JP2006198994A - インクジェット用処理液、インクジェット用処理液タンク、インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用処理液、インクジェット用処理液タンク、インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】迅速且つ十分に色材を凝集させ、画像濃度の向上、滲み(フェザリング/ICB)改善を実現可能なインクジェット用処理液を提供すること。また、これを利用したインクジェット用処理液タンク、インクジェット用インクセット、及びインクジェット用インクタンク、並びに、それを用いたインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】インクジェト用処理液を、少なくとも水、水溶性有機溶媒、及び下記一般式(I)で示される化合物で構成し、この処理液と、カチオン性の色材を含むインクとを組み合わせてインクセットとして用いる。
一般式(I):NH2−X1−NH−(X2−NH)n−X3−NH2
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用処理液、インクジェット用処理液タンク、インクジェット用インクセット、インクジェット用インクタンク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
ノズル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体あるいは溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行う、いわゆるインクジェット方式の記録装置は、小型で安価、静寂性等種々の利点があり、最近ではレポート用紙、コピー用紙等のいわゆる普通紙上に良好な印字品質が得られる黒色の単色プリンターだけではなく、フルカラー記録が行える製品が数多く市販されており、記録装置の分野で大きな位置を占めるようになった。中でも、圧電素子を用いたいわゆるピエゾインクジェット方式、あるいは、熱エネルギーを作用させて液滴を形成し、記録を行う、いわゆる熱インクジェット方式は、高速印字、高解像度が得られる等、多くの利点を有している。
インクジェット記録装置で用いられるインクは、主に溶媒、色材、添加剤から構成される。かかるインクに対しては、紙上で滲みのない、高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、紙上においてインクの速乾性が良いこと、画像の堅ろう性が良いこと、長期保存安定性が良いこと、などの要求特性がある。また、オフィス向けインクジェットプリンターにおいては、高画質であることだけでなく、高速印刷が可能であることが求められている。
近年、画像濃度の向上、滲み(フェザリング/ICB)改善の両立を目的として、第二液(処理液)を用いて用紙上でインクの色材を凝集させ、用紙内部への色材の浸透を防止する方法が提案されている。このような色材の凝集作用を生じさせるために、ポリアミンを用いた処理液が、例えば、特開平8−20161号公報に提案されている。
特開平8−20161号公報
しかしながら、昨今の技術要求からすると、上記提案でも未だ十分ではなく、迅速且つ十分に色材を凝集させる処理液が求められているのが現状である。
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、迅速且つ十分に色材を凝集させ、画像濃度の向上、滲み(フェザリング/ICB)改善を実現可能なインクジェット用処理液を提供することである。さらに、このインクジェット用処理液を利用したインクジェット用処理液タンク、インクジェット用インクセット、及びインクジェット用インクタンク、並びに、それを用いたインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明のインクジェット用処理液は、少なくとも、水、水溶性有機溶媒、及び下記一般式(I)で示される化合物を含有することを特徴としている。
一般式(I):NH2−X1−NH−(X2−NH)n−X3−NH2
(一般式(I)中、X1、X3は、それぞれ独立に置換或いは未置換の炭素数3以上の直鎖のアルキレン基を示す。X2は連結基を示し、nは0以上の整数を示す。)
本発明のインクジェット用処理液において、前記一般式(I)で示される化合物は、下記一般式(II)で示される化合物であることが好適である。
一般式(II):NH2(CH2xNH((CH2yNH))n(CH2ZNH2
(一般式(II)中、xは3〜8の整数を示す。yは1〜8の整数を示す。zは3〜8の整数を示す。nは0〜6の整数を示す。)
本発明のインクジェット用処理液においては、pHが9以下であることが好適である。
また、本発明のインクジェット用処理液タンクは、上記本発明のインクジェット用処理液が満たされていることを特徴としている。
また、本発明のインクジェット用インクセットは、少なくとも、アニオン性の色材を含むインクと、上記本発明のインクジェット用処理液と、を具備することを特徴としている。
また、本発明のインクジェト用インクタンクは、上記本発明のインクジェット用インクセットを収納したことを特徴としている。
また、本発明のインクジェット記録方法は、上記本発明のインクジェット用インクセットを用い、前記インク及び処理液が互いに接触するように記録媒体上に吐出して、画像を形成することを特徴としている。
また、本発明のインクジェット記録方法において、前記インクジェット用インクセットを収納したインクジェット用インクタンクから供給された前記インク及び処理液を、記録媒体上に吐出することが好適である。
本発明のインクジェット記録方法において、前記記録媒体上に吐出する前記インク総量と前記処理液総量と比率(インク総量:処理液総量)は、1:0.5〜1:0.05であることが好適である。
また、本発明のインクジェット記録装置は、上記本発明のインクジェット用インクセットにおける各液体を記録媒体に吐出するための記録ヘッドを備えたを特徴としている。
本発明のインクジェット記録装置においては、前記インクジェット用インクセットを収納したインクジェット用インクタンクから前記記録ヘッドへ、前記インク及び処理液を供給するためのインクジェット用インクタンクを、さらに備えることが好適である。
本発明のインクジェト記録装置において、前記記録媒体上に吐出する前記インク総量と前記処理液総量と比率(インク総量:処理液総量)が、1:0.5〜1:0.05であることが好適である。
本発明によれば、迅速且つ十分に色材を凝集させ、画像濃度の向上、滲み(フェザリング/ICB)改善を実現可能なインクジェット用処理液を提供することができる。さらに、このインクジェット用処理液を利用したインクジェット用処理液タンク、インクジェット用インクセット、及びインクジェット用インクタンク、並びに、それを用いたインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
(インクジェット用処理液、インクジェット用インクセット)
本発明のインクジェット用処理液(以下、処理液と略記する)は、少なくとも、水、水溶性有機溶媒、及び下記一般式(I)で示される化合物を含有している。そして、この処理液と組み合わせるインクセットとしてのインクは、少なくともカチオン性の色材を含んでいる(本発明のインクセット)。
一般式(I)で示される化合物は、末端の1級アミンとこれに隣合う2級アミンとの間に炭素数3以上のアルキレン基が介在しており、これにより解離した1級及び2級アミノ基とインクの色材に含まれるアニオン基とが、立体障害を起こすことなく反応する。このため、この反応が生じやすくなると共に、色材の凝集性が強くなる。
一方で、この介在するアルキレン基が炭素数2以下である場合、末端の1級アミンとこれに隣合う2級アミンとの間の距離が短すぎて、解離した1級及び2級アミノ基とインクの色材に含まれるアニオン基とは、立体障害が生じて反応がし難くなり、結果、反応性も劣り、凝集性も弱くなってしまう。
このように、本発明の処理液では、一般式(I)で示される化合物を含むことで、迅速且つ十分に色材を凝集させることができる。これにより、画像濃度の向上、滲み(フェザリング/ICB)改善が効果的に実現可能である。
また、2液式では、乾燥時間を短縮させようとして、インク及び処理液の用紙への浸透性を高めると、用紙上で色材が十分凝集するには反応が不十分であり、すこしでも反応を生じさせるべく色材と両性イオン物質との接触確率を高めようとして、処理液の用紙へ付着量を増やすと、印字後の紙しわを増幅させる結果となる。
しかし、本発明の処理液では、迅速且つ十分に色材を凝集させことができるので、インク及び処理液の浸透性を上げる必要もなく、処理液の付与量も少量ですむため、乾燥時間短縮及び用紙しわ抑制も図れる。
また、本発明の処理液において、処理液のpHは9以下であることが好適であり、これにより一般式(I)で示される化合物における分子内のアミノ基1個以上がほぼ100%カチオンとして働き、インクおけるアニオン性の色材への効果的な凝集効果を発現する。また、処理液のpHとしてより好ましくは8以下であり、これにより一般式(I)で示される化合物における分子内の2個以上のアミノ基がほぼ100%カチオンとして働き、さらに好ましくは7以下であり、これにより一般式(I)で示される化合物における分子内のさらに多くのアミノ基がカチオンとして働きくこととなり、インクおけるアニオン性の色材への効果的な凝集効果を発現して、より強固な色材の凝集体を形成する。
