JP2000095986A - 画像表示用記録液及び画像形成方法 - Google Patents

画像表示用記録液及び画像形成方法

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JP2000095986A
JP2000095986A JP28723198A JP28723198A JP2000095986A JP 2000095986 A JP2000095986 A JP 2000095986A JP 28723198 A JP28723198 A JP 28723198A JP 28723198 A JP28723198 A JP 28723198A JP 2000095986 A JP2000095986 A JP 2000095986A
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JP28723198A
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Takako Kobayashi
孝子 小林
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録紙上でのインクの滲みや、インクジェッ
トプリンターのノズル内での析出物や目詰まりが発生す
ることがない画像表示用記録液とそれを用いた画像形成
方法を提供する。 【解決手段】 水、着色剤、保湿剤及びゲル化剤を含有
する記録液であって、前記ゲル化剤の無機性と有機性の
比(I/O)gelと保湿剤の無機性と有機性の比(I/
O)moistを、下記式(1) 【数1】 |(I/O)gel−(I/O)moist|≦2・・・・・(1) の関係とする。保湿剤の温度25℃における蒸気圧は、
0.1mmHg以下であることが好ましい。前記画像表
示用記録液を用いて、インクジェット記録方式により画
像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示用記録
液、さらに詳しくはインクジェット記録方式による画像
形成に好適な画像表示用記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューター等の情報機器の出力装置
として、最近、ランニングコストが低く、高精細でかつ
カラーが容易な方式として、インクジェット方式が注目
されている。インクジェット用のインクとしては、従来
より染料水溶液が主に使用されてきた。しかし、ノズル
から吐出、飛翔されたインクが記録紙上に付着した時、
インクが記録紙上で滲み、飛翔時に形成したインク滴よ
り大きなドットになったり、記録された画像の濃度が低
いという問題があった。また、ノズル内でインク成分の
一部から固着物が生成し、インクの飛翔方向が乱れた
り、ノズルの目詰まりを起こすという問題があった。
【0003】このような問題を解決するために、特開平
5−208548号公報には、反応性染料を用いる技
術、特開平6−128514号公報には、インクと接触
することによって凝集、析出する成分を別途インクの上
に印字する技術が開示されている。しかし、前者の反応
性染料を用いる技術は、染料の種類が限定されるためフ
ルカラー印刷には適してなかった。後者の凝集成分を別
途印字させる技術は、耐水性の向上、滲みの低減を達成
することはできたが、印字に必要なインクが1種類多く
なることから、印字装置が大きくなり、さらに印字時間
が遅くなるという問題があった。また、これらの技術で
は、吐出方向の乱れや目詰まりが生じるため、クリーニ
ング機構やキャッピング機構が必要となり、システムが
複雑になるという問題があった。
【0004】このようなノズルにおける固着物の生成や
目詰まりを改善するためには、一般的に保湿剤がインク
に添加される。特開平6−16984号公報には、保湿
剤の蒸気圧を0.01mmHg以下に設定した技術、特
開平8−295834号公報には、特定の浸透剤と保湿
剤を組み合わせる技術が開示されている。しかしなが
ら、保湿剤により、目詰まりは解消されるが、記録紙表
面では保湿剤が蒸発しないため、滲みが生じるという課
題が残された。
【0005】このような画像滲みと目詰まりの両方を解
決する目的で、特開平10−7962号公報には、グリ
セリンを8重量%以上とアルギン酸塩とを添加する技術
が開示されている。しかしながら、アルギン酸の作用に
よってインクが増粘し、吐出に大きな負荷がかかるとい
う問題が生じてしまう。
