JP2017036432A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サーマル方式で吐出されるインクにおいて、ジルコニアに起因するコゲによる吐出性の低下を抑制することができるインクを提供する。【解決手段】熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録方法に用いる水性インクである。酸化ジルコニウム、顔料、樹脂分散剤、第1のウレタン樹脂、及び第2のウレタン樹脂を含有し、酸化ジルコニウム含有量(Zr換算;ppm)が0.5ppm以上20.0ppm以下であり、顔料はフタロシアニン顔料などであり、第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂が、いずれもポリエーテルポリオールに由来するユニットを有し、第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1が、第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2に対する比率で0.20倍以上0.80倍以下であり、第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2が20,000以上70,000以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法により、銀塩写真やオフセット印刷で実現されているような高精細で高発色性の画像を記録することが可能となっている。インクに用いられる色材としては、染料及び顔料があり、耐ガス性、耐光性、耐水性などの画像の堅牢性の観点から顔料が広く用いられている。
また、写真印刷やグラフィックアート印刷などの用途の多様化に伴い、より広い色再現範囲が求められるようになっている。そのため、シアン、マゼンタ、及びイエローの基本3原色のインクに加えて、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、及びバイオレットなどの、基本3原色以外のいわゆる特色インクを追加し、色再現範囲の拡大を図ることが種々検討されている。それに伴い、インクジェット記録方法で用いられる顔料の種類も多様となっている。例えば、従来からシアン顔料として広く用いられてきたフタロシアニン顔料;マゼンタ顔料として広く用いられてきたキナクリドン顔料;イエロー顔料として広く用いられてきたアゾ顔料などがある。さらに、これらの顔料に加えて、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、及びアントラキノン顔料などの様々な種類の顔料が用いられるようになってきている。
写真印刷やグラフィックアート印刷においては、より高精細かつ光沢性に優れた画像が求められる。このような用途に適用されるインクは、樹脂分散剤により顔料を分散する、いわゆる樹脂分散顔料を含有するものが多い。樹脂分散顔料は、疎水性ユニットにより顔料の粒子表面に物理的に吸着するとともに、親水性ユニットの水和力により、本質的に疎水性である顔料を水性媒体に分散させるものである。疎水性の顔料は樹脂分散剤の作用によりインク中に安定に分散されている。但し、顔料の分散状態が不安定となり、記録ヘッドからのインクの吐出性に影響を及ぼすと、画像ムラなどが生じやすくなる。したがって、インクの吐出性に対する要求も、これまで以上に高いレベルとなっている。特に、記録ヘッドからの累積の吐出回数の増加に伴ってインクの吐出性が変化する場合、各ノズルの累積の吐出回数に応じた吐出性の差に起因する、画像ムラなどが生じる。したがって、ノズルごとに累積の吐出回数が異なっても、インクの吐出性が変化しないことも求められるようになってきている。
インクジェット用のインクに用いられる樹脂分散顔料の分散方法は、メディア分散方式とメディアレス分散方式の2つに大別される。メディア分散方式はビーズなどのメディアを用いて顔料に物理的な力をかけて分散する方式であり、ボールミルやビーズミルなどを用いる。メディアレス分散方式は液体を利用してせん断応力やキャビテーションなどの力を生じさせ、これを顔料に作用させることによって分散する方式であり、高速ホモジナイザーや高圧分散機などを用いる。
高速ホモジナイザーを用いるメディアレス分散方式では、粒子に与えることができるせん断応力に限界があるため、長時間の撹拌が必要となったり、分散可能な顔料の種類が制限されたりすることがある。また、高圧分散機を用いるメディアレス分散方式では、チャンバー内に目詰まりが生じたり、分散に必要なパス回数が多くなったりするため、分散に時間がかかることが多い。このため、主として生産性及び汎用性の観点から、メディアレス分散方式ではなく、メディア分散方式が広く採用されている。
メディア分散方式で用いられるビーズには、ガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズなどがある。これらのうち、顔料に対してより強い力を与えられる点から、密度の高いビーズであるジルコニアビーズが幅広く用いられている。しかし、ジルコニアビーズを用いて分散された顔料を用いて調製したインクには、ビーズの摩耗などによってジルコニアが混入することが知られている。但し、ジルコニアが混入したとしても、水性インク中のジルコニアの含有量は、ジルコニウム(Zr)換算で高くても数十ppmというようなかなり少ないレベルに制御される。しかし、この程度の含有量であったとしても、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出させるサーマル方式の場合、熱エネルギーを付与するためのヒーター上にジルコニアなどを含むコゲが堆積することがある。
ヒーター上にコゲが堆積するとインクに付与される熱エネルギーが減少するため、吐出性が低下する。これにより、上記のノズルの累積の吐出回数に応じた吐出性の変化が引き起こされる。すなわち、累積の吐出回数が少ないノズルは吐出性が良好であるが、累積の吐出回数が多いノズルは吐出性が劣る状態となり、この違いが画像ムラなどにつながることになる。なお、ピエゾ素子の変形によりインクを吐出させる、いわゆるピエゾ方式の場合にはコゲが生じないため、コゲに起因する吐出性の変化や画像ムラなどの課題は生じない。
ヒーター上のコゲを抑制すべく、例えば、ジルコニウムなどの特定の金属、金属イオン、及び金属酸化物の合計含有量を、金属換算で30ppm以下としたインクが提案されている(特許文献1)。また、特定構造のアゾ顔料、特定の構成単位を含むビニルポリマー、及びウレタン樹脂を含有するインクが提案されている(特許文献2)。さらに、吐出安定性を向上させる方法として、顔料又は染料と、特定の方法で製造されたポリウレタン樹脂からなるバインダーとを含むインクが提案されている(特許文献3)。また、自己分散顔料及び2種類のウレタン樹脂を含有するインクが提案されている(特許文献4)。
特開2001−187851号公報 特開2012−025866号公報 特開2013−035897号公報 特表2005−515289号公報
