JP2008183807A - インクジェット記録用媒体及びその製造方法 - Google Patents

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和幸 小池
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Abstract

【課題】印画濃度、光沢およびインク吸収性のいずれもが高く、インク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好であるインクジェット記録用媒体を提供する。
【解決手段】非吸水性支持体上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層が少なくとも1層形成されたインクジェット記録用媒体において、前記非吸水性支持体と前記インク受容層との間に、固体微粒子の含有量が20質量%以下であって、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含む中間層を有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録に適した被記録媒体及びその製造方法に関する。
近年、情報技術(IT)産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発され、それぞれの情報処理システムに適した記録方法及び記録装置も開発され、実用化されている。この様な記録方法の中でも、インクジェット記録方法は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であること、コンパクトであること、及び低騒音に優れること等の利点から、オフィスは勿論、所謂ホームユースにおいても広汎に用いられてきている。
また、近年のインクジェットプリンターの高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になり、更なるハード(装置)面の発展に伴って、インクジェット記録用の記録シートも各種の改良が為されて来た。
インクジェット記録用の記録シートに要求される特性としては、一般に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が速いこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(滲みのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐光性や耐水性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像が滲まないこと)、(10)変形し難く、寸法安定性が良好であること(カールが充分小さいこと)、(11)ハードの走行性が良好であること、等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的に用いられるフォト光沢紙の用途では、上記特性に加えて、更に光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
上記の諸特性を向上する目的で、近年ではインク受容層に多孔質構造を有するインクジェット記録用媒体が開発され実用化されている。この様なインクジェット記録用媒体は多孔質構造を有することで、インク受容性(速乾性)に優れ高い光沢度も有する。
例えば、インク吸収容量が大きく、印画後の乾燥が速く、かつ光沢が高いインクジェット記録用材料として、耐水性支持体上にポリマーラテックスと固体微粒子とを含有する層を設け、更にその上に気相法シリカを含有する層を含むインクジェット記録用媒体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、インク受容層のひび割れや折り曲げ割れが無く、かつ高い光沢と高いインク吸収性を備えたインクジェット記録用材料として、水溶性ポリマーを含む下引き層を設けたインクジェット記録用媒体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
更に、高温高湿環境下に長時間保存された場合でも、経時にじみの発生がないインクジェット記録用媒体として、インク受容層に水溶性多価金属塩とカチオン変性された自己乳化性高分子を含むインクジェット記録用媒体が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−171228号公報 特許第3784220号公報 特開2006−15655号公報
しかしながら、特許文献1または3に記載のインクジェット記録用媒体では、インク受容層の耐折り曲げ割れ性が不十分である。また、特許文献2に記載のインクジェット記録用媒体では、低湿度環境下でのインク受容層の耐折り曲げ割れ性が不十分であり、更に経時でのインクにじみの抑制が不十分である。
本発明は、インク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好であるインクジェット記録用媒体の提供を目的とし、該目的の解決を課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 非吸水性支持体上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層が少なくとも1層設けられ、前記非吸水性支持体と前記インク受容層との間に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層が設けられたインクジェット記録用媒体である。
<2> 前記無機微粒子が、BET法による比表面積が200m/g以上の気相法シリカであることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録用媒体である。
<3> 前記水溶性多価金属塩が、ポリ水酸化アルミニウム化合物およびジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載のインクジェット記録用媒体である。
<4> 前記中間層の膜厚が0.01〜3μmであることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体である。
<5> 非吸水性支持体上に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層を、前記樹脂の水分散物を用いて形成する工程と、前記中間層上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層を形成する工程と、を含むインクジェット記録用媒体の製造方法である。
本発明によれば、インク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好であるインクジェット記録用媒体を提供することができる。
本発明のインクジェット記録用媒体は、非吸水性支持体上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属と、を少なくとも含むインク受容層が少なくとも1層形成されたインクジェット記録用媒体であって、前記非吸水性支持体と前記インク受容層との間に中間層を設けてなり、前記中間層が、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂の少なくとも1種を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下であるであることを特徴とする。係る構成により、印画濃度、光沢およびインク吸収性のいずれもが高く、インク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好なインクジェット記録用媒体とすることができる。
本発明における「折り曲げ割れ」とは、インクジェット記録用媒体を折り曲げた場合に、折り曲げに沿ってインク受容層に直線状のひび割れが生じる現象をいう。
[中間層]
本発明のインクジェット記録用媒体は、非吸水性支持体とインク受容層との間に中間層を設けてなり、該中間層が、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂の少なくとも1種を含み、該中間層に含まれる固体微粒子の含有量が、前記樹脂に対して20質量%以下であることを特徴とする。かかる中間層を設けてなることによりインク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好になる。
(樹脂)
本発明における中間層は、ガラス転移温度が50℃以下の樹脂を含む。前記樹脂としてはガラス転移温度が50℃以下であれば、特に制限なく用いることができる。
前記樹脂としては、例えばリサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、同18,716号の651頁、同307,105号の873〜874頁、特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁等に記載された樹脂を挙げることができる。
具体的には、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルピロリドン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ナイロン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性構のアミド基又はアミド結合を有する樹脂である、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ポリビニルアセタール、エチレン-ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂としては市販品を用いることもできる。例えば、水溶性ポリエステル樹脂として瓦応化学工業(株)製の各種プラスコート、大日本インキ化学工業製ファインテックスESシリーズなどが挙げられる。水溶性アクリル樹脂として日本純薬製ジュリマーATシリーズ;大日本インキ化学工業製ファインテックス6161、K−96;星光化学工業製ハイロスNL−1189、BH−997L、等が挙げられる。
本発明において前記樹脂は水分散性であることが好ましい。水分散性の樹脂としては、例えば、水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散ポリスチレン系樹脂、水分散ウレタン樹脂、アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)エマルジョン、各種熱可塑性樹脂を水分散した樹脂やエマルジョン、又はこれらの共重合体、混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水分散性樹脂の市販品としては、水分散ポリエステル樹脂としては東洋紡製バイロナールシリーズ;高松油脂製ペスレジンAシリーズ;花王製タフトンUEシリーズ;日本合成化学製ポリエスターWRシリーズ;ユニチカ製エリーテルシリーズ、などが挙げられる。水分散アクリル樹脂としては、星光化学工業製ハイロスXE、KE、PE、HEシリーズ、日本純薬製ジュリマーETシリーズ等が挙げられる。