【0006】また、常温液体の水性インクの水分の蒸発
に伴う目詰まりや滲みを低減する目的で、特開平9−1
94779号公報には、常温固体で水と相溶しない炭化
水素系樹脂などの有機化合物を用いる技術、特開平2−
235641号公報には、ゲル化剤添加によって固化し
たインクを用いる技術が開示されている。しかし、前者
の技術のように、分散媒に常温固体で炭化水素系樹脂を
用いる場合、加熱溶融して印字すると、炭化水素樹脂に
含まれる低分子量の炭化水素が部分的に蒸発し異臭が生
じ、さらにはオフィス環境の空気を汚すという可能性が
あった。また、このインクによる画像は十分な画像強度
が得られず、さらに、分散できる染料が油溶性のものに
限定されるため一般的に用いられている水溶性の発色性
の良い安全な染料を用いることができなかった。また、
後者の技術のように、ゲル化剤を添加することによって
固化させたインクの場合、水分散媒には水系ゲル化剤、
非水分散媒には非水系ゲル化剤を組み合わせるのが一般
的であり、実際のインクにあるような混合系に最適なゲ
ル化剤が選定されていなかった。そのため、ゲル化した
インクを用いても、記録紙上でゲルの内部からインクが
染み出し、滲みが生じたり、インクの裏移りが生じ、実
用性に適していなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のイ
ンクジェット用インクでは、滲みのない高画質な画像を
得ることと、吐出方向性と目詰まりの信頼性を得ること
の両方の要求を満足させることができなかった。したが
って、本発明は、記録紙、特に普通紙上でのインクの滲
みが生じることがなく、しかも、インクジェットプリン
ターのノズル内の析出物や目詰まりが発生することがな
く、ヘッドの高信頼性を得ることが可能な画像表示用記
録液、特に、インクジェット方式に好適な画像表示用記
録液と、それを用いた画像形成方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、記録紙上で
固化するインクに関して、その添加物の相関関係とそれ
ぞれの物性値および組成比について鋭意研究した結果、
構造式から導かれる指標に注目することによって、ゲル
からのインクの溶出を制御することができることを見出
した。さらに、保湿剤の蒸気圧と添加量を適当な範囲に
規定することによって、好適な蒸発特性を持つ記録液が
得られることを見出し、これらの知見に基づいて、本発
明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明は、水、着色剤、保湿剤
及びゲル化剤を含有する記録液であって、前記ゲル化剤
の無機性と有機性の比(I/O)gelと保湿剤の無機性
と有機性の比(I/O)moistが、下式(1)
【0010】
【数2】 |(I/O)gel−(I/O)moist|≦2・・・・・(1)
【0011】の関係にあることを特徴とする画像表示用
記録液、および前記画像表示用記録液を用いて、インク
ジェット記録方式により記録することを特徴とする画像
形成方法である。
【0012】ここで、物質の有機性と無機性について説
明する。篠田ら(篠田耕三:“合成と溶解のための溶
媒”、P15〜18(1969)丸善)によると、多数
の物質間の溶解性を判断するために、化合物の持つ凝集
力をロンドン分散力と双極子力に基づく部分に分け、ロ
ンドン分散力に基づく部分を有機性、双極子力に基づく
部分を無機性として、各種の官能基について定められた
評価値から計算することができる。この有機性、無機性
をそれぞれ縦軸横軸にとってグラフにしたものを有機概
念図と言い、無機性の値を有機性の値で割ったもの(I
/O)が、この有機概念図における原点と物質の点を結
んだグラフの傾きに相当する。繊維物質を染色する場
合、染料と繊維のI/Oが近いほうが、相互の親和力が
高められるため染色に好都合であると、甲田によって記
載されている(甲田善生:“有機概念図−基礎と応用
−”、P124−127(1984)三共出版)。
【0013】本発明者は、インクの滲みを制御するため
には、記録媒体上で蒸発せずに残った成分をゲル化剤に
よって形成されるネットワーク構造上に閉じ込めておけ
ばよい(保湿剤の固定化)という考えにたどり着いた。
さらに、ここで、上記の染料と繊維の関係が、ゲル化剤
によるネットワーク構造と保湿剤の関係と同じであると
考え、有機性と無機性の比(I/O)の差の小さい材料
を用いることによって、保湿剤の固定化が達成できるこ
