JP3027982B2 - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物

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JP3027982B2
JP3027982B2 JP3354893A JP3354893A JP3027982B2 JP 3027982 B2 JP3027982 B2 JP 3027982B2 JP 3354893 A JP3354893 A JP 3354893A JP 3354893 A JP3354893 A JP 3354893A JP 3027982 B2 JP3027982 B2 JP 3027982B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク組成物に関し、
さらに詳細には、インクジェット方式により被記録材に
記録を行うためのインク組成物(以下、「インクジェッ
ト記録用インク組成物」という。)に関する。
【従来の技術】インクジェット方式の記録装置は、ノズ
ル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体あるい
は溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録
を行うものである。インクを吐出する方法としては、静
電誘引力を利用してインクを吐出させる電界制御方式、
ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出させるド
ロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、高熱によ
ってインク内に気泡を形成し、成長させる事によって生
じる圧力を利用してインクを吐出させるサーマルインク
ジェット方式等の各種方式が提案されており、これらの
方式により、極めて高精細の画像を得ることができる。
このようなインクジェット記録方式に使用するインク組
成物としては、各種の水溶性の染料または顔料を、水ま
たは水と水溶性有機溶剤からなる液媒体に溶解または分
散させたものが知られ、かつ使用されている。
【0002】インク組成物には種々の性能が要求されて
おり、最も要求される性能は、記録を行っている時、記
録を中断した時、更に長期間記録を行わなかった時に記
録装置のノズルやオリフィスで目詰まりおよび沈降物が
生じないという液安定性である。特に、サーマルインク
ジェット方式においては、高熱によってインク内に気泡
を形成し、成長させる部位をヒーターと称するが、温度
変化によってヒーターの表面に異物の沈着が生じ易い。
このヒーターのヘッド表面に生じる異物の沈着はコゲー
ションと呼ばれ、長時間記録を行なうと、コゲーション
の脱着によりインクの吐出量が変化して画質が変動す
る。従来のインク組成物を用いた場合には、インクの吐
出条件、長期間保存安定性、記録時の画像の鮮明さと濃
度、表面張力、電気的性質等の種々の条件を満足させる
ために必要とされる幾つかの添加剤や、使用する染料中
に存在する種々の不純物のために、記録装置のノズルや
オリフィスで目詰まりを生じたり、ヒーターのヘッド表
面にコゲーションが生じたり、また、長期間記録を行わ
なかった時にノズルやオリフィスで沈降物が生じる等の
種々の問題があった。このような問題に対して、例えば
特公平3−48950号ではインク組成物中に含まれる
鉄の含有量を4ppm 以下に調整することが、特公平3−
48951号ではインク組成物中に含まれる鉄および珪
素の含有量の合計を9ppm 以下に調整することが、特公
平3−48952号ではインク組成物中に含まれるマグ
ネシウムの含有量を4ppm 以下に調整することが、特公
平3−48953号ではインク組成物中に含まれるカル
シウム、マグネシウム、マンガン、鉄、アルミニウム及
びケイ素の各含有量の合計を20ppm 以下に調整するこ
とが、特公平3−48954号ではインク組成物中に含
まれる疎液コロイドの含有量を13ppm 以下に調整する
ことがそれぞれ提案されている。しかしながら、従来提
案されているインクジェット記録用インク組成物によっ
て、前記の問題が完全に解決されたわけではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記の問題点を解決するインク組成物を提供する
ことを目的とし、特に、インクの吐出をインクに熱エネ
ルギーを作用させて行うインクジェット記録方式におい
て、長時間使用しても液安定性が良好で、インクの吐出
量の変化が小さいインク組成物を提供することを目的と
する。
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、水、水溶性有機溶媒および水溶性染料を含むイ
ンクジェット記録用インク組成物において、後述するコ
ールターカウンター法により測定された、該組成物1cm
3 中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3 以下、
より好ましくは3.5×10-7cm3 以下であることを特徴
とするインクジェット記録用インク組成物により、上記
目的を達成できることを見い出し、本発明を完成にする
に至った。以下、本発明を詳細に説明する。インクジェ