本発明において前記樹脂はカチオン変性樹脂であることが好ましい。これにより経時にじみをより改善することができる。
カチオン変性樹脂としては、例えば、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基等のカチオン性の基を有する重付加系または重縮合系高分子が挙げられる。前記重付加系高分子としては、例えば、カチオン性基含有ビニル重合系ポリマー、カチオン性基含有ポリウレタン等を挙げることができ、前記重縮合系高分子としては、例えば、カチオン性基含有ポリエステル等を挙げることができる。
上記樹脂として有効なカチオン性基含有ビニル重合系ポリマーとしては、例えば、ビニルモノマーとカチオン性基を有するモノマーとを重合して得られるポリマーが挙げられる。
前記ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類(エステル基は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2−クロロエチル基、シアノエチル基、2−アセトキシエチル基、テトラヒドロフルフリル基、5−ヒドロキシペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2,2,2−テトラフルオロエチル基、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基等);
ビニルエステル類、具体的には、置換基を有していてもよい脂肪族カルボン酸ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート等)、置換基を有していてもよい芳香族カルボン酸ビニルエステル(例えば、安息香酸ビニル、4−メチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等);
アクリルアミド類、具体的には、アクリルアミド、N−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド(置換基は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、シリル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル等);
メタクリルアミド類、具体的には、メタクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミド、N−ジ置換メタクリルアミド(置換基は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、シリル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル等);
オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等)、スチレン類(例えば、スチレン、メチルスチレン、イソプロピルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン等)、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等);等が挙げられる。
その他のビニルモノマーとして、クロトン酸エステル、イタコン酸エステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、メチレンマロンニトリル、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記カチオン性基を有するモノマーとしては、例えば、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ジアルキルアミノエチルアクリレート等の3級アミノ基を有するモノマー等が挙げられる。
上記カチオン性基含有ポリウレタンとしては、例えば、以下に挙げるジオール化合物とジイソシアネート化合物とを種々組み合わせて、重付加反応により合成されたポリウレタンが挙げられる。
上記ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量=200,300,400,600,1000,1500,4000)、ポリプロピレングリコール(平均分子量=200,400,1000)、ポリエステルポリオール、4,4'―ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−プロパン、4,4'―ジヒドロキシフェニルスルホン等が挙げられる。
上記ジイソシアネート化合物としては、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート,m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'―ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。
カチオン性基含有ポリウレタンが含有するカチオン性基としては、1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩の如きカチオン性基が挙げられる。本発明における樹脂としては、3級アミン及び4級アンモニウム塩の如きカチオン性基を有するウレタン樹脂が好ましい。
カチオン性基含有ポリウレタンは、例えば、ポリウレタンの合成の際、前記のごときジオールにカチオン性基を導入したものを使用することによって得られる。また4級アンモニウム塩の場合は、3級アミノ基を含有するポリウレタンを4級化剤で4級化してもよい。
上記ポリウレタンの合成に使用可能なジオール化合物、ジイソシアネート化合物は、各々1種を単独で使用してもよいし、種々の目的(例えば、ポリマーのガラス転移温度(Tg)の調整や溶解性の向上、バインダーとの相溶性付与、分散物の安定性改善等)に応じて、各々2種以上を任意の割合で使用することもできる。
更に、上記カチオン性基含有ポリエステルとしては、例えば、以下に挙げるジオール化合物と、ジカルボン酸化合物とを種々組み合わせて、重縮合反応により合成されたポリエステルが挙げられる。
上記ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α―ジメチルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ω―ポリ(エチレンオキシド)ジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸等が挙げられる。
上記ジカルボン酸化合物は、ジオール化合物と重縮合反応を行う際には、ジカルボン酸のアルキルエステル(例えば、ジメチルエステル)およびジカルボン酸の酸塩化物の形態で用いてもよいし、無水マレイン酸、無水コハク酸及び無水フタル酸のように酸無水物の形態で用いてもよい。
上記ジオール化合物としては、上記ポリウレタンにおいて例示したジオール類と同様の化合物を用いることができる。
カチオン性基含有ポリエステルは、1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩の如きカチオン性基を有するジカルボン酸化合物を用いて合成することにより得られる。
上記ポリエステルの合成に使用されるジオール化合物、ジカルボン酸類、およびヒドロキシカルボン酸エステル化合物は、各々1種を単独で用いてもよいし、種々の目的(例えば、ポリマーのガラス転移温度(Tg)の調整や溶解性、染料との相溶性、分散物の安定性)に応じて、各々2種以上を任意の割合で混合して用いることもできる。
上記カチオン変性樹脂におけるカチオン性基の含有量は、0.1〜5mmol/gが好ましく、0.2〜3mmol/gがより好ましい。尚、上記カチオン性基の含量が少なすぎると、ポリマーの分散安定性が小さくなり、多過ぎると、バインダーとの相溶性が低下してくる。
本発明における樹脂としては、3級アミノ基または4級アンモニウム塩基の様なカチオン性基を有するポリマー(カチオン変性樹脂)が好ましく、特に前記のごときカチオン性基を有するポリウレタンが最も好ましい。
本発明において、前記樹脂を中間層に用いる場合、特に重要なのはそのガラス転移温度である。インクジェット記録により画像を形成した後の、画像の経時にじみを長期にわたり抑制し、インク受容層の耐折り曲げ割れ性を向上するためには、上記樹脂のガラス転移温度が50℃以下である必要がある。更に、該樹脂のガラス転移温度が30℃以下のものがより好ましく、特にガラス転移温度が15℃以下のものが最も好ましい。尚、該ガラス転移温度の下限には特に制限はないが、通常の用途では−30℃程度であり、ガラス転移温度が−30℃以上であることにより、樹脂を水分散物として調製する際の製造適性がより良好になる。
樹脂のガラス転移温度を50℃以下にする方法としては、ガラス転移点の低い樹脂を併用もしくは、共重合させることが好ましい。
本発明に用いる上記樹脂の質量平均分子量(Mw)としては、通常1000〜200000が好ましく、2000〜50000がより好ましい。該分子量が1000以上であると、安定な水分散物となり得ることが容易になる、また該分子量が200000以下であることにより、溶解性が良好になり液粘度の上昇を抑制することができ、水分散物の平均粒子径を小さくする、特に0.05μm以下に制御することが容易になる。
本発明における中間層に用いる前記樹脂として、具体的には、カチオン性ポリウレタンを好ましく挙げることができる。
本発明における中間層において、上記樹脂の含有量としては、中間層を構成する全固形分の80質量%以上であることが好ましい。該含有量が前記範囲内であることにより耐折り曲げ割れ性がより良好になり、また、経時にじみがより改善される。
本発明において前記樹脂は、生産性の観点から、水分散物として用いることが好ましい。前記樹脂の水分散物を調製する方法としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。
樹脂を水系溶媒と混合して、必要に応じて添加剤を混合し、該混合液を、分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径0.05μm以下の水分散液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミル、ビーズミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的に行うという観点から、媒体撹拌型分散機、コロイドミル分散機又は高圧分散機が好ましい。
