JP4343855B2 - インクジェット記録用媒体 - Google Patents
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Description
上記記録方法の中で、インクジェット記録方法は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であること、コンパクトであること、静粛性に優れること等の点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられてきている。
上記インクジェット記録用媒体に要求される特性としては、一般的に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐光性、耐ガス性、耐水性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像がにじまないこと)、(10)変形しにくく、寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォト光沢紙の用途としては、上記特性に加えて、光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
<1> 支持体上に少なくともインク受容層を有するインクジェット記録用媒体であって、前記インク受容層の設けられた側の最表面は、JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が35%以上であり、且つ、中心面平均粗さ(SRa値)がカットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.40μm以下であり、前記支持体は、基体上に膜厚が10〜50μmのキャストコート層と、熱可塑性樹脂層と、を少なくともこの順に有してなり、前記インク受容層は、前記支持体の前記キャストコート層と前記熱可塑性樹脂層とを有する側の面に設けられるインクジェット記録用媒体である。
本発明のインクジェット記録用媒体は、支持体上に少なくともインク受容層を有し、前記インク受容層の設けられた側の最表面は、JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が35%以上であり、且つ、中心面平均粗さ(SRa値)がカットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.40μm以下であり、前記支持体は、基体上に膜厚が10〜50μmのキャストコート層と、熱可塑性樹脂層と、を少なくともこの順に有してなり、前記インク受容層は、前記支持体の前記キャストコート層と前記熱可塑性樹脂層とを有する側の面に設けられるものである。
前記インク受容層の設けられた側の最表面のJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度及び中心面平均粗さ(SRa値)が上記値を満たすため、本発明のインクジェット記録用媒体は高い光沢感を有する。
本発明において、前記インク受容層の設けられた側の最表面における60度鏡面光沢度が35%未満であると、正反射光が弱すぎるため、明暗のコントラストが感じられず、好ましい光沢感が得られないことがある。
前記最表面における60度鏡面光沢度は、35%以上が必要であるが、40%以上が好ましい。
前記最表面における中心面平均粗さ(SRa値)が、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μmよりも大きいと、画像のぼけの程度が顕著になり、光沢が感じられなくなることがある。
カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合の前記最表面における中心面平均粗さ(SRa値)は、0.085μm以下が好ましく、0.07μm以下がさらに好ましい。
カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合の前記最表面における中心面平均粗さ(SRa値)は、0.25μm以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。
カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合のSRa値及びカットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合のSRa値の下限は、0μmに近いほどより好ましい。
本発明に係るインク受容層は、支持体上に、無機微粒子、水溶性樹脂及びホウ素化合物を含有する塗布液(以下「第1の塗布液」ということがある。)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層であることが好ましい。また、前記架橋硬化は、(1)前記塗布液を塗布すると同時、(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、又は(3)前記塗布液を塗布して形成される塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、のいずれかのときに、金属化合物を含むpH8以上の溶液(以下「第2の塗布液」ということがある。)を前記塗布層又は塗膜に付与することにより行うことができる。
前記無機微粒子としては、気相法シリカ、含水シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機微粒子は、カチオン性樹脂により分散して用いることが好ましい。
前記無機微粒子としては気相法シリカが好ましく、該気相法シリカと他の無機微粒子とを併用する場合、全無機微粒子中、気相法シリカの含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
前記体積平均一次粒子径は、シリカ分散液を凍結乾燥し、TEM(透過型電子顕微鏡)にて形状を撮影し、Soft Imaging System社 analySIS(iTEM)を用いることにより測定できる。