ここで、処理液の液性(pH)は、例えば、pH調整剤を添加することで調整することができる。pH調整剤としては、pHを調整しうる、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等が挙げられる。
なお、pHとは、温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H環境下において、pH/導電率計(メトラー・トレド社製MPC227)により測定した値を用いるものとする。
このようなpH調整剤は、インク及び処理液のそれぞれを、前記した液性(pH)条件に適合するように適宜添加される。以下に詳述するように、インクに含まれる色材がアニオン性であるかカチオン性であるかにより、インク及び処理液のそれぞれのpHが決定され、それに応じた種類と添加量とが選択されるものである。
以下、処理液について説明する。まず、一般式(I)で示される化合物(アミン化合物)について説明する。
一般式(I):NH2−X1−NH−(X2−NH)n−X3−NH2
(一般式(I)中、X1、X3は、それぞれ独立に置換或いは未置換の炭素数3以上の直鎖のアルキレン基を示す。X2は連結基を示し、nは0以上の整数を示す。)
一般式(I)で示される化合物において、X1、X3が示すアルキレン基は、炭素数3以上の直鎖を有することをが必要であり、好ましくは炭素数3〜16の直鎖、より好ましくは3〜8の直鎖を有することがよい。また、このアルキレン基は、置換されていてもよく、この置換基により分鎖していてもよい。
一方、X2が示す連結基は、例えば、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から選択される少なくとも1種を含む原子又は原子団からなる基を示すことが好適である。
ここで、連結基として具体的には、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン、ナフチレン)、アルケニレン基(例えば、エテニレン、プロペニレン)、アルキニレン基(例えば、エチニレン、プロオピニレン)、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、複素環2価基(例えば、6−クロロ−1,3、5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)を1つ、又はそれ以上組み合わせて構成される2価の連結基が挙げられる。
また、X1、X3が示すアルキレン基、及びX2が示す連結基は、さらに置換基されていてもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカルボニル)、スルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルホニル)、ニトロ基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2ーメトキシエトキシ、2ーフェニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニルなど)、スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなど)、アミノ基、置換アミノ基(例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ)、アンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基)、ヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、ウレイド基(例えばウレイド基、N、Nージメチルウレイド基)、イミド基(例えばスクシンイミド基)、アルキル又はアリールチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、カルボキシエチルチオ、スルホブチルチオ、フェニルチオなど)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)、アリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル)、置換アルキル基(ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基、1ーシクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基))、アリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3、5ージクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル)、ヘテロ環基(例えばピリジル、5ーメチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)が挙げられる。また、置換基に含まれるベンゼン環、ナフタレン環、及びアントラセン環等がさらに縮合した構造の基であってもよい。また、これらの置換基は、例示した置換基によって、さらに置換されていてもよい。
また、nは0以上の整数を示す必要があるが、好ましくは0〜10の整数、より好ましくは0〜6の整数を示す。なお、nが0を示す場合、一般式(I)で示される化合物は「−(X2−NH)n−」が介在することなく、「−NH−」と「−X3−」と直接結合した構造(即ち、NH2−X1−NH−X3−NH2)となる。
一般式(I)で示される化合物として具体的には、下記一般式(II)で示される化合物であることが合成容易性や入手容易性の観点から好適である。
一般式(II):NH2(CH2xNH((CH2yNH))n(CH2ZNH2
(一般式(II)中、xは3〜8の整数を示す。yは1〜8の整数を示す。zは3〜8の整数を示す。nは0〜6の整数を示す。)
一般式(II)で示される化合物において、xは3〜8の整数を示すが、好ましくは3〜6の整数、より好ましくは3〜5の整数を示すことがよい。
一般式(II)で示される化合物において、yは1〜8の整数を示すが、好ましくは2〜8の整数、より好ましくは2〜6の整数を示すことがよい。
一般式(II)で示される化合物において、zは3〜8の整数を示すが、好ましくは3〜6の整数、より好ましくは3〜5の整数を示すことがよい。
一般式(II)で示される化合物において、nは0〜6の整数を示すが、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜4の整数を示すことがよい。なお、nが0を示す場合、一般式(II)で示される化合物は「((CH2yNH))n」が介在することなく、「NH」と「(CH2Z」と直接結合した構造(即ち、NH2(CH2xNH(CH2ZNH2)となる。
以下、一般式(I)(一般式(II)も含む)で示される化合物の具体例を列挙するが、本発明はこれに限定されるわけではない。
1)NH2−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−NH2
2)NH2−CH2CH2CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2−NH2
3)NH2−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−NH2
4)NH2−CH2CH2CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2−NH2
5)NH2−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2−NH− CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−NH2
6)NH2−CH2CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2−NH2
7)NH2−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−NH2
8)NH2−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2−NH− CH2CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−NH2
9)NH2−CH2CH2CH2−NH−CH2CH(CH3)CH2−NH−CH2CH(CH3)CH2−NH−CH2CH(CH3)CH2−NH−CH2CH2CH2−NH2
10)NH2−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CO−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−NH2
11)NH2−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−NH2
また、一般式(I)で示される化合物は凝集剤として機能するが、他の凝集剤と併用してもよい。
他の凝集剤について説明する。他の凝集剤とは、インク中の成分と反応、又は、相互作用をすることで、増粘又は凝集を起こす効果を有する物質のことを示す。具体的には、無機電解質、有機アミン化合物、及び有機酸などが有効に使用される。
