JPH09157564A - インクジェット記録用インク及びインクジェット記録 方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク及びインクジェット記録 方法

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JPH09157564A
JPH09157564A JP31890195A JP31890195A JPH09157564A JP H09157564 A JPH09157564 A JP H09157564A JP 31890195 A JP31890195 A JP 31890195A JP 31890195 A JP31890195 A JP 31890195A JP H09157564 A JPH09157564 A JP H09157564A
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ink
weight
ion
monomer
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嘉郎 山下
Takeshi Hashimoto
健 橋本
Hiroshi Inoue
洋 井上
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 にじみがなく高濃度で均一な画像を得られ、
かつ目詰まりや吐出乱れのないインクジェット記録用イ
ンクとこれを用いたインクジェット記録方法。 【解決手段】 水、色材、水溶性有機溶媒を含有するイ
ンクジェット記録用インクにおいて、該インクが酸価5
0〜700のカルボキシル基を含有する重合体もしくは
カルボキシル基の塩を有する重合体を0.01〜5重量
%、及び界面活性剤を0.001〜5重量%を含有して
なり、インクの気泡表面粘度が0.05〜1.0g/s
である。また、重合体は、疎水性のα,β−不飽和エチ
レンモノマーと、親水性の−COOM基(ここで、M
は、水素、アルカリ金属、アンモニウムイオン、有機ア
ンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウム
イオン、オキソニウムイオン、スチボニウム、スタンノ
ニウム、ヨードニウム等のオニウム化合物を表す)を複
数有するモノマーまたはその酸無水物を有するモノマー
又はそのエステル基を含有するモノマーとからなる共重
合体が好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ノズル、スリットあるいは多
孔質フィルム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出
し、紙、布、フィルム等に記録を行ういわゆるインクジ
ェット方式の記録装置は、小型で安価、静寂性等の利点
から精力的に検討が行われ、最近ではレポート用紙、コ
ピー用紙等のいわゆる普通紙上に良好な印字品質が得ら
れる黒色の単色プリンタだけでなく、フルカラー記録が
行える製品が数多く市販されており、記録装置の分野で
大きな位置を占めるようになった。
【0002】インクジェット記録装置で用いられるイン
クは主に溶媒、色材、添加剤から構成される。インクジ
ェットインクに関しては(1)紙上でにじみ、かぶりの
ない高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、
(2)ノズル先端でのインク乾燥による目詰まりが発生
せず、常に吐出応答性、吐出安定性が良好であること、
(3)紙上においてインクの乾燥性が良いこと、(4)
画像の堅牢性が良いこと、(5)長期保存安定性が良い
こと、などの要求特性がある。
【0003】特に(1)に関しては以前より様々な手段
が講じられてきた。たとえば特開昭63−132083
号公報にはポリエチレングリコール、脂肪酸とその塩等
の分子量300以上で10%溶液と30%溶液との粘度
比が1:3以上である固体物質を用いることにより、イ
ンクを増粘させてにじみを抑制する方法が公示されてい
る。また米特許5133803号にはアルギン酸、カル
ボキシメチルセルロース、カラギーナン等の分子量10
000以上の高分子量コロイド物質によるブリード抑制
法が提案されている。また特開平6−136306号公
報には分子量3000−50000の高分子物質を用い
てインク表面張力及び粘度を特定の範囲の値にすること
によって定着性とブリード抑制の両立を達成する方法が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来から
画像のにじみ改善策が提案されているが、いずれの方法
においてもにじみを生じやすい被記録材に対しては十分
に要求を満足出来るレベルには達しておらず、またイン
クジェットインクに要求される他の特性全てを満足させ
る方法は未だ得られていない。したがって、本発明はに
じみがなく、かつインクジェットインクの要求特性を全
て満たすことができるインクジェット記録用インク及び
このインクによるインクジェット記録方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、水、色
材、水溶性有機溶媒を含有するインクジェット記録用イ
ンクにおいて、該インクが酸価50〜700のカルボキ
シル基を含有する重合体もしくはカルボキシル基の塩を
有する重合体を0.01〜5重量%、及び界面活性剤を
0.001〜5重量%を含有してなり、インクの気泡表
面粘度が0.05〜1.0g/sであるインクジェット
記録用インクによって達成される。
【0006】また、上記した目的は、水、色材、水溶性
有機溶媒を含有するインクジェット記録用インクにおい
て、該インクが、疎水性のα,β−不飽和エチレンモノ
マーと、親水性の−COOM基(ここで、Mは、水素、
アルカリ金属、アンモニウムイオン、有機アンモニウム
イオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、オ
キソニウムイオン、スチボニウム、スタンノニウム、ヨ
ードニウム等のオニウム化合物を表す)を複数有するモ
ノマーまたはその酸無水物を有するモノマー又はそのエ
ステル基を含有するモノマーからなる共重合体を0.0
1〜5重量%、及び界面活性剤を0.001〜5重量%
含有してなり、インクの気泡表面粘度が0.05〜1.
