JP2014173069A - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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孝和 水谷
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Abstract

【課題】吐出よれが発生せず、間欠吐出安定性に優れた複数のインクを備え、かつ、高い耐ブリーディング性を有する画像を記録することが可能なインクセットの提供。
【解決手段】シアンインク中の式(1)で表される化合物の含有量C1、マゼンタインク中の式(1)で表される化合物の含有量M1、シアンインク中の式(2)で表される化合物の含有量C2、及びマゼンタインク中の式(2)で表される化合物の含有量M2が、C1>M1、C2<M2、C1+C2≦1.5、及びM1+M2≦1.5の関係を満たし、シアンインクの表面張力γC及びマゼンタインクの表面張力γMが、γC>γMの関係を満たすインクジェット用のインクセットである。
Figure 2014173069

【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、色材として顔料を含有するインク(顔料インク)がインクジェット記録方法に広く用いられるようになっており、銀塩写真に匹敵する高品位な画像を記録可能であることが要求されている。しかし、顔料インクには、顔料が粒子の形態であることに起因して、色材が分子の状態で水性媒体中に溶解している染料インクと比べて、記録される画像の光沢性や耐擦過性に劣る場合があるという課題がある。このような課題を解決するため、水溶性ウレタン樹脂を添加したインクについて多くの提案がある。また、顔料インクに樹脂を加えた際に問題となる、インク中における顔料の分散安定性の低下や、吐出時の分散破壊を抑制するために、EO−PO型ブロックポリマーやEO−PO型界面活性剤を添加したインクについての提案がある(特許文献1)。
また、複数のカラーインクを用いて高品質な画像を記録する上で課題となるのが、異なるインク間における境界滲み(ブリーディング)である。インク間におけるブリーディングを低減する目的で、ブラックインクのような明度の低いインクの表面張力を高めるとともに、イエローインクのような明度の高いインクの表面張力を低くすることが提案されている(特許文献2)。また、インク間の動的表面張力の大小関係と動的表面張力差を制御したインクセットが開示されている(特許文献3)。
特開2009−7556号公報 特開2002−155225号公報 特開2006−63322号公報
本発明者らは、画像性能の向上を目的として、様々な顔料及び水溶性ウレタン樹脂を含有するインクジェット用インクについて検討した。その結果、水溶性ウレタン樹脂を含有させたインクを、特に高周波数で吐出する、すなわち、短い吐出間隔で吐出すると吐出よれが発生し、インクの付着位置が意図した位置からずれる場合があることが判明した。そこで、特許文献1において提案された界面活性剤や水溶性樹脂をインクに添加して吐出よれの抑制を試みた。その結果、抑制効果が不十分である、或いは抑制効果は認められるものの界面活性剤の添加量が多くなりすぎることにより、間欠吐出安定性が低下してしまうことがわかった。間欠吐出安定性の低下とは、インクジェット記録方法で画像を記録する際、記録ヘッドの吐出口から一定時間インクが吐出されない状態が続くと、この記録ヘッドの吐出口からインク中の水分などが蒸発してしまい、インクが正常に吐出されなくなることをいう。
また、水溶性ウレタン樹脂及び界面活性剤をそれぞれ含有する複数のインクを備えたインクセットを用いて画像を記録したところ、ブリーディングが目立つ場合が多いことがわかった。そこで、耐ブリーディング性の向上を目的として、特許文献3の記載を参考にしてインクの処方や表面張力を調整した。その結果、耐ブリーディング性は若干向上したものの、本発明者らが所望する耐ブリーディング性のレベルにまで達しないことがわかった。
したがって、本発明の目的は、水溶性ウレタン樹脂を含有しながらも吐出よれが発生せず、間欠吐出安定性に優れた複数のインクを備え、かつ、高い耐ブリーディング性を有する画像を記録することが可能なインクセットを提供することにある。また、本発明の別の目的は、このインクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、顔料、水溶性ウレタン樹脂、及び界面活性剤をそれぞれ含有する、シアンインク並びにマゼンタインクを備えたインクセットであって、前記シアンインク中、下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)が0.15質量%以上であり、前記マゼンタインク中、下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)が0.30質量%以上であり、前記シアンインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、前記マゼンタインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)、前記シアンインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、及び前記マゼンタインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)が、C1>M1、C2<M2、C1+C2≦1.5、及びM1+M2≦1.5の関係を満たし、前記シアンインクの表面張力γC(mN/m)及び前記マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)が、γC>γMの関係を満たすことを特徴とするインクセットが提供される。
Figure 2014173069
(前記式(1)中、n及びmはユニット数の平均値であり、n及びmは、0.15≦n/(n+m)≦0.85の関係を満たし、前記式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上8,500以下である)
Figure 2014173069
(前記式(2)中、x及びyは、1.0≦x+y≦30.0の関係を満たす)
本発明によれば、水溶性ウレタン樹脂を含有しながらも吐出よれが発生せず、間欠吐出安定性に優れた複数のインクを備え、かつ、高い耐ブリーディング性を有する画像を記録することが可能なインクセットを提供することができる。また、本発明によれば、このインクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、本発明における表面張力とは、25℃における静的表面張力を意味する。
<吐出よれ>
まず、本発明に想到するに至った経緯について説明する。本発明者らは、水溶性ウレタン樹脂を含む顔料インクを用いて画像を記録した。その結果、高周波数で記録した際に吐出よれが発生しやすいことがわかった。そして解析の結果、以下のような原因で吐出よれが発生することが判明した。
