JP3921893B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出させて画像の記録を行うインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式のプリンターは、ノズル、スリット又は多孔質フィルム等から、液体・溶融固体のインクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録を行う方式のプリンターであり、その特徴として、小型で、安価で、静寂性に優れる等の種々の利点が挙げられる。そのため、黒色の単色あるいはフルカラーのプリンターとして、多く市販されている。
中でも、圧電素子を用いたいわゆるピエゾインクジェット記録方式、及び、熱エネルギーを作用させて液滴を形成し記録を行う、いわゆる熱インクジェット記録方式は、高速印字・高解像度が得られる等多くの利点がある。
【0003】
従来、インクジェット記録方式に一般的に用いられている水溶性染料を用いたインクは、長期保存安定性には優れるものの、耐水性、耐光性に問題があった。それに対し、顔料を用いたインクは、耐水性、耐光性に優れ、かつ高濃度で滲みのない画質を得ることができるため、非常に有望であり、近年多くの提案がなされ、実用化されている。
【0004】
例えば、特開昭55−65269号公報では、インク中に界面活性剤を添加する方法が開示されているが、この方法では十分な光学濃度が得られないという問題があった。又、フェザリングが発生するという問題があった。
また、特開平4−239067号公報では、印字性能向上を目的として、ヘッドを少なくとも2種以上の構成部材で構成し、HLBが10〜20の界面活性剤を添加したインクを用いる技術が開示されているが、光学濃度が十分で、ドライングが速く、フェザリングの発生がない、という3者を同時に満足する画像を印字できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光学濃度が十分高く、ドライングが速く、かつ、フェザリングの発生が抑制された画像を得ることが可能なインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち本発明は、
少なくとも、高分子分散剤なしで水に自己分散可能な顔料と、水溶性有機溶媒と、界面活性剤と、水と、を含有し、下記(A)〜(D)を満たすインクを、20pl以下のドロップ量で印字することを特徴とするインクジェット記録方法である。
(A)界面活性剤のHLB(親水基/疎水基バランス)が、8〜15
(B)インク中の界面活性剤の含有量が、0.4〜5.0重量%
(C)インクの表面張力が、20〜40mN/m
(D)前記インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が、2×105〜6×105個
【0008】
本発明は、前記インク中に存在する粒子の体積平均粒子径が、30〜90nmであるのが好ましい。
本発明は、前記インクの粘度が、1.5〜6.0mPa・sであるのが好ましい。
【0009】
本発明は、前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤であるのが好ましい。
本発明は、前記ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであるのが好ましい。
【0010】
本発明は、前記界面活性剤の疎水基炭素数が、8〜20であるのが好ましい。
本発明は、前記界面活性剤の親水基におけるエチレンオキサイド基の数が、2〜15であるのが好ましい。
【0011】
本発明は、前記インク中の色材の含有量が、0.5〜20重量%であるのが好ましい。
本発明は、前記インクジェット記録方法が、熱インクジェット記録方式により記録する方法であるのが好ましい。
本発明は、前記インクジェト記録方法が、インクに複数パルスを印加することにより1ドロップを形成するのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録方法は、特定のインクを、20pl以下のドロップ量で印字する。
【0013】
[インク]
本発明において用いられるインクは、少なくとも、高分子分散剤なしで水に自己分散可能な顔料と、水溶性有機溶媒と、界面活性剤と、水と、を含有し、下記(A)〜(D)の条件を満たす。
(A)前記界面活性剤のHLB(親水基/疎水基バランス)が、8〜15
(B)前記インクにおける界面活性剤の含有量が、0.4〜5.0重量%
(C)前記インクの表面張力が、20〜40mN/m
(D)前記インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が、2×105〜6×105個
又、前記インクは、必要に応じてその他の成分を含有する。
【0015】
−−顔料−−
本発明において使用可能な顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれでもよく、黒色顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