本発明者らの検討の結果、特許文献1で提案された技術では、顔料としてカーボンブラックを用いた場合には効果は得られるが、特定の有機顔料を用いた場合には効果が得られないことがわかった。また、特許文献2で提案された技術では、特定の顔料に由来するコゲに対しては効果が得られるが、インク中のジルコニアに起因するコゲに対しては効果が得られないことがわかった。さらに、特許文献3で提案された技術では、吐出方向の異常や不吐出は生じないが、累積の吐出回数に応じた吐出性の変化が生ずることがわかった。なお、自己分散顔料は化学的な処理によって分散能が付与された顔料であることから、通常、上述のようなメディア分散方式は利用されない。したがって、特許文献4で提案された自己分散顔料を色材として含有するインクなどは、意図的に添加しない限り、酸化ジルコニウムを含有しない。
したがって、本発明の目的は、サーマル方式で吐出されるインクにおいて、ジルコニアに起因するコゲによる吐出性の低下を抑制することができるインクを提供することにある。また、本発明の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法に用いる水性インクであって、酸化ジルコニウム、顔料、前記顔料を分散するための樹脂分散剤、第1のウレタン樹脂、及び第2のウレタン樹脂を含有し、前記酸化ジルコニウムのジルコニウム換算の含有量(ppm)が、インク全質量を基準として、0.5ppm以上20.0ppm以下であり、前記顔料が、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、及びアントラキノン顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記第1のウレタン樹脂及び前記第2のウレタン樹脂が、いずれも、ポリエーテルポリオールに由来するユニットを有し、前記第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1が、前記第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2に対する比率で、0.20倍以上0.80倍以下であり、前記第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2が、20,000以上70,000以下であることを特徴とする水性インクが提供される。
本発明によれば、サーマル方式で吐出されるインクにおいて、ジルコニアに起因するコゲによる吐出性の低下を抑制することができるインクを提供することができる。また、本発明によれば、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。 第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂により形成される網目構造を示す模式図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
本発明者らは、特定の顔料(フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、及びアントラキノン顔料)を色材として含有するインクについて検討した。その結果、上記特定の顔料は、インクに混入する酸化ジルコニウムの含有量が、ジルコニウム濃度換算で0.5ppm以上であると、吐出のための熱エネルギーが付与された際に、酸化ジルコニウムの作用によって分散状態が不安定になることがわかった。分散状態が不安定化した上記顔料の粒子はヒーター上にコゲとして堆積しやすいため、コゲにより吐出性が低下する。上記特定の顔料及び所定量の酸化ジルコニウムを含有するインクを、サーマル方式の記録ヘッドから吐出する場合において、コゲによって吐出性が低下する理由は以下のように考えられる。
上記特定の顔料は、その分子構造中にN−H結合やC=O結合などの極性基を有するため、顔料の粒子表面には高親水性の部位が存在している。高親水性の部位は、樹脂分散剤の疎水性部分と相互作用しにくいため、樹脂分散剤への吸着力が弱いだけでなく、親水性である酸化ジルコニウムを引き寄せやすい。吐出のためのエネルギーがインクに付与されると、特定の顔料における高親水性の部位からは樹脂分散剤が脱離しやすくなるとともに、親水性である酸化ジルコニウムの存在により、樹脂分散剤の吸着が妨げられやすくなる。そして、本来、樹脂分散剤が吸着することで安定化されるはずの顔料の粒子表面に樹脂分散剤が吸着できなくなると、表面エネルギー的に不安定な状況となる。ここで、上記特定の顔料は、その構造中に複数の芳香環が連なった構造を有するため、顔料の粒子表面にはπ電子が多く存在する。このπ電子により顔料の粒子間で強い相互作用が生じ、顔料の分散状態が不安定になる。このようにして表面エネルギー的に不安定な状態となった顔料がヒーター上にコゲとして堆積することで、インクの吐出性が低下したと考えられる。さらに、ノズルからの累積の吐出回数が多いほどコゲの堆積量も多くなるため、吐出性はさらに低下しやすくなる。このようにして、複数のノズル間で累積の吐出回数が異なる場合、吐出性の劣化のレベルも異なり、この違いが画像ムラとして認識されると考えられる。
そこで、本発明者らは、吐出のためのエネルギーがインクに付与されても、顔料の分散状態を安定に保てるようにすることで吐出性の低下を抑制できると考え、インクに含有させる樹脂分散剤以外の種々の樹脂について検討を行った。その結果、所定量の酸化ジルコニウムを含有するインクを熱エネルギーの作用により記録ヘッドから吐出させる場合に生ずる吐出性の低下は、以下に示す(1)及び(2)の条件を満たすインクによって抑制されうることを見出した。
(1)ポリエーテルポリオールに由来するユニットをそれぞれ有する第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂を含有する。
(2)これらのウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1及びMw2がMw1/Mw2=0.20倍以上0.80倍以下の関係を満たすとともに、Mw2が20,000以上70,000以下である。
特定の条件を満たす2種のウレタン樹脂を用いることで、コゲによる吐出性の低下を抑制することが可能となる理由について、本発明者らは以下のように推測している。図3は、第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂により形成される網目構造を示す模式図である。ウレタン樹脂は、その分子鎖中に多数のウレタン結合(−NH−CO−O−)を有するので、水素結合を形成しやすい。このため、相対的に低分子量のウレタン樹脂1と、相対的に高分子量のウレタン樹脂2は、ウレタン結合3及び4を介してインク中で比較的強く相互作用し、図3に示すような網目構造を形成する。一方、ウレタン樹脂中のポリエーテルポリオールに由来するユニットは適度な親水性を有するため、このユニットの作用により、網目構造を形成したウレタン樹脂は水性インク中で安定に存在することができる。加えて、ポリエーテルポリオールに由来するユニットは、顔料の高親水性の部位に対する適度な親和性をも有する。以上のような理由から、吐出のためのエネルギーがインクに付与された際に、ウレタン樹脂は顔料の高親水性の部位、すなわち樹脂分散剤が脱離しやすい部位を保護すると考えられる。さらに、それぞれの分子量が所定の関係を満たす2種類のウレタン樹脂をインクに含有させることで、1種類のウレタン樹脂のみをインクに含有させた場合に比して、ジルコニアに起因して生ずるコゲによる吐出性の低下を抑制することができる。