高圧分散機(ホモジナイザー)は、米国特許第4533254号明細書、特開平6−47264号公報等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等が使用できる。また、米国特許第5720551号明細書に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは、本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、DeBEE2000(BEE INTERNATIONAL LTD.)が挙げられる。
上記の分散工程における水系溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この分散に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
本発明における上記樹脂の乳化分散をより速やかにもしくはより安定化する為に、少量の分散化剤(界面活性剤)を用いてもよい。この様な目的に用いる界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使用することができる。
乳化直後の安定化を図る目的で、前記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好ましい。
上記乳化分散法により、本発明における前記樹脂を水系媒体に分散させる場合、特に重要なのはその粒子サイズのコントロールである。インクジェットにより画像を形成した際の、色純度や色濃度を高める為には、上記水分散物における樹脂の平均粒子径を小さくすることを要する。具体的には、本発明における中間層では、上記樹脂の体積平均粒子径は、0.05μm以下であることが好ましく、該平均粒子径は0.04μm以下がより好ましく、更には0.03μm以下が更に好ましい。
(固体微粒子)
本発明における中間層は、固体微粒子を含んでいてもよいが、その含有量が、前記樹脂の質量に対して20質量%以下である必要がある。20質量%を超える固体微粒子を含有する場合には耐折り曲げ割れ性が悪化する。本発明においては固体微粒子の含有量の下限値については特に制限はなく、固体微粒子の含有量が10質量%以下であることが好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
本発明における前記固体微粒子としては、無機及び有機の固体微粒子が挙げられる。無機微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、シリカ等が挙げられる。また、有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、気相法シリカであることがより好ましい。本発明における固体微粒子の体積平均粒子径としては特に制限はないが、体積平均粒子径が0.1μm以下の微粒子が好ましい。
(その他の成分)
本発明における中間層は、必要に応じてその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、界面活性剤、高沸点有機溶剤等を挙げることができる。界面活性剤については既述の界面活性剤を好適に使用することができる。また、高沸点有機溶剤については後述する高沸点有機溶媒を好適に使用することができる。
ここで中間層用塗布液中における高沸点有機溶剤の含有量としては、耐折れ曲げ割れ性改善の観点から、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
本発明における中間層の形成方法は特に限定されるものではないが、生産性の観点から、ガラス転移温度が50℃以下の樹脂の水分散物を用いて形成することが好ましい。前記樹脂の水分散物を用いて中間層を形成する方法としては、例えば、前記樹脂の水分散物を含む中間層用塗布液を調製し、これを公知の方法で支持体上に塗布、乾燥することで形成することができる。本発明においては、耐折れ曲げ割れ性と生産性の観点から、同時多層塗布装置を用いてインク受容層と中間層とを同時に塗布形成することが好ましい。
本発明における中間層は、後述する非吸水性支持体とインク受容層との間に設けられていることを特徴とする。非吸水性支持体とインク受容層の間に中間層が存在することにより、本発明のインクジェット記録用媒体を折り曲げた際に、インク受容層にひび割れが発生することを抑制することができる。
本発明における中間層の膜厚としては、0.01〜3μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがより好ましく、0.1〜1.5μmであることが特に好ましい。前記範囲であることにより、耐折れ曲げ割れ性がより向上する。前記中間層の膜厚は、例えば、作製したインクジェット記録用媒体を支持体に垂直な平面で切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて写真撮影して測定することができる。
[インク受容層]
(無機微粒子)
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子の少なくとも1種を含む。本発明における無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等を挙げることができる。中でも、シリカ微粒子が好ましい。
本発明において前記無機微粒子は、1種単独または2種以上を組合せて用いることができる。
上記シリカ微粒子は、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性及び保持の効率が高く、また屈折率が低いので、適切な微小粒子径まで分散を行なえばインク受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという利点がある。この様に受容層が透明であるということは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性及び光沢度を得る観点より重要である。
無機微粒子の平均一次粒子径としては、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、特に10nm以下が好ましい。該平均一次粒子径が30nm以下であると、インク吸収特性を効果的に向上させることができ、また同時にインク受容層表面の光沢性をも高めることができる。
特にシリカ微粒子は、その表面にシラノール基を有し、該シラノール基の水素結合により粒子同士が付着し易いため、また該シラノール基と水溶性樹脂を介した粒子同士の付着効果のため、上記の様に平均一次粒子径が30nm以下の場合にはインク受容層の空隙率が大きく、透明性の高い構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
一般にシリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、上記「気相法シリカ」とは、当該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を指す。
気相法シリカは、上記含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2と多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2と少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
本発明における無機微粒子は、気相法シリカであって、BET法による比表面積が200m/g以上であることが好ましい。気相法シリカであることによって、多孔質構造が得られ、これによりインクの吸収性能を向上させることができる。前記比表面積が200m2/g以上であることにより、インク吸収性及び速乾性が向上し、インク滲みが少なくなり、画質や印画濃度がより向上する。
本発明において、前記比表面積は280m/g以上であることがより好ましい。これにより、インク吸収性及び速乾性がより向上し、インク滲みがより少なくなり、画質や印画濃度が更に向上する。
前記比表面積は、BET法によって測定することができる。
ここでBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散を行なったときにはインク受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性を得ることができる。受容層が透明であることは、フォト光沢紙等の用途に適用する場合でも高い色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
前記気相法シリカ(および必要に応じて他の無機微粒子)のインク受容層における総含有量(固形分)としては60質量%以上が好ましく、より好ましくは65質量%以上である。該総含有量が60質量%以上であると、更に良好な多孔質構造を形成することが可能となり、充分なインク吸収性を備えたインクジェット記録用シートが得られるので好ましい。ここで、インク受容層における量(固形分)は、インク受容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出される量である。
前記気相法シリカ(及び必要により他の無機微粒子)をインクジェット記録用シートに用いる場合、例えば、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号等公報に開示された態様でも好ましく用いることができる。
また、分散性を改善する目的で、気相法シリカの微粒子表面をシランカップリング剤で処理してもよい。該シランカップリング剤としては、カップリング処理を行なう部位の他に、有機官能基(例えば、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、クロロ基、アルキル基、フェニル基、エステル基等)を有するものが好ましい。
前記気相法シリカの平均一次粒子径としては、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましく、3〜10nmが特に好ましい。気相法シリカの平均一次粒子径が30nm以下で、分散後の無機微粒子分散液の二次粒子径は200nm以下であることが、光沢性を付与する点で好ましく、150nm以下がより好ましく、120nm以下が特に好ましい。
気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができると共に、インク受容層の透明性および表面光沢性を高めることができる。なお、気相法シリカは、一次粒子のまま用いるほか、二次粒子を形成した状態で含有してもよい。
以下、本発明において無機微粒子を分散して、無機微粒子分散液を製造する方法について説明する。以下、無機微粒子を気相法シリカとした例について説明するがこれに限定されるものではない。
本発明における無機微粒子分散液は、例えば、水溶性有機カチオン化合物、水溶性多価金属塩、及び無機微粒子を予備分散して得られる分散液(予分散液)を、高圧分散機を用いて高圧で対向衝突させて、又は、オリフィスを高圧で通過させて分散することができる。本発明においては、一般に、高圧ホモジナイザーと呼ばれている市販の装置が好適に使用できる。
