JP4606986B2 - インクジェット記録用媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット方式の画像記録方法に用いられる記録用媒体及びその製造方法に関する。
近年、情報技術(IT)産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発され、それぞれの情報処理システムに適した記録方法及び記録装置も開発され、実用化されている。この様な記録方法の中でも、インクジェット記録方法は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であること、コンパクトであること、及び低騒音に優れること等の利点から、オフィスは勿論、所謂ホームユースにおいても広汎に用いられて来ている。
また、近年のインクジェットプリンターの高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になり、更なるハード(装置)面の発展に伴って、インクジェット記録用の記録シートも各種の改良が為されて来た。
インクジェット記録用の記録シートに要求される特性としては、一般に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が速いこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(滲みのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐光性や耐水性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像が滲まないこと)、(10)変形し難く、寸法安定性が良好であること(カールが充分小さいこと)、(11)ハードの走行性が良好であること、等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的に用いられるフォト光沢紙の用途では、上記特性に加えて、更に光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
また、上記のごときインクジェット記録用媒体では、支持体上に形成されるインク受容層は一般的にインク受容層用塗布液の塗布によって行われ、該塗布液には液粘度の安定を目的として界面活性剤が添加され、例えば、曇点60℃以下の非イオン性界面活性剤を、無機微粒子と水溶性樹脂と共に用いることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、液粘度安定性は未だ十分なレベルにはなく、更なる向上が望まれていた。
特開2004−230760号公報
発明の目的は、にじみの発生が抑制されたインクジェット記録用媒体、及び該インクジェット記録用媒体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の手段は以下の通りである。即ち、本発明のインクジェット記録用媒体は、
<1> 支持体上に、微粒子と、親水性バインダーと、界面活性剤と、水溶性のカチオン性ポリマーと、ラテックスと、を含有する塗布液を用いて形成されたインク受容層をしてなるインクジェット記録用媒体であって、前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルであ、且つ前記界面活性剤が下記(1)又は(2)を満たすことを特徴とするインクジェット記録用媒体である。
(1)水に対する可溶率が1質量%以上である場合、1質量%水溶液の曇点が30℃以 上であり且つHLB値が10.5以上である。
(2)水に対する可溶率が1質量%未満である場合、水/ジエチレングリコールモノブ チルエーテル=75/25混合溶媒への10質量%溶液の曇点が30℃以上80℃ 以下であり且つHLB値が10.5以上15未満である。
> 前記界面活性剤がポリオキシエチレンデシルエーテル又はポリオキシエチレントリデシルエーテルあることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録用媒体である。
> 前記微粒子が気相法シリカ又は気相法アルミナであり、且つ該微粒子の1次粒子径が1nm以上30nm以下であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用媒体である。
> 前記インク受容層が、少なくとも1種の水溶性多価金属塩を含有することを特徴とする前記<1>〜<>の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体である。
> 前記ラテックスが、体積平均粒子径0.1μm以下のカチオン変性ラテックスであることを特徴とする前記<1>〜<>の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体である。
<6> 前記ラテックスが、ポリスチレン系ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、アクリル酸系ラテックス、スチレン−アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス、メタクリル酸系ラテックス、塩化ビニル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、およびエチレン−酢酸ビニル系ラテックスより選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記<1>〜<5>の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体である。
<7> 前記ラテックスが、カチオン性ウレタン樹脂を含むコロイダルディスパージョンであることを特徴とする前記<1>〜<6>の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体である。
<8> 前記水溶性のカチオン性ポリマーが、第1級〜第3級アミノ基およびその塩又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を含んで重合された重合体であることを特徴とする前記<1>〜<7>の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体である。
また、本発明のインクジェット記録用媒体の製造方法は、
> 微粒子と、親水性バインダーと、界面活性剤と、水溶性のカチオン性ポリマーと、ラテックスと、を混合してなる塗布液を支持体上に塗布して塗布層を形成する工程を経て、前記<1>〜<>の何れか一項に記載の記録用媒体を得るインクジェット記録用媒体の製造方法であって、前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルであり、且つ前記界面活性剤が下記(1)又は(2)を満たすことを特徴とするインクジェット記録用媒体の製造方法である。
(1)水に対する可溶率が1質量%以上である場合、1質量%水溶液の曇点が30℃以 上であり且つHLB値が10.5以上である。
(2)水に対する可溶率が1質量%未満である場合、水/ジエチレングリコールモノブ チルエーテル=75/25混合溶媒への10質量%溶液の曇点が30℃以上80℃ 以下であり且つHLB値が10.5以上15未満である。
10> 前記界面活性剤を溶解した水溶液(a)、並びに、前記微粒子と、カチオン性物質と、親水性バインダーと、を混合してなる微粒子分散液(b)を、インラインブレンドにて混合して塗布液を調製し、該塗布液を支持体上に塗布して塗布層を形成する工程を有することを特徴とする前記<>に記載のインクジェット記録用媒体の製造方法である。
11> 前記塗布層を架橋硬化させてインク受容層を形成する前記<>又は<10>に記載のインクジェット記録用媒体の製造方法であって、前記架橋硬化が、前記塗布液及び/又は下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、且つ前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、pHが7.1以上の塩基性溶液を前記塗布層に付与することにより行われることを特徴とするインクジェット記録用媒体の製造方法である。
本発明によれば、にじみの発生を抑制したインクジェット記録用媒体、及び該インクジェット記録用媒体の製造方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録用媒体は、支持体上にインク受容層を形成してなり、該インク受容層、微粒子と、親水性バインダーと、界面活性剤と、水溶性のカチオン性ポリマーと、ラテックスと、を含有する塗布液を用いて形成されたことを特徴とし、また、前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルであって、且つ下記(1)又は(2)を満たすことを必須の要件とする。
(1)水に対する可溶率が1質量%以上である場合、1質量%水溶液の曇点が30℃以上 であり且つHLB値が10.5以上である。
(2)水に対する可溶率が1質量%未満である場合、水/ジエチレングリコールモノブチ ルエーテル=75/25混合溶媒への10質量%溶液の曇点が30℃以上80℃以下 であり且つHLB値が10.5以上15未満である。
(界面活性剤)
インク受容層用塗布液の液粘度安定性を向上させ良好な塗布面状を得る観点から、本発明では、ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルの界面活性剤を用いる。尚、前記界面活性剤中のデシル基又はトリデシル基は分岐形状であることが好ましく、また、塗布液の安定性を高め、また湿熱にじみの悪化を引き起こさない観点から、前記界面活性剤はノニオン性であることが特に好ましい。