とを発見したのである。
【0014】したがって、このような観点で選択された
材料を組み合わせることによって、記録液が印字される
と記録紙上でゲル化し、そのゲルからインクが溶出する
ことがなくなるため、画像の滲みを防ぐことができ、そ
の結果、この記録液を用いた画像はドット滲みやインタ
ーカラーブリーデイングのない高画質なものとなる。さ
らに、保湿剤の蒸発特性に関係する飽和蒸気圧と添加量
を規定することによってインクの蒸発を防ぐことができ
る。その結果、この記録液をインクジェットプリンター
に用ると、ノズルの目詰まりもなく、蒸発に伴う異臭も
生じないので、信頼性や耐環境性等を高くすることが可
能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその形態によって
詳細に説明する。本発明の画像表示用記録液に用いるこ
とができるゲル化剤は、記録液が用紙上に到達した後、
インク内部でネットワーク構造を生成し、ゲルを作成す
るものであるなら、水溶性ゲル化剤、油溶性ゲル化剤の
いずれであってもよい。
【0016】このようなゲル化剤の具体例としては、ゼ
ラチン、カラギーナン、アガロース、グアーガム、ロー
カストビーンガム等の多糖類、ポリビニルアルコール、
ナフテン酸アルミニウム等のナフテン酸多価金属、ステ
アリン酸アルミニウム、ラウリン酸コバルト、オレイン
酸アルミニウム等の高級アルキルまたはアルケン脂肪酸
の多価金属塩、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエ
チルアセテート、アルミニウムジ-モノ-ブトキシドモノ
エチルアセテート、アルミニウムアルコキシドの誘導
体、n−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−
n−フタルアミド、ジカプロイルリジンラウリルアミ
ド、ラウロイルフェニルアラニンラウリルアミド、ラウ
ロイルグルタミン酸ステアリルアミド、ジカプロイルリ
ジンラウリルエステル、ジカプロイルリジンアミン塩、
ラウロイルバリンブチルアミド、ラウロイルフェニルア
ラニンラウリルアミド等のアシルアミノ酸誘導類、12
−ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデンソルビトー
ル等が挙げられる。
【0017】これらのゲル化剤は、一種類を単独で用い
てもよいが、溶媒に溶解した時に混合されて完全に一相
となる場合には、二種類以上を組み合わせて用いること
もできる。これらのゲル化剤の有機性値および無機性値
は、構造中の官能基に依存する値から計算して用いれば
よい。また、ゲル化剤を組み合わせて用いた場合、有機
性値および無機性値は混合物のものを計算して用いれば
よい。
【0018】ゲル化剤の含有量は、画像表示用記録液へ
の溶解度、吐出時の粘度等に依存するが、0.1〜20
重量%が好ましく、0.5〜10重量%がさらに好まし
い。0.1重量%未満となると、記録液を完全にゲル化
させることができない場合が発生し、画像の滲みが生じ
やすく、高品質の画像が得られにくくなるので好ましく
ない。また、20重量%を超えると、過剰なゲルが溶解
しにくくなり、析出する場合がある。さらに、加熱して
も粘度の低下が不十分となりやすく、吐出が不安定にな
りやすいので、好ましくない。
【0019】本発明の画像表示用記録液に用いることが
できる保湿剤は、水と比較した場合、蒸発速度が十分に
遅いものであることが好ましい。このような保湿剤の代
表的なものとしては、高い湿潤性(吸湿性)を有するエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコー
ル、ペンタメチレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、オクチレングリコール等のアルキレングリコール
類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類、グリセリン、及び
トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の
アミン類等が挙げられる。
【0020】本発明におけるゲル化剤と保湿剤の組み合
わせは、ゲル化剤の無機性と有機性の比(I/O)gel
と保湿剤の無機性と有機性の比(I/O)moistが、下
式(1)、
【0021】
【数3】 |(I/O)gel−(I/O)moist|≦2・・・・・(1)