低周波数で記録した場合、吐出口から溢れ出たインクは、流路内のインクに引っ張られるようにして流路内に戻る。しかし、高周波数で記録した場合、吐出口から溢れ出たインクが流路内に戻りきらないうちに、次のインク滴が吐出される。これが繰り返されることで、吐出口周囲は常にインクで濡れた状態になる。吐出口周囲のインクの乾燥に伴い、水溶性ウレタン樹脂が析出する。水溶性ウレタン樹脂が析出して膜化した部分では、それ以外の部位と比較して表面エネルギーが低下するため、インクが濡れにより付着しやすくなる。水溶性ウレタン樹脂が析出して膜化した部分に次に吐出されるインク滴が引かれてしまうことで、吐出よれが生じていることが判明した。
本発明者らはこの現象に対し、種々の界面活性剤を用いて吐出よれの抑制を試みた。しかし、多くの界面活性剤は抑制効果が不十分である、或いは抑制効果を得るために多量に添加する必要があり、間欠吐出安定性が低下してしまうことがわかった。さらに検討を進めたところ、下記式(1)で表される化合物、及び下記式(2)で表される化合物(アセチレングリコール系界面活性剤)は、間欠吐出安定性に低下を及ぼさない量を添加することで、吐出よれを抑制できることがわかった。
Figure 2014173069
(前記式(1)中、n及びmはユニット数の平均値であり、n及びmは、0.15≦n/(n+m)≦0.85の関係を満たし、前記式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上8,500以下である)
Figure 2014173069
(前記式(2)中、x及びyは、1.0≦x+y≦30.0の関係を満たす)
種々の界面活性剤のうち上記2種の界面活性剤が、吐出よれの発生を抑制する効果が高い理由について、本発明者らは以下のように考えている。
式(1)で表される化合物は、一般的な界面活性剤がアルキル基を疎水基とするのに対し、プロピレンオキサイド基を疎水基とするという特徴を有する。このプロピレンオキサイド基が、アルキル基と比較して水溶性ウレタン樹脂との吸着性に優れているため、比較的少量の添加でも効果的に吸着して溶解性を高め、付着抑制効果に優れると考えられる。また、式(2)で表される化合物は、水溶性ウレタン樹脂への吸着性は式(1)で表される化合物よりは劣るものの、吸着速度が非常に速いという性質を有する。このため、インク中で水溶性ウレタン樹脂に吸着及び安定化する効果に加え、吐出口周囲でインク中の水分の乾燥に伴い不安定化した水溶性ウレタン樹脂にも速やかに吸着する。これにより、水溶性ウレタン樹脂の溶解性を高めることができるため、吐出口周囲での水溶性ウレタン樹脂の析出を抑制していると考えられる。
式(1)で表される化合物をインク中に0.15質量%以上含有させることで、水溶性ウレタン樹脂の析出による吐出よれの発生を抑制することができる。また、式(2)で表される化合物をインク中に0.30質量%以上を含有させることで、吐出よれの発生を抑制することができる。これらの化合物の含有量がそれぞれ上記未満であると、吐出よれの抑制効果を十分に得られない場合がある。
<耐ブリーディング性>
次に、耐ブリーディング性(異なるインク間における境界滲み)について説明する。本発明者らは、まず、式(1)で表される化合物を含有するが、式(2)で表される化合物を含有しない複数のインクを備えたインクセットを用いて画像を記録した。そして、式(2)で表される化合物を含有するが、式(1)で表される化合物を含有しない複数のインクを備えたインクセットを用いて画像を記録した。その結果、いずれのインクセットを用いた場合であっても、耐ブリーディング性が求めるレベルには達しないことが判明した。
ブリーディングは滲みの大小によって左右されるが、特にインクの明度が異なる場合、インクの流れる方向によってブリーディングの目立ちやすさが異なる。例えば、明度の低いインクと明度の高いインクとのブリーディングを考えた場合、境界部において明度の低いインクが明度の高いインクの領域へと流れ込むと、生ずる滲みは目視で容易に認識されやすいため、耐ブリーディング性は大きく低下する。これに対して、明度の高いインクが明度の低いインクの領域へと流れ込むと、生ずる滲みは目視で認識しにくいため、耐ブリーディング性の低下は抑えられる。このように、良好な耐ブリーディング性を得るには、境界部において、相対的に明度の低いインクの、相対的に明度の高いインクの領域への流れ込みを抑制することが重要である。
このため、本発明者らは、式(1)で表される化合物を含有する複数のインクを備えたインクセット、及び式(2)で表される化合物を含有する複数のインクを備えたインクセットを用いて以下の試みを行った。すなわち、明度の低いインクの、明度の高いインクの領域への流れ込みを抑制することを目的として、明度が低いインクの表面張力を、明度が高いインクの表面張力よりも高く調整して画像を記録した。その結果、耐ブリーディング性は確かに良化するものの、求めるレベルには達しないことが判明した。
そして、明度が低いインクの表面張力を、明度が高いインクの表面張力より高く調整しながら、これらのインクに含有される、式(1)で表される化合物の含有量と式(2)で表される化合物の含有量との関係をそれぞれ規定した。その結果、耐ブリーディング性が格段に良化することを見出し、本発明を完成するに至った。
まず、本発明者らは、シアンインク及びマゼンタインクを備えるインクセットについて検討した。その結果、以下に示す(i)及び(ii)の要件を満足するインクセットを用いることで、耐ブリーディング性が格段に向上することが判明した。この理由について以下に説明する。
(i)シアンインクの表面張力γC(mN/m)及びマゼンタインクの表面張力γM(mN/m)が、γC>γMの関係を満たす。
(ii)シアンインク中の式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、及びマゼンタインク中の式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)とする。また、シアンインク中の式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、及びマゼンタインク中の式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)とする。この場合、C1>M1及びC2<M2の関係を満たす。
シアンインクとマゼンタインクのうち、相対的に明度が低いのはシアンインクであり、相対的に明度が高いのはマゼンタインクである。すなわち、ブリーディングを抑制するにはシアンインクのマゼンタインクの領域への流れ込みを抑制することが重要である。そして、γC>γMの関係を満たすことで、シアンインクのマゼンタインクへの流れ込みをある程度抑制可能となり、耐ブリーディング性が向上する。
次に、上記の関係を保ちながら、C1>M1及びC2<M2の関係を満たすことで耐ブリーディング性が向上する理由について、本発明者らは以下のように考えている。