また、前記界面活性剤は、前述の通り前記(1)又は(2)の条件を満たすことを必須とする。
ここで、水に対する可溶率が1質量%以上であるとは、いわゆる水溶性を示すことを意味し、対して、水に対する可溶率が1質量%未満であるとは、非水溶性を示すことを意味する。
尚、界面活性剤の水に対する可溶率の測定(即ち、水溶性であるか否かの判定)は、イオン交換水99gに対して1gの界面活性剤を添加し、23℃にて30分間攪拌を行い、透明となった(目視にて判定)場合を水溶性であると判断した。
(1)水に対する可溶率が1質量%以上(即ち、水溶性)である場合
曇点は30℃以上であることが必須であり、更には40℃以上であることが好ましく、40〜70℃であることが特に好ましい。曇点が30℃未満である場合、塗布液の液粘度は高くなって良好な塗布面状を得ることができない。
また、HLB値は10.5以上であることが必須であり、更には12〜16であることが好ましく、13〜14であることが特に好ましい。HLB値が10.5未満である場合、はじきが発生し良好な塗布面状が得られない。
(2)水に対する可溶率が1質量%未満(即ち、非水溶性)である場合
曇点は30℃以上80℃以下であることが必須であり、更には60〜80℃であることが好ましく、70〜80℃であることが特に好ましい。曇点が30℃未満である場合、塗布乾燥過程において、はじき故障が発生しやすくなり、良好な塗布面状を得ることが困難になることがある。一方、曇点が80℃を超える場合、塗布液の十分な粘度安定が得られなくり、筋故障が発生しやすくなるという欠点がある。
また、HLB値は10.5以上15未満であることが必須であり、更には11〜14であることが好ましく、12〜13であることが特に好ましい。HLB値が10.5未満である場合、はじきが発生し良好な塗布面状が得られない。一方、HLB値が15以上である場合には、塗布液の粘度が上昇し塗布の際に筋が生じる。
−曇点の測定−
界面活性剤は一分子中に水との親和性の大きい親水基と、それに相反する疎水基の2種類の官能基を持っているが、非イオン界面活性剤の水との溶解は、エチレンオキサイド鎖のエーテル酸素への水分子の水和により起こる。この水素結合による水和力は温度上昇とともに弱くなり、ある固有の温度以上になると溶解性が急激に低下して析出を始め、その結果白濁してくる。この白濁をする固有の温度を曇点という。
本発明における当該曇点の測定は、界面活性剤水溶液が白濁する温度を目視にて確認して行った。尚、測定は界面活性剤を溶解した状態でおこなう必要があるため、水への溶解度に応じて溶媒を変更した。具体的には、水に対して1質量%以上の溶解性がある(水溶性)ものについては、1質量%水溶液で測定を実施し、一方、水に対しての溶解度が1質量%未満(非水溶性)のものついては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル/水=25/75混合溶媒を用い、各界面活性剤の10質量%溶解液を作成して測定を行った。
ここで、前記水溶性の界面活性剤の具体例としては、ノイゲンXL-100、ノイゲンSD-60、ノイゲンSD-70、ノイゲンSD-110、ノイゲンXL-100、エマルゲン109P、ノイゲンET106A等を挙げることができる。一方、前記非水溶性の界面活性剤としては、ノイゲンTDS-70、ノイゲンSD-30、ノイゲンXL-60、ノイゲンSD-30等を挙げることができる。
−HLB値の算出−
また、前記HLB値は、界面活性剤の親油基に付加された親水基が無限に長く親水性が最も大きい仮想的な化合物を20と、親水基の全く無い親油性の化合物を0と定め、それらに対する相対値として界面活性剤ごとに算出される値であり、一般的にGriffinの式にて算出することができる。
以下に、HLB値の算出に用いたGriffinの式を示す。
非イオン性界面活性剤の分子量をM、親水性部分の分子量をMwとしたとき、
HLB値=20×Mw/M
前記ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルの界面活性剤におけるアルキレン基としては、特にエチレン基が好ましい。
これら、本発明における界面活性剤の好ましい具体例としては、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等が挙げられ、更にはポリオキシエチレンイソデシルエーテルが好ましい。
本発明においてインク受容層用塗布液中の前記ポリオキシアルキレンデシルエーテル界面活性剤の含有量としては、液粘度を所望の低粘度とする観点から、微粒子に対して1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
(親水性バインダー)
本発明におけるインク受容層を多孔質構造とするため、本発明では親水性バインダー(水溶性樹脂)を含有して構成される。
本発明に用いられる水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。
また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
本発明におけるインク受容層には、インク吸収性の観点から、上記の水溶性樹脂の中でも、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシ基を有する樹脂、及びゼラチン類から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましい。
本発明における水溶性樹脂としては、上記の中でも、特に、ポリビニルアルコール(PVA)であることが好ましい。
本発明に用いられるポリビニルアルコール(PVA)のケン化度としては、発色濃度の観点から、75〜95モル%が好ましく、77〜90モル%がより好ましく、80〜90モル%が特に好ましい。また、ポリビニルアルコール(PVA)の重合度としては、充分な膜強度を得る観点から、1400〜5000が好ましく、2300〜4000がより好ましい。なお、重合度1400未満と重合度1400以上のポリビニルアルコールを併用して使用してもかまわない。
水溶性樹脂のインク受容層中における含有量としては、該含有量の過少による、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ、該含有量の過多によって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、インク受容層中に含まれる全固形分質量に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
尚、インク受容層を主に構成する後述する微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数素材の混合系であってもよい。
前記ポリビニルアルコールには、無変性のポリビニルアルコール(PVA)に加え、カチオン変性PVA、アニオン変性PVA、シラノール変性PVA及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記PVAは、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成し易くする。この様な三次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成し得ると考えられる。
本発明により得られるインクジェット記録用媒体において、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
(微粒子)
本発明におけるインク受容層には、更に必須成分として、微粒子が含有される。
本発明における微粒子としては、例えば、有機微粒子、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイト型水酸化アルミ微粒子から選ばれる少なくとも1種の微粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイト型水酸化アルミ微粒子が好ましい。
本発明における微粒子としては、その平均一次粒子径が50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、特に15nm以下であることが好ましい。微粒子の平均一次粒子径が15nm以下であると、インク吸収特性を効果的に向上させることができ、また同時にインク受容層表面の光沢性をも高めることができる。また、前記微粒子の平均一次粒子径の下限は特に限定はないが、1nm以上であることが好ましい。
上記微粒子の中でも、気相法にて製造された気相法シリカ又は気相法アルミナは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性及び保持の効率が高く、また屈折率が低いので、適切な微小粒子径まで分散を行なえばインク受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという利点がある。この様に受容層が透明であるということは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性及び光沢度を得る観点より重要である。
特に、シリカ微粒子は、その表面にシラノール基を有し、該シラノール基の水素結合により粒子同士が付着し易いため、また該シラノール基と水溶性樹脂を介した粒子同士の付着効果のため、上記の様に平均一次粒子径が15nm以下の場合にはインク受容層の空隙率が大きく、透明性の高い構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
一般にシリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法(沈降法)粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、上記「気相法シリカ」とは、当該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を指す。