【0016】
前記黒色顔料としては、例えば、コロンビアン・カーボン社製の、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000 ULTRA II、Raven 3500、Raven2000、Raven1500、Raven1250、Raven1200、Raven1190 ULTRA II、Raven1170、Raven1255、Raven1080、Raven1060;
【0017】
キャボット社製の、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Black Pearls L、Monarch 700、Monarch 800、Monarc 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400;
【0018】
デグッサ社製の、Color Black FW1、Color BlackFW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex35、Printex U、Printex V、Printex140U、Printex140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、SpecialBlack4;
【0019】
三菱化学社製の、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA−600、MA−7、MA−8、MA−100;
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
前記シアンの顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、−2、−3、−15、−15:1、−15:2、−15:3、−15:4、−16、−22、−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
前記マゼンタの顔料としては、C.I.Pigment Red−5、−7、−12、−48、−48:1、−57、−112、−122、−123、−146、−168、−184、−202等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
前記イエローの顔料としては、C.I.Pigment Yellow−1、−2、−3、−12、−13、−14、−16、−17、−73、−74、−75、−83、−93、−95、−97、−98、−114、−128、−129、−151、−154等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
前記顔料としては、水に自己分散可能な顔料を使用する。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に、水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤の存在がなくとも水中で安定に分散する顔料のことである。
前記水に自己分散可能な顔料としては、具体的には、上記の通常の顔料に対して、酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより作製することができる。
【0024】
前記水に自己分散可能な顔料であるか否かは、以下のように判断することができる。
【0025】
水95重量部に、顔料5重量部を加え、超音波ホモジナイザーを用いて分散液を作製する。この分散液をガラス瓶中で1日放置した後、上から3分の1の体積量の分散液について顔料濃度を測定する。
この時、放置後の顔料濃度が、分散直後の顔料濃度の98重量%以上であれば、水に自己分散可能な顔料であると判断する。
【0026】
また、前記水に自己分散可能な顔料としては、上記のような表面改質処理等を施した顔料のほか、キャボット社製の、Cab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、日本触媒社製の自己分散顔料等の市販の自己分散顔料等も挙げられる。
【0027】
前記顔料を用いた場合には、前記インクの2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数としては、1×105〜1×106個が好ましく、1×105〜8×105個がより好ましく、2×105〜6×105個が更に好ましい。
前記粒子の数が、1×105個未満では、十分な光学濃度が得られないことがある一方、1×106個を超える場合にはドライングが遅くなることがある。
尚、前記粒子とは、例えば、AccusizerTM770 Optical Particle Sizer(Particle Sizing Systems社製)を用い、密度のパラメーターとして、使用した顔料の密度を入力することによって測定される粒子をいう。
【0028】
前記顔料を用いた場合には、インク中に存在する粒子の体積平均粒子径としては、30〜90nmが好ましく、30〜80nmがより好ましく、30〜60nmが更に好ましい。
