JP2009191088A - 液晶性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高機械強度(特に高温剛性、ウエルド強度)、リフローなどによる熱処理時のブリスターの抑制、ゲート部および流動末端部のフィラー突出を抑制し、フィラーの脱離・付着による製品の導通不良等の機能障害を抑制可能な特性を有する液晶性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)液晶性ポリマー95〜5重量%と(B)繊維状無機フィラー5〜50重量%を必須成分として含有する組成物であって、(B)繊維状無機フィラーの数平均繊維長が50〜120μm、かつ繊維長20〜150μmの含有率が80%以上であることを特徴とする液晶性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高機械強度(特に高温剛性、ウエルド強度)、リフローなどによる熱処理時のブリスターの抑制、ゲート部および流動末端部のフィラー突出を抑制し、フィラーの脱離・付着による製品の導通不良等の機能障害を抑制可能な特性を有する液晶性樹脂組成物に関するものである。
近年、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマーが数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶性樹脂は、優れた流動性、耐熱性、低ガス性および機械的性質を有する点で注目されている。
従来、このような特徴を活かし、ガラス繊維で強化された液晶性樹脂組成物が電子部品として多く採用されてきた。また、近年では、特に電子部品において、近年の精密化により、組み立て時の部品同士の接触・摺動により、充填剤や樹脂の表層が剥がれ、脱離し、端子部付着による導通不良やレンズへの付着による黒点等の不良が問題となってきている。
例えば、特許文献1では、成形品表面の平滑性を改善することを目的に、200μm以下のガラス繊維の割合を20〜100重量%にする方法がとられているが、3mm長のガラス繊維を溶融混練によって短くしようとしても、通常の混練方法では、少なからず長いガラス繊維が残存しており、その結果、ゲート部および/または成形品の流動末端部にガラス繊維が突出し、これが製品組み立て時に脱離し、導通不良や異物の原因となってしまう。さらに、特許文献1では、平均ガラス繊維長200μm以下のミルドファイバーのみを配合した方法も用いられているが、一般的なミルドファイバーは石臼ですりつぶす手法で作成されているため、短繊維長から長繊維長まで広く分布しており、単に汎用のミルドファイバーを用いたのみでは、通常のガラス繊維を用いたものよりは、改善されるものの、成形品表面およびゲート部からの繊維状フィラー突出を抑制することは難しい。
また、特許文献2には、光ピックアップ用途について成形性と制振性を付与する目的に数平均繊維長が50〜200μmの範囲にあるガラス繊維を用いる手法が用いられているが、汎用のガラス繊維およびミルドファイバーを用いて汎用の混練方法で組成物を作成した場合、ガラスの繊維長分布がブロードとなり、平均繊維長では短繊維かできているものの、長繊維のものが多く存在し、それにより、成形時の空気巻き込みによる熱処理時のブリスター発生や成形品表面からのフィラーの突出およびその脱離による導通不良などの問題が生じる。
特開平1−167362号公報(第2頁、実施例) 特開2005−89652号公報(第2頁、実施例)
本発明は、上述した従来の問題点を解消し、高機械強度(特に高温剛性、ウエルド強度)、リフローなどによる熱処理時のブリスターの抑制、ゲート部および流動末端部のフィラー突出抑制等の特性を有し、製品における導通不良等の機能障害不良を低減した液晶性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)液晶性ポリマー95〜5重量%と(B)繊維状無機フィラー5〜50重量%を必須成分として含有する組成物であって、(B)繊維状無機フィラーの数平均繊維長が50〜120μm、かつ繊維長20〜150μmの含有率が80%以上であることを特徴とする液晶性樹脂組成物、
(2)前記(B)の繊維状無機フィラーの最大繊維長が400μm以下であることを特徴とする上記(1)記載の液晶性樹脂組成物、
(3)前記(B)の繊維状無機フィラーの累積粒度分布曲線より得られる累積度80%繊維長(D80)と累積度20%繊維長(D20)の比(D80/D20)が2.5〜3.5であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の液晶性樹脂組成物、
(4)上記(1)〜(3)のいずれか記載の液晶性樹脂組成物を射出成形してなる成形品、
(5)成形品がコネクター、リレー用部品、カメラモジュール用部品、LED用部品のいずれかに用いることを特徴とする上記(4)記載の成形品である。
