JP2016145335A - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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栄一 中田
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Abstract

【課題】クリアインクと、顔料インクとを併用する場合に、写像性及び耐ブロンズ性に優れているとともに、干渉ムラが抑制された画像を記録することが可能なインクセットを提供する。【解決手段】色材を含有しない第1インク及び色材を含有する第2インクの組み合わせを有する水性のインクセットである。第1インクが、樹脂粒子、水溶性樹脂、及びHLB値が5以上14以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物を含有し、第2インクが、水溶性ウレタン樹脂を含有するとともに、色材が顔料であり、第2インク中の水溶性ウレタン樹脂の酸価N1(mgKOH/g)が、第1インク中の水溶性樹脂の酸価N2(mgKOH/g)よりも60mgKOH/g以上低く、第2インク中の水溶性ウレタン樹脂の含有量U(質量%)が、顔料の含有量P(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、及びそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法に用いるインクとして、耐ガス性や耐光性などの堅牢性が向上した画像を記録すべく、顔料を色材として含有するインク(顔料インク)が広く使用されるようになっている。しかし、顔料が粒子であることに起因し、顔料インクを用いて表面に光沢を有する記録媒体(いわゆる光沢紙類)に記録した画像は、水性媒体中に染料が溶解している染料インクで記録した画像と比べて写像性が不十分であるという課題がある。「写像性」は、画像表面に映った像の鮮鋭度を示す特性の一つである。例えば、写像性が低い場合には像がぼやけて見え、写像性が高い場合には像がくっきり見える。写像性は、例えばヘイズ値によって評価することができる。具体的には、ヘイズ値が低いことは写像性が高いことを意味する。
また、顔料インクで記録された画像においては、入射光とは異なる色の光が反射されるという、いわゆるブロンズ現象が発生するといった課題もある。例えば、フタロシアニンを含有するシアンインクで記録した画像では赤味のブロンズ現象が見られる。また、カーボンブラックを含有するインクで記録した画像では黄味のブロンズ現象が見られる。
これらの課題を解決すべく、これまでに様々な試みがなされてきた。例えば、顔料インクで記録した画像の光沢性を向上させ、ブロンズ現象を抑制するために、水溶性樹脂を含有するクリアインクを有するインクセットが提案されている(特許文献1)。また、ウレタン樹脂を含有するクリアインクを有する、顔料インクで記録した画像の耐擦過性や光沢性を改善するインクセットが提案されている(特許文献2及び3)。
特開2009−197211号公報 特開2013−064082号公報 特表2010−520324号公報
本発明者らは、前述した特許文献に記載された従来のクリアインクを使用し、顔料インクで記録した画像の写像性及び耐ブロンズ性に関して検討した。その結果、いずれのクリアインクを用いた場合においても、画像の写像性及び耐ブロンズ性の効果を高いレベルで得ることはできないことがわかった。さらに、上記の検討のなかで、従来のクリアインクを用いた場合に共通に生ずる新たな課題を発見した。具体的には、顔料インクで記録した画像上にクリアインクを付与すると、画像の一部でブロンズ現象とは異なる反射光の色付きや、光沢感が変化して「ムラ」が生ずるといった課題を見出した。この「ムラ」は、画像を構成する「顔料層」の表面と、この「顔料層」の上に形成される、クリアインク中の樹脂粒子で形成される「樹脂層」の表面と、で光が反射して、2種類の反射光が生じ、これらの反射光が「干渉現象」を引き起こすことに起因する。以下、上記の「干渉現象」により発生するムラを「干渉ムラ」と言う。
従来のクリアインクを用いることで発生する「干渉ムラ」の課題は、特許文献1〜3においては認識されていなかった。すなわち、上記の「干渉ムラ」は、従来考慮されていなかった新しい課題である。そして、特許文献1及び2で提案されたインクセットを用いた場合には、ブロンズ現象の抑制効果がやや認められたが、画像の写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果を得ることはできなかった。また、特許文献3で提案されたインクセットを用いた場合には、画像の写像性の向上効果及びブロンズ現象の抑制効果がやや認められたが、干渉ムラの抑制効果を得ることはできなかった。
したがって、本発明の目的は、クリアインクと、顔料インクとを併用する場合に、写像性及び耐ブロンズ性に優れているとともに、干渉ムラが抑制された画像を記録することが可能なインクセットを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材を含有しない第1インク及び色材を含有する第2インクの組み合わせを有する水性のインクセットであって、前記第1インクが、樹脂粒子、水溶性樹脂、及びHLB値が5以上14以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物を含有し、前記第2インクが、水溶性ウレタン樹脂を含有するとともに、前記色材が顔料であり、前記第2インク中の前記水溶性ウレタン樹脂の酸価N1(mgKOH/g)が、前記第1インク中の前記水溶性樹脂の酸価N2(mgKOH/g)よりも60mgKOH/g以上低く、前記第2インク中の前記水溶性ウレタン樹脂の含有量U(質量%)が、前記顔料の含有量P(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上であることを特徴とするインクセットが提供される。
本発明によれば、クリアインクと、顔料インクとを併用する場合に、写像性及び耐ブロンズ性に優れているとともに、干渉ムラが抑制された画像を記録することが可能なインクセットを提供することができる。また、本発明によれば、このインクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
干渉現象を説明する模式図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。また、水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。本発明における各種の物性値は、特に断りのない限り25℃における値である。
写像性に優れ、かつ、ブロンズ抑制効果の高い画像を記録するには、クリアインク中の樹脂を顔料層の表面に残存させると同時に、クリアインクで形成される樹脂層の表面が高い平滑性を示すことが必要である。しかし、この思想に基づき設計された従来のクリアインクを用いた場合には、画像の光沢性や耐ブロンズ性を高めることはできても、前述した「干渉ムラ」が顕著に引き起こされることがわかった。
従来のクリアインクを用いて記録した画像の表面を観察したところ、クリアインクのドットの重なりが多い箇所と少ない箇所の間で顕著な干渉ムラが発生していることがわかった。また、クリアインクと顔料インクにより記録した画像の断面を観察した。その結果、顔料インクで形成された「顔料層」の上に、クリアインク中の樹脂粒子で形成されたクリアインクの「樹脂層」が形成されており、顔料層と樹脂層が明確に分かれた層構成となっていた。
本発明者らは、従来のクリアインク及び顔料インクを用いる場合に、「干渉ムラ」が生ずる原因について検討した。図1は、干渉現象を説明する模式図である。図1に示すように、顔料層60及びこの顔料層60上に形成された樹脂層70を有する画像が記録された記録媒体50に光(入射光100)が入射した場合を想定する。画像の写像性が高いと、画像の最表面(樹脂層70の表面)において一部の入射光100が反射され、反射光1が生ずる。一方、顔料層60と樹脂層70の間に明確な界面が形成されていると、樹脂層70を透過した入射光100はこの界面でも反射され、反射光2が生ずる。その結果、反射光1と反射光2が薄膜干渉を起こし、ブロンズ現象とは異なった反射光の色付きが起こる。この干渉光の色味は樹脂層の厚みdに依存するため、クリアインクのドットの重なりが多い箇所と少ない箇所の間でドット厚みが変化すると干渉光の色味が変わることになり、「干渉ムラ」として顕著に認識されると考えられる。
