JP2008143996A - 液晶性ポリエステル組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて良好な離型性を有し、極短時間の冷却時間でも成形品の反り量が小さいためにコネクタなどの微小成形品のハイサイクル成形などに最適な液晶性ポリエステル組成物を得ることを課題とするものである。
【解決手段】液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して、充填材(B)20〜100重量部およびソルビタントリステアレート(C)0.05〜0.6重量部を配合してなる液晶性ポリエステル組成物とする。
【選択図】なし
【解決手段】液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して、充填材(B)20〜100重量部およびソルビタントリステアレート(C)0.05〜0.6重量部を配合してなる液晶性ポリエステル組成物とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶性ポリエステルをハイサイクル成形で極短時間の金型冷却時間で離型する際の離型性が改良され、かつ反りが極めて小さいため、コネクタなどの微小成形品のハイサイクル成形などに最適な液晶性ポリエステル組成物に関するものである。
近年、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマーが数多く開発され市場に供されているが、中でも分子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶性ポリエステルなどの液晶性ポリマーが優れた成形性と機械的性質を有する点で注目され、電気・電子部品用途を中心とした射出成形品用途で需要が拡大している。
この中で液晶性ポリマーはコネクタなどの微小薄肉成形品に用いられることが多くなっており、生産性を向上するためにこのような成形では金型内冷却時間が極めて短いことが多い。冷却固化速度が大きく、成形収縮率の小さい液晶ポリマーでも離型が難しいことが多く、これまでにもその離型性を改良する検討がされている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−349794号公報(第1〜2頁)
しかし、近年、ハイサイクル成形といわれる極めてサイクルタイムの短い成形手法が一般的になりつつあり、金型内冷却時間は1秒を切る場合もある。このような場合には、従来の成形では離型に問題がなかった液晶性ポリマー組成物であっても離型が難しい。
そこで、本発明は、極めて良好な離型性を有し、極短時間の冷却時間でも成形品の反り量が小さいためにコネクタなどの微小成形品のハイサイクル成形などに最適な液晶性ポリエステル組成物を得ることを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ソルビタントリステアレートを溶融状態の液晶性ポリエステルに配合すると、相互作用によって冷却固化速度が良離型と低反りを両立できる範囲に制御されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は
(1)液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して、充填材(B)20〜100重量部およびソルビタントリステアレート(C)0.05〜0.6重量部を配合してなる液晶性ポリエステル組成物、
(2)液晶性ポリエステル(A)の融点−50℃における1/2結晶化時間が2分以上5分以内である上記(1)記載の液晶性ポリエステル組成物、
(3)液晶性ポリエステルが下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成されることを特徴とする上記(1)または(2)記載の液晶性ポリエステル組成物、
(1)液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して、充填材(B)20〜100重量部およびソルビタントリステアレート(C)0.05〜0.6重量部を配合してなる液晶性ポリエステル組成物、
(2)液晶性ポリエステル(A)の融点−50℃における1/2結晶化時間が2分以上5分以内である上記(1)記載の液晶性ポリエステル組成物、
(3)液晶性ポリエステルが下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成されることを特徴とする上記(1)または(2)記載の液晶性ポリエステル組成物、
(4)液晶性ポリエステル(A)の融点以上で、充填材(B)とソルビタントリステアレート(C)を配合することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の液晶性ポリエステル組成物の製造方法、
(5)液晶性ポリエステルの融点以上で溶融混練する上記(4)記載の液晶性ポリエステル組成物の製造方法、
(5)液晶性ポリエステルの融点以上で溶融混練する上記(4)記載の液晶性ポリエステル組成物の製造方法、
本発明の液晶性ポリエステル組成物は極短時間の金型冷却時間で離型する際の離型性が改良され、かつ反りが極めて小さいため、コネクタなどの微小成形品のハイサイクル成形などに最適である。
以下、本発明について詳述する。なお本発明において「重量」とは、「質量」を意味する。
本発明は、液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して、充填材(B)20〜100重量部およびソルビタントリステアレート(C)0.05〜0.6重量部を配合してなる液晶性ポリエステル組成物であり、融点−50℃における1/2結晶化時間が2分以上5分以内であることが好ましい。
融点−50℃における1/2結晶化時間が該範囲にある場合には、ハイサイクル成形における0.1〜2秒の間の極めて短い金型冷却時間において、突き出し持に変形を起こさない充分な固化速度と金型への噛みつき力が強くならない程度の剛性が高くならない状態の保持が可能であり、更に好ましくは融点−50℃における1/2結晶化時間が3分以上4分以内であることである。
1/2結晶化時間の測定は示差走査熱量計(DSC)を用い、窒素気流下で融点+10℃まで20℃/分で昇温して、5分保持した後、融点−50℃まで120℃/分で冷却し、保持した時に観測される結晶化発熱ピークの面積の50%に当たる温度を1/2結晶化時間とした。
本願で用いる液晶性ポリエステル(A)とは異方性溶融相を形成し得るポリエステルである。例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルが挙げられる。