前記高圧ホモジナイザーの代表例としては、ナノマイザー製の商品名;ナノマイザー、マイクロフルイディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及びスギノマシン製のアルティマイザーなどを挙げることができる。
なお、前記オリフィスとは、円形などの微細な穴を持つ薄板(オリフィス板)を直管内に挿入し、直管の流路を急激に絞る機構をいう。
上記高圧ホモジナイザーは、基本的には、原料スラリーなどを加圧する高圧発生部と、対向衝突部或いはオリフィス部とからなる装置である。高圧発生部としては、一般にプランジャーポンプと呼ばれている高圧ポンプが好適に採用される。高圧ポンプには、一連式、二連式、三連式などの各種の形式があるが、いずれの形式も特に制限なく本発明において採用できる。
前記高圧で対向衝突させる場合における処理圧力は50MPa以上、100MPa以上が好ましく、さらに130MPa以上が好ましい。
また、前記オリフィスを通過させる場合におけるオリフィスの入口側と出口側の差圧も、前記処理圧力と同様に、50MPa以上、好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは130MPa以上が望ましい。
対向衝突させる場合の予分散液の衝突速度は、相対速度として50m/秒以上が好ましく、100m/秒以上がより好ましく、150m/秒以上が好ましい。
オリフィスを通過する際の溶媒の線速度は、用いるオリフィスの孔径にも依存するため一概には決められないが、上記対向衝突の際の衝突速度と同様に50m/秒以上が好ましく、100m/秒以上がより好ましく、150m/秒以上が好ましい。
いずれの方法においても、分散効率は処理圧力に依存するため、処理圧力が高いほど分散効率も高くなる。ただし、処理圧力が350MPaを越えると高圧ポンプの配管等の耐圧性や装置の耐久性に問題が発生しやすい。
また、いずれの方法においても、処理回数は特に制限されず、通常は、1〜数十回の範囲から適宜選択される。これにより本発明の無機微粒子分散液を得ることができる。
この分散液を調製する際には、各種の添加剤を添加することができる。
添加剤としては、例えば、ノニオン性またはカチオン性の各種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性またはカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、アセトンなど)、無機塩類、pH調整剤などが挙げられ、これらは必要に応じて適宜使用することができる。
特に、水混和性有機溶媒は、無機微粒子(シリカ)、水溶性有機カチオンポリマー、及び水溶性多価金属化合物を予備分散した際の微小なダマの形成が抑制される点で好ましい。水混和性有機溶媒は、分散液中に0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%使用される。
無機微粒子(気相法シリカ)分散液を調製する際のpHは、無機微粒子(気相法シリカ)の種類や水溶性有機カチオンポリマーの種類、各種の添加剤等により広範に変化し得るが、一般的にはpHが1〜8であり、特に2〜7が好ましい。
また、上記の分散においては2種以上の無機微粒子を併用することも可能である。
(親水性バインダー)
本発明におけるインク受容層は、親水性バインダーの少なくとも1種を更に含有する。
親水性バインダーとしては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂である、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性構のアミド基又はアミド結合を有する樹脂である、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等を挙げることもできる。
上記の中でも、特にポリビニルアルコール(PVA)類が好ましい。
本発明において上記親水性バインダーは、1種単独または2種以上を組合せて用いることができる。
上記親水性バインダーの含有量としては、該含有量の過少による膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止する観点、および、該含有量の過多によって該空隙が親水性バインダーによって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、インク受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
上記ポリビニルアルコール(PVA)は、ひび割れ防止の観点から、数平均重合度が1800以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましい。また、シリカ微粒子と組合せる場合には、透明性の観点から水溶性樹脂の種類が重要となる。特に無水シリカを用いる場合、親水性バインダーとしてPVAを用いるのが好ましく、中でも鹸化度70〜99%のPVAがより好ましい。
上記ポリビニルアルコールとしては、ポリビニルアルコール(PVA)に加え、カチオン変性PVA、アニオン変性PVA、シラノール変性PVA及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記PVAは、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成し易くする。この様な三次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成し得ると考えられる。
インクジェット記録用媒体において、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
(無機微粒子と親水性バインダーとの含有比)
無機微粒子(好ましくはシリカ微粒子;x)と親水性バインダー(y)との含有比〔PB比(x/y)、親水性バインダー1質量部に対する無機微粒子の質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、上記PB比(x/y)としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止する観点、および、該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
インクジェットプリンターの搬送系を通過する場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、インク受容層は充分な膜強度を有していることが必要である。更にシート状に裁断加工する場合、インク受容層の割れ及び剥がれ等を防止する上でも、インク受容層には充分な膜強度が必要である。この様な観点より、上記PB比(x/y)としては5/1以下が好ましく、インクジェットプリンターで高速インク吸収性をも確保する観点からは、2/1以上であることが好ましい。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の無水シリカ微粒子と親水性バインダーとをPB比(x/y)が2/1〜5/1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
(架橋剤)
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子及び親水性バインダーを含み、更に該親水性バインダーを架橋し得る架橋剤の少なくとも1種を含む。本発明におけるインク受容層は前記架橋剤による親水性バインダーの架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。インク受容層が架橋剤を含むことによって良好な膜強度を得ることができる。
上記架橋剤としては、インク受容層に含まれる親水性バインダーとの関係で好適なものを適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速である点でホウ素化合物が好ましく、例えば、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩(例えば、オルトホウ酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二ホウ酸塩(例えば、Mg225、Co225)、メタホウ酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四ホウ酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五ホウ酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2O、CsB55)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩が好ましく、特にホウ酸が好ましく、これを親水性バインダーであるポリビニルアルコールと組合せて使用することが最も好ましい。
本発明においては、上記架橋剤は、前記親水性バインダー1.0質量部に対して、0.05〜0.50質量部含有されることが好ましく、0.08〜0.30質量部含有されることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲であると、親水性バインダーを効果的に架橋してひび割れ等を防止することができる。
前記親水性バインダーとしてゼラチン等を用いる場合には、ホウ素化合物以外の下記化合物も架橋剤として用いることができる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−s−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋剤は、1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明において、上記架橋剤は、インク受容層を形成する際に、インク受容層用塗布液中及び/又はインク受容層の隣接層を形成するための塗布液中に添加してもよく、或いは予め架橋剤を含む塗布液を塗布した支持体上に、上記インク受容層用塗布液を塗布する、又は架橋剤非含有のインク受容層用塗布液を塗布し乾燥後に架橋剤溶液をオーバーコートする等してインク受容層に架橋剤を供給することができる。好ましくは、製造効率の観点から、インク受容層用塗布液又はこの隣接層形成用の塗布液中に架橋剤を添加し、インク受容層の形成と同時に架橋剤を供給するのが好ましい。特に、画像の印画濃度及び光沢感の向上の観点より、インク受容層用塗布液に含有するのが好ましい。また、インク受容層用塗布液中の架橋剤の濃度としては、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%がより好ましい。
