JP2008183807A - インクジェット記録用媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非吸水性支持体上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層が少なくとも1層形成されたインクジェット記録用媒体において、前記非吸水性支持体と前記インク受容層との間に、固体微粒子の含有量が20質量%以下であって、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含む中間層を有している。
【選択図】なし
Description
インクジェット記録用の記録シートに要求される特性としては、一般に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が速いこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(滲みのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐光性や耐水性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像が滲まないこと)、(10)変形し難く、寸法安定性が良好であること(カールが充分小さいこと)、(11)ハードの走行性が良好であること、等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的に用いられるフォト光沢紙の用途では、上記特性に加えて、更に光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
また、インク受容層のひび割れや折り曲げ割れが無く、かつ高い光沢と高いインク吸収性を備えたインクジェット記録用材料として、水溶性ポリマーを含む下引き層を設けたインクジェット記録用媒体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
更に、高温高湿環境下に長時間保存された場合でも、経時にじみの発生がないインクジェット記録用媒体として、インク受容層に水溶性多価金属塩とカチオン変性された自己乳化性高分子を含むインクジェット記録用媒体が知られている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、インク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好であるインクジェット記録用媒体の提供を目的とし、該目的の解決を課題とする。
<1> 非吸水性支持体上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層が少なくとも1層設けられ、前記非吸水性支持体と前記インク受容層との間に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層が設けられたインクジェット記録用媒体である。
<2> 前記無機微粒子が、BET法による比表面積が200m2/g以上の気相法シリカであることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録用媒体である。
<3> 前記水溶性多価金属塩が、ポリ水酸化アルミニウム化合物およびジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載のインクジェット記録用媒体である。
<4> 前記中間層の膜厚が0.01〜3μmであることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体である。
<5> 非吸水性支持体上に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層を、前記樹脂の水分散物を用いて形成する工程と、前記中間層上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層を形成する工程と、を含むインクジェット記録用媒体の製造方法である。
本発明における「折り曲げ割れ」とは、インクジェット記録用媒体を折り曲げた場合に、折り曲げに沿ってインク受容層に直線状のひび割れが生じる現象をいう。
本発明のインクジェット記録用媒体は、非吸水性支持体とインク受容層との間に中間層を設けてなり、該中間層が、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂の少なくとも1種を含み、該中間層に含まれる固体微粒子の含有量が、前記樹脂に対して20質量%以下であることを特徴とする。かかる中間層を設けてなることによりインク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好になる。
本発明における中間層は、ガラス転移温度が50℃以下の樹脂を含む。前記樹脂としてはガラス転移温度が50℃以下であれば、特に制限なく用いることができる。
前記樹脂としては、例えばリサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、同18,716号の651頁、同307,105号の873〜874頁、特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁等に記載された樹脂を挙げることができる。
具体的には、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルピロリドン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ナイロン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性構のアミド基又はアミド結合を有する樹脂である、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ポリビニルアセタール、エチレン-ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カチオン変性樹脂としては、例えば、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基等のカチオン性の基を有する重付加系または重縮合系高分子が挙げられる。前記重付加系高分子としては、例えば、カチオン性基含有ビニル重合系ポリマー、カチオン性基含有ポリウレタン等を挙げることができ、前記重縮合系高分子としては、例えば、カチオン性基含有ポリエステル等を挙げることができる。
前記ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類(エステル基は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2−クロロエチル基、シアノエチル基、2−アセトキシエチル基、テトラヒドロフルフリル基、5−ヒドロキシペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2,2,2−テトラフルオロエチル基、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基等);
上記ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量=200,300,400,600,1000,1500,4000)、ポリプロピレングリコール(平均分子量=200,400,1000)、ポリエステルポリオール、4,4'―ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−プロパン、4,4'―ジヒドロキシフェニルスルホン等が挙げられる。
