JP6887873B2 - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録方法、及びそれに用いるインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録装置は、低電力、低コスト、及び省スペースという利点を活かし、オフィスなどでの利用が増加しつつある。インクジェット記録装置に採用されている記録ヘッドの走査方式として、シリアル方式を挙げることができる。シリアル方式では、紙送り方向(主走査方向)に対して直交する方向(副走査方向)に記録ヘッドを繰り返し移動させて画像を記録する。シリアル方式の記録ヘッドは比較的小さいため、記録装置本体を小型化することができる。
近年では、記録速度(スループット)のさらなる向上のため、吐出口の配列幅を記録媒体の最大幅相当まで延ばした記録ヘッド、すなわちラインヘッドを採用した記録装置が開発されている(特許文献1)。シリアル方式とは異なり、ラインヘッド方式では記録ヘッドの移動は行わずに、用紙の搬送のみが行われるため、記録速度の向上に有利である。
しかし、ラインヘッド方式の場合、隣接して配置された記録素子基板(チップ)同士の境目部分におけるノズル列の不連続な箇所で記録された画像に「スジ」が発生するといった問題が生ずることがある。このような問題を解消すべく、例えば、チップの境界にヒータを設け、チップ間の温度差を解消した記録ヘッドが提案されている(特許文献2)。また、チップ列のつなぎ部分におけるチップの温度低下を低減して、つなぎ部分で記録された画像の濃度変化を抑制しうるインクジェット記録装置が提案されている(特許文献3)。
さらに、印刷方向の下流側のノズル列から吐出させる液滴を加温するなどして吐出速度を増大させ、印刷画質を向上させうるインクジェット印刷装置が提案されている(特許文献4)。また、シリアル方式の記録ヘッドの走査方向において、先頭側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度を、後方側に配置された記録ヘッドから吐出されるインク液滴の吐出速度より速くした記録装置が提案されている(特許文献5)。
特開2010−143147号公報 特開2008−194940号公報 特開2008−000975号公報 特開2013−224006号公報 特開2005−144724号公報
しかし、特許文献1〜3で提案された記録ヘッドなどを備えた記録装置を使用した場合であっても、画像スジの発生を十分に抑制することはできないことがわかった。また、特許文献4で提案されたインクジェット印刷装置を使用しても、画像スジの発生を十分に抑制することはできず、むしろ画像スジが目立つようになる場合があることがわかった。さらに、特許文献5で提案されたシリアル方式の記録ヘッドをラインヘッド方式に適用したインクジェット記録装置を用いた場合であっても、画像スジの発生を十分に抑制することはできず、むしろ画像スジが発生しやすくなる場合があることがわかった。
したがって、本発明の目的は、ラインヘッドを備えた記録装置を使用する場合に、画像スジの発生が抑制され、高品位な画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記インクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置を使用して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記ラインヘッドは、水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成されたノズル列をそれぞれ有する複数の記録素子基板を備えるとともに、複数の前記記録素子基板は、隣接する前記記録素子基板の端部ノズル同士が、前記所定方向と交差する方向において重複する重複部を構成するように、前記所定方向に配列されており、前記ノズル列の端部を構成する前記端部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Te(℃)と、前記ノズル列の中央部を構成する中央部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tc(℃)とが、Te>Tcの関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、ラインヘッドを備えた記録装置を使用する場合に、画像スジの発生が抑制され、高品位な画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記インクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することができる。
ラインヘッドにより画像を記録するイメージ図である。 インクジェット記録装置の一例を示す模式図である。 ラインヘッドの一例を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。 回復機構の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は模式図である。 インクをラインヘッドに供給する供給機構の一例を示す模式図である。 ラインヘッドにおける記録素子基板の配列態様の一例を示す模式図である。 ラインヘッドにおける記録素子基板の配列態様の他の例を示す模式図である。 ラインヘッド1を構成する記録素子基板のノズルの配列態様を示す模式図である。 ラインヘッド3を構成する記録素子基板のノズルの配列態様を示す模式図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置を使用して記録媒体に画像を記録する方法である。このラインヘッドは、インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成されたノズル列をそれぞれ有する複数の記録素子基板を備えるとともに、複数の記録素子基板は、所定方向に配列されている。そして、ノズル列の端部を構成する端部ノズルから吐出されるインクの平均温度Te(℃)と、ノズル列の中央部を構成する中央部ノズルから吐出されるインクの平均温度Tc(℃)とが、Te>Tcの関係を満たすことを特徴とする。
