折り目を付けるような場合には、折り目を付ける部分を含む領域に、折り処理工程に先立って液体組成物を付与し被覆層を形成することが好ましい。即ち、後続する折り処理工程において、インクが付与された記録媒体に折り処理を施す部分(以下、「折り部」ともいう)の少なくとも一部を含む領域に、液体組成物を付与し被覆層を形成することが好ましい。
<被覆層>
本発明においては、液体組成物を付与することによって記録媒体に形成される部分を「被覆層」という。即ち、本発明の記録物は、基材と、色材を含有するインク受容層と、前記インク受容層の色材を含有する領域と少なくとも一部が重複するように、ポリウレタン樹脂を含有する被覆層が設けられている。更に、被覆層の破断強度が0.1N以上であり、かつ、破断伸度が200%以上である必要がある。係る構成とすることによって、記録媒体を折った際に応力がかかっても、記録媒体のインク受容層が割れる現象を抑え、記録物の耐折り割れ性が向上する。更には、被覆層の破断強度は0.4N以上であり、かつ、破断伸度が300%以上であることが好ましい。
被覆層自体の破断強度及び破断伸度は、得られた記録物から直接測定することが難しい。したがって、本発明においては、以下の方法で作製したフィルムの破断強度及び破断伸度を求め、その値を元に後述の方法で「被覆層の破断強度」及び「被覆層の破断伸度」を算出した。本発明における破断強度と破断伸度の測定方法を以下に示す。
(フィルムの作製方法)
ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物の固形分濃度が10wt%となるように純水で希釈する。希釈した液体組成物の所定量を幅40mm、長さ 120mmの型に流し込み、30℃に設定した低温除湿乾燥機で乾燥してフィルムを作製する。
(破断強度と破断伸度の測定方法)
上記のフィルムを幅が10mmになるように断裁したものを試験片とする。本発明における破断強度と破断伸度は、JIS K 7127:1999に準拠して測定するものとする。但し、試験片のサイズと測定条件は下記の通りとする。
・試験片の幅:10mm、
・試験片の長さ:120mm
・初期のチャック間隔:15mm
・引張速度:20mm/分
本発明の実施例では、オートグラフAGS−X(島津製作所製)を用いて、測定環境温度:23±2℃、測定環境相対湿度:50±5%の条件で測定を行った。そして、測定で得られた試験力−変位曲線からフィルムの破断強度と破断伸度を求めた。また、本発明における被覆層の破断強度と破断伸度は下記の式により求めた。
・被覆層の破断強度=フィルムの破断強度×被覆層の膜厚/フィルムの膜厚
・被覆層の破断伸度=フィルムの破断伸度
ここで、被覆層とフィルムの膜厚とは、走査電子顕微鏡を用いて断面を4点測定した平均値である。
上記の破断強度を達成する方法としては、記録媒体に付与する液体組成物の付与量を調整する方法が挙げられる。具体的には、液体組成物の固形分の塗布量は3g/m以上塗布することが好ましく、4g/m以上塗布することがより好ましい。更には、液体組成物の固形分の塗布量は30g/m以下であることが好ましく、20g/m以下であることがより好ましい。
また、被覆層の絶乾時の膜厚が、3μmより大きいことが好ましく、4μm以上であることがより好ましい。更には、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。前述のとおり、本発明における被覆層の膜厚とは、走査電子顕微鏡を用いて断面を4点測定した平均値である。
<液体組成物>
本発明において、液体組成物はポリウレタン樹脂粒子を含有する。また、液体組成物の粘度は、20℃において1,000mPa・s以下が好ましく、500mPa・s以下がより好ましい。また、10mPa・s以上が好ましい。また、液体組成物の固形分濃度は20wt%以上が好ましく、25wt%以上がより好ましい。また、60wt%以下が好ましい。前述のように耐折り割れ性に優れた被覆層を形成するためには、液体組成物の固形分の塗布量が3g/m以上塗布することが好ましく、上述の粘度と濃度の範囲の液体組成物を用いることで、一度の塗布で均一に被覆層を形成することが出来る。
(ポリウレタン樹脂粒子)
本発明においてポリウレタン樹脂粒子は、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体に分散された状態(エマルション状態)であることが好ましい。
本発明において、「ポリウレタン樹脂」とは、主鎖にウレタン結合を有するポリマーの総称であり、通常ジオール化合物とジイソシアネート化合物の反応によって得られる。上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物などが挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は2種以上を併用してもよい。上記ジオール化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドやテトラヒドロフランなどの複素環式エーテルを(共)重合させて得られるジオール化合物が挙げられる。該ジオール化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートなどのポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオールなどのポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。これらの中では、ポリエーテル系又はポリカーボネート系が好ましい。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂粒子の最低造膜温度(MFT)は、50℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましい。