上記(2)の条件を満たす2種類のウレタン樹脂を用いた場合、これらのウレタン樹脂により形成される網目構造(図3)は、網目がより小さく、立体的に複雑な構造となる。このため、ポリエーテルポリオールに由来するユニットと、顔料の高親水性の部位との作用点がより多く存在することになる。より詳細には、重量平均分子量が相対的に大きいウレタン樹脂の分子鎖を中心として、重量平均分子量が相対的に小さいウレタン樹脂の分子鎖が細かく折りたたまれるように配置され、ウレタン樹脂の分子鎖が分岐したような構造を取りやすい。このため、前述の作用点を効率よく増加させることができる。以上のような理由から、吐出のためのエネルギーがインクに付与されても、顔料の分散状態を安定に保つことができるので、ヒーター上へのコゲの堆積を抑制することができ、吐出性の低下が回避される。したがって、ノズルごとの累積の吐出回数によらず、インクの吐出性が安定すると考えられる。
また、本発明者らの検討の結果、「ジルコニアに起因して生じたコゲによるインクの吐出性の低下」という技術課題は、カーボンブラックやアゾ顔料などの色材を含有するインクについては生じないことが判明した。カーボンブラックは疎水性が非常に高い顔料であるため、樹脂分散剤が脱離しにくいとともに、樹脂分散剤の顔料への吸着が親水性の酸化ジルコニウムによって妨げられることもない。このため、カーボンブラックを色材として含有するインクの場合、コゲにつながるような顔料の分散状態の不安定化が生じにくい。また、アゾ顔料の粒子表面には高親水性の部位は存在するが、その他の構造に起因して、顔料の粒子間での相互作用が生じにくい。また、酸化ジルコニウムも付着しにくいため、コゲにつながるような顔料の分散状態の不安定化が生じにくい。以上のような理由から、「ジルコニアに起因して生じたコゲによるインクの吐出性の低下」は、特定の顔料を色材として含有するインクに特有の技術課題であると考えられる。
<インク>
本発明の水性インクは、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法に用いる水性インクであり、酸化ジルコニウム、顔料、第1のウレタン樹脂、及び第2のウレタン樹脂を含有する。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載によって限定されるものではない。
(酸化ジルコニウム)
本発明のインクは、酸化ジルコニウムを含有する。酸化ジルコニウムは、顔料の分散工程などの、インクの製造工程におけるコンタミネーションに由来して非意図的に混入される。酸化ジルコニウムは、通常、インク中では微小な固体状の結晶として存在する。その結晶中に、例えばイットリウムなどの他の元素を含んでいてもよい。インクが酸化ジルコニウムを含有することは、例えば、以下のようにして確認できる。まず、熱エネルギーを利用して記録ヘッドからインクを吐出させて、記録ヘッドのヒーター部分にコゲを堆積させる。次いで、X線電子分光法(XPS)、エネルギー分散型X線分光法(EDS)、電子エネルギー損失分光法(EELS)などの手法により、堆積したコゲの構成成分を分析する。なお、樹脂分散剤により分散された顔料以外の水性インクの構成材料に由来して、酸化ジルコニウムなどのジルコニウム化合物がインクに混入することはほとんどないと言える。例えば、水や水溶性有機溶剤などの構成材料に由来して、ごく微量のジルコニウム化合物の混入があったとしても、その含有量は分析可能なレベルを下回っている。このため、簡易的には、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)により、インク中にジルコニウムが存在することが確認できれば、インク中に酸化ジルコニウムが存在すると推定することができる。同様の理由から、ICP−OESにより測定したインク中のジルコニウムの含有量(ppm)は、酸化ジルコニウムに由来するものであると推定することができる。
酸化ジルコニウムのジルコニウム換算の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)によるジルコニウム濃度の測定から、求めることができる。インク中の酸化ジルコニウムのジルコニウム換算の含有量(ppm)は、インク全質量を基準として、0.5ppm以上20.0ppm以下である。ジルコニウムの含有量が0.5ppm未満であると、コゲによる吐出性の低下が生じないため、ノズルごとの累積の吐出回数に応じた吐出性の変化が生じない。一方、ジルコニウムの含有量が20.0ppm超であると、ジルコニウムの含有量が多すぎるため、ウレタン樹脂をどのように選択して含有させたとしても、吐出性の低下を抑制できない。
(顔料)
本発明のインクに含有される顔料は、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、及びアントラキノン顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種である。フタロシアニン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58などを挙げることができる。キナクリドン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との組み合わせなどの固溶体などを挙げることができる。ジケトピロロピロール顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントオレンジ71などを挙げることができる。ジオキサジン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット23などを挙げることができる。ペリノン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ43などを挙げることができる。ペリレン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド149などを挙げることができる。アントラキノン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177などを挙げることができる。これらの顔料は、1種のみを用いても、複数種を組み合わせて用いてもよい。さらに、上記の顔料と、上記の顔料以外の顔料とを組み合わせて用いてもよい。
インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.20質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。顔料の含有量が0.20質量%未満であると、画像の発色性が低下する場合がある。一方、顔料の含有量が10.00質量%超であると、インクの粘度が過度に上昇して、吐出不良が生じる場合がある。
(樹脂分散剤)
本発明のインクは、インク中に顔料を分散するための樹脂分散剤を含有する。すなわち、本発明のインクに色材として用いる顔料は、樹脂分散剤によってインク中に分散させる分散方式の樹脂分散顔料である。樹脂分散顔料を色材として含有させることで、高い光沢性が付与された画像を記録することができる。樹脂分散剤は、通常、アニオン性基を持ったユニット(親水性ユニット)と、アニオン性基を持たないユニット(疎水性ユニット)とを有する。親水性ユニットは、水性媒体への親和性を担保するためのユニットである。疎水性ユニットは、顔料の粒子表面に疎水性相互作用により吸着するためのユニットである。樹脂分散剤によってインク中に分散させる方式の顔料としては、例えば、顔料の粒子表面に樹脂分散剤を物理的に吸着させて分散させたものや、マイクロカプセル顔料などを挙げることができる。マイクロカプセル顔料は、顔料の粒子表面を樹脂分散剤で被覆してインク中に分散させたものである。
