JP2012092221A - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

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【課題】記録メディアに速やかに浸透する浸透乾燥型インクであって、印字直後にも優れた定着性を示し、高速インクジェットシステムに用いても画像乱れを起こさないインクジェット記録用インク組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】顔料を樹脂に分散してなる顔料分散体と、20℃における水への溶解度が5%以下である少なくとも1種の有機溶媒とを含み、前記顔料分散体における樹脂の酸価が300以下である、インクジェット記録用インク組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規なインクジェット記録用インク組成物に関する。特に、高速インクジェットシステムに用いても、優れた定着性を示し、画像乱れを起こさず、かつ記録メディア(各種用紙など)に速やかに浸透する浸透乾燥型インク組成物に関する。
近年、インクジェット記録技術は急速に進歩しており、銀塩写真に匹敵する高精細な画質を得ることが可能となっている。しかしながら、インクジェット記録技術においては、画像形成速度を向上させようとすると、次のような問題が生じやすい。すなわち、画像形成速度を高速化させると、インクが記録メディアに浸透する前に、記録メディアが排出ローラを通り排出されてしまう。その結果、インクが排出ローラに付着(オフセット)することとなるため、画像不良が発生しやすくなるという問題が見られる。
顔料を樹脂で分散したインクの場合、その定着性は溶媒であるビヒクルが顔料と分離することで発現することが知られている。つまり、定着性が向上するためには、ビヒクルが蒸発乾燥するか、記録媒体に浸透乾燥する必要がある。特にオンデマンド型のインクジェット方式では、蒸発乾燥はノズルでの乾燥による不吐出が危惧されるため、浸透乾燥を行う必要がある。しかしながら、顔料を樹脂で分散したインクの場合、酸価の高い樹脂が記録媒体表面で浸透を妨げてしまう可能性がある。
これまでに、インクジェット記録ヘッドでの吐出安定性を向上させるために、顔料に対する樹脂量と遊離樹脂の量を規定したインクジェット記録用インク組成物が報告されている(特許文献1)。
特開平11−302586号公報
しかしながら、特許文献1には、ビヒクルの浸透性と樹脂の酸価の影響に関しては何ら記述が無く、定着性の評価も浸透乾燥を念頭に置いたものとは言いがたい。つまり、特許文献1記載のインクジェット記録用インク組成物では、印字後の画像への部材の接触等による画像乱れが生じる可能性が高い。
とりわけ、印字から0.6秒以内に記録メディアが排出ローラと接触するような高速インクジェットシステムにおいては、インクは浸透乾燥させなくてはならないが、インクに含まれる材料は、基本的に浸透を妨げる方向に作用するものが多いという現状がある。浸透乾燥を妨げる要因があると、印字後の排出ローラなどでオフセットを生じてしまうという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、記録メディアに速やかに浸透する浸透乾燥型インクであって、印字直後にも優れた定着性を示し、高速インクジェットシステムに用いてもオフセットや画像乱れを起こさないインクジェット記録用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を有するインクジェット記録用インク組成物を用いることにより前記課題が解決することを見出し、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることによって本発明を完成した。
本発明の一態様に係るインクジェット記録用インク組成物は、顔料を樹脂に分散してなる顔料分散体と、20℃における水への溶解度が5%以下である少なくとも1種の有機溶媒とを含み、前記顔料分散体における樹脂の酸価が300以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、記録メディア(各種紙等)に速やかに浸透し、印字直後にも優れた定着性を示し、高速インクジェットシステムに用いてもオフセットや画像乱れを起こさないインクジェット記録用インク組成物を提供することができる。
さらに、前記有機溶媒が、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルから選択される少なくとも1種、或いはそれらの混合物であることが好ましい。
このような構成により、ビヒクルの記録メディアへの浸透性が高まり、上述したような優れた特性を有するインクジェット記録用インク組成物を確実に得ることができる。
さらには、前記樹脂が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂およびポリエステル−アクリル共重合体樹脂から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成により、インクがより浸透乾燥しやすくなり、上述したような優れた特性を有するインクジェット記録用インク組成物を確実に得ることができる。