前述の通り、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置を使用して記録媒体に画像を記録すると、記録素子基板同士の境目部分におけるノズル列の不連続な箇所(以下、「つなぎ部」とも記す)で記録された画像に「スジ」(画像スジ)が発生しやすい。また、このような画像スジは、光沢紙などのコート層を有する記録媒体に画像を記録した場合に特に発生しやすい。本発明者らは、このような画像スジが発生する原因について検討したところ、以下に示す(1)及び(2)が見出された。
原因(1):ノズル列の端部を構成する端部ノズルから吐出されたインクの付与位置が気流によってずれてしまう。
原因(2):隣接する記録素子基板の端部ノズル同士が、ノズルの配列方向と交差する方向において重複する重複部を構成するように、ノズルの配列方向と同じ方向に複数の記録素子基板が配列されている場合。この場合には、重複部を構成する重複部ノズルから吐出されて記録媒体に付与されたインクのドットが大きくならない。
まず、原因(1)については以下のように考えられる。ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置を用いて画像を記録する際、ノズルから吐出されたインク滴自身による自己気流と、記録媒体の搬送による流入気流とが発生する。ノズル列の中央部を構成する中央部ノズルから吐出されたインクは、両隣のノズルから吐出されたインクによる気流の影響を均等に受ける。一方、ノズル列の端部を構成する端部ノズルから吐出されたインクは、一方の隣にノズルが存在しないために気流がなく、影響を受ける気流に差が生じている。すなわち、端部ノズルから吐出されたインク滴は、中央部ノズルから吐出されたインクと異なる軌道により記録媒体に付与されるため、画像スジが発生することになる。影響を受ける気流の差は、インクの吐出速度が速いほど大きくなる。このため、特許文献4及び5で提案されたようにインクの吐出速度を単に速くしてしまうと、端部ノズルから吐出されたインクの付与位置のズレは、むしろ増大する傾向にある。
また、記録媒体の搬送により発生した流入気流は、中央部ノズルから吐出されたインクにより生じた自己気流に壁のように遮られ、端部ノズルの方へと向かう。このため、流入気流の影響も端部ノズルから吐出されたインクに選択的に及んでしまい、画像スジが発生することになる。特許文献5で提案されたように、記録媒体の搬送方向の上流側のノズルから吐出されるインクの速度を速くすると自己気流が強くなるため、端部ノズルから吐出されたインクの付与位置のズレは、むしろ増大してしまう。
また、原因(2)については以下のように考えられる。これまでにも、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置を用いた場合に生ずる画像スジを改善する手法が検討されてきた。例えば、隣接する記録素子基板の端部ノズル同士が、ノズルの配列方向と交差する方向において重複する重複部を構成するように、ノズルの配列方向と同じ方向に複数の記録素子基板を配列することが知られている。しかし、重複部を構成するように複数の記録素子基板を配列すると、重複部ノズルに対応する箇所に画像スジが発生しやすくなる。
検討の結果、本発明者らは、重複部ノズルに対応する箇所に画像スジが発生する原因について以下のような仮説を立てた。画像を記録する際、重複部ノズル以外のノズルから吐出されたインクの液滴は記録媒体上で繋がり、インクドットが大きくなる。これに対して、重複部ノズルの場合、インクが記録媒体に付与されるタイミングが、隣接するノズル列同士で僅かに異なる。このため、記録媒体上でインクの液滴が繋がりにくくなり、インクドットが大きくならない。したがって、重複部ノズルに対応する箇所の画像の光学濃度は、重複部ノズル以外のノズルに対応する箇所の画像の光学濃度よりも薄くなってしまい、画像スジが生ずることになると考えられる。
原因(1)及び(2)の双方について検討した結果、本発明者らは以下の構成を採用することによって、画像スジの発生を抑制しうることを見出した。すなわち、ノズル列の端部を構成する端部ノズルから吐出されるインクの平均温度Te(℃)を、ノズル列の中央部を構成する中央部ノズルから吐出されるインクの平均温度Tc(℃)よりも高くすることで、画像スジの発生を抑制することが可能となった。上記の要件を満たすことによって、画像スジの発生を抑制することが可能となる理由について、本発明者らは以下のように推測している。
まず、原因(1)による画像スジの発生が抑制される理由は以下のように考えられる。端部ノズルから吐出されるインクの平均温度を、中央部ノズルから吐出されるインクの平均温度より高くすることで、発生する自己気流を強めることなく、端部ノズルから吐出されるインクの吐出速度が速くなる。その結果、端部ノズルから吐出されるインクが気流の影響を受けにくくなると考えられる。ここで、インクの温度が高くなるほど、インクの表面張力及び粘度が低下することは一般的に知られている。すなわち、端部ノズルから吐出されたインクの表面張力及び粘度が低下したことで、記録媒体上で滲みやすくなっているものと考えられる。また、インクが本来付与されるべき箇所に付与されないため、画像スジが生ずる。このため、端部ノズルから吐出されたインクが滲みやすくなったことで、本来付与されるべき箇所にまでインクが滲んでいき、画像スジの発生が抑制されると考えられる。
