JP4343855B2 - インクジェット記録用媒体 - Google Patents

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本発明は、水性イング(色材として染料又は顔料を用いたもの)及び油性インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液状化させて印画に供する固体状インク等を用いたインクジェット記録に用いられるインクジェット記録用媒体に関する。
近年、情報産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発され、その情報システムに適した記録方法及び装置も開発され、各々実用化されている。
上記記録方法の中で、インクジェット記録方法は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であること、コンパクトであること、静粛性に優れること等の点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられてきている。
また、近年のインクジェットプリンタの高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきた。更に、ハード(装置)の発展に伴って、インクジェット記録用媒体も各種開発されてきている。
上記インクジェット記録用媒体に要求される特性としては、一般的に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐光性、耐ガス性、耐水性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像がにじまないこと)、(10)変形しにくく、寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォト光沢紙の用途としては、上記特性に加えて、光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
従来から、光沢性の改善を目的としたインクジェット記録用媒体が各種提案されてきた(例えば、特許文献1乃至4参照。)。しかしながら、光沢性の改善は未だ不十分なものであった。
特開平7−101142号公報 特開2000−62314号公報 特開2001−96893号公報 特開2001−341409号公報
本発明は、高い光沢感を有するインクジェット記録用媒体の提供を目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 支持体上に少なくともインク受容層を有するインクジェット記録用媒体であって、前記インク受容層の設けられた側の最表面は、JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が35%以上であり、且つ、中心面平均粗さ(SRa値)がカットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.40μm以下であり、前記支持体は、基体上に膜厚が10〜50μmのキャストコート層と、熱可塑性樹脂層と、を少なくともこの順に有してなり、前記インク受容層は、前記支持体の前記キャストコート層と前記熱可塑性樹脂層とを有する側の面に設けられるインクジェット記録用媒体である。
<2> 前記インク受容層上に、屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有する層をさらに有する<1>に記載のインクジェット記録用媒体である。
<3> 前記インク受容層は、屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有する<1>に記載のインクジェット記録用媒体である。
<4> 前記金属酸化物の体積平均一次粒子径は、100nm以下である<2>又は<3>に記載のインクジェット記録用媒体である。
<5> 前記支持体の前記インク受容層が設けられる側の面の中心面平均粗さ(SRa値)は、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.15μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.45μm以下である<1>乃至<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用媒体である。
本発明によれば、高い光沢感を有するインクジェット記録用媒体を提供することができる。
以下、本発明のインクジェット記録用媒体について詳細に説明する
本発明のインクジェット記録用媒体は、支持体上に少なくともインク受容層を有し、前記インク受容層の設けられた側の最表面は、JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が35%以上であり、且つ、中心面平均粗さ(SRa値)がカットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.40μm以下であり、前記支持体は、基体上に膜厚が10〜50μmのキャストコート層と、熱可塑性樹脂層と、を少なくともこの順に有してなり、前記インク受容層は、前記支持体の前記キャストコート層と前記熱可塑性樹脂層とを有する側の面に設けられるものである。
前記インク受容層の設けられた側の最表面のJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度及び中心面平均粗さ(SRa値)が上記値を満たすため、本発明のインクジェット記録用媒体は高い光沢感を有する。
―60度鏡面光沢度―
本発明において、前記インク受容層の設けられた側の最表面における60度鏡面光沢度が35%未満であると、正反射光が弱すぎるため、明暗のコントラストが感じられず、好ましい光沢感が得られないことがある。
前記最表面における60度鏡面光沢度は、35%以上が必要であるが、40%以上が好ましい。
なお、JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度は、デジタル変角光沢計UGV−6P(スガ試験機(株)製)を用いることにより測定することができる。
―中心面平均粗さ―
前記最表面における中心面平均粗さ(SRa値)が、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μmよりも大きいと、画像のぼけの程度が顕著になり、光沢が感じられなくなることがある。
カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合の前記最表面における中心面平均粗さ(SRa値)は、0.085μm以下が好ましく、0.07μm以下がさらに好ましい。
また、前記最表面における中心面平均粗さ(SRa値)が、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.40μmよりも大きいと、画像の歪みが顕著になり、光沢を感じられなくなることがある。
カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合の前記最表面における中心面平均粗さ(SRa値)は、0.25μm以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。
なお、本発明において中心面平均粗さ(SRa値)とは、一定の平面の粗さを三次元的にスキャンして得られる平均粗さであり、平面の直線的な粗さをスキャンして得られる中心線粗さ(Ra値)とは異なる概念である。前記最表面の凹凸は一様ではなく、様々な波長の波状の凹凸が存在するが、ここでカットオフ0.02〜0.5mmの条件下の測定とは、波長が0.02〜0.5mmの凹凸について測定することをいい、カットオフ1〜3mmの条件下の測定とは、波長が1〜3mmの凹凸について測定することをいう。本発明者らは、インクジェット記録用媒体の見た目の平滑性についての感官能試験による評価と、中心面平均粗さ(SRa値)による表面粗さの評価とが、中心面平均粗さをカットオフ0.02〜0.5mmの条件下及び1〜3mmの条件下の2点で測定した場合に、よく合致することを見出し、カットオフ0.02〜0.5mmで測定した中心面平均粗さ(SRa値)が0.10μmを超え、若しくはカットオフ1〜3mmで測定した中心面平均粗さ(SRa値)が0.40μmを超える場合には、良好な見た目の平滑性が得られないとの知見に到達した。
カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合のSRa値及びカットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合のSRa値の下限は、0μmに近いほどより好ましい。
尚、本発明におけるカットオフ0.02〜0.5mm及びカットオフ1〜3mmの条件下での中心面平均粗さ(SRa値)の値は、後述する実施例に記載の方法で測定した値をいう。
―インク受容層―
本発明に係るインク受容層は、支持体上に、無機微粒子、水溶性樹脂及びホウ素化合物を含有する塗布液(以下「第1の塗布液」ということがある。)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層であることが好ましい。また、前記架橋硬化は、(1)前記塗布液を塗布すると同時、(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、又は(3)前記塗布液を塗布して形成される塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、のいずれかのときに、金属化合物を含むpH8以上の溶液(以下「第2の塗布液」ということがある。)を前記塗布層又は塗膜に付与することにより行うことができる。
まず、インク受容層に含まれる各材料について説明する。本発明に係るインク受容層は、少なくとも、無機微粒子と水溶性樹脂とホウ素化合物と金属化合物とを含有し、必要に応じて、カチオン性樹脂、界面活性剤、媒染剤等を含有する。
(無機微粒子)
前記無機微粒子としては、気相法シリカ、含水シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機微粒子は、カチオン性樹脂により分散して用いることが好ましい。
前記無機微粒子としては気相法シリカが好ましく、該気相法シリカと他の無機微粒子とを併用する場合、全無機微粒子中、気相法シリカの含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
ここで、シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、前記「気相法シリカ」とは当該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を意味する。
上記気相法シリカは、上記含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
