JP2011116834A - 液晶性ポリエステル、その樹脂組成物およびそれらからなる成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】低比重であり、靱性に優れ、繊維補強材としてビニル系樹脂に配合した場合に特異的な補強効果を発現する液晶性ポリエステル樹脂、その組成物およびそれらからなる成形品を提供する。
【解決手段】
芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位50〜95モル%と4−オキシシンナモイル構造単位5〜50モル%とからなる液晶性ポリエステル樹脂、またさらに充填材を液晶性ポリエステル樹脂100重量部に対して10〜300重量部配合した液晶性樹脂組成物、およびそれらからなる成形品。
【選択図】 なし
【解決手段】
芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位50〜95モル%と4−オキシシンナモイル構造単位5〜50モル%とからなる液晶性ポリエステル樹脂、またさらに充填材を液晶性ポリエステル樹脂100重量部に対して10〜300重量部配合した液晶性樹脂組成物、およびそれらからなる成形品。
【選択図】 なし
Description
本発明は、既存の液晶性ポリエステルよりも比重が小さく、靱性に優れ、補強繊維としてビニル系樹脂に配合した場合に、特異的な強度向上効果を与える液晶性ポリエステル、その樹脂組成物およびそれらからなる成形品に関するものである。
近年、液晶性ポリエステル樹脂は、その耐熱性、流動性、寸法安定性、難燃性などを活かし、電気・電子分野、自動車分野などで用いられ、その需要が拡大している。
一方、環境保護に対する意識の高まりから、リサイクル率の向上検討や、生物資源を原料とする樹脂の開発、生産工程における二酸化炭素排出量の削減検討などが盛んに行われており、液晶性ポリエステル樹脂についても検討されている。(例えば、特許文献1、2)。
一方、環境保護に対する意識の高まりから、リサイクル率の向上検討や、生物資源を原料とする樹脂の開発、生産工程における二酸化炭素排出量の削減検討などが盛んに行われており、液晶性ポリエステル樹脂についても検討されている。(例えば、特許文献1、2)。
しかし、これらの特許文献に記載の液晶性ポリエステルは、バイオ原料を用いているために従来の液晶性樹脂に比較して耐熱性、機械特性などが充分ではなかった。
また、近年自動車分野を中心に、軽量化の動きが加速しており、液晶性ポリエステル樹脂に対しても低比重化、低コスト化が要求されている。この要求に対して成形品の厚みを薄くして軽量化を図る場合には、部品の剛性とともに振動や衝撃に対する損壊を防ぐための靱性が要求される。
従来の液晶性ポリエステル樹脂では、靱性が低くこのような要求に応えることが難しかった。
また、液晶性ポリエステル樹脂繊維は、軽量であるために補強材として用いられるが、ビニル系樹脂とのなじみが悪いために、良分散せず充分な補強効果が得られていなかった。
本発明は、既存の液晶性ポリエステルよりも比重が小さく、靱性に優れるために、軽量化が要求される自動車用途に好適であり、また、補強材としてビニル系樹脂に配合した場合に、特異的な強度向上効果を与えうる補強繊維などに好適な液晶性ポリエステル樹脂、その組成物およびそれらからなる成形品を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、分子内にビニル構造を有する芳香族ヒドロキシカルボン酸と有さない芳香族ヒドロキシカルボン酸成分から構成されてなる液晶性ポリエステル樹脂が、低比重と高靱性を合わせ持つことを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は
(1)芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位50〜95モル%と4−オキシシンナモイル構造単位5〜50モル%とからなる液晶性ポリエステル樹脂、
(2)芳香間を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位60〜85モル%と4−オキシシンナモイル構造単位15〜40モル%からなる上記(1)記載の液晶性ポリエステル樹脂。
(3)芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位が4−オキシベンゾイル構造単位および/または2−オキシ−6−ナフトイル構造単位である上記(1)または(2)記載の液晶性ポリエステル樹脂。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂100重量部に充填材10〜300重量部を配合した液晶性樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂からなる成形品
(6)上記(4)に記載の液晶性樹脂組成物からなる成形品を提供するものである。
(1)芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位50〜95モル%と4−オキシシンナモイル構造単位5〜50モル%とからなる液晶性ポリエステル樹脂、
(2)芳香間を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位60〜85モル%と4−オキシシンナモイル構造単位15〜40モル%からなる上記(1)記載の液晶性ポリエステル樹脂。
(3)芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位が4−オキシベンゾイル構造単位および/または2−オキシ−6−ナフトイル構造単位である上記(1)または(2)記載の液晶性ポリエステル樹脂。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂100重量部に充填材10〜300重量部を配合した液晶性樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂からなる成形品
(6)上記(4)に記載の液晶性樹脂組成物からなる成形品を提供するものである。
本発明によって、比重が小さく、靱性に優れ、補強繊維としてビニル系樹脂に配合した場合に、特異的な強度向上効果を与える液晶性ポリエステル、その樹脂組成物およびそれらからなる成形品が提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂は、芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位50〜95モル%と4−オキシシンナモイル構造単位5〜50モル%とからなる液晶性ポリエステル樹脂である。
ここでいう液晶性ポリエステル樹脂とは、溶融時に光学的異方性を示すサーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
本発明において、芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位は、下記の化学構造で示される。
(Arは上記構造単位のいずれかから選ばれた構造単位であり、単結合以外の置換基を有していてもよい)
芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位としては、例えば4−オキシベンゾイル構造単位、3−オキシベンゾイル構造単位、2−オキシ−6−ナフトイル構造単位、1−オキシ−4−ナフトイル構造単位、2−オキシ−3−ナフトイル構造単位、4−(4−オキシフェニル)ベンゾイル構造単位、6−オキシ−2−アントロイル構造単位などが挙げられ、4−オキシベンゾイル構造単位、2−オキシ−6−ナフトイル構造単位、4−(4−オキシフェニル)ベンゾイル構造単位が耐熱性が高い液晶性ポリエステルが得られるため好ましく、特に4−オキシベンゾイル構造単位を用いると耐熱性の高い液晶性ポリエステルが得られ好ましく、2−オキシ−6−ナフトイル構造単位を用いると機械的強度が高い液晶性ポリエステルが得られるため好ましい。
これらの芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位は、それぞれ4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、4−(4−ヒドロキシフェニル)安息香酸、6−ヒドロキシ−2−アントラセンカルボン酸やその誘導体を原料として用いることで、液晶性ポリエステル樹脂中に導入される。