前記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);アミド基又はアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、並びに、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
インクジェット記録において、上述のようにして得た多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インクニジミのない真円性の良好なドットを形成することができる。
気相法シリカ(他の無機微粒子と併用する場合には全無機微粒子;i)とポリビニルアルコール(他の水溶性樹脂と併用する場合には全水溶性樹脂;p)との含有比〔PB比(i:p)、ポリビニルアルコール1質量部に対する気相法シリカの質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。
具体的には、上記PB比(i:p)としては、該PB比が大きすぎることに起因する、膜強度の低下や、乾燥時のひび割れを防止し、更に、該PB比が小さすぎることによって、該空隙が樹脂によってふさがれやすくなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5:1〜10:1が好ましい。
この場合、上記PB比としては5:1以下が好ましく、インクジェットプリンターで高速インク吸収性をも確保する観点からは、2:1以上であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用媒体のインク受容層は、ホウ素化合物を含有する。該ホウ素化合物によって前記水溶性樹脂を架橋し塗布層を硬化して、インク受容層を形成する。
前記ホウ素化合物は、第1の塗布液中に、前記水溶性樹脂1に対して質量比で0.05〜0.50含有されていることが好ましく、0.08〜0.30含有されていることがより好ましい。ホウ素化合物が上記範囲含有されていることにより、水溶性樹脂を十分に架橋してひび割れ等を防止することができる。また、ホウ素化合物を第2の塗布液に加えるのに比べ、画像の印画濃度及び光沢感を向上させることができる。
なお、第1の塗布液中のホウ素化合物の濃度としては、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜7質量%であることがより好ましい。
中でも、ポリビニルアルコールと速やかに架橋反応を起こす点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、硼酸がより好ましい。
また、グリオキザール、メラミン・ホルムアルデヒド(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン)、メチロール尿素、レゾール樹脂、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂等を併用することもできる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;
尚、上記架橋剤は、一種単独でも、2種以上を組合わせて併用してもよい。
第2の塗布液に添加する金属化合物はpH8以上の塩基性下で安定なものであれば、特に制限なく用いることができ、該金属化合物は、金属塩でも金属錯体化合物でも、また、無機オリゴマー、無機ポリマーでもよい。前記金属化合物としては、後述の無機媒染剤として挙げるものが好ましく用いられる。中でもジルコニウム化合物や亜鉛化合物が好ましく、特に3価以上の金属化合物(例えばジルコニウム化合物)が好ましい。例えば炭酸ジルコニウムアンモニウム、酢酸亜鉛アンモニウム、亜鉛アンモニウムカーボネート、硝酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム等が挙げられる。
前記無機微粒子は、カチオン性樹脂で分散して用いることが好ましい。
上記カチオン性樹脂は、特に限定されないが、水溶性、又は、水性エマルションタイプなどを好適に使用できる。該カチオン性樹脂としては、例えば、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体等のポリカチオン系カチオン樹脂などが挙げられ、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド及びポリアミジンが好ましく、耐水性の点からジメチルジアリルアンモニウムクロライド、及びモノメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。該カチオン性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、カチオン樹脂として、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩とスチレンの共重合体も好ましく用いられる。
前記第1の塗布液はノニオン若しくは両性界面活性剤を含有し、更に前記第2の塗布液はノニオン系界面活性剤を含有することが好ましい。
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活性剤は、前記第1の塗布液及び前記第2の塗布液において使用することができる。また、上記ノニオン系界面活性剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記第1の塗布液及び前記第2の塗布液の両液にノニオン系界面活性剤を用いる場合、同一のものでもよいし、異なる種類のものであってもよい。
前記第1の塗布液に上記ノニオン若しくは両性界面活性剤と高沸点有機溶剤とを含有させることで、インクジェット記録用媒体のカールを平坦に保つことができる。
上記高沸点有機溶剤は水溶性のものが好ましく、該水溶性の高沸点有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ポロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(重量平均分子量が400以下)等のアルコール類が挙げられ、好ましくはジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)である。