本発明者らは、反射光1及び反射光2の少なくともいずれかの発生を抑制すれば、干渉ムラの発生を抑制できると考え、さらなる検討を行った。しかし、樹脂層70表面の平滑性を落として反射光1の発生を抑制すると、干渉ムラの発生は抑制されるが、画像の写像性が低下することがわかった。そこで、本発明者らは、顔料層60と樹脂層70の界面の形成を抑制する、すなわち界面を曖昧にすることができれば、反射光2の発生を抑制することができると考えた。さらに、水溶性樹脂を含有するクリアインクを顔料層60上に付与した際に、クリアインク中の水溶性樹脂の一部を顔料層60の内部に浸透させることができれば、顔料層60と樹脂層70の界面が曖昧になると予測した。しかし、この方法では干渉ムラの発生が僅かに抑制されるに留まることがわかった。さらに、クリアインク中の水溶性樹脂が顔料層60に浸透したことにより、顔料層60上に残存する樹脂量が減少してしまい、耐ブロンズ性が低下する結果となった。
次に、本発明者らは、ブロンズ現象を抑制するための樹脂Aと、顔料層と樹脂層の界面を曖昧にするための樹脂Bの2種類の樹脂をクリアインクに含有させることを検討した。その結果、樹脂Aとして樹脂粒子を用いるとともに、樹脂Bとして水溶性樹脂を用いることで、ブロンズ現象を抑制するとともに顔料層と樹脂層の界面を曖昧にできることがわかった。水溶性樹脂は顔料層へ浸透しやすく、樹脂粒子は顔料層上に残存しやすいために上記の結果が得られたと考えられる。しかし、この手法によっても、干渉ムラの発生を十分に抑制することはできなかった。
水溶性樹脂及び樹脂粒子を含有するクリアインクを用いて記録した画像を観察したところ、水溶性樹脂が顔料層の内部に浸透しきれず、水溶性樹脂の一部が顔料層と樹脂層の明確な界面を形成していることがわかった。本発明者らは、クリアインク中の水溶性樹脂が顔料層へと浸透しにくい理由を以下のように推測している。顔料層を形成する顔料粒子の表面は疎水性が高く、表面エネルギーが低い状態となっている。樹脂分散剤や親水性基によって顔料の粒子表面を被覆している場合であっても、親水性基などで覆われていない粒子表面もあるため、部分的に疎水性が高い表面状態になっていると考えられる。顔料層中では疎水性の高い顔料粒子の表面が散在しているため、顔料層へのクリアインクの浸透が阻害される。その結果、顔料層に付与されたクリアインクは顔料層上に停滞することになる。これと並行して、クリアインクの乾燥が進行するため、水溶性樹脂は顔料層の内部に浸透する以前に顔料層上で固化してしまうと考えられる。そこで、インクの浸透性向上に有効であることが知られているポリエーテル変性シロキサン化合物をクリアインクに添加し、顔料層へのクリアインクの浸透を促進させることを試みた。HLB値が5以上14以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物を用いることで、インクの吐出安定性を確保しながら、クリアインクの浸透性を高めることができ、干渉ムラの発生が軽減される傾向となることがわかった。しかし、この手法によっても、干渉ムラの発生を十分に抑制することはできなかった。
次に、本発明者らは、クリアインクに濡れやすい顔料層を形成することを検討した。具体的には、水溶性アクリル樹脂などと比べ、顔料と相互作用した際に顔料の表面エネルギーをより高めることができる水溶性ウレタン樹脂を顔料インクに添加し、クリアインクに濡れやすい顔料層を形成することを検討した。その結果、干渉ムラが抑制された画像を記録することができ、かつ、写像性のレベルも向上することが判明した。水溶性ウレタン樹脂は、通常、ウレタン結合に代表される水素結合部位と、疎水部位とを有する。水溶性ウレタン樹脂を顔料インクに添加すると、水溶性ウレタン樹脂の疎水部位は顔料を取り囲むように配置される。そして、水素結合部位により、顔料の表面エネルギーを高めることができる。このような顔料で形成される顔料層の内部及び表面は、いずれも表面エネルギーが高まった状態にある。このため、顔料インクが濡れやすく浸透しやすい顔料層となる。顔料層へのクリアインクの濡れ性が高まったことにより、顔料層上におけるクリアインクの濡れ広がりが促進され、クリアインクのドット高さを低くすることができたものと考えられる。
但し、顔料インク中の水溶性ウレタン樹脂の含有量U(質量%)は、顔料の含有量P(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上であることを要する。上記の質量比率が0.10倍未満であると、顔料層を濡れやすくするための水溶性ウレタン樹脂の量が不足してしまう。このため、写像性が高く、干渉ムラが抑制された画像を記録することができない。
また、樹脂粒子、水溶性樹脂、及び特定のポリエーテル変性シロキサン化合物を含有するクリアインクを用いても、顔料インクの構成によっては、依然として、画像の写像性及び干渉ムラの抑制効果を高いレベルで得ることができない場合があった。この原因について検討を行ったところ、以下のような現象が生じる場合に、効果が低くなることがわかった。顔料層中の水溶性ウレタン樹脂の一部が、後から付与されたクリアインクの液体成分に溶解しやすいと、クリアインクの顔料層への浸透に伴って、水溶性ウレタン樹脂も移動しやすくなる。すると、顔料層中の水溶性ウレタン樹脂の分布が不均一になる。このような理由から、顔料層へのクリアインクの濡れ性が低下してしまい、写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果が低くなることがわかった。上述の溶解を抑制するため、顔料インク中の水溶性ウレタン樹脂の酸価を、クリアインク中の水溶性樹脂の酸価よりも60mgKOH/g以上低くなるように設定する。顔料インク中の水溶性ウレタン樹脂の酸価、及びクリアインク中の水溶性樹脂の酸価が大きく異なることで、顔料層へのクリアインクの濡れ性が低下することなく、画像の写像性及び干渉ムラの抑制効果を得ることができる。
<インクセット>
本発明のインクセットは、色材を含有しない第1インク及び色材を含有する第2インクの組み合わせを有する水性のインクセットである。第1インクは、樹脂粒子、水溶性樹脂、及びHLB値が5以上14以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物を含有する。また、第2インクは、水溶性ウレタン樹脂を含有するとともに、色材が顔料である。第1インク及び第2インクは、互いに接触した際に反応や増粘するものである必要はない。すなわち、各インクには、反応剤や増粘剤を含有させる必要はない。以下、本発明のインクセットを構成するインクに含まれる成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
(樹脂粒子)
本発明のインクセットを構成する第1インクは、樹脂粒子を含有する。樹脂粒子としては、例えば、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂などで構成される樹脂粒子を挙げることができる。なかでも、アクリル系樹脂で構成される樹脂粒子を含有させることが好ましい。特に、第1インクに水溶性樹脂としてアクリル樹脂を含有させる場合、ウレタン樹脂は含有させなくてもよい。以下の記載における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味する。アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来するユニットや、(メタ)アクリルエステルに由来するユニットなどのアクリル成分を少なくとも有するものであればよい。より具体的には、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有する樹脂であることが好ましい。
親水性ユニット(酸基やヒドロキシ基などの親水性基を有するユニット)は、例えば、親水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシ基を有するモノマー;スチレンスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー;(メタ)アクリル酸−2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基を有するモノマー;これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基を有するモノマーを挙げることができる。アニオン性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。