次に、原因(2)による画像スジの発生が抑制される理由は以下のように考えられる。端部ノズルから吐出されるインクの平均温度を、中央部ノズルから吐出されるインクの平均温度より高くすることで、重複部ノズルから吐出されるインクの表面張力及び粘度が低下する。これにより、重複部ノズルから吐出されるインクが記録媒体上で滲みやすくなり、重複部ノズルに対応する箇所の画像の光学濃度を重複部ノズル以外のノズルに対応する箇所の画像の光学濃度に近づけることができるので、画像スジの発生を抑制することができる。
ラインヘッドを構成する記録素子基板には、通常、100〜2,000個のノズルが直線的に配置されてノズル列を構成する。ここでは便宜上、ノズル列を構成するノズル数の合計を「1」と仮定して説明する。この場合、ノズル列の中心を含め、好ましくは「0.5(中心から±0.25)」の範囲内、さらに好ましくは「0.25(中心から±0.125)」の範囲内におけるノズルを中央部ノズルとする。そして、この中央部ノズルから吐出されるインクの平均温度をTc(℃)とする。また、ノズル列を構成するノズルのうち、最端部から中央に向かって、好ましくは15番目までの範囲内にあるノズルを端部ノズルとし、この端部ノズルから吐出されるインクの平均温度をTe(℃)とする。さらに、端部ノズルから吐出されるインクの平均温度Te(℃)と、中央部ノズルから吐出されるインクの平均温度Tc(℃)とが、Te≧Tc+10の関係を満たすことが好ましい。また、中央部ノズルから吐出されるインクの平均温度Tc(℃)は、15℃以上60℃以下に制御されることが好ましい。一方、端部ノズルから吐出されるインクの平均温度Te(℃)は、25℃以上70℃以下に制御されることが好ましい。
(インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置は、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置である。ラインヘッドは、水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成されたノズル列をそれぞれ有する複数の記録素子基板を備えるとともに、複数の前記記録素子基板は、所定方向に配列されている。そして、インクジェット記録装置は、Te>Tcの関係を満たすように、端部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Te(℃)と、中央部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tc(℃)との関係を制御する手段を備える。以下、図面を参照しつつ、本発明のインクジェット記録装置の詳細について説明する。
図1は、ラインヘッドにより画像を記録するイメージ図である。また、図2は、インクジェット記録装置の一例を示す模式図である。図2に示す記録装置M4000では、記録装置本体にラインヘッド(記録ヘッドH1000)が固定されており、記録媒体47を矢印45の方向に搬送して記録する方式が採用されている。記録装置M4000は、例えば、イエローインク用の記録ヘッドH1000Y、マゼンタインク用の記録ヘッドH1000M、シアンインク用の記録ヘッドH1000C、及びブラックインク用の記録ヘッドH1000Bk(図1)を備える。
図2に示す記録ヘッドH1000Y〜H1000Rは、記録装置M4000に載置された記録ヘッドホルダ42によって固定されている。図1及び2では、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色、さらには反応液を別々の記録ヘッドから吐出する構成を示している。勿論、一つの記録素子基板に設けられた複数のノズル列のそれぞれから、複数のインク、さらには反応液を吐出して画像を記録する構成であってもよい。
インクジェット記録装置は、インク中の色材を凝集させる成分を含有する反応液を記録媒体に付与する手段を備えていてもよい。反応液を記録媒体に付与する手段としては、塗布方式によって反応液を記録媒体に塗布する手段や、吐出方式で反応液を記録媒体に付与する手段などを挙げることができる。塗布方式によって反応液を記録媒体に塗布する手段では、例えば、従来公知のローラなどの塗布部材を用いて反応液を記録媒体に塗布する。また、吐出方式で反応液を記録媒体に付与する手段では、例えば、図2に示すような、反応液用のラインヘッド(記録ヘッドH1000R)などの吐出デバイスを用いて反応液を記録媒体に付与する。図1に示すように、4色のインクに対応して4つの記録ヘッドを設ける場合、反応液を記録媒体に付与する手段を別途設けることができる。本発明では、反応液を塗布などの方式で記録媒体に付与した後に、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に付与することが好ましい。
給紙カセット46は、その中に普通紙などの記録媒体47が収納されており、装置本体に着脱自在に装着されている。ピックアップローラ48は、給紙カセット46内に収納された記録媒体47のうち、最上面の1枚を送り出す部材である。搬送ローラ49は、ピックアップローラ48より送り出された記録媒体47を搬送路50へと搬送する部材である。また、搬送路50の出口側に配設された搬送ローラ51は、搬送ベルト44に載せた状態で、記録媒体47を記録ヘッドH1000の方向へと搬送する部材である。
