JP2920712B2 - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク

Info

Publication number
JP2920712B2
JP2920712B2 JP32672091A JP32672091A JP2920712B2 JP 2920712 B2 JP2920712 B2 JP 2920712B2 JP 32672091 A JP32672091 A JP 32672091A JP 32672091 A JP32672091 A JP 32672091A JP 2920712 B2 JP2920712 B2 JP 2920712B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
weight
paper
molecular weight
average molecular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32672091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05140496A (ja
Inventor
俊毅 由井
嘉郎 山下
健 橋本
文教 小出
晶彦 中条
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP32672091A priority Critical patent/JP2920712B2/ja
Priority to US07/972,843 priority patent/US5382283A/en
Publication of JPH05140496A publication Critical patent/JPH05140496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2920712B2 publication Critical patent/JP2920712B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なインクジェット
記録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】ノズル、スリットあるいは多孔質フィル
ム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、
布、フィルム等に記録を行う、いわゆるインクジェット
方式のプリンターは、小型で安価、静寂性等種々の利点
があり、特に、黒色の単色プリンターは、レポート用
紙、コピー用紙等のいわゆる普通紙上に、良好な印字品
質が得られるプリンターとして市販されている。このイ
ンクジェット方式のプリンターの普及に伴い、インクの
改善に関する検討が種々なされている。インクジェット
プリンターに使用されるインクに関しては、(1)紙上
で滲み、かぶりのない、高解像度、高濃度で均一な画像
が得られること、(2)ノズル先端でのインク乾燥によ
る目詰まりが発生せず、常に吐出応答性、吐出安定性が
良好であること、(3)紙上においてインクの速乾性が
良いこと、(4)画像の堅ろう性が良いこと、(5)長
期保存安定性が良いこと、の5つの観点から検討され、
これらの要求を満足すべく従来より多くの提案がなされ
ている。
【0003】黒色の単色プリンターに用いられるインク
ジェット記録用インクについてみると、例えば、特公昭
60−34992号公報、特開昭62−11781号公
報及び特公昭62−13388号公報には、界面活性剤
或いは多価アルコール誘導体を添加することにより、紙
への浸透性を改善することが提案されている。しかしな
がら、このものは、普通紙への浸透性が著しく促進され
ることにより画像の乾燥性が改善されるが、同時に画像
滲みも増大してしまう問題がある。
【0004】一方、フルカラー画像に用いられるインク
ジェット記録用インクについてみると、従来市販されて
いるインクは、普通紙上にプリントすると、乾燥性が悪
く、プリンターの高速出力を妨げるだけでなく、異なっ
た色調のインクが混ざり合い、劣悪な画像及びカラー再
現しか得られていないため、通常、表面処理が施された
シリカコート紙等、特殊専用紙が必要であった。したが
って、このフルカラー画像用のインクに対しても、単色
プリンターに求められると同様に前記5つの要件の他に
色調の観点からも検討が行われ、その改善のために種々
の提案がなされている。
【0005】例えば、特開平3−41171号公報に
は、インク中に、特定の界面活性剤とブチルアルコール
のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物
で、付加モル数が1〜5の範囲にある化合物の組合せに
より表面張力を30〜40dyn/cmに調整し、紙へ
の浸透性を促進させ、カラー画像を得ることが、また、