気相法シリカは、上記含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2と多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2と少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
本発明における微粒子としては、沈降法又は気相法にて合成された非晶質シリカ又はアルミナであることが好ましい。特に、平均一次粒子径が30nm以下の気相法シリカ又は気相法アルミナを用いることが好ましく、該気相法シリカ又は気相法アルミナを全微粒子の50質量%以上(好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上)用いた場合に顕著な効果が得られる。また、気相法シリカの場合、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であるシリカ微粒子が好ましい。
本発明では、気相法アルミナは、気相法シリカと比較して発色濃度が高く、光沢度が高くできる特徴がある。これは気相法アルミナの屈折率が、気相法シリカの屈折率より高く、表面での光の反射が強いためによるものと考えられる。また、気相法アルミナは、擬ベーマイトのようなアルミナ水和物と比較して、粒子が球状であり、インク吸収性に優れるという特徴があり、本発明と組み合わせることによってさらにインク吸収性を向上させることが可能となる。また理由は定かではないが、気相法アルミナは、気相法シリカと比較してインク受容層の微小なひび割れが生じにくくなるという特徴がある。このような微小のひび割れは、製造過程のさまざまな要因で発生するものであるが、気相法アルミナと組み合わせることによって、例えば、乾燥過程における塗膜の収縮により引き起こされる微小な亀裂を大幅に改善することが可能となる。
また、気相法アルミナを用いると、気相法シリカを使用した場合よりも塗膜の強度が向上する傾向があり、スクラッチなどの故障もおきにくくなる。さらに気相法シリカと比較して、顔料分散液の固形分を高くすることが可能となるため、最終的な塗布液の固形分を高めることが可能となり、乾燥負荷が小さく生産性の高い製造方法で製造できる利点も有する。気相法アルミナの水分散液を作製する場合には、酸性成分を少量使用すると分散固形分を更に高めることができる。このような酸性成分としては、特にホウ酸を顔料分散時に少量添加することが好ましい。
また顔料分散濃度を上げるために、公知の分散剤を使用することが好ましい。これらの分散剤としては、例えば、2級、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーや、ノニオン性またはカチオン性界面活性剤、さらに低分子量のポリビニルアルコールなどを併用することが好ましい。
微粒子として気相法アルミナを使用する場合、その好ましい使用量は水溶性バインダー1質量部に対して4質量部〜12質量部、更に好ましくは5質量部〜10質量部、特に好ましくは6質量部〜9質量部であり、気相法シリカを用いる場合よりも少ないバインダー量で十分な膜強度を得ることが可能となる。
また重層構造のインク受容層とする場合には、最外層に気相法アルミナを含めることが、上記気相法アルミナの特徴を引き出すために好ましい。
本発明において微粒子は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。2種以上の微粒子を併用する場合には、沈降法シリカと気相法シリカ、気相法アルミナを任意に併用する態様が好ましい。
本発明における微粒子として有機微粒子を用いるのであれば、インク受容層を形成した場合に粒子状で存在することが必要である。該有機微粒子としては、例えば、乳化重合、マイクロエマルジョン系重合、ソープフリー重合、シード重合、分散重合、懸濁重合などにより得られるポリマー微粒子が挙げられ、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、シリコン樹脂、フェノール樹脂、天然高分子等の粉末、ラテックス又はエマルジョン状のポリマー微粒子等が挙げられる。有機微粒子は、表面がカチオン化されていることが好ましい。有機微粒子のTgは特に限定はないが、単独で用いる場合には、40℃以上が好ましく、80℃以上が更に好ましい。
また、微粒子としてコロイダルシリカを使用した場合には、コロイダルシリカ自身の空隙形成能力が小さいために空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成し難いが、その場合、たとえば沈降法シリカあるいは気相法シリカとコロイダルシリカを同一層内に併用したり、コロイダルシリカ含有層を重層により設けることにより、高い空隙形成効果を得ることができる。
気相法シリカを使用する場合、1次粒子径はほぼBET法で測定した比表面積と相関しており、100m2/g〜400m2/gのものが好ましく、塗布液の安定性とインク吸収性、受像紙光沢をすべて満たす観点において、BET比表面積が300〜350m2/gのものが特に好ましい。
−微粒子と水溶性樹脂との含有比−
本発明において、微粒子(好ましくはシリカ微粒子;x)と水溶性樹脂(y)との含有比〔PB比(x/y)、水溶性樹脂1質量部に対する微粒子の質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、上記PB比(x/y)としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
インクジェットプリンターの搬送系を通過する場合、記録用媒体に応力が加わることがあるので、インク受容層は充分な膜強度を有していることが必要である。更にシート状に裁断加工する場合、インク受容層の割れ及び剥がれ等を防止する上でも、インク受容層には充分な膜強度が必要である。この様な観点より、上記PB比(x/y)としては6/1以下が好ましく、インクジェットプリンターで高速インク吸収性をも確保する観点からは、3/1以上であることが好ましい。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比(x/y)が3/1〜6/1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
(ラテックス)
本発明におけるポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルの界面活性剤は、膜の強度を低下させたり、印画後湿熱にじみを悪化させたりすることがある。このため本発明におけるインク受容層内には、ラテックスを併用する。従来から、湿熱にじみを改良する目的で受像層内にカチオン性ポリマーを使用することは知られているが、水溶性のカチオン性ポリマーに加えて、本発明ではラテックスを併用することによって、更に良好ににじみの発生を改良することができる。
ラテックスの水中での粒子径としては1μm以下であることが好ましく、更に1〜100nmであることが好ましい。
ラテックスとしてはポリスチレン系、スチレン−ブタジエン共重合体系、アクリロニトリル−ブタジエン系、アクリル酸系、スチレン−アクリル系、ウレタン系、メタクリル酸系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス等が好ましく用いられる。これらの中では、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、ウレタン系ラテックスが好ましく、特にウレタン系ラテックスまたは水分散物が好ましい。これらラテックスまたは水分散物としては、「ラテックス・エマルジョンの最新応用技術(沖倉元治編著、中日社、1991年、88〜90頁)」に記載されているような公知の重合法により合成されたものを用いることが可能である。
ラテックスとしては、ソープフリーで重合合成した分散粒子径1μm以下、好ましくは100nm以下のポリウレタンラテックスが好ましく、更にカチオン変性されていることが最も好ましい。
ラテックスのTgは特に限定はないが、膜の強度を向上させる観点では40℃以上であることが好ましく、逆に脆性改良効果の観点では40℃以下であることが好ましい。またカチオン化ポリウレタン分散物は塗布乾燥後、粒子状態ではなく皮膜化して存在することが好ましい。皮膜化することで受像層のヘイズが低下し、高い発色濃度をえることが可能となる。
本発明におけるラテックス樹脂としては、写真用途としてこのましい光沢を得る観点から、体積平均粒径30nm以下のカチオン性ウレタン樹脂を含むコロイダルディスパージョンであり、且つ該カチオン性ウレタン樹脂のガラス転移温度が50℃未満であるものが特に好ましい。
このようなコロイダルディスパージョン状のラテックス樹脂を使用する場合には、界面活性剤による塗布液の増粘が助長される傾向となり、特に本発明におけるポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテル界面活性剤を用いる効果が顕著に発揮される。
(カチオン性物質)
本発明におけるインク受容層には、水溶性のカチオン性ポリマーが含有され、また更にカチオン性物質が含有されてもよい。カチオン性物質としては、前述のカチオン変性ラテックスを用いることが好ましく、また、その他のカチオン性ポリマーを用いることもできる。
−カチオン性ポリマー−
本発明におけるカチオン性ポリマーとしては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
記カチオン性ポリマーとしては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマーは、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