疎水性ユニット(酸基やヒドロキシ基などの親水性基を有しないユニット)は、例えば、疎水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。疎水性基を有するモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有するモノマー;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(n−、iso−、t−)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族基を有するモノマーなどを挙げることができる。なお、画像の写像性がやや低下する場合があるため、樹脂粒子はシロキサン構造を有するユニットを有しないことが好ましい。
本発明においては、コアシェル構造を有する樹脂粒子を用いることが好ましい。コアシェル構造を有する樹脂粒子を用いることで、写像性及び耐ブロンズ性により優れた画像を記録することができる。コアシェル構造を有する樹脂粒子は、コア部分とシェル部分の機能が明確に分離されている。例えば、疎水性基を有するモノマーに由来するユニットで構成されたコア部と、酸性モノマーに由来するユニットを含むシェル部とを有する樹脂粒子は、単層構造を有する樹脂粒子と比較して、酸価が同じであってもインクの吐出安定性をより高めることができる。また、疎水性基を有するモノマーに由来するユニットが導入されたコア部を有する樹脂粒子は、形成される顔料層上に存在させる点で有利である。このため、写像性及び耐ブロンズ性をより向上させることができる。
樹脂粒子の体積平均粒子径は、50nm以上120nm以下であることが好ましい。体積平均粒子径が50nm未満の樹脂粒子は顔料層や記録媒体に沈み込みやすいため、写像性及び耐ブロンズ性がやや向上しにくくなる場合がある。一方、樹脂粒子の体積平均粒子径が120nm超であると、画像の写像性がやや低下する場合がある。
本発明における「体積平均粒子径」は、体積基準の累積50%粒子径(D50)を意味し、以下に示すような条件にしたがって測定することができる。まず、樹脂粒子を純水で50倍(体積基準)に希釈した測定試料を用意する。そして、粒度分布測定装置を使用し、以下に示す測定条件にしたがって測定試料中の樹脂粒子の体積平均粒子径を測定する。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
屈折率:1.5
粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
第1インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、第1インク全質量を基準として、0.20質量%以上5.00質量%以下であることが好ましい。第1インク中の樹脂粒子の含有量が0.20質量%未満であると、所望とする画像性能がやや発現しづらい場合がある。一方、5.00質量%超であると、インクの吐出安定性がやや低下する場合がある。
(水溶性樹脂)
本発明のインクセットを構成する第1インクは、水溶性樹脂を含有する。水溶性樹脂としては、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂、及びウレタン系樹脂などを挙げることができる。なかでも、水溶性樹脂としてはアクリル樹脂が好ましい。特に、第1インクに水溶性樹脂としてアクリル樹脂を含有させる場合、ウレタン樹脂は含有させなくてもよい。アクリル樹脂としては、前述の樹脂粒子を構成するアクリル系樹脂と同様に、アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来するユニットや、(メタ)アクリルエステルに由来するユニットなどのアクリル成分を少なくとも有するものであればよい。より具体的には、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有する樹脂であることが好ましい。
親水性ユニット(酸基やヒドロキシ基などの親水性基を有するユニット)は、例えば、親水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシ基を有するモノマー;スチレンスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー;(メタ)アクリル酸−2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基を有するモノマー;これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基を有するモノマーを挙げることができる。アニオン性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。水溶性樹脂は、通常、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)の水酸化物やアンモニア水などの中和剤により中和されることで水溶性を呈する。
疎水性ユニット(酸基やヒドロキシ基などの親水性基を有しないユニット)は、例えば、疎水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。疎水性基を有するモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有するモノマー;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(n−、iso−、t−)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族基を有するモノマーなどを挙げることができる。
第1インク中の水溶性樹脂の含有量(質量%)は、第1インク全質量を基準として、0.50質量%以上4.00質量%以下であることが好ましい。第1インク中の水溶性樹脂の含有量が0.50質量%未満であると、所望とする画像性能がやや発現しづらい場合がある。一方、4.00質量%超であると、インクの吐出安定性がやや低下する場合がある。
また、本発明のインクセットを構成する第2インクは、さらに、第2の水溶性樹脂(但し、後述する水溶性ウレタン樹脂を除く)を含有することが好ましい。特に、第2インクは、第1インク中の水溶性樹脂と同一の第2の水溶性樹脂を含有することがさらに好ましい。同一の樹脂とは、各樹脂の構成ユニットの種類、酸価、及び重量平均分子量が同じであることを意味する。第1インク中の水溶性樹脂と同一の第2の水溶性樹脂を第2インクに含有させることで、干渉ムラの抑制効果をより高めることができる。これは、顔料層中に同一の水溶性樹脂を予め存在させておくことで、第1インク中の水溶性樹脂が顔料層により馴染みやすくなり、顔料層と樹脂層の界面が曖昧になりやすいためである。第2インクに含有させる第2の水溶性樹脂は、水溶性アクリル樹脂であることが好ましく、この水溶性アクリル樹脂は、アルキレンオキサイド構造を有しないものであることがより好ましい。
水溶性樹脂の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下であることが好ましく、3,000以上15,000以下であることがさらに好ましい。水溶性樹脂の重量平均分子量は、JISハンドブック化学分析 K0124に準拠し、サイズ排除クロマト法(GPC法)により測定することができる。また、水溶性樹脂の酸価は、100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましい。水溶性樹脂の酸価は、電位差滴定により求めることができる。
樹脂が水溶性であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒子径を動的光散乱法により測定した場合に、粒子径を有する粒子が測定されない場合に、その樹脂は水溶性であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、以下のようにすることができる。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
(水溶性ウレタン樹脂)
本発明のインクセットを構成する第2インク(顔料インク)は、水溶性ウレタン樹脂を含有する。顔料、及び水溶性ウレタン樹脂を含有する第2インクにより形成された顔料層には、第1インク中の水溶性樹脂が浸透しやすくなるため、干渉ムラが抑制される。また、第1インクのドットも濡れ広がるため、ドット高さを低くすることができ、写像性に優れた画像を記録することができる。
ウレタン樹脂は「水溶性」であることを要する。ウレタン樹脂が水溶性であるか否かについては、具体的には、前述の水溶性樹脂の場合と同様の方法で判断することができる。本発明者らは、水溶性ウレタン樹脂に代えて水不溶性ウレタン樹脂を添加したインクについて検討した。その結果、写像性に優れ、干渉ムラが抑制された画像を記録することができないことが判明した。これは、粒子状態のウレタン樹脂は顔料を取り囲むように配置されにくく、顔料層への第1インクの濡れ性を効果的に高めることができないためと推測される。
