JP2013035226A - 画像記録方法、及びセット - Google Patents
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Abstract
【課題】 得られる画像の耐擦過性が高く、かつ、画像の光学濃度及び液体組成物の吐出安定性が両立した画像記録方法を提供すること。
【解決手段】 顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、液体組成物を前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体にインクジェット方式で付与する工程を有する画像記録方法であって、前記液体組成物が、一般式(1)
CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする画像記録方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、液体組成物を前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体にインクジェット方式で付与する工程を有する画像記録方法であって、前記液体組成物が、一般式(1)
CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする画像記録方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は画像記録方法、かかる画像記録方法に用いるセットに関する。
従来、画像記録方法において、画像の光学濃度を向上させることを目的に、顔料インクとインク中の顔料の分散状態を不安定化させる反応剤を含有する液体組成物を用いた2液反応システムが検討されている。2液反応システムとしては、具体的には、酸析反応システムやアニオン−カチオン反応システムが挙げられる。酸析反応システムは、インク中において樹脂分散剤の酸解離型のアニオン性基(例えば、−COO−)間の静電反発力によって安定に分散している顔料が、有機酸などの反応剤を含有する酸性の液体組成物と混合されると、樹脂分散剤のアニオン性基が酸型のアニオン性基(例えば、−COOH)となり静電反発力を失うことで顔料の分散状態が崩れ、顔料が凝集する2液反応システムである(特許文献1)。アニオン−カチオン反応システムは、液体組成物中のカチオン性化合物(又は、アニオン性化合物)がインク中のアニオン性化合物(又は、カチオン性化合物)とイオン反応することで顔料の分散状態が崩れ、顔料が凝集する2液反応システムである(特許文献2)。
また、2液反応システムにおいて、フッ素系界面活性剤を含有する液体組成物を用いた画像記録方法が開示されている(特許文献3〜5)。特許文献3には、反応剤を有する反応液の付与工程とは別に、フッ素系界面活性剤を含有する前処理液の付与工程を有する画像記録方法が開示されている。特許文献4には、反応剤である水溶性有機酸と共にノニオン性フッ素系界面活性剤を含有する前処理液を用いた画像記録方法が開示されている。特許文献5には、反応剤であるカチオン性フッ素系界面活性剤と高分子物質を含有する液体組成物を用いた画像記録方法が開示されている。
しかしながら、本発明者らの検討によると、従来の2液反応システムでは、高いレベルの画像の耐擦過性、画像の光学濃度、及び液体組成物の吐出安定性を両立することができなかった。したがって、本発明の目的は、得られる画像の耐擦過性が高く、かつ、画像の光学濃度及び液体組成物の吐出安定性が両立した2液反応システムの画像記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる画像記録方法は、顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、液体組成物を前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体にインクジェット方式で付与する工程を有し、前記液体組成物が、一般式(1):CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする。
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、得られる画像の耐擦過性が高く、かつ、画像の光学濃度及び液体組成物の吐出安定性が両立した画像記録方法を提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記画像記録方法に用いるセットを提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明の画像記録方法は、顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、液体組成物を前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体にインクジェット方式で付与する工程を有し、前記液体組成物が、一般式(1):CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする。
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする。
本発明者らは先ず、従来の2液反応システムにおいて、高いレベルの画像の耐擦過性、画像の光学濃度、及び液体組成物の吐出安定性を両立することができなかった原因を検討した。
特許文献1及び特許文献2に記載の2液反応システムでは、画像の光学濃度は改善されるが、高いレベルの画像の耐擦過性が得られなかった。これは、反応剤(有機酸や多価金属イオン)の反応性が強く、顔料の凝集反応が急激に起こるため、顔料層が均一に生成しにくいことが原因であると考えられる。その結果、顔料層表面に応力が加わった場合に、応力が均一に分散されず、画像が脆くなってしまう。