無機電解質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、及び、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、及び、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸及び、有機スルホン酸の塩等が挙げられる。
アルカリ金属類の塩(アルカリ金属化合物)の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等が挙げられる。
一方、多価金属塩(多価金属化合物)の具体例としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。
有機アミン化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩等が挙げられる。
具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩、ポリアミン等が挙げられ、例えば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、ジプロピルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体、及び、これら化合物のスルフォニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩、又は、リン酸エステル等が挙げられる。
有機酸としては、具体的には、2−ピロリドン−5−カルボン酸、4−メチル−4−ペンタノリド−3−カルボン酸、フランカルボン酸、2−ベンゾフランカルボン酸、5−メチル−2−フランカルボン酸、2,5−ジメチル−3−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、4−ブタノリド−3−カルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、2−ピロン−6−カルボン酸、4−ピロン−2−カルボン酸、5−ヒドロキシ−4−ピロン−5−カルボン酸、4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、3−ヒドロキシ−4−ピロン−2,6−ジカルボン酸、チオフェンカルボン酸、2−ピロールカルボン酸、2,3−ジメチルピロール−4−カルボン酸、2,4,5−トリメチルピロール−3−プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−インドールカルボン酸、2,5−ジオキソ−4−メチル−3−ピロリン−3−プロピオン酸、2−ピロリジンカルボン酸、4−ヒドロキシプロリン、1−メチルピロリジン−2−カルボン酸、5−カルボキシ−1−メチルピロリジン−2−酢酸、2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、ピリジントリカルボン酸、ピリジンペンタカルボン酸、1,2,5,6−テトラヒドロ−1−メチルニコチン酸、2−キノリンカルボン酸、4−キノリンカルボン酸、2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、4−ヒドロキシ−2−キノリンカルボン酸、6−メトキシ−4−キノリンカルボン酸、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、ホウ酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、四ホウ素ナトリウム、酒石酸、乳酸、塩化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、これらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の化合物が挙げられる。
これらの中でも、好ましくは、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、クエン酸二水素カリウム、コハク酸、酒石酸、乳酸、フタル酸水素カリウム、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩である。より好ましくは、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、ジアリルアミン重合体、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくはこれらの化合物誘導体、又は、これらの塩である。
さらに、これらの中でも、特に、多価金属塩(多価金属化合物)、高分子アミン化合物、デントリマーといったカチオン化合物が好適である。他の凝集剤は単独で使用しても、或いは2種類以上を混合して使用しても構わない。
ここで、一般式(I)で示される化合物を含めて凝集剤の添加量は、処理液の全質量に対し、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは、0.25質量%以上10質量%以下である。処理液中における凝集剤の添加量が0.01質量%未満の場合には、インク接触時において色材の凝集が不充分となり、光学濃度、滲み、色間滲みが悪化する場合が存在し、一方、添加量が30質量%を超える場合には、噴射特性が低下し、液体が正常に噴射しない場合がある。
水溶性溶媒について説明する。水溶性溶媒としては、水に0.1%以上溶解するものであれば適宜使用できるが、具体的には、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アルコール類としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
水溶性溶媒の含有量は、処理液の全質量に対し、1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。処理液中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、処理液の粘度が大きくなり、処理液の噴射特性が不安定になる場合がある。
水について説明する。水は、表面張力及び粘度となる範囲で添加される。水の添加量は特に制限は無いが、好ましくは、処理液の全質量に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
処理液の好ましい物性について説明する。処理液の表面張力は、20mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN/m以上39mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となるとノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、45mN/mを超えると浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
処理液の粘度は、いずれも1.2mPa・s以上8.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上6.0mPa・s未満、更に好ましくは1.8mPa・s以上4.5mPa・s未満である。処理液の粘度が8.0mPa・sより大きい場合には、吐出性が低下する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、長期噴射性が悪化する場合がある。
以下、インクの構成成分について説明する。インクは、アニオン性の色材を含むが、通常、水溶性溶媒、及び水も含有する。
色材について説明する。色材は、アニオン性の色材が用いられる。アニオン性の色材は、アニオン性基(例えば、−COOH基、SO3H基、−SO4H基、−SO2基、−PO42基、又はこれらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩等))を有する色材である。
色材は、染料、顔料どちらでも構わないが、特に顔料が好ましい。これは、染料に比べて顔料の方が、処理液との混合時に凝集が生じやすいためであると考えられる。顔料の中でも、高分子分散剤(後述の高分子物質)により分散されている顔料、自己分散可能な顔料、樹脂により被覆された顔料、及び高分子グラフト顔料が好ましい。特に、自己分散可能な顔料を用いた場合、顔料表面の分散に寄与する複数の近接する官能基と、一般式(I)で示される化合物の複数のアミノ基とが反応することにより、色材がより強固な凝集体を形成し、画質が良好になる。
顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料では、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も顔料として使用することも可能である。更には、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1, Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
シアン顔料としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ顔料としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−184,−202等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤を使用しなくとも水中で安定に分散する顔料のことを指す。具体的には、通常の所謂顔料に対して、酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことで、水に自己分散可能な顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−250、Cab−o−jet−260、Cab−o−jet−270、Cab−o−jet−300、IJX−444、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