樹脂分散剤としては、水溶性樹脂を用いることが好ましい。本発明における「水溶性樹脂」とは、水性媒体に溶解し、粒子径を有する粒子を形成しない状態で水性媒体中に存在しうる樹脂を意味する。樹脂分散剤が水分散性(水不溶性)であると、インクの保存安定性がやや低下しやすくなる場合がある。
樹脂分散剤として用いる樹脂が水溶性であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒子径を動的光散乱法により測定した場合に、粒子径を有する粒子が測定されない場合に、その樹脂は水溶性であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、以下のようにすることができる。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
なかでも、樹脂分散剤としては、アニオン性基を持ったユニット(親水性ユニット)及びアニオン性基を持たないユニット(疎水性ユニット)を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることが好ましい。なお、以下の記載における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」、また、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味する。
アニオン性基を持ったユニット(親水性ユニット)は、例えば、アニオン性基を持ったモノマーを重合することで形成することができる。アニオン性基を持ったモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシ基を有するモノマー、これらのモノマーの無水物や塩などを挙げることができる。アニオン性基を持ったモノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。
アニオン性基を持たないユニット(疎水性ユニット)は、例えば、アニオン性基を有しないモノマーを重合することで形成することができる。アニオン性基を持たないモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾールなどの芳香環を有するモノマー;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(n−、iso−、t−)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族基を有するモノマーなどを挙げることができる。
インク中の顔料の体積平均粒子径は、10nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。顔料の体積平均粒子径は、例えば、動的光散乱方式の粒径測定装置を使用して測定することができる。
本発明のインクは、樹脂分散剤、第1のウレタン樹脂、及び第2のウレタン樹脂、の3種の樹脂を含有する。インクに含まれるいずれの樹脂が顔料を分散させている樹脂であるかについては、以下に示す方法で判断することができる。インクを濃縮又は希釈して全固形分の含有量が10質量%程度になるように調製した液体を、12,000rpmで1時間遠心分離する。これにより、水溶性有機溶剤や分散に寄与しない樹脂などが含まれる液層と、顔料を含む沈降成分とを分離し、沈降成分を回収する。そして、回収した沈降成分に含まれている樹脂が、顔料を分散させている樹脂であると判断することができる。すなわち、沈降成分に主成分として含まれている樹脂が、顔料の分散に寄与する樹脂(樹脂分散剤)である。一方、液層に主成分として含まれている樹脂は、顔料の分散に寄与しない樹脂である。
(ウレタン樹脂)
本発明のインクは、重量平均分子量が互いに異なる第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂を含有する。ウレタン樹脂をインクに含有させることで、記録される画像の光沢性を高めることができる。ウレタン樹脂が1種のみの場合、吐出性の低下を抑制できない。なお、後述の関係を満たす少なくとも2種のウレタン樹脂を含有すれば、3種以上のウレタン樹脂を含有してもよい。本発明においては、便宜上、重量平均分子量が、相対的に小さいものを「第1のウレタン樹脂」、相対的に大きいものを「第2のウレタン樹脂」と呼ぶ。本発明においては、ウレタン樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算として求めた値とする。
第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1は、第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2に対する比率(Mw1/Mw2)で、0.20倍以上0.80倍以下であることを要する。さらに、第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2は、20,000以上70,000以下であることを要する。上記の比率が0.20倍未満であると、第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂の相互作用が強くなりすぎるため、第1のウレタン樹脂及び顔料の相互作用が相対的に弱くなり、吐出性の低下を抑制することができない。一方、上記の比率が0.80倍超であると、分子量が大きいために生じる立体障害により、網目構造状のウレタン樹脂のうち第1のウレタン樹脂が顔料に相互作用しにくくなるため、吐出性の低下を抑制することができない。また、第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2が20,000未満であると、第2のウレタン樹脂中のウレタン結合が少なくなるため、第1のウレタン樹脂と相互作用しにくくなり、吐出性の低下を抑制することができない。一方、第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2が70,000超であると、分子量が大きいために生じる立体障害により、網目構造を持つウレタン樹脂が顔料の近傍に存在しにくくなるため、吐出性の低下を抑制することができない。第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2は、吐出性をさらに向上させる観点から、25,000以上60,000以下であることが好ましい。
第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1は、5,000以上30,000以下であることが好ましい。Mw1が5,000未満であると、第1のウレタン樹脂中のウレタン結合が少なく、第2のウレタン樹脂との間の相互作用が十分に強くならず、吐出性の低下抑制の程度がやや劣る場合がある。一方、Mw1が30,000超であると、分子量が大きいために生じる立体障害により、網目構造を持つウレタン樹脂が顔料の近傍に存在しにくくなるため、吐出性の低下抑制の程度がやや劣る場合がある。第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1は、10,000以上20,000以下であることがさらに好ましい。Mw1が10,000未満であると、第1のウレタン樹脂が顔料層にとどまりにくくなるため、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。Mw1が20,000超であると、画像表面に凹凸が生じやすくなるため、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。
