JP4442122B2 - インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/40Ink-sets specially adapted for multi-colour inkjet printing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットインクセットおよび記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ノズル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行ういわゆるインクジェット方式の記録装置は、小型で安価、静寂性等の利点から精力的に検討が行われ、最近では、コピー用紙等のいわゆる普通紙上で良好な印字品質が得られる、フルカラー記録が可能な製品が数多く市販されており、記録装置の分野で大きな位置を占めるようになった。
【0003】
インクジェット記録方法においては、従来より各種要求特性の両立がいろいろと検討されており、特に、プリントスピード、普通紙上での単色画質、混色画質、インク乾燥性、さらに画像保存安定性を両立する一方で、インクの保管安定性、ヘッドに対する信頼性もクリアするのは大きな課題である。これら特性を単独インクで達成するのは困難であり、いろいろな工夫がなされている(例えば、特許文献1乃至9参照。)。これらの技術は複数のインクからなるインクセットにおいて、ブラック及びカラーの混色画質改善を目的とするものではあるが、その他の特性の両立、特にインクのヘッドに対する信頼性という点で十分なレベルとは言い難い。
このように、プリントスピード、普通紙上での単色画質、混色画質、インク乾燥性、画像保存安定性、ヘッドに対する信頼性の両立については、鋭意研究されてはいるが、昨今の技術要求を満たすためには、未だ十分なレベルではないのが現状である。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第5,428,383号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,198,023号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,518,534号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,730,790号明細書
【特許文献5】
米国特許第5,181,045号明細書
【特許文献6】
米国特許第5,679,143号明細書
【特許文献7】
米国特許第5,488,402号明細書
【特許文献8】
特開平6−106735号公報
【特許文献9】
特開2002−212479公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、プリントスピード、普通紙上での単色画質、混色画質、インク乾燥性、画像保存安定性、及び、ヘッドに対する信頼性のいずれにも優れたインクジェット記録用インクセット、それを用いたインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
(1)水、水溶性有機溶剤、及び、色材を必須成分として含有し、ブラックと淡色インクとを含む5色以上のカラーインクからなるインクジェット記録用インクセットにおいて、前記淡色インク中に色材を凝集させる化合物を含有し、その他のカラーインクのうち少なくとも1色はブラックインク中に含まれる色材と前記淡色インク中に含まれる化合物との間の凝集性を向上させる機能を有しており、かつ、ブラックインクの普通紙上での乾燥時間が5s未満であることを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
(2)前記淡色インクに含まれるブラックインクの色材を凝集させる化合物が、多価金属塩であることを特徴とする(1)に記載のインクジェット記録用インクセット。
(3)前記多価金属塩が、マグネシウム塩であることを特徴とする(2)に記載のインクジェット記録用インクセット。
【0007】
(4)ブラックインク中の色材を凝集させる化合物を含まない他のカラーインクの少なくとも1色が、そのpHが5以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
(5)前記ブラックインクに含まれる色材がカーボンブラックであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
(6)前記カーボンブラックが自己分散型カーボンブラックであることを特徴とする(5)に記載のインクジェット記録用インクセット。
(7)前記特定カラーインク及び他のカラーインクに含まれる色材が染料であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
【0008】
(8)前記ブラックインク中に、ブラックインクに含まれる色材の溶解・分散性を低下させる化合物を含むことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
(9)前記ブラックインクに含まれる色材の溶解・分散性を低下させる化合物がポリマー化合物であることを特徴とする(8)に記載のインクジェット記録用インクセット。
(10)前記ポリマー化合物が、ノニオン性又はアニオン性の水溶性ポリマーであることを特徴とする(9)に記載のインクジェット記録用インクセット。
(11)前記ポリマー化合物が、酸価が50〜300であるアニオン性水溶性ポリマーであることを特徴とする(9)に記載のインクジェット記録用インクセット。
【0009】