本発明によれば、記録メディアに速やかに浸透し、印字直後にも優れた定着性を示し、高速インクジェットシステムに用いてもオフセットや画像乱れを起こさないインクジェット記録用インク組成物を提供することができる。
図1は、実施例におけるインク組成物の記録紙への浸透の速さを示したグラフである。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施形態に係るインクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」とも称す)は、顔料を樹脂に分散してなる顔料分散体と、20℃における水への溶解度が5%以下である少なくとも1種の有機溶媒とを含み、前記顔料分散体における樹脂の酸価が300以下であることを特徴とする。
[顔料分散体]
本実施形態において、顔料分散体とは、着色剤である顔料を樹脂に分散させたものをさす。なお、分散態様としては、後述する顔料が後述する樹脂によって分散されている態様や、樹脂によって被覆されている態様、又はその他の態様であってもよい。
前記顔料分散体における、顔料と樹脂の重量比率は、顔料1に対して樹脂が1.0未満である。樹脂の顔料1に対する重量比率は1.0未満であればよいが、樹脂の比率が低すぎるとインク組成物の結着性が下がるおそれがあるため、1.0未満かつ0.25以上であることが好ましい。
前記顔料分散体の配合量は、後述する顔料や樹脂の種類などによって適宜選択し得るが、例えば、インク組成物全体に対して、通常、10〜50質量%であり、好ましくは、20〜40質量%である。
〔顔料〕
本実施形態に係る顔料分散体に用いられる顔料としては、一般のインクジェット記録用インクで使用できる各種の無機顔料及び有機顔料を特に限定することなく用いることができる。
例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等が挙げられる。黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等が挙げられる。橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等が挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。青色顔料としては、C.I.Pigment Blue 15:3、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等が挙げられる。
顔料の配合量は、使用する顔料の種類等により任意に決定できるが、通常はインク組成物全体に対して、1.0〜10.0質量%であり、好ましくは3.5〜8.0質量%である。1.0質量%未満であると所望の画像濃度を得るためにインクを紙に大量に印字する必要があり、紙の許容できる液体量を超えてしまう。10.0質量%を超えると、粒子間の相互作用によりインクの粘度が上昇するため、印字に必要なエネルギーが大きくなりすぎて、印字不良を引き起こす。
〔樹脂〕
本実施形態において、顔料を分散するための樹脂としては、酸価が300以下の樹脂であって、顔料分散体に用いられる樹脂であれば特に限定はされない。
具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共
重合体樹脂およびポリエステル−アクリル共重合体樹脂等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
なお、前記酸価が300を超えると樹脂がインクの浸透性を阻害するため、インクの浸透速度が遅くなる。また、樹脂の酸価は300以下であれば本発明の効果を得ることができるが、10未満となると、樹脂が水に馴染まなくなり分散安定性が得られないため、好ましくは樹脂の酸価は10〜300の範囲である。
前記樹脂の重量平均分子量は、用いる樹脂の種類などにもよるが、10000〜200000の範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る顔料分散体に用いる樹脂の配合量は、前記顔料1に対して、樹脂の重量比率が1.0未満となるような量であればよい。樹脂量がこれより高くなると、インク全体としての粘度上昇をもたらし記録メディアへのインクの浸透を妨げ、さらには、インクの浸透に伴い、記録メディア表面に付着した樹脂と顔料が流動抵抗となって浸透を妨げる。一方、上述したように、樹脂量が少なすぎると結着性が得られないため、樹脂の配合量の下限は前記顔料1に対して、0.25以上であることが好ましい。
〔顔料分散体の調製〕
本実施形態における顔料分散体は、上述したような顔料及び樹脂に加えて、保湿剤、防腐剤などを含有していてもよい。