まず、上記関係を満たすインクセットのうち、M1=0及びC2=0であるインクセットについて説明する。すなわち、界面活性剤として、シアンインクに式(1)で表される化合物のみを含有させ、マゼンタインクに式(2)で表される化合物のみを含有させたインクセットを例に挙げる。この場合、シアンインク中の水溶性ウレタン樹脂には、式(1)で表される化合物のみが吸着している。そして、マゼンタインク中の水溶性ウレタン樹脂には、式(2)で表される化合物のみが吸着している。このシアンインクとマゼンタインクの各領域の境界部において、マゼンタインク中の水溶性ウレタン樹脂は、式(2)で表される化合物が脱離すると同時に、シアンインク中の水溶性ウレタンに吸着した式(1)で表される化合物に吸着される。これにより、マゼンタインクの領域との境界部のシアンインクの領域には、水溶性ウレタン樹脂が多く集合する。集合した水溶性ウレタン樹脂は、シアンインクの領域に存在する顔料を巻き込みながら水分などの蒸発に伴い増粘及び固形化する。これにより、シアンインクの顔料の、マゼンタインクの領域への移動が抑制され、耐ブリーディング性が格段に良化したと考えている。
上述したメカニズムによる効果を得るには、C1>M1及びC2<M2の関係を満たすことが必要である。この関係を満たすことで、式(1)で表される化合物が吸着した水溶性ウレタン樹脂の量は、シアンインクのほうがマゼンタインクよりも相対的に多くなる。また、式(2)で表される化合物が吸着した水溶性ウレタン樹脂の量は、マゼンタインクのほうがシアンインクよりも相対的に多くなる。このため、シアンインクのマゼンタ領域への移動を抑制する効果を得ることができる。なお、C1≦M1である場合又はC2≧M2である場合には、シアンインクのマゼンタ領域への移動を抑制する効果が十分発揮されない。また、良好な耐ブリーディング性を得るためには、γC>γMの関係も同時に満たすことが必須である。C1>M1及びC2<M2の関係を満たすが、γC<γMである場合には、シアンインクのマゼンタインクの領域への流れ込みを十分に抑制することができないため、耐ブリーディング性は劣る。
耐ブリーディング性を格段に向上させるとともに、水溶性ウレタン樹脂による吐出よれの発生を抑制し、かつ、間欠吐出安定性を満足するためには、シアンインクについては、C1≧0.15、かつ、C1+C2≦1.5とする。そして、マゼンタインクについては、M2≧0.30、かつ、M1+M2≦1.5とする。C1<0.15及び/又はM2<0.30である場合には、それぞれのインクで吐出よれの抑制効果を十分に得られない。また、C1+C2>1.5及び/又はM1+M2>1.5である場合には、それぞれのインクの間欠吐出安定性を満足できない。
本発明者らがさらに検討した結果、上記シアンインク、上記マゼンタインク、及びイエローインクを備えるインクセットの場合には、以下に示す(iii)及び(iv)の要件を満足すればよいことを見出した。
(iii)シアンインクの表面張力γC(mN/m)、マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、及びイエローインクの表面張力γY(mN/m)が、γC>γM>γYの関係を満たす。
(iv)シアンインク中の式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、マゼンタインク中の式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)、及びイエローインク中の式(1)で表される化合物の含有量Y1(質量%)とする。また、シアンインク中の式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、マゼンタインク中の式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)、及びイエローインク中の式(2)で表される化合物の含有量Y2(質量%)とする。この場合、C1>M1>Y1、C2<M2<Y2、C1+C2≦1.5、M1+M2≦1.5、及びY1+Y2≦1.5の関係を満たす。
上記の場合、相対的な明度はシアンインクが一番低く、マゼンタインク、イエローインクの順に明度は高くなる。C1>M1>Y1、C2<M2<Y2、及びγC>γM>γYとすることで、シアンインクのマゼンタインクの領域及びイエローインクの領域への流れ込み、並びにマゼンタインクのイエローインクの領域への流れ込みを効果的に抑制することができる。このため、水溶性ウレタン樹脂を含有しながらも吐出よれが発生せず、間欠吐出安定性に優れた複数のインクを備え、かつ、高い耐ブリーディング性を有する画像を記録することが可能なインクセットとなる。
また、本発明者らは、上記シアンインク、上記マゼンタインク、及びブラックインクを備えるインクセットの場合には、以下に示す(v)及び(vi)の要件を満足すればよいことを見出した。
(v)シアンインクの表面張力γC(mN/m)、マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、及びブラックインクの表面張力γK(mN/m)が、γK>γC>γMの関係を満たす。
(vi)シアンインク中の式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、マゼンタインク中の式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)、及びブラックインク中の式(1)で表される化合物の含有量K1(質量%)とする。また、シアンインク中の式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、マゼンタインク中の式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)、及びブラックインク中の式(2)で表される化合物の含有量K2(質量%)とする。この場合、K1>C1>M1、K2<C2<M2、C1+C2≦1.5、M1+M2≦1.5、及びK1+K2≦1.5の関係を満たす。
上記の場合、相対的な明度はブラックインクが一番低く、シアンインク、マゼンタインクの順に明度は高くなる。K1>C1>M1、K2<C2<M2、及びγK>γC>γMとすることで、ブラックインクのシアンインクの領域及びマゼンタインクの領域への流れ込み、並びにシアンインクの顔料のマゼンタインクの領域への流れ込みを効果的に抑制することができる。このため、水溶性ウレタン樹脂を含有しながらも吐出よれが発生せず、間欠吐出安定性に優れた複数のインクを備え、かつ、高い耐ブリーディング性を有する画像を記録することが可能なインクセットとなる。
さらに、本発明者らは、上記シアンインク、上記マゼンタインク、上記ブラックインク、及び上記イエローインクを備えるインクセットの場合には、以下に示す(vii)及び(viii)の要件を満足すればよいことを見出した。
(vii)シアンインクの表面張力γC(mN/m)、マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、イエローインクの表面張力γY(mN/m)、及びブラックインクの表面張力γK(mN/m)が、γK>γC>γM>γYの関係を満たす。