(12)前記(1)〜(11)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットを記録媒体表面に付与することにより、画像を形成するインクジェット記録方法。
(13)前記インクセットを記録媒体表面に付与するにあたり、ブラックインクとカラーインクの少なくとも1つとが、同一スキャンで記録媒体に印字される(12)に記載のインクジェット記録方法。
(14)前記ブラックインク、ブラックインクに含まれる色材を凝集させる化合物を含有する前記淡色インク、及び、前記淡色インク以外の少なくとも1種のカラーインクの3種のインクにより、黒色画像を形成することを特徴とする(12)又は(13)に記載のインクジェット記録方法。
【0010】
(15)前記(1)〜(11)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットを用いたインクジェット記録装置であって、(1)〜(11)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットを記録媒体表面に付与する液体吐出部材を備えたインクジェット記録装置。
(16)前記液体吐出部材が、熱インクジェット方式またはピエゾインクジェット方式によるインクヘッドである(15)記載のインクジェット記録装置。
(17)前記液体吐出部材が、ブラックインクとカラーインクの少なくとも1つとを、同一スキャンで記録媒体上に付与し得る構成を有する(15)又は(16)記載のインクジェット記録装置、
である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。また、以下の説明は、インクジェットインクセットの構成およびインクジェット記録方法の説明を兼ねる。
本発明者らは、水、水溶性有機溶剤、色材を必須成分とし、黒色インクと淡色インクとを含む5色以上のカラーインクからなるインクジェット記録用インクセットにおいて、黒色以外の前記淡色インクはブラックインク中に含まれる色材を凝集させる化合物(以下、適宜、色材凝集剤と称する)を含有するインクであり、その他のカラーインクのうち少なくとも1色には、ブラックインク中の色材と前記淡色インク中の化合物との間の凝集性を向上させる機能をもたせ、かつ、ブラックインクの普通紙上での乾燥時間が5s未満であるインクセットで印字することにより、普通紙上での単色画質、混色画質、インク乾燥性、画像保存安定性、インクの保管安定性、ヘッドに対する信頼性を両立出来ることを見出した。
【0012】
さらに、プリントスピードを向上させるための手段として、ブラックインクとカラーインクとを同一スキャンで印字するインクジェット記録方法をとることが挙げられ、また、別の手段としては、前記ブラックインク、ブラックインク中の色材を凝集させる化合物を含有する淡色インクおよびブラックインクの色材を凝集させる材料を含まない他のカラーインクの少なくとも3種のインクにより黒色画像を形成する手段をとることが好ましく、さらには、双方の手段を併用することも好ましい。このようなインクジェット記録方法をとることで、前記本発明の効果がより顕著になる。
図1は、ブラックインクとカラーインクとを同一スキャンで印字するインクジェット記録方法をとる記録装置におけるインクヘッド近傍の一態様を示す概略図である。図に示すように、ブラックインクとカラーインクとを吐出するインクヘッドを同期させることで、同一スキャンでの印字が可能となる。
【0013】
本発明に用いられるブラックインクに含まれる色材を凝集させる材料(色材凝集剤)としては、公知の色材凝集剤の中から、色材との相互作用により適宜選択される。色材凝集剤としては、多価金属塩、低分子ポリアミンおよびその塩、アミンポリマー、アンモニウム塩ポリマーなどが挙げられるが、特に多価金属塩が好ましく、なかでも、優れた凝集効果を有し、かつ、カラーインクの保管安定性、ヘッドに対する信頼性を両立させうるといった観点からMg塩が好ましい。
このような色材凝集剤を併用することで、BK色材の記録媒体上での凝集が迅速に生じ、ブラックインクの普通紙上での乾燥時間を5s未満とすることにより、高速印字に対応できるインク乾燥性を達成することが可能になった。
【0014】
インクセットがシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(BK)及び淡色インク5色からなる場合を例に挙げれば、前記淡色インクにブラックインクに含まれる色材を凝集させる化合物を含有するものであり、また、C、M、Yの3色のうち、2色にブラックインクの色材凝集剤を含有していてもよい。
【0015】
即ち、本発明においては、BK色材を含むブラックインク、該BK色材の凝集剤を含む淡色インク、前記BK色材と凝集剤との凝集性を向上させる機能を有する他のカラーインクの少なくとも3つの機能を有するインクが必須であり、この観点から、BKとX色(即ちX種類)のカラーインクとを組合せたインクセットの場合、色材凝集剤を含む特定カラーインクは、1色乃至(X−1)色の範囲であることを要するものである。
また、このとき、色材凝集剤を含有しない他のカラーインクの少なくとも1種は、色材と色材凝集剤との相互作用による凝集性を向上させる特性を有するものを選択する必要がある。
【0016】
なお、本発明においては、インクセットが5色以上のカラーインクからなり、淡色インクを含むが、カラーインクの安定性の観点から、ノーマルインクよりも淡色インクにブラックインクの色材凝集剤を含有することを要する。
【0017】
色材凝集剤の含有量は当該淡色インク量に対して好ましくは0.01〜15質量%の範囲、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに望ましくは0.3〜7質量%である。色材凝集剤の含有量が多すぎると、カラーインクの保存安定性やヘッドに対する信頼性が低下する傾向があり、少なすぎると画質および乾燥性の点で不十分となる可能性がでてくる。