また、色材として、樹脂により被覆された顔料等を使用することもできる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等を使用することもできる。
更に、色材としての顔料に、高分子グラフト顔料を使用することも可能である。高分子グラフト顔料とは、顔料表面に対してポリマー等の有機化合物が化学結合しているものを指す。
一方、染料としては、水溶性染料、分散染料のいずれでも構わない。
水溶性染料の具体例としては、C.I.Direct Black−2,−4,−9,−11,−17,−19,−22,−32,−80,−151,−154,−168,−171,−194,−195、C.I.Direct Blue−1,−2,−6,−8,−22,−34,−70,−71,−76,−78,−86,−112,−142,−165,−199,−200,−201,−202,−203,−207,−218,−236,−287,−307,C.I.Direct Red−1,−2,−4,−8,−9,−11,−13,−15,−20,−28,−31,−33,−37,−39,−51,−59,−62,−63,−73,−75,−80,−81,−83,−87,−90,−94,−95,−99,−101,−110,−189,−227、C.I.Direct Yellow−1,−2,−4,−8,−11,−12,−26,−27,−28,−33,−34,−41,−44,−48,−58,−86,−87,−88,−132,−135,−142,−144,−173、C.I.Food Black−1,−2、C.I.Acid Black−1,−2,−7,−16,−24,−26,−28,−31,−48,−52,−63,−107,−112,−118,−119,−121,−156,−172,−194,−208、C.I.Acid Blue−1,−7,−9,−15,−22,−23,−27,−29,−40,−43,−55,−59,−62,−78,−80,−81,−83,−90,−102,−104,−111,−185,−249,−254、C.I.Acid Red−1,−4,−8,−13,−14,−15,−18,−21,−26,−35,−37,−52,−110,−144,−180,−249,−257,−289、C.I.Acid Yellow−1,−3,−4,−7,−11,−12,−13,−14,−18,−19,−23,−25,−34,−38,−41,−42,−44,−53,−55,−61,−71,−76,−78,−79,−122などが挙げられる。
分散染料の具体例としては、C.I.Disperse Yellow−3、−5、−7、−8、−42、−54、−64、−79、−82、−83、−93、−100、−119、−122、−126、−160、−184:1、−186、−198、−204、−224、C.I.Disperse Orange−13、−29、−31:1、−33、−49、−54、−66、−73、−119、−163、C.I.Disperse Red−1、−4、−11、−17、−19、−54、−60、−72、−73、−86、−92、−93、−126、−127、−135、−145、−154、−164、−167:1、−177、−181、−207、−239、−240、−258、−278、−283、−311、−343、−348、−356、−362、C.I.Disperse Violet−33、C.I.Disperse Blue−14、−26、−56、−60、−73、−87、−128、−143、−154、−165、−165:1、−176、−183、−185、−201、−214、−224、−257、−287、−354、−365、−368、C.I.Disperse Green−6:1、−9などが挙げられる。
色材粒子の体積平均粒子径は10nm以上250nm以下であることが好ましい。色材の粒子の体積平均粒子径とは、色材そのものの粒子径、又は色材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した状態の粒子径をいう。本発明において、体積平均粒子径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析装置(Leeds&Northrup社)を用いた。具体的には、その測定は、インク4mlを測定セルに入れ、所定の方法に従って行った。なお、測定時に入力するパラメーターとして、粘度は、インクの粘度を、分散粒子の密度は、顔料密度(色材密度)を用いた。
より好ましい体積平均粒子径は、20nm以上200nm以下であり、更に好ましくは30nm以上175nm以下である。インク中の色材粒子の体積平均粒子径が10nm未満である場合には、光学濃度が低くなる場合が存在し、一方、250nmを超える場合には、保存安定性が確保できない場合がある。
色材は、インク全質量に対し0.1質量%以上20質量%以下の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下の範囲で使用される。インク中の色材量が0.1質量%未満の場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、また、色材量が20質量%よりも多い場合には、インクの噴射特性が不安定となる場合がある。
色材は、色材を分散させるため、又は、色材の凝集促進剤として、高分子物質を併用することができる。なお、色材(顔料)を分散させるために用いられる高分子物質を高分子分散剤と称する。
ここで用いられる高分子物質としては、水溶性高分子物質、及び、エマルジョン、自己分散微粒子などの水不溶性高分子物質のいずれもが使用でき、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物いずれであっても構わない。
高分子物質は、処理液に含まれる凝集剤により増粘又は凝集する効果があり、高分子物質が凝集する際に色材を取り込むため、結果として色材の凝集速度を大きくする効果があると推測している。即ち、高分子物質が凝集する際の構造体の大きさ、密度、高分子物質中への色材の取りこみ易さなどが凝集速度では重要となる。これらの組合せを最適化するように、インク中における色材、高分子物質、処理液中における凝集剤を選択することで、光学濃度、滲み、色間滲みが改善される。
本発明においては、高分子物質としてはカルボン酸基を含有する化合物が使用されることが好ましい。これは、カルボン酸基の解離度が小さいため、凝集剤による凝集が促進されるためであると推測される。
高分子物質の具体例について説明する。高分子物質としては、具体的には、例えば、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの共重合体等が挙げられる。α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
上記α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独若しくは複数を共重合して得られる共重合体が、本発明における高分子物質として好適に使用される。この共重合体として、具体的には、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
これらの高分子物質は、酸価などを基準に、色材(顔料)との親和性、高分子物質自体の凝集性などを考慮して選択することが好ましい。具体的には、高分子物質として、酸価が30KOHmg/g以上150KOHmg/g未満であるか、又は、酸価が150KOHmg/g以上であり、かつ、中和度が80%以下であるものを用いることが好ましい。
高分子化合物の酸価が30KOHmg/g以上150KOHmg/g未満である場合には、より好ましくは酸価が50〜120KOHmg/gであり、更に好ましくは、70〜120KOHmg/gである。酸価が30KOHmg/g未満の場合には、インクの噴射(吐出)安定性が低下する場合がある。
一方、高分子化合物の酸価が150KOHmg/g以上で、中和度が80%以下である場合では、より好ましくは、酸価が200〜400KOHmg/g、中和度が50〜80%であり、更に好ましくは、酸価が200〜300KOHmg/g、中和度が60〜80%である。酸価が400KOHmg/gを超え、中和度が80%を超える場合、インクの粘度が大きくなり、正常に噴射できない場合がある。
このように、低酸価の高分子物質を使用する、又は、高酸価の高分子物質を低中和度で使用することで、高分子物質の水溶性基量を少なくすることが可能となり、処理液に凝集力の弱い凝集剤を用いた場合においても、十分に大きな凝集力を得ることが可能となるためであると考えている。
高分子物質の重量平均分子量は、2,000〜100,000の範囲であることがより好ましく、3,500〜50,000の範囲であることが更に好ましい。高分子物質の重量平均分子量が2,000未満の場合、顔料が安定に分散しない場合が存在し、一方、分子量が100,000を超える場合には、インクの粘度が高くなり、吐出性が悪化する場合がある。