前記体積平均粒子径が、90nmを超える場合には、ドライングが遅くなることがある。これは、分散している粒子径が大きくなるにつれて、記録媒体へのインクの浸透が抑制されるためと考えられる。
一方前記体積平均粒子径が、30nm未満の場合には、光学濃度が低くなることがある。
尚、前記粒子とは、例えば、粒度分析計(マイクロトラックUPA粒度分析計 9340、Leeds & Northrup 社製)を用い、インク4mlを測定セルに入れ、密度のパラメーターとして、使用した顔料の密度を入力し、粘度のパラメーターとして、インクの粘度を入力し、公知の測定方法により体積平均粒子径が測定される粒子をいう。
【0029】
−−染料−−
本発明において使用可能な染料としては、水溶性染料、油性染料、分散染料のいずれでもよく、例えば、C.I.ダイレクトブラック−2、−4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、−80、−151、−154、−168、−171、−194、−195;
【0030】
C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−112、−142,−165、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236、−287、−307;
【0031】
C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189、−227;
【0032】
C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−58、−86、−87、−88、−132、−135、−142、−144、−173;C.I.フードブラック−1、−2;
【0033】
C.I.アシッドブラック−1、−2、−7、−16、−24、−26、−28、−31、−48、−52、−63、−107、−112、−118、−119、−121、−156、−172、−194、−208;
【0034】
C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−83、−90、−102、−104、−111、−185、−249、−254;
【0035】
C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−52、−110、−144、−180、−249、−257;
【0036】
C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−18、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−78、−79、−122;等が挙げられる。
【0037】
前記インク中の前記顔料の含有量としては、0.5〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
前記含有量が、0.5重量%未満では、十分な光学濃度が得られないことがある一方、20重量%を超えると、インクが正常に噴射されないことがある。
【0038】
−水溶性有機溶媒−
前記水溶性有機溶媒としては、特に制限はないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等の多価アルコール誘導体、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、あるいは、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0039】
前記インク中の前記水溶性有機溶媒の含有量としては、1〜60重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましい。
前記含有量が、1重量%未満では十分な光学濃度が得られないことがある一方、60重量%を超える場合には、ドライングが遅くなることがある。
【0040】
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、HLB(親水基/疎水基バランス)(以下、適宜「HLB」と略することがある。)が、8〜15であることが必要であり、8〜13であるのが好ましい。
HLBが8未満では、ドライングが遅くなりフェザリングが発生するため好ましくない。これは、HLBが8未満では、界面活性剤の水溶性が低下してしまうこと、色材として顔料を用いた場合には界面活性剤が顔料表面に吸着して顔料を凝集させる作用が働くこと、等が原因と考えられる。
一方HLBが15を超えると、ドライングが遅くなるため好ましくない。これは、HLBの大きい界面活性剤は、紙等の記録媒体に対する親和性が低いため、記録媒体への浸透性が低くなることが原因であると考えられる。
尚、本発明において、HLBは、グリフィンの算出法により得られた値を用いた。
【0041】
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0042】
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0043】