カチオン性基含有ポリウレタンは、例えば、ポリウレタンの合成の際、前記のごときジオールにカチオン性基を導入したものを使用することによって得られる。また4級アンモニウム塩の場合は、3級アミノ基を含有するポリウレタンを4級化剤で4級化してもよい。
上記ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α―ジメチルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ω―ポリ(エチレンオキシド)ジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸等が挙げられる。
本発明における中間層において、上記樹脂の含有量としては、中間層を構成する全固形分の80質量%以上であることが好ましい。該含有量が前記範囲内であることにより耐折り曲げ割れ性がより良好になり、また、経時にじみがより改善される。
樹脂を水系溶媒と混合して、必要に応じて添加剤を混合し、該混合液を、分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径0.05μm以下の水分散液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミル、ビーズミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的に行うという観点から、媒体撹拌型分散機、コロイドミル分散機又は高圧分散機が好ましい。
本発明における中間層は、固体微粒子を含んでいてもよいが、その含有量が、前記樹脂の質量に対して20質量%以下である必要がある。20質量%を超える固体微粒子を含有する場合には耐折り曲げ割れ性が悪化する。本発明においては固体微粒子の含有量の下限値については特に制限はなく、固体微粒子の含有量が10質量%以下であることが好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
本発明における中間層は、必要に応じてその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、界面活性剤、高沸点有機溶剤等を挙げることができる。界面活性剤については既述の界面活性剤を好適に使用することができる。また、高沸点有機溶剤については後述する高沸点有機溶媒を好適に使用することができる。
ここで中間層用塗布液中における高沸点有機溶剤の含有量としては、耐折れ曲げ割れ性改善の観点から、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
(無機微粒子)
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子の少なくとも1種を含む。本発明における無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等を挙げることができる。中でも、シリカ微粒子が好ましい。
本発明において前記無機微粒子は、1種単独または2種以上を組合せて用いることができる。
本発明において、前記比表面積は280m2/g以上であることがより好ましい。これにより、インク吸収性及び速乾性がより向上し、インク滲みがより少なくなり、画質や印画濃度が更に向上する。
ここでBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができると共に、インク受容層の透明性および表面光沢性を高めることができる。なお、気相法シリカは、一次粒子のまま用いるほか、二次粒子を形成した状態で含有してもよい。
また、前記オリフィスを通過させる場合におけるオリフィスの入口側と出口側の差圧も、前記処理圧力と同様に、50MPa以上、好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは130MPa以上が望ましい。
添加剤としては、例えば、ノニオン性またはカチオン性の各種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性またはカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、アセトンなど)、無機塩類、pH調整剤などが挙げられ、これらは必要に応じて適宜使用することができる。
また、上記の分散においては2種以上の無機微粒子を併用することも可能である。
本発明におけるインク受容層は、親水性バインダーの少なくとも1種を更に含有する。
親水性バインダーとしては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂である、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性構のアミド基又はアミド結合を有する樹脂である、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等を挙げることもできる。
上記の中でも、特にポリビニルアルコール(PVA)類が好ましい。
本発明において上記親水性バインダーは、1種単独または2種以上を組合せて用いることができる。
インクジェット記録用媒体において、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
無機微粒子(好ましくはシリカ微粒子;x)と親水性バインダー(y)との含有比〔PB比(x/y)、親水性バインダー1質量部に対する無機微粒子の質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、上記PB比(x/y)としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止する観点、および、該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子及び親水性バインダーを含み、更に該親水性バインダーを架橋し得る架橋剤の少なくとも1種を含む。本発明におけるインク受容層は前記架橋剤による親水性バインダーの架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。インク受容層が架橋剤を含むことによって良好な膜強度を得ることができる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−s−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
本発明におけるインク受容層は、水溶性多価金属塩の少なくとも1種を含有する。これにより、形成画像の耐水性及び耐経時にじみ性を向上させることができる。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、アンモニウムミョウバン、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化チタン、硫酸チタン、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
前記アルミニウム化合物としては、例えば、塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性のポリ水酸化アルミニウム化合物等を好ましく挙げることができる。本発明においては特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
[Al(OH)3]nAlCl3 式2
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n 式3
前記チタン化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。
これらの化合物は、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