本発明においては、形成画像の耐水性、耐経時ニジミの更なる向上を図るために、インク受容層に、媒染剤(有機媒染剤、無機媒染剤)を含有させることが好ましい。
媒染剤をインク受容層中に存在させることにより、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用しインクを安定化し、耐水性や経時ニジミを向上させることができる。
具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酪酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、シュウ酸バリウム、ナフトレゾルシンカルボン酸バリウム、酪酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、酪酸銅(II)、シュウ酸銅、フタル酸銅、クエン酸銅、グルコン酸銅、ナフテン銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、スルファミン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸ニッケル、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩基性チオグリコール酸アルミニウム、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、クエン酸鉄(III)、乳酸鉄(III)三水和物、三シュウ酸三アンモニウム鉄(III)三水和物、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの水溶性多価金属化合物は2種以上を併用してもよい。本発明において、水溶性多価金属化合物における水溶性とは、20℃の水に1質量%以上溶解することを意味する。
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
この「カチオン変性された自己乳化性高分子」とは、乳化剤もしくは界面活性剤を用いることなく、或いは用いるとしてもごく少量の添加で、水系分散媒体中に自然に安定した乳化分散物となり得る高分子化合物を意味する。定量的には、上記「カチオン変性された自己乳化性高分子」とは、室温25℃で水系分散媒体に対して0.5質量%以上の濃度で安定して乳化分散性を有する高分子物質を表し、該濃度としては1質量%以上であることが好ましく、特に3質量%以上であることがより好ましい。
上記ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチルー1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチルー1,2−ブタンジオール、2−エチル−2−メチルー1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチルー2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量=200,300,400,600,1000,1500,4000)、ポリプロピレングリコール(平均分子量=200,400,1000)、ポリエステルポリオール、4,4’―ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−プロパン、4,4’―ジヒドロキシフェニルスルホン等が挙げられる。
カチオン性基含有ポリウレタンは、例えば、ポリウレタンの合成の際、前記のごときジオールにカチオン性基を導入したものを使用することによって得られる。また4級アンモニウム塩の場合は、三級アミノ基を含有するポリウレタンを四級化剤で四級化してもよい。
また、無機媒染剤のうち、酸性で安定なもの(例えばポリ塩化アルミニウム)については、第1の塗布液に添加することが好ましく、アルカリ性で安定なもの(例えば酢酸亜鉛アンモニウム、亜鉛アンモニウムカーボネート、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム、)は第2の塗布液に添加することが望ましい。
媒染剤は、有機でも無機でも2種類以上併用してもよい。また、有機と無機の媒染剤を併用してもよい。
また、塩基性媒染剤(例えば、ポリアリルアミン)は、媒染剤としての役割と同時に、塩基性物質としての役割を果たし、塩基性物質を用いることなく塩基性溶液を調製することが可能となる。
また、本発明のインクジェット記録用媒体は、インク受容層にチオウレア、又は、チオシアン酸塩等のオゾン褪色防止剤を含有することで、オゾン褪色を防止することができる。
上記チオシアン酸塩としては、例えば、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸マグネシウム、チオシアン酸アルミニウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸銀、チオシアン酸クロロメチル、チオシアン酸コバルト、チオシアン酸銅、チオシアン酸鉛、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸ベンジル等が挙げられる。上記チオウレア及びチオシアン酸塩は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク受容層は、必要に応じて下記成分を含んでいてもよい。
インクの劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
上記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位又は6位のうち1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
上記褪色性防止剤の添加量としては、第1の塗布液の0.01〜10質量%が好ましい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
なお、本発明において金属酸化物の屈折率とは、JIS K 0062に準拠した方法で測定された値をいう。