第2インク中の水溶性ウレタン樹脂の含有量U(質量%)は、顔料の含有量P(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上である。上記の質量比率が0.10倍未満であると、写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果を得ることができない。上記の質量比率は0.60倍以下であることが好ましく、0.20倍以下であることがさらに好ましい。
水溶性ウレタン樹脂は、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得ることができる。また、鎖延長剤をさらに反応させたものであってもよい。さらに、ウレタン樹脂とその他の樹脂とを結合させたハイブリッド型の樹脂であってもよい。
ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネートや芳香族ポリイソシアネートなどを用いることができる。脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどの鎖状構造を有するポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの環状構造を有するポリイソシアネート;などを挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどを挙げることができる。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどの数平均分子量が450〜4,000程度である長鎖ポリオール、親水性基を有するポリオールなどの短鎖ポリオールなどを用いることができる。そして、水溶性ウレタン樹脂として、ポリ(オキシテトラメチレン)構造又はポリ(オキシプロピレン)構造を有する、ポリエーテル系のウレタン樹脂を用いることが好ましい。このようなポリエーテル系のウレタン樹脂を用いると、画像の写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果をより向上させることができる。ポリ(オキシテトラメチレン)構造又はポリ(オキシプロピレン)構造は、第1インク中の水溶性アクリル樹脂とより強い相互作用を発揮する。このため、顔料層への第1インクの濡れ性が高まり、画像の写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果がより向上すると考えられる。
短鎖ポリオールの具体例である親水性基を有するポリオールとしては、構造中にカルボキシ基、スルホン酸基、ホスホン酸基などの酸基;カルボニル基、ヒドロキシ基などの親水性基を含むポリオールを挙げることができる。特に、長鎖ポリオールに加えて、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸などの酸基を有するポリオールをさらに用いて合成された水溶性ウレタン樹脂を用いることが好ましい。酸基は塩の形態であってもよい。塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。水溶性ウレタン樹脂が酸基を有する場合、通常、酸基がアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)の水酸化物やアンモニア水などの中和剤により中和されることで水溶性を呈する。
鎖延長剤は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるウレタンプレポリマー中のポリイソシアネートユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応しうる化合物である。鎖延長剤としては、ジメチロールエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどの多価アミン;ポリエチレンポリイミンなどの多価イミン;ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオールなどの多価アルコールを用いることができる。
第2インク中の水溶性ウレタン樹脂の酸価N1(mgKOH/g)は、第1インク中の水溶性樹脂の酸価N2(mgKOH/g)よりも60mgKOH/g以上低いことを要する。すなわち、第2インク中の水溶性ウレタン樹脂の酸価N1(mgKOH/g)と、第1インク中の水溶性樹脂の酸価N2(mgKOH/g)は、N2−N1≧60の関係を満たす。上記N2−N1≧60の関係を満たさないと、写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果を得ることができない。第2インク中の水溶性ウレタン樹脂の酸価N1(mgKOH/g)と、第1インク中の水溶性樹脂の酸価N2(mgKOH/g)の差(N2−N1)は、200mgKOH/g以下であることが好ましい。
水溶性ウレタン樹脂の酸価は、45mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが好ましい。水溶性ウレタン樹脂の酸価が45mgKOH/g未満であると、顔料層への第1インクの濡れ性を十分に高めることができないため、干渉ムラの抑制効果がやや低下する場合がある。一方、水溶性ウレタン樹脂の酸価が70mgKOH/g超であると、水溶性ウレタン樹脂の親水性が高くなりすぎるため、顔料層への第1インクの濡れ性も高まり過ぎて、干渉ムラの抑制効果がやや低下する場合がある。
水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、8,000以上22,000以下であることが好ましい。水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量が8,000未満であるとサイズが小さすぎてしまい、顔料との相互作用が弱くなることがある。このため、顔料層への第1インクの濡れ性を高めることができず、干渉ムラの抑制効果が低下する場合がある。一方、水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量が22,000超であるとサイズが大きすぎてしまう。このため、水溶性ウレタン樹脂と顔料との相互作用は強くなるが、顔料層を形成する顔料粒子間の空隙を水溶性ウレタン樹脂が埋めてしまうため、第1インクの浸透が抑制される。その結果、写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果が低下する場合がある。
(ポリエーテル変性シロキサン化合物)
本発明のインクセットを構成する第1インクは、HLB値が5以上14以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物を含有する。第1インクを上記のポリエーテル変性シロキサン化合物を含有させることで、顔料層への第1インクの浸透が促進され、干渉ムラを抑制することができる。ポリエーテル変性シロキサン化合物のHLB値が5未満であると、第1インクの吐出安定性が低くなり、写像性の向上効果、ブロンズ現象の抑制効果、及び干渉ムラの抑制効果を得ることができない。一方、ポリエーテル変性シロキサン化合物のHLB値が14超であると、干渉ムラの抑制効果を得ることができない。
本発明における「ポリエーテル変性シロキサン化合物」とは、分子構造中にポリジメチルシロキサン骨格を有するとともに、ポリエーテル鎖(例えば、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイドなど)をさらに有する化合物をいう。また、本発明における「HLB値」は、グリフィン法により求められる値をいう。グリフィン法によるHLB値は、ポリエーテル変性シロキサン化合物の親水性基(エチレンオキサイド基)の式量と分子量から、下記式(1)より算出することができる。グリフィン法によって計算されるHLB値は、化合物の親水性や親油性の程度を表す物性値であり、0乃至20の値をとる。HLB値が小さいほど親油性が高く、HLB値が大きいほど親水性が高い。
HLB値=20×ポリエーテル変性シロキサン化合物の親水性基の式量/ポリエーテル変性シロキサン化合物の分子量 ・・・(1)