上記カチオン性媒染剤としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(以下、「媒染剤モノマー」と言う。)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染剤ポリマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー、又は水分散性のラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの重合単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
上記非媒染剤モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
本発明におけるインク受容層は、必要に応じて下記成分を含有させて構成される。
即ち、インク色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
上記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダードフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位又は6位の内、1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
また、無機顔料微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
本発明のインクジェット記録用媒体は、非吸水性支持体上に、インク受容層と、非吸水性支持体とインク受容層との間に中間層を設けてなる。前記非吸水性支持体としては特に制限は無く、プラスチック等の透明材料よりなる非吸水性支持体、紙等の不透明材料の両面に熱可塑性樹脂層を設けてなる非吸水性支持体等のいずれをも使用できる。
非吸水性支持体を使用することによって印画後の平滑性を高く保つことができる。
本発明において非吸水性とは、コッブ吸水度で1g/m2以下をいう。
本発明における非吸水性支持体としては、インク受容層の透明性を生かす上では、非吸水性の透明支持体又は非吸水性の高光沢性不透明支持体を用いることが好ましい。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易さの点で、50〜200μmが好ましい。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に、銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
また、上記支持体の表面には、濡れ特性及び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用するのが好ましい。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%〜70質量%が好ましい。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
また、上記構成であることによって、印画濃度、光沢およびインク吸収性のいずれもが高く、インク受容層の耐折り曲げ割れ性が良好であるインクジェット記録用媒体を、良好な生産性で製造することができる。
中間層用塗布液は、前記樹脂の水分散物と、界面活性剤、高沸点有機溶剤等のその他の成分とを、イオン交換水等の溶媒に順次加えて、攪拌して混合することにより調製するができる。攪拌には公知の攪拌装置を特に制限無く用いることができる。
また、中間層の塗布方法は特に限定されず、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行なうことができる。更に、公知の同時多層塗布方法を用いて、中間層とインク受容層とを同時に塗布形成することもできる。本発明においては、耐折れ曲げ割れ性向上の観点から、同時多層塗布方法を用いて中間層とインク受容層とを同時に塗布形成する方法が好ましい。
また、中間層塗布液を支持体上に塗布して形成した塗布層は、公知の乾燥方法で乾燥して、中間層とすることができる。また、インク受容層と共に同時多層塗布した場合には、インク受容層と共に乾燥して中間層を形成することもできる。
インク受容層用塗布液(第1液)は、無機顔料微粒子と親水性バインダー(PVA等)と架橋剤(ホウ素化合物等)と水溶性多価金属塩とを含むが、例えば以下のようにして調製できる。
平均一次粒子径20nm以下のシリカ微粒子を水中に添加して(例えば10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば、回転数10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で20分間(好ましくは、10〜30分間)かけて分散させた後、ホウ素化合物(例えばシリカの0.5〜20質量%)を加え、上記と同じ条件で分散を行ない、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)と、水溶性多価金属塩とを加え、更に上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下記の塗布方法で支持体上に設けた中間層上に塗布形成することにより、三次元網目構造を有する多孔質構造のインク受容層を得ることができる。第1液には、必要に応じて、更にpH調整剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤等を添加することができる。
また、インク受容層用塗布液の塗布は、既述の中間層用塗布液の塗布方法で挙げた塗布方法によって行なうことができる。インク受容層用塗布液の塗布量としては、10〜40g/m2が一般的であり、15〜30g/m2が好ましい。
イオン交換水に媒染剤(例えば0.1〜5.0質量%)と界面活性剤類(例えば総量として0.01〜1.0質量%)と水溶性金属塩(例えば0.07〜3.3質量%)と必要に応じて架橋剤(例えば0〜5.0質量%)とを加えて充分に攪拌する。第2液のpHとしては、7.1以上が好ましく、pH調整はアンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アミノ基含有化合物(エチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ポリアリルアミン等)等を用いて行なうことができる。さらに、第2液には、pH調整用として酸を添加することもでき、酸としては、有機酸、無機酸のいずれを用いてもよく、例えば、パラトルエンスルホン酸、蟻酸、酢酸、コハク酸、クエン酸、フタル酸、塩化アンモニウム等が挙げられるが、好ましくはパラトルエンスルホン酸、塩化アンモニウムである。
この乾燥は一般に温度50〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は前記範囲が適当である。
第2液の付与後は、一般に温度40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥及び硬化が行なわれる。中でも、温度40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。例えば、第1液中に含有する架橋剤をホウ砂やホウ酸とする場合には、温度60〜100℃での加熱を5〜20分間行なうことが好ましい。
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出被覆した。
原紙抄造時に、含水率8.5質量%になるように水分を調整して、ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体を作製した。
ポリオレフィン樹脂被覆紙に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層用塗布液をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作製し、実施例1の支持体とした。