これらの芳香環を1つ以上有するオキシカルボニル構造単位は、2成分以上を選択して組み合わせて用いることができ、4−オキシベンゾイル構造単位と2−オキシ−6−ナフトイル構造単位を組み合わせて用いると耐熱性と機械物性、および本発明の効果である靱性の発現が顕著になり、優れた液晶性ポリエステルが得られるため好ましい。
4−オキシベンゾイル構造単位と2−オキシ−6−ナフトイル構造単位を組み合わせて用いる場合、4−オキシベンゾイル構造単位と2−オキシ−6−ナフトイル構造単位の比率は、90/10〜10/90であることが耐熱性や本発明の効果である靱性の顕著な発現のために好ましく、4−オキシベンゾイル構造単位と2−オキシ−6−ナフトイル構造単位の比率は、80/20〜20/80である場合には、特に機械的特性が高くなるために好ましい。
本発明において、4−オキシシンナモイル構造単位は、下記の化学構造で示される。
ここで、4−オキシシンナモイル構造単位にはトランス体とシス体の幾何異性体が存在するが、本発明で好ましく用いるのはトランス体である。4−オキシシンナモイル構造単位は、例えば4−ヒドロキシ桂皮酸やその誘導体を原料として用いることで、液晶性ポリエステル樹脂中に導入される。
全構造単位の合計100モル%に対して、芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位60〜85モル%と4−オキシシンナモイル構造単位15〜40モル%からなる液晶性ポリエステル樹脂が、本発明の効果である低比重と高靱性のバランス良い発現のために好ましく、全構造単位の合計100モル%に対して、芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位70〜80モル%と4−オキシシンナモイル構造単位20〜30モル%からなる液晶性ポリエステル樹脂では靱性が最も高くなるため好ましい。
好ましい液晶性ポリエステル樹脂の具体例としては、4−オキシベンゾイル構造単位(I)50〜95モル%と4−オキシシンナモイル構造単位(III)5〜50モル%の合計100モル%からなる液晶性ポリエステル樹脂、2−オキシ−6−ナフトイル構造単位(II)50〜95モル%と4−オキシシンナモイル構造単位(III)5〜50モル%の合計100モル%からなる液晶性ポリエステル樹脂、4−オキシベンゾイル構造単位(I)5〜85.5モル%、2−オキシ−6−ナフトイル構造単位(II)5〜85.5モル%と4−オキシシンナモイル構造単位(III)5〜50モル%の合計100モル%からなる液晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
更に好ましい液晶性ポリエステル樹脂の具体例としては、4−オキシベンゾイル構造単位60〜85モル%と4−オキシシンナモイル構造単位15〜40モル%の合計100モル%からなる液晶性ポリエステル樹脂、2−オキシ−6−ナフトイル構造単位60〜85モル%と4−オキシシンナモイル構造単位15〜40モル%の合計100モル%からなる液晶性ポリエステル樹脂、4−オキシベンゾイル構造単位12〜68モル%、2−オキシ−6−ナフトイル構造単位12〜68モル%と4−オキシシンナモイル構造単位15〜40モル%の合計100モル%からなる液晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
上記好ましく用いられる液晶ポリエステルは、上記構造単位(I)〜(III)を構成する成分以外に、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、クロロハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの芳香族/脂肪族ジオール、およびm−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシビフェニル、p−アミノ安息香酸、p−アミノフェノールを、液晶性や特性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
上記液晶性ポリエステル樹脂の溶融重合方法は、例えば以下に示す方法によって行うことができる。
(1)4−アセトキシ安息香酸および/または2−アセトキシ−6−ナフトエ酸および4−アセトキシ桂皮酸から溶融脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(2)4−ヒドロキシ安息香酸および/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および4−ヒドロキシ桂皮酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、溶融脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)4−アセトキシ安息香酸のフェニルエステルおよび/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のフェニルエステルおよび4−ヒドロキシ桂皮酸のフェニルエステルから溶融脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)4−ヒドロキシ安息香酸および/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および4−ヒドロキシ桂皮酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれフェニルエステルとした後、溶融脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(1)4−アセトキシ安息香酸および/または2−アセトキシ−6−ナフトエ酸および4−アセトキシ桂皮酸から溶融脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(2)4−ヒドロキシ安息香酸および/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および4−ヒドロキシ桂皮酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、溶融脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)4−アセトキシ安息香酸のフェニルエステルおよび/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のフェニルエステルおよび4−ヒドロキシ桂皮酸のフェニルエステルから溶融脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)4−ヒドロキシ安息香酸および/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および4−ヒドロキシ桂皮酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれフェニルエステルとした後、溶融脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
なかでも、(2)の製造方法が反応制御の点から好ましい。
(2)の製造方法における無水酢酸の使用量は、アセチル化しようとするフェノール性水酸基の合計の1.15当量以下0.95当量以上であることが好ましく、1.12当量以下1.0当量以上であることがより好ましい。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、所定量の4−ヒドロキシ安息香酸および/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、無水酢酸を攪拌翼、留出管を備え、下部に吐出口を備えた反応容器中に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら加熱し水酸基をアセチル化させた後、得られる液晶性ポリエステルの融点+5〜+40℃まで昇温し、減圧下溶融重縮合し、反応を完了させる方法が挙げられる。
アセチル化させる条件は、通常130〜150℃の範囲、好ましくは135〜148℃の範囲で通常1〜6時間、好ましくは1.5〜3時間反応させる。