図3は、ラインヘッドの一例を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。図3に示すように、ラインヘッド(記録ヘッドH1000)は、記録素子ユニットH1400と、記録素子ユニットH1400にインクを供給するための液体供給ユニットであるインク供給ユニットH1500とを備える。インク供給ユニットH1500は、インク室(図示せず)に記録装置などの外部からインクを供給するために外部と接続する接続口H1710が形成された接続部H1700を備える。また、記録素子ユニットH1400は、記録素子基板H1100、支持基板H1200、及び配線部材H1300で構成されている。
支持基板H1200は、記録素子基板H1100及び配線部材H1300を保持して固定する部材であり、インク供給ユニットH1500から供給されるインクを記録素子基板H1100に供給するインク供給孔H1210が形成されている。複数の記録素子基板H1100は、支持基板H1200の主面に予め定められた位置精度で配置され、固定されている。また、複数の記録素子基板H1100は、隣接する記録素子基板H1100間でノズル列の方向に沿ってノズルが連続して配置されるように、支持基板H1200上に千鳥状に配置されている。このように、隣接する記録素子基板H1100のつなぎ目のノズルを重複させて記録素子基板H1100を配置することによって記録素子基板の位置ずれなどによる画像への影響を補正可能とし、記録幅が長尺なフルラインタイプの記録ヘッドを実現している。
配線部材H1300は、記録素子基板H1100に設けられた記録素子を駆動させる電気的な信号や電力を、記録ヘッドH1000の外部(記録装置)から記録素子基板H1100へと伝達するため、記録素子基板H1100と電気的に接続されている。配線部材H1300としては、フレキシブル配線基板などの可撓性を有するプリント配線基板が用いられる。そして、可撓性を有する配線部材H1300は、記録素子基板H1100と記録装置との電気的接続が容易に行えるよう折り曲げられ、インク供給ユニットH1500に固定されている。
インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式などを挙げることができる。本発明においては、いずれの方式でインクを吐出するラインヘッドであっても好適に採用することができる。
図6は、ラインヘッドにおける記録素子基板の配列態様の一例を示す模式図である。図6に示すように、本発明のインクジェット記録装置を構成するラインヘッドは、インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成されたノズル列100をそれぞれ有する複数の記録素子基板H1100を備える。複数の記録素子基板H1100は所定方向(ノズルの配列方向と同じ方向)に配列され、支持基板H1200上に保持されている。記録素子基板の配列態様は特に限定されない。記録素子基板の配列態様としては、例えば、図6に示すような千鳥状に配列されたものの他、図7に示すような、ノズル列110をそれぞれ有する複数の記録素子基板H1110がインライン状に配列されたものなどを挙げることができる。
本発明においては、ノズル列の端部を構成する端部ノズルから吐出されるインクの平均温度Te(℃)と、ノズル列の中央部を構成する中央部ノズルから吐出されるインクの平均温度Tc(℃)とが、Te>Tcの関係を満たすようにインクを吐出する。このため、本発明のインクジェット記録装置は、上記の関係を満たすように、インクの平均温度Te(℃)と、インクの平均温度Tc(℃)との関係を制御する手段(インクの温度を制御する手段)を備える。
ラインヘッド内のインクの温度は、例えば、ラインヘッドの温度を制御する手段によって制御することができる。ラインヘッドの温度を制御する手段としては、例えば、ラインヘッドに接触するように配設されるインク温度調整用のヒータや、インク吐出用のヒータなどを挙げることができる。インク吐出用のヒータによってインクの温度を制御(加熱又は加温)するには、例えば、インクが吐出しない程度の電流を繰り返し通電すればよい。インクの温度は、例えば、ラインヘッドに設けた温度センサで読み取ることができる。ラインヘッド及びインクの温度は40〜70℃に調整されることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置は、さらに、ラインヘッドの吐出口におけるインクの固着や、吐出口面のヌレの状態を回復するための回復機構を備えていてもよい。図4は、回復機構の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は模式図である。図4に示すように、ワイパW1001はクリップ部材W1002で保持されており、クリップ部材W1002は連結部材W1003で保持されている。また、クリップ部材W1002は、スライドレールW1006を移動可能なワイプベースW1011に取り付けられている。ワイプベースW1011は、連結部材W1003を通じ、タイミングベルトW1007の駆動によりスライドレールW1006上を移動することができる。タイミングベルトW1007は、従動プーリW1004及び駆動プーリW1005によって支持されており、駆動プーリW1005には、タイミングベルトW1007を駆動する駆動モータW1010の軸が連結されている。また、回復動作時のワイパW1001の位置を制御するために、スライドレールW1006の両端部にはフォトセンサW1008、W1009が設けられている。ワイピングによる回復動作時には、ワイパW1001がスライドレールW1006によってスライドして移動することにより、ワイパW1001が撓みながら記録ヘッドH1000の吐出口面H1001をワイピングする。