本発明によれば、機械強度(特に高温剛性、ウエルド強度)に優れ、また加工時の繊維状物のゲート部および流動末端部での突起を抑制、かつ加熱加工時のブリスター発生を抑制できる。それにより、本特性が必要とされる電気・電子部品、特に狭ピッチコネクタ、カメラモジュール用部品、リレー用部品などの用途に特に実用的に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明における(A)液晶性ポリマーとしては、異方性溶融相を形成し得る樹脂であり、エステル結合を有するものが好ましい。例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂、あるいは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミド樹脂などが挙げられ、具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物および/または芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、ハイドロキノンから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなど、また液晶性ポリエステルアミド樹脂としては、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位以外にさらにp−アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドである。
上述した液晶性ポリマーのうち、液晶性ポリエステル樹脂が好ましく、機械的性質、成形性などの点からp−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、ハイドロキノンから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルが好ましく用いられ、なかでもp−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステルが特に好ましく用いられる。
本発明に使用する液晶性ポリマーは、薄肉流動性、ウエルド強度保持性の観点から、溶融粘度は10〜60Pa・sが好ましく、特に15〜40Pa・sがより好ましい。
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、剪断速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を指す。
本発明に用いる(B)繊維状無機フィラーとしては、具体的には例えば、繊維状フィラーとしてガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール等が挙げられ、ガラス繊維あるいは炭素繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記フィラーはエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、シラン化合物、チタネート系化合物、アルミ系化合物で被覆あるいは集束されていてもよい。
本発明の(B)繊維状無機フィラーにおいて流動特性を制御し、特徴である成形品表面の不良であるゲート部の繊維状フィラーの突出性改良、ブリスターを抑制するためには繊維状無機フィラーの長さが短いことが必要であるが、高温剛性やウエルド強度などの機械特性を得るためには、繊維状無機フィラーの長さが長いことが必要である。両者を満足するために、(B)無機フィラーの数平均繊維長(D50)が50〜120μmであることが必須であり、60〜110μmが好ましく、70〜100μmがさらに好ましい。また、ゲート部の繊維状無機フィラーの突出性とウエルド強度や高温剛性等の機械強度の高位でのバランス化を図るために組成物中の繊維長をコントロールする必要があり、繊維長20〜150μmの含有率が80%以上であることが必須であり、繊維長20〜150μmの含有率が85%以上が好ましく、繊維長25〜150μmの含有率が80%以上であることがより好ましい。
また、成形品ゲート部の繊維状無機フィラーの突出を極限まで抑制するためには、繊維状無機フィラーの引き抜き性も考慮した場合、繊維状無機フィラーの最大繊維長が500μm以下であることが好ましく、400μm以下がより好ましく、300μm以下であることが特に好ましい。
さらには、機械特性のバラツキをなくし、高温剛性等の機械特性と耐ブリスター性等の成形品表面での不良レスのバランス化を図るためには繊維長のバラツキが少なく、よりシャープな繊維長分布を示している方が好ましく、具体的には生産性を考慮し、累積粒度分布曲線より得られる累積度80%粒度(D80)と累積度20%粒度(D20)の比(D80/D20)が2.5〜3.5の範囲であることが好ましく、2.8〜3.2であることがより好ましい。
また、本発明で用いる(B)繊維状無機フィラーの数平均繊維径は5〜13μmのものが好ましく、6.5〜11μmのものが特に好ましい。本発明で用いる繊維状無機フィラーの数平均繊維径が上記範囲よりも小さいものは製造上難しいため高価であること、また繊維の破損しやすいため機械特性が出にくい傾向となることや充填量の割に無機フィラーとの液晶ポリマーの界面が多く存在してしまうため、成形時に巻き込まれたエアがリフローなどの高温処理を行った場合、体積膨張しても成形品外へ逃げることが出来ず、成形品表面にブリスターを発生させる原因となる。また、上記範囲よりも大きいと、薄肉部への充填不足などの流動性の低下の原因となる。