特許文献3及び特許文献4に記載の画像記録方法は何れも、反応剤として有機酸や多価金属イオンを用いており、上記の特許文献1や特許文献2と同様に、高いレベルの画像の耐擦過性が得られなかった。尚、特許文献3では、前処理液にフッ素系界面活性剤を0.8〜2.0質量%含有しているが、これは撥水層を形成する目的で添加されている。また、特許文献4では、前処理液にフッ素系界面活性剤を0.1〜0.2質量%含有しているが、これは前処理液の表面張力を下げる目的で添加されている。何れの場合も、フッ素系界面活性剤の含有量が少なく、反応剤としては働かない。
一方、反応剤としてカチオン性フッ素系界面活性剤を用いた特許文献5では、画像の光学濃度及び液体組成物の吐出安定性が十分に両立しなかった。これは、以下の理由によると考えられる。特許文献5において、カチオン性フッ素系界面活性剤は反応性が弱く、これを補う目的で高分子物質を含有している。本発明者らが検討したところ、高分子物質の含有量を多くすると画像の光学濃度が向上するが液体組成物の吐出安定性が低くなり、逆に、高分子物質の含有量を少なくすると液体組成物の吐出安定性が向上するが画像の光学濃度が低くなってしまうことが分かった。つまり、特許文献5において、画像の光学濃度及び液体組成物の吐出安定性は、互いにトレードオフの関係にあり、両立することができない。
上述の通り、特許文献1〜4の場合において、高いレベルの画像の耐擦過性が得られなかった原因は、用いる反応剤の反応性の強さが原因であると考えられる。したがって、本発明者らは先ず、高いレベルの画像の耐擦過性を得るには、「反応性が強すぎない反応剤を用いる」ことが必要であるとの結論に達した。即ち、反応性が強い反応剤である有機酸や多価金属イオン以外の反応剤を用いる必要がある。一方、画像の光学濃度と液体組成物の吐出安定性を両立するには、高分子物質のような補助剤を用いずとも反応剤が十分な反応性を有し、更に、反応剤自身も液体組成物への溶解性が高いことが求められる。これらの知見に基づき、本発明者らが種々の化合物について検討を行った結果、本発明の構成により、上記本発明の効果を達成できることを見出した。これを以下に詳細に説明する。
本発明の画像記録方法に用いる、一般式(1)で表される化合物は、一方にエチレンオキサイド構造(CH2CH2O)を有し、他方にパーフルオロアルキル構造(CmF2m+1)を有するノニオン性フッ素系界面活性剤である。エチレンオキサイド構造は親水性が非常に高いため、一般式(1)で表される化合物自体が水に溶解しやすい。一方、パーフルオロアルキル構造は「疎水性でもあり疎油性でもある」という特殊な性質を有する。
本発明者らが検討したところ、一般式(1)で表される化合物を2.0質量%より大きく10.0質量%以下の質量比率で含有する液体組成物を、顔料を含有するインクと少なくとも一部で重なるように記録媒体に付与すると、顔料の凝集反応が起き、光学濃度及び耐擦過性の高い画像が得られることが分かった。これは、以下のメカニズムによると推測される。
インクと液体組成物が接触した際に、一般式(1)で表される化合物のパーフルオロアルキル構造は顔料粒子表面に吸着する。更に、顔料に吸着した一般式(1)で表される化合物同士は、「疎水性でもあり疎油性でもある」という特殊な性質を有するパーフルオロアルキル構造において相互作用し、会合しやすい。その結果、顔料粒子も表面に吸着した一般式(1)で表される化合物に引っ張られ、凝集する。この凝集反応は、記録媒体の表面近傍で起こるため画像の光学濃度が高くなる。また、この顔料の凝集反応は、比較的緩やかなスピードで起こるため、得られる顔料層が均一となり、画像の耐擦過性も向上するのである。また、上述の通り、一般式(1)で表される化合物は水性媒体に溶解しやすいため、液体組成物の吐出安定性も高い。このとき、一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、2.0質量%より小さい場合は、反応剤としての量が少なく、上記の顔料の凝集反応が起きにくく、光学濃度及び耐擦過性の高い画像が得られない。また、10.0質量%より大きい場合は、一般式(1)で表される化合物の一部が析出してしまい、液体組成物の吐出安定性が低い。また、一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として4.0質量%以上7.0質量%以下であることがより好ましい。
一般式(1)のm、n、及びn/mの条件は、上記本発明の効果を達成するために本発明者らが種々の検討をした結果、得られたものである。したがって、一般式(1)と同じ構造の化合物であっても、上記m、n、及びn/mの条件を満たさないものは本発明の効果が得られない。具体的には、一般式(1)において、mが6より大きいと、パーフルオロアルキル構造が長くなるためパーフルオロアルキル構造同士の相互作用が強くなり、インクと接触した際に、パーフルオロアルキル構造が顔料表面に吸着しにくい。その結果、顔料の凝集反応が弱く、光学濃度及び耐擦過性の高い画像が得られない。また、一般式(1)において、nが2より小さい場合及びn/mが1.0より小さい場合は、一般式(1)で表される化合物の親水性が低く、液体組成物の吐出安定性が低い。mが2より小さい場合、nが6より大きい場合、及びn/mが2.0より大きい場合は、一般式(1)で表される化合物の親水性が高く、液体組成物が記録媒体に付与された際に一般式(1)で表される化合物が水性媒体と共に記録媒体内部に浸透しやすい。その結果、記録媒体表面で顔料の凝集反応が起きにくいため、光学濃度及び耐擦過性の高い画像が得られない。
以上のメカニズムのように、本発明の各構成が相乗的に働くことで、従来公知の画像記録方法では両立することができなかった本発明の効果を達成することが可能となるものである。
[画像記録方法]