特公昭62−13388号公報には、インク中に、界面
活性剤を0.5〜2.5重量%添加と大量に添加するこ
とが、更に、特開平1−230685号及び特開昭62
−89776号公報には、酸化プロピレンと酸化エチレ
ンとの共重合体を用いることが提案されている。しかし
ながら、特開平3−41171号公報に開示されている
インクは、特定の界面活性剤とブチルアルコールのエチ
レンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物を高濃
度になるよう調製すると、普通紙上のカラー画像は改善
されるものの、同時に解像度も低下してしまい、かつ、
一般に染料の溶解度も低下し、目詰まり等の信頼性が悪
化する。一方、低濃度では、単色での乾燥性は改善され
るが、カラー画像の混色滲みが激しくなる等問題があ
り、依然として満足行くものではない。
【0006】また、特公昭62−13388号公報に開
示されているインクは、紙への浸透性は促進されるが、
インクが泡立ち、またインクヘッドとの濡れ性が良すぎ
るためヘッドからのインクぼた落ちが生じ、線の太った
低解像画像しか得られず、また、紙の裏抜けも多く、フ
ルカラー混色時良好な画質が得られないという、画質の
点に問題がある。更に、インク中に界面活性剤を使用す
ると、熱エネルギーを利用するいわゆる熱インクジェッ
ト方式では、界面活性剤の種類によってヒーター部への
焦げつき等の問題も生じる。
【0007】更に、特開昭62−89776号公報およ
び特開平1−230685号公報に開示されているイン
クは、インクの乾燥性、初期的吐出性については改善さ
れるものの、長期的な吐出安定性と普通紙上での単色滲
み及びフルカラー画質については依然として問題を有し
ている。特に、酸化プロピレンと酸化エチレンとのブロ
ック共重合体で、酸化プロピレン部分の分子量が、90
0未満である場合、インクの乾燥性、初期的吐出性につ
いて改善するためには、少なくとも5重量%以上添加す
ることが必要であるが、その結果、多量添加により、画
像の滲み、文字画像の太り、かつ目詰まり等信頼性が悪
化してしまうという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した様に、従来用
いられているインクジェット記録用インキは、単色用の
ものも、また、フルカラー画像用のものも、上記インク
ジェット記録用インキに求められる要件の全てを満足す
るものではない。
【0009】したがって、本発明は、従来の技術におけ
る上記のような現状に鑑み、その問題点を解決すること
を目的としてなされたものである。即ち、本発明の目的
は、インクジェット専用紙は勿論のこと、レポート用
紙、コピー用紙、ボンド紙、上質紙等の普通紙や再生紙
上においても鮮明で高解像度のカラー画像を得ることが
でき、ノズル先端での目詰まりがなく、長期保存が可能
な熱インクジェット方式、或るいはピエゾ方式、超音
波、電界等を利用した各種インクジェット方式に適用可
能なインクを提供することである。また、本発明の他の
目的は、普通紙上にフルカラー画像を鮮明にかつ安定に
再現しうるインクジェット記録用インクを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、水、色材、ある特定のアルコール、及びある特
定の酸化プロピレン−酸化エチレンブロック共重合体を
必須成分として含有する、20℃での表面張力が30〜
40dyn/cmであるインクジェット記録用インクに
より、上記目的を達成できることを見出だし、本発明を
完成するに至った。
【0011】即ち、本発明のインクジェット記録用イン
クは、水、色材、下記成分(a)1〜20重量%、及び
下記成分(b)0.1〜8重量%を必須成分として含有
し、20℃における表面張力が、30〜40dyn/c
mであることを特徴とする。 (a) Cn 2n+1O(CH2 CH2 O)m H (式中、nは3〜6の整数、mは1〜3の整数を意味す
る。) (b) 平均分子量1,000〜5,000で、かつ、
酸化プロピレン部分の平均分子量が900以上の酸化プ
ロピレン−酸化エチレンブロック共重合体。 また、本発明のインクジェット記録用インクは、シア
ン、マゼンタ、イエローの3色、またはブラックを加え
た4色の組合せよりなるフルカラー用のものであること
を特徴とする。なお、本発明において、上記ブロック共
重合体の平均分子量は、OH基の量から求め、酸化エチ
レンブロックの含有量および酸化プロピレンブロックの
含有量は重合時の仕込み量と未重合量との差より求めた
値である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
インクジェット記録用インクは、水、色材、成分(a)
及び成分(b)を必須成分とし、その他保湿剤、界面活
性剤等の任意成分からなる。
【0013】上記(a)成分は、次に示す構造を有する