金属酸化物の屈折率は1.85以上が好ましく、1.9〜3がさらに好ましい。
これらの中でも、安全面を考慮すると酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムが好ましく、さらに好ましくは酸化ジルコニウム、酸化亜鉛である。
前記金属酸化物は、一種単独で用いても二種以上を併用して用いてもよい。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の気相法シリカを使用する、屈折率1.8以上の金属酸化物を併用する、コート層、熱可塑性樹脂層を設ける、コート層に鏡面処理(キャスト)を施す、層の厚みを増大させる、等の方法が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用媒体を構成するインク受容層は、例えば、支持体の表面に少なくとも気相法シリカ、水溶性樹脂等を含有するインク受容層形成用の塗布液(第1の塗布液)を塗布し、(1)該塗布により塗布層を形成すると同時、又は(2)該塗布により形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのタイミングで、pH8以上の塩基性溶液(第2の塗布液)を塗設された塗布層に付与した後、該塗布層を架橋硬化させる方法(Wet−on−Wet法〈WOW法〉)により好適に形成することができる。ここで、前記水溶性樹脂を架橋する架橋剤は、上記の第1の塗布液および第2の塗布液の少なくとも一方に含有される。以上のように架橋硬化させたインク受容層を設けることで、インク吸収性や膜のひび割れ防止などを向上させることできる。
また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、インク受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
上記空隙率及び細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定することができる。
本発明のインクジェット記録用媒体は、前記インク受容層上に、屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有する層(以下、金属酸化物層と称することがある。)をさらに有してもよい。屈折率が1.8以上の金属酸化物の具体例としては、上述した金属酸化物が挙げられる。本発明のインクジェット記録用媒体に前記金属酸化物層を設ける場合、前記インク受容層中には、前記金属酸化物を添加してもよいし添加しなくてもよい。
前記インク受容層上に前記金属酸化物層を設けることにより、高い色濃度と良好な発色性が得られる。
また、前記インク受容層に係る前記第1の塗布液と前記金属酸化物層に係る前記第3の塗布液とを重層塗布し、(1)前記塗布液を重層塗布すると同時、(2)前記塗布液を重層塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、又は(3)前記塗布液を重層塗布して形成される塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、のいずれかのときに、前記第2の塗布液(前記第4の塗布液を兼ねる。)を前記塗布層又は塗膜に付与することにより行ってもよい。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の気相法シリカを使用する、層の厚みを増大させる、等の方法が挙げられる。
前記支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。また、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスクを支持体として用いレーベル面側にインク受容層を付与することもできる。
インク受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
上記原紙は、針葉樹、広葉樹から選ばれる天然パルプを主原料に、必要に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、でんぷん、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものを用いることができる。また、界面活性剤を添加してもよい。更に、上記天然パルプに代えて合成パルプを使用した合成紙を使用してもよく、天然パルプと合成パルプとを任意の比率に混合したものを使用してもよい。中でも、短繊維で平滑性が高くなる広葉樹パルプを用いるのが好ましい。使用するパルプ材の水度は、200〜500ml(C.S.F)の範囲であることが好ましく、300〜400mlの範囲であることが更に好ましい。
基体は、サイズ剤、柔軟化剤、紙力剤、定着剤等の他の成分を含有していてもよい。上記サイズ剤としては、ロジン、パラフィンワックス、高級脂肪酸塩、アルケニルコハク酸塩、脂肪酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合物、アルキルケテンダイマー、エポキシ化脂肪酸アミド等が挙げられ、上記柔軟化剤としては、無水マレイン酸共重合物とポリアルキレンポリアミンとの反応物、高級脂肪酸の4級アンモニウム塩等が挙げられ、上記紙力剤としては、ポリアクリルアミド、スターチ、ポリビニルアルコール、メラミンホルムアルデヒド縮合物、ゼラチン等が挙げられ、また、上記定着剤としては、硫酸バンド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等が挙げられる。その他、染料、蛍光染料、帯電防止剤を必要に応じて添加することができる。上記基体には、形成前に予め、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理を施すことが好ましい。
基体の厚みとしては、20〜300μmとすることが好ましく、40〜250μmとすることがより好ましい。
顔料微粒子のサイズとしては、0.1〜10μmが好ましい。上記白色顔料の粒子サイズが0.1〜5μmの範囲にあると、良好な平滑性を容易に得ることができ、好ましい。