0g/sであるインクジェット記録用インクによって達
成される。さらに上記した目的は、前記の特性を有する
インクジェット記録用インクを用いるインクジェット記
録方法によって達成される。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
インクジェット記録用インクにおける重合体は、酸価5
0〜700のカルボン酸を含む重合体又は該カルボン酸
を塩基により中和することで生成するカルボン酸塩を含
む重合体である。これらの重合体の中で、−COOM基
(ここで、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウムイオ
ン、有機アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ス
ルホニウムイオン、オキソニウムイオン、スチボニウム
イオン、スタンノニウム、ヨードニウム等のオニウム化
合物を表す)を複数個有する親水性のモノマーまたはそ
の酸無水物を有するモノマー又はそのエテスル基を有す
る親水性のモノマーと、疎水性のα,β不飽和エチレン
モノマーの共重合体が、特ににじみがなく高濃度でかつ
均一な画像が得られることを見出した。
【0008】上記した親水性のモノマーと、疎水性α,
β不飽和エチレンモノマーの共重合体とは、マレイン
酸、メチルマレイン酸、イタコン酸、グルタコン酸、ム
コン酸等のジカルボン酸、1−プロペン−1,2,3−
トリカルボン酸等のトリカルボン酸、およびその塩、ま
たは前記化合物の酸無水物に代表される親水性ビニル化
合物と、脂肪族オレフィン、芳香族オレフィン、不飽和
カルボン酸エステル、不飽和スルホン酸エステル、不飽
和リン酸エステル、不飽和カルボキシアミド、不飽和ケ
トン、不飽和ニトリル、ハロゲン化オレフィン等のビニ
ル化合物モノマー等のα,β不飽和エチレン化合物との
ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコ
ポリマー、交互共重合体を挙げることができる。親水性
ビニル化合物中のカルボン酸の一部が、エステル化ある
いはアミド化されていてもよい。
【0009】これら共重合体をインクに添加することに
より、インクの過度の浸透を抑え、にじみを防止する。
これら共重合体は通常0.01〜5重量%の範囲で含有
させることが好ましく、より好ましくは0.05〜4重
量%、さらに望ましくは0.1〜3重量%の範囲であ
る。共重合体の添加量が0.01重量%未満の場合、に
じみの防止効果が弱く、5重量%を超えるとノズルの目
詰まりが生じやすくなる。
【0010】前記共重合体の中で画像の均一性、ノズル
の耐目詰まり性を考慮すると親水性ビニル化合物は無水
マレイン酸とその塩、疎水性のα,β不飽和エチレンモ
ノマーはエチレン、プロピレン、イソブチレン、スチレ
ン、ビニルトルエン、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリ
ルからなる群より選ばれる組合せの共重合体が好まし
い。特に芳香環のもつπ電子が他のインク材料に影響を
及ぼすのか、スチレン−無水マレイン酸(塩)共重合体
がより好ましい。スチレン−無水マレイン酸(塩)共重
合体の中で、スチレン/無水マレイン酸(塩)のモル比
率が1:1の場合、反応選択性から交互共重合体になっ
ているのではないかと思われるが、その構造が特に影響
しているか否かは不明であるが、より好ましい結果が得
られる。
【0011】塩を形成している場合、カルボン酸の対イ
オンは、アルカリ金属、アンモニア、有機アミン等1価
のカチオンが使いやすいが、カルシウム、マグネシウム
等アルカリ土類金属等の多価カチオンも使用することが
できる。対イオンは使用する色材や溶媒等にあわせて選
択されるが、一般的に、Li+ 、Na+ 、K+ 、NH 4+
のラティチュードが広い。
【0012】また、共重合体の平均分子量は1000〜
10000の範囲にあることが好ましく、より好ましく
は1000〜3000の範囲である。共重合体の平均分
子量が分子量10000を超えると、にじみを抑制する
効果はあまり変わらないが、目詰まり性が急激に悪化す
る。また共重合体の平均分子量が分子量1000未満で
あると、増粘しにくく、にじみを抑制する効果が弱い。
共重合体の酸価は100〜500の間にあるのがより好
ましい。共重合体の酸価が500を超えると、溶解性が
高すぎるために、共重合体がドロップ表面に出てきにく
いため効果が弱くなり、逆に酸価100未満の場合共重
合体が十分に溶解しにくい。特に共重合体の酸価が30
0〜500の場合、表面張力30mN/m以上、好まし
くは表面張力40mN/m以上のインクに適用した場合
に効果発現が大きく、また共重合体の酸価が100〜3
00の場合、表面張力45mN/m以下、好ましくは表
面張力35mN/m以下のインクに適用した場合に効果
発現が大きい。
【0013】本発明における界面活性剤は、非イオン
性、陰イオン性、両性界面活性剤が好適であり、これら
の界面活性剤は、一般にインクジェットインクに用いら
れる界面活性剤でよい。すなわち例えば、非イオン性界
面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビッ
ト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステロール、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンブロックコポリマー、テトラメチルデ
シンジオール、テトラメチルデシンジオールエチレンオ
キサイド付加物などが挙げられる。
【0014】また陰イオン性活性剤としては、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、
高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エス
テルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エ
ステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク
酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポ
リスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテ
ルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、アクリル酸−アクリ
ル酸エステル共重合体等があげられる。
【0015】また両性界面活性剤としては、ベタイン、
スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリ
ン等が使用しうる。その他ポリシロキサンポリオキシエ
チレン付加物等のシリコーン系界面活性剤やパーフルオ
ロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホ
ン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル
などのフッソ系界面活性剤、スピクリスポール酸やラム
ノリピド、リゾレシチンなどのバイオサーファクタント
なども使用出来る。
【0016】本発明における界面活性剤は通常のインク
ジェットインクに添加したときと同様、染料や顔料の溶
解、分散状態を更に安定化させるほか、インクの紙中へ
の浸透を高め乾燥を早める働きをする一方、前記共重合
体との組合せにより、インクの濡れを適当に制御し、紙
中におけるインクの過度の浸透によるにじみを抑える一
方、共重合体の増粘による浸透速度の遅れをカバーす
る。同時に、共重合体よりも早くノズル表面にあらわ
れ、共重合体によるノズル端部での増粘を抑制し、耐目
詰まり性の改善に貢献したり、またインクジェットヘッ
ドのワイパークリーニング性向上に寄与する。
【0017】これら界面活性剤は単独であるいは混合し
て使用してもよい。界面活性剤添加量は通常0.001
〜5重量%の範囲で含有させることが好ましく、より好
ましくは0.01〜3重量%である。界面活性剤添加量
が0.001重量%未満の場合、狙った効果が発現せ
ず、3重量%を超えると、過度の浸透により、にじみを
生じる。前記界面活性剤の中で画像の均一性、乾燥性、
インクの低起泡性、耐目詰まり性等を考慮した場合、非
イオン界面活性剤が望ましい。非イオン性界面活性剤の
場合、特にHLBが3〜18の範囲にあるものが望まし
い。非イオン性界面活性剤のHLBが3未満であると、
界面活性剤の疎水性が高すぎ、紙上での濡れが良すぎる
ため、増粘効果の発現が遅れる分、にじみ改善効果がや
や弱く、またHLBが18を超えると、親水性が高くノ
ズル表面にやや出にくい分、共重合体の相互作用の低下
が余り期待できず、目詰まり改善効果が弱くなっている
と考えられる。
【0018】また、インクの特性として、起泡表面粘度
はその名の通り、インクを泡立ててその泡表面のずり粘
度を測定したものである。インク約200mlを直径約
14cmのシャーレに入れてすり切りの状態にし、シリ
ンジにより約10mlの空気を送り込んで、起泡させて
約1分後に直径約10cmの円盤をインク表面と接触さ
せて、減衰振動を与えてやることにより測定した。
【0019】本発明者らは、インクドロップにおいて表
面膜の粘度が高くなることにより、紙上でのインクの広
がりが抑制されると考え、初めは起泡させずに表面粘度
を測定したものの、定常流粘度との相関が非常に高く、
画像にじみとの相関が見いだせなかった。しかし、起泡
表面粘度が相関があることを見出し、起泡表面粘度が
0.05g/s以上であることにより、画像にじみ抑制
効果が顕著に現れることを見出した。ノズル端部におけ
るインク表面の粘度が高いと、ノズルの目詰まりを引き
起こしやすいため、起泡表面粘度は1.0g/s以下さ
らには0.7g/s以下であるのが好ましい。より好ま
しくは0.1〜0.5g/sの範囲で、さらに望ましく
は0.1〜0.4g/sの範囲である。また、インクの
通常の定常流粘度は低すぎるとノズルからのこぼれ落ち
が生じ、また、高すぎると吐出圧に対する抵抗が大きく
なるため、1.1〜6.0mPa・sの範囲にあるのが
好ましい。
【0020】このようにインクジェット記録用インク中
に本発明における酸価50〜700のカルボン酸を含む
ポリマー、もしくは該カルボン酸を塩基により中和する
ことで生成するカルボン酸塩を含むポリマー、特に−C
OOM基(ここで、Mは、水素、アルカリ金属、アンモ
ニウムイオン、有機アンモニウムイオン、ホスホニウム
イオン、スルホニウムイオン、オキソニウムイオン、ス
チボニウム、スタンノニウム、ヨードニウム等のオニウ
ム化合物を表す)を複数有する親水性のモノマーまたは
その酸無水物を有するモノマー又はそのエステル基を含
有する親水性のモノマーと疎水性のα,β不飽和エチレ
ンモノマーとの共重合体と界面活性剤、特に非イオン
性、陰イオン性、両性の中から選ばれる少なくとも1種
の界面活性剤を含有させ、かつ起泡表面粘度を0.05
g/s以上とすると、被記録材上でにじみが少なく高濃
度で均一な画像が得られ、かつ目詰まりや吐出乱れを引
き起こさないことが可能となった。
【0021】特に1パルス当たりの吐出量が1〜100
ngの範囲、好ましくは5〜70ng、より好ましくは
5〜40ngの範囲にある高解像小ドロップの印字イン
クジェット記録の場合、ドロップ量が小さくドロップの
比表面積が大きくなるため、よりにじみ改善の効果が大
きく現れる。また特にインクに熱エネルギーを作用させ
てインクを吐出させる方式の場合において、コゲーショ
ンによるドロップ量の低下が緩和されることを見出し
た。
【0022】色材は、各種染料、顔料、油溶性染料や顔
料で着色したオイルエマルション、着色ポリマー/ワッ
クス等を用いる事が出来る。染料の中では水溶性染料が
好ましい。水溶性染料は、酸性染料、直接染料、塩基性
染料、反応性染料等のいずれでも良いが、より好ましく
は、酸性染料、直接染料である。例えば、C.I.ダイ
レクトブラック−2,−4,−9,−11,−17,−
19,−22,−32,−80,−151,−154,
−168,−171,−194, C.I.ダイレクト
ブルー−1,−2,−6,−8,−22,−34,−7
0,−71,−76,−78,−86,−112,−1
42,−165,−199,−200,−201,−2
02,−203,−207,−218,−236,−2
87,C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−
8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,
−31,−33,−37,−39,−51,−59,−
62,−63,−73,−75,−80,−81,−8
3,−87,−90,−94,−95,−99,−10
1,−110,−189,−227, C.I.ダイレ
クトイエロー−1,−2,−4,−8,−11,−1
2,−26,−27,−28,−33,−34,−4
1,−44,−48,−58,−86,−87,−8
8,−135,−142,−144, C.I.フード
ブラック−1,−2, C.I.アシッドブラック−
1,−2,−7,−16,−24,−26,−28,−
31,−48,−52,−63,−107,−112,
−118,−119,−121,−156,−172,
−194,−208, C.I.アシッドブルー−1,
−7,−9,−15,−22,−23,−27,−2
9,−40,−43,−55,−59,−62,−7
8,−80,−81,−83,−90,−102,−1
04,−111,−185,−249,−254,
C.I.アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−
14,−15,−18−21,−26,−35,−3
7,−52,−110,−144.−180,−24
9,−257, C.I.アシッドイエロー−1,−