ポリエーテル変性シロキサン化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。下記一般式(2)で表される化合物を用いることで、干渉ムラをさらに抑制することができる。下記一般式(2)中、(C24O)はエチレンオキサイドユニットを示し、(C36O)はプロピレンオキサイドユニットを示す。エチレンオキサイドユニット及びプロピレンオキサイドユニットは、分子構造中において、ランダム状態で存在していても、ブロック状態で存在していてもよい。ここで、各ユニットが「ランダム状態で存在する」とは、エチレンオキサイドユニットとプロピレンオキサイドユニットとが不規則に配列していることを意味する。また、各ユニットが「ブロック状態で存在する」とは、複数のユニットを含んで構成されたブロックが規則的に配列していることを意味している。
Figure 2016145335
(前記一般式(2)中、R1は炭素数1以上20以下のアルキレン基を表し、R2は水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基を表す。mは1以上350以下の数を表し、nは1以上100以下の数を表し、aは1以上100以下の数を表し、bは0以上100以下の数を表す)
一般式(2)中、R1は炭素数1以上10以下のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基、プロピレン基、又はブチレン基であることがさらに好ましい。R2は炭素数1以上10以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はプロピル基であることがさらに好ましい。mは1以上250以下の数であることが好ましく、1以上100以下の数であることがさらに好ましい。nは1以上50以下の数であることが好ましい。なかでも、一般式(2)中、mが40以上80以下、nが3以上7以下、aが15以上30以下、bが0、R1がプロピレン基、及びR2がメチル基である化合物を用いると、干渉ムラが特に効果的に抑制されるために好ましい。
一般式(2)で表される化合物は、例えば、下記式で表される2種の化合物を付加反応させ、ポリシロキサンの水素原子にアルケニル基を付加させることによって合成することができる。下記式中、mは1以上350以下の数を表し、nは1以上100以下の数を表し、aは1以上100以下の数を表し、bは0以上100以下の数を表し、Rは炭素数1以上20以下のアルケニル基を表す。
Figure 2016145335
第1インク中のHLB値が5以上14以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物の含有量(質量%)は、第1インク全質量を基準として、0.05質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。さらには、0.10質量%以上1.50質量%以下であることが好ましい。
(色材)
本発明のインクセットを構成する第2インクは、色材として顔料を含有する。顔料としては、当該技術分野で公知のカーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料を挙げることができる。顔料は、樹脂分散剤として機能する水溶性樹脂によって第2インク中に分散されていることが好ましい。第2インク中の顔料の含有量(質量%)は、第2インク全質量を基準として、0.05質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。第2インク中の顔料の体積平均粒子径D2(nm)は、50nm以上250nm以下であることが好ましく、80nm以上150nm以下であることがさらに好ましい。顔料の体積平均粒子径は、樹脂粒子と同様の条件で測定することができる。
第1インク中の樹脂粒子の体積平均粒子径D1(nm)は、第2インク中の顔料の体積平均粒子径D2(nm)に対する比率で、0.6倍以上1.2倍以下であることが好ましい。すなわち、第1インク中の樹脂粒子の体積平均粒子径D1(nm)と、第2インク中の顔料の体積平均粒子径D2(nm)は、0.6≦D1/D2≦1.2の関係を満たすことが好ましい。D1/D2の値を上記の数値範囲とすることで、顔料層上に樹脂粒子をより適切な状態で残存させることができるため、より高い写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果を得ることができる。D1/D2の値が0.6未満であると、顔料粒子に対して樹脂粒子が小さすぎてしまい、顔料層に形成される空隙に樹脂粒子の一部が入り込んでしまうことがある。このため、適切な量の樹脂粒子を顔料層上に存在させることができなくなることがあり、写像性の向上効果及びブロンズ現象の抑制効果が低下する場合がある。一方、D1/D2の値が1.2超であると、顔料層の凹凸スケールに対して樹脂粒子が大きすぎるため、顔料層の凹凸を適切に埋めることができず、写像性の向上効果が低下する場合がある。
(水性媒体)
本発明のインクセットを構成する各インクは、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する水性インクである。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましく、70.00質量%以上90.00質量%以下であることがさらに好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。但し、インクの吐出安定性がやや低下する場合があるため、炭素数7程度以上の水難溶性アルカンジオールは用いないことが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、15.00質量%以上40.00質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、高いレベルのインクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクセットを構成する各インクは、上記成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素やその誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。但し、ポリオレフィン系などのワックス粒子のような固体成分が存在すると、画像の写像性がやや低下する場合があるため、インクには含有させないことが好ましい。さらに、本発明のインクセットを構成する各インクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及びその他の水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(インクの物性)
第1インクの寿命時間50ミリ秒における動的表面張力は、30mN/m以上35mN/m以下であることが好ましい。さらに、第1インクの静的表面張力は、25mN/m以上30mN/m以下であることが好ましい。これらの条件をみたすことにより、さらに高いレベルの写像性向上効果及び干渉ムラの抑制効果を得ることができる。前述の通り、干渉ムラの抑制効果を高めるには、顔料層への第1インクの浸透性を高めることが重要である。そこで、本発明者らは第1インクの表面張力に注目した。まず、動的表面張力を変えて調製した複数の第1インクを顔料層上に付与し、第1インクのドットを観察した。その結果、第1インクが顔料層へ浸透過程にある、第1インク付与後の50ミリ秒時点における動的表面張力が35mN/m以下の範囲にあると、浸透が特に促進されることがわかった。これは、顔料層へ付与された第1インクのドットが速やかに濡れ広がって顔料層への浸透が促進されるため、写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果がより高まったと考えられる。しかし、第1インクの50ミリ秒における動的表面張力が30mN/m未満であると、インクの吐出不良が生ずる場合があり、写像性の向上効果、ブロンズ現象の抑制効果、及び干渉ムラの抑制効果が低下する傾向にある。
さらに、本発明者らは、50ミリ秒における動的表面張力が30mN/m以上35mN/m以下の範囲内であり、かつ、静的表面張力を変えて調製した第1インクを顔料層上に付与し、第1インクのドットを観察した。その結果、第1インクの静的表面張力が25mN/m以上30mN/m以下の範囲にあると、浸透が特に促進されることがわかった。これは、顔料層中の空隙において、第1インクに作用する顔料層の毛管力(顔料層が第1インクを吸収する力)と、前述した顔料層上の第1インクの濡れ広がりとのバランスが適切であるためと考えられる。第1インクの静的表面張力が25mN/m未満であると、第1インクに作用する顔料層の毛管力が低下し、第1インクの浸透性が低下する。このため、高いレベルの写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果が得られない場合がある。一方、第1インクの静的表面張力が30mN/m超であると、顔料層への第1インクの濡れ性が低下してしまい、第1インクの浸透性が低下する。このため、高いレベルの写像性の向上効果及び干渉ムラの抑制効果が得られない場合がある。