【0018】
ブラックインクの色材凝集剤が含まれていない、その他のカラーインクの少なくとも1色には、ブラックインク中の色材と色材凝集剤との凝集をより引き起こしやすくする機能を有するものが選択される。
BK色材と色材凝集剤との凝集性を向上させる方法としては、一般的な方法、例えば、当該カラーインク中に凝集助剤としてイオン性界面活性剤などを含有させる方法、当該カラーインクのpHを5以下とする手段などをとることができる。なかでもカラーインクのpHを5以下とする方法が好ましく、カラーインクの安定性とヘッドに対する信頼性を考慮すると、当該カラーインクのpHは3〜5の範囲であるのがより好ましい。
インクのpHを前記の好ましい範囲に調整する方法には特に制限はなく、インクに含まれる他の成分との相互関係を考慮して選択されたpH調整剤、例えば、酢酸/酢酸アルカリ金属塩、フタル酸/フタル酸金属塩、こはく酸/こはく酸塩、グッド緩衝材などを適量添加するなどの手段をとればよい。
【0019】
また、ブラックインク中には、前記単色画質および混色画質をより良くするため、色材などの必須成分に加えて、ブラック色材の溶解性や分散性を低下させる化合物を含むことが好ましい。
ブラックインクの色材の溶解・分散性を低下させる化合物を添加することにより、色材凝集剤と接触した場合の色材の凝集性がより向上し、滲みのない画像が速やかに形成されるものと考えられる。
なお、このような化合物を添加することにより、ブラックインク中で、この化合物を添加しない系に比べた場合の色材の溶解・分散性は低下することは好ましいが、一方、該インク中において色材が凝集や沈降を生じるほどに不安定化することは好ましくなく、化合物の種類と添加量は、その系に併せて適宜選択されることが好ましい。
【0020】
BK色材の溶解・分散性を低下させる化合物としては、有機酸や無機酸のアルカリ金属塩、水溶性ポリマーなどが挙げられるが、ヘッドに対する信頼性や画像の定着性を考慮すると、水溶性ポリマー化合物が好ましい。
BK色材がアニオン性である場合、添加される水溶性ポリマー化合物は、ノニオン性ポリマーあるいはアニオン性ポリマーであることが好ましい。アニオン性ポリマーを用いる場合には、画質改善効果とインクへの溶解性を考慮すると、ポリマーの酸価は50〜300の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは100〜250の範囲である。
このような化合物を添加することの作用は明確ではないが、水溶性ポリマーの添加により、カーボンブラックなどの顔料表面に存在する親水性の官能基などとの相互作用が生じ、ポリマーが顔料表面で保護コロイドの如き特性を発現し、顔料の分散性を適正な範囲に制御するものと考えられる。
【0021】
本発明において、BK色材の溶解・分散性を低下させる化合物として用いうる水溶性ポリマーとしては、具体的には、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−マレイン酸エステル共重合体などのポリマーが挙げられる。
また、その添加量は、BK色材に対して3〜50質量%程度であることが好ましい。
【0022】
本発明においては、インクの色材として、染料あるいは顔料のいずれを用いてもよいが、BK色材としては画像保存性の観点からカーボンブラックに代表される顔料が好ましく、他の色相のカラーインクにおいては、インクの安定性および発色性と光透過性の観点から、どちらかというと染料を用いることが好ましい。
【0023】
ここで、BK色材について説明する。BK色材としては、カーボンブラックが好ましいのは前述のとおりであるが、なかでも、分散安定性の観点から、顔料表面にイオン性基を結合させることによって分散剤を併用することなく水性媒体に分散しうる自己分散型カーボンブラックが好ましく、このような色材を用いることは、特に、普通紙上での乾燥時間が5s未満である乾燥時間の短い本発明の如きインクにおいて、その効果が顕著であるといえる。
【0024】
自己分散型カーボンブラックとしては、カーボンブラックの表面に−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO32から選ばれる少なくとも1つのアニオン性基を結合しているものが好ましい。本発明に使用し得る市販の材料としては、例えば、キャボット社製のCab-o-jet-200、Cab-o-jet-300、オリエント化学社製のMicrojet Black CW-1、CW-2などが挙げられる。
【0025】
BKインクは、前記BK色材と水と水溶性有機溶剤を含有し、普通紙上での乾燥時間が5s未満であることを要するが、乾燥時間は、より好ましくは0.01〜3s程度である。インクの普通紙上での乾燥時間は、用いる色材、水溶性有機溶剤の種類や量により制御できるが、本発明に係るBKインクは、界面活性剤、親水性浸透溶媒等の種類と量で制御することが好ましい。
【0026】
次に、BK以外のカラーインクの色材について説明する。
BK以外のカラーインクの色材として用いられる染料は、従来から公知の化合物を用いることができ、例えば、酸性染料、直接染料、分散染料等を用いることができる。
なかでも、可溶化基として少なくともカルボン酸及びその塩、スルホン酸及びその塩からなる群から選ばれる置換基を持つ水溶性アニオン染料が安定性や材料安全性などの点から望ましい。
水溶性アニオン性染料としては、既存のものでも、新規に合成したものでも適度な色調と濃度とを有するものであれば、大抵のものを用いることができ、またこれらのいずれかを複数種混合して用いることも可能である。
【0027】