3,−4,−7,−11,−12,−13,−14,−
18,−19,−23,−25,−34,−38,−4
1,−42,−44,−53,−55,−61,−7
1,−76,−78,−79,−122等が挙げられ
る。
【0023】これら染料の含有量は、全インク量に対し
て好ましくは0.1〜20重量%の範囲、より好ましく
は1〜10重量%、さらに望ましくは1〜5重量%であ
る。染料含有量が多くなると、ノズル先端で水が蒸発し
た時の目詰まり性が悪化する。また逆に含有量が少なけ
れば当然ながら十分な濃度が得られない。これら染料
は、単独でも使用できるが、2種以上混合したり、シア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4原色の外、赤、
青、緑などのカスタムカラーに調色しても良い。
【0024】また、顔料を用いることも可能であり、例
えば、カーボンブラック、ブリリアントカーミンBS、
レーキカーミンFB、ブリリアントファストスカーレッ
ド、ジスアゾイエロー、パーマネントレッドR、キナク
リドンマゼンタ、ファストイエロー10G、フタロシア
ニンブルー、ブルーレーキ、イエローレーキ、ローダミ
ンレーキ等を分散剤を用いて顔料分散インクとすること
ができる。
【0025】顔料分散剤は一般に使用されるもので良
く、たとえばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、
メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体ほか本発
明の材料に相当するスチレン−無水マレイン酸共重合体
等が挙げられる。本発明の材料を分散剤として用いる場
合、本発明の目的で添加する量にさらに加えて使用する
必要がある。顔料分散処理を行う際、顔料分散剤として
用いる分+本発明の目的で使用する分を合わせて添加し
てもよいし、先に顔料分散剤として用いる分だけ添加し
て顔料表面に吸着させておき、本発明の目的で使用する
分は後から添加してもよい。
【0026】水溶性有機溶剤はインクジェットインクで
はたびたび水の蒸発を防止する役割として用いられる
が、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロール
プロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,5−
ペンタンジオール、ジプロピレングリコール等の多価ア
ルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、
チオジエタノール、2−メルカプトエタノール、チオグ
リセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの
含硫黄溶媒類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロ
リドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールア
ミン、ジエタノールアミン等の含窒素溶媒があげられ
る。
【0027】特にノズル目詰まりを考慮した場合、含硫
黄および含窒素溶媒類がより好ましい。これらは単独で
用いても2種類以上混合してもよいが、これら水溶性有
機溶剤の含有量が多くなると、インク粘度が上昇し吐出
安定性、吐出応答性が低下するため、好ましくはインク
の約1〜60重量%、より好ましくは約5〜40重量%
であることが望ましい。
【0028】またpH調整剤として塩酸、硫酸、硝酸、
酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、ホウ酸、リン
酸、亜リン酸、乳酸等の酸や水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等の塩基、およ
びリン酸塩、シュウ酸塩、アミン塩やグッドバッファー
等の各種緩衝剤が用いられる。本インクのpHはビニル
系ポリマーの溶解性、およびヘッドやカートリッジ部材
の浸食を考慮するとpH4−12、より好ましくはpH
5−11であるのが望ましい。その他可溶化剤として、
尿素、チオ尿素、アセトアミド等、また物性調整剤とし
てポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロ
リドン、ポリエチレングリコール、セルロース誘導体
等、包接化合物としてシクロデキストリン、ポリシクロ
デキストリン、大環状アミン類、クラウンエーテル類な
どを含有させてもよく、また必要に応じて防カビ剤、防
錆剤、酸化防止剤、キレート化剤等を含有させてもよ
い。
【0029】以上のように水、水溶性有機溶剤、および
色材を必須成分とし、さらに上記しした親水性モノマー
と疎水性のα,β不飽和エチレンモノマーとの共重合体
を0.01〜5重量%、界面活性剤を0.001〜5重
量%を含有し、かつ起泡表面粘度が0.05〜1.0g
/sであるインクは、被記録材上でにじみがなく高濃度
でかつ均一な画像が得られ、かつ目詰まりやまた吐出乱
れを引き起こさない。
【0030】前記共重合体添加によるにじみ防止のメカ
ニズムは十分解明されていないが、1つはインクドロッ
プ表面で水が蒸発し増粘することで、過度の浸透を抑え
ているのではないかと考えられ、インク起泡表面粘度が
0.05〜0.1g/sである場合に増粘しやすく、に
じみ防止が顕著であると考えられる。また特に−COO
M基(ここで、Mは、水素、アルカリ金属、アンモニウ
ムイオン、有機アンモニウムイオン、ホスホニウムイオ
ン、スルホニウムイオン、オキソニウムイオン、スチボ
ニウム、スタンノニウム、ヨードニウム等のオニウム化
合物を表す)を複数有するモノマー又はその酸無水物を
有するモノマー又はそのエステル基を含有するモノマー
からなる共重合体を含むことでより効果が現れるのは、
複数個有するカルボキシル基あるいは酸無水物がアルカ
リ条件下で一部解離することによって生じる隣接する2
個のカルボキシル基が、被記録材中に含まれる金属カチ
オンと一種の錯体状態を形成し増粘するためではないか
と考えられる。あるいはまた、紙中において複数のカル
ボキシル基とセルロース水酸基との水素結合力により共
重合体が定着し、疎水性部分を紙中の空孔にむけ、この
疎水基が一種のサイズ剤同様水をはじく効果を示し、イ
ンクの過度の浸透を抑えているのではないかとも考えら
れる。
【0031】また、共重合体と界面活性剤との組合せに
より、さらににじみを防止するメカニズムは、界面活性
剤と共重合体との親和力により、両者が近傍に存在し、
界面活性剤の浸透力を適度に抑制しかつ界面活性剤によ
ってインクドロップ表面に共重合体を集まりやすくして
いるため、増粘効果の発揮しやすい状態を作り出してい
るのではないかと考えられる。また界面活性剤との組合
せによる耐目詰まり性の改善効果は、インクノズル表面
で水が蒸発し、共重合体が表面層を形成して増粘する
が、界面活性剤がノズル表面に出やすく共重合体分子間
に存在することにより、共重合体分子間の相互作用を低
