JP2016138227A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存後においても光沢性及び耐擦過性に優れた画像を記録することが可能な水性インクを提供する。
【解決手段】顔料、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、及びフッ素系界面活性剤を含有するインクジェット用の水性インクである。顔料が、C.I.ピグメントレッド254であり、水溶性アクリル樹脂が、芳香族基含有ユニットを有するとともに、芳香族基含有ユニットの占める割合(質量%)が、水溶性アクリル樹脂の全質量を基準として、40.0質量%以上80.0質量%以下であり、水溶性ウレタン樹脂が、アルキレン基の炭素数が3以上であるポリ(オキシアルキレン)構造を有し、かつ、酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であり、フッ素系界面活性剤の含有量(質量%)が、0.01質量%以上0.50質量%以下である。
【選択図】なし
【解決手段】顔料、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、及びフッ素系界面活性剤を含有するインクジェット用の水性インクである。顔料が、C.I.ピグメントレッド254であり、水溶性アクリル樹脂が、芳香族基含有ユニットを有するとともに、芳香族基含有ユニットの占める割合(質量%)が、水溶性アクリル樹脂の全質量を基準として、40.0質量%以上80.0質量%以下であり、水溶性ウレタン樹脂が、アルキレン基の炭素数が3以上であるポリ(オキシアルキレン)構造を有し、かつ、酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であり、フッ素系界面活性剤の含有量(質量%)が、0.01質量%以上0.50質量%以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法により、銀塩写真やオフセット印刷で実現されているような高精細で高発色性の画像を記録することが可能となっている。インクに用いられる色材としては染料及び顔料があり、耐ガス性、耐光性、耐水性などの画像の堅牢性の観点から顔料が広く使用されている。
また、写真印刷やグラフィックアート印刷などの用途の多様化に伴い、光沢性に優れた画像を光沢紙などの表面光沢を有する記録媒体に記録することが要求されるようになっている。さらに、上記の用途では、シアン、マゼンタ、及びイエローの基本3原色のインクに加えて、基本3原色以外のいわゆる特色インクを追加し、色再現領域の拡大を図ることが種々検討されている。なかでも、レッドインクにより記録される色再現領域の彩度を高めるために、C.I.ピグメントレッド254を含有するインクが提案されている(特許文献1)。
顔料を色材として含有するインク(顔料インク)を用いて表面光沢を有する記録媒体(以下、単に「光沢紙」とも記す)に記録した画像は、染料を色材として含有するインク(染料インク)で記録した画像と異なり、色材(顔料)は光沢紙の表面に定着する。このため、顔料インクで記録した画像については、表面が擦れることで、傷がついたり光沢感が変化したりする、いわゆる耐擦過性が課題となっている。特に、写真印刷やグラフィックアート印刷などの用途で光沢紙が使用される場合には、画像表面が擦れても光沢変化が生じない高いレベルの耐擦過性が要求される。
画像の耐擦過性を向上させるべく、フッ素系化合物などのスリップ剤を添加した、表面に滑り性が付与された画像を記録しうるインクが提案されている(特許文献2)。また、耐擦過性及び発色性が向上した画像を記録すべく、C.I.ピグメントレッド254の分散平均粒径と、樹脂エマルション粒子の分散平均粒径を規定したカラーインクが提案されている(特許文献3)。
本発明者らの検討の結果、特許文献1で提案されたインクを用いると、光沢性及び彩度が良好な画像は得られたが、耐擦過性が十分なレベルに達しないことがわかった。また、特許文献3で提案されたカラーインクを用いても、光沢紙に記録した場合に要求される高いレベルの耐擦過性を有する画像を記録することは困難であることがわかった。
さらに、本発明者らは、特許文献1及び2でそれぞれ提案された技術を組み合わせ、C.I.ピグメントレッド254を含有するインクにフッ素系界面活性剤を添加し、記録される画像に耐擦過性を付与することを試みた。しかし、調製直後のインクを用いれば光沢性、彩度、及び耐擦過性の良好な画像を記録することができたが、物流環境などを想定した高温環境下で保存後のインクを用いると、画像の光沢性及び耐擦過性が低下するという新たな課題が生ずることが判明した。
したがって、本発明の目的は、保存後においても光沢性及び耐擦過性に優れた画像を記録することが可能な水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、顔料、前記顔料を分散する水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、及びフッ素系界面活性剤を含有するインクジェット用の水性インクであって、前記顔料が、C.I.ピグメントレッド254であり、前記水溶性アクリル樹脂が、芳香族基含有ユニットを有するとともに、前記芳香族基含有ユニットの占める割合(質量%)が、前記水溶性アクリル樹脂の全質量を基準として、40.0質量%以上80.0質量%以下であり、かつ、酸価が120mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、前記水溶性ウレタン樹脂が、アルキレン基の炭素数が3以上であるポリ(オキシアルキレン)構造を有し、かつ、酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であるとともに、重量平均分子量が8,000以上20,000以下であり、前記フッ素系界面活性剤の含有量(質量%)が、0.01質量%以上0.50質量%以下であることを特徴とする水性インクが提供される。
本発明によれば、保存後においても光沢性及び耐擦過性に優れた画像を記録することが可能な水性インクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。本発明における各種の物性値は、特に断りのない限り25℃における値である。