また、ポリウレタン樹脂粒子の平均粒子径は200nm以下が好ましく、平均粒子径は100nm以下がより好ましい。平均粒子径が200nm以上では発色性が低下する傾向にある。なお、ポリウレタン樹脂粒子の平均粒子径とは、動的光散乱法によって測定され、「高分子の構造(2)散乱実験と形態観察 第1章 光散乱」(共立出版 高分子学会編)、あるいはJ.Chem.Phys.,70(B),15 Apl.,3965(1979)に記載のキュムラント法を用いた解析から求めた平均粒子径である。
本発明のポリウレタン樹脂粒子は、市販されているものを用いることができる。具体例としては、ADEKA製の「アデカボンタイター」シリーズ、DIC製の「ボンディック」シリーズ、「ハイドラン」シリーズ、バイエル製の「インプラニール」シリーズ、三洋化成工業製の「ユーコート」シリーズ、「パーマリン」シリーズ、「ケミチレン」シリーズ、第一工業製薬製の「スーパーフレックス」シリーズ、ゼネカ製の「ネオレッツ」シリーズ、ルブリゾール製の「Sancure」シリーズ、宇部興産製の「ETERNACOLL UW」シリーズ、三井化学製の「オレスター」シリーズ、大成ファインケミカル製の「アクリットWBR」シリーズなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明において、ポリウレタン樹脂粒子は、1種類で用いても良く、2種類以上の混合で用いても良い。
(その他の添加剤)
本発明において、液体組成物には、上記で説明した成分以外にも必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、脱泡剤、粘度調整剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマーなどの、種々の添加剤を含有させてもよい。
例えば、架橋剤を添加することでと、ポリウレタン樹脂皮膜の破断強度を上げることができる。架橋剤としては、水溶性タイプのものが好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂がカルボキシル基を有する場合、架橋剤としては、カルボキシル基と反応し得る基を有するポリマー(例えば(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン・アクリル系ポリマーなど)を用いることができる。また、カルボキシル基と反応し得る基には、有機アミノ基、オキサゾリン基、アジリジン基、エポキシ基、カルボジイミド基等がある。なお架橋剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。架橋剤は、市販されているものを用いることができる。具体例としては、オキサゾリン類では、日本触媒製のエポクロスシリーズ等が挙げられ、アジリジン類では、日本触媒製のケミタイトシリーズ等が挙げられ、またカルボジイミド類では、日清紡ケミカル製のカルボジライト等が挙げられる。架橋剤の含有量は、固形分換算で、ポリウレタン樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以上、20質量部以下である。
(3)折り処理工程
折り処理工程としては従来公知の方法を何れも用いることができる。例えば、折る前に記録媒体に刃を押し当てることで筋を入れ(筋入れ処理)、筋を入れた部分を谷折りする方法や、筋入れ処理を行わずに折る方法などが挙げられる。
(4)その他の工程
(4−1)プレ加湿工程
本発明においては、インク付与工程の前に記録媒体を加湿するプレ加湿工程をさらに行うことが好ましい。この工程では、記録媒体が記録ヘッドを含む画像記録位置に進入する以前に該記録媒体を加湿する。このプレ加湿工程を行うことで、インクを付与する以前に記録媒体が予め十分に吸水した状態となる。本発明においては、プレ加湿工程を、記録媒体が記録ヘッドを含むインク付与位置に進入する以前に加湿空気を供給することで行われ、温度が35℃以下かつ絶対湿度0.013kg/kgDA以上の雰囲気とする条件で行うことが好ましい。
(4−2)乾燥工程
本発明においては、インク付与工程後、かつ、被覆層形成工程前に、乾燥工程を有することが好ましい。乾燥工程では記録媒体に付与されたインク由来の液体成分を蒸発させることができればよく、その方法としては、例えば、温風の吹き付けや、赤外線や紫外線の照射などが挙げられる。本発明においては、乾燥工程を、インクを付与した記録媒体に温度50℃以上の温風を2秒以上吹き付けることにより行うことが特に好ましい。温風の温度の上限は95℃以下、吹き付ける時間の上限は10秒以下であることが好ましい。