(viii)シアンインク中の式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、及びマゼンタインク中の式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)とする。また、ブラックインク中の式(1)で表される化合物の含有量K1(質量%)、及びイエローインク中の式(1)で表される化合物の含有量Y1(質量%)とする。さらに、シアンインク中の式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、及びマゼンタインク中の式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)とする。また、ブラックインク中の式(2)で表される化合物の含有量K2(質量%)、及びイエローインク中の式(2)で表される化合物の含有量Y2(質量%)とする。この場合、K1>C1>M1>Y1、K2<C2<M2<Y2、C1+C2≦1.5、M1+M2≦1.5、Y1+Y2≦1.5、及びK1+K2≦1.5の関係を満たす。
上記の場合、相対的な明度はブラックインクが一番低く、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの順に明度は高くなる。K1>C1>M1>Y1、K2<C2<M2<Y2、及びγK>γC>γM>γYとすることで、ブラックインクのシアンインクの領域、マゼンタインクの領域、及びイエローインクの領域への流れ込みを効果的に抑制することができる。また、シアンインクの顔料のマゼンタインクの領域、及びイエローインクの領域への流れ込み、並びにマゼンタインクのイエローインクの領域への流れ込みを効果的に抑制することができる。このため、水溶性ウレタン樹脂を含有しながらも吐出よれが発生せず、間欠吐出安定性に優れた複数のインクを備え、かつ、高い耐ブリーディング性を有する画像を記録することが可能なインクセットとなる。
<インクセット>
以下、本発明のインクセットを構成するインクについて説明する。本発明の第1のインクセットは、シアンの色相を有するシアンインク、及びマゼンタの色相を有するマゼンタインクを備える。また、本発明の第2のインクセットは、シアンの色相を有するシアンインク、マゼンタの色相を有するマゼンタインク、及びイエローの色相を有するイエローインクを備える。さらに、本発明の第3のインクセットは、シアンの色相を有するシアンインク、マゼンタの色相を有するマゼンタインク、及びブラックの色相を有するブラックインクを備える。そして、本発明の第4のインクセットは、シアンの色相を有するシアンインク、マゼンタの色相を有するマゼンタインク、イエローの色相を有するイエローインク、及びブラックの色相を有するブラックインクを備える。なお、本発明のインクセットは、上記以外の色相を有するインクをさらに備えていてもよい。
(顔料)
本発明のインクセットを構成する各インクには、分散剤を用いて分散させる樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散型顔料)や、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)を用いることができる。また、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基を化学的に結合した顔料(樹脂結合型自己分散顔料)や、分散剤などを用いることなく分散可能としたマイクロカプセル型顔料などを用いることもできる。勿論、分散方法の異なる複数の顔料を組み合わせて用いてもよい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましく、2.0質量%以上5.0質量%以下であることが特に好ましい。
また、顔料の種類は特に限定されず、インクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。例えば、酸化チタンやカーボンブラックなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、イミダゾロン、ピランスロン、(チオ)インジゴ、ジケトピロロピロール、ジオキサジンなどの有機顔料を用いることができる。また、主として含有させる顔料と、1種以上の他の顔料とを併用して調色してもよい。
(水溶性ウレタン樹脂)
本発明における「水溶性ウレタン樹脂」とは、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体(以下、あわせて「水性媒体」とも記す)に溶解しうるウレタン樹脂をいう。具体的には、水性媒体中に粒径を有しない状態で存在するウレタン樹脂を意味する。より具体的には、水性媒体中において、体積平均粒子径が30nm未満である、又は体積平均粒子径が測定できないウレタン樹脂を「水溶性ウレタン樹脂」と判定する。なお、体積平均粒子径は、純水で50倍(体積基準)に希釈したウレタン樹脂を含有する水溶液について、UPA−EX150(日機装製)を使用して、以下に示す測定条件で測定する。
・SetZero:30s
・測定回数:3回
・測定時間:180秒
・屈折率:1.5
水溶性ウレタン樹脂は、例えば、ジイソシアネートとポリオールとを反応させて得ることができる。また、鎖延長剤をさらに反応させたものでもよい。さらには、ウレタン樹脂と、その他の樹脂とを結合させたハイブリッド型の樹脂などであってもよい。
インク中のウレタン樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。また、水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、5,000以上100,000以下であることが好ましく、5,000以上15,000以下であることがさらに好ましい。水溶性ウレタン樹脂の酸価は、10mgKOH/g以上110mgKOH/g以下であることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族などのジイソシアネートを挙げることができる。これらのジイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネートを挙げることができる。
ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、酸基を有するポリオールなどを挙げることができる。本発明においては、水溶性ウレタン樹脂の加水分解が抑制され、インクを長期間保存した後であっても画像の光沢性を向上することができるため、ポリエーテルポリオールを用いて合成された水溶性ウレタン樹脂を使用することが好ましい。また、ウレタン樹脂は水溶性であることを要するため、その構造中にカルボキシ基、スルホン酸基、ホスホン酸基などの酸基や、カルボニル基、ヒドロキシ基などの親水性基が含まれることが好ましい。特には、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸などの酸基を有するポリオールを用いて合成された水溶性ウレタン樹脂を用いることが好ましい。なお、酸基は塩の形態であってもよい。塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。