上記酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型のいずれでもよく、これらを単独若しくは混合して使用することができる。また、上記酸化チタンは、硫酸法で製造されたものや塩素法で製造されたもののいずれでもよい。上記酸化チタンとしては、含水アルミナ処理、含水二酸化ケイ素処理、または酸化亜鉛処理等の無機物質による表面被覆処理したもの、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,4−ジヒドロキシ−2−メチルペンタン等の有機物質による表面被覆処理したもの、或いはポリジメチルシロキサン等のシロキサン処理したもの等から適宜選択できる。
顔料微粒子の屈折率としては、1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。屈折率が該範囲にある白色顔料を含むと高画質画像を形成することができる。
上記の中でも、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂が好ましい。
水分散性樹脂としては、アクリル系ラテックス、ポリエステル系ラテックス、NBR樹脂、ポリウレタン系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、SBR樹脂、ポリアミド系ラテックス等が挙げられる。中でも、得られる画像の白色度、耐光性及び透明性の良化に有用である観点から特に、アクリル系ラテックスが好ましい。
前記アクリル系ラテックスとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メチルメタクリレート及びこれらの誘導体の重合反応により得られるエマルジョンが挙げられる。
上記の水溶性樹脂及び水分散性樹脂は、各々一種単独で用いるほか二種以上を併用してもよく、水溶性樹脂と水分散性樹脂とを併用してもよい。
前記水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂の、塗工層中における総量としては、1〜50g/m2が好ましく、5〜40g/m2がより好ましい。
本構成において、上記塗工層の層厚は、1〜55μmとすることが好ましく、5〜45μmとすることがより好ましく、上記熱可塑性樹脂層の層厚は1〜60μmとすることが好ましく、5〜50μmとすることがより好ましい。
塗工層を形成するために使用する塗布装置としては、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、含浸コーター、キャストコーター、エアーナイフコーターなどが用いられる。塗工層を形成した後、仕上げ工程として、塗工層表面をキャレンダー掛けすることにより、平滑化を行ってもよい。
前記前処理としては、硫酸クロム酸混液による酸エッチング処理、ガス炎による火炎処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、アルキルチタネート等のアンカーコート処理等があり、自由に選択できる。特に簡便さの点からは、コロナ処理が好ましい。コロナ処理の場合、水との接触角が70°以下になるように処理する必要がある。
本構成において、上記キャストコート層の層厚は、10〜50μmとすることが好ましく、15〜35μmとすることがより好ましく、上記熱可塑性樹脂層の層厚は1〜60μmとすることが好ましく、5〜50μmとすることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂層の厚みが30〜60μmであると、カットオフ0.02〜0.5mmにおける中心面平均粗さSRaを小さくできるという点において好ましい。前記熱可塑性樹脂層の厚みは、35〜55μmがさらに好ましく、40〜50μmが特に好ましい。
なお、前記基体並びに前記熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂及びその形成方法については、上述の材料及び方法を用いることができる。
−支持体の作製−
1)基紙の作製
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原紙を抄造した。
上記原紙の表面サイズを調整するため、ポリビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学工業(株)製の「Whitex BB」)を0.04%添加し、これを絶乾質量換算で0.5g/m2となるように上記原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダー処理を施して密度1.05g/ccに調整された基紙を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行った後、下記組成のコート層塗布液を乾燥後塗工量で10.0g/m2となるようにワイヤーバーコーターで塗布、乾燥を行いコート層を設けた。上記コート層を設けたコート紙に、スーパーカレンダー処理(温度80℃、線圧200kg/cm、処理回数2回)を施した。
次に、コート層を設けなかった面に、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ19μmとなる様にコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、該樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)を1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となる様に塗布した。
また、前記コート紙のコート層を設けた側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)が3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなる様に押し出し、高光沢を有する熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この光沢面を「オモテ面」と称する。)、本発明の支持体を作製した。
・クレー 60.0部
(商品名:UW−90、エンゲルハード製)