高分子物質は、インク全質量に対し、0.01質量%以上10質量%以下の範囲で添加されることが好ましく、0.05質量%以上7.5質量%以下の範囲がより好ましく、更に好ましくは、0.1質量%以上5質量%以下の範囲である。添加量が10質量%を超える場合には、液体粘度が高くなり、インクの噴射特性が不安定となる場合がある。一方、添加量が0.01質量%未満の場合には、顔料の分散安定性が低下する場合がある。
水溶性溶媒について説明する。水溶性溶媒としては、処理液と同様の水溶性溶媒を使用することができる。
水溶性溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。
水溶性溶媒の含有量としては、インクの全質量に対し、1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。液体中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、インクの粘度が大きくなり、インクの噴射特性が不安定になる場合がある。
水について説明する。水は、インクの表面張力及び粘度となる範囲で添加される。水の添加量は、特に制限は無いが、好ましくは、インクの全質量に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
インクの好ましい物性について説明する。インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となるとノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
また、インクの粘度は、1.2mPa・s以上8.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上6.0mPa・s未満、更に好ましくは1.8mPa・s以上4.5mPa・s未満である。インクの粘度が8.0mPa・sより大きい場合には、吐出性が低下する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、長期噴射性が悪化する場合がある。
次に、インク及び処理液に対し、適宜、用いることのできる添加剤について説明する。
インク及び処理液は、界面活性剤を用いることもできる。界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更には、上記高分子物質(高分子分散剤)をも界面活性剤として使用することもできる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が使用でき、具体的には、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ケリルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等も有効に使用される。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
その他、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
界面活性剤の量は、10質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.01〜3質量%の範囲で使用される。添加量が10質量%以上の場合には、光学濃度、及び、顔料インクの保存安定性が悪化する場合がある。
その他、インク及び処理液には、吐出性改善等の特性制御を目的とし、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション、親水性ラテックス等のポリマーエマルション、親水性ポリマーゲル、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を添加することができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等を添加することができる。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
(インクジェット記録方法、インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録方法は、上記本発明のインクジェット用インクセットを用い、インクと処理液とを互いに接触させるように記録媒体上に吐出して、画像を形成する方法である。また、本発明のインクジェット記録装置は、上記本発明のインクジェット用インクセットの各液体を記録媒体に吐出する記録ヘッドを備えるものである。これらは、通常のインクジェット記録装置は勿論、インクのドライングを制御するためのヒーター等を搭載した記録装置、又は、中間体転写機構を搭載し、中間体にインク及び処理液を吐出(印字)した後、紙等の記録媒体に転写する記録装置等を適用することができる。
本発明のインクジェット記録方法(装置)において、インク及び処理液ともに、1ドロップ当たりの液体質量は25ng以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5ng以上20ng以下であり、更に好ましくは、1ng以上8ng以下である。1ドロップ当たりの液体質量が25ngを超える場合には、滲みが悪化する場合が存在した。これは、インク及び処理液の記録媒体に対する接触角がドロップ量に依存して変化するためであり、ドロップ量が増えるにつれてドロップが紙表面方向に広がりやすい傾向があるためと考えている。
但し、一つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能であるインクジェット装置において、上記ドロップ量とは、印字可能な最小ドロップのドロップ量を指すこととする。
また、インク及び処理液とは互いに接触するように、記録媒体上に付与されるが、接触していれば、互いに隣接するよう付与されても、覆い被さるように付与されても、どちらでもよい。
また、記録媒体への付与の順番は、処理液を付与した後、インクを付与する。処理液を先に付与することで、インク中の色材を効果的に凝集させることが可能となるからである。処理液を付与した後であれば、いかなる時期にインクを付与してもかまわない。好ましくは、処理液を付与してから1秒以下であり、より好ましくは0.5秒以下である。
本発明のインクジェット記録方法(装置)において、記録媒体上に吐出するインク総量と処理液総量と比率(インク総量:処理液総量)は、1:0.5〜1:0.05であることが好ましい。インク総量が処理液総量に対して少なすぎたり、多すぎたり場合には、色材の凝集が不充分となり、光学濃度の低下、滲みの悪化、色間滲みの悪化が生じる場合が存在した。
本発明のインクジェット記録方法(装置)は、滲み及び色間滲みの改善効果という観点から熱インクジェット記録方式、又は、ピエゾインクジェット記録方式を採用することが好ましい。この原因は明らかとはなっていないが、熱インクジェット記録方式の場合、吐出時にインクが加熱され、低粘度となっているが、記録媒体上でインクの温度が低下するため、粘度が急激に大きくなる。このため、滲み及び色間滲みに改善効果があると考えられる。一方、ピエゾインクジェット方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みに改善効果があるものと推測している。
本発明のインクジェット記録方法(装置)において、インク及び処理液の記録ヘッドへの補給(供給)は、インク及び処理液の各液体が満たされたインクタンク(処理液タンクを含む)から行われることがよい。このインクタンクは、装置に脱着可能なカートリッジ方式であることがよく、このカートリッジ方式のインクタンクを交換することで、インク及び処理液の補給が簡易に行われる。
以下、図面を参照しながら本発明のインクジェット記録装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、実質的に同様の機能を有する部材については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明のインクジェット記録装置の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。図2は、図1のインクジェット記録装置(以下、画像形成装置と称する)における内部の基本構成を示す斜視図である。
本実施形態の画像形成装置100は、前述の本発明のインクジェット記録方法に基づいて作動し画像を形成する構成を有している。すなわち、図1及び図2に示すように、画像形成装置100は、主として、外部カバー6と、普通紙などの記録媒体1を所定量載置可能なトレイ7と、記録媒体1を画像形成装置100内部に1枚毎に搬送するための搬送ローラ(搬送手段)2と、記録媒体1の面にインク及び処理液を吐出して画像を形成する画像形成部8(画像形成手段)と、画像形成部8のそれぞれのサブインクタンク5へインク及び処理液を補給するメインインクタンク4と、から構成されている。
搬送ローラ2は画像形成装置100内に回転可能に配設された一対のローラで構成された紙送り機構であり、トレイ7にセットされた記録媒体1を挟持するとともに、所定量の記録媒体1を所定のタイミングで1枚毎に装置100内部に搬送する。
画像形成部8は記録媒体1の面上にインクによる画像を形成する。画像形成部8は、主として記録ヘッド3と、サブインクタンク5と、給電信号ケーブル9と、キャリッジ10と、ガイドロッド11と、タイミングベルト12と、駆動プーリ13と、メンテナンスユニット14とから構成されている。