第1のウレタン樹脂の酸価は、30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。また、第2のウレタン樹脂の酸価は、30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。
インク中の第2のウレタン樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.02質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。第2のウレタン樹脂の含有量が0.02質量%未満であると、ウレタン樹脂の網目構造における第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂の相互作用が十分に強くならず、吐出性の低下抑制の程度がやや劣る場合がある。一方、第2のウレタン樹脂の含有量が2.00質量%超であると、第2のウレタン樹脂が会合しやすくなり、顔料の粒子表面や第1のウレタン樹脂との相互作用を生じにくくなるため、吐出性の低下抑制の程度がやや劣る場合がある。インク中の第2のウレタン樹脂の含有量(質量%)は、0.10質量%以上0.80質量%以下であることがさらに好ましい。
インク中の第1のウレタン樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.02質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。第1のウレタン樹脂の含有量が0.02質量%未満であると、第1のウレタン樹脂と顔料の高親水性の部位に作用する第1のウレタン樹脂の構造(ポリエーテルポリオールに由来するユニット)が少なくなるため、吐出性の低下抑制の程度がやや劣る場合がある。一方、第1のウレタン樹脂の含有量が2.00質量%超であると、第1のウレタン樹脂が会合しやすくなり、顔料の粒子表面や第2のウレタン樹脂との相互作用を生じにくくなるため、吐出性の低下抑制の程度がやや劣る場合がある。インク中の第1のウレタン樹脂の含有量(質量%)は、0.05質量%以上0.80質量%以下であることがさらに好ましい。
インク中のウレタン樹脂の合計含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上2.00質量%以下であることが好ましく、0.20質量%以上1.00質量%以下であることがさらに好ましい。インク中の第1のウレタン樹脂の含有量(質量%)は、第2のウレタン樹脂の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.50倍以上であることが好ましい。上記の質量比率が0.50倍未満であると、第2のウレタン樹脂に対して、第1のウレタン樹脂が少なくなり過ぎるので、画像表面に凹凸が生じやすくなり、画像の光沢性が十分に得られない場合がある。上記の質量比率は、200.00倍以下であることが好ましく、100.00倍以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクに用いるウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを反応させて得ることができる。これに加えて、鎖延長剤をさらに反応させたものであってもよい。ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネートや芳香族ポリイソシアネートなどを用いることができる。脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどの鎖状構造を有するポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの環状構造を有するポリイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネートなどを挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどを挙げることができる。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオールを用いる。これに加えて、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びアニオン性基を有するポリオールなどを用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオキサイド及びポリオール類の付加重合物;(ポリ)アルキレングリコールなどのグリコール類;などを挙げることができる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなどを挙げることができる。また、アルキレンオキサイドと付加重合するポリオール類としては、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4−ジヒドロキシフェニルメタン、水素添加ビスフェノールA、ジメチロール尿素及びその誘導体などのジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ポリオキシプロピレントリオールなどのトリオール;などを挙げることができる。グリコール類としては、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの(ポリ)アルキレングリコール;エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体;などを挙げることができる。
これらのなかでも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグリコール類が好ましい。ウレタン樹脂における、アニオン性基を有しないポリオールに由来するユニットに占める、グリコール類に由来するユニットの割合は、90.0質量%以上であることが好ましい。上記の割合は100.0質量%であること、すなわち、アニオン性基を有しないポリオールに由来するユニットの全てがグリコール類に由来するユニットであることがさらに好ましい。
第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂のうち、一方がポリプロピレングリコールに由来するユニットを有し、他方がポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールの少なくとも一方に由来するユニットを有することが好ましい。第1のウレタン樹脂及び第2のウレタン樹脂を上記の組み合わせで用いることで、特定の顔料の分散状態を安定に維持することができる。このように、所定のユニットを有する2種類のウレタン樹脂を組み合わせて用いることで、特定の顔料の分散状態を安定に維持することが可能となるのは、ポリオールの親疎水性及びポリオール中の分岐鎖に関係があると考えられる。