化合物である。 Cn 2n+1O(CH2 CH2 O)m H (1) 上式において、nは、3〜6の範囲に設定され、nの値
が3未満では、普通紙への浸透の効果は十分に発現され
ず、また6より大きいと水との相溶性が十分ではない。
また、mは、1〜3の範囲に設定される。mの値が、3
より大きいと水との相溶性が良すぎて普通紙への浸透の
効果が十分に発現されない。具体的には、例えば、C3
7 O(CH2 CH2 O) 2H,C4 9 O(CH2
2 O)3 H,C5 7 O(CH2 CH2 O)2 H,及
びC6 13O(CH2 CH2 O)2 H等があげられる。
【0014】上記一般式(1)で表される化合物は、イ
ンク成分として必ずしも1種類に限定されるものではな
く、2種以上であってもよい。また、その含有量は、普
通紙中への浸透性を促進させるために、インク中に1〜
20重量%含有させることが必要であり、特に3〜10
重量%含有させることが好ましい。含有量が、1重量%
未満では、効果は十分に発現されず、20重量%より過
剰であると普通紙上で、過度の線画像太りが発生し易
く、更に、吐出時の液滴形成の悪化による画像欠陥を生
じ易くなり、好ましくない。また、染料の溶解性が低下
し、目詰まりが発生し易くなる。
【0015】また、成分(b)のブロック共重合体は、
酸化プロピレンと酸化エチレンとのブロック共重合体で
あって、1,000〜5,000で、かつ、酸化プロピ
レン部分の平均分子量が900以上を有するものであ
る。また、ブロック共重合体の構造は、AB型、ABA
型、BAB型のいずれのタイプでもよい。
【0016】上記ブロック共重合体において、共重合体
の平均分子量が5,000よりも高くなると、インクの
粘度が極度に上昇し易くなり、吐出上好ましくなく、目
詰まりも起こりやすい。また、画質上もムラのある画像
が形成される傾向にある。一方、平均分子量が1000
未満の場合には、本願発明の効果は得られず、滲みのあ
る画像が形成される。したがって、本発明における上記
ブロック共重合体の平均分子量は、前記の範囲にあるこ
とが必要である。
【0017】また、酸化プロピレン部分の平均分子量
が、900未満であると液滴表面への配列が十分ではな
く、大量添加が必要となる。その結果、普通紙への浸透
性は改善されるが、画像の滲み、文字画像の太りが生じ
時、かつ目詰まり等、信頼性が悪化してしまうという問
題が生ずる。したがって、本発明における上記酸化プロ
ピレン部分の平均分子量は、前記の範囲にあることが特
に必要である。
【0018】更に、ブロック共重合体における酸化エチ
レン含有量は、5〜60重量%であるのが好ましい。酸
化エチレンの含有量が、60重量%をこえると、水或い
は他の構成材料への溶解性が良好になりすぎる場合が発
生し、この場合には画像の滲みが発生し易くなり、ま
た、5重量%未満の場合には、水或いは他の構成材料へ
の溶解性が悪くなり易く、インク構造が不均一になる場
合が発生し、かえって画像の滲みを促進させてしまいや
すい。また液滴形成も不安定になり易く、均一な画像が
得られない場合が発生する。
【0019】また、本発明において、上記ブロック共重
合体は、2種類以上混合して使用しても良い。その場
合、それぞれ単独の共重合体の酸化エチレン含有量が、
5〜60重量%である必要は必ずしもなく、混合物全体
における酸化エチレン含有量が5〜60重量%であれば
良い。しかしながら、両者共に前記範囲内のものを使用
するのがより好ましい。
【0020】更に、上記ブロック共重合体は、インク中
に0.1〜8重量%の範囲で含有させることが必要であ
るが、好ましい範囲は、0.5〜5重量%であり、より
好ましい範囲は、0.8〜3重量%である。ブロック共
重合体の添加量が、0.1重量%よりも低くなると、ヘ
ッド部からのインクぼた落ちが発生し易く、吐出安定性
は得られない。普通紙上では、滲みを十分抑制できず、
画質は悪化する。また、8重量%よりも多くなると、イ
ンクの粘度が著しく上昇し、吐出が不安定となり、画質
も悪化し好ましくない。
【0021】また、本発明を効果的に実施するために
は、湿潤剤を使用することが好ましい。 保湿剤として
は、公知の各種の保湿剤を使用することができ、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、グリセリン、チオジグリコール等の多
価アルコール類、ピロリドン、Nーメチルー2ーピロリ
ドン、トリエタノールアミン、ジメチルスルホキシド等
が挙げられる。特に、好ましいものは、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリンである。これ
ら、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリ
セリンの少なくとも1種以上を5〜30重量%、より好
ましくは5〜20重量%含有させた場合には、普通紙上
の画質改善と吐出安定性制御に特に有効である。そのメ