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
イオン交換水 888部
インク受容層用塗布液Aは、下記組成中の、気相法シリカと、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーと、塩基性ポリ水酸化アルミニウムと、イオン交換水とを混合し、ホモミキサーを用いて予分散を行った後、更に高圧ホモジナイザー(アルティマイザー、スギノマシン社製)を用いて170MPa、1パスで分散を行った。この分散液を45℃に加熱して20時間保持した。この分散液に更に、ホウ酸と、ポリビニルアルコール溶解液とを加えて、気相法シリカが9質量%の固形分濃度になるように調製した。この塗布液を気相法シリカの塗布量が固形分で、24g/m2になるように塗布、乾燥した。
下記中間層用塗布液Aは、下記組成を攪拌混合することによって調製し、形成される中間層が乾燥後で0.5μmになるように塗布した。インクジェット記録用媒体の断面を切断しSEM(走査型電子顕微鏡)で画像を写真撮影して、乾燥後の膜厚を測定した。
気相法シリカ(無機微粒子) 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g、
柴田科学器械工業社製、SA−1100)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、
質量平均分子量9000、51.5%水溶液)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム(水溶性多価金属塩) 4部
((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
イオン交換水 589部
ホウ酸(架橋剤) 3部
ポリビニルアルコール(親水性バインダー)溶解液 300部
[溶解液の組成]
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
(花王(株)製、エマルゲン109P)
イオン交換水 300部
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−5、
ガラス転移温度:−5℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤 エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製、ブチセノール20P)
(4)イオン交換水 48.99部
実施例1において、下引き層を設けた支持体の代わりに、ポリオレフィン樹脂被覆紙に下引き層を設けずにコロナ放電処理した支持体を用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録用媒体を作製した。
実施例2において、インク受容層用塗布液Aの代わりに、下記インク受容層用塗布液Bを用いて、下記方法でインクジェット記録用媒体を作製した。
下記「シリカ分散液B」の組成に従って、イオン交換水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーを混合した液に気相法シリカを混合し、酢酸ジルコニルを更に添加したスラリーを、スギノマシン社製アルティマイザーを用いて、160MPaで1パスして、メジアン径(平均粒子径)120nmのシリカ分散液Bを作製した。
シリカ分散液Bに、下記「インク受容層用塗布液B」の組成に従って、イオン交換水、7.5%ホウ酸液、SC−505、ポリビニルアルコール溶解液、スーパーフレックス650−5を順次添加混合し、インク受容層用塗布液Bを作製した。
(1)気相法シリカ 15.0部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g、
日本アエロジル(株)製、AEROSIL300SF75)
(2)イオン交換水 82.9部
(3)ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 1.31部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC−902P、51.5%水溶液)
(4)酢酸ジルコニル 0.81部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−30、30%水溶液)
(1)シリカ分散液B 58.7部
(2)イオン交換水 2.9部
(3)ホウ酸液(7.5%) 5.2部
(4)ジメチルアミン・エピクロルヒドリン・
ポリアルキレンポリアミン重縮合物 0.2部
(ハイモ(株)製、SC−505、50%水溶液)
(5)下記ポリビニルアルコール溶解液 30.8部
(6)カチオン変性ポリウレタン水分散物 2.2部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−5、25%水溶液)
(1)ポリビニルアルコール 6.96部
(日本酢ビ・ポバール(株)製、JM-23(DLL)、鹸化度93.2mol%、重合度2400)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.23部
(花王(株)製界面活性剤、エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2.12部
(協和発酵(株)製 ブチセノール20P)
(4)イオン交換水 90.69部
前記実施例1同様の支持体上に、実施例1同様の中間層用塗布液Aを支持体に近い側に、その上に、前記インク受容層用塗布液Bが183g/m2、下記PAC液1が11.4g/m2の塗布量となるようにインラインブレンドした塗布液を、多層スライド塗布装置を用いて、塗布を行った。その後、熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この間は恒率乾燥を示した。そして、減率乾燥を示す前に、下記組成の塩基性溶液(pH=7.8)に3秒浸漬して、前記塗布層上にその13g/m2を付着させ、更に65℃で10分間乾燥させた(硬化工程)。これにより、乾燥膜厚32μmのインク受容層が設けられた、本発明のインクジェット記録用媒体を作製した。
(1)塩基度83%のポリ塩化アルミニウム水溶液 20部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83、40%水溶液)
(2)イオン交換水 80部
(1)ホウ酸 0.65部
(2)炭酸ジルコニウムアンモニウム 0.33部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコゾールAC−7、28質量%水溶液)
(3)炭酸アンモニウム(一級) 3.5部
(関東化学(株)製)
(4)イオン交換水 63.3部
(5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 30.0部
(花王(株)製界面活性剤、エマルゲン109P、2%水溶液)
実施例2において、中間層の厚さを0.05μmにした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
実施例2において、中間層の厚さを2μmにした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
実施例2において、中間層の厚さを5μmにした以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
実施例2において、中間層用塗布液Aの代わりに、下記中間層用塗布液Bを用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス620、