本発明の画像記録方法は、顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、液体組成物を前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体にインクジェット方式で付与する工程を有する画像記録方法であって、前記液体組成物が、一般式(1)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下である。本発明における「記録」とは、浸透性の記録媒体に対してインク及び液体組成物を用いて記録する態様、ガラス、プラスチック、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対してインク及び液体組成物を用いてプリントを行う態様を含む。浸透性の記録媒体としては、普通紙や光沢紙が挙げられる。本発明において、液体組成物及びインクの記録媒体への付与手段は、記録信号に応じて、インクジェット方式により記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させて記録媒体に記録を行う画像記録方法である。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式の画像記録方法がより好ましい。
本発明の画像記録方法は、顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、液体組成物を前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体にインクジェット方式で付与する工程を有する画像記録方法であって、前記液体組成物が、一般式(1)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下である。本発明における「記録」とは、浸透性の記録媒体に対してインク及び液体組成物を用いて記録する態様、ガラス、プラスチック、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対してインク及び液体組成物を用いてプリントを行う態様を含む。浸透性の記録媒体としては、普通紙や光沢紙が挙げられる。本発明において、液体組成物及びインクの記録媒体への付与手段は、記録信号に応じて、インクジェット方式により記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させて記録媒体に記録を行う画像記録方法である。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式の画像記録方法がより好ましい。
また、本発明の画像記録方法は、インクを記録媒体に付与する工程(A)と、液体組成物をインクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように記録媒体にインクジェット方式で付与する工程(B)の2つの工程を有する。工程(A)の後に工程(B)を行っても、工程(B)の後に工程(A)を行っても構わない。また、同じ工程を2回以上行うような場合、例えば、工程(A)→工程(B)→工程(A)や、工程(B)→工程(A)→工程(B)でも構わない。特に、工程(B)の後に工程(A)を行う過程を含むことが画像の耐擦過性及び光学濃度の向上効果が大きく、より好ましい。以下、本発明の画像記録方法に用いる液体組成物及びインクについて説明する。
<液体組成物>
本発明の画像記録方法に使用する液体組成物は、一般式(1)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下である。
本発明の画像記録方法に使用する液体組成物は、一般式(1)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下である。
本発明の画像記録方法は、上述の通り、ノニオン性の界面活性剤である一般式(1)で表される化合物が反応剤として働く2液反応システムであるため、用いる液体組成物の液性(酸性・中性・アルカリ性)は問わない。液体組成物と接する部材との接液性などの観点から、液体組成物の25℃におけるpHは6.0以上9.0以下であることが好ましい。液体組成物のpHが上記の好ましい範囲を外れると、液体組成物と接する部材の金属部分などが溶解する、即ち、液体組成物と接する部材との接液性が低くなる場合がある。更に、金属が溶出した液体組成物のミストなどが、インクの吐出口付近でインクと混合することで金属が析出し、この析出した金属の影響でインクの吐出安定性が低下するなどの課題が生じる場合がある。
また、本発明の画像記録方法に用いる液体組成物は、インクで記録した画像に影響を及ぼさないために、無色、乳白色、又は白色であることが好ましい。そのため、可視光の波長域である400nm乃至800nmの波長域における最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)が1.0以上2.0以下であることが好ましい。これは、可視光の波長域において、吸光度のピークを実質的に有さないか、有していてもピークの強度が極めて小さいことを意味する。更に、本発明において、液体組成物は色材を含有しないことが好ましい。後述する本発明の実施例では、上記の吸光度は、非希釈の液体組成物を用いて、日立ダブルビーム分光光度計U−2900(日立ハイテクノロジーズ製)によって測定した。尚、このとき、液体組成物を希釈して吸光度を測定してもよい。これは、液体組成物の最大吸光度と最小吸光度の値は共に希釈倍率に比例するため、最大吸光度と最小吸光度の比(最大吸光度/最小吸光度)の値は希釈倍率に依存しないからである。以下、本発明の画像記録方法に使用する液体組成物を構成する各成分について、それぞれ説明する。
(一般式(1)で表される化合物)