また、本発明で用いる(B)繊維状無機フィラーの最大繊維長は400μm以下が好ましく、350μmがより好ましく、特に300μm以下が好ましい。ここで言う最大繊維長は数平均繊維長を測定する際に測定された最長の繊維状無機フィラーの長さである。本発明で用いる繊維状無機フィラーの最大繊維長を500μm以下にすることで、リフローなどの熱処理時によりゲート部だけではなく、成形品表面に繊維状フィラーが突出する現象を抑制する効果が発現できる。
ここで、(B)繊維状無機フィラーの最大繊維長、数平均繊維長、繊維径および累積粒度分布数等の測定方法として、(A)液晶性ポリマーおよびガラス繊維などの(B)繊維状無機フィラーを含有する組成物からなるペレット10gを空気中において550℃で8時間加熱して樹脂を除去し、光学式顕微鏡を用いて残存した繊維状充填材の無作為に1000個選択、繊維長を倍率120倍にて測定し(イノテック製、”Quick Grain Standard”)、数平均繊維長、繊維径および累積粒度分布を算出した。
本発明において(A)液晶性ポリマーと(B)繊維状無機フィラーとの配合比率は、本発明の効果を全て満足させるためには配合される(A)液晶性ポリマーと(B)繊維状無機フィラーの合計量100重量%に対して(A)液晶性ポリマー95〜50重量%、(B)繊維状無機フィラー5〜50重量%であり、(A)液晶性ポリマー90〜55重量%、(B)繊維状無機フィラー10〜45重量%が好ましく、(A)液晶性ポリマー85〜60重量%、(B)繊維状無機フィラー15〜40重量%が特に好ましい。
また、本発明の特性を損なわない範囲でさらに低そり性や異方性(寸法安定性)を付与するために、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、チタン酸バリウムストロンチウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン等)、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、ナノカーボンチューブ、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素や銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などのウィスカー、粒状、鱗片状(板状)、金属粉、金属フレーク、金属リボンの無機粒子を添加することが可能である。
これらについても可能なものは、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、シラン化合物、チタネート系化合物、アルミ系化合物などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
本発明の液晶性樹脂組成物は、さらに高級脂肪酸金属塩を添加することで、成形加工性を向上せしめることが可能である。なお、ここでいう高級脂肪酸とは、炭素数12以上の脂肪酸を意味し、炭素数12〜22の脂肪酸が好ましく、それらの具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびベヘニン酸などが挙げられる。また、本発明で用いる高級脂肪酸金属塩としては、150℃以上の融点を有するものが、得られる液晶性樹脂組成物の成形加工性の点から好ましく、200℃以上の融点を有するものがより好ましい。具体的には、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ベヘニン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、ベヘニン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム、ベヘニン酸リチウム、ステアリン酸カリウム、およびステアリン酸ナトリウムが用いられ、好ましくはステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、ベヘニン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ベヘニン酸リチウム、ステアリン酸カリウム、およびステアリン酸ナトリウムが用いられ、より好ましくはステアリン酸リチウム、ステアリン酸カリウム、およびベヘニン酸リチウムが用いられる。
なお、本発明において、高級脂肪酸の融点は、示差熱量測定により室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度により測定することができる。
上記高級脂肪酸金属塩は、液晶性樹脂組成物の成形加工性、機械特性の点から、(A)、(B)およびその他配合物の合計100重量部に対し、通常、1.0重量部以下で用いられ、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下で用いられる。下限については特に制限はないが、0.003重量部以上用いることが好ましい。
本発明の液晶性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、可塑剤、難燃剤、難燃助剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂(フッ素樹脂など)を添加して、所定の特性を付与することができる。この場合、帯電しやすいものは好ましくないので、種類および添加量に注意が必要である。