本発明の液体吐出方法に用いるインクジェット記録装置は、さらに、インクなどの液体をラインヘッドに供給する供給機構を備えていてもよい。図5は、インクをラインヘッドに供給する供給機構の一例を示す模式図である。図5に示すように、ポンプP1によって、サブタンクT2からラインヘッドH1000へとインクが供給される。ラインヘッドH1000から溢れたインクはサブタンクT2へと戻される。バルブV1は、回復動作時にラインヘッド内部のインク液室を加圧又は圧力を開放する切り替えのために設けられている。加圧回復時はバルブV1を閉じ、ポンプP1で加圧することによってインク供給経路及びインク流路内の泡の一部が除去される。サブタンクT2内のインク液面は、ラインヘッドH1000の吐出口面との水頭差を一定の範囲で保持するように構成されており、ラインヘッドH1000の吐出口面の負圧を適正な範囲で維持する。サブタンクT2内のインクが不足した場合は、ポンプP2により、メインタンクT1からサブタンクT2へとインクが送られる。各タンク、それらに収容されるインクの温度は、インクジェット記録装置が設置される環境温度に依存するが、例えば、15〜45℃の範囲であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法により画像を記録する対象の記録媒体としては、どのようなものを用いてもよい。なかでも、普通紙や非コート紙などのコート層を有しない記録媒体、及び、光沢紙やアート紙などのコート層を有する記録媒体のような、浸透性を有する紙を用いることが好ましい。特に、光沢紙やアート紙などの、コート層を有する記録媒体を用いることが好ましい。
(インク)
以下、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクを構成する各成分やインクの物性などについて詳細に説明する。本発明で用いるインクは、いわゆる「硬化型インク」である必要はない。したがって、本発明で用いるインクは、外部エネルギーの付加により重合しうる重合性モノマーなどの化合物を含有しなくてもよい。
[色材]
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクは、色材を含有することが好ましい。色材としては、染料及び顔料のいずれをも用いることができる。染料としては、アニオン性基を有するものなどを挙げることができる。染料としては、フタロシアニン、アゾ、キサンテン、アントラピリドンなどの骨格を有する化合物を用いることができる。また、顔料としては、無機顔料及び有機顔料を挙げることができる。顔料としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料、及び顔料の粒子表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)などを用いることができる。本発明のインクジェット記録方法では、色材として顔料を用いることが好ましい。この場合、樹脂分散剤を利用しない分散方式を利用することが好ましく、自己分散顔料を用いることがさらに好ましい。
樹脂分散タイプの顔料としては、高分子分散剤を使用した樹脂分散型顔料、顔料の粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル型顔料、及び顔料の粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合型顔料などがある。分散方法の異なる顔料を併用することもできる。樹脂としては、(メタ)アクリル酸などのアニオン性基を有するユニットと、芳香環や脂肪族基を有するモノマーなどのアニオン性基を有しないユニットと、少なくとも有する、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
自己分散タイプの顔料としては、顔料の粒子表面にアニオン性基が直接又は他の原子団を介して結合したものを挙げることができる。アニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基などを挙げることができる。アニオン性基のカウンターイオンとしては、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウムなどのカチオンを挙げることができる。また、他の原子団は、顔料の粒子表面とイオン性基とのスペーサの機能を持つものであり、分子量が1,000以下であることが好ましい。他の原子団としては、炭素数1乃至6程度のアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基;エステル基;イミノ基;アミド基;スルホニル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基であってもよい。
インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。なかでも、2.00質量%以上10.00質量%以下であることが特に好ましい。色材の含有量が2.00質量%未満であると、記録される画像の光学濃度が低下する場合がある。一方、色材の含有量が10.00質量%超であると、吐出安定性が低下する場合がある。
[水性媒体]
インクは、水性媒体として水を含有する。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましく、60.00質量%以上95.00質量%以下であることがさらに好ましい。