下させ、粘度の急激な上昇を抑制するためではないかと
考えられる。また1〜100ngの範囲で高解像小ドロ
ップ印字でより効果が出やすいメカニズムは、吐出量が
少ないほどインクの体積に対する表面積の割合が大きく
なるため、ドロップ表面でのより増粘及びサイズ効果が
現れやすくなっているのではないかと考えられる。また
本発明の材料によるコゲーション緩和メカニズムである
が、おそらくインク材料中に含まれる不純物等の低溶解
性の物質を、一種の乳化作用によりインク中で溶解安定
化するため、コゲつきにくいのではないかと考えられ
る。
【0032】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげてさらに詳細に
説明する。 実施例1 C.I.アシッドブルー9 2重量部 非イオン性界面活性剤 0.1重量部 (日信化学社製サーフィノール465) スチレン−無水マレイン酸Na塩コポリマー 1重量部 (平均分子量1600、スチレン/無水マレイン酸=1/1 酸価約480) チオジエタノール 15重量部 純水 85重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。
【0033】実施例2 C.I.アシッドブルー9 2重量部 非イオン性界面活性剤 0.05重量部 (オキシエチレンオレイルエーテル) スチレン−無水マレイン酸Li塩コポリマー 0.5重量部 (平均分子量1900、スチレン/無水マレイン酸=3/1 酸価約280) チオジエタノール 15重量部 純水 85重量部 上記の各成分を十分混合溶解し 0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。
【0034】比較例1 C.I.アシッドブルー9 2重量部 チオジエタノール 15重量部 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。
【0035】比較例2 C.I.アシッドブルー9 2重量部 非イオン性界面活性剤 0.1重量部 (日信化学社製サーフィノール465) チオジエタノール 15重量部 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。
【0036】比較例3 C.I.アシッドブルー9 2重量部 スチレン−無水マレイン酸アンモニウム塩コポリマー 1重量部 (平均分子量1600、スチレン/無水マレイン酸=1/1 酸価約480) チオジエタノール 15重量部 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。
【0037】(インク評価) (1)インク表面張力 23°C、55%RHの環境において、ウイルヘルミー
型表面張力計を用いて測定した。 (2)インク粘度 23°C、55%RHの環境において、せん断速度1,
400 s-1で測定した。 (3)インク起泡表面粘度 23°C、55%RHの環境において、協和界面科学社
製自動表面粘弾性計(SVR−A 型)を用いて、泡立
てたインクに対して減衰振動法により測定した。 (4)インクpH 23°C、55%RHの環境において、ガラスpH電極
を用いて測定した。 (5)インクドロップ量 23°C、55%RHの環境において、試作ヘッドを用
い、周波数6kHzで1/4tone(2035×12
8 pulse)を3回吐出させ、インクをインク吸収
体の小片に受けて重さを測定し、1pulse当たりの
吐出量を計算により求めた。
【0038】(6)画像品質テスト 調製したインクについて、評価用に試作した解像度60
0dpiのサーマルインクジェットプリンタを用いて、
代表的な普通紙としてFX−L紙(富士ゼロックス社
製)2種類(高サイズ、低サイズ)に対し、1dotラ
イン、ソリッド画像の印字テストを行った。評価項目と
して、ラインの滲み、太り、ソリッド画像の濃度、縁の
均一性を調べ、評価は次の基準で行った。 a)ライン滲み ○・・・・・滲みなし △・・・・・滲みわずかにあり ×・・・・・多くの部分でヒゲ状の滲みあり b)ライン太り ○・・・・・70μm以下 △・・・・・70−100μm ×・・・・・100μm以上 c)ソリッド画像濃度 ○・・・・・目標の濃度範囲にある。 ×・・・・・目標未達 d)ソリッド均一性 ○・・・・・乱れなし △・・・・・わずかに乱れあり ×・・・・・ガタガタで滑らかさに欠ける
【0039】(7)耐目詰まり性テスト 調製したインクについて、評価用に試作した解像度60
0dpiのサーマルインクジェットプリンタを用いて、
吐出停止後キヤップしない状態で23°C,55%RH
の環境において放置し、吐出再開した時に画像乱れを生
じるまでの放置時間を測定した。評価は次の基準で行っ
た。 ○・・・・・1min以上 △・・・・・0.5min〜1min ×・・・・・0.5min未満
【0040】(8)乾燥時間テスト 普通紙としてFX−L紙(富士ゼロックス社製)を用い
て40mm×10mmのベタソリッド画像をプリント
し、インクジェット用コート紙を重ね上から100g重
の圧力を加えて、インクジェット用コート紙側にインク
が転写されなくなるまでの時間を測定した。評価は次の
基準で行った。 ○・・・・・60s以下 △・・・・・60〜120s ×・・・・・120s以上 以上の結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例3 C.I.ダイレクトブラック168 3重量部 グリセリン 20重量部 スチレン−無水マレイン酸K塩コポリマー 2重量部 (平均分子量1800、スチレン/無水マレイン酸=2/1 酸価約350) 非イオン性界面活性剤 0.5重量部 (オキシエチレンラウリルフェニルエーテル) 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.37g/s、粘度は2.2mPas、表面張
力は38mN/m、pHは8.6、ドロップ量は23n
gであった。画像品質テスト、耐目詰まり性テストおよ
び乾燥時間テストの結果は○であった。
【0043】実施例4 C.I.ダイレクトイエロー144 3重量部 ジエチレングリコール 20重量部 ブチルカルビトール 5重量部 スチレン−無水マレイン酸Na塩コポリマー 1.5重量部 (平均分子量1700、スチレン/無水マレイン酸=1/1 酸価約270) 非イオン性界面活性剤 1重量部 (BASF社製プルロニック6400) 純水 70重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.33g/s、粘度は2.6mPas、表面張
力は36mN/m、pHは8.8、ドロップ量は24n
gであった。画像品質テスト、耐目詰まり性テストおよ
び乾燥時間テストの結果は○であった。
【0044】実施例5 C.I.ダイレクトブルー199 3重量部 エチレングリコール 10重量部 Naラウリルサルフェート(陰イオン性界面活性剤)0.1重量部 スチレン−無水マレイン酸Li塩コポリマー 0.3重量部 (平均分子量3000、スチレン/無水マレイン酸=1/1 酸価約480) 純水 85重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.08g/s、粘度は1.4mPas、表面張