上記気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散をおこなえばインク受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという特徴がある。インク受容層が透明であることは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
上記気相法シリカの体積平均一次粒子径としては20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、3〜10nmであることが最も好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、体積平均一次粒子径が20nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができる。
前記体積平均一次粒子径は、シリカ分散液を凍結乾燥し、TEM(透過型電子顕微鏡)にて形状を撮影し、Soft Imaging System社 analySIS(iTEM)を用いることにより測定できる。
(水溶性樹脂)
前記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);アミド基又はアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、並びに、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でもポリビニルアルコールが好ましく、該ポリビニルアルコールと他の水溶性樹脂とを併用する場合、全水溶性樹脂中、ポリビニルアルコールの含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
上記ポリビニルアルコールとしては、ポリビニルアルコール(PVA)に加えて、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。上記ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記PVAは、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成しやすくする。これは上記三次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成しうると考えられる。
インクジェット記録において、上述のようにして得た多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インクニジミのない真円性の良好なドットを形成することができる。
上記ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)の含有量としては、該含有量の過少による、膜強度の低下や、乾燥時のひび割れを防止し、更に、該含有量の過多によって、該空隙が樹脂によってふさがれやすくなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、インク受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%が更に好ましい。
上記ポリビニルアルコールは、ひび割れ防止の観点から数平均重合度が1800以上が好ましく、2000以上が更に好ましい。また、透明性やインク受容層用塗布液の粘度の観点から、鹸化度88%以上のPVAが更に好ましく、鹸化度95%以上のPVAが特に好ましい。
−気相法シリカとポリビニルアルコールとの含有比−
気相法シリカ(他の無機微粒子と併用する場合には全無機微粒子;i)とポリビニルアルコール(他の水溶性樹脂と併用する場合には全水溶性樹脂;p)との含有比〔PB比(i:p)、ポリビニルアルコール1質量部に対する気相法シリカの質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。
具体的には、上記PB比(i:p)としては、該PB比が大きすぎることに起因する、膜強度の低下や、乾燥時のひび割れを防止し、更に、該PB比が小さすぎることによって、該空隙が樹脂によってふさがれやすくなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5:1〜10:1が好ましい。
インクジェットプリンターの搬送系を通過する場合、インクジェット記録用媒体に応力が加わることがあるので、インク受容層には十分な膜強度を有していることが必要である。更にシート状に裁断加工する場合、インク受容層の割れ、剥がれ等を防止する上でもインク受容層には十分な膜強度を有していることが必要である。
この場合、上記PB比としては5:1以下が好ましく、インクジェットプリンターで高速インク吸収性をも確保する観点からは、2:1以上であることが好ましい。
例えば、体積平均一次粒子径が20nm以下の無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比2:1〜5:1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
(ホウ素化合物)
本発明のインクジェット記録用媒体のインク受容層は、ホウ素化合物を含有する。該ホウ素化合物によって前記水溶性樹脂を架橋し塗布層を硬化して、インク受容層を形成する。
前記ホウ素化合物は、第1の塗布液中に、前記水溶性樹脂1に対して質量比で0.05〜0.50含有されていることが好ましく、0.08〜0.30含有されていることがより好ましい。ホウ素化合物が上記範囲含有されていることにより、水溶性樹脂を十分に架橋してひび割れ等を防止することができる。また、ホウ素化合物を第2の塗布液に加えるのに比べ、画像の印画濃度及び光沢感を向上させることができる。
なお、第1の塗布液中のホウ素化合物の濃度としては、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜7質量%であることがより好ましい。
前記ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO32、Co3(BO32、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co225)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO22、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2O、CsB55)等が挙げられる。
中でも、ポリビニルアルコールと速やかに架橋反応を起こす点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、硼酸がより好ましい。
また、グリオキザール、メラミン・ホルムアルデヒド(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン)、メチロール尿素、レゾール樹脂、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂等を併用することもできる。
更に、上記ポリビニルアルコールにゼラチンを併用する場合には、ゼラチンの硬膜剤として知られている下記化合物を併用することができる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等である。
尚、上記架橋剤は、一種単独でも、2種以上を組合わせて併用してもよい。
(金属化合物)
第2の塗布液に添加する金属化合物はpH8以上の塩基性下で安定なものであれば、特に制限なく用いることができ、該金属化合物は、金属塩でも金属錯体化合物でも、また、無機オリゴマー、無機ポリマーでもよい。前記金属化合物としては、後述の無機媒染剤として挙げるものが好ましく用いられる。中でもジルコニウム化合物や亜鉛化合物が好ましく、特に3価以上の金属化合物(例えばジルコニウム化合物)が好ましい。例えば炭酸ジルコニウムアンモニウム、酢酸亜鉛アンモニウム、亜鉛アンモニウムカーボネート、硝酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム等が挙げられる。
(カチオン性樹脂)
前記無機微粒子は、カチオン性樹脂で分散して用いることが好ましい。
上記カチオン性樹脂は、特に限定されないが、水溶性、又は、水性エマルションタイプなどを好適に使用できる。該カチオン性樹脂としては、例えば、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体等のポリカチオン系カチオン樹脂などが挙げられ、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド及びポリアミジンが好ましく、耐水性の点からジメチルジアリルアンモニウムクロライド、及びモノメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。該カチオン性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、カチオン樹脂として、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩とスチレンの共重合体も好ましく用いられる。
上記カチオン樹脂のインク受容層中の添加量としては、無機微粒子100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、更に好ましくは3〜20質量部の範囲で調節される。カチオン性樹脂は、粉砕分散前に少量添加して、所望の粒径になるまで粉砕分散した後、更に添加してもよい。
(界面活性剤)
前記第1の塗布液はノニオン若しくは両性界面活性剤を含有し、更に前記第2の塗布液はノニオン系界面活性剤を含有することが好ましい。
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活性剤は、前記第1の塗布液及び前記第2の塗布液において使用することができる。また、上記ノニオン系界面活性剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記第1の塗布液及び前記第2の塗布液の両液にノニオン系界面活性剤を用いる場合、同一のものでもよいし、異なる種類のものであってもよい。
上記両性界面活性剤としては、アミノ酸型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアンモニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイン型、イミダゾリウムベタイン型等が挙げられ、例えば、米国特許第3,843,368号明細書、特開昭59−49535号公報、同63−236546号公報、特開平5−303205号公報、同8−262742号公報、同10−282619号公報等に記載されているものを好適に使用できる。該両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤が好ましく、該アミノ酸型両性界面活性剤としては、特開平5−303205号公報に記載されているように、例えば、アミノ酸(グリシン、グルタミン酸、ヒスチジン酸等)から誘導体化されたものであり、長鎖のアシル基を導入したN−アミノアシル酸及びその塩が挙げられる。上記両性界面活性剤は1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、更に、上記ノニオン系界面活性剤と併用してもよい。