例えば、以下の様にして好適に架橋剤を付与することができる。ここでは、ホウ素化合物を例に説明する。即ち、インク受容層がインク受容層用塗布液(第1塗液)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、該架橋硬化は、(1)上記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、(2)上記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥塗中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、pHが7.1以上の塩基性溶液(第2塗液)を上記塗布層に付与することにより行われる。架橋剤であるホウ素化合物は、上記の第1塗液又は第2塗液の何れかに含有させればよく、第1塗液及び第2塗液の両方に含有させてもよい。
(水溶性多価金属塩)
本発明におけるインク受容層は、水溶性多価金属塩の少なくとも1種を含有する。これにより、形成画像の耐水性及び耐経時にじみ性を向上させることができる。
本発明に用いられる水溶性多価金属塩としては、例えば、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、チタニウム及びモリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、アンモニウムミョウバン、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化チタン、硫酸チタン、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
本発明における前記水溶性多価金属塩化合物としては、特に、水溶性のアルミニウム化合物、ジルコニウム化合物及びチタン化合物より選択される少なくとも1種であることが好ましく、水溶性のアルミニウム化合物及びジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
前記アルミニウム化合物としては、例えば、塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性のポリ水酸化アルミニウム化合物等を好ましく挙げることができる。本発明においては特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n 式1
[Al(OH)AlCl 式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n 式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名称で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名称で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名称で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
本発明に用いられる前記ジルコニウム化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、酢酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。特に酢酸ジルコニルが好ましい。
前記チタン化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。
これらの化合物は、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
本発明において、上記水溶性多価金属塩化合物のインク受容層中の含有量は、前記無機微粒子に対して0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜5質量%である。
前記水溶性多価金属塩化合物は、単独でも用いることができるが、2種以上を併用することが好ましい。
また、本発明においては媒染剤として、カチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)等の有機媒染剤を更に含むことができる。
上記カチオン性媒染剤としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(以下、「媒染剤モノマー」と言う。)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染剤ポリマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー、又は水分散性のラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
上記媒染剤モノマーとしては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、ヨウ化メチルまたはヨウ化エチルによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
また、アリルアミンやジアリルアミン、その誘導体、塩なども利用できる。この様な化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミン及びこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミン及びこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)等が挙げられる。尚、これらのアリルアミン及びジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的な製法である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの重合単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
上記非媒染剤モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性或いはカチオン性部分を含まず、インクジェット用インク中の染料と相互作用を示さない、若しくは相互作用が実質的に小さい単量体をいう。
上記非媒染剤モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。上記非媒染剤モノマーも、1種単独で、又は2種以上を組合せて使用できる。
更に、ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレニミン、ポリアリルアミンおよびその変性体、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、又は特開平10−264511、特開2000−43409、特開2000−343811、特開2002−120452に記載のアクリルシリコンラテックスのカチオン性アクリルエマルジョン(ダイセル化学工業(株)製の商品名「アクアブリッドシリーズ ASi−781、ASi−784、ASi−578、ASi−903」)、等も好ましいものとして挙げることができる。
上記媒染剤の分子量としては、質量平均分子量で2000〜300000が好ましい。分子量がこの範囲にあると、耐水性及び耐経時にじみ性を一層向上させることができる。
本発明においては、上記媒染剤を、少なくともインク受容層の上層部に存在させることによって、アニオン性染料を色材として有するインクジェット用の液状インクとの間で相互作用が働き、該色材を安定化させて耐水性や耐経時にじみを更に改善することができる。
(他の成分)
本発明におけるインク受容層は、必要に応じて下記成分を含有させて構成される。
即ち、インク色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
上記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダードフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位又は6位の内、1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同3,707,375号明細書、同3,754,919号明細書、同4,220,711号明細書等に記載されている。
蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用でき、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具体的には、特公昭45−4699号公報、同54−5324号公報等に記載されている。
上記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同309402号公報、同310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同62−262047号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同66−88381号公報、同63−113536号公報;
同63−163351号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、特開平2−262654号公報、同2−71262号公報、同3−121449号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−61166号公報、同5−119449号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−1108437号公報、同5−170361号公報、特公昭48−43295号公報、同48−33212号公報、米国特許第4814262号、同第4980275号公報等に記載のものが挙げられる。
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
これら褪色性防止剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。褪色性防止剤は、水溶性化、分散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に含ませることもできる。褪色性防止剤の添加量としては、インク受容層塗布液の0.01〜10質量%が好ましい。
本発明において、インク受容層はカール防止用に高沸点有機溶剤を含有することが好ましい。上記高沸点有機溶剤としては、水溶性のものが好ましく、該水溶性の高沸点有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ポロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(質量平均分子量が400以下)等のアルコール類が挙げられる。好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)である。
上記高沸点有機溶剤のインク受容層用塗布液中における含有量としては、0.05〜1質量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜0.6質量%である。