(4−3)加湿工程
本発明においては、インク付与工程後、かつ、被覆層形成工程前に、加湿工程を有することが好ましい。加湿工程では、記録媒体のインク受容層が十分に吸湿すればよく、その方法としては、例えば、記録ヘッドと記録媒体との間に加湿空気を供給する方法などが挙げられる。本発明においては、加湿工程を、記録ヘッドと記録媒体との間に加湿空気を供給することで行い、記録ヘッドと記録媒体との間を、温度35℃以下かつ絶対湿度0.013kg/kgDA以上の雰囲気とする条件で行うことが好ましい。温度の下限は25℃以上であることが好ましい。これらの前提条件として、相対湿度が100%未満であることが好ましい。
[記録装置]
本発明において記録装置は、記録媒体にインクを付与する(1)インク付与手段と、被覆層を形成する(2)被覆層形成手段とを有する。更に、記録物を折る(3)折り処理手段を有していてもよい。
本発明においては、上記(1)〜(3)の全ての手段を有する記録装置でもよい。また、(1)の手段を有する装置と(2)の手段を有する装置と(3)の手段を有する装置とにそれぞれ分かれている場合、(1)及び(2)の手段を有する装置と(3)の手段を有する装置とに分かれている場合、(1)の手段を有する装置と(2)及び(3)の手段を有する装置とに分かれている場合の何れでもよい。ここでは、(1)インク付与手段が、(2)被覆層形成手段や(3)折り処理手段とは別に設けられている場合を例に挙げて説明する。
(1)インク付与手段
インク付与手段は、インクを収容するためのインク収容部、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にインクを付与するためのインク付与部を有することが好ましい。更に、前記インクを付与した記録媒体を乾燥させるための手段(乾燥部)や、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間を加湿するための手段(プレ加湿部)の少なくとも一方を有することがより好ましい。
以下、本発明におけるインク付与手段の構成の一例を、図1を用いて説明する。図1のインク付与手段は、記録媒体の搬送方向の上流側から下流側に沿って、給紙部3、インク付与部1、カッタ部4、乾燥部5、インク収容部6、制御部7、排紙部8を備える。給紙部3は、ロール状に巻かれた記録媒体2を回転可能に保持する。インク付与部1は、異なるインク色にそれぞれ対応した複数の記録ヘッド1aを備える。ここでは、4種のインクに対応した4つの記録ヘッドを備えた形態としているが、インク数はこれには限定されない。各インクはインク収容部6からそれぞれインクチューブ(不図示)を介して記録ヘッド1aに供給される。
インク付与部1には記録ヘッド1aに対向して記録媒体搬送路が横切っており、記録媒体搬送路に沿って記録媒体を搬送するための搬送機構が設けられている。複数の記録ヘッド1a及び搬送機構は筐体1bの中の略閉空間に収容されている。記録ヘッド1aの搬送方向における上流側には、記録媒体が記録ヘッドを含むインク付与位置に進入する以前に該記録媒体をプレ加湿するプレ加湿部1cが設けられている。
カッタ部4は、インク付与部1でインクが付与された、ロール紙状の記録媒体を所定のサイズにカットするためのユニットであり、カッタ機構が設けられている。乾燥部5は、カットされた記録媒体を短時間で乾燥させるためのユニットであり、気体を加熱するヒータと加熱された気体の流れを発生させるファンで構成される温風装置(不図示)、記録媒体の搬送経路に沿って並べられた複数の搬送ローラーが設けられている。排紙部8は、乾燥部5から排出されたカット済みの記録媒体を収容するもので、複数の記録媒体が積み重ねられていく。制御部7は、記録装置全体の各種制御や駆動を司るコントローラである。
(2)被覆層形成手段
被覆層形成手段は、液体組成物を付与する液体組成物付与部に加えて、給紙部、液体組成物収容部、排紙部を有することが好ましい。中でも、液体組成物付与部は、汲み上げロール式塗布装置を用いることが好ましい。
一般的な被覆層形成手段としては3本ロールダイレクトコーターが知られている。しかしながら、3本ロールダイレクトコーターは、固形分濃度が高く、粘度が高い液体組成物を塗布するのには適さないために、固形分濃度と粘度を下げて塗布する必要があるため、耐折り割れ性に必要な塗布量を一度に均一に塗布することが難しい場合がある。これは、3本ロールダイレクトコーターは、構造上、塗布するための液体組成物が大気に触れる時間が長いため、経路において液体組成物が増粘し、固化しやすいためである。以上の理由により、本発明では、汲み上げロール式塗布装置を用いることが好ましい。
本発明の被覆層形成手段として好適な汲み上げロール式塗布装置の構成の一例を図2に示す。図2の汲み上げロール式塗布装置は、液体組成物17を溜めるパン11、汲み上げロール13、コーティングロール14、バックロール15、ブレード16、回収パン12を有する。先ず、パン11から汲み上げロール13を用いて液体組成物を汲み上げ、コーティングロール14に供給する。そして、コーティングロール14とバックロール15との間に画像が記録された記録媒体18を通すことで、記録媒体上に被覆層が形成される。その後、使われなかった液体組成物はブレード16によって除去され、回収パン12に回収される。図示はされていないが、回収した液体組成物をパン11に供給することで再度コーティングに用いてもよい。