本発明に用いる液体組成物は、一般式(1):CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物を含有する。更に、一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下である。
本発明に用いる液体組成物は、一般式(1):CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物を含有する。更に、一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下である。
本発明において、一般式(1)で表される化合物は、上記の構造を満たすものであれば、何れのものも液体組成物に使用することができる。尚、本発明において、一般式(1)で表される化合物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いてもよい。また、一般式(1)で表される化合物で、市販されているものとしては、以下のものが挙げられる。例えば、メガファックF−444(DIC製)、Novec FC−4430(住友3M製)、PolyFox PF−159(OMNOVA製)などが挙げられる。
(水性媒体)
本発明に用いる液体組成物は、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。液体組成物中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。更には、3.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、インクに一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。液体組成物中の水の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。尚、25℃における液体組成物の粘度は1cps以上10cps以下であることが好ましく、例えば水性媒体の構成や含有量によって調整することができる。
本発明に用いる液体組成物は、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する。液体組成物中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。更には、3.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、インクに一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。液体組成物中の水の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。尚、25℃における液体組成物の粘度は1cps以上10cps以下であることが好ましく、例えば水性媒体の構成や含有量によって調整することができる。
(その他の成分)
本発明に用いる液体組成物は、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明に用いる液体組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
本発明に用いる液体組成物は、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明に用いる液体組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。
<インク>
本発明の画像記録方法に使用するインクは、顔料を含有する。以下、本発明の画像記録方法に使用するインクを構成する各成分について、それぞれ説明する。
本発明の画像記録方法に使用するインクは、顔料を含有する。以下、本発明の画像記録方法に使用するインクを構成する各成分について、それぞれ説明する。
(顔料)
本発明に用いるインクには、公知の無機顔料や有機顔料を何れも使用することができる。顔料の分散方法としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散剤を使用した樹脂分散顔料、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、顔料粒子の表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合型自己分散顔料)や、顔料粒子の表面に親水性基が直接又は他の原子団を介して結合した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)が挙げられる。無論、分散方法の異なる顔料を併用することも可能である。顔料の含有量としては、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下が適しており、更には1.0質量%以上15.0質量%以下とするのがより好ましい。
本発明に用いるインクには、公知の無機顔料や有機顔料を何れも使用することができる。顔料の分散方法としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散剤を使用した樹脂分散顔料、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、顔料粒子の表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合型自己分散顔料)や、顔料粒子の表面に親水性基が直接又は他の原子団を介して結合した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)が挙げられる。無論、分散方法の異なる顔料を併用することも可能である。顔料の含有量としては、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下が適しており、更には1.0質量%以上15.0質量%以下とするのがより好ましい。