【0022】の関係にあることが要求され、2以下0以
上であればよい。また、下式(2)
【0023】
【数4】 |(I/O)gel−(I/O)moist|≦1・・・・・(2)
【0024】の関係にあることがより好ましい。
【0025】
【数5】|(I/O)gel−(I/O)moist
【0026】が2より大きくなると、保湿剤がゲルのネ
ットワーク構造から抜け出して記録紙中に浸透してしま
うため、画像に滲みが生じてしまったり、ゲル化剤の溶
解性が十分でなくなり、ゲル化剤が析出してしまい、ゲ
ル化しなくなるため好ましくない。
【0027】上記(1)式の条件を満たすゲル化剤と保
湿剤の組み合わせとしては、具体的には、ゲル化剤とし
て、ジベンジリデンソルビトールを選んだ場合に、保湿
剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールお
よびこれらの混合物等を選択することができる。これら
の中でも、特に、上記(2)式の条件を満たすゲル化剤
と保湿剤の組み合わせとしては、ジベンジリデンソルビ
トールとジエチレングリコール、ジベンジリデンソルビ
トールとプロピレングリコール、ジベンジリデンソルビ
トールとエチレングリコール・ジエチレングリコールの
混合物、ジベンジリデンソルビトールとプロピレングリ
コール・ジプロピレングリコールの混合物との組み合わ
せを挙げることができる。
【0028】十分な目詰まり防止効果を得るためには、
温度25℃における蒸気圧が0.1mmHg以下の保湿
剤を用いることが好ましく、0.01mmHg以下の保
湿剤を用いることがさらに好ましい。保湿剤の温度25
℃における蒸気圧が0.1mmHgを超えると、十分な
保湿作用が得られないため、プリンター等を長期使用し
ない場合に目詰まりが生じやすくなり、好ましくない。
また、揮発したインクが室内に拡散することからも好ま
しくない。このような保湿剤の例としては、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ペンタメチレングリコール、オクチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、グリセリン、トリエタノールアミン等が挙げら
れる。
【0029】これらの保湿剤は一種類を単独で用いても
よいが、混合されて完全に一相となる場合には、二種類
以上を組み合わせて用いることもできる。保湿剤の含有
量は、画像表示用記録液の蒸発を制御できるような量で
あることが好ましく、画像表示用記録液に対して、10
重量%〜90重量%が好ましく、約30〜80重量%が
より好ましく、約50〜75重量%が特に好ましい。保
湿剤の添加量が10重量%未満になると、十分な保湿効
果が発揮できないため好ましくない。また、90重量%
を超えると染料の溶解性が低下したり、増粘して吐出が
困難になるため好ましくない。
【0030】本発明の画像表示用記録液に用いることが
できる着色剤としては、各種染料、顔料、着色ポリマー
/ワックス等を用いることができ、中でも、水溶性染料
が好ましい。水溶性染料は、酸性染料、直接染料、塩基
性染料、反応性染料等のいずれでもよいが、酸性染料、
直接染料がより好ましい。
【0031】このような着色剤としては、例えば、C.
I.ダイレクトブラック−2、−4、−9、−11、−
17、−19、−22、−32、−80、−151、−
154、−168、−171および−194、C.I.
ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−
34、−70、−71、−76、−78、−86、−1
12、−142、−165、−199、−200、−2
01、−202、−203、−207、−218、−2
36および−287、C.I.ダイレクトレッド−1、
−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−
20、−28、−31、−33、−37、−39、−5
1、−59、−62、−63、−73、−75、−8
0、−81、−83、−87、−90、−94、−9
5、−99、−101、−110および−189、C.
I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−1
1、−12、−26、−27、−28、−33、−3
4、−41、−44、−48、−58、−86、−8
7、−88、−135、−142および−144、C.
I.フードブラック−1および−2、C.I.アシッド
ブラック−1、−2、−7、−16、−24、−26、
−28、−31、−48、−52、−63、−107、
−112、−118、−119、−121、−156、
−172、−194および−208、C.I.アシッド
ブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−
27、−29、−40、−43、−55、−59、−6
2、−78、−80、−81、−83、−90、−10
2、−104、−111、−185、−249および−
254、C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−
13、−14、−15、−18、−21、−26、−3
5、−37、−110、−144.−180、−249
および−257、ならびにC.I.アシッドイエロー−
1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−1
4、−18、−19、−23、−25、−34、−3
8、−41、−42、−44、−53、−55、−6
1、−71、−76、−78、−79および−122等
が挙げられる。
【0032】これらの染料は、単独で用いてもよいが、
2種以上を混合したり、シアン、マゼンタ、イエロー、
ブラックの4原色の外、赤、青、緑などのカスタムカラ
ーに調色して使用してもよい。また、顔料を用いること
も可能であり、例えば、カーボンブラック、ブリリアン
トカーミンBS、レーキカーミンFB、ブリリアントフ
ァストスカーレット、ジスアゾイエロー、パーマネント
レッドR、ファストイエロー10G、フタロシアニンブ
ルー、ブルーレーキ、イエローレーキおよびローダミン
レーキ等を用いることができる。
【0033】これら着色剤の含有量は、染料の種類、溶
媒の種類、記録液に対して要求される特性に依存して決
定されるが、着色剤としての機能を発揮させる上、画像
表示用記録液に対して、0.1〜20重量%が好まし
く、1〜10重量%がより好ましい。着色剤の含有量が
0.1重量%未満となると、記録紙上で十分な画像濃度
が得られない場合があるため好ましくない。また、20
重量%を超えると、着色剤の凝集物が発生しやすくなる
ので好ましくない。
【0034】本発明の画像表示用記録液の必須成分の水
としては、蒸留水、イオン交換水、純水等を用いること
ができる。
【0035】本発明の画像表示用記録液は、これらの必
須成分以外にも、各種添加剤を含有することができる。
例えば、染料や顔料の溶解、分散状態をさらに安定化さ
せるために、低分子の界面活性剤を添加することができ
る。界面活性剤としては、ノニオン、アニオン、カチオ
ンおよび両性界面活性剤のいずれでもよく、例えばノニ
オン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸
アルキロールアミド等を使用することができる。
【0036】アニオン界面活性剤としては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級
脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステル
のスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステ
ル塩およびスルホン酸塩、および高級アルキルスルホコ
ハク酸塩等;カチオン界面活性剤としては、第1から3
級のアミン塩、第4級アンモニウム塩等;両性界面活性
剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェー
トベタイン等を使用することができる。
【0037】これらの界面活性剤の添加量は、高分子界
面活性剤の効果を妨げないよう、好ましくは高分子界面
活性剤添加量の2倍以下とすることが好ましく、等量以
下に設定することがより好ましい。
【0038】さらに、本発明の画像表示用記録液には、
可溶化剤として、尿素、アセトアミド等を、pH調整剤
として、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸等の酸や水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基
を、各種緩衝剤として、リン酸塩、シュウ酸塩、アミン
塩等を、物性調整剤としてポリエチレンイミン、ポリア
ミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、セルロース誘導体等を、包接化合物としてシクロデ
キストリン、大環状アミン類、クラウンエーテル類等を
含有させてもよく、また必要に応じて防カビ剤を含有さ
せてもよい。
【0039】本発明の画像表示用記録液の製造は、例え
ば、以下の手順で行うことができるが、これに限定され
るものではない。すなわち、水と着色剤と保湿剤からな
る溶液をボールミルで分散し、着色剤粒子が単分散もし
くは完全溶解状態になったことを顕微鏡観察により確認
し、その後、ゲル化剤、分散剤等の添加物を加え、完全
溶解させる。この時、必要に応じてゲル化剤の溶解温度
まで加熱してもよい。この分散物を必要に応じて加熱し
溶液状態として、例えば孔径10μmのメンブランフイ
ルターにてろ過して、ゴミおよび粗大粒子を除去し、画
像表示用記録液とする。
【0040】本発明の画像表示用記録液の記録紙への印
字は、ノズルからインクを吐出して印字を行うインクジ
ェットプリンターを用いることができるが、これに限定
されるものではない。また、インクジェットの吐出方法
としては、サーマルヘッドタイプ(バブルジェットタイ
プ)、ピエゾタイプのいずれでもよいが、吐出時にイン
クを加熱することから、インクの吐出がスムーズに行え
るため、サーマルヘッドタイプが好ましい。また、イン
クが常温固体の場合は、一旦加熱してインクを溶解状態
として吐出する溶融型インクジェットタイプを用いるこ
とも可能である。
【0041】なお、本発明の画像表示用記録液を用いて
記録を行う記録紙は、特に限定されず、インクジェット
用記録紙、塗工紙のみならず、普通紙、PPC用紙、プ
リンター用紙を用いる場合であっても、本発明の効果を
奏することができ、記録紙上に滲みが生じたり、インク
の裏移りが生じることもない。
【0042】
【作用】本発明の画像表示用記録液は、ゲル化剤を含む
ことため、記録紙上でゲル化し、さらに、ゲルによって
構成されるネットワーク構造中に保湿剤が保持されるた
め、記録紙上の画像に滲みや裏移りが生じることがな
い。さらに、インクジェットプリンタのノズル内で画像
表示用記録液の蒸発に伴う付着物の生成がないことか
ら、目詰まりもなく、信頼性が高い。また、インクを固
化させるための特別なシステムやノズルクリーニングシ
ステムを必要としないことから、装置が大型になること
もなく、システムが単純なため高速化が可能である。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。なお、実施例において用いる「部」は
特に断らない限り、「重量部」を示すものとする。
【0044】 (実施例1) 水 30部 ジエチレングリコール(25℃における蒸気圧:0.01mmHg) 70部 シアン染料(C.I.アシッドブルー−9:三菱化学社製) 2部 ジベンジリデンソルビトール(イーシー科学社製) 3部 上記の組成物を三角フラスコ内で90℃の加熱条件で、
加熱装置付きマグネチックスターラーを用いて30分関
攪拌し、あらかじめ溶解させた。これを孔径10μmのメ
ンブランフィルターを用いて、90℃の加熱条件で加圧
ろ過し、画像表示用記録液1を得た。記録液1における
ゲル化剤の(I/O)gelは3.30、保湿剤の(I/
O)moistは2.75であった。したがって、
【0045】
【数6】|(I/O)gel−(I/O)moist
【0046】は1.05であった。
【0047】 (実施例2) 水 30部 ジプロピレングリコール(25℃における蒸気圧:0.01mmHg) 37部 プロピレングリコール(25℃における蒸気圧:0.05mmHg) 33部 シアン染料(C.Iアシッドブルー−9:三菱化学社製) 2部 ジベンジリデンソルビトール(イーシー科学社製) 3部 上記の組成物を用い、実施例1と同様にして、画像表示
用記録液2を得た。画像表示用記録液2におけるゲル化
剤の(I/O)gelは3.30、保湿剤の(I/O)
moistは3.30であった。したがって
【0048】
【数7】|(I/O)gel−(I/O)moist
【0049】は0.00であった。
【0050】 (比較例1) 水 78部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル (25℃における蒸気圧:0.01mmHg) 5部 グリセリン(25℃における蒸気圧:0.003mmHg) 5部 シアン染料(C.Iアシッドブルー−9:三菱化学社製) 2部 上記の組成物を水浴で40℃に加熱した状態でマグネチ
ックスターラーを用いて攪拌し、孔径0.25μmのメ
ンブランフィルターを用いて加圧ろ過し、画像表示用記
録液3を得た。
【0051】 (比較例2) 水 30部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル (25℃における蒸気圧:0.01mmHg) 70部 シアン染料(C.Iアシッドブルー−9:三菱化学社製) 2部 ジベンジリデンソルビトール(イーシー科学社製) 3部 上記の組成物を用い、実施例1と同様にして、画像表示
用記録液4を得た。画像表示用記録液4におけるゲル化
剤の(I/O)gelは3.30、保湿剤の(I/O)
moistは0.88であった。したがって、
【0052】
【数8】|(I/O)gel−(I/O)moist
【0053】は2.47であった。
【0054】 (実施例3) 水 30部 エチレングリコール(25℃における蒸気圧:0.05mmHg) 70部 シアン染料(C.Iアシッドブルー−9:三菱化学社製) 2部 ジベンジリデンソルビトール(イーシー科学社製) 3部 上記の組成物を用い、実施例1と同様にして、画像表示
用記録液5を得た。画像表示用記録液5におけるゲル化
剤の(I/O)gelは3.30、保湿剤の(I/O)
moistは5.00であった。したがって、
【0055】
【数9】|(I/O)gel−(I/O)moist
【0056】は、1.70であった。
【0057】 (実施例4) 水 30部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル (25℃における蒸気圧:0.1mmHg) 70部 シアン染料(C.Iアシッドブルー−9:三菱化学社製) 2部 ジベンジリデンソルビトール(イーシー科学社製) 3部 上記の組成物を用い、実施例1と同様にして、画像表示
用記録液6を得た。画像表示用記録液6におけるゲル化
剤の(I/O)gelは3.30、保湿剤の(I/O)
moistは1.40であった。したがって、
【0058】
【数10】|(I/O)gel−(I/O)moist
【0059】は、1.90であった。
【0060】 (比較例3) 水 30部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル (25℃における蒸気圧:1mmHg) 70部 シアン染料(C.Iアシッドブルー−9:三菱化学社製) 2部 ジベンジリデンソルビトール(イーシー科学社製) 3部 上記の組成物を用い、実施例1と同様にして、画像表示
用記録液7を得た。画像表示用記録液7におけるゲル化
剤の(I/O)gelは3.30、保湿剤の(I/O)
moistは1.17であった。したがって、
【0061】
【数11】|(I/O)gel−(I/O)moist
【0062】は、2.13であった。
【0063】(試験例1)実施例1〜4および比較例1
〜3で作成した画像表示用記録液について、以下のA、
B、Cの評価を行った。 A 蒸発テスト 容量0.5μl、長さ30mmの毛細管に各記録液を封入
し、両末端を開放して、温度25℃、湿度65%の環境
下に1週間放置し、封入直後と1週間後の各記録液の量
の変化を顕微鏡観察により確認した。
【0064】B 滲み評価テスト 図1に示す記録液滴滴下装置1を用い、図2の記録紙7
(普通紙L紙:富士ゼロックス社製)上に、各記録液2
をシリンジ3から1滴滴下し、記録紙7上に形成された
ドット径8の経時変化を測定した。結果を図3に示す。
図2中、5はゲルを示し、6はゲルから染み出した保湿
剤を示す。また、滴下した液滴の径と48時間後のドッ
ト径の比d48/d0を計算した。
【0065】C 実機テスト 市販のインクジェットプリンターを加熱印字できるよう
改造した印字装置に各記録液を充填し、各記録液の普通
紙上への印字テストを実施した。このようにして印字さ
れたサンプルの印字ドットを、拡大ルーペおよび光学顕
微鏡により観察した。さらに、ヘッドに各記録液を充填
したまま40℃の環境下にキャップ無しで1ヶ月間放置
し、その状態で再度印字テストを実施した。これらの結
果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】実施例1〜4の記録液は、比較例1〜3の
記録液と比較して、蒸発しにくく、しかも時間が経過し
てもドットの広がりがなかった。さらに、実施例1、2
のように低蒸気圧の保湿剤を用いた場合には、実機テス
トにおいて、実施例3、4と比べてメンテナンスが不要
で高画質を与えるものとなった。
【0068】
【発明の効果】本発明の画像表示用記録液は、記録紙上
でインクが固化し、しかも、固化したゲルからの滲み出
しがないことため、高画質の画像を提供することができ
る。また、蒸発しにくい保湿剤を添加することにより、
インクを固化させるための特別なシステムやノズルクリ
ーニングシステムが不要となり、システムが単純で、高
速化が可能な小型のインクジェットプリンターの提供が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】滲みテストに用いる記録液滴下装置を示す図で
ある。
【図2】滲みテストにおけるドット径の測定モデルを示
す図である。
【図3】滲みテストにおけるドット径の大きさの径時変
化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 加熱装置 2 画像表示用記録液 3 シリンジ 4 液滴 5 ゲル 6 ゲルから染み出した保湿剤 7 記録紙
フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA53 BA55 BA59 4J039 AB01 AB07 AD06 BA12 BA15 BC07 BC09 BC10 BC11 BC19 BC34 BC36 BE02 BE12 BE22 BE25 EA15 EA16 EA17 EA19 EA20 EA41 EA44 EA46 EA47 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、着色剤、保湿剤及びゲル化剤を含有
    する記録液であって、前記ゲル化剤の無機性と有機性の
    比(I/O)gelと前記保湿剤の無機性と有機性の比
    (I/O)moistが、下式(1) 【数1】 |(I/O)gel−(I/O)moist|≦2・・・・・(1) の関係にあることを特徴とする画像表示用記録液。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像表示用記録液を用
    いて、インクジェット記録方式により記録することを特
    徴とする画像形成方法。
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