本発明において、汲み上げロール13とコーティングロール14はゴム製のロールが好ましい。用いるゴムの種類としては、例えば天然ゴム、スチレンシ・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。また、バックロール15はメッキ仕上げを施した金属製のロールが好ましい。
汲み上げロール式塗布装置は、パンから直接液体組成物を汲み上げるために、大気に触れる液体組成物の経路が極めて短く、溶剤の蒸発に伴う粘度の上昇を抑えることができる。塗布を5時間程度連続して行う場合、この期間における液体組成物の粘度上昇率を10%以下に抑えることが好ましく、5%以下に抑えることがより好ましい。粘度上昇率は塗布開始時のパン内の液体組成物の粘度に対する、塗布終了時のパン内の液体組成物、及び、回収パン内の液体組成物の粘度から算出する。尚、汲み上げロール式塗布装置での塗布量は液体組成物の固形分濃度や粘度などの物性値を調整することで制御できる。また、ロール表面の形状、ロールの回転速度、各ロール間の間隔や圧力を調節することでも塗布量を制御できる。
また、液体組成物を塗布した後に、加温して被覆層を形成することが好ましく、70℃以上の温度で乾燥することが好まく、80℃以上の温度がより好ましい。乾燥方法としては、例えば、温風の吹き付けや、赤外線や紫外線の照射などが挙げられる。温度が70℃未満では比較的長時間乾燥する必要がある。具体的には、5分以上乾燥させることが好ましい。上記の乾燥条件で乾燥することで、ポリウレタン樹脂粒子が十分に膜化されるため好ましい。
(3)折り処理手段
折り処理手段は、折り処理部に加えて、給紙部、排紙部を有することが好ましい。折り処理手段における給紙部が上記被覆層形成手段における排紙部と連結することで、被覆層形成工程と折り処理工程を連続して行えるような機構であってもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の作製>
カナダ標準濾水度が450mLCSFの広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80部、カナダ標準濾水度が480mLCSFの針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20部、カチオン化澱粉0.60部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.10部、カチオン性ポリアクリルアミド0.030部を混合し、固形分の含有量が3.0質量%となるように水を加えて、紙料を得た。次いで、紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で乾燥後の固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸、乾燥させた。更に、マシンカレンダー仕上げをして、坪量が155g/mの基紙を作製した。次いで、低密度ポリエチレン70部と、高密度ポリエチレン20部と、酸化チタン10部とからなる樹脂組成物を、膜厚が25.0μmとなる様に、基紙の片面(表面とする)に塗工した。そして、樹脂組成物の塗工直後に、表面に規則的な凹凸を有するクーリングロールにて型付け処理を行った。得られた基紙の表面のJIS B 0601:2001に規定されるカットオフ値0.8mmでの算術平均粗さ(Ra)は1.8μmであった。更に、基紙の裏面に低密度ポリエチレン50部と、高密度ポリエチレン50部とからなる樹脂組成物を、膜厚が30.0μmとなる様に塗工して基材を得た。
<インク受容層用塗工液の調製>
(アルミナ水和物ゾルの調製)
イオン交換水333部に対して、解膠酸としてメタンスルホン酸を1.5部添加してメタンスルホン酸水溶液とした。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3,000rpmの回転条件で攪拌しながら、アルミナ水和物(DISPERAL HP14、サソール製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後も30分間攪拌し、固形分濃度23.0質量%のアルミナ水和物ゾルを調製した。
(アルミナゾルの調製)
イオン交換水333部に対して、解膠酸としてメタンスルホン酸を1.5部添加してメタンスルホン酸水溶液とした。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3,000rpmの回転条件で攪拌しながら、アルミナ(AEROXIDE Alu C、EVONIK製)100部を少量ずつ添加した。添加終了後も30分間攪拌し、固形分濃度23.0質量%のアルミナゾルを調製した。
(ポリビニルアルコール水溶液の調製)