インクには、水性媒体として、さらに水溶性有機溶剤を含有させることができる。水溶性有機溶剤としては、インクジェット記録方法に適用されるインクに一般的に用いられているものをいずれも用いることができる。水溶性有機溶剤の具体例としては、炭素数1乃至4のアルキルアルコール類、アミド類、ケトン又はケトアルコール類、エーテル類、ポリアルキレングリコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、アルキルエーテルアセテート類、多価アルコールのアルキルエーテル類、含窒素化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、5.00質量%以上30.00質量%以下であることがさらに好ましい。
通常「水溶性有機溶剤」とは液体を意味するが、本発明においては、25℃(常温)で固体であるものも、水に溶解してインクを構成する液媒体となるため、便宜上、水溶性有機溶剤に含めることとする。インクに汎用であり、25℃で固体である水溶性有機溶剤の具体例としては、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、エチレン尿素、尿素、数平均分子量1,000のポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
[界面活性剤]
インクには、界面活性剤を含有させることができる。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上5.00質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以上3.00質量%以下であることがさらに好ましい。界面活性剤の具体例としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどの炭化水素系の界面活性剤;パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物などのフッ素系の界面活性剤;ポリエーテル変性シロキサン化合物などのシリコーン系界面活性剤などを挙げることができる。なかでも、炭化水素系の界面活性剤を用いることが好ましい。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[その他の成分]
インクには、上記成分の他に、必要に応じて所望の物性値を有するインクとするために、樹脂、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、及び還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
[インクの物性]
インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。インクの25℃における表面張力は、45mN/m以下であることが好ましい。インクの表面張力が45mN/m超であると、記録媒体上でのインクの滲みが不十分となり、画像スジの抑制効果が低くなることがある。また、インクの25℃における表面張力は、15mN/m以上であることが好ましく、25mN/m以上であることがさらに好ましい。インクの25℃におけるpHは、5以上9以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
水溶性樹脂であるスチレン/アクリル酸共重合体(組成(モル)比=33:67)を中和当量1となる水酸化カリウムで中和してイオン交換水に溶解させ、樹脂の含有量が20.0%である樹脂分散剤の水溶液を調製した。この水溶性樹脂の重量平均分子量は10,000であり、酸価は200mgKOH/gである。顔料(カーボンブラック)15.0部、樹脂分散剤の水溶液30.0部、及び水55.0部の混合物をサンドグラインダーに入れ、1時間分散処理した。遠心分離処理して粗大粒子を除去した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過した。次いで、適量のイオン交換水を加えて顔料分散液1を得た。得られた顔料分散液1中の顔料の含有量は15.0%、樹脂分散剤の含有量は6.0%であった。
(顔料分散液2)
CTAB比表面積が150m2/g、DBP吸油量100mL/100gのカーボンブラック90gを2.5mol/Lの硫酸ナトリウム水溶液3000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで10時間撹拌して酸化処理した。ろ過して得たカーボンブラックを水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、限外ろ過した。水洗及び乾燥後、イオン交換水中に分散させて顔料分散液2を得た。得られた顔料分散液2中の顔料の含有量は15.0%であった。
(顔料分散液3)
水溶性樹脂である(商品名「ジョンクリル67」、BASF製)を中和当量1となる水酸化カリウムで中和してイオン交換水に溶解させ、樹脂の含有量が20.0%である樹脂分散剤の水溶液を調製した。この水溶性樹脂の重量平均分子量は12,500であり、酸価は215mgKOH/gである。顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)15.0部、樹脂分散剤の水溶液30.0部、及び水55.0部の混合物を、ジルコニアビーズを充填したビーズミルに入れ、1時間分散処理した。遠心分離処理して粗大粒子を除去した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過した。次いで、適量のイオン交換水を加えて顔料分散液3を得た。得られた顔料分散液3中の顔料の含有量は15.0%、樹脂分散剤の含有量は6.0%であった。