また、無機顔料微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
[非吸水性支持体]
本発明のインクジェット記録用媒体は、非吸水性支持体上に、インク受容層と、非吸水性支持体とインク受容層との間に中間層を設けてなる。前記非吸水性支持体としては特に制限は無く、プラスチック等の透明材料よりなる非吸水性支持体、紙等の不透明材料の両面に熱可塑性樹脂層を設けてなる非吸水性支持体等のいずれをも使用できる。
非吸水性支持体を使用することによって印画後の平滑性を高く保つことができる。
本発明において非吸水性とは、コッブ吸水度で1g/m以下をいう。
本発明における非吸水性支持体としては、インク受容層の透明性を生かす上では、非吸水性の透明支持体又は非吸水性の高光沢性不透明支持体を用いることが好ましい。
上記透明支持体に使用可能な材料としては、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ましい。この様な材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易さの点で、50〜200μmが好ましい。
高光沢性の不透明支持体としては、インク受容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有するものが好ましい。該光沢度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って求められる値である。具体的には、下記の様な支持体が挙げられる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていてもよい。)高光沢性のフィルム;或いは、各種紙支持体、前記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体等が挙げられる。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に、銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
上記不透明支持体の厚みについても特に制限はないが、取り扱い易さの点で、50〜300μmが好ましい。
また、上記支持体の表面には、濡れ特性及び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用するのが好ましい。
次に、レジンコート紙など紙支持体に用いられる原紙について述べる。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%〜70質量%が好ましい。
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好適に用いられ、漂白処理を行なって白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度としては、カナディアン スタンダード フリーネス(CSF)の規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量としては、30〜250g/mが好ましく、特に50〜200g/mが好ましい。原紙の厚さとしては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm(JIS P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200が好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては、前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特に、インク受容層を形成する側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行なわれている様に、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白剤、群青をポリエチレン中に添加し、不透明度、白色度及び色相を改良したものが好ましい。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜20質量%が好ましく、4〜13質量%がより好ましい。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面層とも10〜50μmが好適である。更にポリエチレン層上にインク受容層との密着性を付与するために下塗り層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポリエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られる様なマット面や絹目面を形成したものも使用できる。
支持体にはバックコート層を設けることもでき、このバックコート層に添加可能な成分としては、白色顔料や水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に用いられる水性バインダーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用媒体の製造方法は、非吸水性支持体上に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層を、前記樹脂の水分散物を用いて形成する工程と、前記中間層上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層を形成する工程と、を含むことを特徴としている。これにより本発明のインクジェット記録用媒体を最も好適に作製することができる。
また、上記構成であることによって、印画濃度、光沢およびインク吸収性のいずれもが高く、インク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好であるインクジェット記録用媒体を、良好な生産性で製造することができる。
本発明において、前記樹脂の水分散物を用いて中間層を形成する方法としては、既述のように中間層用塗布液を調製して、これを塗布、乾燥させる方法が挙げられる。
中間層用塗布液は、前記樹脂の水分散物と、界面活性剤、高沸点有機溶剤等のその他の成分とを、イオン交換水等の溶媒に順次加えて、攪拌して混合することにより調製するができる。攪拌には公知の攪拌装置を特に制限無く用いることができる。
また、中間層の塗布方法は特に限定されず、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行なうことができる。更に、公知の同時多層塗布方法を用いて、中間層とインク受容層とを同時に塗布形成することもできる。本発明においては、耐折れ曲げ割れ性向上の観点から、同時多層塗布方法を用いて中間層とインク受容層とを同時に塗布形成する方法が好ましい。
中間層の塗布量は、中間層の膜厚が0.01〜3μmとなるように塗布することが好ましく、0.05〜2μmとなることがより好ましく、0.1〜1.5μmとなることが特に好ましい。
また、中間層塗布液を支持体上に塗布して形成した塗布層は、公知の乾燥方法で乾燥して、中間層とすることができる。また、インク受容層と共に同時多層塗布した場合には、インク受容層と共に乾燥して中間層を形成することもできる。
本発明においてインク受容層は、既述のようにインク受容層用塗布液を調製して、これを塗布、乾燥させる方法で形成することができる。
インク受容層用塗布液(第1液)は、無機顔料微粒子と親水性バインダー(PVA等)と架橋剤(ホウ素化合物等)と水溶性多価金属塩とを含むが、例えば以下のようにして調製できる。
平均一次粒子径20nm以下のシリカ微粒子を水中に添加して(例えば10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば、回転数10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で20分間(好ましくは、10〜30分間)かけて分散させた後、ホウ素化合物(例えばシリカの0.5〜20質量%)を加え、上記と同じ条件で分散を行ない、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)と、水溶性多価金属塩とを加え、更に上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下記の塗布方法で支持体上に設けた中間層上に塗布形成することにより、三次元網目構造を有する多孔質構造のインク受容層を得ることができる。第1液には、必要に応じて、更にpH調整剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤等を添加することができる。
分散に用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、発生するダマ状微粒子の分散を効率的に行なうためには、媒体撹拌型分散機やコロイドミル分散機又は高圧分散機が好ましい。
第1液(インク受容層用塗布液)の塗布と同時又は塗布した後に、塗布形成された塗布層に下記第2液(塩基性溶液)を付与してもよい。この場合、第2液は塗布後の塗布層が減率乾燥を示すようになる前に付与してもよい。すなわち、インク受容層用塗布液の塗布後、塗設された塗布層が恒率乾燥を示す間に塩基性溶液を導入することで好適に製造される。この第2液には、媒染剤を含有してもよい。
前記インク受容層用塗布液の調製に用いる溶媒としては、水や有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布液に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
また、インク受容層用塗布液の塗布は、既述の中間層用塗布液の塗布方法で挙げた塗布方法によって行なうことができる。インク受容層用塗布液の塗布量としては、10〜40g/mが一般的であり、15〜30g/mが好ましい。
前記第2液(塩基性溶液)は、溶媒として上記インク受容層塗布液の調製に用いることができる溶媒を用いて、例えば以下のようにして調製できる。
イオン交換水に媒染剤(例えば0.1〜5.0質量%)と界面活性剤類(例えば総量として0.01〜1.0質量%)と水溶性金属塩(例えば0.07〜3.3質量%)と必要に応じて架橋剤(例えば0〜5.0質量%)とを加えて充分に攪拌する。第2液のpHとしては、7.1以上が好ましく、pH調整はアンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アミノ基含有化合物(エチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ポリアリルアミン等)等を用いて行なうことができる。さらに、第2液には、pH調整用として酸を添加することもでき、酸としては、有機酸、無機酸のいずれを用いてもよく、例えば、パラトルエンスルホン酸、蟻酸、酢酸、コハク酸、クエン酸、フタル酸、塩化アンモニウム等が挙げられるが、好ましくはパラトルエンスルホン酸、塩化アンモニウムである。