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物等が挙げられる。
【0044】
前記カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0045】
前記界面活性剤としては、前述のほか、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント;等も挙げられる。
【0046】
前記界面活性剤の中でも、顔料表面の電荷を好適に維持し得る点で、ノニオン性界面活性剤が好適であり、その中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好適である。また、前記界面活性剤の疎水基炭素数としては、8〜20が好適であり、親水基におけるエチレンオキサイド基数としては、2〜15個が好適である。
【0047】
前記インクにおける前記界面活性剤の含有量としては、0.4〜5重量%であることが必要であり、0.5〜3重量%が好ましい。
前記含有量が、5重量%を超えると、光学濃度が低下し好ましくない。また、前記含有量が0.4重量%未満では、ドライングが遅くなるため好ましくない。
【0048】
−水−
本発明におけるインクに使用される水は、一般の水が全て用いられるが、特に不純物が混入することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが好ましい。
【0049】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、先ず、前記顔料、分散染料等を好適に分散させることを目的として添加可能な、高分子分散剤が挙げられる。前記高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する化合物等が有効に使用可能であり、具体的には、縮合系重合体及び付加重合体等が挙げられる。
前記高分子分散剤の前記インク中の含有量としては、色材に対して0.1〜100重量%が好ましい。
【0050】
前記その他の成分としては、また、インク特性の制御を目的として添加可能な、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション等のポリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド等が挙げられる。
【0051】
前記その他の成分としては、更に、導伝率、インクのpHの調整等を目的として添加可能な、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等が挙げられる。
【0052】
前記その他の成分としては、更にまた、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、キレート化剤等のほか、水溶性染料、分散染料、油溶性染料等が挙げられる。
【0053】
−インクの物性値等−
前記インクの表面張力としては、20〜40mN/mであることが必要であり、25〜40mN/mが好ましい。
前記インクの表面張力が、20mN/m未満では、十分な光学濃度が得られなず、前記インクの表面張力が、40mN/mを超えると、ドライングが遅くなる。
【0054】
前記インクの粘度としては、1.5〜6.0mPa・sが好ましく、1.5〜5.0mPa・sがより好ましい。
前記粘度が6.0mPa・sを超えると、ドライングが遅くなることがある。これは、紙(記録紙)等の記録媒体への浸透性が低くなるためと考えられる。
一方、前記粘度が1.5mPa・s未満では、十分な光学濃度が得られないことがある。これは、紙(記録紙)等の記録媒体への浸透性が大きくなり過ぎるためであると考えられる。
【0055】
前記インクのpHとしては、3〜11が好ましく、4.5〜9.5がより好ましい。
特に、表面にアニオン性遊離基を有する顔料を含有するインクにおいては、そのpHとしては6〜11が好ましく、6〜9.5がより好ましく、7.5〜9.0が更に好ましい。
又、特に、表面にカチオン性遊離基を有する顔料を含有するインクにおいては、そのpHとしては4.5〜8.0が好ましく、4.5〜7.0がより好ましい。
【0056】
前記本発明におけるインクは、通常のインクジェット記録装置は勿論、インクのドライング速度を制御するためのヒーター等を搭載した記録装置、中間体転写機構を搭載し、中間体にインクを印字した後、紙等の記録媒体に転写する記録装置等の公知の総てのインクジェット記録装置に適用可能である。
【0057】
[印字]
本発明における印字としては、20pl以下のドロップ量で印字することが必要であり、1〜15plのドロップ量がより好ましく、1〜12plのドロップ量が更に好ましく、ドロップ量はこれらの範囲内で少ない程好ましい。
尚、前記ドロップ量とは、インクジェットによる印字の際吐出されるインクの一滴あたりの量のことをいう。
記録媒体上にインクを印字した場合、インクに含まれる水分は、大気中への蒸発及び記録媒体中への浸透により拡散する。この蒸発・浸透の割合は、インクのドロップ量により変化するため、インクのドロップ量によって印字特性が変化するものと考えられる。