力は38mN/m、pHは7.9、ドロップ量は32n
gであった。画像品質テスト、耐目詰まり性テストおよ
び乾燥時間テストの結果は○であった。
【0045】実施例6 BASF社製X−38ブラック染料 4重量部 チオジエタノール 5重量部 グリセリン 10重量部 非イオン性界面活性剤 0.05重量部 (ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル) スチレン−無水マレイン酸アンモニウム塩コポリマー 1.0重量部 (平均分子量2400、スチレン/無水マレイン酸=2/1 酸価約240) 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.16g/s、粘度は1.8mPas、表面張
力は38mN/m、8.2、pHはドロップ量は28n
gであった。画像品質テスト、耐目詰まり性テストおよ
び乾燥時間テストの結果は○であった。
【0046】実施例7 C.I.ダイレクトブラック154 3重量部 スルホラン 15重量部 非イオン性界面活性剤 1.5重量部 (BASF社製プルロニック3100) スチレン−無水マレイン酸 トリエタノールアミン塩コポリマー 1.0重量部 (平均分子量1800、スチレン/無水マレイン酸=3/1 酸価約220) 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.22g/s、粘度は1.9mPas、表面張
力は34mN/m、pHは8.4、ドロップ量は24n
gであった。画像品質テスト、耐目詰まり性テストおよ
び乾燥時間テストの結果は○であった。
【0047】実施例8 C.I.フードブラック2 3重量部 チオジエタノール 15重量部 ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル 5重量部 尿素 5重量部 スチレン−無水マレイン酸Ca塩コポリマー 2.0重量部 (平均分子量2800、スチレン/無水マレイン酸=1/1 酸価約240) 非イオン性界面活性剤 0.1重量部 (オキシエチレンオレイルエーテル) 純水 70重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.45g/s、粘度は2.8mPas、表面張
力は31mN/m、pHは8.7、ドロップ量は20n
gであった。画像品質テスト、耐目詰まり性テストおよ
び乾燥時間テストの結果は○であった。
【0048】実施例9 C.I.ダイレクトレッド227 2重量部 N−メチル−2−ピロリドン 10重量部 非イオン性界面活性剤 0.05重量部 (ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル) スチレン−無水マレイン酸Na塩コポリマー 3.0重量部 (平均分子量1700 スチレン/無水マレイン酸=1/1 酸価約290) 純水 85重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.35g/s、粘度は1.5mPas、表面張
力は43mN/m、pHは7.5、ドロップ量は30n
gであった。画像品質テスト、耐目詰まり性テストおよ
び乾燥時間テストの結果は○であった。
【0049】実施例10 ZENEKA社製PROJET.FAST.ブラック.2染料 3重量部 2−ピロリドン 15重量部 尿素 5重量部 非イオン性界面活性剤 0.01重量部 (スリーエム社製フロラードFC−104) イソブチレン−無水マレイン酸Na塩コポリマー 1.0重量部 (平均分子量6000、イソブチレン/無水マレイン酸=2/1 酸価約400) 純水 75重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.08g/s、粘度は1.9mPas、表面張
力は28mN/m、pHは8.7、ドロップ量は28n
gであった。また画像品質テストの結果は△、耐目詰ま
り性テストの結果、および乾燥時間テストの結果は○で
あった。
【0050】実施例11 C.I.ダイレクトイエロー86 2重量部 2−ピロリドン 5重量部 チオジエタノール 5重量部 ラウリルベタイン(両性界面活性剤) 2重量部 ポリビニルアルコール(重合度500) 0.1重量部 メタクリル酸メチルエステル− 無水マレイン酸Li塩コポリマー 1.0重量部 (平均分子量2500 メタクリル酸メチルエステル/無水マレイン酸= 2/1 酸価約360) 純水 85重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.17g/s、粘度は1.8mPas、表面張
力は41mN/m、pHは7.8であった。ドロップ量
を測定したところ30ngであった。画像品質テスト、
耐目詰まり性テストおよび乾燥時間テストの結果は○で
あった。
【0051】実施例12 C.I.アシッドレッド52 3重量部 チオジエタノール 10重量部 エチレングリコール 5重量部 ポリシロキサンポリオキシエチレン付加物 0.2重量部 (非イオン性界面活性剤) アクリル酸−メタクリル酸メチル アンモニウム塩コポリマー 1重量部 (平均分子量3000、アクリル酸−メタクリル酸メチル=2/1 酸価約450) 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.16g/s、インクの粘度は1.9mPa
s、表面張力は31mN/m、pHは7.3、ドロップ
量は25ngであった。画像品質テストb)、c)の結
果は○、a)、d)の結果は△、耐目詰まり性テストお
よび乾燥時間テストの結果は○であった。
【0052】実施例13 C.I.アシッドイエロー23 2重量部 1,5−ペンタンジオール 10重量部 ラウリルジメチルアンモニウムオキサイド 2重量部 (両性界面活性剤) スチレン−無水マレイン酸Li塩コポリマー 1.5重量部 (平均分子量7000 スチレン/無水マレイン酸=2/1 酸価約350) 純水 85重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.56g/s、粘度は1.9mPas、表面張
力は41mN/m、pHは9.2であった。ドロップ量
を測定したところ30ngであった。画像品質テスト、
および乾燥時間テストの結果は○で耐目詰まり性テスト
の結果は△であった。
【0053】実施例14 カーボンブラック 4重量部 陰イオン性界面活性剤 1重量部 (ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物) チオジエタノール 10重量部 エチレングリコール 5重量部 スチレン−無水マレイン酸Li塩コポリマー 1重量部 (平均分子量1900、スチレン/無水マレイン酸=3/1 酸価約280) 純水 80重量部 カーボンブラックとナフタレンスルホン酸ナトリウムホ