サブインクタンク5はそれぞれ異なる色のインク及び処理液が記録ヘッドから吐出可能に納められたサブインクタンク51、52、53、54、55を有している。これらには、例えば、第1の液体として、ブラックインク(K)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)が、第2の液体として処理液がメインインクタンク4から補給され納められている。
サブインクタンク5には、それぞれ排気孔56と補給孔57とが設けられている。そして、記録ヘッド3が待機位置(もしくは補給位置)に移動したとき、排気孔56及び補給孔57に補給装置15の排気用ピン151及び補給用ピン152がそれぞれ挿入されることで、サブインクタンク5と補給装置15とが連結可能となっている。また、補給装置15はメインインクタンク4と補給管16を介して連結されており、補給装置15によりメインインクタンク4から補給孔57を通じてサブインクタンク5へとインク又は処理液を補給する。
ここで、メインインクタンク4も、同様にそれぞれ異なる色のインク及び処理液が納めされたメインインクタンク41、42、43、44、45を有している。そして、これらには、例えば、第1の液体として、ブラックインク(K)、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)、シアンインク(C)が、第2の液体として処理液が満たされ、それぞれが画像形成装置100に脱着可能に格納されている。
さらに、記録ヘッド3には給電信号ケーブル9とサブインクタンク5が接続されており、給電信号ケーブル9から外部の画像記録情報が記録ヘッド3に入力されると、記録ヘッド3はこの画像記録情報に基づき各インクタンクから所定量のインクを吸引して記録媒体の面上に吐出する。なお、給電信号ケーブル9は画像記録情報の他に記録ヘッド3を駆動するために必要な電力を記録ヘッド3に供給する役割も担っている。
また、この記録ヘッド3はキャリッジ10上に配置されて保持されており、キャリッジ10はガイドロッド11、駆動プーリ13に接続されたタイミングベルト12が接続されている。このような構成により、記録ヘッド3はガイドロッド11に沿うようにして、記録媒体1の面と平行でありかつ記録媒体1の搬送方向X(副走査方向)に対して垂直な方向Y(主走査方向)にも移動可能となる。
画像形成装置100には、画像記録情報に基づいて記録ヘッド3の駆動タイミングとキャリッジ10の駆動タイミングとを調製する制御手段(図示せず)が備えられている。これにより、搬送方向Xにそって、所定の速度で搬送される記録媒体1の面の所定領域に画像記録情報に基づく画像を連続的に形成することができる。
メンテナンスユニット14は、チューブを介して減圧装置(図示せず)に接続されている。更にこのメンテナンスユニット14は、記録ヘッド3のノズル部分に接続し。記録ヘッド3のノズル内を減圧状態にすることにより記録ヘッド3のノズルからインクを吸引する機能を有している。このメンテナンスユニット14を設けておくことにより、必要に応じて画像形成装置100が作動中にノズルに付着した余分なインクを除去したり、作動停止状態のときにノズルからのインクの蒸発を抑制することができる。
図3は本発明のインクジェット記録装置の好適な他の一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。図4は、図3のインクジェット記録装置(以下、画像形成装置と称する)における内部の基本構成を示す斜視図である。本実施形態の画像形成装置101は、前述の本発明のインクジェット記録方法に基づいて作動し画像を形成する構成を有している。
図3及び図4に示す画像形成装置101は、記録ヘッド3の幅が記録媒体1幅と同じ又はそれ以上であり、キャリッジ機構を持たず、副走査方向(記録媒体1の搬送方向:矢印X方向)の紙送り機構(本実施形態では搬送ローラ2を示しているが、例えばベルト式の紙送り機構でもよい)で構成されている。
また、図示しないが、サブインクタンク51〜55を副走査方向(記録媒体1の搬送方向:矢印X方向)に順次配列させるのと同様に、各色(処理液も含む)を吐出するノズル群も副走査方向に配列させている。これ以外の構成は、図1及び2に示す画像形成装置100と同様なので説明を省略する。なお、図中、記録ヘッド3は移動しないので、サブインクタンク5は補給装置15と常時連結した構成を示しているが、インク補給時に補給装置15と連結する構成でもよい。
図3及び図4に示す画像形成装置101では、記録媒体1の幅方向(主走査方向)の印字を記録ヘッド3により一括で行うため、キャリッジ機構を持つ方式に比べ、装置の構成が簡易であり、印字速度も速くなる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
−処理液−
・H2N(CH23NH((CH22NH)1(CH23NH2 :4wt.%
・ジエチレングリコール:15wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:1wt.%
上記組成を混合し、酢酸及び純水を加えて、pHを6.7に調整して処理液を得た
−Bkインク−
・Cabojet−300(自己分散顔料):5wt.%
・ジエチレングリコール:20wt.%
・ブチルカルビトール:3wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:0.5wt.%
・純水:71.5wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Cyanインク組成−
・顔料(C.I.Pigment Blue 15:3表面にスルホン酸基を導入し、自己分散可能とした顔料):4wt.%
・グリセリン:20wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:3wt.%
・純水:73wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Magentaインク−
・顔料(C.I.Pigment Red 122表面にカルボン酸基を導入し、自己分散可能とした顔料):5wt.%
・エチレングリコール:5wt.%
・ジエチレングリコール:7wt.%
・1,3−ブタンジオール:6wt.%
・1,2−ヘキサンジオール:4wt.%
・2−エチルヘキシルアルコールオキシエチレン付加物:0.8wt.%
・純水:72.2wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Yellowインク−
・顔料(C.I.Pigment Yellow 128表面にスルホン酸基を導入し、自己分散可能とした顔料):5wt.%
・ポリエチレングリコール200:5wt.%
・グリセリン:15wt.%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:5wt.%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー:0.7wt.%
・純水:69.3wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
―評価―
得られたインクセットを用いて、印字を行った。印字は、800dpi、256ノズルの試作プリントヘッドを用い、FX−P紙(富士ゼロックス社製)に対して処理液を吐出し、その上からインクを吐出して重ね印字する方法で行った。印字は一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H)でおこなった。また、インクと処理液との付与量の質量比が4:1となるように印字した。評価は、印字後24時間一般環境下に放置したサンプルに対して行った(但し、乾燥時間は除く)。結果を表1に示す。
《O.D(画像濃度)》
処理液の上に4色のインクを吐出して重ね印字し、印字部分をエックスライト404(エックスライト社製)を用いて、各色の光学濃度を測定した。
《ICB(色間滲み)》
色間滲みの評価は、処理液の上に4色のインクを隣接するように吐出して印字し、各色の境界部分の滲み度合いを予め定めておいた限度見本に照合し、官能評価を行なった。
−評価基準−
◎…滲みが全くあるいはほとんどないもの
○…滲みはわずかに発生しているもの
△…滲みは発生しているが、許容レベルのもの
×…滲みが激しく、許容範囲外のもの
《フェザリング(滲み)》
各インクの細線パターンを印字し、印字部の滲み度合いを限度見本に照合し、官能評価を行なった。
−評価基準−
◎…滲みが少ないもの
○…滲みがわずかに発生しているもの
△…滲みは発生しているが、許容レベルのもの
×…滲みが激しく、許容範囲外のもの
《乾燥時間》
各インクを100%カバレッジパターンを印字してから所定の時間経過後に印字パターン上に別のFXインクジェットコート紙を1.9×104N/m2の荷重で押し当てる。この時、押し当てたFXインクジェットコート紙側に液体が転写されなくなる時間を乾燥時間とした。
(実施例2)
−処理液−
・H2N(CH23NH((CH22NH)1(CH23NH2 :4wt.%
・ジエチレングリコール:20wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:1wt.%
上記組成を混合し、酢酸及び純水を加えて、pHを7.8に調整して処理液を得た。
−Cyanインク−
・顔料(C.I.Pigment Blue 15:4表面にカルボン酸基を導入し、自己分散可能とした顔料):4wt.%
・ジエチレングリコール:10wt.%
・2−ピロリドン:5wt.%