<水性媒体及びその他の成分>
インクには、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。更には、3.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、液体組成物に使用可能なものとして挙げた水溶性有機溶剤と同様のものを使用することができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インクには、上記の液体組成物に使用可能なものとして挙げたその他の成分と同様のものを使用することができる。
インクには、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。更には、3.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、液体組成物に使用可能なものとして挙げた水溶性有機溶剤と同様のものを使用することができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インクには、上記の液体組成物に使用可能なものとして挙げたその他の成分と同様のものを使用することができる。
[セット]
本発明のセットは、顔料を含有するインク及び液体組成物を有し、前記液体組成物が、一般式(1):CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする。尚、セットとして組み合わせることのできる顔料を含有するインクについての限定は特になく、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクなどを用いることができる。
本発明のセットは、顔料を含有するインク及び液体組成物を有し、前記液体組成物が、一般式(1):CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)で表される化合物及び水性媒体を含有し、前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする。尚、セットとして組み合わせることのできる顔料を含有するインクについての限定は特になく、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクなどを用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[液体組成物の調製]
<液体組成物1〜18の調製>
ノニオン性フッ素系界面活性剤及び水性媒体を下記の組成で混合した。尚、イオン交換水の残部は、液体組成物を構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・ノニオン性フッ素系界面活性剤 表1参照
・グリセリン 5.0質量%
・2−ピロリドン 5.0質量%
・イオン交換水 残部
これを十分撹拌して分散し、孔径が4.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)でろ過し、液体組成物を調製した。更に、水酸化カリウム水溶液(濃度:1mol/L)又はクエン酸水溶液(濃度:1mol/L)を適宜加えることで、表1に記載のpHとなるように調製した。尚、液体組成物のpHの測定は、pHメータ F−21(堀場製作所製)を用い、25℃で行った。
<液体組成物1〜18の調製>
ノニオン性フッ素系界面活性剤及び水性媒体を下記の組成で混合した。尚、イオン交換水の残部は、液体組成物を構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・ノニオン性フッ素系界面活性剤 表1参照
・グリセリン 5.0質量%
・2−ピロリドン 5.0質量%
・イオン交換水 残部
これを十分撹拌して分散し、孔径が4.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)でろ過し、液体組成物を調製した。更に、水酸化カリウム水溶液(濃度:1mol/L)又はクエン酸水溶液(濃度:1mol/L)を適宜加えることで、表1に記載のpHとなるように調製した。尚、液体組成物のpHの測定は、pHメータ F−21(堀場製作所製)を用い、25℃で行った。
<液体組成物19の調製>
上記液体組成物1〜18の調製において、ノニオン性フッ素系界面活性剤を、ノニオン性界面活性剤であるアセチレノールE100(川研ファインケミカル製)5.0質量%にかえた以外は同様にして液体組成物19を調製した。
上記液体組成物1〜18の調製において、ノニオン性フッ素系界面活性剤を、ノニオン性界面活性剤であるアセチレノールE100(川研ファインケミカル製)5.0質量%にかえた以外は同様にして液体組成物19を調製した。
尚、上記で得られた全ての液体組成物について、400nm乃至800nmの波長域における最大吸光度Amaxと最小吸光度Aminを日立ダブルビーム分光光度計U−2900によって測定し、比Amax/Aminを算出したところ何れの液体組成物も1.0以上2.0以下であった。
[インクの調製]
以下の手順に従って、インクを調製した。
以下の手順に従って、インクを調製した。
<顔料分散体の調製>
(顔料分散体Aの調製)
カーボンブラックの表面にカルボキシルフェニル基(pKa:4.2)が結合した自己分散カーボンブラック顔料であるCab−O−Jet300(Cabot製)を顔料分散体A(顔料の含有量は15.0質量%)として用いた。
(顔料分散体Aの調製)
カーボンブラックの表面にカルボキシルフェニル基(pKa:4.2)が結合した自己分散カーボンブラック顔料であるCab−O−Jet300(Cabot製)を顔料分散体A(顔料の含有量は15.0質量%)として用いた。