第1の塗布液におけるノニオン若しくは両性界面活性剤の含有量としては、0.01〜1質量%が好ましく、特に好ましくは0.03〜0.6質量%である。また、第2の塗布液におけるノニオン系界面活性剤の含有量としては、0.001〜0.5質量%が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.3%質量である。
(高沸点有機溶媒)
前記第1の塗布液に上記ノニオン若しくは両性界面活性剤と高沸点有機溶剤とを含有させることで、インクジェット記録用媒体のカールを平坦に保つことができる。
上記高沸点有機溶剤は水溶性のものが好ましく、該水溶性の高沸点有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ポロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(重量平均分子量が400以下)等のアルコール類が挙げられ、好ましくはジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)である。
上記高沸点有機溶剤の塗布液中の含有量としては、0.05〜1質量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜0.6質量%である。
(媒染剤)
本発明においては、形成画像の耐水性、耐経時ニジミの更なる向上を図るために、インク受容層に、媒染剤(有機媒染剤、無機媒染剤)を含有させることが好ましい。
媒染剤をインク受容層中に存在させることにより、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用しインクを安定化し、耐水性や経時ニジミを向上させることができる。
本発明においては、無機媒染剤の一種として水溶性多価金属化合物を用いることができる。本発明に用いられる水溶性多価金属化合物としては、3価以上の金属化合物が好ましい。例えば、更に、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。
具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酪酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、シュウ酸バリウム、ナフトレゾルシンカルボン酸バリウム、酪酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、酪酸銅(II)、シュウ酸銅、フタル酸銅、クエン酸銅、グルコン酸銅、ナフテン銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、スルファミン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸ニッケル、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩基性チオグリコール酸アルミニウム、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、クエン酸鉄(III)、乳酸鉄(III)三水和物、三シュウ酸三アンモニウム鉄(III)三水和物、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの水溶性多価金属化合物は2種以上を併用してもよい。本発明において、水溶性多価金属化合物における水溶性とは、20℃の水に1質量%以上溶解することを意味する。
上記の水溶性多価金属化合物の中でも、アルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
上記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm ・・式1
[Al(OH)3nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりHAP−25の名で、大明化学(株)よりアルファイン83の名でまた他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。
前記周期表4A族元素を含む水溶性化合物としては、チタンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物がより好ましい。チタンを含む水溶性化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。ジルコニウムを含む水溶性化合物としては、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。
本発明においては、有機媒染剤の一種として水分散性カチオン性樹脂を用いることができる。水分散性カチオン性樹脂としては、カチオン変性された自己乳化性高分子であるウレタン樹脂であることが好ましく、且つ、ガラス転移温度が50℃未満であることが好ましい。
この「カチオン変性された自己乳化性高分子」とは、乳化剤もしくは界面活性剤を用いることなく、或いは用いるとしてもごく少量の添加で、水系分散媒体中に自然に安定した乳化分散物となり得る高分子化合物を意味する。定量的には、上記「カチオン変性された自己乳化性高分子」とは、室温25℃で水系分散媒体に対して0.5質量%以上の濃度で安定して乳化分散性を有する高分子物質を表し、該濃度としては1質量%以上であることが好ましく、特に3質量%以上であることがより好ましい。
本発明の上記「カチオン変性された自己乳化性高分子」は、より具体的には、例えば、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基等のカチオン性の基を有する重付加系もしくは重縮合系高分子化合物が挙げられる。
上記高分子として有効なビニル重合系ポリマーは、例えば、以下のビニルモノマーを重合して得られるポリマーが挙げられる。即ち、アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類(エステル基は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2−クロロエチル基、シアノエチル基、2−アセトキシエチル基、テトラヒドロフルフリル基、5−ヒドロキシペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2,2,2−テトラフルオロエチル基、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基等);
ビニルエステル類、具体的には、置換基を有していてもよい脂肪族カルボン酸ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート等)、置換基を有していてもよい芳香族カルボン酸ビニルエステル(例えば、安息香酸ビニル、4−メチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等);
アクリルアミド類、具体的には、アクリルアミド、N−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド(置換基は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、シリル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル等);
メタクリルアミド類、具体的には、メタクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミド、N−ジ置換メタクリルアミド(置換基は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、シリル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル等);
オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等)、スチレン類(例えば、スチレン、メチルスチレン、イソプロピルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン等)、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等);等が挙げられる。
その他のビニルモノマーとして、クロトン酸エステル、イタコン酸エステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、メチレンマロンニトリル、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記カチオン性基を有するモノマーとしては、例えば、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ジアルキルアミノエチルアクリレート等の3級アミノ基を有するモノマー等が挙げられる。
上記カチオン性基含有ポリマーに適用可能なポリウレタンとしては、例えば、以下に挙げるジオール化合物とジイソシアネート化合物とを種々組み合わせて、重付加反応により合成されたポリウレタンが挙げられる。
上記ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチルー1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチルー1,2−ブタンジオール、2−エチル−2−メチルー1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチルー2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量=200,300,400,600,1000,1500,4000)、ポリプロピレングリコール(平均分子量=200,400,1000)、ポリエステルポリオール、4,4’―ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−プロパン、4,4’―ジヒドロキシフェニルスルホン等が挙げられる。
上記ジイソシアネート化合物としては、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート,m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。
カチオン性基含有ポリウレタンが含有するカチオン性基としては、1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩の如きカチオン性基が挙げられる。本発明の水分散物に用いる自己乳化性高分子としては、3級アミン及び4級アンモニウム塩の如きカチオン性基を有するウレタン樹脂が好ましい。