ここで、「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、インク受容層用塗布液の塗布直後から数分間の過程をさし、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥」の現象を示す。この「恒率乾燥」を示す時間については、例えば、「化学工学便覧」(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
この乾燥は一般に温度50〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は前記範囲が適当である。
減率乾燥を示すようになる前に第2液を付与する方法としては、(1)第2液を塗布層上に更に塗布する方法、(2)スプレー等の方法により噴霧する方法、(3)第2液中に該塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
前記方法(1)において、第2液を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既に形成されている第1塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
第2液の塗布量としては、5〜50g/mが一般的であり、10〜30g/mが好ましい。
第2液の付与後は、一般に温度40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥及び硬化が行なわれる。中でも、温度40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。例えば、第1液中に含有する架橋剤をホウ砂やホウ酸とする場合には、温度60〜100℃での加熱を5〜20分間行なうことが好ましい。
また、塩基性溶液(第2液)を、インク受容層塗布液(第1液)を塗布すると同時に付与する場合、第1液及び第2液を、第1液が支持体上の中間層と接触するようにして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることによりインク受容層を形成することができる。
同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーターを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を温度40〜150℃で0.5〜10分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、温度40〜100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれる。
同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコーターにより行なった場合、同時に吐出される2種の塗布液は、エクストルージョンダイコーターの吐出口附近で、すなわち支持体上に移る前に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前に重層された2層の塗布液は、支持体に移る際、既に2液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出される2液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。従って、上記のように同時塗布する際は、第1液及び第2液と共に、バリアー層液(中間層液)を前記2液間に介在させて同時3重層塗布することが好ましい。
前記バリアー層液は、特に制限なく選択できる。例えば、親水性バインダーを微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。上記親水性バインダーは、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セルロース系樹脂(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。ここで、該バリアー層液には、前記媒染剤を含有させることもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特記しない限り「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出被覆した。
原紙抄造時に、含水率8.5質量%になるように水分を調整して、ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体を作製した。
ポリオレフィン樹脂被覆紙に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層用塗布液をゼラチンが50mg/mとなるように塗布乾燥して支持体を作製し、実施例1の支持体とした。
<下引き層用塗布液>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
イオン交換水 888部
上記下引き層を設けた支持体上に、下記組成の中間層用塗布液Aを支持体に近い側に、インク受容層用塗布液Aをその上になるように多層スライド塗布装置で塗布し、乾燥した。
インク受容層用塗布液Aは、下記組成中の、気相法シリカと、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーと、塩基性ポリ水酸化アルミニウムと、イオン交換水とを混合し、ホモミキサーを用いて予分散を行った後、更に高圧ホモジナイザー(アルティマイザー、スギノマシン社製)を用いて170MPa、1パスで分散を行った。この分散液を45℃に加熱して20時間保持した。この分散液に更に、ホウ酸と、ポリビニルアルコール溶解液とを加えて、気相法シリカが9質量%の固形分濃度になるように調製した。この塗布液を気相法シリカの塗布量が固形分で、24g/mになるように塗布、乾燥した。
下記中間層用塗布液Aは、下記組成を攪拌混合することによって調製し、形成される中間層が乾燥後で0.5μmになるように塗布した。インクジェット記録用媒体の断面を切断しSEM(走査型電子顕微鏡)で画像を写真撮影して、乾燥後の膜厚を測定した。
<インク受容層用塗布液A>
気相法シリカ(無機微粒子) 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g、
柴田科学器械工業社製、SA−1100)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、
質量平均分子量9000、51.5%水溶液)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム(水溶性多価金属塩) 4部
((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
イオン交換水 589部
ホウ酸(架橋剤) 3部
ポリビニルアルコール(親水性バインダー)溶解液 300部
[溶解液の組成]
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
(花王(株)製、エマルゲン109P)
イオン交換水 300部
<中間層用塗布液A>
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−5、
ガラス転移温度:−5℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤 エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製、ブチセノール20P)
(4)イオン交換水 48.99部
(実施例2)
実施例1において、下引き層を設けた支持体の代わりに、ポリオレフィン樹脂被覆紙に下引き層を設けずにコロナ放電処理した支持体を用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録用媒体を作製した。
(実施例3)
実施例2において、インク受容層用塗布液Aの代わりに、下記インク受容層用塗布液Bを用いて、下記方法でインクジェット記録用媒体を作製した。
<インク受容層用塗布液B>
下記「シリカ分散液B」の組成に従って、イオン交換水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーを混合した液に気相法シリカを混合し、酢酸ジルコニルを更に添加したスラリーを、スギノマシン社製アルティマイザーを用いて、160MPaで1パスして、メジアン径(平均粒子径)120nmのシリカ分散液Bを作製した。
シリカ分散液Bに、下記「インク受容層用塗布液B」の組成に従って、イオン交換水、7.5%ホウ酸液、SC−505、ポリビニルアルコール溶解液、スーパーフレックス650−5を順次添加混合し、インク受容層用塗布液Bを作製した。
<シリカ分散液B>
(1)気相法シリカ 15.0部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g、
日本アエロジル(株)製、AEROSIL300SF75)
(2)イオン交換水 82.9部
(3)ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 1.31部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC−902P、51.5%水溶液)
(4)酢酸ジルコニル 0.81部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−30、30%水溶液)
<インク受容層用塗布液Bの組成>
(1)シリカ分散液B 58.7部
(2)イオン交換水 2.9部
(3)ホウ酸液(7.5%) 5.2部
(4)ジメチルアミン・エピクロルヒドリン・
ポリアルキレンポリアミン重縮合物 0.2部
(ハイモ(株)製、SC−505、50%水溶液)
(5)下記ポリビニルアルコール溶解液 30.8部
(6)カチオン変性ポリウレタン水分散物 2.2部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−5、25%水溶液)
<ポリビニルアルコール溶解液>
(1)ポリビニルアルコール 6.96部
(日本酢ビ・ポバール(株)製、JM-23(DLL)、鹸化度93.2mol%、重合度2400)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.23部
(花王(株)製界面活性剤、エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2.12部
(協和発酵(株)製 ブチセノール20P)
(4)イオン交換水 90.69部
(インクジェット記録用媒体の作製)