ットインクは、ノズル流路の目詰まり防止のため、通
常、不純物を除去した高精製の染料、その他の原料を使
用し、更に汚染を防止するため、インク製造時には、開
口径数μm 以下、好ましくは0.5μm 以下のフィルター
で濾過処理されている。よって常識的にはインク中には
インク製造時のフィルター開口径より大きな粒子は存在
しないはずだが、現実には、孔径1μm 未満のフィルタ
ーで濾過したインクでも、直径1μm 以上の粒子が存在
している。よって、該粒子の正体は、主に、インク中の
染料等の成分がフィルター通過後、再凝集したものと考
えられる。つまり、硬い粒子というよりは、ソフトな凝
集粒子状物という表現が妥当であろう。実際、一度フィ
ルター処理したインクを再度フィルターにかけるとフィ
ルター上に残さ物がしばしば確認できる。そして、この
残さ物を電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察すると、粒子状
物であることが確認できる。また、光学顕微鏡観察下で
この粒子はインク中の染料と同じ色相を呈し、かつ粒子
に水もしくはインクのベヒクル成分を滴下すると再溶解
することから、前述の如く、インク中の染料等が何らか
の理由でインク中で再凝集したものと推測できる。粒子
の主体が「染料の凝集物」であるならば、インク中の粒
子の多少は、染料の水もしくはベヒクルに対する溶解
性、染料中の多価金属カチオン等の無機不純物の量、染
料中の水、ベヒクル難溶性の有機不純物の量や疎液コロ
イド等の指標と相関がありそうである。しかしながら、
試作した多数のインク中の粒子量と用いた染料中の
(I)Si、Ca、Fe、Mg、Cl、SO4等の無機
不純物量、(II)トルエンで抽出した染料中の油溶分
量、(III)染料の水やベヒクル溶媒に対する溶解度もし
くはインク中の染料濃度との間には、必ずしも統一的な
相関は見いだせなかった。従って、インク中の粒子量
は、従来から指摘されている、染料中の無機不純物量や
疎液コロイド量とは、独立の因子と考えてよいだろう。
この粒子形成の原因、メカニズムは不明だが、染料の基
本構造、染料中の無機および有機不純物濃度、染料とベ
ヒクル成分、pH調整剤等の電解質添加剤、界面活性添
加剤等との相互作用が複雑に絡み合った複合効果による
ものではないかと思われる。また、インク中の粒子量
は、インク原材料因子の影響だけでなくインクの作成法
やインクの作成条件の影響も受けることが確認されてい
る。本発明者等は、上記粒子が、特にヒーター表面上に
付着しやすく、なおかつはがれにくいという性質をもち
連続的な長期吐出においてはヒーター表面上に堆積する
こと、したがって上記粒子を少なくすることでヒーター
表面上の付着物が少なくなり長期吐出時の吐出量の低下
を少なくすることができること、さらに、その粒子の量
をインク組成物1cm3 中3.5×10-6cm3 以下、より好
ましくは3.5×10-7cm3 以下にすると、インクに熱エ
ネルギーを作用させて液滴を吐出させるインクジェット
において長時間連続的に液滴を吐出させても、その液滴
の大きさが安定しているということを見い出し本発明を
完成するに至った。インク組成物中に存在する粒子の量
は、インクの染料、ベヒクル自体は公知のものであって
も、染料のベヒクルに対する溶解性が良好で、かつ、染
料がベヒクルに分散して微細ミセルを良好に形成するよ
うな、染料とベヒクルの組み合せを選択することによっ
て制御できる。更に同じ染料とベヒクルの組み合わせに
おいても、染料濃度の調整や、染料のベヒクルに対する
溶解性及び分散性を制御しうる添加剤、たとえばpH調
整剤、キレート化剤、界面活性剤、包接化合物、ハイド
ロトロピー促進剤等の添加によっても制御できる。また
インク製造時の温度、時間、剪断力等の条件を調整する
ことでも制御できる。本発明のインク組成物は上記手段
を適宜選択するか、あるいは、組み合わせることによっ
て製造することができる。
【0004】本発明のインク組成物に使用できる水溶性
有機溶剤の例としては、例えばエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、グリセリ
ン、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル等のグリコールエーテル類、ピロリドン、N−メチル
−2−ピロリドン、トリエタノールアミン等の塩基性溶
媒、あるいはエチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコ
ール類やジメチルスルホキシド、スルホラン等を挙げる
ことができ、これらは単独で用いても2種類以上混合し
て用いてもよい。水溶性有機溶剤の含有量は、高くなる
とインク組成物の粘度が上昇し吐出安定性が低下するこ
とから、好ましくはインク組成物の総重量を基準として
約1〜60重量%であり、より好ましくは約5〜40重
量%である。
【0005】本発明のインク組成物に使用できる水溶性
染料は、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料
等のいずれでも良いが、より好ましくは、酸性染料、直
接染料である。水溶性染料の例としては、C.I.ダイレク
トブラック−2,−4,−9,−11,−17,−1
9,−22,−32,−80,−151,−154,−