上記単量体(媒染モノマー)としては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
具体的には、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
また、アリルアミン、ジアリルアミンやその誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)が挙げられる。尚、これらのアリルアミンおよびジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
前記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。
上記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも、一種単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
更に、前記カチオン性ポリマーとして、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カオチン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カオチン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリンアンモニウムクロリド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基を有するスチリル型ポリマー等も好ましいものとして挙げることができる。
記カチオン性ポリマーとして、具体的には、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号、特開平1−161236号、同10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号、特公平5−35162号、同5−35163号、同5−35164号、同5−88846号、特開平7−118333号、特開2000−344990号、特許第2648847号、同2661677号等の各公報に記載のもの等が挙げられる。中でも、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド型ポリマー、又は第4級アンモニウム塩基をエステル部に有する(メタ)アクリレート含有ポリマーが好ましい。
チオン性ポリマーとしては、特に、経時滲みの防止の観点から、重量平均分子量が200000以下、I/O値が3.0以下のカチオン性ポリマーが好ましい。
上述したカチオン性ポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、カチオン性ポリマーと他の有機媒染剤及び/又は無機媒染剤を併用してもよい。
本発明において形成されるインク受容層中に含有されるカチオン性ポリマーの含有量としては、インク受容層中の全固形分質量に対して1〜30質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。
(水溶性多価金属塩)
本発明のインクジェット記録用媒体は、形成画像の耐水性及び耐にじみ性の改善を図るために、インク受容層に、さらに水溶性多価金属塩を含有することが好ましい。
水溶性多価金属塩としては、例えば、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
水溶性多価金属塩としては、水溶性のアルミニウム化合物、ジルコニウム化合物及びチタン化合物より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば〔Al6(OH)153+、〔Al8(OH)204+、〔Al13(OH)345+、〔Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
〔Al2(OH)nCl6-nm 式1
〔Al(OH)3nAlCl3 式2
Aln(OH)mCl(3n-m) (0<m<3n) 式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
ジルコニウム化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、酢酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。特に酢酸ジルコニルが好ましい。
チタン化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。
これらの化合物は、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
本発明において、水溶性多価金属塩を用いる場合、より広範囲の染料に対してにじみ抑制効果を付与する観点から、その少なくとも一種が酢酸ジルコニルであることが特に好ましい。インク受容層における酢酸ジルコニルの含有量としては、0.3g/m2以下であることが好ましく、0.01〜0.02g/m2がより好ましい。
なお、酢酸ジルコニルを用いる場合には、微粒子の分散液中に予め酢酸ジルコニルを含有させておき、その後該分散液とバインダーとを混合することが塗布液の粘度安定性の観点で好ましく、微粒子の分散処理前に、微粒子を含む液中に酢酸ジルコニルを予め共存させて分散処理を行うことが、更に好ましい。
本発明において、水溶性多価金属塩のインク受容層中の含有量は、前記微粒子に対して、0.1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは1〜10質量%である。
水溶性多価金属塩は、単独でも用いることができるが、2種以上を併用することが好ましい。
(架橋剤)
本発明において形成されるインク受容層は、前記微粒子及び水溶性樹脂等を含む層が、更に該水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含むことが好ましく、特に微粒子と水溶性樹脂を架橋しうる架橋剤によって水溶性樹脂が架橋反応して硬化された多孔質構造を有する態様が好ましい。
架橋剤としては、インク受容層に含まれる水溶性樹脂との関係で好適なものを適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速である点でホウ素化合物が好ましい。ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO32、Co3(BO32、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co225)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO22、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2O、CsB55)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好ましく、これを水溶性樹脂であるポリビニルアルコールと組合わせて使用することが最も好ましい。
本発明においては、上記架橋剤は、前記水溶性樹脂1.0質量部に対して、0.05〜0.50質量部含有されることが好ましく、0.08〜0.30質量部含有されることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲であると、水溶性樹脂を効果的に架橋してひび割れ等を防止することができる。
前記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場合などには、ホウ素化合物以外の下記化合物も架橋剤として用いることができる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋剤は、1種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明において架橋剤は、インク受容層を形成する際に、インク受容層塗布液中及び/又はインク受容層の隣接層を形成するための塗布液中に添加してもよく、或いは予め架橋剤を含む塗布液を塗布した支持体上に、上記インク受容層塗布液を塗布する、又は架橋剤非含有のインク受容層塗布液を塗布し乾燥後に架橋剤溶液をオーバーコートする等してインク受容層に架橋剤を供給することができる。製造効率の観点からは、インク受容層塗布液又はこの隣接層形成用の塗布液中に架橋剤を添加し、インク受容層の形成と同時に架橋剤を供給するのが好ましい。特に、画像の印画濃度及び光沢感の向上の観点より、インク受容層塗布液に含有するのが好ましい。また、インク受容層塗布液中の架橋剤の濃度としては、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%がより好ましい。
例えば、以下の様にして好適に架橋剤を付与することができる。ここでは、ホウ素化合物を例に説明する。即ち、インク受容層がインク受容層塗布液(第1塗液)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、該架橋硬化は、(1)上記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)上記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、pHが7.1以上の塩基性溶液(第2塗液)を上記塗布層に付与することにより行われる。架橋剤であるホウ素化合物は、上記の第1塗液又は第2塗液の何れかに含有させればよく、第1塗液及び第2塗液の両方に含有させてもよい。
(他の成分)
本発明におけるインク受容層は、必要に応じて下記成分を含有させて構成される。