前述の通り、ポリエーテルポリオールに由来するユニットは、顔料の高親水性の部位に対する適度な親和性を有する必要がある。ポリプロピレングリコールは、顔料の高親水性の部位に対して最適な親和性を有するとともに、分岐構造を持つので、ポリエーテルポリオールに由来するユニット間での相互作用は抑制されている。このため、ポリプロピレングリコールに由来するユニットを有するウレタン樹脂は、特定の顔料の分散状態を安定に維持するのに最適であると考えられる。
また、ポリテトラメチレングリコールは、ポリプロピレングリコールに比して疎水性が高い。さらに、ポリテトラメチレングリコールの分子構造は直鎖状であるので、ポリプロピレングリコールと比べて、特定の顔料との間に生ずる相互作用は弱くなる。但し、ポリテトラメチレングリコールに由来するユニットを有するウレタン樹脂と、ポリプロピレングリコールに由来するユニットを有するウレタン樹脂とを共存させた場合、特定の顔料の分散状態をより安定に維持することができると考えられる。
また、ウレタン樹脂は、その構造中に、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などのアニオン性基や、カルボニル基、ヒドロキシ基などを有することが好ましい。これらの基は親水性基であるため、これらの親水性基をその分子構造中に有するウレタン樹脂は、水性インク中でより安定に存在することができる。特に、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸などのアニオン性基を有するジオールに由来するユニットを有するウレタン樹脂を用いることが好ましい。アニオン性基は塩を構成していてもよい。塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。各ウレタン樹脂について、酸価を与えるユニットのうちの90.0質量%以上のユニットが、アニオン性基を有するジオールに由来するユニットであることが好ましい。なかでも、各ウレタン樹脂の酸価を与えるユニットの全てが、アニオン性基を有するジオールに由来するユニットであることが特に好ましい。
鎖延長剤は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるウレタンプレポリマー中のポリイソシアネートユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応しうる化合物である。鎖延長剤としては、ジメチロールエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどの多価アミン;ポリエチレンポリイミンなどの多価イミン;ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオールなどの多価アルコールを用いることができる。本発明のインクに含有させる各ウレタン樹脂は、架橋されていないことが好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性インクである。水性媒体には、さらに水溶性有機溶剤を含有させることができる。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はない。水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。なかでも、数平均分子量200〜2,000程度のポリエチレングリコール、1,2−アルカンジオールなどの水溶性有機溶剤を少なくとも用いることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、15.00質量%以上40.00質量%以下であることがさらに好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量が上記の範囲外であると、吐出不良が生じる場合がある。
(その他の樹脂)
本発明のインクは、上記のウレタン樹脂以外の樹脂(その他の樹脂)をさらに含有してもよい。その他の樹脂の種類や形態は、水性インク中に安定に存在できるものであればよい。その他の樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂の溶解性を向上させるために塩基を添加してもよい。塩基としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの有機アミン;水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基を用いることができる。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも、必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素及びその誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに熱エネルギーを付与する方式を採用する。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
本発明のインクを用いて画像を記録する対象とする記録媒体としては、どのようなものを用いてもよい。なかでも、普通紙や、コート層を有する記録媒体(光沢紙やアート紙)などの、浸透性を有する紙を用いることが好ましい。特に、インク中の顔料粒子の少なくとも一部を記録媒体の表面やその近傍に存在させることができる、コート層を有する記録媒体を用いることが好ましい。このような記録媒体は、画像を記録した記録物の使用目的などに応じて選択することができる。例えば、写真画質の光沢感を有する画像を得るのに適した光沢紙や、絵画、写真、及びグラフィック画像などを好みに合わせて表現するために、基材の風合い(画用紙調、キャンバス地調、和紙調など)を生かしたアート紙などを用いることができる。なかでも、コート層の表面が光沢性を有する、いわゆる光沢紙を用いることが特に好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<ウレタン樹脂の合成>
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコに、表1−1〜1−6に示す使用量(単位:部)のポリオール、ポリイソシアネート、及びジブチル錫ジラウレート0.007部を入れ、窒素ガス雰囲気下、100℃で5時間反応させた。65℃以下に冷却した後、表1−1〜1−6に示す使用量のアニオン性基を有するジオール、鎖延長剤、及びメチルエチルケトン150.0部を添加し、80℃で反応させた。40℃に冷却した後、メタノール20.0部を加えて反応を停止させた。適量のイオン交換水を添加した後、ホモミキサーで撹拌しながら、樹脂のアニオン性基を中和するために必要な量の10.0%水酸化カリウム水溶液を添加した。加熱減圧下でメチルエチルケトン及び未反応のメタノールを留去して、樹脂(固形分)の含有量が10.0%であるウレタン樹脂1〜66の水溶液を得た。なお、ウレタン樹脂の重量平均分子量は、80℃での反応時間を適宜変化させて調整した。