本発明の液晶性樹脂組成物は、溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用いることができる。これらのうち、本発明の液晶性樹脂組成物は、強化材を均質に分散性良く混練する必要性から、押出機を用いることが好ましく、二軸押出機を用いることがより好ましく、なかでも中間添加口を有する二軸押出機を用いることが特に好ましい。溶融混練方法は、原料供給口から(A)液晶性ポリマーを二軸押出機に供給し、(A)液晶性ポリマーを溶融させ、溶融状態の(A)液晶性ポリマーに中間添加口から(B)繊維状無機フィラーおよびその他フィラー、添加剤を供給するのが好ましいが、用いる(B)繊維状無機フィラーが例えば、汎用の3mmカット長以上のガラス繊維等の繊維状無機フィラーの場合、本発明範囲の繊維長分布とするため、押出機のスクリューアレンジに予め高剪断のかかるニーディングディスクを組込、原料供給口から(A)液晶ポリマーとともに供給し、かつ、供給口近傍のバレルの温度を(A)液晶ポリマーの融点以下に設定して混練することが好ましい。
ただし、高級脂肪酸金属塩は、(A)液晶性ポリマーやその他の添加剤とともに二軸押出機中で溶融混練させてもよいが、溶融混練押出後のペレットにブレンド(例えばタンブラーミキサ、リボンブレンダなど)するのが、成形加工性を飛躍的に向上させるにはより好ましい。
かくして得られる本発明の液晶性樹脂組成物は、高機械強度(特に高温剛性、ウエルド強度)で、かつ成形加工時のゲート部および流動末端部からの繊維状無機フィラーの突出を抑制、加熱処理の際のブルスター発生の抑制の特性を兼ね備えている。
この特異的な効果によって、本発明の液晶性樹脂組成物は、通常の射出成形、押出成形、プレス成形などの成形方法によって、優れた表面外観(色調)および機械的性質、耐熱性、難燃性を有する成形品、シート、パイプ、フィルム、繊維などに加工することが可能である。
このようにして得られた液晶性樹脂組成物は、例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LED用部品、液晶バックライトボビン、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、リレー用スプールおよびベース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品(プラズマ、有機EL、液晶)、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディマー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコン用モーターインシュレーター、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ECUコネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品などに用いることができる。フィルムとして用いる場合は磁気記録媒体用フィルム、写真用フィルム、コンデンサー用フィルム、電気絶縁用フィルム、包装用フィルム、製図用フィルム、リボン用フィルム、シート用途としては自動車内部天井、ドアトリム、インストロメントパネルのパッド材、バンパーやサイドフレームの緩衝材、ボンネット裏等の吸音パット、座席用材、ピラー、燃料タンク、ブレーキホース、ウインドウオッシャー液用ノズル、エアコン冷媒用チューブおよびそれらの周辺部品に有用である。
特に小型の電気・電子部品、例えば、狭ピッチコネクター、ECUコネクター、小型モーター用コイルボビン、リレー用部品、デジタルカメラなどに用いるカメラモジュール用部品、LED用ソケットおよびその周辺部品などに好適に用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明の骨子は以下の実施例のみに限定されるものではない。実施例中、繊維長、繊維長分布および最大繊維長、高温剛性、耐ブリスター性、ウエルド強度、ゲート部突出長とフィラー脱離性、並びに融点は以下の方法により測定した。
(1)繊維長、繊維長分布および最大繊維長
射出成形機”ROBOSHOTα−30i”(ファナック株式会社製)を用い、表1の樹脂温度、金型温度の温度条件で、70mm長×70mm幅×1mm厚(フィンゲート)の成形品を作成し、突き出しピン側を表側として反ゲート側左側隅を1cm×1cmで切り出し、るつぼに入れて550℃×8時間電気炉で焼成する。その後、灰化した物を100mg採取し、走査型電子顕微鏡(日立製作所製S2100A)を用いて観察、10000倍で写真撮影し、ランダムに1000本サンプリングし、各繊維の最長部の長さの最大のものを最大繊維長とし、繊維長の数平均値を平均繊維長した。また、累積粒度分布曲線より得られる累積度80%繊維長(D80)と累積度20%繊維長(D20)を算出した。
(2)高温剛性
射出成形機”ROBOSHOTα−30i”(ファナック株式会社製)を用い、表1の樹脂温度、金型温度90℃の温度条件で、12.7mm幅×127mm長×3.2mm厚の曲げ試験片を成形し、得られた試験片をASTM D790に準拠し、雰囲気温度250℃の曲げ弾性率を測定した。
(3)耐ブリスター性