カチオン性基含有ポリウレタンは、例えば、ポリウレタンの合成の際、前記のごときジオールにカチオン性基を導入したものを使用することによって得られる。また4級アンモニウム塩の場合は、三級アミノ基を含有するポリウレタンを四級化剤で四級化してもよい。
上記ポリウレタンの合成に使用可能なジオール化合物、ジイソシアネート化合物は、各々1種を単独で使用していもよいし、種々の目的(例えば、ポリマーのガラス転移温度(Tg)の調整や溶解性の向上、バインダーとの相溶性付与、分散物の安定性改善等)に応じて、各々2種以上を任意の割合で使用することもできる。
有機媒染剤の一種であるポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染剤モノマー)の単独重合体や、該媒染剤モノマーと他の単量体(非媒染剤モノマー)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
前記媒染剤モノマーとしては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。その他、共重合可能なモノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの重合単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
前記非媒染剤モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェット用インク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さい単量体をいう。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。前記非媒染剤モノマーも、一種単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
更に、前記ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カオチン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カオチン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物等も好ましいものとして挙げることができる。
前記ポリマー媒染剤として、具体的には、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号、特開平1−161236号、同10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号の各公報に記載のもの等が挙げられる。
無機媒染剤としては、前記以外の多価の水溶性金属塩や疎水性金属塩化合物が挙げられる。例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
具体例としては、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミナ、アルミナミョウバン、塩基性ポリ水酸化アルミナ、亜硫酸アルミナ、チオ硫酸アルミナ、ポリ塩化アルミナ、硝酸アルミナ九水和物、塩化アルミナ六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリン酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドリン酸n氷和物、硝酸カリウム、酢酸マンガン、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン酢酸ランタン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス等が挙げられる。中でも、アルミナ含有化合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、元素周期律表第IIIB族シリーズの金属化合物(塩又は錯体)が好ましい。
本発明でインク受容層に含まれる上記媒染剤量は、0.01g/m2〜5g/m2が好ましく、0.1g/m2〜3g/m2がより好ましい。
上記媒染剤は、液の安定性を考慮し、第1の塗布液又は第2の塗布液へ添加する。例えば、有機カチオン媒染剤を気相法シリカを含有する第1の塗布液に添加すると、アニオン電荷を有する気相法シリカとの間で凝集を生ずる懸念があるので、第2の塗布液に添加する方がよい。
また、無機媒染剤のうち、酸性で安定なもの(例えばポリ塩化アルミニウム)については、第1の塗布液に添加することが好ましく、アルカリ性で安定なもの(例えば酢酸亜鉛アンモニウム、亜鉛アンモニウムカーボネート、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム、)は第2の塗布液に添加することが望ましい。
媒染剤は、有機でも無機でも2種類以上併用してもよい。また、有機と無機の媒染剤を併用してもよい。
また、塩基性媒染剤(例えば、ポリアリルアミン)は、媒染剤としての役割と同時に、塩基性物質としての役割を果たし、塩基性物質を用いることなく塩基性溶液を調製することが可能となる。
(オゾン褪色防止剤)
また、本発明のインクジェット記録用媒体は、インク受容層にチオウレア、又は、チオシアン酸塩等のオゾン褪色防止剤を含有することで、オゾン褪色を防止することができる。
上記チオシアン酸塩としては、例えば、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸マグネシウム、チオシアン酸アルミニウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸銀、チオシアン酸クロロメチル、チオシアン酸コバルト、チオシアン酸銅、チオシアン酸鉛、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸ベンジル等が挙げられる。上記チオウレア及びチオシアン酸塩は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において上記チオウレア、又は、チオオシアン酸塩は第1の塗布液及び第2の塗布液のいずれに添加してもよいが、液安定性の点から第2の塗布液に添加してインク受容層に付与するのが好ましい。上記チオウレア、又は、チオシアン酸塩のインク受容層中の含有量としては、1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは2〜10質量%である。該含有量が1質量%以上であることにより、オゾン褪色防止効果をより十分に発揮することができ、20質量%未満であることにより、ひび割れの発生をより十分に抑制することができる。
(他の成分)
インク受容層は、必要に応じて下記成分を含んでいてもよい。
インクの劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
上記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位又は6位のうち1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同3,707,375号明細書、同3,754,919号明細書、同4,220,711号明細書等に記載されている。
蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用でき、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具体的には、特公昭45−4699号公報、同54−5324号公報等に記載されている。
上記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同309402号公報、同310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同62−262047号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同66−88381号公報、同63−113536号公報、
同63−163351号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、特開平2−262654号公報、同2−71262号公報、同3−121449号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−61166号公報、同5−119449号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−1108437号公報、同5−170361号公報、特公昭48−43295号公報、同48−33212号公報、米国特許第4814262号、同第4980275号公報等に記載のものが挙げられる。
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
上記褪色性防止剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。この上記褪色性防止剤は、水溶性化、分散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に含ませることもできる。
上記褪色性防止剤の添加量としては、第1の塗布液の0.01〜10質量%が好ましい。
また、インク受容層は、無機微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
本発明に係るインク受容層は、さらに屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有してもよい。本発明に係るインク受容層が前記金属酸化物を含有することにより、光沢度が向上し、良好な光沢感を得ることができる。
なお、本発明において金属酸化物の屈折率とは、JIS K 0062に準拠した方法で測定された値をいう。
金属酸化物の屈折率は1.85以上が好ましく、1.9〜3がさらに好ましい。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ニッケル、1価の酸化銅、2価の酸化銅、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化カドミウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化水銀、酸化塩、酸化ビスマス、酸化ナトリウム、酸化プルトニウムなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、安全面を考慮すると酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムが好ましく、さらに好ましくは酸化ジルコニウム、酸化亜鉛である。
前記金属酸化物は、一種単独で用いても二種以上を併用して用いてもよい。
前記金属酸化物の体積平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、特に20nm以下であることが好ましい。前記金属酸化物の体積平均一次粒子径が100nm以下であると、高い色濃度と良好な発色性が得られる。