重縮合させる条件は、液晶性ポリエステルの融点+5〜40℃の温度で、より好ましくは融点+15〜35℃の温度で、減圧度は通常0.1mmHg(13.3Pa)〜20mmHg(2660Pa)であり、好ましくは10mmHg(1330Pa)以下、より好ましくは5mmHg(665Pa)以下である。なお、アセチル化と重縮合は同一の反応容器で連続して行っても良いが、アセチル化と重縮合を異なる反応容器で行っても良い。
重合で得られたポリマーは、それが上記温度で反応容器内を例えば、およそ1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、反応容器下部に設けられた吐出口よりストランド状に吐出することができる。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂を製造する際に、更に、固相重合法により高粘度化することも可能である。例えば、上記得られた本発明の液晶性ポリエステル樹脂を粉砕機で粉砕し、窒素気流下、または、減圧下、液晶性ポリエステルの融点−5℃〜融点−50℃の範囲で1〜50時間加熱し、所望の重合度まで重縮合し、反応を完了させる方法が挙げられる。
液晶性ポリエステル樹脂の溶融重縮合反応は無触媒でも進行するが、重合触媒として酢酸第一錫、ジブチル錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用することもできる。反応速度の点から、より好ましくは、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムである。
重合触媒の配合量は、得られる液晶性ポリエステルに対して、0.001〜1重量%が異物生成を抑制し重合速度を制御する観点から好ましく、より好ましくは0.005〜0.5重量%であり、この場合にはランダム性の高い液晶性ポリエステル樹脂が得られる、更に好ましくは0.01〜0.05重量%であり、この場合には本発明の効果である靱性が顕著に発現され好ましい。
重合触媒の配合量は、得られる液晶性ポリエステルに対して、0.001〜1重量%が異物生成を抑制し重合速度を制御する観点から好ましく、より好ましくは0.005〜0.5重量%であり、この場合にはランダム性の高い液晶性ポリエステル樹脂が得られる、更に好ましくは0.01〜0.05重量%であり、この場合には本発明の効果である靱性が顕著に発現され好ましい。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂は、数平均分子量は3,000〜50,000であることが機械的特性の発現のために好ましく、より好ましくは5,000〜30,000であり、このような場合には流動性と機械的特性がバランス良く得られ、より好ましくは8,000〜25,000の範囲であり、このような場合には本発明の効果である靱性が顕著に発現され好ましい。
なお、この数平均分子量は液晶性ポリエステルが可溶な溶媒、例えば、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定することが可能である。
また、本発明における液晶性ポリエステル樹脂の溶融粘度は1〜200Pa・sが流動性と機械的特性がバランス良く得られるため好ましく、5〜100Pa・sが低比重や靱性の発現のためにより好ましく、さらには10〜50Pa・sが靱性の顕著な発現のために特に好ましい。
なお、この溶融粘度は液晶性ポリエステルの融点+10℃の条件で、ずり速度1,000/sの条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
ここでいう融点は、示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。ポリマーを室温から40℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+10℃まで昇温し、Tm1+10℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、冷却後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度が融点(Tm)である。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂には充填材を配合することができる。
充填材は、例えば繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填材を使用することができる。具体的には、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維や液晶性ポリエステル繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填材、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウムおよび黒鉛などの粉状、粒状あるいは板状の充填材が挙げられる。本発明に使用される上記の充填材は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
これら充填材のなかで特にガラス繊維が入手性、機械的強度のバランスの点から好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものならば特に限定はなく、例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランドおよびミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、これらのうち2種以上を併用して使用することもできる。本発明で使用されるガラス繊維としては、弱アルカリ性のものが機械的強度の点で優れており、好ましく使用できる。特に酸化ケイ素含有量が50〜80重量%のガラス繊維が好ましく用いられ、より好ましくは65〜77重量%のガラス繊維である。また、ガラス繊維はエポキシ系、ウレタン系、アクリル系などの被覆あるいは収束剤で処理されていることが好ましく、エポキシ系が特に好ましい。またシラン系、チタネート系などのカップリング剤、その他表面処理剤で処理されていることが好ましく、エポキシシラン、アミノシラン系のカップリング剤が特に好ましい。
なお、ガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
充填材の配合量は、液晶性樹脂ブレンド100重量部に対し、通常10〜300重量部である場合に充分な補強効果が得られ、20〜150重量部である場合には、本発明の効果である靱性の向上が顕著に得られ好ましい。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂、またはその組成物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料および顔料を含む着色剤、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、赤燐、シリコーン系難燃剤など)、難燃助剤、および帯電防止剤などの通常の添加剤や、熱可塑性樹脂などの重合体を配合して、所定の特性をさらに付与することができる。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂に充填材や上記添加剤を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、ドライブレンドや溶液配合法、液晶性ポリエステル樹脂の重合時添加、溶融混練などが用いることができ、溶融混練が好ましい。
溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、液晶性ポリエステル樹脂の融点以上融点+50℃以下で溶融混練して樹脂組成物とすることができる。中でも、二軸押出機が好ましい。
溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、液晶性ポリエステル樹脂の融点以上融点+50℃以下で溶融混練して樹脂組成物とすることができる。中でも、二軸押出機が好ましい。
混練方法としては、
1)液晶性ポリエステル樹脂、任意成分である充填材、その他の添加剤との一括混練法、2)まず液晶性ポリエステル樹脂にその他の添加剤を高濃度に含む液晶性ポリエステル樹脂組成物(マスターペレット)を作成し、次いで規定の濃度になるように液晶性ポリエステル樹脂、任意成分である充填材およびその他の添加剤を添加する方法(マスターペレット法)、
3)液晶性ポリエステル樹脂と任意成分であるその他の添加剤の一部を一度混練し、ついで残りの任意成分である充填材、その他の添加剤を添加する分割添加法など、