即ち、インク色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位又は6位の内、1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同3,707,375号明細書、同3,754,919号明細書、同4,220,711号明細書等に記載されている。
蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用でき、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具体的には、特公昭45−4699号公報、同54−5324号公報等に記載されている。
酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同309402号公報、同310551号公報、同310552号公報、同459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同62−262047号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同66−88381号公報、同63−113536号公報;
同63−163351号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、同2−262654号公報、同2−71262号公報、同3−121449号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−61166号公報、同5−119449号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−1108437号公報、同5−170361号公報、特公昭48−43295号公報、同48−33212号公報、米国特許第4814262号、同第4980275号公報等に記載のものが挙げられる。
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
これら褪色性防止剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。褪色性防止剤は、水溶性化、分散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に含ませることもできる。褪色性防止剤の添加量としては、インク受容層塗布液の0.01〜10質量%が好ましい。
本発明におけるインク受容層は、カール防止用に高沸点有機溶媒を含有してもよい。高沸点有機溶媒としては、水溶性のものが好ましく、該水溶性の高沸点有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(重量平均分子量が400以下)等のアルコール類が挙げられる。好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)である。
高沸点有機溶剤のインク受容層塗布液中における含有量としては、0.05〜1質量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜0.6質量%である。
また、無機顔料微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
〔支持体等〕
本発明に適用される支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。インク受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。また、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスクを支持体として用い、レーベル面側にインク受容層を付与することもできる。
上記透明支持体に使用可能な材料としては、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ましい。この様な材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易さの点で、50〜200μmが好ましい。
高光沢性の不透明支持体としては、インク受容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有するものが好ましい。該光沢度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って求められる値である。具体的には、下記の様な支持体が挙げられる。
例えば、アート紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていてもよい。)高光沢性のフィルム;或いは、前記各種紙支持体、前記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体等が挙げられる。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に、銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
不透明支持体の厚みについても特に制限はないが、取り扱い易さの点で、50〜300μmが好ましい。
また、上記支持体の表面には、濡れ特性及び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用するのが好ましい。
次に、レジンコート紙など紙支持体に用いられる原紙について述べる。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%〜70質量%が好ましい。
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好適に用いられ、漂白処理を行なって白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度としては、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量としては、30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さとしては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては、前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。尚、高密度ポリエチレンの触媒の触媒失活剤として、ハイドロタルサイト類化合物を用いた態様が好ましく、高密度ポリエチレン中における含有量としては、高密度ポリエチレンの量に対して、100〜2,000ppmが好ましく、200〜1,000ppmがより好ましい。酸化防止剤としては、二次酸化防止剤(特にリン系酸化防止剤)のみを用いることが好ましく、構成する高密度ポリエチレン中における含有量としては、高密度ポリエチレン(HDPE)に対して100ppm以上2,000ppm以下が好ましく、200ppm以上1,000ppm以下がより好ましい。
特に、インク受容層を形成する側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行なわれている様に、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白剤、群青をポリエチレン中に添加し、不透明度、白色度及び色相を改良したものが好ましい。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜40質量%が好ましく、4〜30質量%がより好ましい。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面層とも10〜50μmが好適である。更にポリエチレン層上にインク受容層との密着性を付与するために下塗り層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポリエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られる様なマット面や絹目面を形成したものも使用できる。
支持体にはバックコート層を設けることもでき、このバックコート層に添加可能な成分としては、白色顔料や水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に用いられる水性バインダーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
[インクジェット記録媒体の製造方法]
本発明のインクジェット記録用媒体の製造方法は、前述の成分を混合してなるインク受容層用塗布液を調製する工程と、該塗布液を用いて支持体上にインク受容層を形成する工程と、を含むインクジェット記録用媒体の製造方法である。
尚、前記インク受容層用塗布液は、(a)ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテル界面活性剤を溶解した水溶液、並びに、(b)微粒子と、親水性バインダーと、必要によりカチオン性物質と、を混合してなる微粒子分散液を、インラインブレンドにて混合し、調製することが好ましい。
また、前記(a)の水溶液には、少なくとも1種の水溶性多価金属を混合溶解させることがより好ましい。前記界面活性剤は、微粒子の凝集防止の観点より、少なくとも1種の水溶性多価金属をあらかじめ混合溶解した後、微粒子分散液とインラインブレンドにて混合することが好ましい。