アニオン性染料の具体例としては、シアンであれば、C.I.ダイレクトブルー −1、−2、−6、−8,−15、−22、−25、−34、−41、−70,−71、−76、−77、−78、−80、−86、−87、−90、−98、−106、−108、−112、−120、−142、−158、−163、−165、−168、−199、−200、−201、−287、−307、C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−25、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−74、−78、−80、−81、−83、−90、−100、−102、−104、−111、−117、−127、−138、−158、−161、−185、−249、−254、
C.I.リアクティブブルー −4、−5、−7、−13、−14、−15、−18、−19、−21、−26、−27、−29、−32、−38、−40、−44、−100、
【0028】
マゼンタであれば、C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−23、−24、−28,31、−33、−37、−39、−46、−51、−59、−62、−63,−73、75、9、80、−81、83、−87、89、−90、−94、95、−99、−101、−110、−189、−197、−201、−218、−220、−224、−225、−226、−227、−228、−229、−230、
C.I.ダイレクトバイオレット −107
C.I.アシッドレッド−1、−4、−6、−8、−9、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−27、−32、−35、−37、−42、−51、−52、−80、−83、−87、−89、−92、−106、−110、−114、−115、−133、−134、−144、−145、−158、−180、−198、−249、−257、−265、−289、
C.I.リアクティブレッド −7、−12、−13、−15、−17、−20、−23、−24、−29、−31、−42、−45、−46、−59−
C.I.フードレッド 87、−92、−94、
ILFORD社製M−377、
【0029】
イエローであれば、C.I.ダイレクトイエロー −1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−39、−34、−41、−44、−48、−50、−58、−85、−86、−87、−88、−89、−98、−100、−110、−132、−135、−142、−144、−173
C.I.アシッドイエロー −1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−17、−18、−19、−23、−25、−29、−34、−36、−38、−40、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−78、−79、−98、−99、−122、
C.I.リアクティブイエロー −2、−3、−17、−25、−37、−42、
C.I.フードイエロー −3、
ILFORD社製Y−104、Y−1189等、が挙げられる。
【0030】
これらの中で、色材凝集剤、具体的には、例えば、Mg塩に代表される多価金属塩に対して安定かどうか、低pH領域における色調/保管安定性がどうか、画質保存性はどうかといった観点から染料セットを選択すればよい。
色材の含有量は、ノズル先端における目詰まり抑制性や、得られる画像の濃度などの観点から、全インク量に対して好ましくは0.1〜20質量%の範囲、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに望ましくは0.1〜7質量%である。
【0031】
また、本発明のインクジェットインクの必須成分として、前記色材の他に水、及び水溶性有機溶媒が挙げられる。
水溶性有機溶媒はインクジェットインクにおいて、水の蒸発を防止し、インクの目詰まりなどを抑制する機能を有するためしばしば用いられるが、本発明に用いうる溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリンオキシエチレン付加物、ジグリセリンオキシエチレン付加物等の多価アルコール類、チオジエタノール、2−メルカプトエタノール、チオグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の含窒素溶媒、
【0032】
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのグリコールエーテル類が挙げられる。
これらは単独で用いても2種類以上混合してもよいが、これら水溶性有機溶剤の含有量は多くなりすぎると、インク粘度が上昇し吐出安定性、吐出応答性が低下するため、好ましくはインクの約1〜60質量%、さらに好ましくは約5〜40質量%である。
【0033】
また、インクジェットインクには、インクのメディアへの浸透性制御やヘッドに対する濡れ性制御を狙いとして、界面活性剤を添加することができる。
界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両イオン性いずれの界面活性剤も使用可能だが、色材がアニオン性のケースが多いことから、保存安定性を考慮すると、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤あるいは両性界面活性剤が好ましい。
【0034】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ノニオン性アセチレングリコール系界面活性剤、テトラメチルデシンジオール、テトラメチルデシンジオールエチレンオキサイド付加物などがあげられる。
【0035】