まず、C.I.ピグメントレッド254、樹脂分散剤としての水溶性アクリル樹脂、及びフッ素系界面活性剤を含有するインクを保存すると、得られる画像の光沢性及び耐擦過性が低下する理由について考察する。フッ素系界面活性剤は、その分子内に疎水性部分と親水性部分を有する。このため、水性の顔料インク中におけるフッ素系界面活性剤は、気液界面に配向するか、又はその疎水性部分がC.I.ピグメントレッド254や樹脂分散剤の疎水性部分に吸着し、親水性部を水性媒体に向けた状態で存在する。そして、フッ素系界面活性剤をインクに含有させると画像の耐擦過性が向上することから、C.I.ピグメントレッド254又は樹脂分散剤に吸着したフッ素系界面活性剤が顔料層に存在していると考えられる。
C.I.ピグメントレッド254及び樹脂分散剤としての水溶性アクリル樹脂を含有するインク中において、樹脂分散剤の疎水性部分はC.I.ピグメントレッド254の粒子表面に吸着するとともに、樹脂分散剤の親水性部分は水性媒体に向いている。これにより、C.I.ピグメントレッド254の分散安定性が保たれている。しかし、インクにフッ素系界面活性剤を添加すると、その一部は、C.I.ピグメントレッド254の粒子表面及び樹脂分散剤の疎水性部分に吸着する、いわば疎水性部分同士の競争吸着が起こる。さらに、インクが保存されると、水性媒体への樹脂分散剤の溶解性が高まり、C.I.ピグメントレッド254と樹脂分散剤の吸着平衡が脱離側に偏ることになる。そして、樹脂分散剤の疎水性部分にフッ素系界面活性剤の疎水性部分が吸着し、C.I.ピグメントレッド254の粒子表面から樹脂分散剤が脱離すると推測される。
画像の光沢性は、顔料層の表面及び内部での光散乱が大きくなると低下する。保存後のインクで記録した画像の光沢性が低下した原因は以下の点にあると考えられる。すなわち、C.I.ピグメントレッド254から脱離した樹脂分散剤が顔料層に残らず、水性媒体とともに記録媒体に浸透したことで顔料層に空気を含む空隙が生じ、顔料層内部での光散乱が大きくなったためと考えられる。また、保存後のインクで記録した画像の耐擦過性が低下した原因は、フッ素系界面活性剤の作用により顔料層表面の滑り性は向上するが、樹脂分散剤が記録媒体の内部に浸透することで、顔料層の機械的強度が低下した点にあると考えられる。
そこで、本発明者らは上記の「競争吸着」に着目し、C.I.ピグメントレッド254と水溶性アクリル樹脂の双方に作用する材料を使用することで、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性を向上させることが可能になると考え、さらに検討した。その結果、C.I.ピグメントレッド254、水溶性アクリル樹脂、及びフッ素系界面活性剤を含有するインクに、さらに特定の構造、酸価、及び分子量を有する水溶性ウレタン樹脂を添加することが有効であることを見出した。
特定の構造、酸価、及び分子量を有する水溶性ウレタン樹脂を添加することが有効である理由について、本発明者らは以下のように推測している。ウレタン樹脂は、その分子中にウレタン結合(−NH−CO−O−)を有する。このウレタン結合は、構造が類似するC.I.ピグメントレッド254の分子中のジケトピロロピロール骨格の五員環部分と親和性が高い。一方、ウレタン樹脂の分子中におけるポリオール構造などの疎水性部分は、水溶性アクリル樹脂の疎水性部分と高い親和性を有する。すなわち、水溶性ウレタン樹脂の分子中には、C.I.ピグメントレッド254と水溶性アクリル樹脂のいずれに対しても高い親和性を有する部分が存在する。このため、保存時に水溶性アクリル樹脂(樹脂分散剤)がC.I.ピグメントレッド254から脱離した場合であっても、水溶性ウレタン樹脂がC.I.ピグメントレッド254と水溶性アクリル樹脂のいずれとも相互作用する。これにより、記録媒体内部への水溶性アクリル樹脂の浸透が抑制されるので、保存後においても光沢性及び耐擦過性に優れた画像を記録することができると考えられる。
<インク>
本発明のインクは、顔料、顔料を分散する水溶性樹脂、水溶性ウレタン樹脂、及びフッ素系界面活性剤を含有するインクジェット用の水性インクである。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
本発明のインクは、顔料、顔料を分散する水溶性樹脂、水溶性ウレタン樹脂、及びフッ素系界面活性剤を含有するインクジェット用の水性インクである。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
(顔料)
本発明のインクは、C.I.ピグメントレッド254を顔料として含有する。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.00質量%以上5.00質量%以下であることが好ましい。顔料の含有量が1.00質量%未満であると、画像の発色性が低下する場合がある。一方、顔料の含有量が5.00質量%超であると、インクの吐出安定性が低下する場合がある。顔料をインク中に分散させるための樹脂分散剤としては、水溶性アクリル樹脂を用いる。顔料の平均一次粒子径は、10nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクは、C.I.ピグメントレッド254を顔料として含有する。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.00質量%以上5.00質量%以下であることが好ましい。顔料の含有量が1.00質量%未満であると、画像の発色性が低下する場合がある。一方、顔料の含有量が5.00質量%超であると、インクの吐出安定性が低下する場合がある。顔料をインク中に分散させるための樹脂分散剤としては、水溶性アクリル樹脂を用いる。顔料の平均一次粒子径は、10nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。
(水溶性アクリル樹脂)
本発明のインクは、顔料を分散する樹脂分散剤として水溶性アクリル樹脂を含有する。水溶性アクリル樹脂は、芳香族基含有ユニットを有するとともに、この芳香族基含有ユニットの占める割合(質量%)が、水溶性アクリル樹脂の全質量を基準として、40.0質量%以上80.0質量%以下である。さらに、水溶性ウレタン樹脂の酸価は、120mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である。水溶性アクリル樹脂の疎水性部分は、後述する水溶性ウレタン樹脂の疎水性部分と相互作用することで、保存後においてもC.I.ピグメントレッド254の近傍に留まることができると考えられる。