前記インク受容層を形成する工程は、少なくとも微粒子と水溶性バインダーとを含有する前記塗布液(上記インラインブレンドにて混合調製された塗布液)を塗布する塗布工程を含んでなり、該塗布工程は、前記塗布液及び/又はpHが7.1以上の塩基性溶液に架橋剤を添加し、且つ(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、前記塩基性溶液を前記塗布層に付与し、架橋硬化することでインク受容層を形成することが好ましい。
次いで、インクジェット記録媒体の製造について更に説明する。
本発明おけるインク受容層は、例えば、支持体上に、少なくとも、微粒子と、親水性バインダーと、ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルの界面活性剤と、水溶性のカチオン性ポリマーと、ラテックスと、必要によりカチオン性物質と、を含有する塗布液(即ち、前記(a)の水溶液と、(b)の微粒子分散液と、をインラインブレンドにて混合し調製した塗布液(第1塗液))を塗布して塗布層を形成し、更に上記塗布液(第1塗液)及び/又はpHが7.1以上の塩基性溶液(第2塗液)に架橋剤を添加し、且つ(1)上記塗布液(第1塗液)を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)上記塗布液(第1塗液)を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、上記塩基性溶液(第2塗液)を上記塗布層に付与し、上記塗布層を架橋硬化させる方法(これを「Wet on Wet法」と称する。)により形成されることが好ましい。
前述の親水性バインダーを架橋し得る架橋剤は、第1塗液或いは第2塗液の少なくとも一方又は両方に含有せしめるのが好ましい。この様に第1塗液に対して、上記(1)同時、又は(2)乾燥途中、の何れかに塩基性溶液(第2塗液)を付与して架橋硬化させたインク受容層は、インク吸収性や膜のひび割れ防止等の利点を有する他に、ハジキ故障等の外観を向上させる上で特に好ましい。
なお、ラテックス樹脂は、第1塗液及び第2塗液(塩基性溶液)の少なくとも一方に添加して用いられるが、第1塗液中の微粒子及び親水性バインダーと十分に混合され長期に亙り経時にじみを効果的に防止できる観点からは、第1塗液(微粒子と水溶性樹脂を含有する塗布液)に含有させる態様が好ましい。この際、必ずしも該ラテックス樹脂の全てを第1塗液に含有させる必要はなく、該ラテックス樹脂の少なくとも一部を第2塗液に含有させることも有効であり、これにより経時にじみを効果的に防止することができる。また、該ラテックス樹脂の少なくとも一部を、第1塗液及び第2塗液の両方に含有させる態様も好ましい。
また、媒染剤は、インク受容層表面から媒染剤が存在する部分の厚みがインク受容層の全厚みに対して10〜60%である様に存在させるのが好ましい態様である。例えば、(1)微粒子と親水性バインダー及び架橋剤を含有する塗布層を形成し、媒染剤含有溶液をその上に塗布する方法、(2)微粒子と親水性バインダーを含む塗布液と媒染剤含有溶液を重層塗布する方法、等の任意の方法で形成できる。また、媒染剤含有溶液中に無機微粒子、親水性バインダー、架橋剤等が含有されていてもよい。上記の様に構成すると、媒染剤がインク受容層の所要の部分に多く存在するので、インクジェットのインク色材が十分に媒染され、色濃度や経時にじみ、印画部光沢、印字後の文字や画像の耐水性、耐オゾン性が更に向上するので好ましい。媒染剤の一部は最初に支持体に設ける層に含有させてもよく、その場合は、後から付与する媒染剤は同じものでも異なっていてもよい。
本発明において、第1塗液として、微粒子、親水性バインダー、及びホウ素化合物(架橋剤)を含んでなる塗布液を調製する場合には、例えば、以下の様にして調製できる。
即ち、平均一次粒子径20nm以下のシリカ微粒子を水中に添加して(例えば、10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば、回転数10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で20分間(好ましくは、10〜30分間)かけて分散させた後、ホウ素化合物(例えば、シリカの0.5〜20質量%)を加え、上記と同じ条件で分散を行ない、ポリビニルアルコール水溶液(例えば、シリカの1/3程度の質量のPVAとなる様に)を加え、更に上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下記の塗布方法で支持体上に塗布し形成することにより、三次元網目構造を有する多孔質構造のインク受容層を得ることができる。
第1塗液には、必要に応じて、更にpH調整剤、分散剤、消泡剤、帯電防止剤等を添加することができる。
分散に用いる分散機械としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、ビーズミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、発生するダマ状微粒子の分散を効率的に行なう為には、媒体撹拌型分散機やコロイドミル分散機又は高圧分散機(ホモジナイザー)が好ましい。
本発明に適用される分散機としては、主として、ビーズミル等の媒体撹拌型分散機が好適に用いられるが、微粒化の促進及び高Dmの点からは、高圧ホモジナイザー(例えば、(株)スギノマシン製のアルティマイザーなど)についても同様に使用される。
また、各塗布液の調製に用いる溶媒としては、水や有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布液に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
また、界面活性剤を含む第2塗液(塩基性溶液)は、例えば、以下の様にして調製できる。即ち、イオン交換水に媒染剤(例えば、0.1〜5.0質量%)と界面活性剤類(例えば、総量として0.01〜1.0質量%)と必要に応じて架橋剤(0〜5.0質量%)とを加え充分に攪拌する。第2塗液のpHとしては8.0以上が好ましく、pH調整はアンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アミノ基含有化合物(エチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ポリアリルアミン等)等を用いてpH8.0以上に適宜に行なうことができる。
第1塗液(インク受容層塗布液)の塗布は、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができる。
第1塗液(インク受容層塗布液)の塗布と同時又は塗布した後に、該塗布層に第2塗液(塩基性溶液)が付与されるが、該第2塗液は、塗布後の塗布層が減率乾燥を示すようになる前に付与してもよい。即ち、インク受容層塗布液の塗布後、この塗布層が恒率乾燥を示す間に塩基性溶液を導入することで好適に製造される。この第2塗液には、媒染剤を含有させてもよい。
ここで、前記「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、インク受容層塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥」の現象を示す。この「恒率乾燥」を示す時間については、例えば、「化学工学便覧」(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
上記の通り、第1塗液の塗布後、該塗布層が減率乾燥を示す様になるまで乾燥されるが、この乾燥は一般に温度50〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は上記範囲が適当である。
減率乾燥速度を示すようになる前に第2塗液を付与する方法としては、(1)第2塗液を塗布層上に更に塗布する方法、(2)スプレー等の方法により噴霧する方法、(3)第2塗液中に該塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
上記方法(1)において、第2塗液を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既に形成されている第1塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
第2塗液の塗布量としては、5〜50g/m2が一般的であり、10〜30g/m2が好ましい。
第2塗液の付与後は、一般に温度40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥及び硬化が行なわれる。中でも、温度40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。例えば、第1塗液中に含有する架橋剤を硼砂や硼酸とする場合には、温度60〜100℃での加熱を5〜20分間行なうことが好ましい。
また、塩基性溶液(第2塗液)を、インク受容層塗布液(第1塗液)を塗布すると同時に付与する場合、第1塗液及び第2塗液を、第1塗液が支持体と接触する様にして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることによりインク受容層を形成することができる。
同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーターを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を温度40〜150℃で0.5〜10分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、温度40〜100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれる。