【0058】
本発明においては、20pl以下のドロップ量で印字することにより、高い光学濃度を得、ドライングが速く、かつ、フェザリングの発生のない印字が可能である。一方、前記ドロップ量が20plを超える場合には、フェザリングが発生してしまう場合がある。
【0059】
前記印字の記録方式としては、前述のドロップ量の条件を満たし得るのであれば特に制限はなく、従来公知の総ての記録方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電界制御記録方式や、ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出させる圧力パルス記録方式、高熱によって気泡を形成・成長させて生ずる圧力を利用しインクを吐出させる熱インクジェット記録方式等のオンデマンド方式等の各種の記録方式が好適に適用可能である。これらの中でも、インクの材料の選択範囲が広い点で、前記熱インクジェット記録方式がより好ましい。
【0060】
前記印字の記録方式としては、インクに複数パルスを印加することにより1ドロップを形成するのが好ましい。
インクに複数パルスを印加することにより1ドロップを形成すれば、ヒーター部に堆積物等が堆積し難くなるため、長期に亘って安定した印字が可能となる。
【0061】
以上より、本発明のインクジェット記録方法によれば、光学濃度が高く、ドライング性に優れ、かつ、フェザリングの発生が抑制された画像を好適に得ることができる。
【0062】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
−顔料分散液の作製−
市販の、水に自己分散可能な表面処理顔料(Cab−o−jet−300、キャボット社製)をイオン交換水に分散させた分散液を、遠心分離装置で、遠心分離処理(回転数:8000rpm、処理時間:30分間)し、残渣部分(分散液の全量に対する20重量%)を除去して、顔料分散液を得た。
【0064】
−インクの作製−
得られた顔料分散液を含む下記組成の成分を適量混合・攪拌し、1μmのフィルターを通過させることにより、顔料濃度が所定濃度となるように調整された下記組成のインクを作製した。
【0065】
−−インクの組成−−
・前記表面処理顔料(Cab−o−jet−300、
キャボット社製):5重量部
・エチレングリコール:10重量部
・グリセリン:5重量部
・ポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル
(商品名:E206、日本油脂社製、
HLB=10.6):1重量部
・イソプロピルアルコール:2重量部
・尿素:4重量部
・イオン交換水:残部
計:100重量部
【0066】
<インクの物性値の測定・評価>
得られたインクの表面張力を公知の測定方法により測定したところ、28mN/mであった。
インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数を、前述の測定装置により測定したところ、3.2×105個であった。
インク中に存在する粒子の体積平均粒子径を、前述の粒度分析計を用いて測定したところ、58nmであった。
インクの粘度は、4.4mPa・sであった。
【0067】
<印字・印字部の評価>
得られたインクを用い、800dpi(160ノズル)の試作プリントヘッドを用いて、熱インクジェット記録方式により、試作印字装置によって、100%カバレッジパターン及びラインパターンを印字した後、24時間一般環境下に放置した。印字は、インクに、複数パルスを印加することにより1dropを形成させて行った。記録媒体としては、普通紙(FX−L紙、富士ゼロックス(株)製)を用い、印字及び後述の測定及び評価は、一般環境下(温度23±0.5℃、湿度55±5%RH)で行った。
印字のドロップ量は、9plであった。
【0068】
−光学濃度の測定・評価−
得られた100%カバレッジパターンについて、光学濃度計(エックスライト404、エックスライト社製)を用いて測定し、以下の評価基準により評価した。結果を表1に示す。
−−光学濃度の評価基準−−
○:光学濃度が1.3以上である場合
△:光学濃度が1.2以上1.3未満である場合
×:光学濃度が1.2未満である場合
【0069】
−フェザリングの評価−
得られたラインパターンについて、滲みの程度を予め定めておいた限度見本と照合し、目視観察によって以下の評価基準により評価した。結果を表1に示す。−−フェザリングの発生の評価基準−−
○:フェザリングが全く観察されない場合
△:フェザリングがある程度観察される場合
×:フェザリングが多数観察される場合
【0070】
−ドライングの評価−
ドライングは、以下のように、乾燥までの時間(ドライング時間)を測定することにより測定し、以下の評価基準により評価した。結果を表1に示す。
ドライング時間は、100%カバレッジパターンのベタ印字部の印字画像の上から、別の普通紙(FX−L紙、富士ゼロックス(株)製)を重ね、更にその上から、4.9×104N/m2の荷重をかけ、重ねた紙にインクが転写されなくなるまでの時間(印字から紙を重ねるまでの時間)を測定し、以下の基準で評価した。