ルマリン縮合物および純水によりカーボンブラック分散
液を調整したのち、上記の他成分を十分混合し、1μm
フィルターで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの
起泡表面粘度は0.35g/s、粘度は2.3mPa
s、表面張力は36mN/m、pHは7.5、ドロップ
量は25ngであった。画像品質テスト、耐目詰まり性
テストおよび乾燥時間テストの結果は○であった。
【0054】実施例15 カーボンブラック 5重量部 アクリル酸−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 3重量部 ジエチレングリコール 15重量部 サーフィノール104(非イオン性界面活性剤) 0.1重量部 スチレン−無水マレイン酸Na塩コポリマー 1重量部 (平均分子量1600、スチレン/無水マレイン酸=1/1 酸価約480) 純水 70重量部 カーボンブラックとアクリル酸−メタクリル酸−メタク
リル酸メチル共重合体及び純水によりカーボンブラック
分散液を調整したのち、上記の他成分を十分混合し、1
μmフィルターで加圧ろ過し、インクを調製した。イン
クの起泡表面粘度は0.19g/s、粘度は2.2mP
as、表面張力は38mN/m、pHは8.5、ドロッ
プ量は32ngであった。画像品質テスト、耐目詰まり
性テストおよび乾燥時間テストの結果は○であった。
【0055】実施例16 カーボンブラック 5重量部 アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 2重量部 グリセリン 10重量部 アルキルベンゼンスルホン酸Na 0.05重量部 (陰イオン性界面活性剤) スチレン−無水マレイン酸Li塩コポリマー 0.5重量部 (平均分子量2500、スチレン/無水マレイン酸=2/1 酸価約350) 純水 80重量部 カーボンブラックとアクリル酸−アクリル酸メチル共重
合体及び純水によりカーボンブラック分散液を調整した
のち、上記の他成分を十分混合し、1μmフィルターで
加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面粘度
は0.37g/s、粘度は1.8mPas、表面張力は
41mN/m、pHは7.9、ドロップ量は34ngで
あった。画像品質テスト、耐目詰まり性テストおよび乾
燥時間テストの結果は○であった。
【0056】比較例4 C.I.リアクティブレッド180 4重量部 エチレングリコール 15重量部 カルボキシメチルセルロース 0.5重量部 (平均分子量30000) オキシエチレンフェニルラウリルエーテル 0.5重量部 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は1.2g/s、粘度は5.7mPas、表面張力
は40mN/m、pHは6.8、ドロップ量は19ng
であった。画像品質テストa)の結果は△、乾燥時間テ
スト及び耐目詰まり性テストの結果は、×であった。
【0057】実施例17 実施例4のインクおよび、実施例4の染料をC.I.ア
シッドブルー9またC.I.アシッドレッド52に置き
換えたシアンとマゼンタインク、さらに実施例6のイン
クの計4色のインクについて、以下の評価を行った。
【0058】(9)重ね画像品質テスト 評価用に試作した解像度600dpiのサーマルインク
ジェットプリンタを用いて、代表的な普通紙としてFX
−L紙(富士ゼロックス社製)に対し、カラー背景部に
対する黒色1dotラインおよび各色が隣接するソリッ
ド画像パターンの印字テストを行った。評価項目とし
て、ラインの滲み、ソリッド画像隣接部の均一性を調
べ、評価は次の基準で行った。 a)ライン滲み ○・・・・・滲みなし △・・・・・滲みわずかにあり ×・・・・・多くの部分でヒゲ状の滲みあり b)ソリッド均一性 ○・・・・・乱れなし △・・・・・わずかに乱れあり ×・・・・・ガタガタで滑らかさに欠ける 以上a)、b)の評価結果はいずれも○であった。
【0059】実施例18 実施例4のインクとスチレン−無水マレイン酸Na塩コ
ポリマーを含まない以外は同じ組成のインク及び、実施
例17同様、前記インクの染料をC.I.アシッドブル
ー9に置き換えたシアンインクまたC.I.アシッドレ
ッド52に置き換えたマゼンタインク、さらに実施例1
5のインクの計4色のインクについて、実施例17同
様、重ね画像品質テストを行った。a)のライン滲み評
価結果は○で、b)のソリッド均一性評価結果は△であ
った。
【0060】実施例19 C.I.ダイレクトブラック168 4重量部 ジエチレングリコール 15重量部 スチレン−無水マレイン酸Na塩コポリマー 1重量部 (平均分子量40000、スチレン/無水マレイン酸=2/1 酸価約330) オキシエチレンステアリルエーテル 0.5重量部 純水 80重量部 上記の各成分を十分混合溶解し、0.45μmフィルタ
ーで加圧ろ過し、インクを調製した。インクの起泡表面
粘度は0.75g/s、粘度は1.7mPas、表面張
力は38mN/m、pHは7.0、ドロップ量は24n
gであった。画像品質テスト、および乾燥時間テストの
結果は○、耐目詰まり性テストの結果は△であった。
【0061】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用インク及
びインクジェット記録方法は、上記の構成を有するか
ら、インクジェット記録で利用した場合、にじみがな
く、高濃度でかつ均一な画像が得られ、目詰まりや吐出
乱れを引き起こさない。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、色材、水溶性有機溶媒を含有するイ
    ンクジェット記録用インクにおいて、該インクが酸価5
    0〜700のカルボキシル基を含有する重合体又はカル
    ボキシル基の塩を有する重合体を0.01〜5重量%、
    及び界面活性剤を0.001〜5重量%を含有してな
    り、インクの気泡表面粘度が0.05〜1.0g/sで
    あることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 重合体の平均分子量が1000〜100
    00であることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、
    陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれた少
    なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録用インク。
  4. 【請求項4】 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤で
    あることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録用インク。
  5. 【請求項5】 インクの気泡表面粘度が0.05〜0.