本発明のインクは、顔料を分散する樹脂分散剤として水溶性アクリル樹脂を含有する。水溶性アクリル樹脂は、芳香族基含有ユニットを有するとともに、この芳香族基含有ユニットの占める割合(質量%)が、水溶性アクリル樹脂の全質量を基準として、40.0質量%以上80.0質量%以下である。さらに、水溶性ウレタン樹脂の酸価は、120mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である。水溶性アクリル樹脂の疎水性部分は、後述する水溶性ウレタン樹脂の疎水性部分と相互作用することで、保存後においてもC.I.ピグメントレッド254の近傍に留まることができると考えられる。
アクリル樹脂が水溶性であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当の水酸化カリウムにより中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の粒子の粒径を測定した場合に、粒径を有する粒子が測定されない場合に、その樹脂は水溶性であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、以下のようにすることができる。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
粒度分布測定装置としては、動的光散乱式の粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
水溶性アクリル樹脂中の芳香族基含有ユニットの占める割合が40.0質量%未満であると、水溶性アクリル樹脂の分子中における、水溶性ウレタン樹脂と相互作用する部分が少なくなる。このため、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。一方、水溶性アクリル樹脂中の芳香族基含有ユニットの占める割合が80.0質量%超であると、水溶性アクリル樹脂同士で強く疎水性相互作用してしまい、水溶性ウレタン樹脂との相互作用が弱くなる。このため、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。
水溶性アクリル樹脂の酸価が120mgKOH/g未満であると、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。これは、保存後のインク中における樹脂分散剤の全体としての酸価が低くなり、画像記録時にC.I.ピグメントレッド254の粒子同士が凝集するためと考えられる。一方、水溶性アクリル樹脂の酸価が200mgKOH/g超であると水溶性が高くなりすぎてしまい、水溶性ウレタン樹脂との相互作用が弱くなる。このため、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。
水溶性アクリル樹脂は、2種以上のモノマーに由来する2以上のユニットを有する水溶性の共重合体である。水溶性樹脂は、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有する樹脂であることが好ましい。なお、以下の記載における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。
親水性ユニットは、例えば、親水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシ基を有する酸性モノマー、これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基を有するモノマー;メトキシ(モノ、ジ、トリ、ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエチレンオキサイド基を有するモノマーなどを挙げることができる。
酸性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。本発明のインクに用いる水溶性アクリル樹脂は、通常、酸価を有するため、親水性ユニットには上述のアニオン性モノマーに由来するユニットが含まれる。水溶性アクリル樹脂は、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)の水酸化物やアンモニア水などの中和剤により中和されることで水溶性となるものが好ましい。
疎水性ユニットは、例えば、疎水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。疎水性基を有するモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾールなどの芳香環を有するモノマー;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(n−、iso−、t−)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族基を有するモノマーなどを挙げることができる。このうち、重合することで芳香族基含有ユニットとなるモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾールなどの芳香環を有するモノマーを挙げることができる。
水溶性アクリル樹脂の分子構造は特に限定されず、直鎖状、分鎖状、ランダム共重合体、及びブロック共重合などのいずれであってもよい。但し、分散安定性の観点から、水溶性アクリル樹脂はランダム共重合体であることが好ましい。
水溶性アクリル樹脂の重量平均分子量は、水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量に対する比率で、0.20倍以上2.00倍以下であることが好ましい。上記の比率が0.20倍未満であると、水溶性アクリル樹脂の分子中における、水溶性ウレタン樹脂と相互作用する部分が少なくなる。このため、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が低下する場合がある。一方、上記の比率が2.00倍超であると、水溶性ウレタン樹脂とC.I.ピグメントレッド254との相互作用よりも、水性媒体への水溶性アクリル樹脂の溶解力が大きくなる。このため、水溶性ウレタン樹脂とC.I.ピグメントレッド254との相互作用、及び水溶性ウレタン樹脂と水溶性アクリル樹脂との相互作用が生じにくくなる。その結果、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が低下する場合がある。
水溶性アクリル樹脂の重量平均分子量は、3,000以上30,000以下であることが好ましい。水溶性アクリル樹脂の重量平均分子量が3,000未満であると、顔料の分散安定性が低下する場合がある。一方、水溶性アクリル樹脂の重量平均分子量が30,000超であると、インクの粘度が高くなりすぎてしまい、インクの吐出安定性が低下する場合がある。水溶性アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算として求めた値である。