・ジグリセリンオキシエチレン付加物:5wt.%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:3wt.%
・オキシエチレンオレイルエーテル:1wt.%
・純水:72wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Yellowインク−
・顔料(C.I.Pigment Yellow 74表面にスルホン酸基を導入し、自己分散可能とした顔料)5wt.%
・トリグリセリン:8wt.%
・エチレングリコール:7wt.%
・トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル:3wt.%
・オキシエチレンラウリルエーテル:0.7wt.%
・純水76.3wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、Bkインク、Magentaインクは実施例1と同様)を用い、実施例1と同様に印字評価を行った。
(実施例3)
−処理液−
・H2N(CH23NH((CH22NH)1(CH23NH2 :4wt.%
・ジエチレングリコール:10wt.%
・グリセリン5wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:1.5wt.%
上記組成を混合し、さらに塩酸及び純水を加えて、pHを8.7に調整して処理液を得た。
−Bkインク−
・Microjet Black CW−1(自己分散顔料):4.5wt.%
・トリエチレングリコール:8wt.%
・N−メチルピロリドン:6wt.%
・グリセリンオキシエチレン付加物:5wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:1.0wt.%
・純水75.5wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Yellowインク−
・C.I.Direct.Yellow 173 :4wt.%
・ポリエチレングリコール 300 :5wt.%
・プロピレングリコール:7wt.%
・トリメチロールプロパン:5wt.%
・1,2,6−ヘキサントリオール:3wt.%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル:0.7wt.%
・純水:75.3wt.%
得られたインクセット(但し、Cyanインク、Magentaインクは実施例1と同様)を用い、実施例1と同様に印字評価を行った。
(実施例4)
−Bkインク−
・Raven5250 :5wt.%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチルエステル共重合体:3wt.%
・ジエチレングリコール:20wt.%
・ブチルカルビトール:3wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:0.5wt.%
・純水:68.5wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Cyanインク−
・C.I.Pigment Blue 15:3 :4wt.%
・メタクリル酸−メタクリル酸n−ブチルエステル共重合体:0.4wt.%
・グリセリン:20wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:3wt.%
・純水:72.6wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Magentaインク−
・C.I.Pigment Red 122 :6wt.%
・スチレン−メタクリル酸共重合体:1.2wt.%
・エチレングリコール:5wt.%
・ジエチレングリコール:7wt.%
・1,3−ブタンジオール:6wt.%
・1,2−ヘキサンジオール:4wt.%
・2−エチルヘキシルアルコールオキシエチレン付加物:0.8wt.%
・純水:70wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Yellowインク−
・C.I.Pigment Yellow 128 :4wt.%
・スチレン−アクリル酸−メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル共重合体:3wt.%
・ポリエチレングリコール200 :10wt.%
・グリセリン:15wt.%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:5wt.%
・オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー:0.7wt.%
・純水:62.3wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、処理液は実施例2と同様)を用い、実施例1と同様に印字評価を行った。
(実施例5)
−処理液−
・H2N(CH26NH((CH22NH)2(CH26NH2 :3.5wt.%
・ジエチレングリコール:8wt.%
・グリセリン:6wt.%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:3wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:0.5wt.%
上記組成を混合し、さらにメタンスルホン酸及び純水を加えて、pHを8.7に調整して、処理液を得た。
−Bkインク−
・Cabojet−200(自己分散顔料):4.5wt.%
・エチレングリコール:10wt.%
・グリセリン:8wt.%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:3wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:0.5wt.%
・純水:74wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Cyanインク−
・顔料(C.I.Pigment Blue 15:3表面にスルホン酸基を導入し、自己分散可能とした顔料):5wt.%
・グリセリン:15wt.%
・ネオペンチルグリコール:5wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:3wt.%
・純水:72wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Magentaインク−
・C.I.Pigment Red 122 :6wt.%
・メタクリル酸n−ブチルエステル−メタクリル酸共重合体:2wt.%
・ジエチレングリコール:7wt.%
・グリセリン:10wt.%
・1,3−ブタンジオール:7wt.%
・オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体:0.8wt.%
・純水:67.2wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
−Yellowインク−
・顔料(C.I.Pigment Yellow 97表面にスルホン酸基を導入し、自己分散可能とした顔料):4wt.%
・テトラエチレングリコール:4wt.%
・ジグリセリン:8wt.%
・ジプロピレングリコール:5wt.%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:5wt.%
・オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー:1.0wt.%
・純水:73wt.%
上記組成を混合し、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過することによりインクを得た。
―評価―
得られたインクセットを用い、実施例1と同様に印字評価を行った。
(実施例6)
−処理液−
・H2N(CH23NH((CH22NH)1(CH23NH2 :3.5wt.%
・Mg(NO32・6H2O:1.0wt.%
・ジエチレングリコール:5wt.%
・グリセリン:10wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:1.0wt.%
上記組成を混合し、さらに純水及び酸を加えて、pHを6.8に調整して、処理液を得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、Bkインク、Cyanインク、Magentaインク、Yellowインクは実施例1と同様)を用いて、実施例1と同様に印字評価を行った。
(実施例7)
−処理液−
・H2N(CH23NH((CH22NH)1(CH23NH2 :3.5wt.%
・ポリアリルアミン:1.0wt.%
・グリセリン:15wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:1.5wt.%
上記組成を混合し、さらにHCl水溶液及び純水を加えて、pHを7.9に調整して、処理液を得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、Bkインク、Cyanインク、Magentaインク、Yellowインクは実施例3と同様)を用いて、実施例1と同様に印字評価を行った。
(実施例8)
−処理液−
・H2N(CH23NH((CH22NH)1(CH23NH2 :4wt.%