−−ドライング時間の評価基準−−
○:ドライング時間が10秒未満の場合
△:ドライング時間が10秒以上20秒未満の場合
×:トライング時間が20秒以上の場合
【0071】
−コゲーションの測定・評価−
前記印字装置を用い、1ノズル当たり1×108パルスを連続噴射し、FX−L紙(富士ゼロックス(株)製)上でのドット径の初期ドット径に対する変化率について測定し、以下の評価基準により評価した。結果を表1に示す。
−−コゲーションの評価基準−−
○:ドット径変化率が5%未満の場合
△:ドット径変化率が5%以上10%未満の場合
×:ドット径変化率が10%以上の場合
【0072】
(参考例1)
−顔料分散液の作製−
実施例1の「顔料分散液の作製」において、水に自己分散可能な表面処理顔料(Cab−o−jet−300、キャボット社製)に代えて、水に自己分散可能な表面処理顔料(商品名:Microjet Black CW−1、オリエント化学社製)を用いた外は、実施例1と同様にして顔料分散液を作製した。
【0073】
−インクの作製−
得られた顔料分散液を含む組成の成分を適量混合・攪拌し、1μmのフィルターを通過させることにより、顔料濃度が所定濃度となるように調整された下記組成のインクを作製した。
【0074】
−−インクの組成−−
・前記表面処理顔料
(Microjet Black CW−1、
オリエント化学社製):5重量部
・ジエチレングリコール:10重量部
・チオジグリコール:5重量部
・ポリオキシエチレン(8)セチルエーテル(BC−
8SY/日光ケミカル社製、HLB=12.4):0.5重量部
・イソプロピルアルコール:2重量部
・イオン交換水:残部
計:100重量部
【0075】
<インクの物性値の測定・評価>
得られたインクの物性値を、実施例1と同様の方法により測定・評価したところ、インクの表面張力は34mN/m、インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数は1.1×105個、インク中に存在する粒子の体積平均粒子径は31nm、インクの粘度は2.5mPa・sであった。
【0076】
<印字・印字部の評価>
得られたインクを用い、印字のドロップ量を9plから12plに変えた外は、実施例1と同様にして印字を行い、光学濃度の測定・評価、フェザリングの評価、ドライングの評価、コゲーションの測定・評価を行った。結果を表1に示す。
【0077】
(参考例2)
−顔料分散液の作製−
カーボンブラック(MA−100/三菱化学社製)にプラズマ処理を行った顔料を、顔料濃度が20wt%となるようにイオン交換水中に加え、高圧ホモジナイザーを用いて分散液を作製した。この分散液を、遠心分離装置を用いて遠心分離処理(回転数:8000rpm、処理時間:30分間)し、残渣部分(全量に対して20%)を除去して、顔料分散液を作製した。
【0078】
−インクの作製−
得られた顔料分散液を含む下記組成の成分を適量混合・攪拌し、1μmのフィルターを通過させることにより、顔料濃度が所定濃度となるように調整された下記組成のインクを作製した。
【0079】
−−インクの組成−−
・カーボンブラック(MA−100/三菱化学社製):4重量部
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:5重量部
・スルホラン:5重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:3重量部
・ポリオキシエチレン(14)オレイルエーテル(EN−
914/青木油脂社製、HLB=14.3):0.5重量部
・尿素:4重量部
・イオン交換水:残部
計:100重量部
【0080】
<インクの物性値の測定・評価>
得られたインクの物性値を、実施例1と同様の方法により測定・評価したところ、インクの表面張力が36mN/m、インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が1.5×105個、インク中に存在する粒子の体積平均粒子径が70nm、インクの粘度が2.5mPa・sであった。
【0081】
<印字・印字部の評価>
得られたインクを用い、印字のドロップ量を、9plから11plに変えた外は、実施例1と同様にして印字を行い、光学濃度の測定・評価、フェザリングの評価、ドライングの評価、コゲーションの測定・評価を行った。結果を表1に示す。
【0082】
(実施例2)
−顔料分散液の作製−
参考例2の「顔料分散液の作製」において、カーボンブラック(MA−100、三菱化学社製)を、C.I.Pigment Blue 15:3に代えた外は、参考例2と同様にして顔料分散液を作製した。
【0083】
−インクの作製−
得られた顔料分散液を含む下記組成の成分を適量混合・攪拌し、1μmのフィルターを通過させることにより、顔料濃度が所定濃度となるように調整された下記組成のインクを作製した。
【0084】
−−インクの組成−−
・顔料(C.I.Pigment Blue
15:3):4重量部
・ジエチレングリコール:5重量部
・N−メチル−2−ピロリドン:5重量部
・ポリオキシエチレン(8)セチルエーテル(CH