射出成形機”ROBOSHOTα−30i”(ファナック株式会社製)を用い、表1の樹脂温度、金型温度90℃の温度条件で、射出速度200mm/秒、射出圧力40MPaの成形条件で連続成形(射出時間/冷却時間=1.0/10.0秒,スクリュウ回転数150rpm,背圧2MPa,サックバック5mm,金型温度90℃)を行い、棒状成形品(幅12.7mm,厚み0.5mm、サイドゲート0.5mm×5.0mm)を成形し、得られた成形品をパーフェクトオーブン(SPH、商標、エスペック製)処理温度260℃で3分間処理し、50サンプル中ブリスター(膨れ)の発生した数を測定した。
(4)ウエルド強度
射出成形機”ROBOSHOTα−30i”(ファナック株式会社製)を用い、表1の樹脂温度、金型温度130℃の温度条件にて、射出時間/冷却時間=1.0/10.0秒,スクリュウ回転数150rpm,背圧2MPa,サックバック5mm、最低充填圧力+10MPa、射出速度300mm/秒の成形条件でASTM No.4ダンベルでゲートがダンベルの両端にあるウェルド金型を用いて成形した。その後、ASTM D790に準拠し、曲げ強度を測定した。
(5)ゲート部突出長とフィラー脱離性
射出成形機”ROBOSHOTα−30i”(ファナック株式会社製)を用い、表1の樹脂温度、金型温度90℃の温度条件、射出速度90mm/秒、保圧:19.6MPa×2秒、射出時間/冷却時間=1.0/5.0秒,スクリュウ回転数150rpm,背圧2MPa,サックバック5mm,の成形条件にて、棒状成形品(幅12.7mm,厚み0.5mm、成形品天面部ピンゲート0.5mm径)を成形し、走査型電子顕微鏡JSM6360LV(日本電子社製)にて成形品ゲート部の繊維状フィラーのゲート残り長さを測定した。また、得られた成形品を1mmの高さから落下させた後のゲートの繊維状無機フィラーの脱離状況を観察した。なお、評価は変化のないものを○、脱離したものを×とした。
(6)融点
なお、融点(Tm)は示差熱量測定において、ポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)とした。
参考例1(液晶性ポリマーLCP1の製造)
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870g(6.300モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327g(1.890モル)、ハイドロキノン89g(0.810モル)、テレフタル酸292g(1.755モル)、イソフタル酸157g(0.945モル)および無水酢酸1367g(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、トルクが11.5kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリマーLCP1を得た。
この液晶性ポリマーはポリエステルであり、p−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、4,4’−ジオキシビフェニル単位が4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル%からなり、Tm(液晶性ポリマーの融点)は314℃、液晶開始温度295℃で、温度324℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が18.5Pa・sであった。
参考例2(液晶性ポリマーLCP2の製造)
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994g(7.20モル)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を338.7g(1.80モル)、および無水酢酸965g(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、330℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を330℃に保持し、0.1MPaに窒素加圧し、20分間加熱撹拌した。その後、放圧し1.0時間で133Paに減圧し、更に120分間反応を続け、トルクが11kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリマーLCP1を得た。
この液晶性ポリマーはポリエステルであり、p−オキシベンゾエート単位が80モル%、6−オキシ−2−ナフタレート単位が20モル%であり、Tm(液晶性ポリエステルの融点)は320℃、液晶開始温度298℃で、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度330℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が18.5Pa・sであった。
参考例3(液晶性ポリマーLCP3の製造)
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部(7.20モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部(0.67モル)、テレフタル酸112重量部(0.67モル)、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部(1.12モル)及び無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、325℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を327℃に保持し、0.1MPaに窒素加圧し、20分間加熱撹拌した。その後、放圧し1.0時間で133Paに減圧し、更に120分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリマーLCP1を得た。