・ジエチレングリコール:15wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:1.2wt.%
上記組成に純水及び酸を混合して、pHが10.0の処理液を得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、Bkインク、Cyanインク、Magentaインク、Yellowインクは実施例3と同様)を用いて、実施例1と同様に印字評価を行った。
(実施例9)
・NH2−CH2CH2CH2CH2−NH− CH2CH2−NH−CH2CH2−NH− CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2−NH2 :5wt.%
・グリセリン:10wt.%
・トリエチレングリコール:5wt.%
・オキシエチレンステアリルエーテル:1.5wt.%
上記組成を混合し、さらにHCl水溶液及び純水を加えて、pHを7.7に調整して、処理液を得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、Bkインク、Cyanインク、Magentaインク、イエローインクは実施例1と同様)を用い、実施例1と同様に印字評価を行った。
(実施例10)
・NH2−CH2CH2CH2CH2−NH−CH2CH2CH2CH2−NH2 :5wt.%
・ポリエチレングリコール200 :10wt.%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:5wt.%
・オキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル:0.3wt.%
上記組成を混合し、さらにHCl水溶液及び純水を加えて、pHを6.9に調整して、処理液を得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、Bkインク、Cyanインク、Magentaインク、イエローインクは実施例1と同様)を用いて、印字を行った。印字は、1600dpi、256ノズルの試作プリントヘッド(ドロップ量3ng)を用い、FX−P紙(富士ゼロックス社製)に対して処理液を吐出し、その上からインクを吐出して重ね印字する方法で行った。印字は一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H)でおこなった。また、インクと処理液との付与量の質量比が7:1となるように印字した。評価は、印字後24時間一般環境下に放置したサンプルに対して行った(但し、乾燥時間は除く)。その他は実施例1同様である。結果を表1に示す。
(実施例11)
・NH2−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−CO−NH− CH2CH2−NH−CH2CH2CH2−NH2 :5wt.%
・テトラエチレングリコール:7wt.%
・ジプロピレングリコール:4wt.%
・1,2−ヘキサンジオール:2wt.%
・オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー:1.3wt.%
上記組成を混合し、さらに酢酸及び純水を加えて、pHを7.5に調整して、処理液を得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、Bkインク、Cyanインク、Magentaインク、イエローインクは実施例3と同様)を用いて、印字を行った。印字は、1200dpi、512ノズルの試作プリントヘッド(ドロップ量8ng)を用い、FX−P紙(富士ゼロックス社製)に対して処理液を吐出し、その上からインクを吐出して重ね印字する方法で行った。印字は一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H)でおこなった。また、インクと処理液との付与量の質量比が5:1となるように印字した。評価は、印字後24時間一般環境下に放置したサンプルに対して行った(但し、乾燥時間は除く)。その他は実施例1と同様である。結果を表1に示す。
(比較例1)
−処理液−
・H2N(CH22NH(CH22NH(CH22NH2 :4wt.%
・グリセリン:10wt.%
・2−ピロリドン:10wt.%
・テトラメチルデシンジオールオキシエチレン付加物:2wt.%
上記組成を混合し、さらに酢酸及び純水を加え、pHを8.7に調整し、処理液を得た。
―評価―
得られたインクセット(但し、Bkインク、Cyanインク、Magentaインク、Yellowインクは実施例3と同様)を用いて、実施例1と同様に印字評価を行った。


Figure 2006198994
これら結果から、本実施例の処理液(インクセット)を用いることで、色材の凝集に伴う反応性が向上され、画像濃度の向上、滲み(フェザリング/ICB)改善が効果的に実現可能であることがわかる。また、処理液をインクに対して1/4といった少量印字することで、画像濃度の向上、滲み(フェザリング/ICB)改善が図れるので、乾燥時間短縮及び用紙しわ抑制も実現可能であることもわかる。
本発明のインクジェット記録装置の好適な一実施形態の外観の構成を示す斜視図である。 図1のインクジェット記録装置における内部の基本構成を示す斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置の好適な他の一実施形態の外観構成を示す斜視図である。 図3のインクジェット記録装置における内部の基本構成を示す斜視図である。
符号の説明
100、101 画像形成装置
1 記録媒体
2 搬送ローラ
3 記録ヘッド
4 メインインクタンク
5 サブインクタンク
6 外部カバー
7 トレイ
8 画像形成部
9 給電信号ケーブル
10 キャリッジ
11 ガイドロッド
12 タイミングベルト
13 駆動プーリ
14 メンテナンスユニット
15 補給装置

Claims (12)

  1. 少なくとも、水、水溶性有機溶媒、及び下記一般式(I)で示される化合物を含有することを特徴とするインクジェット用処理液。
    一般式(I):NH2−X1−NH−(X2−NH)n−X3−NH2
    (一般式(I)中、X1、X3は、それぞれ独立に置換或いは未置換の炭素数3以上の直鎖のアルキレン基を示す。X2は連結基を示し、nは0以上の整数を示す。)
  2. 前記一般式(I)で示される化合物が、下記一般式(II)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用処理液。
    一般式(II):NH2(CH2xNH((CH2yNH))n(CH2ZNH2
    (一般式(II)中、xは3〜8の整数を示す。yは1〜8の整数を示す。zは3〜8の整数を示す。nは0〜6の整数を示す。)
  3. pHが9以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用処理液
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液が収納されたことを特徴とするインクジェット用処理液タンク。
  5. 少なくとも、アニオン性の色材を含むインクと、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液と、
    を具備することを特徴とするインクジェット用インクセット。
  6. 請求項5に記載のインクジェット用インクセットを収納したことを特徴とするインクジェット用インクタンク
  7. インクジェット用インクセットを用いたインクジェット記録方法であって、
    前記インクジェット用インクセットは、請求項5に記載のインクジェット用インクセットであり、
    前記インク及び処理液が互いに接触するように記録媒体上に吐出して、画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 前記インクジェット用インクセットを収納したインクジェット用インクタンクから供給された前記インク及び処理液を、記録媒体上に吐出することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記記録媒体上に吐出する前記インク総量と前記処理液総量と比率(インク総量:処理液総量)が、1:0.5〜1:0.05であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  10. インクジェット用インクセットにおける各液体を記録媒体に吐出するための記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、
    インクジェット用インクセットは、請求項5に記載のインクジェット用インクセットである、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 前記インクジェット用インクセットを収納したインクジェット用インクタンクから前記記録ヘッドへ、前記インク及び処理液を供給するためのインクジェット用インクタンクを、さらに備えることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録媒体上に吐出する前記インク総量と前記処理液総量と比率(インク総量:処理液総量)が、1:0.5〜1:0.05であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
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