また、アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体等があげられる。
【0036】
両性界面活性剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリン等が使用しうる。その他ポリシロキサンポリオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤やパーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルなどのフッソ系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチンなどのバイオサーファクタントなども使用可能である。
これらの界面活性剤は1種のみを用いてもよく、複数種を組合せて使用してもよい。
インクへの界面活性剤の添加量は、0.001〜7質量%が一般的であり、好ましくは0.01〜5質量%の範囲である。
【0037】
本発明のインクジェットインクには、その効果を損なわない限りにおいて、目的に応じてインクに通常用いられるその他の添加剤を併用してもよい。
その他の添加剤としては、pH調整剤として塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、こはく酸、マロン酸、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、乳酸、リンゴ酸、フタル酸、酒石酸等の酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等の塩基、およびリン酸塩、シュウ酸塩、アミン塩やグッドバッファー等の各種緩衝剤が用いられる。
物性調整剤としてポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、セルロース誘導体等、包接化合物としてシクロデキストリン、ポリシクロデキストリン、大環状アミン類、クラウンエーテル類など、可溶化剤としてアセトアミド、ベタイン、尿素及びその類縁体を含有させてもよく、また必要に応じて防カビ剤、防錆剤、殺菌剤、キレート化剤、デンドリマー等を含有させてもよい。
【0038】
このように水、水溶性有機溶剤、色材を必須成分とするインクジェット記録用インクセットにおいて、カラーインクのうち少なくとも1色はブラックインクの色材を凝集させる材料を含有し、その他のカラーインクは、ブラックインク中の色材と前記カラーインクとの間の凝集をより引き起こしやすくする機能をもち、かつブラックインクの普通紙上での乾燥時間が5s未満であるインクセットを用いることにより、プリントスピード、普通紙上での単色画質、混色画質、インク乾燥性、画像保存安定性、ヘッドに対する信頼性の両立が可能となった。
【0039】
また、本発明のインクジェット記録装置は、前記インクジェット記録用インクセットを記録媒体表面に付与する液体吐出部材を備えることを特徴とする。
このような液体吐出部材は、熱インクジェット方式またはピエゾインクジェット方式によるインクヘッドであることが好ましく、また、ブラックインクとカラーインクとを同一スキャンで印字しうる液体吐出部材を備えることがプリントスピード向上の観点から好ましい。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
解像度800dpiのブラックインク記録ヘッド、シアンインク記録ヘッド、マゼンタインク記録ヘッド、イエローインク記録ヘッドを備えるプリンタを試作した。
【0041】
―インクの調製―
〔ブラックインク〕
・Cab−o−jet300(顔料分散液) 40重量部
・グリセリン 10重量部
・ジエチレングリコール 10重量部
・アセチレングリコールポリオキシエチレン付加物 1.0重量部
・スチレン−アクリル酸共重合体 0.2重量部
(顔料の溶解・分散性調整剤)
・純水 38.8重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、2μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、ブラックインクを調製した。
【0042】
〔シアンインク〕
・C.I.Direct Blue 199 4重量部
・エチレングリコール 5重量部
・2−ピロリドン 5重量部
・グリセリン 5重量部
・ブチルカルビトール 3重量部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・硝酸マグネシウム6水和物 5重量部
(BK色材凝集剤)
・BES 0.5重量部
(pH調整剤:N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)
−2−アミノエタンスルホン酸)
・NaOH 0.04重量部
・純水 67.46重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、シアンインクを調製した。
【0043】
〔マゼンタインク〕
・C.I.Direct Red 75 3.5重量部
・ジエチレングリコール 15重量部
・スルホラン 5重量部
・ブチルカルビトール 6重量部
・酢酸 2重量部
・NaOH 0.7重量部
・純水 67.8重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、マゼンタインクを調製した。
【0044】
〔イエローインク〕
・C.I.Direct Yellow 144 2.5重量部
・グリセリン 7重量部
・2−ピロリドン 8重量部
・サーフィノール465 1.0重量部
(アセチレングリコールオキシエチレン付加物、
ノニオン性界面活性剤:エアプロダクツ社製)
・フタル酸 1.5重量部
・NaOH 0.4重量部