どの方法を用いてもかまわない。
1)液晶性ポリエステル樹脂、任意成分である充填材、その他の添加剤との一括混練法、2)まず液晶性ポリエステル樹脂にその他の添加剤を高濃度に含む液晶性ポリエステル樹脂組成物(マスターペレット)を作成し、次いで規定の濃度になるように液晶性ポリエステル樹脂、任意成分である充填材およびその他の添加剤を添加する方法(マスターペレット法)、
3)液晶性ポリエステル樹脂と任意成分であるその他の添加剤の一部を一度混練し、ついで残りの任意成分である充填材、その他の添加剤を添加する分割添加法など、
どの方法を用いてもかまわない。
かくして得られる本発明の液晶性ポリエステル樹脂は、従来の液晶性ポリエステル樹脂に比較して比重が小さく、靱性が高い、またその組成物も液晶性ポリエステル樹脂が充填材との濡れ性に優れるために高靱性である。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂またはその組成物は、通常の射出成形、押出成形、プレス成形などの成形方法によって、優れた表面外観(色調)および機械的性質、耐熱性、難燃性、良メッキ・塗装性を有する成形品に加工することが可能である。
ここでいう成形品としては、射出成形品、押出成形品、プレス成形品、シート、パイプ、フィルム、繊維などが挙げられ、特に射出成形品や繊維とした場合に靱性などの本発明の効果が顕著に得られ好ましい。
このようにして得られた液晶性ポリエステル樹脂またはその組成物からなる成形品は、例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコン用モーターインシュレーター、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプベゼル、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品などに用いることができる。フィルムとして用いる場合は磁気記録媒体用フィルム、写真用フィルム、コンデンサー用フィルム、電気絶縁用フィルム、包装用フィルム、製図用フィルム、リボン用フィルム、シート用途としては自動車内部天井、ドアトリム、インストロメントパネルのパッド材、バンパーやサイドフレームの緩衝材、ボンネット裏等の吸音パット、座席用材、ピラー、燃料タンク、ブレーキホース、ウインドウオッシャー液用ノズル、エアコン冷媒用チューブおよびそれらの周辺部品に有用である。
また繊維としては、一般産業用資材、土木・建築資材、スポーツ用途、防護衣、ゴム補強資材(タイヤコードなど)、電気材料(特に、テンションメンバーとして)、音響材料等の分野で広く用いられるが、特に織物の形態で使用する用途に適している。特に有効な用途としては、スクリーン紗、コンピュターリボン、プリント基盤用基布、エアーバッグ、飛行船、ドーム用等の基布、ライダースーツ、釣糸、各種ライン(ヨット、パラグライダー、気球、凧糸)、PET用鎖代替糸、ブラインドコード、網戸用支持コード、自動車や航空機内各種コード、電気製品やロボットの力伝達コード等がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明の骨子は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(A)液晶性ポリエステル樹脂
実施例1
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸884重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸295重量部、および無水酢酸937重量部(フェノール性水酸基合計の1.02当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
実施例1
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸884重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸295重量部、および無水酢酸937重量部(フェノール性水酸基合計の1.02当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−1)は、融点(Tm)は311℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が14800であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度321℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が30Pa・sであった。
実施例2
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸807重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸399重量部、および無水酢酸992重量部(フェノール性水酸基合計の1.08当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、310℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸807重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸399重量部、および無水酢酸992重量部(フェノール性水酸基合計の1.08当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、310℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−2)の融点(Tm)は295℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が15200であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度305℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が30Pa・sであった。
実施例3
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸773重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸443重量部、および無水酢酸1011重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸773重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸443重量部、および無水酢酸1011重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−3)の融点(Tm)は288℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が14900であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度298℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が30Pa・sであった。
実施例4
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸751重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸473重量部、および無水酢酸1011重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸751重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸473重量部、および無水酢酸1011重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−4)の融点(Tm)は281℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が16800であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度291℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が45Pa・sであった。