(顔料分散体Bの調製)
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却装置、温度計を備えたフラスコにメチルエチルケトンを100.0部加え、次いでスチレン40.0部、アクリル酸n−ブチル30.0部、アクリル酸(pKa:4.3)30.0部を加えた後、撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。その後、V−59(和光純薬製;2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))を5.0部加え6時間撹拌した。更に、V−59を1部加え4時間反応させて樹脂を合成した。得られた樹脂の酸価は230mgKOH/gであった。得られた樹脂のアニオン性基の中和率がモル基準で75%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にてメチルエチルケトンを除去し、水を加えて樹脂分散剤水溶液(樹脂の含有量は25.0質量%)を得た。
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却装置、温度計を備えたフラスコにメチルエチルケトンを100.0部加え、次いでスチレン40.0部、アクリル酸n−ブチル30.0部、アクリル酸(pKa:4.3)30.0部を加えた後、撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。その後、V−59(和光純薬製;2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))を5.0部加え6時間撹拌した。更に、V−59を1部加え4時間反応させて樹脂を合成した。得られた樹脂の酸価は230mgKOH/gであった。得られた樹脂のアニオン性基の中和率がモル基準で75%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にてメチルエチルケトンを除去し、水を加えて樹脂分散剤水溶液(樹脂の含有量は25.0質量%)を得た。
次に、カーボンブラック(NIPex 180 IQ;Degussa製)15.0部、上記で得た樹脂分散剤水溶液20.0部、2−ピロリドン10.0部、イオン交換水55.0部を混合し、クレアミックス(エムテクニック製)を使用して30分間プレミキシングを行った後、超高圧ホモジナイザーNM2−L200AR(吉田機械興業製)を用い分散処理(処理圧:150MPa、20パス処理)を行って顔料分散体B(顔料の含有量は15.0質量%、樹脂の含有量は20.0質量%)を得た。
<インクの調製>
(インク1の調製)
上記で得られた顔料分散体Aを下記の組成で混合した。
・顔料分散体A(顔料の含有量は15.0質量%) 15.0質量%
・グリセリン 5.0質量%
・2−ピロリドン 5.0質量%
・ポリエチレングリコール(数平均分子量:600) 5.0質量%
・イオン交換水 70.0質量%
これを十分撹拌して分散し、孔径が1.2μmのミクロフィルター(富士フイルム製)でろ過し、インクを調製した。
(インク1の調製)
上記で得られた顔料分散体Aを下記の組成で混合した。
・顔料分散体A(顔料の含有量は15.0質量%) 15.0質量%
・グリセリン 5.0質量%
・2−ピロリドン 5.0質量%
・ポリエチレングリコール(数平均分子量:600) 5.0質量%
・イオン交換水 70.0質量%
これを十分撹拌して分散し、孔径が1.2μmのミクロフィルター(富士フイルム製)でろ過し、インクを調製した。
(インク2の調製)
顔料分散体Aの代わりに顔料分散体Bを用いた以外はインク1と同様にしてインク2を調製した。
顔料分散体Aの代わりに顔料分散体Bを用いた以外はインク1と同様にしてインク2を調製した。
[評価]
本発明においては下記の各評価項目の評価基準において、A及びBが好ましいレベルとし、Cは許容できないレベルとした。また、下記の各評価はインクジェット記録装置PIXUS Pro9500(キヤノン製)を用いて行った。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:55%とした。また、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に4pLのインクを4滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。
本発明においては下記の各評価項目の評価基準において、A及びBが好ましいレベルとし、Cは許容できないレベルとした。また、下記の各評価はインクジェット記録装置PIXUS Pro9500(キヤノン製)を用いて行った。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:55%とした。また、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に4pLのインクを4滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。
(液体組成物の吐出安定性)
上記で得られた液体組成物をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記インクジェット記録装置のフォトマゼンタの位置に装着した。そして、PPC用紙GF−500(キヤノン製)に対し、20cm×20cmのベタ画像(記録デューティが100%の画像)を100枚記録した。その後、OHPフィルムCF−102(キヤノン製)に対して、上記インクジェット記録装置のノズルチェックパターンを記録した。得られたノズルチェックパターンを目視で確認し、液体組成物の吐出安定性を評価した。尚、上記で得られた液体組成物は全て無色であるが、OHPフィルム上に記録した場合は、屈折率の違いから記録領域を目視で確認することができた。液体組成物の吐出安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。