308/青木油脂社製、HLB=12.4):0.5重量部
・イソプロピルアルコール:3重量部
・尿素:6重量部
・イオン交換水:残部
計:100重量部
【0085】
<インクの物性値の測定・評価>
得られたインクの物性値を、実施例1と同様の方法により測定・評価したところ、インクの表面張力が35mN/m、インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が2.0×105個、インク中に存在する粒子の体積平均粒子径が65nm、インクの粘度が2.9mPa・sであった。
【0086】
<印字・印字部の評価>
得られたインクを用い、印字のドロップ量を、9plから10plに変えた外は、実施例1と同様にして印字を行い、光学濃度の測定・評価、フェザリングの評価、ドライングの評価、コゲーションの測定・評価を行った。結果を表1に示す。
【0091】
(比較例1)
−顔料分散液の作製−
実施例1の「顔料分散液の作製」と同様にして顔料分散液を作製した。
【0092】
−インクの作製−
得られた顔料分散液を含む下記組成の成分を適量混合・攪拌し、1μmのフィルターを通過させることにより、顔料濃度が所定濃度となるように調整された下記組成のインク100重量部を作製した。
【0093】
−−インクの組成−−
・表面処理顔料(Cab−o−jet−300、
キャボット社製):5重量部
・ジエチレングリコール:5重量部
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:5重量部
・ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル(BL−
2/日光ケミカル社製、HLB=7.7):0.7重量部
・イソプロピルアルコール:2重量部
・尿素:4重量部
・イオン交換水:残部
計:100重量部
【0094】
<インクの物性値の測定・評価>
得られたインクの物性値を、実施例1と同様の方法により測定・評価したところ、インクの表面張力が22mN/m、インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が7.0×105個、インク中に存在する粒子の体積平均粒子径が71nm、インクの粘度が3.1mPa・sであった。
【0095】
<印字・印字部の評価>
得られたインクを用い、印字のドロップ量を9plから11plに変えた外は、実施例1と同様にして印字を行い、光学濃度の測定・評価、フェザリングの評価、ドライングの評価、コゲーションの測定・評価を行った。結果を表1に示す。
【0096】
(比較例2)
−顔料分散液の作製−
実施例1の「顔料分散液の作製」と同様にして顔料分散液を作製した。
【0097】
−インクの作製−
得られた顔料分散液を含む下記組成の成分を適量混合・攪拌し、1μmのフィルターを通過させることにより、顔料濃度が所定濃度となるように調整された下記組成のインクを作製した。
【0098】
−−インクの組成−−
・表面処理顔料(Cab−o−jet−300、
キャボット社製):5重量部
・ジエチレングリコール:5重量部
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:5重量部
・ポリオキシエチレン(30)オレイルエーテル(E
230/日本油脂社製、HLB=16.8):0.5重量部
・イソプロピルアルコール:2重量部
・尿素:4重量部
・イオン交換水:残部
計:100重量部
【0099】
<インクの物性値の測定・評価>
得られたインクの物性値を、実施例1と同様の方法により測定・評価したところ、インクの表面張力が41mN/m、インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が2.1×105個、インク中に存在する粒子の体積平均粒子径が77nm、インクの粘度が2.5mPa・sであった。
【0100】
<印字・印字部の評価>
得られたインクを用い、印字のドロップ量を9plから10plに変えた外は、実施例1と同様にして印字を行い、光学濃度の測定・評価、フェザリングの評価、ドライングの評価、コゲーションの測定・評価を行った。結果を表1に示す。
【0101】
(比較例3)
−顔料分散液の作製−
実施例1の「顔料分散液の作製」と同様にして顔料分散液を作製した。
【0102】
−インクの作製−
得られた顔料分散液を含む下記組成の成分を適量混合・攪拌し、1μmのフィルターを通過させることにより、顔料濃度が所定濃度となるように調整された下記組成のインクを作製した。
【0103】
−−インクの組成−−
・表面処理顔料(Cab−o−jet−300、
キャボット社製):5重量部
・ジエチレングリコール:5重量部
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:5重量部
・サーフィノール465(日信化学社製、
HLB=14.2):6重量部
・イソプロピルアルコール:2重量部
・尿素:4重量部
・イオン交換水:残部
計:100重量部
【0104】
<インクの物性値の測定・評価>