実施例5
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸663重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸591重量部、および無水酢酸1029重量部(フェノール性水酸基合計の1.12当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸663重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸591重量部、および無水酢酸1029重量部(フェノール性水酸基合計の1.12当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−5)の融点(Tm)は276℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が17000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度286℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が50Pa・sであった。
実施例6
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸939重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸222重量部、および無水酢酸891重量部(フェノール性水酸基合計の0.97当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、330℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸939重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸222重量部、および無水酢酸891重量部(フェノール性水酸基合計の0.97当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、330℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−6)の融点(Tm)は321℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が13600であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度331℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が24Pa・sであった。
実施例7
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1234重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸266重量部、および無水酢酸919重量部(フェノール性水酸基合計の1.00当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、330℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1234重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸266重量部、および無水酢酸919重量部(フェノール性水酸基合計の1.00当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、330℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−7)の融点(Tm)は318℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が13800であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度328℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が25Pa・sであった。
実施例8
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1099重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸399重量部、および無水酢酸965重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、315℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を315℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1099重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸399重量部、および無水酢酸965重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、315℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を315℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−8)の融点(Tm)は290℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が16700であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度300℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が50Pa・sであった。
実施例9
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸963重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸532重量部、および無水酢酸1020重量部(フェノール性水酸基合計の1.11当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸963重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸532重量部、および無水酢酸1020重量部(フェノール性水酸基合計の1.11当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−9)の融点(Tm)は265℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が19800であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度275℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が70Pa・sであった。
実施例10
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸738重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸124重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸369重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸738重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸124重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸369重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−10)の融点(Tm)は265℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が19500であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度275℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が68Pa・sであった。