インク中の水溶性アクリル樹脂の含有量(質量%)は、水溶性ウレタン樹脂の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.80倍以上10.00倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が0.80倍未満であると、樹脂分散剤の全体としての酸価が低くなり、C.I.ピグメントレッド254の粒子の一部が凝集しやすくなる。このため、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が低下する場合がある。一方、上記の質量比率が10.0倍超であると、保存後のインク中におけるC.I.ピグメントレッド254及び水溶性ウレタン樹脂と相互作用せず、フリーの状態で存在する余剰の水溶性アクリル樹脂の割合が増加する。そして、余剰の水溶性アクリル樹脂にフッ素系界面活性剤の一部が作用して、顔料層に残るフッ素系界面活性剤の量が減少するため、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が低下する場合がある。
インク中の水溶性アクリル樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.20質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。水溶性アクリル樹脂の含有量が0.20質量%未満であると、保存前のインクを用いた場合であっても、得られる画像の光沢性及び耐擦過性が低下する場合がある。一方、水溶性アクリル樹脂の含有量が10.00質量%超であると、インクの粘度が上昇してしまい、インクの吐出安定性が低下する場合がある。
(水溶性ウレタン樹脂)
本発明のインクは、水溶性ウレタン樹脂を含有する。ウレタン樹脂が水溶性であるか否かについては、アクリル樹脂と同様の方法で判断することができる。水溶性ウレタン樹脂は、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得ることができる。また、鎖延長剤をさらに反応させたものであってもよい。さらに、ウレタン樹脂とその他の樹脂とを結合させたハイブリッド型の樹脂であってもよい。
本発明のインクは、水溶性ウレタン樹脂を含有する。ウレタン樹脂が水溶性であるか否かについては、アクリル樹脂と同様の方法で判断することができる。水溶性ウレタン樹脂は、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得ることができる。また、鎖延長剤をさらに反応させたものであってもよい。さらに、ウレタン樹脂とその他の樹脂とを結合させたハイブリッド型の樹脂であってもよい。
水溶性ウレタン樹脂は、アルキレン基の炭素数が3以上であるポリ(オキシアルキレン)構造を有する。ポリ(オキシアルキレン)構造のアルキレン基の炭素数が2未満であると、ポリエーテルポリオール構造が親水性となり、水溶性ウレタン樹脂と水溶性アクリル樹脂との相互作用が得られなくなる。その結果、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。また、ポリ(オキシアルキレン)構造は、ポリ(オキシテトラメチレン)構造であることが好ましい。ポリ(オキシテトラメチレン)構造は、アルキレン基の炭素数が3であるポリ(オキシアルキレン)構造に比べて疎水性が高いとともに、分岐鎖を有しない構造であることから立体障害も少ない。このため、水溶性アクリル樹脂とより強く疎水性相互作用するので、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性の低下をより効果的に抑制することができる。
ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネートや芳香族ポリイソシアネートなどを用いることができる。脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどの鎖状構造を有するポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの環状構造を有するポリイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネートなどを挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどを挙げることができる。
ポリオールとしては、上記のアルキレン基の炭素数が3以上であるポリ(オキシアルキレン)構造となるポリエーテルポリオールの他に、ポリエステルポリオール、その他のポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及び酸基を有するポリオールなどを用いることができる。
また、水溶性ウレタン樹脂は水溶性であるため、その構造中にカルボキシ基、スルホン酸基、ホスホン酸基などの酸基;カルボニル基、ヒドロキシ基などの親水性基を含むことが好ましい。特に、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸などの酸基を有するポリオールを用いて合成された水溶性ウレタン樹脂を用いることが好ましい。酸基は塩の形態であってもよい。塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。
鎖延長剤は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるウレタンプレポリマー中のポリイソシアネートユニットのうち、ウレタン結合を形成しなかった残存イソシアネート基と反応しうる化合物である。鎖延長剤としては、ジメチロールエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどの多価アミン;ポリエチレンポリイミンなどの多価イミン;ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオールなどの多価アルコールを用いることができる。