A:チェックパターンに乱れがなく正常に記録できた
B:チェックパターンの一部に若干の乱れがあった
C:チェックパターンの全体にわたって乱れがあった。
上記で得られた液体組成物をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記インクジェット記録装置のフォトマゼンタの位置に装着した。そして、PPC用紙GF−500(キヤノン製)に対し、20cm×20cmのベタ画像(記録デューティが100%の画像)を100枚記録した。その後、OHPフィルムCF−102(キヤノン製)に対して、上記インクジェット記録装置のノズルチェックパターンを記録した。得られたノズルチェックパターンを目視で確認し、液体組成物の吐出安定性を評価した。尚、上記で得られた液体組成物は全て無色であるが、OHPフィルム上に記録した場合は、屈折率の違いから記録領域を目視で確認することができた。液体組成物の吐出安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。
A:チェックパターンに乱れがなく正常に記録できた
B:チェックパターンの一部に若干の乱れがあった
C:チェックパターンの全体にわたって乱れがあった。
(画像の光学濃度)
上記で得られたインクと液体組成物を、それぞれ液体カートリッジに充填し、表2に示す組合せでセットとし、上記インクジェット記録装置に装着した。このとき、シアンの位置にインクを、フォトマゼンタの位置に液体組成物を装着した。そして、キヤノン写真用紙・光沢ゴールド GL−101(キヤノン製)に対して、液体組成物を記録媒体に付与し、その後、インクを記録媒体の前記液体組成物を付与した領域に重ねて付与することで、インクの記録デューティが50%及び液体組成物の記録デューティが55%の画像を作成した。得られた画像について、光学濃度を反射濃度計(RD−19I;Gretag Macbeth製)を用いて測定した。画像の光学濃度の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。
A:画像の光学濃度が0.65以上であった
B:画像の光学濃度が0.6以上0.65未満であった
C:画像の光学濃度が0.6未満であった。
上記で得られたインクと液体組成物を、それぞれ液体カートリッジに充填し、表2に示す組合せでセットとし、上記インクジェット記録装置に装着した。このとき、シアンの位置にインクを、フォトマゼンタの位置に液体組成物を装着した。そして、キヤノン写真用紙・光沢ゴールド GL−101(キヤノン製)に対して、液体組成物を記録媒体に付与し、その後、インクを記録媒体の前記液体組成物を付与した領域に重ねて付与することで、インクの記録デューティが50%及び液体組成物の記録デューティが55%の画像を作成した。得られた画像について、光学濃度を反射濃度計(RD−19I;Gretag Macbeth製)を用いて測定した。画像の光学濃度の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。
A:画像の光学濃度が0.65以上であった
B:画像の光学濃度が0.6以上0.65未満であった
C:画像の光学濃度が0.6未満であった。
(画像の耐擦過性)
上記(画像の光学濃度)の評価において得た画像の耐擦過性の評価を、JIS L 0849に準拠して以下の通り行った。具体的には、学振形染色摩擦堅ろう度試験機(安田機械製作所製)の曲面上に画像を配置し、摩擦子に画像を作成するのに使用したものと同種の記録媒体を固定した。そして、固定した記録媒体を1.96Nの荷重で、10回往復摩擦する擦過試験を行った。5回往復摩擦した後の画像、及び、10回往復摩擦した後の画像をそれぞれ目視で確認することで、画像の耐擦過性の評価を行った。画像の耐擦過性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
A:10回往復摩擦した後でも、傷がほとんど見られなかった
B:5回往復摩擦した後では、傷がほとんど見られなかったが、10回往復摩擦した後で、わずかな傷が見られた
C:5回往復摩擦した後でも、明らかな傷が見られた。
上記(画像の光学濃度)の評価において得た画像の耐擦過性の評価を、JIS L 0849に準拠して以下の通り行った。具体的には、学振形染色摩擦堅ろう度試験機(安田機械製作所製)の曲面上に画像を配置し、摩擦子に画像を作成するのに使用したものと同種の記録媒体を固定した。そして、固定した記録媒体を1.96Nの荷重で、10回往復摩擦する擦過試験を行った。5回往復摩擦した後の画像、及び、10回往復摩擦した後の画像をそれぞれ目視で確認することで、画像の耐擦過性の評価を行った。画像の耐擦過性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
A:10回往復摩擦した後でも、傷がほとんど見られなかった
B:5回往復摩擦した後では、傷がほとんど見られなかったが、10回往復摩擦した後で、わずかな傷が見られた
C:5回往復摩擦した後でも、明らかな傷が見られた。
実施例6及び実施例9では、液体組成物のpHが酸性又は塩基性であるため、液体組成物と接する部材との接液性が他の実施例と比較して低かった。
<比較例9>
特開2009−226599号公報に記載の、実施例1のブラックの自己分散顔料を含有する黒顔料インクK及びフッ素系界面活性剤であるフタージェントFTX−730FL(ネオス製)を2.0質量%含有する前処理液3と同様にして、インク3及び液体組成物20をそれぞれ調製した。得られたインク3及び液体組成物20をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記と同様の評価を行った。評価結果を表3に示した。