カニズムは、上記成分(a)及び成分(b)と湿潤剤と
の親和性の効果によるものと推測される。
【0022】本発明において、インクの表面張力は、2
0℃で30〜40dyn/cmの範囲に設定する必要が
ある。20℃での表面張力が前記範囲をはずれると、本
発明の目的を達成することができない。即ち、20℃で
の表面張力が30dyn/cm未満では、ヘッド部から
のインクのぼた落ちが発生し易く良好な画質は得られな
い。また、20℃での表面張力が40dyn/cmより
大きいと、インクの紙への濡れ性が良好でなく、乾燥時
間の改善が困難である。一方、粘度は20℃で1〜5c
Pが適当であり、5cPより大きいと吐出は不安定にな
る場合がある。即ち、前記成分(a)と成分(b)を、
上記表面張力及び、粘度範囲に入るように組み合せれ
ば、本発明の効果を、より効果的に発現させることがで
きる。
【0023】本発明において上記色材としては、各種染
料、顔料、着色ポリマーまたはワックスを含む油溶性染
料等を用いることが出来るが、水溶性染料が最も吐出安
定性が良好であり、フルカラー再現には適している。水
溶性染料は、酸性染料、直接染料、塩基性染料、分散染
料等のいずれでも良いが、より好ましくは、酸性染料、
直接染料である。例えば、C.I.ダイレクトブラック
−4、−9、−11、−17、−19、−22、−3
2、−80、−151、−154、−168、−17
1、−194、C.I.ダイレクトブルー−1、−2、
−6、−8、−22、−34、−70、−71、−7
6、−78、−86、−142、−199、−200、
−201、−202、−203、−207、−218、
−236、−287、C.I.ダイレクトレッド−1、
−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−
20、−28、−31、−33、−37、−39、−5
1、−59、−62、−63、−73、−75、−8
0、−81、−83、−87、−90、−94、−9
5、−99、−101、−110、−189、C.I.
ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、
−12、−26、−27、−28、−33、−34、−
41、−44、−48、−86、−87、−88、−1
35、−142、−144、C.I.フードブラック−
1、−2、C.I.アシッドブラック−1、−2、−
7、−16、−24、−26、−28、−31、−4
8、−52、−63、−107、−112、−118、
−119、−121、−172、−194、−208、
C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−
22、−23、−27、−29、−40、−43、−5
5、−59、−62、−78、−80、−81、−9
0、−102、−104、−111、−185、−25
4、C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−1
3、−14、−15、−18、−21、−26、−3
5、−37、−249、−257、C.I.アシッドイ
エロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−1
3、−14、−19、−23、−25、−34、−3
8、−41、−42、−44、−53、−55、−6
1、−71、−76、−79等が挙げられる。
【0024】これらの染料の含有量は、全インク量に対
して0.3〜10重量%の範囲、より好ましくは1〜8
重量%である。これら染料は、単独でも使用できるが、
2種以上混合したり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブ
ラックの4原色の他、赤、青、緑などのカスタムカラー
に調色しても良い。また、顔料を用いることも可能であ
り、例えば、カーボンブラック、ブリリアントカーミン
BS、レーキカーミンFB、ブリリアントファストスカ
ーレッド、ジアゾイエロー、パーマネントレッドR、フ
ァストイエロー10G、フタロシアニンブルー、ブルー
レーキ、イエローレーキ、ローダミンレーキ等を用いる
ことができる。
【0025】染料や顔料の溶解、分散状態を更に安定化
させるため、いわゆる界面活性剤、分散剤、包接化合物
等を添加してもよい。界面活性剤としては、ノニオン、
アニオン、カチオン或いは、両性界面活性剤のいずれで
もよく、例えばノニオン界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデ
シルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられ
る。
【0026】アニオン界面活性剤としては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレン
スルホン酸塩のホルマリン縮合物、高級脂肪酸塩、高級
脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステル
のスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステ
ル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホンアミドの
アルキルカルボン酸塩、スルホコハク酸、エステル塩等
があり、カチオン界面活性剤としては、第1級から第3
級のアミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0027】また、両性界面活性剤としては、ベタイ
ン、スルホベタイン、サルフェートベタイン等が使用で
きる。これらの中でもアニオン界面活性剤が好ましい。
その他、アクリル酸/メタクリル酸/マレイン酸の水溶
性ポリマー及びその塩、ポリエチレンイミン、ポリアミ
ン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、セルロース誘導体、シクロデキストリン、大環状ア
ミン類、クラウンエーテル類、尿素、アセトアミド等を
含有させることが出来る。その他、必要に応じてpH調
整剤、防カビ剤、粘度調整剤或いは導電剤等を含有させ
ることも可能である。
【0028】
【作用】以上のように調整されたインクは、普通紙上に
鮮明で高解像度のカラー画像を形成する際に要求される
全ての条件を満足し、かつノズル先端での目詰まりがな
く長期保存が可能である。特に、本発明においては、前
記成分(a)と成分(b)とを組み合せることにより、
普通紙に対する画質の改善、ヘッドからのインクぼた落
ちを防止する等顕著な効果がある。その効果を発現する
メカニズムは、必ずしも明確とはいえないが、おおよそ
次のようなものと推測される。即ち、分子量900以上
の酸化プロピレン部分が、適度な親水性を有する疎水基
であり、かつブロック共重合体が適度な高分子量を有す
るために、インクがノズルから吐出され、インクドロッ
プレットを形成した際に、そのインクドロップレット表
面近傍で、安定な表面層を形成し、インクの紙中浸透に
関しては、主に成分(a)の働きにより促進されるが、
ドットサイズの過度の広がりと滲みを防止するものと考
えられる。同様に、インクのヘッド部からの滲みだしを
防ぎ、インクのぼた落ちを防止するものと考えられる。
この現象は、本発明における前記成分(a)と前記成分
(b)の組合せにおいて、それぞれの含有量が前記の特
定の範囲にある場合においてのみ発現されるものであっ
て、特にフルカラー画像形成時の混色画像を制御する場
合、極めて有効である。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 実施例1〜3及び比較例1〜5 C.I.フードブラック2 3重量% ジエチレングリコール 17重量% ブロック共重合体 a,b,c,d,e,f,g,h 重量% [平均分子量1,700、酸化エチレン部30%(平均分子量 約500)、酸化プロピレン部分の平均分子量約1,200] C4 9 O(CH2 CH2 O)2 H p,q,r,s,t,u,v,w 重量% イオン交換水 残余 上記の各成分を充分混合溶解し、0.2μmフィルター
で加圧濾過した後、真空ポンプを用いて脱気処理し、イ
ンクを調製した。ブロック共重合体の含有量を、それぞ
れa、b、c、d、e、f、g、h重量%と変化させ、
また、C4 9 O(CH2 CH 2O)2 Hの含有量を、
それぞれp、q、r、s、t、u、v、w重量%と変化
させ、実施例1〜3及び比較例1〜5のインクを調製
た。その総括表を表1に示す。
【0030】
【表1】 上記各実施例及び比較例で得られたインクについて、以
下のテストを行った。
【0031】(インク評価テスト) (1)インク表面張力 20℃、50%RHの環境において、ウイルヘルミー型
表面張力計を用いて測定した。
【0032】(2)インク粘度 20℃、50%RHの環境において、せん断速度1,4
00s-1で測定した。
【0033】(3)画像品質テスト 得られたインクを用いて、フルカラーインクジェットプ
リンター(300spi)及びヒューレットパッカード
社のデスクジェットプリンター(ヒューレットパッカー
ド社製)により、代表的な普通紙としてFX−L紙(富
士ゼロックス社製)とインクジェット用コート紙(ゼロ
ックス社製)を用いて、印字テストを行った。評価項目
として、ソリッド画像の濃度、均一性、ライン画像の滲
み、太り或いは画像周辺のインク散らばりを調べた。1
0人の官能検査により、新聞カラー印刷と、プリント質
を比較評価し、相対序列をつけた。評価は次の基準で行
った。 ○・・・・・良好、△・・・・・受容できる、×・・・
・・不良
【0034】(4)混色画質 それぞれのインクにおいて、染料をC.I.ダイレクト
ブルー199、C.I.アシッドレッド257とC.