芳香族オキシカルボニル単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などから生成した構造単位、芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位としては、例えば、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メチルヒドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどから生成した構造単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などから生成した構造単位が挙げられる。
液晶性ポリエステルの具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、ハイドロキノンから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
なかでも好ましいのは、下記構造(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)を構造単位として含む液晶ポリエステルである。
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位を、構造単位(III)はハイドロキノンから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸から生成した構造単位を、構造単位(V)はイソフタル酸から生成した構造単位を各々示す。
一方、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される液晶ポリエステルの場合、構造単位(I)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して65〜80モル%であり、より好ましくは68〜75モル%である。また、構造単位(II)は構造単位(II)および(III)の合計に対して60〜75モル%であり、より好ましくは65〜73モル%である。また、構造単位(IV)は構造単位(IV)および(V)の合計に対して60〜70モル%であり、より好ましくは62〜68モル%である。
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
例えば、上記液晶性ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
例として、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される液晶ポリエステルについて示す。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンとテレフタル酸、イソフタル酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
なかでもp−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法が好ましい。
さらに、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノンの合計使用量とテレフタル酸およびイソフタル酸の合計使用量は、実質的に等モルである。無水酢酸の使用量は、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノンのフェノール性水酸基の合計の1.15当量以下であることが好ましく、1.12当量以下であることがより好ましく、下限については1.0当量以上であることが好ましい。
本発明の液晶性ポリエステルを脱酢酸重縮合反応により製造する際に、液晶性ポリエステルが溶融する温度で減圧下反応させ、重縮合反応を完了させる溶融重合法が好ましい。
例えば、所定量のp−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸、無水酢酸を攪拌翼、留出管を備え、下部に吐出口を備えた反応容器中に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら加熱し水酸基をアセチル化させた後、液晶性ポリエステルの溶融温度まで昇温し、減圧により重縮合し、反応を完了させる方法が挙げられる。アセチル化させる条件は、通常130〜300℃の範囲、好ましくは135〜200℃の範囲で通常1〜6時間、好ましくは140〜180℃の範囲で2〜4時間反応させる。重縮合させる温度は、液晶性ポリエステルの溶融温度、例えば、250〜350℃の範囲であり、好ましくは液晶性ポリエステルの融点+10℃以上の温度である。重縮合させるときの減圧度は通常0.1mmHg(13.3Pa)〜20mmHg(2660Pa)であり、好ましくは10mmHg(1330Pa)以下、より好ましくは5mmHg(665Pa)以下である。なお、アセチル化と重縮合は同一の反応容器で連続して行っても良いが、アセチル化と重縮合を異なる反応容器で行っても良い。
得られたポリマーは、それが溶融する温度で反応容器内を例えば、およそ1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、反応容器下部に設けられた吐出口よりストランド状に吐出することができる。溶融重合法は均一なポリマーを製造するために有利な方法であり、ガス発生量がより少ない優れたポリマーを得ることができ、好ましい。
本発明の液晶性ポリエステルを製造する際に、固相重合法により重縮合反応を完了させることも可能である。例えば、本発明の液晶性ポリエステルのポリマーまたはオリゴマーを粉砕機で粉砕し、窒素気流下、または、減圧下、液晶性ポリエステルの融点−5℃〜融点−50℃(例えば、200〜300℃)の範囲で1〜50時間加熱し、所望の重合度まで重縮合し、反応を完了させる方法が挙げられる。固相重合法は高重合度のポリマーを製造するための有利な方法である。
液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、p−トルエンスルホン酸、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用することもできる。
本発明の液晶性ポリエステルは、数平均分子量は3,000〜25,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜20,000、より好ましくは8,000〜18,000の範囲である。
なお、この数平均分子量は液晶性ポリエステルが可溶な溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定することが可能である。