・炭酸カルシウム 40.0部
(商品名:ブリリアント15、白石工業(株)製)
・ポリアクリル酸ソーダ 0.4部
をディゾルバーで10分間分散した。これをA液とする。
・硼砂(10%水溶液) 14.0部
・SBRラテックス 12.0部
(商品名:SN−307、住化エイビーエス・ラテックス(株)製、48%水溶液)
・イオン交換水 3.0部
をホモジナイザーで10分間処理してコート層塗布液を得た。
第一塗布液の作成法
下記組成中の(1)気相法シリカ微粒子と(2)イオン交換水と(3)「シャロールDC−902P」と(4)「ZA−30」とを混合し、高圧分散方式(例えば、アルティマイザー((株)スギノマシン)製)を用いて分散させた後、分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後これに下記(5)ホウ酸と(6)ポリビニルアルコール溶解液と(7)「スーパーフレックス650」と(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテルと(9)エタノールとを30℃で加え、第一塗布液を調製した。
シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比=(1):(6))は、4.5:1であり、インク受容層用塗布液AのpHは、3.9で酸性を示した。
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子) 10.0部
(AEROSIL300SF75 日本アエロジル(株)製)
(2)イオン交換水 64.8部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液) 0.87部
(分散剤、第一工業製薬(株)製)
(4)「ZA−30」(酢酸ジルコニル) 0.54部
(第一稀元素化学工業(株)製)
(5)ホウ酸(架橋剤) 0.37部
(6)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液 29.4部
(7)「スーパーフレックス650」 1.24部
(第一工業製薬(株)製)
(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 0.49部
(「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6、花王(株)製)
(9)エタノール 2.49部
(株)クラレ製の「PVA235」、鹸化度88%、重合度3500
2.03部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 0.03部
「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6、花王(株)製
下記化合物1 0.06部
(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株)製) 0.68部
イオン交換水 26.6部
下記組成中の(1)酸化チタン微粒子と(2)イオン交換水と(3)ポリビニルアルコール溶解液とを混合し、超音波分散機(例えば、(株)エスエムテー製UH600S)を用いて、分散させ、第二塗布液を調製した。
(1)酸化チタン微粒子 10.0部
(商品名:STR100C、堺化学工業(株)製、体積平均一次粒子径10nm)
(2)イオン交換水 45.9部
(3)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液 7.2部
(株)クラレ製の「PVA235」、鹸化度88%、重合度3500
0.5部
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 0.01部
「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6、花王(株)製
下記化合物1 0.01部
(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株)製) 0.17部
イオン交換水 6.5部
前記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、173cc/m2になるよう流した第一塗布液に5倍希釈ポリ塩化アルミ水溶液(ポリ塩化アルミは、アルファイン83(大明化学工業株式会社製))10.8cc/m2の速度でインライン塗布し、第二塗布液を2cc/m2になるように重層塗布した(塗布工程)。熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この間は恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の第三塗布液に3秒間浸漬して上記塗布層上にその13g/m2を付着させ(媒染剤溶液を付与する工程)、更に80℃下で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これにより乾燥膜厚が32μmのインク受容層が設けられた本発明のインクジェット記録用媒体を作製した。
(1)ホウ酸 0.65部
(2)炭酸ジルコニウムアンモニウム 2.5部
(ジルコゾールAC−7;第一稀元素化学工業(株)製)
(3)炭酸アンモニウム 3.5部
(1級:関東化学(株)製)
(4)イオン交換水 63.3部
(5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 30.0部
(花王(株)製「エマルゲン109P」(2%水溶液)、HLB値13.6)
−インクジェット記録用媒体の作製−
実施例1において酸化チタン微粒子の代わりに酸化亜鉛微粒子(商品名:FINEX−75、堺化学工業(株)製、体積平均一次粒子径10nm)を使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
−支持体の作製−