また、その調製方法としては、公知の調製方法を適宜使用でき、特に限定はない。具体的には、例えば、前記顔料と前記樹脂、及び必要に応じてその他の成分を、水性媒体中に分散させることによって得られる。水性媒体としては、水(イオン交換水など)が好ましく用いられる。分散処理は従来公知の方法に従って、分散機などを用いて行うことが出来る。分散機としては、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル等の分散機が挙げられる。これらの中では、高速度のサンドミルが好ましく、例えば、ダイノーミル、ナノグレンミル等が好適に使用される。
本実施形態に係る顔料分散体においては、上述したように、樹脂の酸価が300以下である。これを満たさない場合には、インクの記録メディアへの浸透が妨げられるため、排出ローラなどにインク成分が付着して排出ローラや記録メディアに汚れが発生するおそれがある。
[有機溶媒]
本実施形態に係るインク組成物には、水の他に、20℃における水への溶解度が5%以下である少なくも1種の有機溶媒が含まれている。インク組成物中にこのような有機溶媒を含むことにより、ビヒクルの記録メディアに対する浸透性が高くなる。一方、前記溶解度が5%を超えると、親水性が高くなり、ビヒクルの記録メディアへの浸透性を高める効果が低くなる。なお、前記溶解度は、例えば、後述の実施例に記載した方法を用いて測定することができる。
前記有機溶媒としては、20℃における水への溶解度が5%以下であるものであれば特に限定はされないが、具体的な例示としては、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセリンおよび1,2,6−ヘキサントリオールなどの多価アルコール類;ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのグリコールエーテル類などの多価アルコールのエーテル類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
なかでも2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等が前記有機溶媒の好ましい例示として挙げられる。さらに、好ましい有機溶媒としては、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール等が挙げられる。
前記有機溶媒の配合量は、インク組成物全体に対して通常0.01〜5.0質量%であり、好ましくは0.1〜2.0質量%である。0.01質量%未満であると浸透性が低下し、5.0質量%を超えると、溶解しきれない溶媒が分離してしまう。
[界面活性剤]
本実施形態に係るインク組成物は、上述した必須成分(顔料分散体、有機溶媒)以外に界面活性剤を含んでいてもよい。好ましい界面活性剤の例としては、アセチレングリコール系界面活性剤などが挙げられる。これらは市販のものを使用することもでき、例えば、日信科学工業社製のオルフィンE1010、オルフィンE1004、エアプロダクト社製サーフィノール465、440等の界面活性剤を適宜使用することができる。
前記界面活性剤のインク組成物中の配合量は、インク組成物全体に対して、通常0.01〜5.0質量%であり、好ましくは0.1〜3.0質量%である。
[インク組成物の調製]
本実施形態におけるインク組成物は、上述した以外にも、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防錆剤などを含有していてもよい。
また、その調製方法としては、公知の調製方法を適宜使用できる。より具体的には、例えば、上述した顔料分散体、有機溶媒、その他必要に応じて界面活性剤などを、水性媒体で1.2〜1.5倍程度に希釈し、得られた希釈液を混合・撹拌し、適度な孔径を有するフィルターにて加圧濾過を行うことにより得ることができる。なお、前記水性媒体としては、好ましくは水を用いることができる。
このようにして得られた本実施形態に係るインク組成物は、記録メディアに速やかに浸透し、印字直後にも優れた定着性を示し、オフセットや画像乱れを起こさないため、高速インクジェットシステムへの使用に適しているが、高速インクジェットシステム以外のインクジェットプリンターにも好適に用いることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[顔料分散体の製造]
(顔料分散体A)
・C.I.ピグメントシアン15:3 20質量%
・スチレン−アクリル酸共重合体樹脂(分子量20000,酸価200) 5質量%
・グリセリン 10質量%
・イオン交換水 残量
上記成分を混合し、ダイノーミル(シンマルエンタープライズ)中でガラスビーズ(直径1.0mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させ、顔料分散体Aを得た。
(顔料分散体B)
スチレン−アクリル酸共重合体樹脂の添加量を20質量%に変更した以外は、顔料分散体Aと同様にして、顔料分散体Bを得た。
(顔料分散体C)
スチレン−アクリル酸共重合体樹脂の酸価を400に変更した以外は、顔料分散体Aと同様にして、顔料分散体Cを得た。
[インク組成物の製造]