また、本発明における液晶性ポリエステルの溶融粘度は1〜200Pa・sが好ましく、10〜200Pa・sがより好ましく、さらには10〜100Pa・sが特に好ましい。
なお、この溶融粘度は液晶性ポリエステルの融点+10℃の条件で、ノズル径0.5mmφ×10mm、ずり速度1,000/sの条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
なお、本発明では、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を指す。
また、本発明で用いる充填材(B)とは、液晶性ポリエステルの機械的強度や流動挙動、表面性などを改良するために用いる繊維状、板状、粉末状、粒状など非繊維状の充填剤であり、具体的には例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリ燐酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填剤が挙げられる。上記充填剤中、ガラス繊維や炭素繊維が好ましく使用され、より好ましくはガラス繊維である。炭素繊維はPAN系またはピッチ系の炭素繊維であり、一般に樹脂の強化用に用いられているものならば特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョプドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。
また、上記の充填剤は2種以上を併用して使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
上記の充填剤の添加量は液晶性樹脂100重量部に対し20〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜60重量部である。
また、本発明で用いるソルビタントリステアレート(C)は、例えば、Dayang Chemicals Co.Ltd.製のspan 65、花王製のレオドールSP−S30V、理研ビタミン製のポエムS65Vなどで入手できる。ソルビタントリステアレートとしては特に限定されるものではないが、ケン化価170〜180であることが好ましく、より好ましくは174〜178である。
ソルビタントリステアレート(C)の配合量は液晶性ポリエステルに0.05〜0.6重量部であるが、より好ましくは0.1〜0.5重量部、更に好ましくは0.2〜0.4重量部である。
ソルビタントリステアレート(C)の配合量が上記範囲においては、液晶性ポリエステルとの相互作用による、1/2結晶化時間の好ましい範囲への調整が可能であり好ましい。ソルビタントリステアレート(C)の配合量が上記範囲より少ないと離型効果が小さくなり、多すぎるとソルビタントリステアレート(C)による発生ガス量が増加し好ましくない。
さらに、本発明の液晶性ポリエステル組成物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤(ステアリン酸ステアレート、ステアリン酸金属塩など)および離型剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料および顔料を含む着色剤、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、赤燐、シリコーン系難燃剤など)、難燃助剤、および帯電防止剤などの通常の添加剤、熱可塑性樹脂以外の重合体を配合して、所定の特性をさらに付与することができる。
特に、本発明においては、モンタン酸エステル(D)を液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して更に0.01〜0.4重量部を配合することが好ましい。
ソルビタントリステアレート(C)とモンタン酸エステル(D)を併用すると、相乗効果が生まれ、添加量の総量を削減することができ好ましい。
モンタン酸エステル(D)の添加量としてはより好ましくは、0.02〜0.3重量部であり、更に好ましくは0.05〜0.2重量部であり、ソルビタントリステアレート(C)とモンタン酸エステル(D)の総量としては、0.01〜0.4重量部が好ましい。
モンタン酸エステル(D)の具体例としては、モンタン酸ペンタエリスリトール、モンタン酸グリセロール、モンタン酸グリコールなどが挙げられ、モンタン酸グリコールが好ましい。また、モンタン酸エステル(D)として、モンタン酸の金属塩も同様に用いることができる。金属種としてはアルミニウム、亜鉛、リチウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられる。
これらの添加剤を配合する方法は、溶融混練によることが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、180〜350℃、より好ましくは250〜340℃の温度で溶融混練して液晶性ポリエステル組成物とすることができ、液晶性ポリエステル(A)の融点以上が最も好ましい。その際には、1)液晶性ポリエステル(A)、充填材(B)、ソルビタントリステアレート(C)、任意成分であるモンタン酸エステル(D)などその他の添加剤との一括混練法、2)まず液晶性ポリエステル(A)にソルビタントリステアレート(C)を高濃度に含む液晶性ポリエステル組成物(マスターペレット)を作成し、次いで規定の濃度になるように液晶性ポリエステル(A)、充填材(B)およびその他の添加剤と配合する方法(マスターペレット法)など、どの方法を用いてもかまわない。
かくして得られる本発明の液晶性ポリエステル組成物は、ハイサイクル成形で極短時間の金型冷却時間で離型する際の離型性が改良され、かつ反りが極めて小さいため、コネクタなどの微小成形品のハイサイクル成形などに最適である。
さらには本発明の液晶性ポリエステル組成物は、通常の射出成形以外にも、押出成形、プレス成形などの成形方法によって、優れた表面外観(色調)および機械的性質、耐熱性、難燃性を有する三次元成形品、シート、容器、パイプ、フィルムなどに加工することが可能である。
このようにして得られた液晶性ポリエステル組成物の成形品は、例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコン用モーターインシュレーター、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプベゼル、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品などに用いることができる。フィルムとして用いる場合は磁気記録媒体用フィルム、写真用フィルム、コンデンサー用フィルム、電気絶縁用フィルム、包装用フィルム、製図用フィルム、リボン用フィルム、シート用途としては自動車内部天井、ドアトリム、インストロメントパネルのパッド材、バンパーやサイドフレームの緩衝材、ボンネット裏等の吸音パット、座席用材、ピラー、燃料タンク、ブレーキホース、ウインドウオッシャー液用ノズル、エアコン冷媒用チューブおよびそれらの周辺部品に有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明の骨子は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(参考例1)液晶性ポリエステル(A−1)