日本製紙製キャストコート紙(商品名:エスプリコートC)のキャスト面にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)が3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなる様に押し出し、高光沢を有する熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この光沢面を「オモテ面」と称する。)、本発明の支持体を作製した。
−インクジェット記録用媒体の作製−
実施例1と同様の方法でインクジェット記録用媒体を作製した。
実施例1において第二塗布液を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
−支持体の作製−
実施例1において作製した基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行った後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ38μmとなる様にコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、該樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)を1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となる様に塗布した。
更に、樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(耐ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)が3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み40μmとなる様に押し出し、高光沢を有する熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し、本発明の支持体を作製した。
−インクジェット記録用媒体の作製−
実施例1において第二塗布液を塗布しないこと以外は実施例1と同様の方法でインクジェット記録用媒体を作製した。
実施例3において第二塗布液を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
実施例1において下塗り層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
比較例1において第二塗布液を塗布しなかったこと以外は比較例1と同様にしてインクジェット記録用媒体を作製した。
−中心面平均粗さ(SRa値)−
3次元表面孝蔵解析顕微鏡Zygo NewView 5000(ZYGO(株)製)を用いて、下記測定および解析条件に基づき、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下での中心面平均粗さ(SRa値)を測定した。
<測定および解析条件>
測定面積:1cm2
対物レンズ:2.5倍
バンドパスフィルター:0.02〜0.5mm
<測定および解析条件>
・ 走査方向:サンプルのCD(Cross Direction)方向
・ 測定長さ:X方向50mm、Y方向30mm
・ 測定ピッチ:X方向0.1mm、Y方向1.0mm
・ 走査速度:20mm/sec
・ バンドパスフィルター:1mm〜3mm
JIS Z 8741に規定される60度鏡面光沢度試験方法に基づき、光沢度測定器UGV−6P(スガ試験機(株)製)を用いて、下記測定条件および解析条件に基づき、60度鏡面光沢度を測定した。
<測定および解析条件>
・ 測定方法:反射
・ 測定角度:入射角度60度、受光角度60度
JIS−H8686−2に規定される写像性試験方法に基づき、写像性測定器ICM−1(スガ試験機(株)製)を用いて、下記測定条件及び解析条件にて写像性を測定した。測定サンプルは、インクジェットプリンタ(PM−G800、セイコーエプソン(株)製)を用いて各インクジェット記録用媒体上に黒のベタ画像を印字して使用した。
測定方法:反射
測定角度:60°
光学くし:2.0mm
インクジェット記録用媒体の光沢感を下記基準に従って目視により評価した。
○・・・銀塩写真に勝る光沢感
△・・・銀塩写真と同等の光沢感
×・・・銀塩写真に劣る光沢感
Claims (5)
- 支持体上に少なくともインク受容層を有するインクジェット記録用媒体であって、
前記インク受容層の設けられた側の最表面は、JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が35%以上であり、且つ、中心面平均粗さ(SRa値)がカットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.10μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.40μm以下であり、
前記支持体は、基体上に膜厚が10〜50μmのキャストコート層と、熱可塑性樹脂層と、を少なくともこの順に有してなり、
前記インク受容層は、前記支持体の前記キャストコート層と前記熱可塑性樹脂層とを有する側の面に設けられるインクジェット記録用媒体。 - 前記インク受容層上に、屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有する層をさらに有する請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記インク受容層は、屈折率が1.8以上の金属酸化物を含有する請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記金属酸化物の体積平均一次粒子径は、100nm以下である請求項2又は3に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記支持体の前記インク受容層が設けられる側の面の中心面平均粗さ(SRa値)は、カットオフ0.02〜0.5mmの条件下で測定した場合に0.15μm以下であり、カットオフ1〜3mmの条件下で測定した場合に0.45μm以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
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