本発明でインクの特性を規定するのに利用する動的表面張力とは、最大泡圧法により求められるものである。最大泡圧法とは、測定対象の液体中に浸したプローブ(細管)の先端に発生させた気泡を放出するために必要な最大圧力を測定して、この最大圧力から液体の表面張力を求める方法であり、プローブの先端に連続的に気泡を発生させながら最大圧力を測定する。この際、プローブの先端に新たな気泡の表面が発生した時点から、最大泡圧(気泡の曲率半径とプローブ先端部分の半径が等しくなる時点)に達するまでの時間を、寿命時間と呼ぶ。また、本発明でインクの特性を規定するのに利用する静的表面張力とは、プレート法により求められるものである。動的表面張力や静的表面張力は、例えば、水溶性有機溶剤や界面活性剤の種類及び使用量により調整することができる。
第2インクの寿命時間50ミリ秒における動的表面張力は、30mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。また、第2インクの静的表面張力は、25mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクセットに含まれる各インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明のインクジェット記録方法は、第2インクで記録された画像の上に第1インクを付与する工程を有することが好ましい。また、本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクセットに含まれる各インクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
本発明のインクセットを用いて記録する対象の記録媒体としては、どのようなものを用いてもよいが、普通紙や、コート層を有する記録媒体(光沢紙やアート紙)などの、浸透性を有する紙を用いることが好ましい。特に、インク中の顔料粒子の少なくとも一部を記録媒体の表面やその近傍に存在させることができる、コート層を有する記録媒体を用いることが好ましい。このような記録媒体は、画像を記録した記録物の使用目的などに応じて選択することができる。例えば、写真画質の光沢感を有する画像を得るのに適している光沢紙や、絵画、写真、及びグラフィック画像などを好みに合わせて表現するために、基材の風合い(画用紙調、キャンバス地調、和紙調など)を生かしたアート紙などが挙げられる。なかでも、コート層の表面が光沢性を持つ、いわゆる光沢紙を用いることが特に好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<体積平均粒子径の測定条件>
顔料の体積平均粒子径は、顔料の含有量が0.4%になるように純水で希釈した顔料分散液を測定用試料とし、粒度分布測定装置を使用して以下に示す測定条件にしたがって測定した。なお、粒度分布測定装置としては、商品名「UPA−EX150」(日機装製)を使用した。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
屈折率:1.5
<樹脂粒子の調製>
撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル100.0部を入れて窒素ガスを導入し、撹拌下で110℃に昇温させた。2−エチルヘキシルアクリレート38.0部、メチルメタクリレート34.0部、及びアクリル酸28.0部の混合物と、t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)1.3部のエチレングリコールモノブチルエーテル溶液を3時間かけて滴下した。2時間エージングした後、減圧下でエチレングリコールモノブチルエーテルを除去して固形の樹脂(シェルポリマー)を得た。得られたシェルポリマーに酸価と当量の水酸化カリウム及び適量のイオン交換水を加え、80℃で中和溶解して、固形分(シェルポリマー)の含有量が30.0%であるシェルポリマーの水溶液を得た。シェルポリマーの酸価は216mgKOH/g、重量平均分子量は15,000であった。
撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに表1に示す量のシェルポリマーの水溶液を入れて窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃まで昇温させた。表1に示す量のスチレンとメチルメタクリレートの4:1(質量比)の混合物及び水を添加した後、過硫酸カリウム(重合開始剤)1.0部を水16.7部に溶解した液体を3時間かけて滴下した。2時間エージングした後、適量のイオン交換水を添加して固形分を調整した。これにより、樹脂(固形分)の含有量が10.0%である、コアシェル構造を有する樹脂粒子を含む水分散液を得た。樹脂粒子の体積平均粒子径は以下のようにして測定した。樹脂粒子を含む水分散液を、純水で10倍(体積基準)に希釈して測定用の試料を調製した。得られた試料中の樹脂粒子について、動的光散乱法による粒度分析計(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を用い、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率1.5の条件で体積平均粒子径を測定した。樹脂粒子の体積平均粒子径を表1に示す。
Figure 2016145335
<水溶性樹脂の合成>
(アクリル樹脂1)
撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル100.0部を入れるとともに、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で110℃に昇温させた。スチレン39.5部、メチルメタクリレート40.0部、及びアクリル酸20.5部の混合物と、t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)1.3部のエチレングリコールモノブチルエーテル溶液を3時間かけて滴下した。2時間エージングした後、エチレングリコールモノブチルエーテルを減圧下で除去して固形の水溶性樹脂を得た。得られた水溶性樹脂に、酸価と当量の水酸化カリウム及び適量のイオン交換水を加えて80℃で中和溶解させた。これにより、樹脂(固形分)の含有量が10.0%であるアクリル樹脂1(水溶性アクリル樹脂)の水溶液を得た。アクリル樹脂1の酸価は155mgKOH/g、重量平均分子量は8,000であった。
(アクリル樹脂2)
モノマーをベンジルメチルメタクリレート79.3部及びメタクリル酸20.7部の混合物に変えたこと以外は、前述のアクリル樹脂1と同様にして、樹脂(固形分)の含有量が10.0%であるアクリル樹脂2(水溶性アクリル樹脂)の水溶液を得た。アクリル樹脂2の酸価は135mgKOH/g、重量平均分子量は7,160であった。
(アクリル樹脂3)
撹拌機、窒素ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えたフラスコに窒素ガスを導入し、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(触媒)2.57g及びメタノール278gを入れた。スチレン41.28g、下記式(3)で表されるメトキシポリエチレングリコールアクリレート(商品名「ライトアクリレート130A」、共栄社化学製、m=9)153.01g及びアクリル酸5.71gの混合物を添加した。反応系の温度を室温から70℃まで30分かけて上昇させ、70℃で5時間重合反応させた。2,2’−アソビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(触媒)1.07gのメタノール(10g)溶液を添加し、さらに3時間重合反応させた。反応系の温度を室温まで冷却し、撹拌下で5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液13.18gを加えた後、エバポレーターでメタノールを除去しながら蒸留水を加えて、粗ポリマー水溶液を得た。限外ろ過を行って得られた粗ポリマー水溶液から不純物を除去した後、濃縮した。これにより、(ポリ(スチレン−co−メトキシポリエチレングリコールアクリレート−co−アクリル酸ナトリウム))の組成を有するランダム共重合体であるアクリル樹脂3(水溶性アクリル樹脂)を得た。これに適量の純水を加えて、樹脂(固形分)の含有量が10.0%であるアクリル樹脂3の水溶液を得た。アクリル樹脂3の酸価は62mgKOH/g、重量平均分子量は22,000であった。