前記実施例1同様の支持体上に、実施例1同様の中間層用塗布液Aを支持体に近い側に、その上に、前記インク受容層用塗布液Bが183g/m、下記PAC液1が11.4g/mの塗布量となるようにインラインブレンドした塗布液を、多層スライド塗布装置を用いて、塗布を行った。その後、熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この間は恒率乾燥を示した。そして、減率乾燥を示す前に、下記組成の塩基性溶液(pH=7.8)に3秒浸漬して、前記塗布層上にその13g/mを付着させ、更に65℃で10分間乾燥させた(硬化工程)。これにより、乾燥膜厚32μmのインク受容層が設けられた、本発明のインクジェット記録用媒体を作製した。
<PAC液1>
(1)塩基度83%のポリ塩化アルミニウム水溶液 20部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83、40%水溶液)
(2)イオン交換水 80部
<塩基性溶液の組成>
(1)ホウ酸 0.65部
(2)炭酸ジルコニウムアンモニウム 0.33部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコゾールAC−7、28質量%水溶液)
(3)炭酸アンモニウム(一級) 3.5部
(関東化学(株)製)
(4)イオン交換水 63.3部
(5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 30.0部
(花王(株)製界面活性剤、エマルゲン109P、2%水溶液)
(実施例4)
実施例2において、中間層の厚さを0.05μmにした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(実施例5)
実施例2において、中間層の厚さを2μmにした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(実施例6)
実施例2において、中間層の厚さを5μmにした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(実施例7)
実施例2において、中間層用塗布液Aの代わりに、下記中間層用塗布液Bを用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
<中間層用塗布液B>
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス620、
ガラス転移温度:43℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤 エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製、ブチセノール20P)
(4)イオン交換水 48.99部
(実施例8)
実施例2において、中間層用塗布液Aの代わりに、下記中間層用塗布液Cを用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
<中間層用塗布液C>
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−2、
ガラス転移温度:−5℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤 エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製、ブチセノール20P)
(4)気相法シリカ(固体微粒子) 2.5部
(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g、
柴田科学器械工業社製、SA−1100)
(5)イオン交換水 46.49部
(実施例9)
実施例2において、中間層用塗布液Aの代わりに、下記中間層用塗布液Fを用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
<中間層用塗布液F>
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−2、
ガラス転移温度:−5℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤 エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製、ブチセノール20P)
(4)気相法シリカ(固体微粒子) 1.25部
(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g、
柴田科学器械工業社製、SA−1100)
(5)イオン交換水 47.74部
(比較例1)
実施例1において、中間層を塗布しない以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(比較例2)
実施例3において、中間層を塗布しない以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(比較例3)
実施例3において、中間層用塗布液Aの代わりに下記中間層用塗布液Dを用いた以外は実施例3と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
<中間層用塗布液D>
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス600、
ガラス転移温度70℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤エマルゲン109P、10質量%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製 ブチセノール20P)
(4)イオン交換水 48.99部
(比較例4)
実施例2において、中間層用塗布液Aの代わりに下記中間層用塗布液Eを用いた以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
<中間層用塗布液E>
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−5、
ガラス転移温度−5℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤エマルゲン109P、10質量%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製 ブチセノール20P)
(4)気相法シリカ 3.75部
(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g、
柴田科学器械工業社製、SA−1100)
(5)イオン交換水 45.24部
(評価試験)
上記より得たインクジェット記録用媒体について、下記の評価試験を行なった。その結果を下記の表1に示す。
(1)経時にじみ
エプソン(株)製のインクジェットプリンター「PM970C」を用いて、前記各インクジェット記録用媒体にマゼンタとブラックのインクを隣接して格子状の線状パターン(線幅0.28mm)を印画した。該印画サンプルを透明なPP製ファイルに挿入して、温度35℃湿度80%RHの環境下に3日間保管した後、該マゼンタとブラックよりなる格子状部の光学濃度(vis.)を測定し、保管前の光学濃度に対する変動率を算出することにより経時にじみの評価指標とした。
また、キヤノン(株)製のインクジェットプリンター「PIXUS 990i」を用いて前記各インクジェット記録用媒体にブルーの格子状パターン(線幅0.28mm)を印画した以外は、上記と同様にして経時にじみ評価を行った。
前記光学濃度は、いずれもXrite938を用いて測定した。
評価基準は以下のとおりである。
○:50%未満
×:50%以上
(2)耐折り曲げ割れ性
未印字のインクジェット記録用媒体を2cm×8cmの大きさに裁断し、印字面を上にして長辺方向に折り曲げていったときに、表面に亀裂が生じたときの曲率半径を測定することによって評価した。曲率半径が小さいほど耐折り曲げ割れ性に優れていることを意味する。評価は23℃、相対湿度50%RHの中湿環境と23℃、相対湿度20%RHの低湿環境のそれぞれの環境下に評価用サンプルを24時間放置した後に行った。
評価基準は以下のとおりである。
◎:曲率半径が5mmで折り曲げ割れが発生しなかった。
○:曲率半径が6〜10mmで折り曲げ割れが発生した。
△:曲率半径が11〜20mmで折り曲げ割れが発生した。
×:曲率半径が21mm以上で折り曲げ割れが発生した。
(3)印画濃度
エプソン(株)製のインクジェットプリンター「PM−G800」、及びキヤノン(株)製のインクジェットプリンター「PIXUS iP8600」を用いて、前記各インクジェット記録用シートにブラックインクで印画をした。該印画サンプルの光学濃度を測定した。
(4)インク吸収性
エプソン(株)製のインクジェットプリンター「PM-G800」を用いて、30℃80%の条件で黒ベタ印画を行い印画直後に普通紙を重ね軽く圧着し、普通紙に転写したインクの程度を目視で観察し、下記基準に従って評価した。
○:全く転写がない。
△:やや転写する。
×:転写が著しい。
(5)光沢度
インク受容層の光沢度をスガ試験機(株)製 デジタル変角光度計を用い角度60度にて測定した。
Figure 2008183807
表1から、本発明のインクジェット記録用媒体は、耐折り曲げ割れ性に優れていることが分かる。また、本発明のインクジェット記録用媒体は良好な経時にじみ特性を示すことが分かる。
本発明のインクジェット記録用媒体は、印画濃度、光沢及びインク吸収性のいずれもが高く、良好な特性を示した。


Claims (5)

  1. 非吸水性支持体上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層が少なくとも1層設けられ、前記非吸水性支持体と前記インク受容層との間に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層が設けられたインクジェット記録用媒体。
  2. 前記無機微粒子が、BET法による比表面積が200m/g以上の気相法シリカであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
  3. 前記水溶性多価金属塩が、ポリ水酸化アルミニウム化合物およびジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用媒体。
  4. 前記中間層の膜厚が0.01〜3μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
  5. 非吸水性支持体上に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層を、前記樹脂の水分散物を用いて形成する工程と、
    前記中間層上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層を形成する工程と、を含むインクジェット記録用媒体の製造方法。

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