168,−171,−194,C.I.ダイレクトブルー−
1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−7
1,−76,−78,−86,−112,−142,−
165,−199,−200,−201,−202,−
203,−207,−218,−236,−287,C.
I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−8,−9,−
11,−13,−15,−20,−28,−31,−3
3,−37,−39,−51,−59,−62,−6
3,−73,−75,−80,−81,−83,−8
7,−90,−94,−95,−99,−101,−1
10,−189,C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,
−4,−8,−11,−12,−26,−27,−2
8,−33,−34,−41,−44,−48,−5
8,−86,−87,−88,−135,−142,−
144,C.I.フードブラック−1,−2,C.I.アシッド
ブラック−1,−2,−7,−16,−24,−26,
−28,−31,−48,−52,−63,−107,
−112,−118,−119,−121,−156,
−172,−194,−208,C.I.アシッドブルー−
1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−
29,−40,−43,−55,−59,−62,−7
8,−80,−81,−83,−90,−102,−1
04,−111,−185,−249,−254,C.I.
アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−14,−
15,−18,−21,−26,−35,−37,−1
10,−144,−180,−249,−257,C.I.
アシッドイエロー−1,−3,−4,−7,−11,−
12,−13,−14,−18,−19,−23,−2
5,−34,−38,−41,−42,−44,−5
3,−55,−61,−71,−76,−78,−7
9,−122等を挙げることができる。水溶性染料の含
有量は、インク組成物の総重量を基準として0.3〜15
重量%が適当であり、好ましくは1〜10重量%であ
る。水溶性染料は、単独でも使用できるが、2種以上混
合したり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4
原色の他、赤、青、緑などのカスタムカラーに調色して
も良い。
【0006】本発明のインク組成物の被記録材中への浸
透を高めてその乾燥時間を早めるために、また、染料や
顔料の溶解および分散状態を安定化させるために、界面
活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、ノニオ
ン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性
剤、または両性界面活性剤のいずれを使用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマ
ー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、脂肪酸アルキロールアミド等を使用することが
できる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンセ
ンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アル
キルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩
のホルマリン縮合物、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステ
ルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸
塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及び、ス
ルホン酸塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカ
ルボン酸塩、スルホコハク酸、エステル塩等を使用する
ことができ、また、カチオン界面活性剤としては、第1
から3級のアミン塩、第4級アンモニウム塩等を使用す
ることができ、さらにまた、両性界面活性剤としては、
ベタイン、スルホベタイン、スルフェートベタイン等を
使用することができる。
【0007】本発明のインク組成物は、さらに、尿素、
アセトアミド等の可溶化剤;ポリエチレンイミン、ポリ
アミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ
ール、セルロース誘導体等の物性調整剤;シクロデキス
トリン、大環状アミン類、クラウンエーテル類などの包
接化合物;エチレンジアミン四酢酸、ジクロヘキサンジ
アミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレン
ジアミン二酢酸、ジオキサオクタンジアミン四酢酸、ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエ
チルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、トリエチレンテト
ラミン六酢酸、シュウ酸、マロン酸、縮合ポリリン酸、
及びこれらの塩類等のキレート化剤;塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸、ホウ酸、塩素酸、炭酸などの無機酸、酢
酸、シュウ酸、マレイン酸、安息香酸、プロピオン酸等
のカルボン酸、その他の有機スルホン酸、有機リン酸等
の酸、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピ
リジンなどのアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属元素の水酸化物、炭酸ナトリウ
ム、ホウ酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナト
リウム、水酸化アンモニウム等の塩基、 clark-Lubs の
緩衝溶液、 SΦrensenの緩衝溶液、Kolfhoffの緩衝液、
Michaelis の緩衝溶液、McIlvaine の広域緩衝液、Brit
ton-Robinsonの広域緩衝液、Carmody の広域緩衝液、Go
moriの緩衝液、Bates-Bower のTris緩衝液、HEPES 緩衝
液、goodの緩衝液等の緩衝液等のpH調節剤、または必要
に応じて防カビ剤、導電剤等を含有してもよい。インク
組成物1cm3 中に存在する粒子の総体積は、光散乱法や
光透過法、遠心沈降法、コールーターカウンター法、フ
ィルター法等の公知の方法で測定することができる。イ
ンク組成物の希釈が不要で、あらゆる色のインクに適用
できる等の利点を有することから、コールターカウンタ
ー法が好ましい。コールターエレクトロニクス社のコー
ルターカウンターモデルTAIIを使用して、インク組成
物1cm3 中に存在する粒子の総体積を求める方法につい
て以下に説明する。まず、インク組成物は希釈すること
なく、また、いかなる物質も添加することなく用いる。
インク組成物中の粒子の粒径は、サブミクロンから数十
μm のオーダーで分布しており、インク組成物1cm3
に存在する粒子の総体積をアパチャーのつまりなくまた
精度良く測定するためにはアパチャー径を粒子サイズに
合わせ選択する必要がある。例えば、100μm 径のア
パチャーを使用とすると、原理上2μm 未満の粒子は測
定できないが、インク中には、2μm 未満の粒子も存在
する。実際、ヒーター表面上の付着物を観察すると1μ
m 程度から数μm 程度の粒子の付着が多数みられ、これ
らの粒子の付着量の多少とインクの連続吐出時の吐出量
変化とが良好な相関を持つことが実験的に確認されてい
る。2μm 未満の粒子を測定するにあたってはアパチャ
ー径を狭めれば可能であり、例えば30μm 径のアパチ
ャーを使用すれば0.6μm 以上の粒子の測定が可能であ
る。しかし、粗大凝集粒子によるつまりが生じやすい
点、また、この2μm 未満の粒子の体積は、2μm 以上
の粒子の体積に比べ少なく、また2μm 以上の粒子の量
にほぼ対応した増減を示すものとみられる点から、粒度
測定のアパチャー径は100μm として測定するのが適
当である。100μm 径のアパチャーを用いインク組成
物1cm 3 中に存在する粒子の総体積を求めるには、室温
にて3分間アパチャーよりインクを吸引させ測定を行
う。測定に要したインク組成物の体積は、3分間アパチ
ャーより吸引させる前後でのインク組成物の重量の変化
とインク組成物の密度から求めることができる。測定の
結果、粒径2.00〜50.8μm の範囲で14分割した各
レンジに分布する粒子の個数が表示される。つぎに、粒
子が球であると仮定して各レンジの中心値を平均径とし
て粒子1個当たりの体積を求め、それにそのレンジ内に
分布する粒子の個数を掛けることで、そのレンジに分布
する粒子の総和をもとめ、各レンジに分布する粒子の体
積の総和を分割したレンジすべてについて合計すること
によりインク組成物中に存在する粒子の総体積を求める
ことができる。さらにそれを測定に要したインク組成物
の体積で割ることによりインク組成物1cm3 中に存在す
る粒子の体積を求めることができる。もしくは、各粒子
の体積を直接ディスプレーから読み取り、その総和を測
定に使用したインク組成物の体積で割ることによりイン
ク組成物1cm3 中に存在する粒子の総体積を求めること
もできる。コールターカウンターによる測定を2回以
上、好ましくは3回以上繰り返し行い、各測定毎にイン
ク組成物1cm3 中に存在する粒子の総体積を求め、その
平均値を採用することが適当である。
【0008】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるこ
とはない。
【0009】
【実施例】表1に示す各成分を一緒に混合し、攪拌して
均一な溶液を得、これを表1に示す孔径のフィルターで
濾過することにより、サンプル番号1〜14のインク組
成物を調製した。表2に、インク組成物のサンプルを調
整するのに使用した染料中に含まれる代表的な無機物で
あるMg、Si、Ca、Fe、Znの含有量を示す。コ
ールターエレクトロニクス社の1983年製コールター