得られたインクの物性値を、実施例1と同様の方法により測定・評価したところ、インクの表面張力が27mN/m、インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が2.2×105個、インク中に存在する粒子の体積平均粒子径が85nm、インクの粘度が3.0mPa・sであった。
【0105】
<印字・印字部の評価>
得られたインクを用い、800ヘッドを400dpiヘッドに代え、印字のドロップ量を、9plから46plに変えた外は、実施例1と同様にして印字を行い、光学濃度の測定・評価、フェザリングの評価、ドライングの評価、コゲーションの測定・評価を行った。結果を表1に示す。
【0106】
(比較例4)
−顔料分散液の作製−
実施例1の「顔料分散液の作製」において、水に自己分散可能な表面処理顔料(Cab−o−jet−300、キャボット社製)に代えて、水に自己分散可能な表面処理顔料(Microjet Black CW−1、オリエント化学社製)を用いた外は、実施例1と同様にして顔料分散液を作製した。
【0107】
−インクの作製−
得られた顔料分散液を含む下記組成の成分を適量混合・攪拌し、1μmのフィルターを通過させることにより、顔料濃度が所定濃度となるように調整された下記組成のインクを作製した。
【0108】
−−インクの組成−−
・表面処理顔料(Microjet Black
CW−1、オリエント化学社製):4重量部
・ジエチレングリコール:10重量部
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:10重量部
・ポリオキシエチレン(8)セチルエーテル(BC8SY
/日光ケミカル社製、HLB=12.4):0.3重量部
・イソプロピルアルコール:2重量部
・尿素:4重量部
・イオン交換水:残部
計:100重量部
【0109】
<インクの物性値の測定・評価>
得られたインクの物性値を、実施例1と同様の方法により測定・評価したところ、インクの表面張力が36mN/m、インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が2.0×105個、インク中に存在する粒子の体積平均粒子径が60nm、インクの粘度が2.8mPa・sであった。
【0110】
<印字・印字部の評価>
得られたインクを用い、800ヘッドを400dpiヘッドに代え、印字のドロップ量を9plから44plに変えた外は、実施例1と同様にして印字を行い、光学濃度の測定・評価、フェザリングの評価、ドライングの評価、コゲーションの測定・評価を行った。結果を表1に示す。
【0111】
(比較例5)
比較例1の「印字・印字部の評価」において、インクに印加していた複数パルスを、単一パルスに代えて、1ドロップを形成させた外は、比較例1と同様にして印字を行い、光学濃度の測定・評価、フェザリングの評価、ドライングの評価、コゲーションの測定・評価を行った。結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、光学濃度が高く、ドライングが速く、かつ、フェザリングの発生が抑制された画像を得ることが可能なインクジェット記録方法を提供することができる。
Claims (8)
- 少なくとも、高分子分散剤なしで水に自己分散可能な顔料と、水溶性有機溶媒と、界面活性剤と、水と、を含有し、下記(A)〜(D)の条件を満たすインクを、20pl以下のドロップ量で印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
(A)前記界面活性剤のHLB(親水基/疎水基バランス)が、8〜15
(B)前記インクにおける界面活性剤の含有量が、0.4〜5.0重量%
(C)前記インクの表面張力が、20〜40mN/m
(D)前記インク2μl中に存在する粒子径0.5μm以上の粒子の数が、2×105〜6×105個 - 前記ドロップ量が、1〜15plの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ドロップ量が、1〜12plの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク中に存在する粒子の体積平均粒径が、30〜90nmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク中に存在する粒子の体積平均粒径が、30〜80nmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク中に存在する粒子の体積平均粒径が、30〜60nmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクの粘度が、1.5〜6.0mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルの疎水基炭素数が8〜20、親水基におけるエチレンオキサイド基数が2〜15個であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
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