<染料水溶液>
C.I.ダイレクトブラック195の15.0%水溶液を「染料水溶液」として用いた。
<インクの調製>
表1に示す各成分(単位:%)を混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ1.20μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、各インクを調製した。調製したインクの25℃における表面張力を表1に下段に示す。インクの表面張力は、自動表面張力計(商品名「CBVP−Z型」、協和界面科学製)を使用し、25℃、湿度50%の環境下で測定した。表1中の「アセチレノールE100」は、ノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。
Figure 0006887873
<評価>
(ヘッドの構成)
熱エネルギーを付与してインクを吐出させるサーマルインクジェット方式の下記ヘッド1〜5を用意した。ヘッド1〜5は、いずれも、ノズル列1列当たりのノズル数は512個、ノズル列1列当たりのノズル密度は600dpi、1ノズル当たりのインク吐出量は4ng、インク1色当たりのノズル列は2列である。
[ヘッド1]
図6に示すように、複数の記録素子基板H1100が千鳥状に配置されたラインヘッドである。図8に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル200の数は64個である。
[ヘッド2]
図6に示すように、複数の記録素子基板H1100が千鳥状に配置されたラインヘッドである。ノズル列1列当たりの重複部ノズルの数は0個である。
[ヘッド3]
図7に示すように、複数の記録素子基板H1110がインライン状に配置されたラインヘッドである。図9に示すように、ノズル列1列当たりの重複部ノズル220の数は16個である。
[ヘッド4]
図7に示すように、複数の記録素子基板H1110がインライン状に配置されたラインヘッドである。ノズル列1列当たりの重複部ノズルの数は0個である。
[ヘッド5]
ヘッド1を構成する記録素子基板を利用したシリアルヘッドである。
ヘッド1〜5の構成を表2に示す。
Figure 0006887873
<画像の記録>
実施例1〜13及び比較例1〜5の評価には、ラインヘッドであるヘッド1〜4をそれぞれ搭載した、図2に示す構成のインクジェット記録装置を利用した。ヘッドはインクジェット記録装置に固定されている。このインクジェット記録装置は、記録媒体の1回の走査により画像を記録する装置である。調製した各インクをそれぞれインク収容部に充填した後、ポンプを使用してヘッドへと送液した。この装置を使用し、1/600インチ×1/600インチの単位領域にインク滴を4滴付与する条件(記録デューティ100%)で、8inch/secの速度で記録媒体を搬送し、ラインヘッド長尺方向18cm×紙送り方向2cmのベタ画像を記録した。
参考例1及び2の評価には、図2に示す構成のインクジェット記録装置のラインヘッドを、シリアルヘッドであるヘッド5に置き換えたこと以外は同様の構成としたインクジェット記録装置を利用した。このインクジェット記録装置は、記録ヘッドの1回の走査で記録媒体の単位領域の画像を記録する装置である。この装置を使用し、1/600インチ×1/600インチの単位領域にインク滴を4滴付与する条件(記録デューティ100%)で、8inch/secの速度でヘッドを走査させ、ヘッドの走査方向2cm×紙送り方向18cmのベタ画像を記録した。
記録媒体としては、光沢紙(商品名「光沢ゴールド GL−101」、キヤノン製)を用いた。また、インクの温度は、ラインヘッドのヒータにインクが吐出しない程度に通電し、ラインヘッドに設けたダイオードセンサで読み取ることで制御した。記録ヘッド、インク、並びにインクの平均温度Tc、Te、及びTjの組み合わせを表3に示す。インクの平均温度Tc(℃)は、ノズル列の中心から「256個」の範囲内にある中央部ノズルから吐出されるインクの温度の平均値である。インクの平均温度Te(℃)は、ノズル列を構成するノズルのうち、最端部に配置された端部ノズルから吐出されるインクの温度の平均値である。インクの平均温度Tj(℃)は、重複部ノズルから吐出されるインクの温度の平均値である。
<画像スジの評価>
記録したベタ画像の、ノズル列の不連続な箇所(つなぎ部)に対応する箇所を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって画像スジを評価した。以下に示す評価基準で、「AAA」、「AA」、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。結果を表3に示す。
AAA:スジはほとんど目立たず、注意深く見ないとわからなかった。
AA:スジは僅かに視認できるが、ほとんど気にならなかった。
A:スジは多少視認できるが、ほとんど気にならなかった。
B:スジは視認できるが、あまり気にならなかった。
C:スジが目立った。
Figure 0006887873

Claims (15)

  1. ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置を使用して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記ラインヘッドは、水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成されたノズル列をそれぞれ有する複数の記録素子基板を備えるとともに、複数の前記記録素子基板は、隣接する前記記録素子基板の端部ノズル同士が、前記所定方向と交差する方向において重複する重複部を構成するように、前記所定方向に配列されており、
    前記ノズル列の端部を構成する前記端部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Te(℃)と、前記ノズル列の中央部を構成する中央部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tc(℃)とが、Te>Tcの関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記端部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Te(℃)と、前記中央部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tc(℃)とが、Te≧Tc+10の関係を満たす請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記重複部を構成する重複部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tj(℃)と、前記中央部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tc(℃)とが、Tj>Tcの関係を満たす請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記重複部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tj(℃)と、前記中央部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tc(℃)とが、Tj≧Tc+10の関係を満たす請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記水性インクの25℃における表面張力が、45mN/m以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記水性インクの25℃における表面張力が、15mN/m以上である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記水性インクが、染料及び顔料の少なくとも一方の色材を含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記顔料が、(i)樹脂分散剤により分散された顔料、及び(ii)その粒子表面に直接又は他の原子団を介してアニオン性基が結合した顔料の少なくとも一方である請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記端部ノズルから吐出される前記水性インクの平均温度Te(℃)が、25℃以上70℃以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記中央部ノズルから吐出される前記水性インクの平均温度Tc(℃)15℃以上60℃以下である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記ラインヘッドのインク吐出方式が、前記水性インクに熱エネルギーを付与する方式である請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記水性インクが吐出しない程度の電流を、前記水性インクに熱エネルギーを付与して吐出するためのヒータに繰り返し通電することで、前記平均温度Te(℃)と前記平均温度Tc(℃)がTe>Tcの関係を満たすように前記ラインヘッド内の前記水性インクの温度を制御する請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 複数の前記記録素子基板の配列態様が、千鳥状又はインライン状である請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 複数の前記記録素子基板の配列態様が、インライン状である請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法に用いる、ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記ラインヘッドは、水性インクを吐出する複数のノズルが所定方向に配列されて構成されたノズル列をそれぞれ有する複数の記録素子基板を備えるとともに、複数の前記記録素子基板は、隣接する前記記録素子基板の端部ノズル同士が、前記所定方向と交差する方向において重複する重複部を構成するように、前記所定方向に配列されており、
    前記ノズル列の端部を構成する前記端部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Te(℃)と、前記ノズル列の中央部を構成する中央部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tc(℃)とが、Te>Tcの関係を満たすように、
    前記端部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Te(℃)と、前記中央部ノズルから吐出される水性インクの平均温度Tc(℃)との関係を制御する手段をさらに備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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