前記金属酸化物のインク受容層における含有量は、インク受容層の全固形分質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましく、特に0.8〜3質量%が好ましい。前記金属酸化物の含有量が0.1〜10質量%であると、透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性及び高い光沢度が得られる。
前記金属酸化物の総量(A)と、前記無機微粒子の総量(B)との比は、A:B=1:10〜1:100が好ましく、1:20〜1:80がさらに好ましく、1:30〜1:70が特に好ましい。前記金属酸化物の総量(A)と、前記無機微粒子の総量(B)との比を1:10〜1:100とすることにより、インクの吸収性、保持の効率が高く、高い色濃度と良好な発色性及び高い光沢度が得られる。
インク受容層が本発明のインクジェット記録用媒体の最表面となる場合、下記方法により該最表面のJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度を35%以上とすることができる。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の気相法シリカを使用する、屈折率1.8以上の金属酸化物を併用する、コート層、熱可塑性樹脂層を設ける、コート層に鏡面処理(キャスト)を施す、層の厚みを増大させる、等の方法が挙げられる。
−インク受容層の形成方法−
本発明のインクジェット記録用媒体を構成するインク受容層は、例えば、支持体の表面に少なくとも気相法シリカ、水溶性樹脂等を含有するインク受容層形成用の塗布液(第1の塗布液)を塗布し、(1)該塗布により塗布層を形成すると同時、又は(2)該塗布により形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのタイミングで、pH8以上の塩基性溶液(第2の塗布液)を塗設された塗布層に付与した後、該塗布層を架橋硬化させる方法(Wet−on−Wet法〈WOW法〉)により好適に形成することができる。ここで、前記水溶性樹脂を架橋する架橋剤は、上記の第1の塗布液および第2の塗布液の少なくとも一方に含有される。以上のように架橋硬化させたインク受容層を設けることで、インク吸収性や膜のひび割れ防止などを向上させることできる。
上記のWOW法による場合に第2の塗布液に媒染剤を加えておくと、媒染剤がインク受容層の表面近くに多く存在するので、インクジェット記録用インク、特に染料が十分に媒染され、高濃度画像を形成し得ると共に、印字後の文字や画像の耐水性が向上するので好ましい。媒染剤の一部は上記の第1の塗布液に含有させてもよく、その場合は第1の塗布液と第2の塗布液とに用いる媒染剤は同一でも異なっていてもよい。また、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みの発生しない真円性の良好なドットを形成することができる。
例えば、気相法シリカと水溶性樹脂(例えばPVA)と架橋剤(例えばホウ素化合物)とを少なくとも含有するインク受容層形成用の塗布液の調製は、気相法シリカとPVA水溶液(例えば、上記気相法シリカの15%程度の質量のPVAとなるように)とホウ素化合物とを加えて高速回転ホモミキサー(例えば、特殊機化(株)製、商品名「T,Kホモミキサー」)により、例えば2000rpm(好ましくは1000〜5000rpm)の高速回転の条件で、例えば20分間(好ましくは10〜30分間)かけて分散を行なうことにより調製することができる。得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを後述の塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、多孔質性のインク受容層を形成することができる。
インク受容層形成用の塗布液は、分散機を用いて細粒化することで平均粒子径10〜120nmの水分散液とすることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的に行なうという点から、媒体撹拌型分散機、コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい
また、各液の調製に用いる溶媒には、水、有機溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
本発明において、塗布液の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができる。
前記pH8以上の塩基性溶液(第2の塗布液)は、インク受容層用塗布液(第1の塗布液)の塗布後に付与することができるが、該付与は塗布層が減率乾燥を示すようになる前に行なうことができる。すなわち、第1の塗布液の塗布後、この塗布層が恒率乾燥速度を示す間に第2の塗布液を導入することで好適に製造される。
前記pH8以上の塩基性溶液(第2の塗布液)は、必要に応じて架橋剤、媒染剤を含有することができる。上記塩基性溶液のpHは8以上であり、好ましくは8.5以上、さらに好ましくは9.0以上である。前記pHが8未満であると、架橋剤によって第1の塗布液に含まれる水溶性高分子の架橋反応が十分に行なわれず、インク受容層にひび割れ等の欠陥が発生してしまう。前記塩基性溶液には、少なくとも塩基性物質(例えば、アンモニア、第一アミン類(エチルアミン、ポリアリルアミン等)、第二アミン類(ジメチルアミン、トリエチルアミン等)、第三アミン類(N−エチル−N−メチルブチルアミン等)、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物)および/または該塩基性物質の塩が含まれる。
第2の塗布液は、例えば、イオン交換水に、媒染剤(塩基性化合物)である炭酸アンモニウム(例えば、1〜10%)と炭酸ジルコニウムアンモニウム(例えば、0.5〜7%)とを添加し、十分に攪拌することで調製することができる。なお、各組成物の「%」はいずれも固型分質量%を意味する。
ここで、前記「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、インク受容層用塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥」の現象を示す。この「恒率乾燥」を示す時間については、例えば、化学工学便覧(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
上述の通り、インク受容層用塗布液の塗布後、該塗布層が減率乾燥を示すようになるまで乾燥されるが、この乾燥は一般に40〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行なわれる。この乾燥時間は、当然塗布量により異なるが、通常は上記範囲が適当である。
前記塗布層が減率乾燥を示すようになる前に付与する方法としては、(1)第2の塗布液を塗布層上に更に塗布する方法、(2)スプレー等の方法により噴霧する方法、(3)第2の塗布液中に該塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
前記方法(1)において、第2の塗布液を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既に形成されている塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
該塩基性溶液(第2の塗布液)の付与後は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥および硬化が行なわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。
また、塩基性溶液(第2の塗布液)を、インク受容層用塗布液(第1の塗布液)を塗布すると同時に付与することもでき、かかる場合には第1の塗布液および第2の塗布液を、該第1の塗布液が支持体と接触するようにして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることによりインク受容層を形成することができる。
前記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーターを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を15〜150℃で0.5〜10分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、40〜100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれる。
前記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコーターにより行なった場合、同時に吐出される二種の塗布液は、エクストルージョンダイコーターの吐出口附近で、すなわち支持体上に移る前に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前に重層された二層の塗布液は、支持体に移る際、既に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出される二液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。したがって、上記のように同時塗布する際は、第1の塗布液および第2の塗布液の塗布と共に、バリアー層液(中間層液)を上記二液間に介在させて同時三重層塗布することが好ましい。
前記バリアー層液は、特に制限なく選択できる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や水等を挙げることができる。前記水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セルロース系樹脂(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。なお、バリアー層液には媒染剤を含有させることもできる。
本発明のインクジェット記録用媒体の構成層(例えばインク受容層)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止等のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。なお、ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物をインク受容層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止することができる。
支持体上にインク受容層を形成した後、該インク受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。しかしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定しておこなう必要がある。