・純水 79.6重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、イエローインクを調製した。
【0045】
(比較例1)
―インクの調製―
〔ブラックインク〕
・Cab−o−jet300(顔料分散液) 40重量部
・グリセリン 10重量部
・ジエチレングリコール 10重量部
・アセチレングリコールポリオキシエチレン付加物 1.0重量部
・純水 39.0重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、2μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、ブラックインクを調製した。
【0046】
〔シアンインク〕
・C.I.Direct Blue 199 4重量部
・エチレングリコール 5重量部
・2−ピロリドン 5重量部
・グリセリン 5重量部
・ブチルカルビトール 3重量部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・硝酸マグネシウム6水和物 5重量部
(BK色材凝集剤)
・BES 0.5重量部
(pH調整剤:N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)
−2−アミノエタンスルホン酸)
・NaOH 0.04重量部
・純水 67.46重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、シアンインクを調製した。
【0047】
〔マゼンタインク〕
・C.I.Direct Red 75 3.5重量部
・ジエチレングリコール 15重量部
・スルホラン 5重量部
・ブチルカルビトール 6重量部
・硝酸マグネシウム6水和物 5重量部
(BK色材凝集剤)
・BES 0.5重量部
(pH調整剤:N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)
−2−アミノエタンスルホン酸)
・NaOH 0.04重量部
・純水 64.96重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したところ、析出物が発生し、マゼンタインクの調製が出来なかった。
【0048】
〔イエローインク〕
・C.I.Direct Yellow 144 2.5重量部
・グリセリン 7重量部
・2−ピロリドン 8重量部
・サーフィノール465 1.0重量部
・硝酸マグネシウム6水和物 5重量部
(BK色材凝集剤)
・BES 0.5重量部
(pH調整剤:N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)
−2−アミノエタンスルホン酸)
・NaOH 0.04重量部
・純水 75.6重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したところ、析出物が発生し、イエローインクの調製が出来なかった。
【0049】
(比較例2)
―インクの調製―
〔ブラックインク〕
・Cab−o−jet300(顔料分散液) 40重量部
・グリセリン 10重量部
・ジエチレングリコール 10重量部
・ブチルカルビトール 5重量部
・純水 35重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、2μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、ブラックインクを調製した。
【0050】
〔シアンインク〕
・C.I.Direct Blue 199 4重量部
・エチレングリコール 5重量部
・2−ピロリドン 5重量部
・グリセリン 5重量部
・ブチルカルビトール 3重量部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部
・塩酸 0.5重量部
・純水 72.5重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、シアンインクを調製した。
【0051】
〔マゼンタインク〕
・C.I.Direct Red 75 3.5重量部
・ジエチレングリコール 15重量部
・スルホラン 5重量部
・ブチルカルビトール 6重量部
・塩酸 0.5重量部
・純水 64.96重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、マゼンタインクを調製した。
【0052】
〔イエローインク〕
・C.I.Direct Yellow 144 2.5重量部
・グリセリン 7重量部
・2−ピロリドン 8重量部
・サーフィノール465 1.0重量部
・塩酸 0.5重量部
・純水 81重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、イエローインクを調製した。
【0053】
−評価−
(1)インクpH
23℃、55%RHの環境において、Orion pH計を用いて測定した。
(2)画像品質テスト
ブラック単色の文字画質、カラー背景部に対する黒色ラインパターンの印字テストを、富士ゼロックス社製P紙に対し、行った。黒色ラインはBKインクのほか、Cyanインク、Magentaインク、Yellowインクを重ね印字した。BK/C/M/Yの比率はおおよそ、20:2:1:1である。
評価項目として、BK単色の文字画質、カラー背景部に対する黒色2〜8dotラインのにじみを調べた。なお、評価は次の基準で行った。
【0054】
(a)BK単色の文字画質
○・・・・・すべての文字が明瞭
△・・・・・一部小さい文字が若干読み取りにくい
×・・・・・4point以下で複雑な文字はつぶれて判読が困難
(b)カラー背景部に対する黒色1dotラインにじみ