Figure 2016145335
(アクリル樹脂4)
撹拌機、窒素ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えたフラスコに窒素ガスを導入し、酢酸ビニル3587g、連鎖移動剤、及びクロロホルム1907gを入れた。反応系の温度を室温から70℃まで1時間かけて上昇させた後、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(触媒)0.3gのクロロホルム(534g)溶液を6時間かけて滴下した。さらに、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(触媒)0.5gのクロロホルム(444.5g)溶液を5時間かけて滴下した。そして、加熱及び還流条件下で10時間重合反応させた。その後、0.01mol/L水酸化ナトリウム/メタノール溶液を連続的に滴下しながら、内温40℃で未反応の酢酸ビニルとクロロホルムを減圧留去し、樹脂(固形分)の含有量が74%であるポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を得た。
撹拌機、窒素ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えたフラスコに窒素ガスを導入した。このフラスコに、メタノール17g、イソプロピルアルコール1048.5g、メチルアクリレート2623g、ベンジルメタクリレート2142g、スチレン63.5g、及びポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(マクロ開始剤)1353gを入れた。反応系の温度を室温から60℃まで1時間かけて上昇させた。温度が60℃に達した時点で、触媒として臭化第一銅(触媒)0.6g及びトリス(2−ジメチルアミノ)エチルアミン(配位子)12.0gのメタノール(30g)溶液を添加した。その後、加熱及び還流条件下で30時間重合反応させて反応溶液を得た。
撹拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた反応釜に、メタノール276g、テトラヒドロフラン552g、及び水138gの混合溶媒を入れた。さらに、上記で得た反応溶液502gを添加して溶解させた後、60℃まで昇温し、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液728gを加え、65℃で7時間反応させた。上澄み液を除去して得られた樹脂塊にテトラヒドロフラン550g及び水140gを加えて懸濁させた後、メタノール280gを加えて樹脂を沈殿させた。再度上澄み液を除去して水300gを加えた後、酢酸で中和した。90℃まで加熱してテトラヒドロフラン及びメタノールを留去した後、限外ろ過して不純物を除去した。濃縮して、ポリビニルアルコール−b−ポリ(アクリル酸ナトリウム−co−アクリル酸メチル−co−メタクリル酸ナトリウム−co−メタクリル酸ベンジル−co−スチレン)の組成を有するブロック共重合体であるアクリル樹脂4を得た。これに適量の純水を加えて、樹脂(固形分)の含有量が10.0%であるアクリル樹脂4(水溶性アクリル樹脂)の水溶液を得た。アクリル樹脂4の酸価は208mgKOH/g、重量平均分子量は22,300であった。
<水溶性ウレタン樹脂の合成>
(ウレタン樹脂1〜7)
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた四つ口フラスコに、表2に示す使用量の数平均分子量1,000のポリ(プロピレン)グリコール、イソホロンジイソシアネート44.5g、及びジブチル錫ジラウレート0.007gを入れた。窒素ガス雰囲気下、温度100℃で5時間反応させた後、温度65℃以下に冷却した。表2に示す使用量のジメチロールプロピオン酸、ネオペンチルグリコール3.0g、及びメチルエチルケトン150.0gを添加し、温度80℃で反応させた。その後、温度40℃に冷却し、メタノール20.0gを加えて反応を停止させた。次いで、適量のイオン交換水を添加し、ホモミキサーで撹拌しながら、樹脂を中和するために必要な水酸化カリウム水溶液を添加した。その後、加熱減圧下でメチルエチルケトン及び未反応のメタノールを留去して、樹脂(固形分)の含有量が10.0%である各水溶性ウレタン樹脂の水溶液を得た。ウレタン樹脂の酸価は、電位差自動滴定装置を使用し、水酸化カリウム/エタノール滴定液で電位差滴定することにより測定した。また、ウレタン樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた。なお、重量平均分子量は、温度80℃での反応時間を適宜変化させて調整した。各ウレタン樹脂の酸価及びポリスチレン換算の重量平均分子量を表2に示す。表2中のモノマーの略記号の意味を以下に示す。なお、略記号に付した数値はポリオールの数平均分子量である。
PPG:ポリプロピレングリコール
DMPA:ジメチロールプロピオン酸
Figure 2016145335
(ウレタン樹脂8)
特許文献3に記載された、イソホロンジイソシアネート、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を用いて合成された水溶性ウレタン樹脂であるウレタン樹脂8を準備した。このウレタン樹脂8に、酸価と当量の水酸化カリウム及び適量のイオン交換水を加えて80℃で中和溶解させた。これにより、樹脂(固形分)の含有量が10.0%であるウレタン樹脂8の水溶液を得た。ウレタン樹脂8の酸価は76mgKOH/g、重量平均分子量は26,100であった。
(水溶性樹脂であるかの確認)
上記で得られた水溶性樹脂(アクリル樹脂、ウレタン樹脂)の水溶液を純水で希釈して、樹脂(固形分)の含有量が1.0%である試料を調製した。得られた試料中の樹脂について、動的光散乱法による粒度分析計(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を用い、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒の条件で粒子径を測定した。その結果、いずれの樹脂も粒子径は測定されず、水溶性であることが確認された。
<ポリエーテル変性シロキサン化合物の合成>
温度計及び撹拌手段を備えたガラス製の容器に下記式(A)で表されるポリシロキサン化合物及び下記式(B)で表されるポリオキシアルキレン化合物を入れた。白金触媒の存在下で付加反応させて、一般式(2)で表される各化合物(ポリエーテル変性シロキサン化合物)を合成した。合成した各化合物の特性を表3に示す。なお、下記式(A)及び(B)中のm、n、R1、R2、a、及びbは、合成した各化合物の構造を表す一般式(2)中のm、n、R1、R2、a、及びbにそれぞれ対応する。
Figure 2016145335
Figure 2016145335
<顔料分散液の調製>
下記の顔料分散液1〜3の調製に用いた樹脂分散剤を、酸価と当量の水酸化ナトリウムで中和し、樹脂(固形分)の含有量が1.0%である試料を調製した。得られた試料中の樹脂について、動的光散乱法による粒度分析計(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を用い、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒の条件で粒子径を測定した。その結果、粒子径は測定されず、水溶性であることが確認された。
(顔料分散液1)
顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)15.0部、樹脂分散剤の水溶液50.0部、及びイオン交換水70.0部の混合物をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に入れて3時間分散させた。樹脂分散剤の水溶液としては、酸価210mgKOH/g、重量平均分子量8,000の水溶性アクリル樹脂であるスチレン−アクリル酸共重合体を、酸価の0.95当量の水酸化ナトリウム水溶液で中和して得たものを用いた。この樹脂分散剤の水溶液の樹脂(固形分)の含有量は、20.0%であった。その後、遠心分離して粗大粒子を含む非分散物を除去した。次いで、ポアサイズの3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量が6.0%の顔料分散液1を調製した。顔料分散液1中の顔料の体積平均粒子径は90nmであった。