    7g/sであることを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録用インク。
  6. 【請求項6】 水、色材、水溶性有機溶媒を含有するイ
    ンクジェット記録用インクにおいて、該インクが、疎水
    性のα,β−不飽和エチレンモノマーと、親水性の−C
    OOM基(ここで、Mは、水素、アルカリ金属、アンモ
    ニウムイオン、有機アンモニウムイオン、ホスホニウム
    イオン、スルホニウムイオン、オキソニウムイオン、ス
    チボニウム、スタンノニウム、ヨードニウム等のオニウ
    ム化合物を表す)を複数有するモノマー又はその酸無水
    物を有するモノマー又はそのエステル基を含有するモノ
    マーからなる共重合体を0.01〜5重量%、及び界面
    活性剤を0.001〜5重量%含有してなり、インクの
    気泡表面粘度が0.05〜1.0g/sであることを特
    徴とするインクジェット記録用インク。
  7. 【請求項7】 親水性モノマーが、無水マレイン酸であ
    ることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記
    録用インク。
  8. 【請求項8】 疎水性モノマーが、スチレンであること
    を特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録用イ
    ンク。
  9. 【請求項9】 共重合体が、スチレン−無水マレイン
    酸、スチレン−無水マレイン酸の加水分解物、又はその
    塩もしくはそのエステルから選ばれたものである請求項
    7又は請求項8に記載のインクジェット記録用インク。
  10. 【請求項10】 共重合体の平均分子量が1000〜1
    0000であることを特徴とする請求項6に記載のイン
    クジェット記録用インク。
  11. 【請求項11】 共重合体の平均分子量が1000〜3
    000であることを特徴とする請求項6に記載のインク
    ジェット記録用インク。
  12. 【請求項12】 インクの気泡表面粘度が、0.05〜
    0.7g/sであることを特徴とする請求項6に記載の
    インクジェット記録用インク。
  13. 【請求項13】 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤
    であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェッ
    ト記録用インク。
  14. 【請求項14】 共重合体の−COOM基をすべて−C
    OOHに置き換えた場合の酸価、若しくは酸無水物を加
    水分解した場合の酸価が100〜500であることを特
    徴とする請求項6に記載のインクジェット記録用イン
    ク。
  15. 【請求項15】 インク液滴を記録信号に応じてオリフ
    ィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録方法
    において、該インクとして水、色材、水溶性有機溶媒、
    酸価50〜700のカルボキシル基を含有する重合体又
    はカルボキシル基の塩を有する重合体を0.01〜5重
    量%、及び界面活性剤を0.001〜5重量%を含有し
    てなり、インクの気泡表面粘度が0.05〜1.0g/
    sであるインクジェット記録用インクを用いることを特
    徴とするインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 1パルスあたりのインク吐出量が1〜
    100mgであることを特徴とする請求項15に記載の
    インクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】 加熱方式に用いてインクを吐出させる
    ことを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記
    録方法。
  18. 【請求項18】 インク液滴を記録信号に応じてオリフ
    ィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録方法
    において、該インクとして水、色材、水溶性有機溶媒、
    疎水性のα,β−不飽和エチレンモノマーと、親水性の
    −COOM基(ここで、Mは、水素、アルカリ金属、ア
    ンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン、ホスホニ
    ウムイオン、スルホニウムイオン、オキソニウムイオ
    ン、スチボニウム、スタンノニウム、ヨードニウム等の
    オニウム化合物を表す)を複数有するモノマーまたはそ
    の酸無水物を有するモノマー又はそのエステル基を含有
    するモノマーからなる共重合体を0.01〜5重量%、
    及び界面活性剤を0.001〜5重量%含有してなり、
    インクの気泡表面粘度が0.05〜1.0g/sである
    インクジェット記録用インクを用いることを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  19. 【請求項19】 1パルスあたりのインク吐出量が1〜
    100mgであることを特徴とする請求項18に記載の
    インクジェット記録方法。
  20. 【請求項20】 加熱方式に用いてインクを吐出させる
    ことを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記
    録方法。
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