実施例11
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸25重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1095重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸369重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、310℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸25重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1095重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸369重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、310℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−11)の融点(Tm)は295℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が16400であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度305℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が42Pa・sであった。
実施例12
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸714重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸51重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸473重量部、および無水酢酸1002重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、310℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸714重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸51重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸473重量部、および無水酢酸1002重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、310℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−12)の融点(Tm)は295℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が16000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度305℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が38Pa・sであった。
実施例13
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸344重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸765重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸266重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸344重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸765重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸266重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−13)の融点(Tm)は245℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が22000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度255℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が105Pa・sであった。
実施例14
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸950重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸207重量部、および無水酢酸946重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、335℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を335℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に60分間反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸950重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸207重量部、および無水酢酸946重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、335℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を335℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に60分間反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−14)の融点(Tm)は330℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が4800であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度340℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が9Pa・sであった。
実施例15
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸652重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸606重量部、および無水酢酸965重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、290℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を290℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸652重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸606重量部、および無水酢酸965重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、290℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を290℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−15)の融点(Tm)は275℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が13200であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度285℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が24Pa・sであった。
実施例16
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸587重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸89重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸606重量部、および無水酢酸1066重量部(フェノール性水酸基合計の1.16当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸587重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸89重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸606重量部、および無水酢酸1066重量部(フェノール性水酸基合計の1.16当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、300℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を300℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−16)の融点(Tm)は225℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が23200であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度235℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が112Pa・sであった。
比較例1
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸907重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を457重量部、および無水酢酸1103重量部(フェノール性水酸基合計の1.20当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、310℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸907重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を457重量部、および無水酢酸1103重量部(フェノール性水酸基合計の1.20当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、310℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(B−1)の融点(Tm)は283℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が16700であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度293℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が43Pa・sであった。
比較例2
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を339重量部、および無水酢酸845重量部(フェノール性水酸基合計の0.92当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、340℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を340℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を339重量部、および無水酢酸845重量部(フェノール性水酸基合計の0.92当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、340℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を340℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(B−1)の融点(Tm)は330℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が14000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度340℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が28Pa・sであった。
比較例3
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸934重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸934重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(B−3)の融点(Tm)は312℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が12000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度322℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が20Pa・sであった。
比較例4
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル419重量部、テレフタル酸344重量部、イソフタル酸30重量部および無水酢酸1332重量部(フェノール性水酸基合計の1.16当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2.5時間反応させアセチル化を終了した後、360℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を360℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル419重量部、テレフタル酸344重量部、イソフタル酸30重量部および無水酢酸1332重量部(フェノール性水酸基合計の1.16当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2.5時間反応させアセチル化を終了した後、360℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を360℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル樹脂(B−4)の融点(Tm)は355℃、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム=50/50混合溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定した数平均分子量が12400であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度365℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が18Pa・sであった。
比較例5
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸374重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸63重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸916重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、280℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を280℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸374重量部、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸63重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸916重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、280℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を280℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け更に反応を続け、トルクが30kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