I.アッシドイエロー86に代え、それぞれ同様にイン
クを調製し、3色のインクセットを作成した。これらを
用いて試作フルカラーインクジェットプリンターによ
り、(1)と同様の紙上に、フルカラー画像を作成し
た。評価は、次の基準で行った。 ○・・・・・良好、△・・・・・受容できる、×・・・
・・不良
【0035】(5)乾燥時間テスト 普通紙として、FX−L紙(富士ゼロックス社製)、4
024紙(ゼロックス社製)、レポート用紙(ライオン
事務器社製)、インクジェット用コート紙(ゼロックス
社製)を用いて、51mm×10mmのベタソリッド画
像をプリントし、インクジェット用コート紙(ゼロック
ス社製)を重ね上から圧力を加えた。インクジェット用
コート紙側にインクが転写されなくなるまでの時間を乾
燥時間とした。
【0036】(6)吐出安定性テスト デスクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社
製)を用いて、10℃、15%RH、30℃、85%R
Hの雰囲気中でそれぞれ印字テストを行い、画像の抜け
等の発生有無、紙上のドット径の変化を観察した。評価
は次の基準で行った。 ○;100枚プリントの間、問題発生なし。ドット径変
化±10%以下。 △;100枚プリントの間、問題発生10個所及びドッ
ト径変化±15%以下。 ×;100枚プリントの間、問題発生11個所以上、又
はドット径変化±15%以上。以上の結果を表2に示
す。
【0037】
【表2】
【0038】 実施例4 C.I.ダイレクトブラック−168 3重量% エチレングリコール 9重量% ブロック共重合体 2重量% [平均分子量約3,000、酸化エチレン部分含有量40%(平均分子量 約1,200)、酸化プロピレン部分の平均分子量1,800] C4 9 O(CH2 CH2 O)2 H 15重量% イオン交換水 残余 上記の成分を用い、上記実施例1と同様にしてインクを
調製した。このインクの20℃における表面張力は、3
4dyn/cmであり、粘度は2.6cPであった。上
記実施例1と同様のテストを行ったが、いずれも良好な
結果が得られた。特に、混色時の滲みに関し優れてい
た。
【0039】比較例6 実施例4のC4 9 O(CH2 CH2 O)2 HをC2
5 O(CH2 CH2 O)2 Hに代えて、同様のインクを
調製した。このインクの20℃における表面張力は、3
8dyn/cmであり、粘度は2.5cPであった。上
記実施例1と同様のテストを行ったが、FX−L紙上
で、単色及び混色時の滲みが顕著であった。
【0040】 比較例7 実施例2のブロック共重合体を、平均分子量約1,00
0、酸化エチレン部含有量20%、かつ、酸化プロピ
レン部分の平均分子量約800のブロック共重合体に代
えて、同様のインクを調製した。このインクの20℃に
おける表面張力は、38dyn/cmであり、粘度は
2.5cPであった。上記実施例1と同様のテストを行
ったが、FX−L紙上で、混色時の滲みが顕著であっ
た。
【0041】 実施例5 C.I.アシッドブルー−249 3重量% グリセリン 12重量% トリエタノールアミン 5重量% ブロック共重合体 2重量% [平均分子量2,700、酸化エチレン部分含有量40%、 酸化プロピレン部分の平均分子量1,080] C6 13O(CH2 CH2 O)3 H 8重量% イオン交換水 残余 上記の成分を用い、上記実施例1と同様にしてインクを
調製した。このインクの20℃における表面張力は、3
4dyn/cmであり、粘度は2.9cPであった。上
記実施例1と同様のテストを行ったが、いずれも良好な
結果が得られた。特に、普通紙上でのドット形状が優れ
ていた。
【0042】 実施例6 C.I.アシッドレッド−37 3重量% エチレングリコール 15重量% アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.2重量% ブロック共重合体 3重量% [平均分子量約2,500、酸化エチレン部含有量20%、 酸化プロピレン部分の平均分子量約2,000] C4 9 O(CH2 CH2 O)3 H 8重量% イオン交換水 残余 上記の成分を用い、上記実施例1と同様にしてインクを
調製した。このインクの20℃における表面張力は、3
3dyn/cmであり、粘度は3.0cPであった。上
記実施例1と同様のテストを行ったが、いずれも良好な
結果が得られた。また、目詰まりに対して非常に良好で
あった。
【0043】比較例8 実施例6のブロック共重合体の代わりにアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムを合計3.2重量%含有させ、
上記実施例1と同様にしてインクを調製した。このイン
クの20℃における表面張力は、29dyn/cmであ
り、粘度は2.8cPであった。上記実施例1と同様の
テストを行ったが、普通紙上での画像の太りが著しく、
またプリントテスト時、画像抜け及びヘッド中のヒータ
ー部への焦げつきが観察された。
【0044】 実施例7 C.I.アシッドレッド−37 3重量% エチレングリコール 15重量% ブロック共重合体 1重量% [平均分子量約4,000、酸化エチレン部含有量20%、 酸化プロピレン部分の平均分子量約3,200] C3 7 O(CH2 CH2 O)2 H 4重量% イオン交換水 残余 上記の成分を用い、上記実施例1と同様にしてインクを