この液晶性ポリマーはポリエステルであり、p−オキシベンゾエート単位が74.4モル%、4,4’−ジオキシビフェニル単位が7モル%、テレフタレート単位が7モル%、エチレンジオキシ単位が11.6モル%であり、Tm(液晶性ポリエステルの融点)は314℃、液晶開始温度292℃で、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度325℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が13Pa・sであった。
実施例1〜6、 比較例1〜3
参考例1〜3で製造した各液晶ポリマーLCP−1〜LCP−3および以下に示す繊維状無機フィラーB−1〜B−5を各サイドフィーダー付2軸押出機;TEX30α(日本製鋼所製)で表1に示すシリンダー温度、スクリュー回転数150rpmにて溶融混練を行い、ペレットを得た。ついで150℃の熱風乾燥機で4時間乾燥した後、繊維長、繊維長分布および最大繊維長、高温剛性、耐ブリスター性、ウエルド強度、ゲート部突出長とフィラー脱離性を評価した。結果を表1に示す。また、実施例1の組成物において、繊維状無機フィラーの累積粒度分布の測定図を表1に示す。
繊維状ガラス
B−1:”EPG70M−01N”(平均繊維長70μm、繊維径9μm、日本電気硝子(株)社製)
B−2:”MF20JH1−20”(旧MF−B)(平均繊維長200μm、繊維径10μm、旭ファイバーグラス(株)社製)
B−3:B−2を最大繊維長400μm以下となるように篩にて篩い分けした繊維状無機フィラー(平均繊維長142μm、繊維径10μm)
B−4:”ECS03T790G”(平均カット長3000μm、繊維径9μm、日本電気硝子(株)社製)
B−5:”EPG40M−01N”(平均繊維長40μm、繊維径9μm、日本電気硝子(株)社製)。
比較例4,5
参考例1〜3で製造した各液晶ポリマーLCP−1〜LCP−3および以下に示す繊維状無機フィラーB−1〜B−5をサイドフィーダー付2軸押出機;”TEX30α”(日本製鋼所製)で表1に示すシリンダー温度、スクリュー回転数150rpmでサイドフィーダーとダイプレートの間にニーディングブロックを挿入したスクリューで溶融混練を行い、ペレットを得た。ついで150℃の熱風乾燥機で4時間乾燥した後、繊維長、繊維長分布および最大繊維長、高温剛性、耐ブリスター性、ウエルド強度、ゲート部突出長とフィラー脱離性を評価した。結果を表1に示す。
実施例7
参考例1〜3で製造した各液晶ポリマーLCP−1〜LCP−3および以下に示す繊維状無機フィラーB−1〜B−5をサイドフィーダー付2軸押出機;”TEX30α”(日本製鋼所製)で表1に示すシリンダー温度、スクリュー回転数150rpmでサイドフィーダーとダイプレートの間にニーディングブロックを挿入したスクリューで溶融混練を行い、ペレットを得た。ついで150℃の熱風乾燥機で4時間乾燥した後、繊維長、繊維長分布および最大繊維長、高温剛性、耐ブリスター性、ウエルド強度、ゲート部突出長とフィラー脱離性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009191088
表1の結果から明らかなように本発明の液晶性樹脂組成物から得られた成形品は、高機械強度(特に高温剛性、ウエルド強度)とリフローなどによる熱処理時のブリスターの抑制やゲート部のフィラー突出に起因するフィラー脱離による製品不良等の抑制が均衡して優れることがわかる。このことから、これら特性が必要な電気・電子部品のコネクター、リレー部品、カメラモジュール用部品、LED用部品などに有用である。
実施例1の組成物において、繊維状無機フィラーの累積粒度分布の測定図である。

Claims (5)

  1. (A)液晶性ポリマー95〜5重量%と(B)繊維状無機フィラー5〜50重量%を必須成分として含有する組成物であって、(B)繊維状無機フィラーの数平均繊維長が50〜120μm、かつ繊維長20〜150μmの含有率が80%以上であることを特徴とする液晶性樹脂組成物。
  2. (B)繊維状無機フィラーの最大繊維長が400μm以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶性樹脂組成物。
  3. (B)繊維状無機フィラーの累積粒度分布曲線より得られる累積度80%繊維長(D80)と累積度20%繊維長(D20)の比(D80/D20)が2.5〜3.5であることを特徴とする請求項1または2記載の液晶性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の液晶性樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
  5. 成形品がコネクター、リレー用部品、カメラモジュール用部品、LED用部品のいずれかに用られることを特徴とする請求項4記載の成形品。
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