ガラス転移温度:43℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤 エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製、ブチセノール20P)
(4)イオン交換水 48.99部
実施例2において、中間層用塗布液Aの代わりに、下記中間層用塗布液Cを用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−2、
ガラス転移温度:−5℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤 エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製、ブチセノール20P)
(4)気相法シリカ(固体微粒子) 2.5部
(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m2/g、
柴田科学器械工業社製、SA−1100)
(5)イオン交換水 46.49部
実施例2において、中間層用塗布液Aの代わりに、下記中間層用塗布液Fを用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−2、
ガラス転移温度:−5℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤 エマルゲン109P、10%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製、ブチセノール20P)
(4)気相法シリカ(固体微粒子) 1.25部
(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m2/g、
柴田科学器械工業社製、SA−1100)
(5)イオン交換水 47.74部
実施例1において、中間層を塗布しない以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
実施例3において、中間層を塗布しない以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
実施例3において、中間層用塗布液Aの代わりに下記中間層用塗布液Dを用いた以外は実施例3と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス600、
ガラス転移温度70℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤エマルゲン109P、10質量%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製 ブチセノール20P)
(4)イオン交換水 48.99部
実施例2において、中間層用塗布液Aの代わりに下記中間層用塗布液Eを用いた以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
(1)カチオン変性ポリウレタン水分散物 50部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス650−5、
ガラス転移温度−5℃、25%水分散物)
(2)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.01部
(花王(株)製、界面活性剤エマルゲン109P、10質量%水溶液)
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1部
(協和発酵(株)製 ブチセノール20P)
(4)気相法シリカ 3.75部
(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m2/g、
柴田科学器械工業社製、SA−1100)
(5)イオン交換水 45.24部
上記より得たインクジェット記録用媒体について、下記の評価試験を行なった。その結果を下記の表1に示す。
エプソン(株)製のインクジェットプリンター「PM970C」を用いて、前記各インクジェット記録用媒体にマゼンタとブラックのインクを隣接して格子状の線状パターン(線幅0.28mm)を印画した。該印画サンプルを透明なPP製ファイルに挿入して、温度35℃湿度80%RHの環境下に3日間保管した後、該マゼンタとブラックよりなる格子状部の光学濃度(vis.)を測定し、保管前の光学濃度に対する変動率を算出することにより経時にじみの評価指標とした。
また、キヤノン(株)製のインクジェットプリンター「PIXUS 990i」を用いて前記各インクジェット記録用媒体にブルーの格子状パターン(線幅0.28mm)を印画した以外は、上記と同様にして経時にじみ評価を行った。
前記光学濃度は、いずれもXrite938を用いて測定した。
評価基準は以下のとおりである。
○:50%未満
×:50%以上
未印字のインクジェット記録用媒体を2cm×8cmの大きさに裁断し、印字面を上にして長辺方向に折り曲げていったときに、表面に亀裂が生じたときの曲率半径を測定することによって評価した。曲率半径が小さいほど耐折り曲げ割れ性に優れていることを意味する。評価は23℃、相対湿度50%RHの中湿環境と23℃、相対湿度20%RHの低湿環境のそれぞれの環境下に評価用サンプルを24時間放置した後に行った。
評価基準は以下のとおりである。
◎:曲率半径が5mmで折り曲げ割れが発生しなかった。
○:曲率半径が6〜10mmで折り曲げ割れが発生した。
△:曲率半径が11〜20mmで折り曲げ割れが発生した。
×:曲率半径が21mm以上で折り曲げ割れが発生した。
エプソン(株)製のインクジェットプリンター「PM−G800」、及びキヤノン(株)製のインクジェットプリンター「PIXUS iP8600」を用いて、前記各インクジェット記録用シートにブラックインクで印画をした。該印画サンプルの光学濃度を測定した。
エプソン(株)製のインクジェットプリンター「PM-G800」を用いて、30℃80%の条件で黒ベタ印画を行い印画直後に普通紙を重ね軽く圧着し、普通紙に転写したインクの程度を目視で観察し、下記基準に従って評価した。
○:全く転写がない。
△:やや転写する。
×:転写が著しい。
インク受容層の光沢度をスガ試験機(株)製 デジタル変角光度計を用い角度60度にて測定した。
本発明のインクジェット記録用媒体は、印画濃度、光沢及びインク吸収性のいずれもが高く、良好な特性を示した。
Claims (5)
- 非吸水性支持体上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層が少なくとも1層設けられ、前記非吸水性支持体と前記インク受容層との間に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層が設けられたインクジェット記録用媒体。
- 前記無機微粒子が、BET法による比表面積が200m2/g以上の気相法シリカであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記水溶性多価金属塩が、ポリ水酸化アルミニウム化合物およびジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記中間層の膜厚が0.01〜3μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
- 非吸水性支持体上に、ガラス転移温度が50℃以下である樹脂を含み、かつ、前記樹脂に対する固体微粒子の含有量が20質量%以下である中間層を、前記樹脂の水分散物を用いて形成する工程と、
前記中間層上に、無機微粒子と、親水性バインダーと、架橋剤と、水溶性多価金属塩とを含むインク受容層を形成する工程と、を含むインクジェット記録用媒体の製造方法。
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