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部(6.30モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部(1.89モル)、ハイドロキノン89重量部(0.81モル)、テレフタル酸292重量部(1.76モル)、イソフタル酸157g(0.95モル)および無水酢酸1367重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。この液晶性ポリエステル(A−1)はp−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、4,4’−ジオキシビフェニル単位が4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル%からなり、Tmは314℃で、液晶開始温度は295℃であった。数平均分子量12,000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度324℃、剪断速度1,000/sで測定した溶融粘度が20Pa・sであった。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部(6.30モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部(1.89モル)、ハイドロキノン89重量部(0.81モル)、テレフタル酸292重量部(1.76モル)、イソフタル酸157g(0.95モル)および無水酢酸1367重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、トルクが15kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。この液晶性ポリエステル(A−1)はp−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、4,4’−ジオキシビフェニル単位が4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル%、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル%からなり、Tmは314℃で、液晶開始温度は295℃であった。数平均分子量12,000であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度324℃、剪断速度1,000/sで測定した溶融粘度が20Pa・sであった。
なお、融点(Tm)は示差熱量測定において、ポリマーを室温から40℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)とした。
また、分子量は液晶性ポリエステルが可溶な溶媒であるペンタフルオロフェノールを使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定し、数平均分子量を求めた。
(参考例2)液晶性ポリエステル(A−2)
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部(7.20モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部(0.67モル)、テレフタル酸112重量部(0.67モル)、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部(1.12モル)及び無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、325℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を325℃に保持し、0.1MPaに窒素加圧し、20分間加熱撹拌した。その後、放圧し1.0時間で133Paに減圧し、更に120分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部(7.20モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部(0.67モル)、テレフタル酸112重量部(0.67モル)、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部(1.12モル)及び無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、325℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を325℃に保持し、0.1MPaに窒素加圧し、20分間加熱撹拌した。その後、放圧し1.0時間で133Paに減圧し、更に120分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル(A−2)はp−オキシベンゾエート単位が74.4モル%、4,4’−ジオキシビフェニル単位が7モル%、テレフタレート単位が7モル%、エチレンジオキシ単位が11.6モル%であり、Tmは314℃、液晶開始温度292℃で、数平均分子量11,100であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度325℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が12Pa・sであった。
(参考例3)液晶性ポリエステル(A−3)