鎖延長剤は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるウレタンプレポリマー中のポリイソシアネートユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応する化合物である。鎖延長剤としては、ジメチロールエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどの多価アミン;ポリエチレンポリイミンなどの多価イミン;ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオールなどの多価アルコールを挙げることができる。本発明においては、吐出口周囲への付着によって生ずる吐出よれが抑制されるといった効果が得られるため、鎖延長剤として多価アルコールを用いて合成された水溶性ウレタン樹脂を用いることが好ましい。また、多価アルコールのなかでも、ネオペンチルグリコールが特に好ましい。鎖延長剤として多価アミンや多価イミンを使用することもできる。ただし、多価アミンや多価イミンを鎖延長剤として用いて合成された水溶性ウレタン樹脂は、その構造中にカチオン性の部分を有するために凝集し易く、乾燥時に吐出口周囲に付着しやすいため、吐出よれを十分に抑制できない場合がある。これに対して、ネオペンチルグリコールなどの多価アルコールを鎖延長剤として用いて合成された水溶性ウレタン樹脂は、その構造中にカチオン性の部分を有しないので、吐出よれをより効果的に抑制することが可能となる。
(界面活性剤:式(1)で表される化合物)
下記式(1)で表される化合物は、界面活性剤として作用する物質である。
Figure 2014173069
(前記式(1)中、n及びmはユニット数の平均値であり、n及びmは、0.15≦n/(n+m)≦0.85の関係を満たし、前記式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上8,500以下である)
式(1)中、(−CH2−CH2−O−)はエチレンオキサイドユニット、(−CH2−CH(CH3)−O−)はプロピレンオキサイドユニット、をそれぞれ示す。式(1)中、エチレンオキサイドユニットとプロピレンオキサイドユニットは、ランダムやブロックなど、どのような状態で存在していてもよい。ただし、本発明者らの検討の結果、エチレンオキサイドセグメントとプロピレンオキサイドセグメントは、それぞれブロックの状態で式(1)中に存在していることが好ましいことが判明した。さらには、下記式(1’)に示すように、エチレンオキサイドセグメント、プロピレンオキサイドセグメント、及びエチレンオキサイドセグメントの順序で、それぞれブロックの状態に並んだ構造の化合物が特に好ましいことが判明した。
Figure 2014173069
(前記式(1’)中、n1、n2及びmは、0.15≦(n1+n2)/(n1+m+n2)≦0.85の関係を満たし、前記式(1’)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上8,500以下である)
ここで、ユニットがランダムに存在するとは、エチレンオキサイドユニットとプロピレンオキサイドユニットの配列が不規則であることを意味する。また、ユニットがブロックに存在するとは、あるセグメントが複数のユニット(エチレンオキサイドユニット、又は、プロピレンオキサイドユニット)を単位としてされ、複数のセグメントが結合して形成されていることを意味する。
インク中の式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.15質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。式(1)で表される化合物の含有量が0.15質量%未満であると、吐出よれの抑制効果が十分に得られない場合がある。一方、式(1)で表される化合物の含有量が1.5質量%を超えると、インクの吐出が行われていない際にインク流路内に存在するインクの気液界面へ界面活性剤の配向する量が多くなり、水分などの蒸発に伴いインクが増粘することで吐出性が低下する場合がある。
(界面活性剤:式(2)で表される化合物)
下記式(2)で表される化合物は、界面活性剤として作用する物質である。
Figure 2014173069
(前記式(2)中、x及びyは、1.0≦x+y≦30.0の関係を満たす)
式(2)で表される化合物は、界面が形成された際に、その界面への配向や吸着が速いという特徴を持つ。このため、インク中で水溶性ウレタン樹脂に吸着して水溶性ウレタン樹脂の安定性を高めることができる。さらに、吐出口周囲で乾燥に伴い不安定化した水溶性ウレタン樹脂に対して速やかに配向及び吸着し、可溶化することで吐出よれの発生を抑制することができる。また、式(2)で表される化合物は、インク中や吐出口周囲で水溶性ウレタン樹脂を安定化させる効果を持ちながら、式(1)で表される化合物を含有するインクと隣接して画像が記録された場合には、インク中の水溶性ウレタン樹脂から速やかに脱離する。これにより、式(1)で表される化合物に水溶性ウレタン樹脂を受け渡すことができる。このため、式(2)で表される化合物を含有するインクを備えたインクセットで記録した画像は、耐ブリーディング性に優れている。
式(2)中、x+yの値は1.3以上10.0以下であることが好ましい。x+yの値が1.3未満であると、水溶性が低下するため、効果を得るために必要な含有量となるまで溶解させることができない場合がある。一方、x+yの値が10.0を超えるものは、界面への配向速度が遅くなる傾向にあるため、吐出よれの抑制効果が不十分となる場合がある。
(表面張力)
本発明の第1のインクセットは、シアンインクの表面張力γC(mN/m)及びマゼンタインクの表面張力γM(mN/m)が、γC>γMの関係を満たす。本発明の第2のインクセットは、シアンインクの表面張力γC(mN/m)、マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、及びイエローインクの表面張力γY(mN/m)が、γC>γM>γYの関係を満たす。本発明の第3のインクセットは、シアンインクの表面張力γC(mN/m)、マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、及びブラックインクの表面張力γK(mN/m)が、γK>γC>γMの関係を満たす。本発明の第4のインクセットは、シアンインクの表面張力γC(mN/m)、マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、イエローインクの表面張力γY(mN/m)、及びブラックインクの表面張力γK(mN/m)が、γK>γC>γM>γYの関係を満たす。