カレンダー処理をおこなう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。
また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
上記インク受容層の層厚としては、インクジェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の膜が必要となる。
この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、インク受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
また、インク受容層の細孔径は、メジアン径で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜0.025μmがより好ましい。
上記空隙率及び細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。
また、インク受容層は、透明性に優れていることが好ましいが、その目安としては、インク受容層を透明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定することができる。
―金属酸化物層―
本発明のインクジェット記録用媒体は、前記インク受容層上に、屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有する層(以下、金属酸化物層と称することがある。)をさらに有してもよい。屈折率が1.8以上の金属酸化物の具体例としては、上述した金属酸化物が挙げられる。本発明のインクジェット記録用媒体に前記金属酸化物層を設ける場合、前記インク受容層中には、前記金属酸化物を添加してもよいし添加しなくてもよい。
前記インク受容層上に前記金属酸化物層を設けることにより、高い色濃度と良好な発色性が得られる。
前記金属酸化物層は、少なくとも金属酸化物と、水溶性樹脂と、ホウ素化合物とを含有し、必要に応じてその他の成分を含有させることもできる。前記その他の成分としては、金属化合物、カチオン性樹脂、界面活性剤、媒染剤等が挙げられる。前記金属酸化物層に含有される各種材料の具体例等は、前記インク受容層の場合と同様である。
前記金属酸化物層は、前記インク受容層上に、金属酸化物、水溶性樹脂及びホウ素化合物を含有する塗布液(以下「第3の塗布液」ということがある。)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層であることが好ましい。また、前記架橋硬化は、(1)前記塗布液を塗布すると同時、(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、又は(3)前記塗布液を塗布して形成される塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、のいずれかのときに、金属化合物を含むpH8以上の溶液(以下「第4の塗布液」ということがある。)を前記塗布層又は塗膜に付与することにより行うことができる。
前記第3の塗布液及び前記第4の塗布液の調整方法並びに塗布方法等は、上述したインク受容層の場合と同様の方法を用いることができる。
また、前記インク受容層に係る前記第1の塗布液と前記金属酸化物層に係る前記第3の塗布液とを重層塗布し、(1)前記塗布液を重層塗布すると同時、(2)前記塗布液を重層塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、又は(3)前記塗布液を重層塗布して形成される塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、のいずれかのときに、前記第2の塗布液(前記第4の塗布液を兼ねる。)を前記塗布層又は塗膜に付与することにより行ってもよい。
前記金属酸化物層の層厚としては、0.01〜5μmが好ましく、0.03〜3μmがさらに好ましく、特に0.05〜1μmが好ましい。
前記金属酸化物層が本発明のインクジェット記録用媒体の最表面となる場合、下記方法により該最表面のJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度を35%以上とすることができる。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の気相法シリカを使用する、層の厚みを増大させる、等の方法が挙げられる。
−支持体−
前記支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。また、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスクを支持体として用いレーベル面側にインク受容層を付与することもできる。
インク受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
前記支持体の前記インク受容層が設けられる側の面の中心面平均粗さ(SRa値)は、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.15μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.45μm以下であることが好ましい。これにより、本発明のインクジェット記録用媒体における前記インク受容層の設けられた側の最表面の中心面平均粗さ(SRa値)を、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μm以下とし、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.40μm以下とすることができる。
前記支持体の前記インク受容層が設けられる側の面の中心面平均粗さ(SRa値)を上記範囲とする方法としては、(1)原紙にキャレンダー処理を施す、(2)支持体にキャレンダー処理を施す、(3)コート層、熱可塑性樹脂層を設ける、(4)コート層に鏡面処理(キャスト)を施す、(5)層の厚みを増大させる、等の方法が挙げられる。
前記支持体は、基体上に顔料微粒子と水溶性樹脂又は水分散性樹脂とを含有する塗工層と、熱可塑性樹脂層と、を少なくともこの順に有してなり、前記インク受容層は、前記支持体の前記塗工層と前記熱可塑性樹脂層とを有する側の面に設けられることが好ましい。これにより、塗工層によって平滑性を付与することができ、さらに熱可塑性樹脂層が上層にあることでさらに平滑性を向上させることができ、耐水性も付与できる。
前記基体としては、通常の天然パルプを主成分とする天然パルプ紙、天然パルプと合成繊維とから成る混抄紙、合成繊維を主成分とする合成繊維紙、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの合成樹脂フィルムを擬紙化した、いわゆる合成紙のいずれでもよいが、天然パルプ紙(以下、単に「原紙」という)が特に好ましい。原紙は、中性紙(pH5〜9)でも酸性紙でもよいが、中性紙が好ましい。
上記原紙は、針葉樹、広葉樹から選ばれる天然パルプを主原料に、必要に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、でんぷん、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものを用いることができる。また、界面活性剤を添加してもよい。更に、上記天然パルプに代えて合成パルプを使用した合成紙を使用してもよく、天然パルプと合成パルプとを任意の比率に混合したものを使用してもよい。中でも、短繊維で平滑性が高くなる広葉樹パルプを用いるのが好ましい。使用するパルプ材の水度は、200〜500ml(C.S.F)の範囲であることが好ましく、300〜400mlの範囲であることが更に好ましい。
基体は、サイズ剤、柔軟化剤、紙力剤、定着剤等の他の成分を含有していてもよい。上記サイズ剤としては、ロジン、パラフィンワックス、高級脂肪酸塩、アルケニルコハク酸塩、脂肪酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合物、アルキルケテンダイマー、エポキシ化脂肪酸アミド等が挙げられ、上記柔軟化剤としては、無水マレイン酸共重合物とポリアルキレンポリアミンとの反応物、高級脂肪酸の4級アンモニウム塩等が挙げられ、上記紙力剤としては、ポリアクリルアミド、スターチ、ポリビニルアルコール、メラミンホルムアルデヒド縮合物、ゼラチン等が挙げられ、また、上記定着剤としては、硫酸バンド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等が挙げられる。その他、染料、蛍光染料、帯電防止剤を必要に応じて添加することができる。上記基体には、形成前に予め、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理を施すことが好ましい。
基体の厚みとしては、20〜300μmとすることが好ましく、40〜250μmとすることがより好ましい。
前記塗工層に用いられる顔料微粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、リトポン、アルミナ白、酸化亜鉛、シリカ酸化アンチモン、燐酸チタン、等が挙げられる。これらは一種単独で、或いは二種以上を混合して用いることができる。これらのうち、コストおよび白色度の点で、特に炭酸カルシウムが好ましい。
顔料微粒子のサイズとしては、0.1〜10μmが好ましい。上記白色顔料の粒子サイズが0.1〜5μmの範囲にあると、良好な平滑性を容易に得ることができ、好ましい。
上記酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型のいずれでもよく、これらを単独若しくは混合して使用することができる。また、上記酸化チタンは、硫酸法で製造されたものや塩素法で製造されたもののいずれでもよい。上記酸化チタンとしては、含水アルミナ処理、含水二酸化ケイ素処理、または酸化亜鉛処理等の無機物質による表面被覆処理したもの、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,4−ジヒドロキシ−2−メチルペンタン等の有機物質による表面被覆処理したもの、或いはポリジメチルシロキサン等のシロキサン処理したもの等から適宜選択できる。
顔料微粒子の屈折率としては、1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。屈折率が該範囲にある白色顔料を含むと高画質画像を形成することができる。
前記塗工層に用いられる水溶性樹脂の具体例としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、でんぷん、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
上記の中でも、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂が好ましい。