(顔料分散液2)
顔料の種類をC.I.ピグメントレッド122に変えたこと以外は、前述の顔料分散液1と同様にして、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量が6.0%の顔料分散液2を調製した。顔料分散液2中の顔料の体積平均粒子径は100nmであった。
(顔料分散液3)
顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)28.0g、アクリル樹脂3の水溶液を濃縮して樹脂(固形分)の含有量を13.3%としたもの84.2g、アクリル樹脂4の水溶液14.0g、及び脱イオン水153.8gを混合した。ホモミキサーで60分間予備分散させた後、直径0.3mmφのジルコニアビーズを充填したビーズミルを用いて、25℃で7時間、さらに40℃で1時間分散させた。ビーズを除いた後、濃度を調整して、顔料の含有量が10.0%の分散液を得た。得られた分散液を容量500mLのトールビーカーに入れ、氷浴中、超音波ホモジナイザー(商品名「US−600T」、日本精機製作所、使用チップ:直径36mmφ)で120分間分散させた。これにより、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量が3.0%の顔料分散液3を得た。顔料分散液3中の顔料の体積平均粒子径は105nmであった。
<インクの調製>
表4−1〜4−3及び5−1〜5−2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズが0.8μmであるセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して各インクを調製した。表4−1〜4−3及び5−1〜5−2の下段にはインクの特性を示した。寿命時間50ミリ秒における動的表面張力は、25℃で、最大泡圧法による動的表面張力計(商品名「BUBLE PRESSURE TENSIOMETER BP−2」、KRUSS製)を用いて測定した。また、静的表面張力は、25℃で、自動表面張力計(商品名「DY−300」、協和界面科学製)を用いて測定した。
表4−1〜4−3及び5−1〜5−2中の成分などの詳細を以下に示す。
・レザミンD−1060:水不溶性ウレタン樹脂(自己乳化型ポリウレタンエマルション、大日精化製、樹脂〔固形分〕の含有量40.0%、樹脂粒子の体積平均粒子径150nm)
・ケミパールW4005:ポリエチレン系ワックス(三井化学製、粒子径200〜800nm、環球法軟化点110℃、針入度法硬度4、固形分40%)
・マイクロゲル粒子:体積平均粒子径79nmの、メチルメタクリレート/ジビニルベンゼン/メタクリル酸共重合体で構成される樹脂粒子の水性懸濁液(樹脂(固形分)の含有量20.0%)
・アセチレノールE60:界面活性剤(アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)(川研ファインケミカル製)
・アセチレノールE100:界面活性剤(アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)(川研ファインケミカル製)
・Tergitol15−S−5:ノニオン性界面活性剤(直鎖アルコールエトキシレート)(ユニオンカーバイド製)
・サーフィノール465:アセチレングリコール系界面活性剤(エアープロダクツ製)
Figure 2016145335
Figure 2016145335
Figure 2016145335
Figure 2016145335
Figure 2016145335
<評価>
表6に示す各インクを組み合わせてインクセットとし、以下に示す評価を行った。「N1・N2の関係」の欄には、「N2−N1≧60」を満たす場合を「○」、満たさない場合を「×」として示した。また、「D1・D2の関係」の欄には、「0.6≦D1/D2≦1.2」を満たす場合を「○」、満たさない場合を「×」として示した。各インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro 9500」、キヤノン製)にセットした。第1インクはマットブラックインクのポジション、第2インクはシアンインクのポジションにそれぞれセットした。そして、第2インクの記録デューティを10〜100%の間で10%刻みとした10種の2次色のベタ画像のうえに、第1のインクの記録デューティを20%となるように重ねて画像を記録した。記録媒体としては、商品名「キヤノン写真用紙・光沢[ゴールド]」(キヤノン製)を用いた。なお、実施例26は、第1インクの上に第2インクを付与する条件で画像を記録した。本実施例においては、解像度が600dpi×600dpiで、1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ngのインクを8滴付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。本発明においては、下記の各項目の評価基準で「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。
(写像性)
マイクロヘイズメーター(BYKガートナー製)を使用して得られたベタ画像のヘイズ値を測定した。そして、ヘイズ値の平均値を算出し、以下に示す評価基準にしたがって画像の写像性を評価した。
A:ヘイズ値の平均値が15未満であった。
B:ヘイズ値の平均値が15以上20未満であった。
C:ヘイズ値の平均値が20以上であった。
(耐ブロンズ性)
得られたベタ画像を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって画像の耐ブロンズ性を評価した。
A:ブロンズ現象が生じていなかった。
B:ブロンズ現象がわずかに生じていた。
C:ブロンズ現象が顕著に生じていた。
(干渉ムラ)
得られたベタ画像のブロンズ現象の状態を目視で確認して、以下に示す評価基準にしたがって画像の干渉ムラを評価した。
A:干渉ムラが生じていなかった。
B:干渉ムラがわずかに生じていた。
C:干渉ムラが顕著に生じていた。
Figure 2016145335

Claims (6)

  1. 色材を含有しない第1インク及び色材を含有する第2インクの組み合わせを有する水性のインクセットであって、
    前記第1インクが、樹脂粒子、水溶性樹脂、及びHLB値が5以上14以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物を含有し、
    前記第2インクが、水溶性ウレタン樹脂を含有するとともに、前記色材が顔料であり、前記第2インク中の前記水溶性ウレタン樹脂の酸価N1(mgKOH/g)が、前記第1インク中の前記水溶性樹脂の酸価N2(mgKOH/g)よりも60mgKOH/g以上低く、
    前記第2インク中の前記水溶性ウレタン樹脂の含有量U(質量%)が、前記顔料の含有量P(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上であることを特徴とするインクセット。
  2. 前記第1インク中の前記樹脂粒子の体積平均粒子径D1(nm)が、前記第2インク中の前記顔料の体積平均粒子径D2(nm)に対する比率で、0.6倍以上1.2倍以下である請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第2インク中の前記水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量が、8,000以上22,000以下である請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記第2インクが、さらに、前記第1インク中の前記水溶性樹脂と同一の第2の水溶性樹脂を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記第1インクの寿命時間50ミリ秒における動的表面張力が、30mN/m以上35mN/m以下であり、
    前記第1インクの静的表面張力が、25mN/m以上30mN/m以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクセットを構成する各インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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