(インク組成物A)
・顔料分散体A 25質量%
・オルフィンE1010(界面活性剤、日信化学工業社製) 0.5質量%
・へキシレングリコール(溶解度100) 5質量%
・2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール(溶解度1.1) 0.5質量%
・2−ピロリドン(溶解度100) 5質量%
・グリセリン(溶解度100) 13質量%
・水 51質量%
上記組成を混合し、十分に攪拌した後に、孔径5μmのフィルターにて加圧濾過をし、インク組成物Aを得た。
(インク組成物B)
顔料分散体Aを顔料分散体Bに変更する以外は、インク組成物Aと同様にしてインク組成物Bを得た。
(インク組成物C)
2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオールの代わりにトリエチレングリコールモノブチルエーテル(溶解度100)を0.5質量%添加した以外は、インク組成物Aと同様にしてインク組成物Cを得た。
(インク組成物D)
顔料分散体Aを顔料分散体Cに変更する以外は、インク組成物Aと同様にしてインク組成物Bを得た。
[測定方法と評価]
(溶解度)
まず、前記有機溶媒の溶解度は、20℃の水100gを攪拌中にそれぞれの有機溶媒を滴下し、濁りの生じた点の水中における有機溶媒の割合(有機溶媒/水×100)(%)を溶解度として測定した。
(オフセット性)
記録ヘッドに記録液を充填した後、ノズル形成面から出ている余剰液を、ワイプブレードにてかきとり、記録ヘッドのノズル面と記録紙との距離を1mmに固定し、30×30mmのサイズ内に最大濃度のベタ画像をOKH−Jオフ用紙(王子製紙)に連続10枚印字した。その後排出ローラにて記録液がローラに付着しているか(オフセット性)を目視で確認した。
なお、評価基準は以下の通りである:
○:記録液が排出ローラに付着していない、且つ非印字部に版画されていない。
△:記録液が排出ローラに付着していないが、非印字部に版画されている。
×:記録液が排出ローラに付着しており、且つ非印字部に版画されている。
なお、駆動周波数20kHz、プロセス速度が840mm/sであるとき、印字より0.4、0.6、0.8s後に相当する、33.6、50.4、67.2mmの位置に、接触部材として排出ローラを設置して前記オフセット性を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2012092221
(結果・考察)
表1より明らかなように、溶解度が5%以上である有機溶媒を混合したインク組成物C、並びに、酸価の高い樹脂を用いた顔料分散体を含むインク組成物Dのいずれにおいても、浸透乾燥が妨げられて、オフセットが生じてしまうことがわかった。一方、本発明の実施形態に係るインク組成物A及びインク組成物Bは、高速インクジェットシステムにおいても、オフセットを生じることなく、良好な画像が得られた。
(浸透速度)
上記インク組成物A〜Dの記録紙への浸透挙動を、動的接触角計(Dataphysics社:OCA40)で測定した。測定は1μlの記録液をOKH−Jオフ用紙に滴下し、その浸透挙動を紙上での液滴高さHで評価した。
結果を図1に示す。
(結果・考察)
樹脂の量が多いインク組成物Bは時間がたっても高さが残ってしまっているが、これは樹脂が多いために、紙の表面に付着した顔料と樹脂が増加したためで、20℃で溶解度が5%以下の溶剤により液体成分は浸透しきっており、インク層の表面は乾燥していてオフセットは生じていないものと考えられる。
また、20℃で溶解度が5%以下の溶剤を含まないインク組成物Cは、特に紙に接触した直後の浸透が遅かった。さらに、また樹脂の酸価が高いインク組成物Dも浸透が遅かった。
[まとめ]
以上より、本発明に係るインク組成物であれば、優れた浸透乾燥性を示し、特に印字から0.6秒以内に印字面に接触部材があるような高速印字システムであっても、オフセットを生じることなく高画質印字が可能となることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. 顔料を樹脂に分散してなる顔料分散体と、20℃における水への溶解度が5%以下である少なくとも1種の有機溶媒とを含み、
    前記顔料分散体における樹脂の酸価が300以下である、インクジェット記録用インク組成物。
  2. 前記有機溶媒が、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルから選択される少なくとも1種、或いはそれらの混合物である、請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  3. 前記樹脂が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂およびポリエステル−アクリル共重合体樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
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