カウンターモデルTAIIを用いて、アパチャー径を10
0μm とし、室温にて、3分間アパチャーよりインク組
成物を吸引させて、各インク組成物中に存在する粒子の
個数を3回測定した。3回の測定の結果から求めたイン
ク組成物1cm3 中に存在する粒子の総体積の平均値を表
1に示す。
【0010】
【表1】 表1 ─────────────────────────────────── サン インク組成 フィルター インク組成物 プル の孔径 1cm3 中の粒子 番号 の総体積 (cm3) ─────────────────────────────────── フードブラック2 2重量部 1 ジエチレングリコール 15重量部 0.45μm 2×10-6 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── フードブラック2 4重量部 2 ジエチレングリコール 10重量部 0.45μm 2×10-5 プロピレングリコール 5重量部 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブラック168 2重量部 3 ジエチレングリコール 15重量部 0.2μm 1.5×10-6 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブラック168 3重量部 4 Nメチルピロリドン 5重量部 0.45μm 3×10-5 グリセリン 10重量部 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブラック168 4重量部 グリセリン 9重量部 5 ブチルカルビトール 6重量部 0.2μm 5×10-8 EDTA・2Na 0.2重量部 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブルー199 2重量部 グリセリン 10重量部 6 ブチルカルビトール 5重量部 0.45μm 1×10-7 CH3COOH 0.02重量部 NaOH 0.02重量部 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブラック168 4重量部 7 ジエチレングリコール 15重量部 0.2μm 5×10-6 CH3COOH 0.01重量部 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブルー199 3重量部 8 エチレングリコール 15重量部 0.2μm 5×10-7 トリエタノールアミン 2重量部 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブルー199 4重量部 9 ジエチレングリコール 15重量部 0.2μm 1×10-5 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトイエロー86 2重量部 Nメチルピロリドン 10重量部 10 エチレングリコール 10重量部 0.45μm 1×10-8 ポリオキシエチレンラウ 0.1重量部 リルエーテル 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.アシッドレッド289 3重量部 11 プロピレングリコール 15重量部 0.45μm 5×10-7 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブラック168 3重量部 グリセリン 15重量部 12 CH3COOH 0.02重量部 0.45μm 1×10-6 NaOH 0.02重量部 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブラック168 3重量部 ジエチレングリコール 15重量部 酸化エチレン/酸化プロ 1.5重量部 13 ピレンブロック共重合体 0.45μm 2×10-7 N-カルバモイルメチル 0.1重量部 イミノジカルボン酸 NaOH 0.2重量部 純水 80重量部 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブルー199 4重量部 14 エチレングリコール 15重量部 0.2μm 1.5×10-6 NaOH 0.04重量部 純水 80重量部 ───────────────────────────────────
【0011】
【表2】 表2 染料中に含まれる代表的な無機物の量(PPM) ─────────────────────────────────── 染 料 Mg Si Ca Fe Zn ─────────────────────────────────── フードブラック2 5 25 20 43 3 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブラック168 9 148 49 102 3 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトブルー199 2 10 6 11 2 ─────────────────────────────────── C.I.アシッドレッド289 6 5 29 8 7 ─────────────────────────────────── C.I.ダイレクトイエロー86 23 18 121 5 2 ───────────────────────────────────