特開2009−226599号公報に記載の、実施例1のブラックの自己分散顔料を含有する黒顔料インクK及びフッ素系界面活性剤であるフタージェントFTX−730FL(ネオス製)を2.0質量%含有する前処理液3と同様にして、インク3及び液体組成物20をそれぞれ調製した。得られたインク3及び液体組成物20をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記と同様の評価を行った。評価結果を表3に示した。
<比較例10>
特開2009−166387号公報に記載の、ブラックの自己分散顔料を含有する調整例12のインク及びフッ素系界面活性剤であるゾニールFS−300(デュポン製)を0.1質量%含有する調整例21の前処理液と同様にして、インク4及び液体組成物21をそれぞれ調製した。得られたインク4及び液体組成物21をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記と同様の評価を行った。評価結果を表3に示した。
特開2009−166387号公報に記載の、ブラックの自己分散顔料を含有する調整例12のインク及びフッ素系界面活性剤であるゾニールFS−300(デュポン製)を0.1質量%含有する調整例21の前処理液と同様にして、インク4及び液体組成物21をそれぞれ調製した。得られたインク4及び液体組成物21をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記と同様の評価を行った。評価結果を表3に示した。
<比較例11>
特開平8−267902号公報に記載の、ブラックの樹脂分散顔料を含有するインクI2及びカチオン性フッ素系界面活性剤と高分子物質(ポリビニルピロリドン)を含有する液体組成物A2と同様にして、インク5及び液体組成物22をそれぞれ調製した。得られたインク5及び液体組成物22をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記と同様の評価を行った。評価結果を表3に示した。
特開平8−267902号公報に記載の、ブラックの樹脂分散顔料を含有するインクI2及びカチオン性フッ素系界面活性剤と高分子物質(ポリビニルピロリドン)を含有する液体組成物A2と同様にして、インク5及び液体組成物22をそれぞれ調製した。得られたインク5及び液体組成物22をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記と同様の評価を行った。評価結果を表3に示した。
Claims (4)
- 顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、液体組成物を前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体にインクジェット方式で付与する工程を有する画像記録方法であって、
前記液体組成物が、下記一般式(1)で表される化合物及び水性媒体を含有し、
前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とする画像記録方法。
一般式(1)
CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。) - 前記液体組成物の25℃におけるpHが、6.0以上9.0以下である請求項1に記載の画像記録方法。
- 前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として4.0質量%以上7.0質量%以下である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
- 顔料を含有するインク及び液体組成物を有するセットであって、
前記液体組成物が、下記一般式(1)で表される化合物及び水性媒体を含有し、
前記液体組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、液体組成物全質量を基準として2.0質量%より大きく10.0質量%以下であることを特徴とするセット。
一般式(1)
CmF2m+1−(CH2CH2O)n−H
(一般式(1)中、mは2以上6以下、nは2以上6以下、n/mは1.0以上2.0以下である。)
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---|---|---|---|
JP2011173925A JP2013035226A (ja) | 2011-08-09 | 2011-08-09 | 画像記録方法、及びセット |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2015172124A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-10-01 | 株式会社リコー | オーバーコート液、インクセット、画像形成方法及び画像形成装置 |
JP2015193111A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | キヤノン株式会社 | 画像記録方法および画像記録方法用の反応液 |
US10000647B2 (en) | 2014-09-09 | 2018-06-19 | Dic Corporation | Aqueous pigment dispersion and aqueous ink |
-
2011
- 2011-08-09 JP JP2011173925A patent/JP2013035226A/ja not_active Withdrawn
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