前記ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号、特開昭58−181687号、特開平10−259213号、特開2001−72711号、特開2002−308928号、特開2001−205919号、特開2002−264489号等に記載されたもの等が挙げられる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性樹脂の例としては、特開平11−165461号公報の段落〔0011〕〜〔0012〕に記載の化含物、特開2001−205919号、特開2002−264489号に記載の化合物等も挙げられる。
水分散性樹脂としては、アクリル系ラテックス、ポリエステル系ラテックス、NBR樹脂、ポリウレタン系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、SBR樹脂、ポリアミド系ラテックス等が挙げられる。中でも、得られる画像の白色度、耐光性及び透明性の良化に有用である観点から特に、アクリル系ラテックスが好ましい。
前記アクリル系ラテックスとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メチルメタクリレート及びこれらの誘導体の重合反応により得られるエマルジョンが挙げられる。
上記の水溶性樹脂及び水分散性樹脂は、各々一種単独で用いるほか二種以上を併用してもよく、水溶性樹脂と水分散性樹脂とを併用してもよい。
前記水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂の、塗工層中における総量としては、1〜50g/m2が好ましく、5〜40g/m2がより好ましい。
本構成において、上記塗工層の層厚は、1〜55μmとすることが好ましく、5〜45μmとすることがより好ましく、上記熱可塑性樹脂層の層厚は1〜60μmとすることが好ましく、5〜50μmとすることがより好ましい。
上記塗工層中における上記顔料微粒子の含有量としては、顔料微粒子の種類や熱可塑性樹脂の種類、層厚等によって異なるが、後述する水溶性樹脂又は水分散性樹脂の質量に対して、例えば、通常5〜20質量%が好ましく、10〜20質量%が更に好ましい。なお、上記塗工層には酸化防止剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
塗工層を形成するために使用する塗布装置としては、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、含浸コーター、キャストコーター、エアーナイフコーターなどが用いられる。塗工層を形成した後、仕上げ工程として、塗工層表面をキャレンダー掛けすることにより、平滑化を行ってもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限は無く、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体またはこれらの混合物)など、公知の熱可塑性樹脂を微粒子化したものやそのラテックスから適宜選択して用いることができる。なかでも、上記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、中でも特に、ポリエチレンが好ましい。前記熱可塑性樹脂層の形成方法としては、溶融押出し、ウェットラミネーション、ドライラミネーションがあるが、溶融押出しが最も好ましい。前記溶融押出しにより熱可塑性樹脂層を形成するときは、熱可塑性樹脂層を塗工層上に溶融押出しする前に、塗工層と熱可塑性樹脂層との接着を強固にするために塗工層に前処理を施しておくことが好ましい。
前記前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネート等のアンカーコート処理等があり、自由に選択できる。特に簡便さの点からは、コロナ処理が好ましい。コロナ処理の場合、水との接触角が70°以下になるように処理する必要がある。
また、前記支持体は、基体上にキャストコート層と、熱可塑性樹脂層と、を少なくともこの順に有してなり、前記インク受容層は、前記支持体の前記キャストコート層と前記熱可塑性樹脂層とを有する側の面に設けられることも好ましい。これにより、キャストコート層で平滑性を向上させることができ、熱可塑性樹脂層でさらなる平滑性の向上および耐水性の付与が可能となる。
キャストコート層に用いる顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、サチンホワイト、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、シリカ、活性白土、珪藻土、レーキ等が挙げられる。接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系、等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルアクリレート系共重合体等の合成系接着剤が用いられる。また必要に応じて、酸化でんぷん、エステル化でんぷん、酵素変性でんぷんやそれらをフレッシュドライして得られる冷水可溶性でんぷん、カゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤等の一般に知られた接着剤が併用される。これらの接着剤は顔料100質量部あたり5〜50質量部、より好ましくは10〜30質量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、着色剤等、通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
本構成において、上記キャストコート層の層厚は、10〜50μmとすることが好ましく、15〜35μmとすることがより好ましく、上記熱可塑性樹脂層の層厚は1〜60μmとすることが好ましく、5〜50μmとすることがより好ましい。
また、前記支持体は、基体の前記インク受容層の設けられる側の面に少なくとも一層の層構成を有してなり、前記層構成のうちの最表層が厚み30〜60μmの熱可塑性樹脂層であるものも好ましい。
前記熱可塑性樹脂層の厚みが30〜60μmであると、カットオフ0.02〜0.5mmにおける中心面平均粗さSRaを小さくできるという点において好ましい。前記熱可塑性樹脂層の厚みは、35〜55μmがさらに好ましく、40〜50μmが特に好ましい。
なお、前記基体並びに前記熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂及びその形成方法については、上述の材料及び方法を用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を表し、「平均分子量」及び「重合度」は、「重量平均分子量」及び「重量平均重合度」を表す。
[実施例1]
−支持体の作製−
1)基紙の作製
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原紙を抄造した。
上記原紙の表面サイズを調整するため、ポリビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学工業(株)製の「Whitex BB」)を0.04%添加し、これを絶乾質量換算で0.5g/m2となるように上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダー処理を施して密度1.05g/ccに調整された基紙を得た。
2)下塗り層の形成
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行った後、下記組成のコート層塗布液を乾燥後塗工量で10.0g/m2となるようにワイヤーバーコーターで塗布、乾燥を行いコート層を設けた。上記コート層を設けたコート紙に、スーパーカレンダー処理(温度80℃、線圧200kg/cm、処理回数2回)を施した。
次に、コート層を設けなかった面に、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなる様にコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、該樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)を1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となる様に塗布した。
また、前記コート紙のコート層を設けた側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)が3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなる様に押し出し、高光沢を有する熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この光沢面を「オモテ面」と称する。)、本発明の支持体を作製した。
<コート層塗布液の組成>
・クレー 60.0部
(商品名:UW−90、エンゲルハード製)
・炭酸カルシウム 40.0部
(商品名:ブリリアント15、白石工業(株)製)
・ポリアクリル酸ソーダ 0.4部
をディゾルバーで10分間分散した。これをA液とする。
・A液 71.0部
・硼砂(10%水溶液) 14.0部
・SBRラテックス 12.0部
(商品名:SN−307、住化エイビーエス・ラテックス(株)製、48%水溶液)
・イオン交換水 3.0部
をホモジナイザーで10分間処理してコート層塗布液を得た。
−インクジェット記録用媒体の作製−
第一塗布液の作成法
下記組成中の(1)気相法シリカ微粒子と(2)イオン交換水と(3)「シャロールDC−902P」と(4)「ZA−30」とを混合し、高圧分散方式(例えば、アルティマイザー((株)スギノマシン)製)を用いて分散させた後、分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後これに下記(5)ホウ酸と(6)ポリビニルアルコール溶解液と(7)「スーパーフレックス650」と(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテルと(9)エタノールとを30℃で加え、第一塗布液を調製した。
シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比=(1):(6))は、4.5:1であり、インク受容層用塗布液AのpHは、3.9で酸性を示した。
<第一塗布液の組成>
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部
(AEROSIL300SF75 日本アエロジル(株)製)
(2)イオン交換水 64.8部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液) 0.87部
(分散剤、第一工業製薬(株)製)
(4)「ZA−30」(酢酸ジルコニル) 0.54部
(第一稀元素化学工業(株)製)
(5)ホウ酸(架橋剤) 0.37部
(6)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液 29.4部
(7)「スーパーフレックス650」 1.24部
(第一工業製薬(株)製)