調製した。このインクの20℃における表面張力は、3
7dyn/cmであり、粘度は2.4cPであった。上
記実施例1と同様のテストを行ったが、いずれも良好な
結果が得られた。また、普通紙上、シリカコート紙のい
ずれにおいてもインクの飛び散りが少なく、高解像の画
像が得られた。
【0045】 実施例8 C.I.アシッドレッド−37 3重量% ジエチレングリコール 15重量% ブロック共重合体 1重量% [平均分子量約2,000、酸化エチレン部含有量20%、 酸化プロピレン部分の平均分子量約1,600] C6 13O(CH2 CH2 O)2 H 4重量% イオン交換水 残余 上記の成分を用い、上記実施例1と同様にしてインクを
調製した。このインクの20℃における表面張力は、3
4dyn/cmであり、粘度は2.6cPであった。上
記実施例1と同様のテストを行ったが、いずれも良好な
結果が得られた。また、混色滲みが非常に減少した。
【0046】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用インク
は、上記の構成を有するから、普通紙上に鮮明で高解像
度のカラー画像を形成する際に要求される全ての条件を
満足し、かつノズル先端での目詰まりがなく、長期保存
が可能である。したがって、本発明のインクジェット記
録用インクは、レポート用紙、コピー用紙、ボンド紙、
上質紙等の普通紙上において鮮明で高解像度のカラー画
像を形成することができ、熱インクジェット方式、或い
はピエゾ方式、超音波、電界等を利用したインクジェッ
ト記録のためのインクとして好適である。特に、普通紙
上にフルカラー画像を鮮明にかつ安定に再現しうるイン
クとして好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小出 文教 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 中条 晶彦 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (56)参考文献 特開 昭63−3070(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、色材、下記成分(a)1〜20重量
    %、及び下記成分(b)0.1〜8重量%を必須成分と
    して含有し、20℃における表面張力が、30〜40d
    yn/cmであることを特徴とするインクジェット記録
    用インク。 (a) Cn 2n+1O(CH2 CH2 O)m H (式中、nは3〜6の整数、mは1〜3の整数を意味す
    る。) (b) 平均分子量1,000〜5,000で、かつ、
    酸化プロピレン部分の平均分子量が900以上の酸化プ
    ロピレン−酸化エチレンブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 インクジェット記録用インクが、シア
    ン、マゼンタ、イエローの3色、またはブラックを加え
    た4色の組合せよりなるフルカラー用のものであること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用イン
    ク。
JP32672091A 1991-04-26 1991-11-15 インクジェット記録用インク Expired - Fee Related JP2920712B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32672091A JP2920712B2 (ja) 1991-11-15 1991-11-15 インクジェット記録用インク
US07/972,843 US5382283A (en) 1991-04-26 1992-11-06 Ink containing propylene oxide/ethylene oxide block copolymers for ink jet recording

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32672091A JP2920712B2 (ja) 1991-11-15 1991-11-15 インクジェット記録用インク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05140496A JPH05140496A (ja) 1993-06-08
JP2920712B2 true JP2920712B2 (ja) 1999-07-19

Family

ID=18190925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32672091A Expired - Fee Related JP2920712B2 (ja) 1991-04-26 1991-11-15 インクジェット記録用インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2920712B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5221334A (en) * 1990-04-11 1993-06-22 E. I. Du Pont De Nemours And Company Aqueous pigmented inks for ink jet printers