水溶性ウレタン樹脂の酸価は、10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下である。水溶性ウレタン樹脂の酸価が10mgKOH/g未満であると、水溶性ウレタン樹脂同士の相互作用が強くなってしまい、C.I.ピグメントレッド254との相互作用が弱くなる。その結果、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。一方、水溶性ウレタン樹脂の酸価が45mgKOH/g超であると、水溶性が高くなりすぎてしまい、C.I.ピグメントレッド254との相互作用が弱くなる。その結果、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。
水溶性ウレタン樹脂の酸価は、20mgKOH/g以上39mgKOH/g以下であることが好ましい。水溶性ウレタン樹脂の酸価が20mgKOH/g未満であると、ウレタン樹脂の溶解状態が不安定となりやすくなる。このため、C.I.ピグメントレッド254との相互作用が弱くなる傾向にあり、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が低下する場合がある。一方、水溶性ウレタン樹脂の酸価が39mgKOH/g超であると、水溶性が高いためにC.I.ピグメントレッド254との相互作用が弱くなる傾向にあり、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が低下する場合がある。
水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、8,000以上20,000以下である。水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量が8,000未満であると、一分子中のウレタン結合の数が少なくなるため、C.I.ピグメントレッド254との相互作用が弱くなる。その結果、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。一方、水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量が20,000超であると、ウレタン分子内におけるウレタン結合同士の相互作用が強くなってしまい、C.I.ピグメントレッド254との相互作用が弱くなる。その結果、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算として求めた値である。
インク中の水溶性ウレタン樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。水溶性ウレタン樹脂の含有量が0.05質量%未満であると、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性の向上効果が低下する場合がある。一方、水溶性ウレタン樹脂の含有量が2.00質量%超であると、インクの粘度が上昇してしまい、インクの吐出安定性が低下する場合がある。
インク中の水溶性ウレタン樹脂の含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.05倍以上0.60倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が0.05倍未満であると、C.I.ピグメントレッド254の粒子表面のうち、水溶性ウレタン樹脂で覆われない疎水表面の割合が増加する。このため、保存後のインクを使用して画像を記録する際にC.I.ピグメントレッド254の粒子同士が凝集しやすくなり、得られる画像の光沢性がやや低下する場合がある。一方、上記の質量比率が0.60倍超であると、C.I.ピグメントレッド254と相互作用せずにフリーの状態で存在する余剰の水溶性ウレタン樹脂の割合が増加する。そして、余剰の水溶性ウレタン樹脂と相互作用した水溶性アクリル樹脂及びフッ素系界面活性剤の一部が記録媒体内部に浸透するため、保存後のインクで記録した画像の光沢性及び耐擦過性がやや低下する場合がある。
(フッ素系界面活性剤)
本発明のインクは、フッ素系界面活性剤を含有する。フッ素系界面活性剤は、その分子構造内に親水性部分及び疎水性部分を有するとともに、水性インク中で安定に溶解しうるものであればよい。フッ素系界面活性剤の具体例としては、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸類、パーフルオロアルキルリン酸類、パーフルオロアルキルスルホン酸類などを挙げることができる。なかでも、親水性部分がポリオキシエチレン鎖で構成されているパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物が、インク中での安定性に優れているために好ましい。このようなパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物としては、市販品を用いることができる。パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物の具体例としては、以下商品名で、メガファックF−470、F−444(以上、DIC製);サーフロンS−141、S−145(以上、旭硝子製);ゾニールFS−3100(デュポン製)などを挙げることができる。
本発明のインクは、フッ素系界面活性剤を含有する。フッ素系界面活性剤は、その分子構造内に親水性部分及び疎水性部分を有するとともに、水性インク中で安定に溶解しうるものであればよい。フッ素系界面活性剤の具体例としては、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸類、パーフルオロアルキルリン酸類、パーフルオロアルキルスルホン酸類などを挙げることができる。なかでも、親水性部分がポリオキシエチレン鎖で構成されているパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物が、インク中での安定性に優れているために好ましい。このようなパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物としては、市販品を用いることができる。パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物の具体例としては、以下商品名で、メガファックF−470、F−444(以上、DIC製);サーフロンS−141、S−145(以上、旭硝子製);ゾニールFS−3100(デュポン製)などを挙げることができる。