得られた水溶液に塩酸を滴下して析出したウレタン樹脂を分取し、40℃で一晩真空乾燥させて固形状のウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂をテトラヒドロフランに溶解させて得た溶液を、酸価及び重量平均分子量を測定する対象のサンプルとした。ウレタン樹脂の酸価は、電位差自動滴定装置(京都電子工業製)を使用し、水酸化カリウム/エタノール滴定液で電位差滴定することにより測定した。ウレタン樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算の値として求めた。測定装置としては、GPC(商品名「Alliance GPC 2695」、Waters製)を用いた。カラムは、商品名「Shodex KF−806M」(昭和電工製)の4連カラムを用いた。検出器としては、RI(屈折率)検出器(商品名「2414Detector」、Waters製)を用いた。標準ポリスチレン試料は、PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製)を用いた。ウレタン樹脂の酸価及び重量平均分子量を表1−1〜1−6に示す。
表1−1〜1−6中のモノマーの略記号の意味を以下に示す。なお、略記号に付した数値はポリオールの数平均分子量である。
PPG:ポリプロピレングリコール
PTMG:ポリテトラメチレングリコール
PEG:ポリエチレングリコール
PCD:ポリヘキサメチレンカーボネートジオール
PEA:ポリエチレンアジペート
PBA:ポリブチレンアジペート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
TDI:2,6−トルエンジイソシアネート
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
XDI:キシシレンジイソシアネート
DMPA:ジメチロールプロピオン酸
DMBA:ジメチロールブタン酸
NPG:ネオペンチルグリコール
14BD:1,4−ブタンジオール
GLY:グリセリン
TMP:トリメチロールプロパン
EDA:エチレンジアミン
DETA:ジエチレントリアミン
Figure 2017036432
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<アクリル樹脂の合成>
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、メチルエチルケトン200.0部を入れ、反応系を窒素に置換した。一方、ベンジルアクリレート25.0部、スチレン35.0部、2−エトキシエチルアクリレート5.0部、メチルメタクリレート15.0部、アクリル酸20.0部、及びt−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)2.0部の混合物を用意した。反応系を80℃に昇温し、用意した混合物を2時間かけて滴下した後、80℃で14時間反応させてアクリル樹脂を得た。樹脂のアニオン性基を中和するために必要な量の10.0%水酸化カリウム水溶液を添加した後、適量のイオン交換水を加えて、樹脂(固形分)の含有量が20.0%であるアクリル樹脂の水溶液を得た。アクリル樹脂の酸価は156mgKOH/g、重量平均分子量は33,000であった。アクリル樹脂の酸価及び重量平均分子量は、得られた水溶液を測定用の試料とし、ウレタン樹脂の場合と同様の条件で測定した。また、アクリル樹脂の水溶液を純水で20倍(体積基準)に希釈した試料について、動的光散乱法による粒度分析計(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を用い、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒の条件で粒子径を測定した。その結果、粒子径は測定されず、水溶性であることが確認された。
<顔料分散液の調製>
表2−1及び2−2に示す成分(単位:部)を混合して混合物を得た。表2−2中の「樹脂水溶液」は、顔料を分散するために用いる樹脂(樹脂分散剤)の水溶液である。樹脂水溶液としては、アクリル系樹脂(商品名「ジョンクリル683」、BASF製)の水溶液(含有量(固形分):20.0%)を用いた。表2−2に示す条件で得られた混合物を分散した後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離して凝集成分を除去した。次いで、適量のイオン交換水を添加して顔料分散液を調製した。
メディア型分散機(「BM」と表記)を用いた顔料の分散は、ジルコニアビーズの充填率を80%としたメディア型分散機(商品名「ビーズミルLMZ2」、アシザワファインテック製)に混合物を入れ、周速12m/sの条件で処理することにより実施した。メディアレス分散機(「NM」と表記)を用いた顔料の分散は、高圧衝突型分散機(商品名「ナノマイザー」、吉田機械工業製)を使用し、圧力150MPa、50パスの条件で混合物を処理することにより実施した。高圧衝突型分散機を用いた分散は、メディア型分散機を用いて同様の顔料分散液を得るために必要な分散時間の約2倍の時間を要した。調製した顔料分散液中の顔料及び樹脂の含有量(%)、並びに酸化ジルコニウムのジルコニウム換算の含有量(「Zr」と表記(単位:ppm))を表2−2に示す。なお、酸化ジルコニウムのジルコニウム換算の含有量は、調製した顔料分散液をイオン交換水で希釈したものを測定試料とし、誘導結合プラズマ発光分光分析法(商品名「ICP−OES720」、アジレント・テクノロジー製)により測定した。測定は、ジルコニウム標準原液(商品名「ZrO(NO32・HNO3(0.1mol/L)溶液」、関東化学製)を用いた検量線法によって行った。
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<インクの調製>
表3−1〜3−22の中段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのセルロースアセテートフィルター(商品名「Minisart」、ザルトリウス製)にて加圧ろ過して各インクを調製した。用いたポリエチレングリコールの数平均分子量は1,000であった。一部のインクについては、ジルコニウムの含有量を調整するために2種類の顔料分散液を併用して調製した。表3−1〜3−22の下段には、顔料種、インク中の酸化ジルコニウムのジルコニウム換算の含有量(「Zr」と表記、ppm、測定条件は上記と同様)、第1のウレタン樹脂の含有量C1(%)、及び第2のウレタン樹脂の含有量C2(%)を示した。また、表3−1〜3−22の下段には、第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1、及び第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2を示した。また、表3−1〜3−22の下段には、第1のウレタン樹脂を構成するポリオールの種類(「第1のウレタン樹脂のポリオール」と表記)、及び第2のウレタン樹脂を構成するポリオールの種類(「第2のウレタン樹脂のポリオール」と表記)を示した。さらに、表3−1〜3−22の下段には、Mw1/Mw2の値(倍)、C1/C2の値(倍)、第1のウレタン樹脂の酸価AN1(mgKOH/g)、及び第2のウレタン樹脂の酸価AN2(mgKOH/g)を示した。使用した成分の詳細を以下に示す。
・アセチレノールE100:ノニオン性のアセチレングリコール系界面活性剤の商品名(川研ファインケミカルズ製)
・プロキセルGXL(S):防腐剤の商品名(アーチケミカルズ製)
また、表3−1〜3−22中の顔料種の略記号の意味を以下に示す。
QA:キナクリドン顔料
PC:フタロシアニン顔料