イオン交換水1150部に対して、撹拌しながらポリビニルアルコール(PVA235、クラレ製、けん化度88%、平均重合度3,500)100部を添加したのち90℃で加熱溶解し、固形分濃度8質量%のポリビニルアルコール水溶性を調製した。
(インク受容層用塗工液1の調製)
前記で調製したアルミナ水和物ゾルとアルミナゾルをアルミナ水和物とアルミナの固形分質量比で70:30になるように混合した。この混合ゾルに含まれるアルミナ水和物とアルミナの合計固形分100質量部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で6質量部となるように前記ポリビニルアルコール水溶液を混合した。次に、上記混合液中のポリビニルアルコールの固形分100質量部に対してオルトホウ酸固形分換算で16.4質量%になるように固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合した。さらに界面活性剤(商品名:サーフィノール465、日信化学工業製)を塗工液全量に対して0.1質量%となるように混合し、インク受容層用塗工液1とした。
(インク受容層用塗工液2の調製)
前記アルミナ水和物ゾルに対して、アルミナ水和物固形分100質量部に対してポリビニルアルコールが固形分換算で10質量部となるように前記ポリビニルアルコ−ル水溶液を混合した。次に、前記混合液中のポリビニルアルコールの固形分100質量部に対してオルトホウ酸固形分換算で5.8質量%になるように固形分濃度5質量%のオルトホウ酸水溶液を混合し、インク受容層用塗工液2とした。
<記録媒体の作製>
(記録媒体1の作製)
インク受容層用塗工液1とインク受容層用塗工液2を、基材の表面側に、インク受容層用塗工液2の乾燥膜厚が25μm、その上にインク受容層用塗工液1の乾燥膜厚が10μm、合計35μmとなるように、多層スライドホッパー型塗工装置にて塗工した。続いて60℃で乾燥させて記録媒体1を得た。
(記録媒体2の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液1のみを乾燥膜厚が35μmとなるように単層で塗工したこと以外は記録媒体1と同様にして記録媒体2を得た。
[インク付与工程]
図2に示したインク付与手段を有する記録装置に、下記の組成のブラックインクを充填したインクカートリッジを装着した。そして、上記で作製した記録媒体に対して、温度:23℃、相対湿度:50%の条件で記録デューティが100%のベタ画像を記録することでインクが付与された記録媒体を得た。尚、上記記録装置では、解像度1200dpi×1200dpiで1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に2.5pLの体積のインクを8滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義するものである。
(インクの組成)
下記の組成になるようにインクを調製した。インクの調製は、下記組成の成分を混合して十分撹拌し、その後、ポアサイズ0.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行った。尚、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製のアセチレノール系界面活性剤である。
下記式で表わされるブラック染料(MがLiのもの) 5.0部
グリセリン 5.0部
ビスヒドロキシエチルスルホン 10.0部
1,5−ペンタンジオール 5.0部
アセチノールE100 0.4部
純水 74.6部
[被覆層形成工程]
<液体組成物の調製>
ポリウレタン樹脂粒子(スーパーフレックス150HS、第一工業製薬製)を純水で希釈して固形分濃度が38%になるように調製し、液体組成物1とした。また、液体組成物1と同様にして、表1に記載のポリウレタン樹脂粒子を用いて液体組成物2〜26を調製した。
<被覆層形成工程>
上記のインクが付与された記録媒体の全面に、汲み上げロール式塗布装置を用いて上記で調製した液体組成物を塗布した後、80℃の温度で乾燥を行い被覆層が形成された記録物を得た。記録物の作製条件を表1に示した。尚、記録物28には液体組成物を塗布しなかった。そして、上述の方法でフィルムを作製し、上述の方法でフィルムの破断強度及び破断伸度を測定し、その結果から被覆層の破断強度と破断伸度を求めた。結果を表1に示す。
[評価結果]
得られた記録物をインク付与面が内側になるようにして2つ折りにし、更に、プレス機を用いて1000kgの荷重をかけて1晩保持し、折り目をつけた。折り目がついた記録媒体を10回開閉した後、折目部分を目視で確認し、記録物の耐折り割れ性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。本発明においては、下記の評価基準のAA及びAを好ましいレベルとし、B及びCを許容できないレベルとした。評価結果を表1に示す。
AA:白い筋が見えなかった
A:白い筋がわずかに見えた
B:白い筋がはっきり見えた
C:幅の広い白い筋がはっきり見えた。
<乾燥条件の検討>
上記のインクが付与された記録媒体2の全面に、汲み上げ式のロールコーターを用いて上記の液体組成物14を15.0g/m塗布した後、表2に記載の乾燥条件(温度と時間)を変えて乾燥を行い被覆層が形成された記録物を得た。