インク中のフッ素系界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上0.50質量%以下である。フッ素系界面活性剤の含有量が0.01質量%未満であると、画像の耐擦過性が不十分となる。一方、フッ素系界面活性剤の含有量が0.50質量%超であると、多すぎるため、C.I.ピグメントレッド254の分散性が不安定になる。その結果、画像の光沢性及び耐擦過性が不十分となる。
インク中のフッ素系界面活性剤の含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.002倍以上0.20倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が0.002倍未満であると、画像の耐擦過性の向上効果が不足する場合がある。一方、上記の質量比率が0.20倍超であると、分散性が不安定化したC.I.ピグメントレッド254が一部で生じやすく、インクの吐出安定性が低下する場合がある。
(水性媒体)
本発明のインクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する水性インクである。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する水性インクである。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.00質量%以上90.00質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下、さらには15.00質量%以上40.00質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、高いレベルのインクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素やその誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素やその誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
本発明のインクを用いて記録する対象の記録媒体としては、どのようなものを用いてもよいが、普通紙や、コート層を有する記録媒体(光沢紙やアート紙)などの、浸透性を有する紙を用いることが好ましい。特に、インク中の顔料粒子の少なくとも一部を記録媒体の表面やその近傍に存在させることができる、コート層を有する記録媒体を用いることが好ましい。このような記録媒体は、画像を記録した記録物の使用目的などに応じて選択することができる。例えば、写真画質の光沢感を有する画像を得るのに適している光沢紙や、絵画、写真、及びグラフィック画像などを好みに合わせて表現するために、基材の風合い(画用紙調、キャンバス地調、和紙調など)を生かしたアート紙などが挙げられる。なかでも、コート層の表面が光沢性を持つ、いわゆる光沢紙を用いることが特に好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<水溶性アクリル樹脂の合成>
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び冷却管を備えた四つ口フラスコにメチルエチルケトン200.0部を入れ、反応系を窒素に置換した。温度80℃に昇温させた後、表1の左側に示す各モノマー(単位:部)及びt−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。温度80℃で12時間反応させて、水溶性アクリル樹脂であるアクリル樹脂1〜16を得た。得られたアクリル樹脂の全ての酸性基を10.0%水酸化カリウム水溶液で中和した後、イオン交換水を加えて、樹脂(固形分)の含有量が20.0%であるアクリル樹脂の水溶液を得た。得られたアクリル樹脂の特性を表1に示す。アクリル樹脂の酸価は、電位差自動滴定装置を使用し、水酸化カリウム/エタノール滴定液で電位差滴定することにより測定した。また、アクリル樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた。表1中のモノマーの略記号の意味を以下に示す。
BzA:ベンジルアクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
St:スチレン
αMSt:α−メチルスチレン
2EtOEA:2−エトキシエチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び冷却管を備えた四つ口フラスコにメチルエチルケトン200.0部を入れ、反応系を窒素に置換した。温度80℃に昇温させた後、表1の左側に示す各モノマー(単位:部)及びt−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。温度80℃で12時間反応させて、水溶性アクリル樹脂であるアクリル樹脂1〜16を得た。得られたアクリル樹脂の全ての酸性基を10.0%水酸化カリウム水溶液で中和した後、イオン交換水を加えて、樹脂(固形分)の含有量が20.0%であるアクリル樹脂の水溶液を得た。得られたアクリル樹脂の特性を表1に示す。アクリル樹脂の酸価は、電位差自動滴定装置を使用し、水酸化カリウム/エタノール滴定液で電位差滴定することにより測定した。また、アクリル樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた。表1中のモノマーの略記号の意味を以下に示す。
BzA:ベンジルアクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
St:スチレン
αMSt:α−メチルスチレン
2EtOEA:2−エトキシエチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
<水溶性ウレタン樹脂の合成>
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び冷却管を備えた四つ口フラスコに、表2に示す使用量のポリオール、イソホロンジイソシアネート44.5g、及びジブチル錫ジラウレート0.007gを入れ、窒素雰囲気下、温度100℃で5時間反応させた。温度65℃以下に冷却した後、表2に示す使用量のジメチロールプロピオン酸、及びネオペンチルグリコール3.0g、及びメチルエチルケトン150.0gを添加し、温度80℃で反応させた。その後、温度40℃に冷却し、メタノール20.0gを加えて反応を停止させた。次いで、適量のイオン交換水を添加し、ホモミキサーで撹拌しながら、樹脂を中和するために必要な水酸化カリウム水溶液を添加した。その後、加熱減圧下でメチルエチルケトン及び未反応のメタノールを留去して、樹脂(固形分)の含有量が10.0%であるウレタン樹脂1〜18の水溶液を得た。ウレタン樹脂の酸価は、電位差自動滴定装置を使用し、水酸化カリウム/エタノール滴定液で電位差滴定することにより測定した。また、ウレタン樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた。なお、重量平均分子量は、温度80℃での反応時間を適宜変化させて調整した。各樹脂の酸価及びポリスチレン換算の重量平均分子量を表2に示す。表2中のモノマーの略記号の意味を以下に示す。なお、略記号に付した数値はポリオールの数平均分子量である。