DPP:ジケトピロロピロール顔料
DO:ジオキサジン顔料
PN:ペリノン顔料
PL:ペリレン顔料
AQ:アントラキノン顔料
CB:カーボンブラック
AZ:アゾ顔料
QX:キノキサリン顔料
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<評価>
熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS PRO−10」、キヤノン製)を用いて以下に示す評価を行った。上記のインクジェット記録装置では、解像度が600dpi×600dpiで、1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.8ngのインクを8滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「AA」「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表4−1〜4−3に示す。
(吐出性)
インクをインクカートリッジに充填し、上記のインクジェット記録装置にセットした。記録ヘッドのノズルのうち一部のみを用いる条件で、記録デューティが100%である20cm×30cmのベタ画像を200枚分記録した。その後、記録ヘッドの各ノズルからインクを正常に吐出させるために、プリンタドライバを利用して記録ヘッドのクリーニング操作を1回行った。次いで、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド」、キヤノン製)に、記録デューティが60%である5cm×5cmのベタ画像を記録した。記録したベタ画像を壁に掲示し、画像からの観察距離を30cm、及び100cmとした条件で、ベタ画像を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって吐出性を評価した。
A:観察距離30cm、及び100cmのいずれにおいても、ベタ画像にムラが見られなかった。
B:観察距離30cmの場合、ベタ画像にムラが見られたが、観察距離100cmの場合、ベタ画像にムラが見られなかった。
C:観察距離30cm及び100cmのいずれにおいても、ベタ画像にムラが見られた。
(光沢性)
インクをインクカートリッジに充填し、上記のインクジェット記録装置にセットした。そして、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ(プラチナグレード)」、キヤノン製)に、記録デューティが30%、60%、90%、及び120%である4種のベタ画像(5cm×5cm)を含むパターンを記録して記録物を得た。得られた記録物を室温で1日放置して乾燥させた後、マイクロヘイズメーター(BYKガードナー製)を用いて、4種のベタ画像の20°グロスの値を測定し、それらの平均値を算出した。そして、20°グロスの平均値及び最小値から、以下に示す評価基準にしたがって画像の光沢性を評価した。
AA:20°グロスの平均値が50以上であり、かつ、最小値が40以上であった。
A:20°グロスの平均値が50以上であり、かつ、最小値が40未満であった。
B:20°グロスの平均値が40以上50未満であった。
C:20°グロスの平均値が40未満であった。
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Claims (10)

  1. 熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法に用いる水性インクであって、
    酸化ジルコニウム、顔料、前記顔料を分散するための樹脂分散剤、第1のウレタン樹脂、及び第2のウレタン樹脂を含有し、
    前記酸化ジルコニウムのジルコニウム換算の含有量(ppm)が、インク全質量を基準として、0.5ppm以上20.0ppm以下であり、
    前記顔料が、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、及びアントラキノン顔料からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記第1のウレタン樹脂及び前記第2のウレタン樹脂が、いずれも、ポリエーテルポリオールに由来するユニットを有し、
    前記第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1が、前記第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2に対する比率で、0.20倍以上0.80倍以下であり、
    前記第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2が、20,000以上70,000以下であることを特徴とする水性インク。
  2. 前記第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1が、5,000以上30,000以下である請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記第2のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw2が、25,000以上60,000以下である請求項2に記載の水性インク。
  4. 前記第1のウレタン樹脂の重量平均分子量Mw1が、10,000以上20,000以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
  5. 前記第1のウレタン樹脂及び前記第2のウレタン樹脂のうち、一方がポリプロピレングリコールに由来するユニットを有し、他方がポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールの少なくとも一方に由来するユニットを有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
  6. 前記第2のウレタン樹脂の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.02質量%以上2.00質量%以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水性インク。
  7. 前記第1のウレタン樹脂の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.02質量%以上2.00質量%以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水性インク。
  8. 前記第1のウレタン樹脂の含有量(質量%)が、前記第2のウレタン樹脂の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.50倍以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水性インク。
  9. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  10. 熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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