得られた記録物をインク付与面が内側になるようにして2つ折りにし、更に、プレス機を用いて1000kgの荷重をかけて24時間保持した。その後、記録物を開くことができたものをA、記録物のインク付与面同士が貼りついて、開くことが出来なかったものをBとした。結果を表2に示す。

Claims (15)

  1. 基材と、インク受容層とを有する記録媒体にインクを付与するインク付与工程と、
    前記インクが付与された記録媒体に、前記インクが付与された領域と少なくとも一部が重複するように、ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物を付与することで被覆層を形成する被覆層形成工程と、によって、記録物を得る記録方法であって、
    前記基材は、基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であり、
    前記被覆層の破断強度が0.14N以上0.71N以下であり、かつ、破断伸度が211%以上910%以下であることを特徴とする記録方法。
  2. 前記被覆層形成工程において、前記液体組成物を溜めるパンと、前記パン内から汲み上げた前記液体組成物を前記記録媒体に塗布するためのロールとを備えたロール式塗布装置を用いる請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記被覆層形成工程の後に、70℃以上の温度で乾燥する工程を有する請求項1又は2に記載の記録方法。
  4. 前記被覆層形成工程の後に、前記記録物を折る折り処理工程を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の記録方法。
  5. 前記被覆層の破断強度が0.43N以上0.58N以下であり、かつ、破断伸度が313%以上708%以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載の記録方法。
  6. 前記液体組成物の固形分の塗布量は、13.0g/m 以上19.2g/m 以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載の記録方法。
  7. 前記被覆層の膜厚が5.0μm以上8.1μm以下である請求項1乃至6の何れか1項に記載の記録方法。
  8. 前記インク受容層が、無機顔料を含有する請求項1乃至7の何れか1項に記載の記録方法。
  9. 前記無機顔料が、アルミナ、アルミナ水和物、及びシリカからなる群から選択される少なくとも一種である請求項8に記載の記録方法。
  10. 前記インク受容層は、水溶性樹脂を含有する請求項1乃至9の何れか1項に記載の記録方法。
  11. 前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体からなる群から選択される少なくとも一種である請求項10に記載の記録方法。
  12. 前記インク受容層の膜厚は、15.0μm以上50.0μm以下である請求項1乃至11の何れか1項に記載の記録方法。
  13. 基材と、色材を含有するインク受容層とを有する記録物であって、
    更に、前記インク受容層の色材を含有する領域と少なくとも一部が重複するように、ポリウレタン樹脂を含有する被覆層が設けられており、
    前記基材は、基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であり、
    前記被覆層の破断強度が0.14N以上0.71N以下であり、かつ、破断伸度が211%以上910%以下であることを特徴とする記録物。
  14. 基材と、インク受容層とを有する記録媒体にインクを付与することで得られる記録物を折る折り処理工程を有する記録物の処理方法であって、
    前記折り処理工程に先立って、ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物を付与することで被覆層を形成する被覆層形成工程を有し、
    前記基材は、基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であり、
    前記被覆層の破断強度が0.14N以上0.71N以下であり、かつ、破断伸度が211%以上910%以下であることを特徴とする記録物の処理方法。
  15. 基材と、インク受容層とを有する記録媒体にインクを付与することで得られる記録物の耐折り割れ性を向上する方法であって、
    前記基材は、基紙を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であり、
    前記記録物の少なくとも一部に、ポリウレタン樹脂粒子を含有する液体組成物を付与することで被覆層を形成する被覆層形成工程を有し、
    前記被覆層の破断強度が0.14N以上0.71N以下であり、かつ、破断伸度が211%以上910%以下であることを特徴とする記録物の耐折り割れ性の向上方法。
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