なお、本発明におけるインクの表面張力は、25℃において垂直平板法によって測定された値である。インクの表面張力を測定する測定装置の具体例としては、自動表面張力計(商品名「CBVP−Z型」、協和界面科学製)などを挙げることができる。
(水性媒体)
インクには、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、インクジェット記録方法に適用される液体に一般的に用いられているものをいずれも用いることができる。例えば、炭素数1乃至4のアルキルアルコール類、アミド類、ケトン又はケトアルコール類、エーテル類、ポリアルキレングリコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、アルキルエーテルアセテート類、多価アルコールのアルキルエーテル類、含窒素化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の成分)
インクには、保湿性維持のために、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。上記の常温で固体の水溶性有機化合物のインク中の含有量は、インク全質量を基準として0.1質量%以上20.0質量%以下とすることが好ましく、3.0質量%以上10.0質量%以下とすることがさらに好ましい。また、インクには、所望の物性値とするために、界面活性剤(式(1)及び(2)で表される化合物を除く)、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録方法は、インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、インクが、上記で説明した本発明のインクセットを構成する各インクである。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式を挙げることができる。本発明においては、いずれの方式でインクを吐出するインクジェット記録装置を使用してもよい。また、本発明のインクジェット記録方法で使用するインクジェット記録装置の構成については特に制限はなく、公知のインクジェット記録装置をいずれも使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
C.I.ピグメントブルー15:3(顔料)10.0部、樹脂分散剤の水溶液(固形分20.0%)25.0部、及び水65.0部を、ジルコニアビーズ(0.3mm径)の充填率80%のビーズミルに入れ、回転数1,800rpmで5時間分散させた。なお、ビーズミルとしては、アシザワファインテック製の商品名「LMZ2」を使用した。また、樹脂分散剤の水溶液としては、酸価215mgKOH/g、重量平均分子量8,500のアクリル酸系樹脂(商品名「ジョンクリル678」、BASF製)を、酸価に対して0.95当量の水酸化カリウムで中和して得たものを用いた。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離して凝集成分を除去し、さらにイオン交換水で希釈して、顔料の含有量が10%、樹脂分散剤の含有量が5.0%であるシアン顔料分散液1を調製した。
以下に示す顔料を用いたこと以外は、上記のシアン顔料分散液1を調製した場合と同様の操作を行い、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が5.0%である各顔料分散液を調製した。
・マゼンタ顔料分散液1:C.I.ピグメントレッド202とC.I.ピグメントバイオレット19との固溶体
・イエロー顔料分散液1:C.I.ピグメントイエロー74
・ブラック顔料分散液1:カーボンブラック(商品名「MA−100、三菱化学製)
また、顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4を用い、特表2002−538260号公報の「例4」に記載の方法に準じて、顔料粒子の表面に−C64−COONa基が結合した顔料を含有するシアン顔料分散液2を調製した。調製したシアン顔料分散液2の顔料の含有量は15.0%であった。
以下に示す顔料を用いたこと以外は、上記のシアン顔料分散液2を調製した場合と同様の操作を行い、顔料の含有量が15.0%である各顔料分散液を調製した。
・マゼンタ顔料分散液2:C.I.ピグメントレッド122
・イエロー顔料分散液2:C.I.ピグメントイエロー155
・ブラック顔料分散液2:カーボンブラック(商品名「Black Pearls 880」、キャボット製)
<水溶性ウレタン樹脂の調製>
(水溶性ウレタン樹脂A)
数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール50.3部をメチルエチルケトン中に添加し、十分に撹拌して溶解させた。次いで、イソホロンジイソシアネート33.5部、及びジメチロールプロピオン酸14.3部を加えて75℃で1時間反応させ、プレポリマーを含む溶液を得た。得られた溶液を60℃に冷却し、水酸化カリウム水溶液を加えてプレポリマーのカルボキシ基を中和した。溶液を40℃まで冷却した後、イオン交換水を加え、ホモミキサーで溶液を高速撹拌して乳化を行った。その後、ネオペンチルグリコール(鎖延長剤)1.9部を加え、プレポリマーの鎖延長反応を30℃で12時間かけて行った。FT−IRによりイソシアネート基の存在が確認されなくなったところで、加熱減圧下で溶液からメチルエチルケトンを留去した。このようにして、樹脂(固形分)が20.0%である水溶性ウレタン樹脂A(酸価60mgKOH/g、重量平均分子量10,000)を得た。
(水溶性ウレタン樹脂B)
数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール50.7部をメチルエチルケトン中に添加し、十分に撹拌して溶解させた。次いで、イソホロンジイソシアネート33.8部、及びジメチロールプロピオン酸14.3部を加えて75℃で1時間反応させ、プレポリマーを含む溶液を得た。得られた溶液を60℃に冷却し、水酸化カリウム水溶液を加えてプレポリマーのカルボキシ基を中和した。溶液を40℃まで冷却した後、イオン交換水を加え、ホモミキサーで溶液を高速撹拌して乳化を行った。その後、エチレンジアミン(鎖延長剤)1.2部を加え、プレポリマーの鎖延長反応を30℃で12時間かけて行った。FT−IRによりイソシアネート基の存在が確認されなくなったところで、加熱減圧下で溶液からメチルエチルケトンを留去した。このようにして、樹脂(固形分)が20.0%である水溶性ウレタン樹脂B(酸価60mgKOH/g、重量平均分子量15,000)を得た。
<インクの調製>