PTMG:ポリテトラメチレングリコール
PPG:ポリプロピレングリコール
PEG:ポリエチレングリコール
1,2−BG:ポリ(1,2−ブチレングリコール)
1,3−BG:ポリ(1,3−ブチレングリコール)
DMPA:ジメチロールプロピオン酸
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び冷却管を備えた四つ口フラスコに、表2に示す使用量のポリオール、イソホロンジイソシアネート44.5g、及びジブチル錫ジラウレート0.007gを入れ、窒素雰囲気下、温度100℃で5時間反応させた。温度65℃以下に冷却した後、表2に示す使用量のジメチロールプロピオン酸、及びネオペンチルグリコール3.0g、及びメチルエチルケトン150.0gを添加し、温度80℃で反応させた。その後、温度40℃に冷却し、メタノール20.0gを加えて反応を停止させた。次いで、適量のイオン交換水を添加し、ホモミキサーで撹拌しながら、樹脂を中和するために必要な水酸化カリウム水溶液を添加した。その後、加熱減圧下でメチルエチルケトン及び未反応のメタノールを留去して、樹脂(固形分)の含有量が10.0%であるウレタン樹脂1〜18の水溶液を得た。ウレタン樹脂の酸価は、電位差自動滴定装置を使用し、水酸化カリウム/エタノール滴定液で電位差滴定することにより測定した。また、ウレタン樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた。なお、重量平均分子量は、温度80℃での反応時間を適宜変化させて調整した。各樹脂の酸価及びポリスチレン換算の重量平均分子量を表2に示す。表2中のモノマーの略記号の意味を以下に示す。なお、略記号に付した数値はポリオールの数平均分子量である。
PTMG:ポリテトラメチレングリコール
PPG:ポリプロピレングリコール
PEG:ポリエチレングリコール
1,2−BG:ポリ(1,2−ブチレングリコール)
1,3−BG:ポリ(1,3−ブチレングリコール)
DMPA:ジメチロールプロピオン酸
<顔料分散液の調製>
表3−1及び3−2の上段に示す成分(単位:部)を、0.3mm径のジルコニアビーズを充填(充填率50%)したガラス容器に入れ、簡易分散機(商品名「DAS200−K」、LAU製)を使用して12時間分散させた。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離して凝集成分を除去した。次いで、適量のイオン交換水を添加して顔料分散液1〜18を調製した。表3−1及び3−2の下段には、顔料の含有量(%)及び樹脂分散剤として用いたアクリル樹脂の含有量(%)を示す。
表3−1及び3−2の上段に示す成分(単位:部)を、0.3mm径のジルコニアビーズを充填(充填率50%)したガラス容器に入れ、簡易分散機(商品名「DAS200−K」、LAU製)を使用して12時間分散させた。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離して凝集成分を除去した。次いで、適量のイオン交換水を添加して顔料分散液1〜18を調製した。表3−1及び3−2の下段には、顔料の含有量(%)及び樹脂分散剤として用いたアクリル樹脂の含有量(%)を示す。
<インクの調製>
表4−1〜4−5の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズが1.2μmであるセルロースアセテートフィルター(商品名「Minisart」、ザルトリウス製)にて加圧ろ過して各インクを調製した。なお、ポリエチレングリコールは数平均分子量1,000のものを用いた。使用した成分の詳細を以下に示す。
・「アセチレノールE100」(商品名、ノニオン性のアセチレングリコール系界面活性剤、川研ファインケミカルズ製)
・「メガファックF−444」(商品名、ノニオン性のフッ素系界面活性剤、DIC製)
・「ゾニールFSO−100」(商品名、ノニオン性のフッ素系界面活性剤、デュポン製)
・「プロキセルGXL(S)」(商品名、防腐剤、アーチケミカルズ製)
表4−1〜4−5の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズが1.2μmであるセルロースアセテートフィルター(商品名「Minisart」、ザルトリウス製)にて加圧ろ過して各インクを調製した。なお、ポリエチレングリコールは数平均分子量1,000のものを用いた。使用した成分の詳細を以下に示す。
・「アセチレノールE100」(商品名、ノニオン性のアセチレングリコール系界面活性剤、川研ファインケミカルズ製)
・「メガファックF−444」(商品名、ノニオン性のフッ素系界面活性剤、DIC製)
・「ゾニールFSO−100」(商品名、ノニオン性のフッ素系界面活性剤、デュポン製)
・「プロキセルGXL(S)」(商品名、防腐剤、アーチケミカルズ製)
<評価>
熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro 9500」、キヤノン製)を使用して以下に示す評価を行った。上記のインクジェット記録装置では、解像度が600dpi×600dpiで、1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ngのインク滴を8滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。各評価で使用した「保存インク」は、調製したインク30.0gをそれぞれ密閉容器に入れ、温度70℃で7日間保存した後、常温に戻したものである。調製した実施例及び比較例の各インクと、これらのインクに対応する保存インクとをそれぞれインクカートリッジに充填し、上記のインクジェット記録装置にセットした。そして、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ(プラチナグレード)」、キヤノン製)に、記録デューティが30%、60%、90%、120%である、5cm×5cmの4種のベタ画像を含むパターンを記録して記録物を得た。得られた記録物を室温で1日放置して乾燥させた。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表5に示す。
熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro 9500」、キヤノン製)を使用して以下に示す評価を行った。上記のインクジェット記録装置では、解像度が600dpi×600dpiで、1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ngのインク滴を8滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。各評価で使用した「保存インク」は、調製したインク30.0gをそれぞれ密閉容器に入れ、温度70℃で7日間保存した後、常温に戻したものである。調製した実施例及び比較例の各インクと、これらのインクに対応する保存インクとをそれぞれインクカートリッジに充填し、上記のインクジェット記録装置にセットした。そして、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ(プラチナグレード)」、キヤノン製)に、記録デューティが30%、60%、90%、120%である、5cm×5cmの4種のベタ画像を含むパターンを記録して記録物を得た。得られた記録物を室温で1日放置して乾燥させた。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表5に示す。
(光沢性)
マイクロヘイズメーター(BYKガードナー製)を使用して得られた記録物の4種のベタ画像の20°グロスの値を測定し、それらの平均値を求めた。そして、下記式より「光沢性変化」の値を算出し、以下に示す評価基準にしたがって画像の光沢性を評価した。
光沢性変化=(保存をしていないインクで記録したベタ画像の20°グロスの平均値)−(保存インクで記録したベタ画像の20°グロスの平均値)
A:光沢性変化の値が10未満であった。
B:光沢性変化の値が10以上15未満であった。
C:光沢性変化の値が15以上であった。
マイクロヘイズメーター(BYKガードナー製)を使用して得られた記録物の4種のベタ画像の20°グロスの値を測定し、それらの平均値を求めた。そして、下記式より「光沢性変化」の値を算出し、以下に示す評価基準にしたがって画像の光沢性を評価した。
光沢性変化=(保存をしていないインクで記録したベタ画像の20°グロスの平均値)−(保存インクで記録したベタ画像の20°グロスの平均値)
A:光沢性変化の値が10未満であった。
B:光沢性変化の値が10以上15未満であった。
C:光沢性変化の値が15以上であった。
(耐擦過性)
保存インクで記録した記録物における、記録デューティが100%であるベタ画像の表面を爪で擦った。次いで、照明として昼白色蛍光灯(色温度約5000K)を有する室内環境においてベタ画像の表面を目視で観察し、以下に示す評価基準にしたがって画像の耐擦過性を評価した。
A:光沢感の変化が生じていなかった。
B:光沢感の変化が生じていたが、目立ってはいなかった。
C:光沢感の変化が目立っていた、又は、ベタ画像の色材が剥がれていた。
保存インクで記録した記録物における、記録デューティが100%であるベタ画像の表面を爪で擦った。次いで、照明として昼白色蛍光灯(色温度約5000K)を有する室内環境においてベタ画像の表面を目視で観察し、以下に示す評価基準にしたがって画像の耐擦過性を評価した。
A:光沢感の変化が生じていなかった。
B:光沢感の変化が生じていたが、目立ってはいなかった。
C:光沢感の変化が目立っていた、又は、ベタ画像の色材が剥がれていた。
Claims (8)
- 顔料、前記顔料を分散する水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、及びフッ素系界面活性剤を含有するインクジェット用の水性インクであって、
前記顔料が、C.I.ピグメントレッド254であり、
前記水溶性アクリル樹脂が、芳香族基含有ユニットを有するとともに、前記芳香族基含有ユニットの占める割合(質量%)が、前記水溶性アクリル樹脂の全質量を基準として、40.0質量%以上80.0質量%以下であり、かつ、酸価が120mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、
前記水溶性ウレタン樹脂が、アルキレン基の炭素数が3以上であるポリ(オキシアルキレン)構造を有し、かつ、酸価が10mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であるとともに、重量平均分子量が8,000以上20,000以下であり、
前記フッ素系界面活性剤の含有量(質量%)が、0.01質量%以上0.50質量%以下であることを特徴とする水性インク。 - 前記ポリ(オキシアルキレン)構造が、ポリ(オキシテトラメチレン)構造である請求項1に記載の水性インク。
- 前記水溶性ウレタン樹脂の酸価が、20mgKOH/g以上39mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載の水性インク。
- 前記水溶性アクリル樹脂の重量平均分子量が、前記水溶性ウレタン樹脂の重量平均分子量に対する比率で、0.20倍以上2.00倍以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
- 前記水溶性ウレタン樹脂の含有量(質量%)が、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.05倍以上0.60倍以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
- 前記水溶性アクリル樹脂の含有量(質量%)が、前記水溶性ウレタン樹脂の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.80倍以上10.00倍以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水性インク。
- インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。 - インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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