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部(7.20モル)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を338.7重量部(1.80モル)、および無水酢酸965重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、330℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を330℃に保持し、0.1MPaに窒素加圧し、20分間加熱撹拌した。その後、放圧し1.0時間で133Paに減圧し、更に120分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部(7.20モル)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を338.7重量部(1.80モル)、および無水酢酸965重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で2時間反応させた後、330℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を330℃に保持し、0.1MPaに窒素加圧し、20分間加熱撹拌した。その後、放圧し1.0時間で133Paに減圧し、更に120分間反応を続け、トルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶性ポリエステル(A−3)はp−オキシベンゾエート単位が80モル%、6−オキシ−2−ナフタレート単位が20モル%であり、Tm(液晶性ポリエステルの融点)は320℃、液晶開始温度298℃で、数平均分子量10,900であり、高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度330℃、剪断速度1000/sで測定した溶融粘度が18Pa・sであった。
充填材(B)
日本電気硝子製ECS−03T747H(10.5μmφEガラスチョップド
ストランド 3mm長)
ソルビタントリステアレート(C)
理研ビタミン株式会社製ポエムS−65V(ケン化価177)
モンタン酸エステル(D)
クラリアント社製リコワックスE(モンタン酸グリコール)。
日本電気硝子製ECS−03T747H(10.5μmφEガラスチョップド
ストランド 3mm長)
ソルビタントリステアレート(C)
理研ビタミン株式会社製ポエムS−65V(ケン化価177)
モンタン酸エステル(D)
クラリアント社製リコワックスE(モンタン酸グリコール)。
実施例1〜9、比較例1〜8
表1に示す液晶性ポリエステル(A−1〜A−3)、充填材(B)、ソルビタントリステアレート(C)、モンタン酸エステル(D)をそれぞれ所定量秤量し、ドライブレンドし、池貝鉄工製PCM−30型2軸押出機で、シリンダー温度を液晶性ポリエステルの融点+10℃に設定し、スクリュー回転数100r.p.mの条件で溶融混練したのちストランドカッターによりペレットを得た。溶融混練は真空ベント減圧度10torr、吐出量10kg/hで行った。
表1に示す液晶性ポリエステル(A−1〜A−3)、充填材(B)、ソルビタントリステアレート(C)、モンタン酸エステル(D)をそれぞれ所定量秤量し、ドライブレンドし、池貝鉄工製PCM−30型2軸押出機で、シリンダー温度を液晶性ポリエステルの融点+10℃に設定し、スクリュー回転数100r.p.mの条件で溶融混練したのちストランドカッターによりペレットを得た。溶融混練は真空ベント減圧度10torr、吐出量10kg/hで行った。
熱風乾燥後、ペレット等をファナックロボショットα−30C(ファナック(株)製)に供し、シリンダ−温度を液晶性ポリエステルの融点+10℃に設定し、金型温度130℃に設定し、ノズル径を1.5mm、スプルー径(テーパー中心部)を1.5mm、射出時間を0.2秒、射出速度を300mm/s、射出圧力を下限圧+0.5MPa、保圧を射出圧力の8割の圧力で0.3秒、射出圧力の2割の圧力で0.7秒、金型内冷却時間を0秒〜10秒の間で変え、サイクルタイムを4秒〜15秒でコネクター金型を用いて射出成形を行い、以下に示す評価を行った。
(1)ハイサイクル成形における離型性
金型内冷却時間を10秒〜0秒まで徐々に短くしつつ、各秒数において1000ショットを行い、離型不良の起こる頻度が1%を越えない連続成形可能な最小金型内冷却時間を評価した。
金型内冷却時間を10秒〜0秒まで徐々に短くしつつ、各秒数において1000ショットを行い、離型不良の起こる頻度が1%を越えない連続成形可能な最小金型内冷却時間を評価した。
(2)反り量
(1)で求めた最小金型内冷却時間において成形したコネクター成形品のそり量を評価した。反り量の評価はコネクターの長手方向について、ピン圧入方向を側面からみた時の側面の辺の両端と中央部のピン圧入方向を高さとした時の高さの違いを評価した。
(1)で求めた最小金型内冷却時間において成形したコネクター成形品のそり量を評価した。反り量の評価はコネクターの長手方向について、ピン圧入方向を側面からみた時の側面の辺の両端と中央部のピン圧入方向を高さとした時の高さの違いを評価した。
(3)1/2結晶化時間
示差走査熱量計(DSC)を用い、融点+10℃ま20℃/分で昇温して、5分保持した後、融点−50℃まで120℃/分で冷却し、保持した時に観測される結晶化発熱ピークの面積の50%に当たる温度を1/2結晶化時間とした。
示差走査熱量計(DSC)を用い、融点+10℃ま20℃/分で昇温して、5分保持した後、融点−50℃まで120℃/分で冷却し、保持した時に観測される結晶化発熱ピークの面積の50%に当たる温度を1/2結晶化時間とした。
表1からも明らかなように本発明の実施例の液晶性ポリエステル組成物は、比較例に示した液晶ポリエステル組成物に比較して、ハイサイクル成形における離型性に優れており、反り量が特異的に改善されていることがわかる。
ハイサイクル成形を行う微小コネクタなどに有用である。
1.ピン圧入方向
2.コネクター長手方向
3.反り量
2.コネクター長手方向
3.反り量
Claims (5)
- 液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して、充填材(B)20〜100重量部およびソルビタントリステアレート(C)0.05〜0.6重量部を配合してなる液晶性ポリエステル組成物。
- 液晶性ポリエステル(A)の融点−50℃における1/2結晶化時間が2分以上5分以内である請求項1記載の液晶性ポリエステル組成物。
- 液晶性ポリエステル(A)の融点以上で、充填材(B)とソルビタントリステアレート(C)を配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の液晶性ポリエステル組成物の製造方法。
- 液晶性ポリエステルの融点以上で溶融混練する請求項4記載の液晶性ポリエステル組成物の製造方法。
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-
2006
- 2006-12-08 JP JP2006331471A patent/JP2008143996A/ja active Pending
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