○・・・・・滲みなし
△・・・・・わずかに滲みあり
×・・・・・多くの部分でヒゲ状の滲みあり
【0055】
(3)インク乾燥性テスト
23℃、55%RHの環境において、解像度800dpiの試作ヘッドを用いて、代表的な普通紙としてFX−P紙(富士ゼロックス社製)に対し、BKソリッド画像をプリントし、印字してから、目視で液滴が紙上から見えなくなるまでの時間を測定した。
(4)画像保存安定性テスト
(a)耐水性評価
印字後24h以上経過したプリントサンプルに、水滴を約1ml滴下し、滴下後、サンプルを速やかに傾斜させて水滴を流し、自然乾燥した。付着後の画像流れを評価した。
○・・・・・滲みなし
△・・・・・汚れがわずかにあり
×・・・・・画像の判別が難しいほど汚れあり
(b)耐光性評価
印字後24h以上経過した普通紙プリントサンプルで、O.D.=1.0近傍のソリッド画像に対し、HPUV 耐光性試験機(蛍光灯耐光試験機)を用い、光照射を行った。室内での耐光性寿命年数を推定し、以下の基準で判定した。
○・・・・・推定寿命年数 15年以上
△・・・・・推定寿命年数 5〜15年
×・・・・・推定寿命年数 5年未満
【0056】
(5)ヘッド信頼性テスト
(a)寿命評価テスト
解像度800dpiの試作ヘッドを用いて、2×108パルス連続噴射を行い、吐出状態がどのように変化するかを評価した。
○・・・ハーフトーンO.D.変化が、初期値と比べて、≦20%
△・・・ハーフトーンO.D.変化が、初期値と比べて、≦40%
×・・・吐出不能ノズルが発生
これらの評価結果を下記表1に記載する。
【0057】
【表1】
Figure 0004442122
【0058】
表1に明らかなように、本発明のインクセットである実施例1においては、黒色、カラーいずれの画像の滲みもなく、普通紙上においても単色画質、混色画質が良好であり、インク乾燥性、画像保存安定性、及び、ヘッドに対する信頼性のいずれにも優れていることがわかった。一方、BK以外の他のカラーインクの全てに色材凝集剤を添加した比較例1のインクインクセットでは析出が生じてインクの調製ができず、BK以外の他のカラーインクが低pHであり、色材凝集剤を含有しない比較例2のインクセットでは、黒色画像に滲みが生じ、黒色画質が不充分であった。
【0059】
(実施例2)
―インクの調製―
〔ブラックインク〕
実施例1と同じインクを調製した。
【0060】
〔シアンインク〕
・C.I.Acid Blue 249 3重量部
・ジエチレングリコール 10重量部
・グリセリン EO付加物 3重量部
・ブチルカルビトール 6重量部
・硝酸マグネシウム6水和物 5重量部
(BK色材凝集剤)
・BES 0.5重量部
(pH調整剤:N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)
−2−アミノエタンスルホン酸)
・NaOH 0.04重量部
・純水 72.46重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、シアンインクを調製した。
【0061】
〔マゼンタインク〕
・Ilford社製 M−377 3.5重量部
・エチレングリコール 10重量部
・グリセリン 5重量部
・ブチルカルビトール 6重量部
・フタル酸 1.5重量部
・NaOH 0.4重量部
・純水 73.6重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、マゼンタインクを調製した。
【0062】
〔イエローインク〕
・C.I.Acid Yellow 23 3重量部
・プロピレングリコール 5重量部
・トリエチレングリコール 10重量部
・サーフィノール465 2.5重量部
(アセチレングリコールオキシエチレン付加物、
ノニオン性界面活性剤:エアプロダクツ社製)
・硝酸マグネシウム6水和物 2重量部
(BK色材凝集剤)
・純水 77.5重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、イエローインクを調製した。
【0063】
実施例2において、実施例1と同様の評価を行った。結果を下記表2に記載する。
【0064】
(比較例3)
―インクの調製―
〔ブラックインク〕
実施例1と同じインクを調製した。
〔シアンインク〕
・C.I.Acid Blue 9 3重量部
・ジエチレングリコール 10重量部
・グリセリン EO付加物 3重量部
・ブチルカルビトール 6重量部
・硝酸マグネシウム6水和物 5重量部
(BK色材凝集剤)
・BES 0.5重量部
(pH調整剤:N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)
−2−アミノエタンスルホン酸)
・NaOH 0.04重量部
・純水 72.46重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、シアンインクを調製した。
【0065】
〔マゼンタインク〕
・C.I.Direct Red 227 3.5重量部
・エチレングリコール 10重量部
・グリセリン 5重量部
・ブチルカルビトール 5重量部
・純水 76.5重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、マゼンタインクを調製した。
【0066】
〔イエローインク〕
・C.I.Direct Yellow 144 3重量部
・プロピレングリコール 10重量部
・トリエチレングリコール 10重量部
・サーフィノール465 2重量部
(アセチレングリコールオキシエチレン付加物、
ノニオン性界面活性剤:エアプロダクツ社製)
・純水 75重量部
上記の各成分を十分攪拌混合したのち、0.45μmフィルターを用いて加圧ろ過を行い、イエローインクを調製した。