同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコーターにより行った場合、同時に吐出される2種の塗布液は、エクストルージョンダイコーターの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前に重層された2層の塗布液は、支持体に移る際、既に2液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出される2液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。従って、上記の様に同時塗布する際は、第1塗液及び第2塗液の塗布と共に、バリアー層液(中間層液)を上記2液間に介在させて同時3重層塗布することが好ましい。
バリアー層液は、特に制限なく選択できる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。上記水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セルロース系樹脂(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。ここで、該バリアー層液には、前記媒染剤を含有させることもできる。
支持体上にインク受容層を形成した後、該インク受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性や光沢度、透明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。しかしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定して行なう必要がある。
カレンダー処理を行なう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
本発明におけるインク受容層の層厚としては、インクジェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量を持つ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、インク受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
インク受容層の細孔径は、メジアン径で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜0.025μmがより好ましい。空隙率及び細孔メジアン径は、(株)島津製作所製の水銀ポロシメーター「ボアサイザー9320−PC2」を用いて測定することができる。
本発明において形成されるインク受容層は、インク受容層の黄変防止の観点から、膜面pHが3〜6の範囲が好ましく、3〜5の範囲であることがより好ましい。
インク受容層の膜面pHを調整する方法としては、既知の酸(塩酸、酢酸、硝酸、等)、塩基(NaOH、アンモニア、等)やこれらの塩(炭酸アンモニウム、等)を塗布液に予め添加する方法、インク受容層形成後に逐次によりオーバーコートする方法、等がある。
また、本発明において、インク受容層の膜面pHの測定は、J.TAPPI 49で規定されている紙の表面pH測定法に従い、pH6.2〜7.2の純水を、インク受容層上に50μl滴下後、30〜40秒後に測定を行うことにより求めることができる。
インク受容層のインク吸収容量(空隙容量)としては、18〜40ml/cm2であることが好ましく、20〜30ml/cm2がより好ましい。
また、インク受容層は、透明性に優れていることが好ましいが、その目安としては、インク受容層を透明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。該ヘイズ値は、スガ試験機(株)製のヘイズメーター「HGM−2DP」を用いて測定することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、本実施例では、インクジェット記録用媒体の一例としてインクジェット記録用シートを作製するものとし、また、実施例中の「部」及び「%」は、特に指定しない限り質量基準を表すものとする。
〔実施例1〕
(支持体の作製)
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製 DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニールアルコール((株)クラレ製:KL−118)を1g/m2塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は166g/m2で抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙)を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ25g/m2となるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナジル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。続いて表面にコロナ処理し10質量%の酸化チタンを有する密度0.93g/m2のポリエチレンを24g/m2になるように溶融押出機を用いてコーティングした。
(インク受容層用塗布液A(第1液)の調製)
下記組成に示した、(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)「シャロールDC−902P」と、(4)「ZA−30」と、を混合しビーズミル(KD−P、(株)ジンマルエンタープライゼス製)を用いて分散させた後、分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後、これに下記(5)ホウ酸水溶液と、(6)ジメチルアミン・エピクロルヒドリン・ポリアルキレンポリアミン重縮合物と、(7)ポリビニルアルコール溶解液と、(8)「スーパーフレックス650」と、(9)エタノール水と、を30℃で加え、インク受容層用塗布液A(第1液)を調製した。
(1)気相法シリカ微粒子 100部
(AEROSlL300SF75、日本アエロジル(株)製)
(2)イオン交換水 555部
(3)「シャロールDC−902P」 8.7部
(分散剤、第一工業製薬(株)製、51.5%水溶液)
(4)酢酸ジルコニル 2.7部
(「ZA−30」、第一稀元素化学工業(株)製、50%水溶液)
(5)ホウ酸(架橋剤)水溶液(7.5%) 50部
(6)ジメチルアミン・エピクロルヒドリン・ポリアルキレンポリアミン重縮合物
(「SC−505」、ハイモ(株)、50%水溶液) 0.77部
(7)下記組成のポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液 290部
(8)「スーパーフレックス650」 25部
(カチオン変性ポリウレタン、第一工業製薬(株)製)
(9)エタノール水(エタノール含有量59%) 75部
−ポリビニルアルコール溶解液の組成−
・ポリビニルアルコール 20.3部
(「PVA235」、鹸化度88%、重合度3500、(株)クラレ製)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 6.0部
(「ブチセノール20P」、協和発酵(株)製)
・イオン交換水 263.7部
(塩基性溶液B(第2液)の調製)
下記に示した組成物を混合攪拌し、塩基性溶液Bを得た。
(1)ホウ酸 0.65部
(2)炭酸ジルコニルアンモニウム 2.5部
(ジルコソールAC−7(13%水溶液)、第一稀元素化学工業(株)製)
(3)炭酸アンモニウム(一級:関東化学(株)製) 4.0部
(4)イオン交換水 92.85部
(5)ポリオキシエチレンイソデシルエーテル 0.6部
(ノイゲンSD−70、第一工業製薬(株)製)
(インラインブレンド用多価金属塩水溶液Cの調製)
下記に示した組成物を混合攪拌し、インラインブレンド用多価金属塩水溶液Cを得た。
(1)アルファイン83 20.0部
(ポリ塩化アルミ:大明化学工業株式会社製)
(2)ノイゲンSD−60 4.4部
(ポリオキシエチレンイソデシルエーテル:第一工業製薬(株)製)
(3)イオン交換水 75.6部
(インクジェット記録用シートの作製)
前記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、173ml/m2の塗布量となるように流したインク受容層用塗布液A(第1液)に、インラインブレンド用多価金属塩水溶液Cを10.8ml/m2の速度でインラインミキシングしてインク受容層用塗布液A−2を調製し、塗布をおこなった。その後熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この間は恒率乾燥を示した。その後、減率乾燥を示す前に、前記塩基性溶液B(第2液)に3秒浸漬して前記塗布層上にその13g/m2を付着させ、更に80℃下で10分間乾燥させた(硬化工程)。これにより、乾燥膜厚32μmのインク受容層が設けられた実施例1のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例2〕
実施例1のインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−60をノイゲンSD−70(ポリオキシエチレンイソデシルエーテル:第一工業製薬(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例3〕
実施例2のインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−70 4.4部を0.88部とし、さらにインラインブレンド用多価金属塩水溶液Cの総量が100部となるようにイオン交換水の添加量を調整した以外は、実施例2と同様にして、実施例3のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例4〕
実施例2のインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−70 4.4部を1.75部とし、さらにインラインブレンド用多価金属塩水溶液Cの総量が100部となるようにイオン交換水の添加量を調整した以外は、実施例2と同様にして、実施例4のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例5〕
実施例1のインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−60をノイゲンSD−110(ポリオキシエチレンイソデシルエーテル:第一工業製薬(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例6〕
実施例1のインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−60をノイゲンXL−60(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル:第一工業製薬(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例7〕
実施例1のインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−60をノイゲンXL−100(ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル:第一工業製薬(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例8〕
実施例1のインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−60をノイゲンTDS−70(ポリオキシエチレントリデシルエーテル:第一工業製薬(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット記録用シートを作製した。
〔比較例1〕
実施例1の塩基性溶液B中のノイゲンSD−70、及びインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−60を、何れもエマルゲン109P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル:(株)花王製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録用シートを作製した。
〔比較例2〕
実施例1の塩基性溶液B中のノイゲンSD−70、及びインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−60を、何れもノイゲンSD−30(ポリオキシエチレンイソデシルエーテル:第一工業製薬(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録用シートを作製した。
〔比較例3〕
実施例1の塩基性溶液B中のノイゲンSD−70、及びインラインブレンド用多価金属塩水溶液C中のノイゲンSD−60を、何れもノイゲンET−106A(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル:第一工業製薬(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録用シートを作製した。
<評価>
前記実施例及び比較例において用いた界面活性剤、及びその塗布溶液について以下の評価を行った。評価結果とともに、用いた界面活性剤(水溶性、非水溶性)、各界面活性剤の曇点、HLB値、インク受容層用塗布液A−2中における微粒子と各界面活性剤との含有比を、下記表1及び2に示す。
[塗布液の評価]
各実施例及び比較例において調製したインク受容層用塗布液A−2の状態を、目視にて判断した。
[塗布液粘度]
インク受容層用塗布液A−2の粘度を下記方法によって測定した。
粘度計としてB型粘度計(RB80型粘度計、TOKI SANGYO社製)を用い、液の温度を30℃と設定して測定をおこなった。
[塗布面状の評価]
インク受容層用塗布液A−2を塗布して形成した塗布層の状態を目視にて判断し、下記基準によって評価した。
◎:目視で判別できる筋および凹み故障の発生がない。
○:目視で判別できる筋および直径0.3mm以上の凹み故障はない。
△:目視で容易に判別できる筋および直径1mm以上の凹み故障はないが、
直径1mm以下の直径のはじき故障が発生。
×:目視で容易に判別できる筋または直径1mm以上の凹み故障が発生。
Figure 0004606986
Figure 0004606986

Claims (11)

  1. 支持体上に、微粒子と、親水性バインダーと、界面活性剤と、水溶性のカチオン性ポリマーと、ラテックスと、を含有する塗布液を用いて形成されたインク受容層をしてなるインクジェット記録用媒体であって、
    前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルであり、且つ前記界面活性剤が下記(1)又は(2)を満たすことを特徴とするインクジェット記録用媒体。
    (1)水に対する可溶率が1質量%以上である場合、1質量%水溶液の曇点が30℃以 上であり且つHLB値が10.5以上である。
    (2)水に対する可溶率が1質量%未満である場合、水/ジエチレングリコールモノブ チルエーテル=75/25混合溶媒への10質量%溶液の曇点が30℃以上80℃ 以下であり且つHLB値が10.5以上15未満である。
  2. 前記界面活性剤がポリオキシエチレンデシルエーテル又はポリオキシエチレントリデシルエーテルあることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録用媒体。
  3. 前記微粒子が気相法シリカ又は気相法アルミナであり、且つ該微粒子の1次粒子径が1nm以上30nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用媒体。
  4. 前記インク受容層が、少なくとも1種の水溶性多価金属塩を含有することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
  5. 前記ラテックスが、体積平均粒子径0.1μm以下のカチオン変性ラテックスであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
  6. 前記ラテックスが、ポリスチレン系ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、アクリル酸系ラテックス、スチレン−アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス、メタクリル酸系ラテックス、塩化ビニル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、およびエチレン−酢酸ビニル系ラテックスより選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
  7. 前記ラテックスが、カチオン性ウレタン樹脂を含むコロイダルディスパージョンであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
  8. 前記水溶性のカチオン性ポリマーが、第1級〜第3級アミノ基およびその塩又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体を含んで重合された重合体であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
  9. 微粒子と、親水性バインダーと、界面活性剤と、水溶性のカチオン性ポリマーと、ラテックスと、を混合してなる塗布液を支持体上に塗布して塗布層を形成する工程を経て、請求項1〜の何れか一項に記載の記録用媒体を得るインクジェット記録用媒体の製造方法であって、
    前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルであり、且つ前記界面活性剤が下記(1)又は(2)を満たすことを特徴とするインクジェット記録用媒体の製造方法。
    (1)水に対する可溶率が1質量%以上である場合、1質量%水溶液の曇点が30℃以 上であり且つHLB値が10.5以上である。
    (2)水に対する可溶率が1質量%未満である場合、水/ジエチレングリコールモノブ チルエーテル=75/25混合溶媒への10質量%溶液の曇点が30℃以上80℃ 以下であり且つHLB値が10.5以上15未満である。
  10. 前記界面活性剤を溶解した水溶液(a)、並びに、前記微粒子と、カチオン性物質と、親水性バインダーと、を混合してなる微粒子分散液(b)を、インラインブレンドにて混合して塗布液を調製し、該塗布液を支持体上に塗布して塗布層を形成する工程を有することを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録用媒体の製造方法。
  11. 前記塗布層を架橋硬化させてインク受容層を形成する請求項又は10に記載のインクジェット記録用媒体の製造方法であって、
    前記架橋硬化が、前記塗布液及び/又は下記塩基性溶液に架橋剤を添加し、且つ前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、pHが7.1以上の塩基性溶液を前記塗布層に付与することにより行われることを特徴とするインクジェット記録用媒体の製造方法。
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