表1〜4の上段に示す各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。なお、表1〜4中の「アデカプルロニックL31」及び「アデカプルロニックF68」(アデカ製)は、いずれも前記式(1)で表される化合物である。「アデカプルロニックL31」は、前記式(1)中のnが3.4、mが16.4、n/(n+m)が0.17であり、重量平均分子量が1,100である。「アデカプルロニックF68」は、前記式(1)中のnが150.0、mが30.2、n/(n+m)が0.83であり、重量平均分子量が8,350である。また、「アセチレノールE100」及び「アセチレノールE40」(川研ファインケミカル製)は、いずれも前記式(2)で表される化合物である。「アセチレノールE100」は、前記式(2)中のx+yが10.0である。「アセチレノールE40」は、前記式(2)中のx+yが4.0である。表1〜4の下段には、インク中の前記式(1)で表される化合物と前記式(2)で表される化合物の合計の含有量を「界面活性剤の合計含有量(%)」として示した。また、インクの表面張力の値も示した。
Figure 2014173069
Figure 2014173069
Figure 2014173069
Figure 2014173069
Figure 2014173069
Figure 2014173069
Figure 2014173069
Figure 2014173069
<評価>
表5〜8に示す各色のインクの組み合わせをインクセットとした。インクセットを構成する各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro 9500」、キヤノン製)にセットした。なお、上記のインクジェット記録装置では、解像度が600dpi×600dpiであり、1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ngのインク滴を8滴付与する条件で記録した画像を記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、下記の各評価項目における評価基準で、「B」を許容できないレベル、「A」を許容できるレベルとした。評価結果を表5〜8に示す。
(吐出よれ)
インクセットを構成する各インクについて、上記のインクジェット記録装置を用いて、光沢紙(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド GL−101」、キヤノン製)に記録デューティが100%であるベタ画像をデフォルトモードで5枚連続して記録した。その後、普通紙(商品名「PB PAPER GF−500」、キヤノン製)にノズルチェックパターンを記録した。得られたノズルチェックパターンを目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって「吐出よれ」を評価した。
A:ノズルチェックパターンに乱れがない。
B:ノズルチェックパターンに不吐出や乱れがはっきりと確認される。
(間欠吐出安定性)
インクセットを構成する各インクについて、上記のインクジェット記録装置を用いて、光沢紙(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド GL−101」、キヤノン製)に記録を行った。具体的には、記録ヘッドの回復動作を行った後、1.5秒間インクを吐出しない時間を設け、次いで、に記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。得られたベタ画像の書き出し部における画像のかすれを目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって「間欠吐出安定性」を評価した。
A:いずれのインクにおいても画像のかすれが生じていなかった。
B:少なくともいずれか1種のインクにおいて画像のかすれが生じていた。
(耐ブリーディング性)
インクセットを構成する各インクを上記のインクジェット記録装置に搭載し、光沢紙(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド GL−101」、キヤノン製)に、各インクの記録デューティが100%であるベタ画像が互いに隣接するように記録した。記録されたベタ画像を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって「耐ブリーディング性」を評価した。
A:いずれのインクの境界部においても滲みが生じていなかった。
B:少なくともいずれか2種のインクの境界部において滲みが生じていた。
Figure 2014173069
Figure 2014173069
Figure 2014173069
Figure 2014173069

Claims (5)

  1. 顔料、水溶性ウレタン樹脂、及び界面活性剤をそれぞれ含有する、シアンインク並びにマゼンタインクを備えたインクジェット用のインクセットであって、
    前記シアンインク中、下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)が0.15質量%以上であり、
    前記マゼンタインク中、下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)が0.30質量%以上であり、
    前記シアンインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、前記マゼンタインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)、前記シアンインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、及び前記マゼンタインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)が、C1>M1、C2<M2、C1+C2≦1.5、及びM1+M2≦1.5の関係を満たし、
    前記シアンインクの表面張力γC(mN/m)及び前記マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)が、γC>γMの関係を満たすことを特徴とするインクセット。
    Figure 2014173069
    (前記式(1)中、n及びmはユニット数の平均値であり、n及びmは、0.15≦n/(n+m)≦0.85の関係を満たし、前記式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上8,500以下である)
    Figure 2014173069
    (前記式(2)中、x及びyは、1.0≦x+y≦30.0の関係を満たす)
  2. 顔料、水溶性ウレタン樹脂、及び界面活性剤をそれぞれ含有する、シアンインク、マゼンタインク並びにイエローインクを備えたインクジェット用のインクセットであって、
    前記シアンインク中、下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)が0.15質量%以上であり、
    前記マゼンタインク中、下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)が0.30質量%以上であり、