US5302197A (en) * 1992-12-30 1994-04-12 E. I. Du Pont De Nemours And Company Ink jet inks
JP2894202B2 (ja) * 1994-01-11 1999-05-24 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP3033069B2 (ja) * 1995-04-04 2000-04-17 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
US6736887B1 (en) 1999-08-30 2004-05-18 Kao Corporation Water-based ink with polyoxyalkylene oxide derivatives
US7378459B2 (en) 2003-10-07 2008-05-27 Canon Kabushiki Kaisha Pigment-dispersed ink-jet ink, ink set, ink tank, recording unit, ink-jet recording apparatus, ink-jet recording process and production process of pigment-dispersed ink-jet ink

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS633070A (ja) * 1986-06-20 1988-01-08 Canon Inc 記録液

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05140496A (ja) 1993-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3102209B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録装置およびその方法
JP3175383B2 (ja) インクジェット用インクおよびその記録方法
JPH06166840A (ja) インクジェット記録用インク
JP3621173B2 (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP3194307B2 (ja) サーマルインクジェット用インク
JP3033069B2 (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP2894202B2 (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JPH08269378A (ja) インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
US5868822A (en) Ink-jet recording ink and ink-jet recording method using the same
JP2920712B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP4501613B2 (ja) インクジェットインクセット、画像形成方法及び画像形成装置
US5501726A (en) Ink for thermal ink jet recording and thermal ink jet recording method using the same
JP4442122B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2887939B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP3293159B2 (ja) インクジェットカラー記録方法
JP3921893B2 (ja) インクジェット記録方法
JP3232864B2 (ja) インクジェット記録用インク
JP3959982B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、これを用いたインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP3027982B2 (ja) インクジェット記録用インク組成物
JP2001226615A (ja) インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット記録方法
JP2004231692A (ja) インクジェット記録用インクセット、インクおよび液体セット、および、これらを用いたインクジェット記録方法
JP3958044B2 (ja) インクジェット記録用水性インクセット、同インクセットを用いる画像形成方法および同装置
JP2000095986A (ja) 画像表示用記録液及び画像形成方法
JPH07118585A (ja) インクジェット記録用インクおよび該インクに用いられる水溶性染料
JP2004010733A (ja) 記録液、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees