JP4639758B2 - 液体吐出方式による立体造形物の造形方法 - Google Patents

液体吐出方式による立体造形物の造形方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出方式により液状体を吐出させ基板上に立体造形物を形成する造形方法に関する。
立体造形物を形成する造形方法として、特許文献1に開示された3次元造形装置を用いて、光硬化性の未硬化樹脂をノズルから吐出すると共に、ノズル近傍の該未硬化樹脂に光を照射することにより該未硬化樹脂を硬化させて所定の立体形状の造形物を形成する方法が知られている。
またディスペンサのノズルからカチオン型紫外線硬化性組成物を落下させ、紫外線光源ランプから発射された紫外線によって、落下している組成物に全周囲から紫外線照射しつつ型に注入し、所定時間経過後、型から硬化物を取り出し三次元物体を得る製造方法が特許文献2に開示されている。
特開平8−230048号公報 特開2001−96630号公報
上記従来の造形方法では、光硬化性物質を用いて立体造形物を形成しており未硬化物質を硬化させるための光照射装置が必要であるため、装置の構成が複雑になるという課題を有している。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、液体吐出方式により液状体を吐出させ基板上に所定の立体造形物を容易に形成することができる造形方法を提供することを目的とする。
本発明の造形方法は、吐出ヘッドのノズルから液状体を基板に向けて柱状に吐出させ基板上に立体造形物を形成する造形方法であって、液状体は、ノズルから吐出された後に固化するように原料が調合されたものであり、吐出ヘッドのノズルから液状体を柱状に吐出させ基板上に着弾させて第1層を形成する第1層形成工程と、第1層に対応する位置で吐出ヘッドのノズルから繰り返し液状体を柱状に吐出させ、第1層上に第2層以降の層を積層する積層工程とを備えたことを特徴とする。
この方法によれば、液状体は、ノズルから吐出された後に固化するように原料が調合されたものであるため、第1層形成工程で吐出ヘッドのノズルから液状体を柱状に吐出させ基板上に着弾させて第1層を形成し、積層工程で第1層の上に第2層以降が積層されるように第1層に対応する位置で吐出ヘッドのノズルから繰り返し液状体を柱状に吐出すれば、第1層上に固化して柱状に積層された立体造形物を容易に造形することができる。また光硬化性物質からなる液状体を吐出ヘッドから吐出させると共に吐出された液状体に光照射装置から光を照射して硬化させて立体造形物を造形する方法に比べて、光硬化性物質に対応した光照射装置が不要となり装置の構成を簡略化することができる。
上記液状体は、ゲル化剤が添加されたものであることを特徴とする。
この方法によれば、液状体にはゲル化剤が添加されているため、吐出ヘッドのノズルから液状体が吐出され基板上に着弾すると溶媒が蒸発することによってゲル化が促進される。したがって、第1層形成工程で形成された第1層上に積層工程で第2層以降が着弾してもゲル化によって形状が崩れにくく、容易に柱状の立体造形物を造形することができる。
また上記液状体は、吐出ヘッドのノズルから吐出され基板上に着弾したときにゲル化するようにゲル化剤の分子量および液状体の総量に対するゲル化剤の添加濃度が調整されていることが好ましい。
ゲル化剤はその種類によって分子量が異なり液状体の総量に対する添加濃度が同じでもゲル化後の弾性率や動的表面張力が異なる。液状体を吐出ヘッドから安定して柱状に吐出させるには適度の弾性率と動的表面張力を有することが必要であり、例えば弾性率が高く動的表面張力が小さい方が長く柱状に液状体を吐出することができる。このような物性値を制御することにより液状体の着弾後の塗布量が制御される。この方法によれば、液状体は吐出ヘッドのノズルから吐出され基板上に着弾したときにゲル化するようにゲル化剤の分子量および液状体の総量に対するゲル化剤の添加濃度が調整されているため、液状体は安定した長さで柱状に吐出されると共に着弾後にゲル化する液状体の塗布量を安定化することができる。したがって、第1層がゲル化した後に素早く第2層以降を積層することができ、積層工程では吐出ヘッドのノズルから繰り返し液状体を柱状に吐出させて形状が安定した柱状の立体造形物を造形することができる。
また上記液状体は、主成分が水からなる溶媒に機能性材料を溶解または分散させたものであり、添加されるゲル化剤は水溶性の高分子材料からなることを特徴とする。
この方法によれば、液状体は、主成分が水からなる溶媒に機能性材料を溶解または分散させたものにゲル化剤として水溶性の高分子材料を添加したものであるため、溶媒として有機溶剤を用いる場合に比べて、吐出ヘッドの構造や材質を溶媒に対応するように変更しなくても従来(公知)のインクジェットヘッドを用いて機能性材料からなる柱状の立体造形物を造形することができる。
また上記液状体は、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Sb、GaおよびInから選ばれた1種以上からなる金属、合金、金属酸化物からなる微粒子分散液または溶液であることを特徴とする。
この方法によれば、液状体は、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Sb、GaおよびInから選ばれた1種以上からなる金属、合金、金属酸化物からなる微粒子分散液または溶液であるため、第1層形成工程と積層工程とにおいて、該液状体を吐出ヘッドのノズルから柱状に吐出して基板上に造形された柱状の立体造形物を加熱して焼成すれば、溶媒成分が除去され微粒子が焼結した導電性を有する立体造形物を造形することができる。
また本発明の造形方法において、第1層形成工程と積層工程は、基板上に着弾した液状体をゲル化させるゲル化工程を含むことを特徴とする。
この方法によれば、第1層形成工程と積層工程は、基板上に着弾した液状体をゲル化させるゲル化工程を含んでいるため、着弾後の液状体の溶媒の自然蒸発を待たずにゲル化が促進されることにより、基板上に効率的に柱状の立体造形物を造形することができる。
上記ゲル化工程では、基板上に着弾した液状体を乾燥させることによりゲル化させることを特徴とする。この方法によれば、着弾後の液状体を乾燥させることにより溶媒の蒸発を促進し素早くゲル化させて基板上により効率的に柱状の立体造形物を造形することができる。
また上記ゲル化工程では、吐出ヘッドと基板との間に気体を流すことによって基板上に着弾した液状体を乾燥させてゲル化させることが好ましい。吐出ヘッドの複数のノズルから液状体を柱状に吐出させ複数の立体造形物を同時に造形しようとする場合、基板上の着弾範囲の周辺に着弾した液状体からの溶媒の蒸発速度が速くなる傾向があるため、この方法によれば、吐出ヘッドと基板との間に気体を流すことによって溶媒の蒸発速度を均衡化して造形された複数の立体造形物間の大きさにバラツキが生じることを低減することができる。
また上記ゲル化工程では、基板を加温することによって基板上に着弾した液状体を乾燥させてゲル化させてもよい。この方法によれば、基板を加温することによって着弾した液状体を乾燥させてゲル化させるため、基板上のいずれの表面部位に着弾した液状体も加温されて溶媒が蒸発し素早くゲル化させることができる。また基板を加温することによって積極的に着弾した液状体を乾燥させるため、少ないゲル化剤の添加濃度でもゲル化させることができる。
また上記ゲル工程では、吐出ヘッドと基板との間に気体を流すと共に基板を加温することによって基板上に着弾した液状体を乾燥させてゲル化させてもよい。この方法によれば、吐出ヘッドの複数のノズルから液状体を柱状に吐出させ複数の立体造形物を同時に造形しようとする場合、吐出ヘッドと基板との間に気体を流すと共に基板を加温することによって基板上に着弾した液状体を乾燥させてゲル化させるため、大きさにバラツキが少なくかつ素早く複数の立体造形物を造形することができる。
本発明の造形方法において、積層工程では、基板上の第1層上に液状体を着弾させて第2層以降の層を積層する際に、吐出ヘッドと基板との間のギャップを徐々に大きくして吐出ヘッドのノズルから液状体を柱状に吐出させて着弾させることを特徴とする。
吐出ヘッドと基板との間のギャップを一定の間隔で保持して同じ液状体の吐出条件で吐出させて積層すると、積層後の造形物と吐出ヘッドの間のギャップが短くなってゆくため、第2層以降の層に着弾する液状体の量が増えてしまう。これをさけるために積層工程で液状体の吐出の度に吐出条件を変えることは吐出制御が複雑になる。この方法によれば、積層工程では、吐出ヘッドと基板との間のギャップを徐々に大きくして基板上の第1層上に液状体を着弾させ第2層以降の層を積層させるため、液状体の吐出条件を変えずに一定の長さで柱状に吐出させて第1層上に第2層以降の層を安定した液状体の量で積層することができる。よって形状がより安定した柱状の立体造形物を造形することができる。
また本発明の造形方法において、基板には、液状体が着弾する面側に液状体に対して撥液性を有するように表面処理が施されていることを特徴とする。
この方法によれば、基板には液状体に対して撥液性を有するように表面処理が施されているため、着弾した液状体は基板上に濡れ広がらずに液状体の量と表面張力に応じた大きさの範囲で形状が安定する。よってより小さな着弾径で液状体を基板に着弾させることができる。すなわち平面視でより小さな径の第1層を有する立体造形物を造形することができる。
また本発明の造形方法において、基板には、液状体が着弾する面側に液状体に対して親液性を有するように表面処理が施されていることを特徴とする。
この方法によれば、基板には、液状体に対して親液性を有するように表面処理が施されているため、着弾した液状体は基板上に濡れ広がり液状体の量と表面張力に応じた大きさの範囲で形状が安定する。よって第1層をより広範囲に着弾させた状態でその上に第2層以降を積層することができる。すなわち平面視でより大きな径の第1層を有する立体造形物を造形することができる。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態は、立体造形物を基板上に造形する造形方法であり、機能性材料としての導電物質を溶媒に分散させゲル化剤が添加された液状体を用い、基板上に導電性を有する立体造形物を造形する造形方法および造形装置としての液体吐出装置を例に説明する。
まず立体造形物を造形する際に用いる液体吐出装置について説明する。図1は、液体吐出装置を示す概略斜視図である。図1に示すように液体吐出装置10は、基板Wに液状体を吐出する液体吐出部としての複数の吐出ヘッド20(図2参照)を有するヘッドユニット1と、基板Wが載置されるステージ7とを備えている。またヘッドユニット1を副走査方向(X方向)に駆動するためのX方向ガイド軸4と、ステージ7を主走査方向(Y方向)に駆動するためのY方向ガイド軸5と、X方向ガイド軸4を回転させるX方向駆動モータ2と、Y方向ガイド軸5を回転させるY方向駆動モータ3とを備えている。X方向ガイド軸4およびY方向ガイド軸5は基台9の上部に配設され、基台9の下部には制御部6が備えられている。さらに液体吐出装置10は、ヘッドユニット1をクリーニングするためのクリーニング機構8および吐出された液状体を加熱し溶媒を蒸発・乾燥させて焼成するためのヒータ11とを備えている。
ヘッドユニット1の複数の吐出ヘッド20は、制御部6から供給される吐出電圧に応じてノズル毎個別に液状体を吐出できるようになっている。この吐出ヘッド20については後述する。
X方向駆動モータ2は、これに限定されるものではないが例えばステッピングモータ等であり、制御部6からX軸方向の駆動パルス信号が供給されると、X方向ガイド軸4を回転させ、X方向ガイド軸4に係合したヘッドユニット1をX方向に移動させる。
同様にY方向駆動モータ3,18は、これに限定されるものではないが例えばステッピングモータ等であり、制御部6からY軸方向の駆動パルス信号が供給されると、Y方向ガイド軸5を回転させ、Y方向ガイド軸5に係合したステージ7およびクリーニング機構8をY軸方向に移動させる。
クリーニング機構8は、ヘッドユニット1をクリーニングする際には、ヘッドユニット1を臨む位置に移動し、吐出ヘッド20のノズル面に密着して不要な液状体を吸引するキャッピング動作や液状体が付着したノズル面26(図2参照)を拭き取るワイピング動作を行う。クリーニング機構8の詳細は省略する。
ヒータ11は、例えばランプアニールにより基板Wを熱処理する手段であり、基板W上に吐出された液状体の蒸発・乾燥を行ない固化させるための熱処理を行うようになっている。このヒータ11の電源の投入及び遮断も制御部6によって制御される。尚、ステージ7の内部にも基板Wを加温可能な発熱体からなるヒータ19(図8(b)参照)を備えている。ヒータ11,19の構成は、これに限定されるものではない。
液体吐出装置10の動作は、制御部6から所定の駆動パルス信号をX方向駆動モータ2およびY方向駆動モータ3とに送り、ヘッドユニット1を副走査方向(X方向)に、ステージ7を主走査方向(Y方向)に相対移動させる。そして、制御部6から吐出電圧を供給しヘッドユニット1から基板Wの所定の位置に液状体を吐出させる。複数の吐出ヘッド20は、複数のノズル25(図2参照)の配列方向が主走査方向であるY軸方向に一定の間隔で並列するようにヘッドユニット1に支持されている。尚、ヘッドユニット1の角度を調整し、Y軸方向(主走査方向)に対して複数のノズル25の配列方向を交差させるようにしてもよい。このようにすれば、吐出ヘッド20のノズル間のピッチを基板Wに対して相対的に調節することが出来る。また、ヘッドユニット1は吐出ヘッド20をZ方向に上下させるアクチュエータ27(図2参照)を備え、基板Wとノズル面26との距離を所定の範囲で任意に設定することができる。
図2は、吐出ヘッドを含む液状体の吐出機構を示す概略図である。図2に示すように吐出ヘッド20は、ノズル25に連通した液体室21と、液体室21に充填された液状体12を加圧するピエゾ素子22とによって構成されている。液体室21には、液状体12を収容する材料タンクを含む液状体供給系23から液状体12が供給される。ピエゾ素子22は制御部6に備えられた駆動回路24に電気的に接続されており、この駆動回路24からピエゾ素子22に駆動電圧(吐出電圧)を印加してピエゾ素子22を変形させることにより、液体室21が変形しノズル25から液状体12が吐出される。この場合、駆動電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み量が制御される。また、駆動電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み速度が制御される。吐出ヘッド20から柱状に吐出される液状体12の吐出量および長さは、駆動回路24からピエゾ素子22に供給される駆動電圧(吐出電圧)や周波数によって調整することができる。ピエゾ方式による吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
図3は、吐出ヘッドのピエゾ素子に与える駆動電圧の波形を示すグラフである。図3に示すように、この場合の駆動電圧の波形は、勾配を有する台形波であり、印加時間およそ8μsec、最大電圧30V、周波数1kHzである。
次に上記液体吐出装置10を用いた本発明の一実施形態である立体造形物の造形方法について図を参照しながら説明する。
図4は、立体造形物の造形方法を示すフローチャートである。図4のフローチャートに示すように本実施形態の造形方法は、吐出ヘッド20のノズル25から液状体12を柱状に吐出させ基板W上に着弾させて第1層を形成する第1層形成工程と、第1層に対応する位置で吐出ヘッド20のノズル25から繰り返し液状体12を柱状に吐出させ、第1層上に第2層以降の層を積層する積層工程と、積層された液状体12からなる層を加熱して焼成する焼成工程とを備えている。また基板W上に着弾した液状体12をゲル化させるゲル化工程を備えている。尚、図4のフローチャートでは、ゲル化工程を分けて表示したが基本的には第1層形成工程と積層工程とに含まれるものである。
液状体12は、ノズル25から吐出された後にゲル化(固化)するように原料が調合されたものであって、主溶媒としての水に機能性材料としてATO(Antimony Tin Oxide;アンチモンスズ酸化物)をおよそ1wt%に分散させ、ゲル化剤として水溶性の高分子材料であるポリジメチルアクリルアミドを液状体12の総量に対して添加濃度0.7wt%となるように添加したものを用いた。ポリジメチルアクリルアミドの分子量は、およそ380000であり200000〜500000程度が望ましい。これにより液状体12は適度の弾性率と動的表面張力を有し吐出ヘッド20に所定の駆動電圧(吐出電圧)を与えるとノズル25から柱状に吐出され基板Wに着弾したときにゲル化する。ゲル化のメカニズムは、溶媒中に存在する長分子のゲル化剤が溶媒の蒸発や加熱等により長分子同士が絡み合うあるいは網目状となって成長することによるものである。
尚、液状体12は、特にAu、Ag、Cu、Ni、Mnの金属やこれらの金属の合金、あるいは金属酸化物としてのATO、ITO(Indium Tin Oxide)を機能性材料とした微粒子分散液または溶液が好ましい。
図5(a)〜(c)は、第1層形成工程の状態を示す概略図である。同図(a)に示すようにステップS1の第1層形成工程では、吐出ヘッド20はステージ7に載置された基板Wに対して所定の間隔L0(本例ではおよそ200μm)で対向配置されている。図3に示した駆動電圧をピエゾ素子22に与えると駆動電圧が正勾配にあるときにピエゾ素子22が収縮して液体室21が拡張することにより液状体12は液状体供給系23から液体室21に流入する。続いて駆動電圧が負勾配にあるときにピエゾ素子22が元の状態に戻ろうとして液体室21を加圧してノズル25から充填された液状体12が吐出される。液状体12は、添加されたゲル化剤としての高分子材料によって適度の粘度を有し柱状に吐出される。
同図(b)に示すように柱状に吐出された液状体12は、その先端部が基板Wに着弾して基板Wの表面処理状態に応じて濡れ広がる。
同図(c)に示すように、ピエゾ素子22への駆動電圧印加が終了すると、液状体12はその弾性力によりノズル25内に戻ろうとする。このとき柱状の液状体12はその動的表面張力、密度、粘度およびノズル25の径等によって波長が左右されるレイリー波の節によって引きちぎられ切断される。引きちぎられた液状体12の一方はノズル25内に戻り、他方は基板Wに着弾して濡れ広がる。
次にステップS2のゲル化工程では、着弾して基板W上に濡れ広がった液状体12は、その溶媒成分が蒸発しゲル化が促進されて固まり図5(c)に示すように第1層13が形成される。ゲル化工程の詳細については後述する。そしてステップS3へ進む。
図6(a)〜(c)は、積層工程の状態を示す概略図である。図6(a)に示すようにステップS3の積層工程では、吐出ヘッド20は基板Wに対して間隔L0よりもやや大きめの間隔L1で対向配置されている。第1層13に対応する位置で吐出ヘッド20のノズル25から液状体12を柱状に吐出して第1層13に着弾させる。着弾した液状体12はステップS1と同様に引きちぎられる。引きちぎられた液状体12の一方はノズル25内に戻り、他方は第1層13に積層される。そしてステップS4へ進む。
ステップS4のゲル化工程では、積層された液状体12はゲル化し第2層14が形成される。そしてステップS5へ進む。
ステップS5は、所定の吐出回数で液状体12が積層されたか否か判定する工程である。所定の吐出回数で積層されていなければ再びステップS3に戻って積層を繰り返す。
再びステップS3に戻って積層を繰り返す場合は、図6(b)に示すように、吐出ヘッド20と基板Wとを間隔L2(L2>L1)としてノズル25から液状体12を第2層14に向かって柱状に吐出させる。第2層14に着弾した液状体12は、引きちぎられゲル化して第3層15が積層された立体造形物15aが形成される。
さらにステップS3〜ステップS4の積層工程を繰り返す場合は、図6(c)に示すように、吐出ヘッド20と基板Wとを間隔L3(L3>L2)としてノズル25から液状体12を第3層15が積層された立体造形物15aに向かって柱状に吐出させる。立体造形物15aに着弾した液状体12は、引きちぎられゲル化して第4層16が積層された立体造形物16aが形成される。以上のように積層工程では、吐出ヘッド20と基板Wとの間のギャップ(間隔)を徐々に大きくして第1層13上に液状体12を繰り返し着弾させて第2層14以降の層を積層する。尚、積層工程における液状体12の吐出回数は、制御部6によってカウントされ制御される。
次にステップS5で所定の吐出回数で液状体12が積層されたと制御部6が判定すると、このようにして造形された立体造形物16aは、ステップS6の焼成工程において液体吐出装置10に設けられたヒータ11によって加熱処理されることにより溶媒が蒸発して焼成され導電性を有する立体造形物16aとなる。尚、ヒータ11を焼成炉等の別装置としてそこへ立体造形物16aが形成された基板Wを投入して焼成してもよい。
図7は、基板の表面処理状態による着弾状態を示す概略図である。同図(a)は基板表面を撥液処理した場合の着弾状態を示す概略図、同図(b)は基板表面を親液処理した場合の着弾状態を示す概略図である。
図7(a)に示すように本実施形態では、基板Wは表面17に撥液処理を施して撥液処理面17aが形成されている。撥液処理の方法としては、例えば基板Wの表面17に含フッ素アルキルシラン化合物等の有機薄膜を形成する方法、処理ガスとしてフルオロカーボン系化合物等を用いたプラズマ処理法、撥液性の高分子化合物(例えば含フッ素ポリイミド樹脂等)を塗布する方法等が挙げられる。
このように基板Wの表面17を撥液処理することにより、着弾した液状体12は基板Wの表面17に濡れ広がりにくく着弾径をより小径とすることができる。したがって、基板W上に高密度に柱状の立体造形物を造形しようとする場合は、表面17を液状体12に対して撥液性を有するように表面処理することが望ましい。
一方で図7(b)に示すように基板Wの表面17を親液処理して親液処理面17bを形成することも有効な手段となる。基板Wの表面17を親液処理することにより、着弾した液状体12は基板Wの表面17に濡れ広がり着弾径をより大径とすることができる。例えば第1層同士を繋げた状態でその上に第2層以降が形成された複数の立体造形物を造形しようとする場合は、表面17を液状体12に対して親液性を有するように表面処理することが望ましい。
親液処理の方法としては、例えば酸化チタン等の光触媒を表面17に塗布した後に紫外線を照射して親液性を持たせる方法、処理ガスとして酸素(O2)をもちいてプラズマ処理する方法等が挙げられる。
次に第1層形成工程と積層工程に含まれるゲル化工程について説明する。図8は、ゲル化工程の状態を示す概略図である。同図(a)は自然乾燥によるゲル化の状態を示す概略図、同図(b)は積極的な乾燥によるゲル化の状態を示す概略図である。
図8(a)に示すように第1層形成工程で吐出ヘッド20の複数のノズル25から液状体12を吐出させ基板Wに着弾させて第1層13を形成し、積層工程で同様にして複数のノズル25から液状体12を吐出させて第2層を積層し自然乾燥させた場合、着弾位置によって液状体12の溶媒である水の蒸発速度が異なってしまう。特に複数の液状体12の着弾領域の周辺域の蒸発速度が速くなるためゲル化速度も同様に速くなって周辺域の第2層14bに比べ内側の第2層14aの高さが低くなる。すなわち柱状の立体造形物の造形速度が着弾領域の中央部に行くほど遅くなってしまう。
本実施形態ではこのような造形速度のバラツキを改善するために、図8(b)に示すように送風機28を用いて吐出ヘッド20と基板Wとの間に気体としての空気をおよそ1m/secで一定方向に流すようにしている。またステージ7に設けられたヒータ19により基板Wをおよそ100℃に加温している。尚、液状体12の材料構成により溶媒の蒸発速度やゲル化速度が変化することが考えられるため着弾した液状体12をゲル化するゲル化工程では、上記の乾燥方法のいずれかを選択して採用してもよい。尚、送風機28に限らず、一定方向に空気が流れるように吐出ヘッド20と基板Wとの間に対応する位置で排気してもよい。
本実施形態では、積層工程でおよそ10000回に渡って液状体12を第1層13に着弾させ積層してゲル化させたところ、高さおよそ100μm、直径およそ25〜40μmのATOからなる柱状の立体造形物が造形された。
第1の実施形態の効果は、以下のとおりである。
(1)本実施形態の立体造形物の造形方法は、液状体12にゲル化剤として水溶性の高分子材料であるポリジメチルアクリルアミドが添加されており、第1層形成工程では吐出ヘッド20のノズル25から液状体12を柱状に吐出させ基板W上に着弾させて第1層13を形成し、積層工程では第1層13の上に第2層14以降が積層されるように第1層13に対応する位置で繰り返し液状体12が柱状に吐出される。したがって、第1層13上にゲル化して柱状に積層された立体造形物16aを基板W上に容易に造形することができる。また光硬化性物質からなる液状体を吐出ヘッド20から吐出させると共に吐出された液状体に光照射装置から光を照射して硬化させて立体造形物を造形する方法に比べて、光硬化性物質に対応した光照射装置が不要となり装置の構成を簡略化することが可能である。
(2)液状体12は主溶媒としての水に機能性材料としてのATOを分散させると共にゲル化剤としてポリジメチルアクリルアミドが添加されているため、基板W上に着弾したときに溶媒が蒸発することによってゲル化が促進される。したがって、第1層13がゲル化した後に素早く第2層14以降を積層することができ、積層工程で形状が崩れにくく、容易に柱状の立体造形物16aを造形することができる。
(3)液状体12は基板W上に着弾したときにゲル化するようにゲル化剤としてのポリジメチルアクリルアミドの分子量をおよそ380000とし、添加濃度をおよそ0.7wt%に調整されているため、液状体12は安定した長さで柱状に吐出されると共に着弾後にゲル化する液状体12の塗布量を安定化することができる。また着弾後直ちにゲル化するので少ない吐出回数でより高い柱状の立体造形物16aを形成することができる。
(4)液状体12は、溶媒として有機溶剤を用いた場合は、吐出ヘッド20を構成する材料および表面処理等が有機溶媒によって侵食されないようにその構造や材質を変更する必要があるが、この場合、主成分が水からなる溶媒に機能性材料としてのATOを分散させ、ゲル化剤として水溶性の高分子材料であるポリジメチルアクリルアミドが添加されているため、吐出ヘッド20を構成する材料および表面処理等を変更しなくても記録用のインクを吐出するインクジェットヘッドを用いてATOからなる柱状の立体造形物16aを造形することができる。
(5)第1層形成工程と積層工程に含まれるゲル化工程では、吐出ヘッド20と基板Wとの間に気体としての空気を一定方向に流すと共に基板Wをおよそ100℃に加温することによって基板W上に着弾した液状体12を乾燥させてゲル化させるため、基板W上に一度に複数の液状体12を着弾させても、その着弾位置間の大きさのバラツキを少なくして素早く複数の立体造形物16aを造形することができる。
(6)積層工程では、吐出ヘッド20と基板Wとの間のギャップ(間隔)を徐々に大きくして基板W上の第1層13上に液状体12を着弾させ第2層14以降の層を積層させるため、液状体12の吐出条件を変えずに一定の長さで柱状に吐出させて第1層13上に第2層14以降の層を安定した液状体12の塗布量で積層することができる。よって形状がより安定した柱状の立体造形物16aを造形することができる。また吐出された液状体12がちぎれずに吐出ヘッド20のノズル25に繋がったままゲル化する事態を防ぐこともできる。
(7)基板Wの表面17に液状体12に対して撥液性を有するように撥液処理を施した場合、着弾した液状体12は基板W上に濡れ広がらずに液状体12の量と表面張力に応じた大きさの範囲で形状が安定する。よってより小さな着弾径で液状体12を基板Wに着弾させることができる。すなわち平面視でより小さな径の第1層13を有する立体造形物16aを造形することができる。
(8)基板Wの表面17に液状体12に対して親液性を有するように親液処理を施した場合、着弾した液状体12は基板W上に濡れ広がって液状体12の量と表面張力に応じた大きさの範囲で形状が安定する。よってより大きな着弾径で液状体12を基板Wに着弾させることができる。すなわち平面視でより大きな径の第1層13を有する立体造形物16aを造形することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、基板W上に複数層の金属配線を形成し、複数層の金属配線間を導通させる層間導通部を第1の実施形態に示した造形方法を用いて形成する多層配線基板の製造方法を示すものである。
この場合、液状体は、主溶媒としての水に機能性材料としてAg粒子を分散させ、ゲル化剤としてポリジメチルアクリルアミドを添加濃度0.7wt%で添加した導電性液状体30を用いている。
また基板Wはガラス基板を用い、あらかじめ表面処理として金属配線が形成される部位を親液処理し他の部位を撥液処理している。親液処理および撥液処理は第1の実施形態で前述した方法が用いられる。
図9(a)〜(g)は、多層配線基板の製造方法を示す概略断面図である。まず同図(a)に示すように吐出ヘッド20のノズル25から導電性液状体30を柱状に吐出させ基板W上の金属配線が形成される部位に着弾させる。
同図(b)に示すように着弾した導電性液状体30は引きちぎられて親液処理された部位に沿って濡れ広がりゲル化して第1層31が形成される。導電性液状体30の着弾位置は、当然のことながら金属配線の配線方向に沿う位置となる。
尚、基板Wの表面を撥液処理し、小径に着弾させた導電性液状体30を繋ぎ合わせる位置で再び着弾させて第1層31を形成してもよい。着弾した導電性液状体30の乾燥速度を調整しゲル化速度を遅くすれば先の着弾と後の着弾とをレベリングさせて所定の膜厚を有する第1層31の形成が可能である。
次に同図(c)に示すように金属配線を形成しようとする部位に同様に導電性液状体30を繰り返し着弾させ第1層31を形成してゆくことにより金属配線層32を完成させる。
次に同図(d)に示すように以降に形成される金属配線層に対応して導通が必要な位置に導電性液状体30を着弾させてそれぞれ必要な高さとなるように積層する。これにより層間導通部33,34,35が金属配線層32上に形成される。これらの層間導通部33,34,35、金属配線層32は導通性を持たせるために所定の温度に基板Wを加熱して焼成される。そして層間導通部33,34,35を形成した後に表面全体をO2プラズマ処理して親液性を持たせ、層間絶縁層40としてポリイミド樹脂等の絶縁材料を全面に塗布する。塗布方法としてはスプレーコート、スピンコート等の方法を用いればよい。層間絶縁層40の膜厚は、この場合、層間導通部33,34が層間絶縁層40をわずかに突き抜ける程度とする。基板Wに乾燥を施すことにより塗布された層間絶縁層40は溶媒成分が除去され成膜される。
次に同図(e)に示すように層間絶縁層40の上に2層目の金属配線層36を形成する。この場合、層間絶縁層40の表面は撥液性を有しているため先に述べたように導電性液状体30を繋ぎ合わせるように着弾させて金属配線層36を形成する。金属配線層36は、層間導通部33,34で1層目の金属配線層32と導通するように形成する。
次に同図(f)に示すように金属配線層36が形成された面に先に形成した層間絶縁層40と同様にして層間絶縁層41を形成する。このとき層間導通部35が層間絶縁層41よりもわずかに突き抜けるように絶縁材料を塗布して乾燥させ層間絶縁層41を成膜する。
次に同図(g)に示すように層間絶縁層41の上に2層目の金属配線層36と同様にして3層目の金属配線層37を形成する。金属配線層37は、層間導通部35で1層目の金属配線層32と導通するように形成する。
以上のようにして1層目の金属配線層32が2層目の金属配線層36および3層目の金属配線層37と所定の位置で導通した多層配線基板が完成する。なおさらに金属配線層を積層して4層以上の多層配線基板とすることも可能である。
第2の実施形態の効果は、以下のとおりである。
(1)第2の実施形態の多層配線基板の製造方法は、金属配線層32,36,37間を繋ぐ層間導通部33,34,35を1層目の金属配線層32の上に吐出ヘッド20のノズル25から導電性液状体30を柱状に吐出させ積層して形成するため、例えば各層間絶縁層40,41の形成の度に層間導通部を形成する箇所をマスキングや穴あけ等の方法で開口させ、その開口部に導電材料を配設させるような製造工程を削減することができる。
(2)層間導通部33,34,35は、吐出ヘッド20のノズル25から導電性液状体30を柱状に吐出させ積層して形成されるため、各層間絶縁層40,41の層間導通部位をマスキングや穴あけ等の方法で形成する場合に比べて細密な金属配線層32の上に容易に層間導通部33,34,35を形成することができる。
(3)導電性液状体30は、基板Wに着弾したときにゲル化するようにゲル化剤の分子量や添加量が調整されているため、安定した形状を有する立体造形物としての層間導通部33,34,35を形成することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、Spindt型FED(Field Emission Display)の電子放出部の製造方法を示すものである。
まずSpindt型FEDについて簡単に説明する。図10は、代表的なSpindt型FEDの構造を示す概略断面図である。
図10(a)に示すようにSpindt型FED50は、蛍光体52と蛍光体52を覆うように形成されたアノード電極53を有するガラス基板51と、カソード電極55とカソード電極55上に形成された電子放出部としてのエミッタ電極58とゲート電極57を有するガラス基板54とによって構成されている。ガラス基板51とガラス基板54は対向配置され真空状態として密閉されている。
図10(b)は同図(a)のA部を拡大した概略断面図である。同図(b)に示すように電子放出部としてのエミッタ電極58は、微小な円錐状の金属または半導体から形成されている。ゲート電極57はカソード電極55上に形成された絶縁層56上に形成され、電子が放出されるエミッタ電極58の先端部を取り巻くように形成されている。
Spindt型FED50の動作は、カソード電極55とゲート電極57との間にゲート電圧Vdを印加し、ゲート電極57とアノード電極53との間に加速電圧Vaを印加すると、エミッタ電極58の先端部からトンネル現象によって真空中に放出される電子(e-)は、アノード電極53に向かって加速される。電子は蛍光体52と衝突してこれを励起し発光させる。蛍光体52を画素としてガラス基板51上に配置することによって自発光型のディスプレーとして機能する。
図11(a)〜(d)は電子放出部の製造方法を示す概略断面図である。まず同図(a)に示すようにガラス基板54上にカソード電極55、絶縁層56、ゲート電極57を順に真空蒸着法あるいはスパッタ法でそれぞれ該当する公知の材料を用いて成膜して積層する。
次に同図(b)に示すようにエミッタ電極58に対応する位置でゲート電極57をエッチングして開口部57aを形成する。これにより絶縁層56の表面56aが開口部57aに露出する。
次に同図(c)に示すようにゲート電極57の開口部57a以外をレジストで覆って絶縁層56を表面56aからエッチングする。これによりカソード電極55の表面55aを露出させる。
次に同図(d)に示すように吐出ヘッド20のノズル25から金属液状体60を柱状に吐出させカソード電極55の表面55aに着弾させて第1層61を形成する。続いて第1層61の上に繰り返し金属液状体60を柱状に吐出させ積層することによって先端部が略円錐状の立体造形物62を形成する。この場合、金属液状体60は、主溶媒としての水に金属材料としてMo(モリブデン)微粒子を分散させゲル化剤を添加したものを用いる。ガラス基板54を所定の温度に加熱して第1層61と立体造形物62を焼成し導通性を持たせることによって電子放出部としてのエミッタ電極58とすることができる。
第3の実施形態の効果は、以下のとおりである。
(1)第3の実施形態の電子放出部の製造方法は、吐出ヘッド20のノズル25から金属液状体60を柱状に吐出させカソード電極55の表面55aに着弾させて積層し電子放出部としての立体造形物62を形成するため、エミッタ電極58を斜め蒸着法で形成し後にゲート電極57上に膜付けされた犠牲膜を剥離する方法に比べて真空蒸着工程、エッチング工程等の工程を省いて電子放出部を形成することができる。
上記実施形態以外の変形例は、以下のとおりである。
(変形例1)吐出ヘッド20において液状体12を加圧する手段はピエゾ素子22に限定されない。例えばノズル25に連通する液体室21の一面を振動板部とし、この振動板部に対向配置された電極との間に電圧を印加して静電気力により振動板部を変位させて液状体12を加圧する静電方式としてもよい。これによればピエゾ素子22と同様に液状体12を加熱することなくノズル25から吐出することができる。
(変形例2)水溶性の高分子材料からなるゲル化剤は、ポリジメチルアクリルアミドに限定されない。例えば合成高分子のポリアクリルアミド、カルボキシビニルポリマー、天然高分子では寒天、ゼラチン、カラギーナン、ペクチン、グルコマンナン等の有機物質を用いる。そして分子量、添加濃度を液状体12が着弾した後に柱状が崩れる前にゲル化するように決めればよい。
(変形例3)第1の実施形態において、液状体12は着弾後しばらくしてからゲル化してもよい。基板Wの表面17が撥液処理されていれば着弾した液状体12は球状になって高さを有る程度かせぐことができ、次層を積層する液状体12の吐出時には前層がゲル化して次層を乾燥なしにすぐに積層することができる。
(変形例4)第1の実施形態において、吐出ヘッド20のピエゾ素子22に印加される駆動電圧波形は、正電圧の台形波に限定されない。例えば極性の異なる波形の組み合わせとしてもよい。これによれば正方向の電圧に対して負方向の電圧をピエゾ素子22に与えることによりピエゾ素子22の残留震動を抑制することができる。これによれば負方向の電圧を与えるとピエゾ素子22は拡張するので柱状に吐出された液状体12に余計な震動を与えずに強制的に引き込んで効率よく引きちぎることができる。
(変形例5)第1の実施形態において、吐出ヘッド20と基板Wとは所定の間隔で対向配置させたが、積層工程で吐出ヘッド20と基板Wとがどちらか一方に対して傾きを持つように配置すれば、ノズル25から液状体12を柱状に吐出させ第1層13上に着弾させて第2層14以降を傾斜させて積層することも可能である。
(変形例6)第1の実施形態において、基板Wの液状体12が着弾する面側を撥液処理したが、基板Wとして用いられる材料自体が撥液性を有する場合は、撥液処理を施こさなくてもよい。
(変形例7)第2の実施形態において、導電性液状体30の機能性材料は、Agに限定されない。例えばAu、Al、Cu、Ni等の金属やこれらの合金を用いることもできる。
(変形例8)第2の実施形態において、基板Wはガラス基板に限定されない。例えばセラミックス基板、ガラスエポキシ等の樹脂基板、ポリイミド等の耐熱性樹脂フィルムを用いてもよい。
(変形例9)第3の実施形態において、金属液状体60の機能性材料は、Mo(モリブデン)に限定されない。例えばSi、Ti、W等の高融点金属を用いることもできる。
(変形例10)ゲル化剤以外に液状体12に柱状吐出を可能にするための粘性を付与するために他の樹脂を添加してもよい。
(変形例11)液状体12には、必ずしもゲル化剤を添加しなくてもよい。例えば液状体12の組成として嫌気性硬化型の樹脂成分を含むようにすれば、ノズル25から吐出される液状体12を空気に触れて硬化させることができる。
液体吐出装置を示す概略斜視図。 吐出ヘッドを含む液状体の吐出機構を示す概略図。 吐出ヘッドのピエゾ素子に与える駆動電圧の波形を示すグラフ。 立体造形物の造形方法を示すフローチャート。 (a)〜(c)第1層形成工程の状態を示す概略図。 (a)〜(c)積層工程の状態を示す概略図。 基板の表面処理状態による着弾状態を示す概略図。 ゲル化工程の状態を示す概略図。 (a)〜(g)多層配線基板の製造方法を示す概略断面図。 代表的なSpindt型FEDの構造を示す概略断面図。 (a)〜(d)電子放出部の製造方法を示す概略断面図。
符号の説明
10…液体吐出装置、12…液状体、13…第1層、14…第2層、17…液状体が着弾する面としての表面、20…吐出ヘッド、25…ノズル、30…液状体としての導電性液状体、60…液状体としての金属液状体、L0〜L3…ギャップとしての間隔、W…基板。

Claims (2)

  1. 吐出ヘッドのノズルから液状体を基板に向けて柱状に吐出させ前記基板上に立体造形物を形成する造形方法であって、
    前記液状体は、前記ノズルから柱状に吐出された後に固化するように原料が調合されたものであり、
    前記液状体は、水と、分子量が200000以上500000以下のポリジメチルアクリルアミドとを含むものであり、
    前記吐出ヘッドの前記ノズルから前記液状体を柱状に吐出させ前記基板上に着弾させて第1層を形成する第1層形成工程と、
    前記第1層に対応する位置で前記吐出ヘッドの前記ノズルから繰り返し前記液状体を柱状に吐出させ、前記第1層上に第2層以降の層を積層する積層工程と
    を備えたことを特徴とする造形方法。
  2. 前記液状体は、前記水と、分子量が380000の前記ポリジメチルアクリルアミドと、ATO(アンチモンスズ酸化物)とを含み、
    前記液状体に対する前記ポリジメチルアクリルアミドの含有率は、0.7重量パーセントであり、
    前記液状体に対する前記ATO(アンチモンスズ酸化物)の含有率は、1重量パーセントである、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の造形方法。
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