    前記シアンインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、前記マゼンタインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)、前記イエローインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量Y1(質量%)、前記シアンインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、前記マゼンタインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)、及び前記イエローインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量Y2(質量%)が、C1>M1>Y1、C2<M2<Y2、C1+C2≦1.5、M1+M2≦1.5、及びY1+Y2≦1.5の関係を満たし、
    前記シアンインクの表面張力γC(mN/m)、前記マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、及び前記イエローインクの表面張力γY(mN/m)が、γC>γM>γYの関係を満たすことを特徴とするインクセット。
    Figure 2014173069
    (前記式(1)中、n及びmはユニット数の平均値であり、n及びmは、0.15≦n/(n+m)≦0.85の関係を満たし、前記式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上8,500以下である)
    Figure 2014173069
    (前記式(2)中、x及びyは、1.0≦x+y≦30.0の関係を満たす)
  3. 顔料、水溶性ウレタン樹脂、及び界面活性剤をそれぞれ含有する、シアンインク、マゼンタインク並びにブラックインクを備えたインクジェット用のインクセットであって、
    前記シアンインク中、下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)が0.15質量%以上であり、
    前記マゼンタインク中、下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)が0.30質量%以上であり、
    前記シアンインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、前記マゼンタインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)、前記ブラックインク中の前記式(1)で表される化合物の含有量K1(質量%)、前記シアンインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、前記マゼンタインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)、及び前記ブラックインク中の前記式(2)で表される化合物の含有量K2(質量%)が、K1>C1>M1、K2<C2<M2、C1+C2≦1.5、M1+M2≦1.5、及びK1+K2≦1.5の関係を満たし、
    前記シアンインクの表面張力γC(mN/m)、前記マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、及び前記ブラックインクの表面張力γK(mN/m)が、γK>γC>γMの関係を満たすことを特徴とするインクセット。
    Figure 2014173069
    (前記式(1)中、n及びmはユニット数の平均値であり、n及びmは、0.15≦n/(n+m)≦0.85の関係を満たし、前記式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上8,500以下である)
    Figure 2014173069
    (前記式(2)中、x及びyは、1.0≦x+y≦30.0の関係を満たす)
  4. 顔料、水溶性ウレタン樹脂、及び界面活性剤をそれぞれ含有する、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク並びにブラックインクをインクジェット用のインクセットであって、
    前記シアンインク中、下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)が0.15質量%以上であり、
    前記マゼンタインク中、下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)が0.30質量%以上であり、
    前記シアンインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量C1(質量%)、前記マゼンタインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量M1(質量%)、前記イエローインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量Y1(質量%)、前記ブラックインク中の下記式(1)で表される化合物の含有量K1(質量%)、前記シアンインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量C2(質量%)、前記マゼンタインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量M2(質量%)、前記イエローインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量Y2(質量%)、及び前記ブラックインク中の下記式(2)で表される化合物の含有量K2(質量%)が、K1>C1>M1>Y1、K2<C2<M2<Y2、C1+C2≦1.5、M1+M2≦1.5、Y1+Y2≦1.5、及びK1+K2≦1.5の関係を満たし、
    前記シアンインクの表面張力γC(mN/m)、前記マゼンタインクの表面張力γM(mN/m)、前記イエローインクの表面張力γY(mN/m)、及び前記ブラックインクの表面張力γK(mN/m)が、γK>γC>γM>γYの関係を満たすことを特徴とするインクセット。
    Figure 2014173069
    (前記式(1)中、n及びmはユニット数の平均値であり、n及びmは、0.15≦n/(n+m)≦0.85の関係を満たし、前記式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上8,500以下である)
    Figure 2014173069
    (前記式(2)中、x及びyは、1.0≦x+y≦30.0の関係を満たす)
  5. インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクセットを構成する各インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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