【0012】上記のインク組成物を、特開平1−148
560号公報に記載の熱インクジェットヘッドを用いて
試作した熱インクジェットプリンタに組み込んで、温度
22℃、駆動周波数4.5KHz の条件下で、連続的に吐出
させ、吐出量を測定した。連続的な吐出を行なう前から
2×107 回の吐出を行うまでは2×106 回の吐出毎
に、2×107 回の吐出を行ってから2×108 回の吐
出を行うまでは1×107 回の吐出毎に、104 ドット
分の吐出を行い、その時のインク消費量を測定し、その
インク消費量の104 分の1を1ドット当りの吐出量と
した。各時間で測定した1ドット当りの吐出量と最初の
104 ドット吐出時における1ドット当りの吐出量との
差を最初の104 ドット吐出時における1ドット当りの
吐出量に対する百分率で示したものを吐出量の変化とし
た。図1は、2×108 回吐出時の吐出量の変化とイン
ク組成物1cm3 中の粒子の総体積との関係を示すグラフ
である。図1中の各点に付した数字は、インク組成物の
サンプル番号を表す。
【0013】2×107 回の吐出を行った時の吐出量の
変化は、インク組成物1cm3 中に存在する粒子の総体積
が3.5×10-6cm3 以下のものについては15%以下だ
った。図1に示すように、2×108 回の吐出を行った
時の吐出量の変化は、インク組成物1cm 3 中に存在する
粒子の総体積が3.5×10 -6 cm 3 以下のものについては
17.5%以下であり、インク組成物1cm3 に存在する
粒子の総体積が3.5×10-7cm3 以下のものについて
は、15%以下だった。以上の結果より、水、水溶性有
機溶媒および水溶性塗料を含むインクジェット記録用イ
ンク組成物において、該組成物1cm3 中に存在する粒子
の総体積が3.5×10-6cm3 以下、より好ましくは3.5
×10-7cm3 以下であることを特徴とするインクジェッ
ト記録用インク組成物は、液安定性が良好で、熱エネル
ギーを作用させてインクを吐出させるインクジェット記
録方式において、長時間使用してもインクの吐出量の変
化が少ないことが明らかになった。特公平3−4895
3号公報には、インクジェット記録方式に使用する記録
液において、カルシウム、マグネシウム、マンガン、
鉄、アルミニウム及びケイ素の各含有量の合計を20pp
m 以下に調整することにより、液安定性に優れたインク
が提供されることが記録されている。これに対し、本発
明のインク組成物は、カルシウム、マグネシウム、鉄及
びケイ素の各含有量の合計が20ppm 以上であるにも関
わらず、良好な液安定性を示した。
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用インク組
成物は、長時間使用しても液安定性が良好で、インクの
吐出量の変化が小さいので有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、2×10 8 のインク吐出時におけ
る、吐出量の変化(%)とインク組成物1cm3 中に存在
する粒子の総体積(cm3 )の関係を示す。
フロントページの続き (72)発明者 山下 嘉郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 小出 文教 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 遠藤 保晴 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−96065(JP,A) 特開 昭61−113672(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、水溶性有機溶媒および水溶性染料を
    含むインクジェット記録用インク組成物において、コー
    ルターカウンター法により測定された、該組成物1cm3
    中に存在する粒子の総体積が3.5×10-6cm3 以下であ
    ることを特徴とする前記インクジェット記録用組成物。
  2. 【請求項2】 該組成物1cm3 中に存在する粒子の総体
    積が3.5×10-7cm3 以下であることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録用インク組成物。
  3. 【請求項3】 インクの吐出をインクに熱エネルギーを
    作用させて行うインクジェット記録に使用する請求項1
    記載のインクジェット記録用インク組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009046544A (ja) * 2007-08-16 2009-03-05 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェット捺染用インク及びそれを用いたインクジェット捺染方法
CN102407702A (zh) * 2011-09-15 2012-04-11 深圳市宝安区福永祥兴五金制品厂 一种铝及铝合金制品的表面喷染方法

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