しかし、得られたポリマーは液晶性を示さなかった。
比較例6
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸1061重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸59重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温したが、昇温途中で系が固化し、ポリマーは得られなかった。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸1061重量部、p−ヒドロキシトランス桂皮酸59重量部、および無水酢酸983重量部(フェノール性水酸基合計の1.07当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温したが、昇温途中で系が固化し、ポリマーは得られなかった。
得られた液晶性樹脂を熱風乾燥後、ファナックα30C射出成形機(ファナック製)に供し成形品を得て、(1)比重の評価を行った。結果は表1に示す。
(1)比重
電子比重計ED−120Tにより、23℃において水溶媒で測定した。
電子比重計ED−120Tにより、23℃において水溶媒で測定した。
実施例17〜32、比較例5〜8
東芝機械製TEM35B型2軸押出機(噛み合い型同方向)に、シリンダーC1(元込めフィーダー側ヒーター)〜C6(ダイ側ヒーター)の、C3部にサイドフィーダーを設置し、C5部に真空ベントを設置した。
東芝機械製TEM35B型2軸押出機(噛み合い型同方向)に、シリンダーC1(元込めフィーダー側ヒーター)〜C6(ダイ側ヒーター)の、C3部にサイドフィーダーを設置し、C5部に真空ベントを設置した。
ニーディングブロックをC2部、C4部に組み込んだスクリューアレンジを用い、液晶性ポリエステル樹脂(A−1〜A−16)および(B−1〜B−4)を表2に示す配合量でホッパーから投入し、充填材(日本電気硝子製 Eガラスチョップドストランド(ECS−03T747H)、表2ではGFと記載した)を液晶性樹脂ブレンドの合計100重量部に対して表12に示す配合量でサイドから投入し、シリンダー温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃に設定し、溶融混練してペレットとした。
得られた液晶性樹脂ブレンドおよび組成物ペレットを熱風乾燥後、ファナックα30C射出成形機(ファナック製)に供し成形品を得て、下記(2)〜(3)の評価を行った。結果は表2に示す。
(2)靱性
6.4mm厚×12.7mm巾×64mm長のテストピースを成形し、カットノッチを加工後、ASTM D256に従って測定し、Izod衝撃値を求めた。
6.4mm厚×12.7mm巾×64mm長のテストピースを成形し、カットノッチを加工後、ASTM D256に従って測定し、Izod衝撃値を求めた。
(3)塗膜密着性:基盤目剥離試験
80mm×80mm×2mm厚の角板にスプレーガンを用いて、ポリエステル系塗料で塗装を施し、140℃で20分の焼付処理を行った後、23℃×50%RHの条件で48時間放置した後、カッターナイフで1mm間隔で縦横11本の切り込みを入れ、100個の升目を作り、セロハン粘着テープを用いて行い、剥離数を求めた。剥離数が小さいほど、塗膜密着性に優れると言える。
80mm×80mm×2mm厚の角板にスプレーガンを用いて、ポリエステル系塗料で塗装を施し、140℃で20分の焼付処理を行った後、23℃×50%RHの条件で48時間放置した後、カッターナイフで1mm間隔で縦横11本の切り込みを入れ、100個の升目を作り、セロハン粘着テープを用いて行い、剥離数を求めた。剥離数が小さいほど、塗膜密着性に優れると言える。
表1、2から、実施例に示した本発明の液晶性ポリエステル樹脂は、比較例に示した既存の液晶性ポリエステル樹脂よりも比重が小さく、靱性に優れることがわかる。また、本発明の液晶性ポリエステル樹脂は、既存の液晶性ポリエステル樹脂に比較して、塗膜剥離がし難くいことがわかる。また、好ましい組成比をとる実施例では、特に靱性が高くなることがわかる。
実施例33〜36、比較例9〜10
表3に示す配合量で、液晶性ポリエステル樹脂(A−2、8、12、16)または(B−2)をそれぞれ、二軸押出機にサンドパックと紡出装置を備えた紡糸器により、0.1mmφ5mm長の直孔ノズルから液晶性ポリエステルの融点+10℃でドラフト比4倍で紡糸を行った。得た繊維をドラムに巻いた状態で270℃24時間窒素気流下で固相重合処理を行った。繊維を3mm長にカットし、ポリプロピレン樹脂(三井ノーブレンJSG−1)に対して20重量%になるように上記二軸押出機TEM35Bを用いて210℃で溶融混練し、ペレタイズして得られたペレットを上記成形機で射出成形し、127mm×12.7mm×3.2mm厚の試験片を得た。ASTM D790に従って曲げ弾性率を測定し、補強効果(繊維補強材を配合した組成物の曲げ弾性率/ポリプロピレン単体の曲げ弾性率)を評価した。結果は表3に示す。
表3に示す配合量で、液晶性ポリエステル樹脂(A−2、8、12、16)または(B−2)をそれぞれ、二軸押出機にサンドパックと紡出装置を備えた紡糸器により、0.1mmφ5mm長の直孔ノズルから液晶性ポリエステルの融点+10℃でドラフト比4倍で紡糸を行った。得た繊維をドラムに巻いた状態で270℃24時間窒素気流下で固相重合処理を行った。繊維を3mm長にカットし、ポリプロピレン樹脂(三井ノーブレンJSG−1)に対して20重量%になるように上記二軸押出機TEM35Bを用いて210℃で溶融混練し、ペレタイズして得られたペレットを上記成形機で射出成形し、127mm×12.7mm×3.2mm厚の試験片を得た。ASTM D790に従って曲げ弾性率を測定し、補強効果(繊維補強材を配合した組成物の曲げ弾性率/ポリプロピレン単体の曲げ弾性率)を評価した。結果は表3に示す。
表3から繊維補強材として、ビニル系樹脂に配合した場合に、本発明の液晶性ポリエステル樹脂は、既存の液晶性ポリエステル樹脂よりも顕著に高い補強効果を示すことがわかる。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂は、既存の液晶性ポリエステルよりも比重が小さく、靱性に優れるために、軽量化が要求される自動車用途に好適であり、また、繊維補強材としてビニル系樹脂に配合した場合に、特異的な強度向上効果を与えうるため、光ファイバーテンションメンバー、タイヤコードなどの補強繊維として好適である。
Claims (6)
- 芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位50〜95モル%と4−オキシシンナモイル構造単位5〜50モル%とからなる液晶性ポリエステル樹脂。
- 芳香間を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位60〜85モル%と4−オキシシンナモイル構造単位15〜40モル%からなる請求項1記載の液晶性ポリエステル樹脂。
- 芳香環を一つ以上有するオキシカルボニル構造単位が4−オキシベンゾイル構造単位および/または2−オキシ−6−ナフトイル構造単位である請求項1または2記載の液晶性ポリエステル樹脂。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂100重量部に充填材10〜300重量部を配合した液晶性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂からなる成形品。
- 請求項4に記載の液晶性樹脂組成物からなる成形品。
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