比較例3においても、実施例1と同様の評価を行い、結果を下記表2に併記した。
【0067】
【表2】
Figure 0004442122
【0068】
表2に明らかなように、実施例2のインクセットにおいては、黒色、カラーいずれの画像の滲みもなく、普通紙上においても単色画質、混色画質が良好であり、インク乾燥性、画像保存安定性、及び、ヘッドに対する信頼性のいずれにも優れていることがわかった。
一方、BK以外の他のカラーインクのうちの1種に色材凝集剤を含有し、その他のカラーインクが中性〜塩基性である比較例3のインクセットにおいては、黒色画像に滲みが生じ、黒色画質が不充分であることがわかった。
【0069】
【発明の効果】
以上、本発明のインクジェット記録用インクセットによれば、プリントスピード、普通紙上での単色画質、混色画質、インク乾燥性、さらに画像保存安定性を満足し、インクの保管安定性、ヘッドに対する信頼性の全てに優れるという効果を奏する。また、インクジェット記録用インクセットを用いることで、プリントスピード、普通紙上での画質、インク乾燥性、画像保存安定性、インクの保管安定性、ヘッドに対する信頼性の全てに優れるたインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブラックインクとカラーインクとを同一スキャンで印字するインクジェット記録方法をとる記録装置におけるインクヘッド近傍の一態様を示す概略図である。

Claims (17)

  1. 水、水溶性有機溶剤、及び、色材を必須成分として含有し、ブラックと淡色インクとを含む5色以上のカラーインクからなるインクジェット記録用インクセットにおいて、前記淡色インク中に色材を凝集させる化合物を含有し、その他のカラーインクのうち少なくとも1色はブラックインク中に含まれる色材と前記淡色インク中に含まれる化合物との間の凝集性を向上させる機能を有しており、かつ、ブラックインクの普通紙上での乾燥時間が5s未満であることを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  2. 前記淡色インクに含まれるブラックインクの色材を凝集させる化合物が、多価金属塩であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
  3. 前記多価金属塩が、マグネシウム塩であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用インクセット。
  4. ブラックインク中の色材を凝集させる化合物を含まない他のカラーインクの少なくとも1色が、そのpHが5以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  5. 前記ブラックインクに含まれる色材がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  6. 前記カーボンブラックが自己分散型カーボンブラックであることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用インクセット。
  7. 前記淡色インク及び他のカラーインクに含まれる色材が染料であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  8. 前記ブラックインク中に、ブラックインクに含まれる色材の溶解・分散性を低下させる化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  9. 前記ブラックインクに含まれる色材の溶解・分散性を低下させる化合物がポリマー化合物であることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録用インクセット。
  10. 前記ポリマー化合物が、ノニオン性又はアニオン性の水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録用インクセット。
  11. 前記ポリマー化合物が、酸価が50〜300であるアニオン性水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録用インクセット。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセットを記録媒体表面に付与することにより、画像を形成するインクジェット記録方法。
  13. 前記インクセットを記録媒体表面に付与するにあたり、ブラックインクとカラーインクの少なくとも1つとが、同一スキャンで記録媒体に印字される請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記ブラックインク、ブラックインクに含まれる色材を凝集させる化合物を含有する前記淡色インク、及び、前記淡色インク以外の少なくとも1種のカラーインクの3種のインクにより、黒色画像を形成することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセットを用いたインクジェット記録装置であって、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセットを記録媒体表面に付与する液体吐出部材を備えたインクジェット記録装置。
  16. 前記液体吐出部材が、熱インクジェット方式またはピエゾインクジェット方式によるインクヘッドである請求項15記載のインクジェット記録装置。
  17. 前記液体吐出部材が、ブラックインクとカラーインクの少なくとも1つとを、同一スキャンで記録媒体上に付与し得る構成を有する請求項15又は請求項16に記載のインクジェット記録装置。
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