(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 0.49部
(「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6、花王(株)製)
(9)エタノール 2.49部
第一塗布液におけるポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液の組成は、以下の通りである。
(株)クラレ製の「PVA235」、鹸化度88%、重合度3500
2.03部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 0.03部
「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6、花王(株)製
下記化合物1 0.06部
Figure 0004343855
ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株)製) 0.68部
イオン交換水 26.6部
第二塗布液の作成法
下記組成中の(1)酸化チタン微粒子と(2)イオン交換水と(3)ポリビニルアルコール溶解液とを混合し、超音波分散機(例えば、(株)エスエムテー製UH600S)を用いて、分散させ、第二塗布液を調製した。
(1)酸化チタン微粒子 10.0部
(商品名:STR100C、堺化学工業(株)製、体積平均一次粒子径10nm)
(2)イオン交換水 45.9部
(3)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液 7.2部
第二塗布液におけるポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液の組成は以下の通りである。
(株)クラレ製の「PVA235」、鹸化度88%、重合度3500
0.5部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 0.01部
「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6、花王(株)製
下記化合物1 0.01部
Figure 0004343855
ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株)製) 0.17部
イオン交換水 6.5部
記録媒体の作製法
前記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、173cc/m2になるよう流した第一塗布液に5倍希釈ポリ塩化アルミ水溶液(ポリ塩化アルミは、アルファイン83(大明化学工業株式会社製))10.8cc/m2の速度でインライン塗布し、第二塗布液を2cc/m2になるように重層塗布した(塗布工程)。熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この間は恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の第三塗布液に3秒間浸漬して上記塗布層上にその13g/m2を付着させ(媒染剤溶液を付与する工程)、更に80℃下で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これにより乾燥膜厚が32μmのインク受容層が設けられた本発明のインクジェット記録用媒体を作製した。
<第三塗布液の組成>
(1)ホウ酸 0.65部
(2)炭酸ジルコニウムアンモニウム 2.5部
(ジルコゾールAC−7;第一稀元素化学工業(株)製)
(3)炭酸アンモニウム 3.5部
(1級:関東化学(株)製)
(4)イオン交換水 63.3部
(5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 30.0部
(花王(株)製「エマルゲン109P」(2%水溶液)、HLB値13.6)
[実施例2]
−インクジェット記録用媒体の作製−
実施例1において酸化チタン微粒子の代わりに酸化亜鉛微粒子(商品名:FINEX−75、堺化学工業(株)製、体積平均一次粒子径10nm)を使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
参考例3]
−支持体の作製−
日本製紙製キャストコート紙(商品名:エスプリコートC)のキャスト面にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)が3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなる様に押し出し、高光沢を有する熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この光沢面を「オモテ面」と称する。)、本発明の支持体を作製した。
−インクジェット記録用媒体の作製−
実施例1と同様の方法でインクジェット記録用媒体を作製した。
[実施例4]
実施例1において第二塗布液を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
参考例5]
−支持体の作製−
実施例1において作製した基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ38μmとなる様にコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、該樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)を1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となる様に塗布した。
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(耐ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)が3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み40μmとなる様に押し出し、高光沢を有する熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し、本発明の支持体を作製した。
−インクジェット記録用媒体の作製−
実施例1において第二塗布液を塗布しないこと以外は実施例1と同様の方法でインクジェット記録用媒体を作製した。
[実施例6]
実施例3において第二塗布液を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
[比較例1]
実施例1において下塗り層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
[比較例2]
比較例1において第二塗布液を塗布しなかったこと以外は比較例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
<評価項目>
−中心面平均粗さ(SRa値)−
3次元表面孝蔵解析顕微鏡Zygo NewView 5000(ZYGO(株)製)を用いて、下記測定および解析条件に基づき、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下での中心面平均粗さ(SRa値)を測定した。
<測定および解析条件>
測定面積:1cm2
対物レンズ:2.5倍
バンドパスフィルター:0.02〜0.5mm
また、表面形状測定装置ナノメトロ110F(黒田精工(株)製)を用いて、下記測定及び解析条件に基づき、カットオフ1mm〜3mmの条件下での中心面平均粗さ(SRa値)を測定した。
<測定および解析条件>
・ 走査方向:サンプルのCD(Cross Direction)方向
・ 測定長さ:X方向50mm、Y方向30mm
・ 測定ピッチ:X方向0.1mm、Y方向1.0mm
・ 走査速度:20mm/sec
・ バンドパスフィルター:1mm〜3mm
−光沢度−
JIS Z 8741に規定される60度鏡面光沢度試験方法に基づき、光沢度測定器UGV−6P(スガ試験機(株)製)を用いて、下記測定条件および解析条件に基づき、60度鏡面光沢度を測定した。
<測定および解析条件>
・ 測定方法:反射
・ 測定角度:入射角度60度、受光角度60度
−写像性−
JIS−H8686−2に規定される写像性試験方法に基づき、写像性測定器ICM−1(スガ試験機(株)製)を用いて、下記測定条件及び解析条件にて写像性を測定した。測定サンプルは、インクジェットプリンタ(PM−G800、セイコーエプソン(株)製)を用いて各インクジェット記録用媒体上に黒のベタ画像を印字して使用した。
測定方法:反射
測定角度:60°
光学くし:2.0mm
−光沢感−
インクジェット記録用媒体の光沢感を下記基準に従って目視により評価した。
○・・・銀塩写真に勝る光沢感
△・・・銀塩写真と同等の光沢感
×・・・銀塩写真に劣る光沢感
Figure 0004343855
表1から明らかなように、本発明のインクジェット記録用媒体は、高い光沢感を有する。

Claims (5)

  1. 支持体上に少なくともインク受容層を有するインクジェット記録用媒体であって、
    前記インク受容層の設けられた側の最表面は、JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が35%以上であり、且つ、中心面平均粗さ(SRa値)がカットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.40μm以下であり、
    前記支持体は、基体上に膜厚が10〜50μmのキャストコート層と、熱可塑性樹脂層と、を少なくともこの順に有してなり、
    前記インク受容層は、前記支持体の前記キャストコート層と前記熱可塑性樹脂層とを有する側の面に設けられるインクジェット記録用媒体。
  2. 前記インク受容層上に、屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有する層をさらに有する請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
  3. 前記インク受容層は、屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有する請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
  4. 前記金属酸化物の体積平均一次粒子径は、100nm以下である請求項2又は3に記載のインクジェット記録用媒体。
  5. 前記支持体の前記インク受容層が設けられる側の面の中心面平均粗さ(SRa値)は、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.15μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.45μm以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
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