JP2002201344A - 液晶性樹脂組成物、その製造方法および成形品 - Google Patents

液晶性樹脂組成物、その製造方法および成形品

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JP2002201344A
JP2002201344A JP2001336669A JP2001336669A JP2002201344A JP 2002201344 A JP2002201344 A JP 2002201344A JP 2001336669 A JP2001336669 A JP 2001336669A JP 2001336669 A JP2001336669 A JP 2001336669A JP 2002201344 A JP2002201344 A JP 2002201344A
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crystalline resin
liquid crystal
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JP2001336669A
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Koji Tachikawa
浩司 立川
Norio Kitajima
教雄 北島
Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色や成形品の膨れを抑制し、また難燃性が
向上した液晶性樹脂組成物、その製造方法、および成形
品の取得を課題とする。 【解決手段】 (A)液晶ポリエステルおよび/または
液晶ポリエステルアミドからなる1種以上の液晶性樹脂
100重量部に対して、(B)アルカリ性を呈するリン
酸の縮合物の金属塩0.001〜5重量部を含有せしめ
てなる液晶性樹脂組成物および(B)アルカリ性を呈す
るリン酸の縮合物の金属塩を、(A)液晶ポリエステル
および/または液晶ポリエステルアミドからなる1種以
上の液晶性樹脂の重合時に添加することを特徴とする上
記液晶性樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色や成形品の膨
れを抑制するとともに、難燃性を向上させた液晶性樹脂
組成物その製造方法、およびその成形品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックの高性能化に対する
要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマ
が数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子
鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリエス
テルなどの液晶性樹脂が、優れた成形性と機械的性質を
有する点で注目され、機械部品や、特に良流動性を必要
とするコネクターなどの電気・電子部品などの分野にお
いて用途が拡大されつつある。
【0003】そして、液晶ポリエステルおよび液晶ポリ
エステルアミドなどの液晶性樹脂の製造方法としては、
脱酢酸または脱フェノール重縮合反応による方法が一般
的に知られているが、このようにして製造された液晶性
樹脂においては、重合時に除去しきれなかった酢酸など
の揮発性ガスが、以降の成形工程で種々の不具合を生じ
ていた。
【0004】すなわち、重合時に除去しきれなかった酢
酸などの揮発性ガスは、樹脂組成物や成形品の着色、成
形品としたときに膨れや成形品表面のやけ、および押出
機のスクリューや射出成形機のスクリューや金型などの
腐食の原因となるばかりか、電気・電子部品などに用い
られる成形品の場合には、金属製接点を腐食する原因と
なる。
【0005】この揮発性ガスの発生を抑制する方法とし
ては、ゼオライトを添加する方法(特開平6−5711
7号公報)、ハイドロタルサイトを添加する方法(特開
平8−333505号公報)、および金属化合物を添加
する方法(特開平9−53003号公報)などがすでに
提案されているが、これらの方法では、確かに発生ガス
の低減効果はあるものの、その効果はいまだに十分とは
いえず、いずれの方法においても、着色の抑制効果はほ
とんど得られていなかった。また、これらの方法で用い
る添加剤は、いずれもそれ自体が成形品の表面の平滑性
を低下させたり、また成形品にクラックが入りやすくし
たりするなどの、好ましくない傾向を生じるものであっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0007】したがって、本発明の目的は、着色や成形
品の膨れを抑制するとともに、難燃性をも向上させた液
晶性樹脂組成物、その製造方法、および着色や膨れを抑
制し難燃性をも併せて向上した液晶性樹脂成形品を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の液晶性樹脂組成物は、(A)液晶ポリエ
ステルおよび/または液晶ポリエステルアミドからなる
1種以上の液晶性樹脂100重量部に対して、(B)ア
ルカリ性を呈するリン酸の縮合物の金属塩0.001〜
5重量部を含有することを特徴とする。
【0009】本発明の液晶性樹脂組成物においては、前
記(A)液晶性樹脂が下記構造単位(I) 、(II)、(III)
および(IV)からなる液晶ポリエステルであること、
(B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合物の金属塩がト
リポリリン酸ナトリウムおよび/またはテトラポリリン
酸ナトリウムであること、および(A)液晶ポリエステ
ルおよび/または液晶ポリエステルアミドからなる1種
以上の液晶性樹脂100重量部に対してさらに(C)充
填材を0.5〜300重量部含有することが、いずれも
好ましい条件として挙げられる。
【0010】
【化4】
【0011】(ただし式中のR1 は
【0012】
【化5】
【0013】から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は
【0014】
【化6】
【0015】から選ばれた1種以上の基を示す。また、
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。) また、本発明の上記液晶性樹脂組成物の製造方法は、
(B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合物の金属塩を、
(A)液晶ポリエステルおよび/または液晶ポリエステ
ルアミドからなる1種以上の液晶性樹脂の重合時に添加
すること、好ましくは、(B)アルカリ性を呈するリン
酸の縮合物の金属塩を、(A)液晶ポリエステルおよび
/または液晶ポリエステルアミドからなる1種以上の液
晶性樹脂の重合前に、原料モノマーと共に一括して投入
し重合することを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の成形品は、上記の液晶性
樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
なお本発明において「重量」とは、「質量」を意味す
る。
【0018】本発明で用いられる(A)液晶性樹脂は、
液晶ポリエステルおよび/または液晶ポリエステルアミ
ドである。液晶ポリエステルとは、異方性溶融相を形成
するポリエステルであり、例えば芳香族オキシカルボニ
ル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単
位、およびエチレンジオキシ単位などから選ばれた構造
単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステルが挙
げられる。また、液晶ポリエステルアミドとは、異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドであり、例えば上
記液晶ポリエステル構造単位と芳香族イミノカルボニル
単位、芳香族ジイミノ単位、および芳香族イミノオキシ
単位などから選ばれた構造単位からなるポリエステルア
ミドが挙げられる。
【0019】上記芳香族オキシカルボニル単位の具体例
としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、および6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などから生成した構造単
位が、芳香族ジオキシ単位の具体例としては、例えば、
4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、
3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒド
ロキシビフェニル、t−ブチルハイドロキノン、フェニ
ルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、
2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、および4,4´−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテルなどから生成した構造単位
が、芳香族ジカルボニル単位の具体例としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカル
ボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン
−4,4´−ジカルボン酸、および4,4´−ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸などから生成した構造単位が、
芳香族イミノオキシ単位の具体例としては、例えば、4
−アミノフェノールなどから生成した構造単位が、それ
ぞれ挙げられる。
【0020】(A)液晶ポリエステルの具体例として
は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位か
らなる液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から
生成した構造単位、4,4´−ジヒドロキシビフェニル
から生成した構造単位、テレフタル酸および/またはイ
ソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶ポリエス
テル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、
エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル
酸およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液
晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した
構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、
4,4´−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単
位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性
ポリエステル、およびp−ヒドロキシ安息香酸から生成
した構造単位、ハイドロキノンから生成した構造単位、
4,4´−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単
位、2,6−ナフタレンジカルボン酸から生成した構造
単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶
ポリエステルなどが挙げられる。
【0021】異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル
の好ましい例としては、下記(I)、(II)、(III) お
よび(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステル、また
は、下記(I)、(II) および(IV)の構造単位からな
る異方性溶融相を形成する液晶ポリエステルなどがより
好ましく挙げられる。なかでも特に下記(I)、(II)、
(III) および(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステル
が好ましく使用される。
【0022】
【化7】
【0023】(ただし式中のR1 は
【0024】
【化8】
【0025】から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は
【0026】
【化9】
【0027】から選ばれた1種以上の基を示す。ただし
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)。
【0028】上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息
香酸から生成した構造単位であり、上記構造単位(II)は
4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5
´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニ
ル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェ
ニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−
ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタ
レン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンおよび4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルか
ら選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生
成した構造単位であり、上記構造単位(III) はエチレン
グリコールから生成した構造単位であり、上記構造単位
(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカル
ボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン
−4,4´−ジカルボン酸および4,4´−ジフェニル
エーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジ
カルボン酸から生成した構造単位である。これらのうち
R1 が
【0029】
【化10】
【0030】であり、R2 が
【0031】
【化11】
【0032】であるものが特に好ましい。
【0033】本発明において好ましく使用できる液晶ポ
リエステルは、上記構造単位(I) 、(II)、(IV)からなる
共重合体および上記構造単位(I) 、(II)、(III) 、(IV)
からなる共重合体であり、上記構造単位(I) 、(II)、(I
II) および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発
明の特性を発揮させるためには次の共重合量であること
が好ましい。
【0034】すなわち、上記構造単位(I) 、(II)、(II
I) 、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I) 、(II)および(III)
の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜9
2モル%がより好ましい。また、構造単位(III) は構造
単位(I) 、(II)および(III) の合計に対して70〜5モ
ル%が好ましく、60〜8モル%がより好ましい。ま
た、構造単位(I) と(II)のモル比[(I) /(II)]は好ま
しくは75/25〜95/5であり、より好ましくは7
8/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造
単位(II)および(III) の合計と実質的に等モルであるこ
とが好ましい。
【0035】一方、上記構造単位(III) を含まない液晶
ポリエステルの場合は、流動性の点から、上記構造単位
(I) は構造単位(I) および(II)の合計に対して40〜
90モル%であることが好ましく、60〜88モル%で
あることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位
(II)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0036】また、液晶ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I) 〜(IV)以外に4−アミノフェノールか
ら生成した4−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0037】上記液晶ポリエステルおよび液晶ポリエス
テルアミドは、上記構造単位(I) 〜(IV)を構成する成分
以外に、3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2´
−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノ
ン、3,4´−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4´−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、3,4´−ジヒドロキシビフェニルなどの
芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジ
オールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、p−アミノ安息
香酸などを、液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共
重合せしめることができる。
【0038】本発明において使用する上記(A)液晶性
樹脂の製造方法には特に制限がなく、公知のポリエステ
ルの重縮合法に準じて製造できる。
【0039】例えば、上記液晶ポリエステルの製造にお
いては、次の製造方法(1)〜(5)が好ましく挙げら
れる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4´−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸とから脱酢酸縮重合反応によって製
造する方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4´−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸と
に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル
化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸とのジフェニルエステルから脱フェノ
ール重縮合反応により製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に、所定量のジフェニルカーボネート
を反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により製造する方法。 (5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で、(1)
または(2)の方法により製造する方法。
【0040】上記(A)液晶性樹脂の重縮合反応は無触
媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネー
ト、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチ
モン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用するこ
ともできる。
【0041】本発明に好ましく使用できる上記(A)液
晶性樹脂は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を
測定することが可能であり、その際には0.1g/dl
の濃度で60℃で測定した値で0.3以上が好ましく、
上記構造単位(III) を含む場合は0.5〜3.0dl/
g、上記構造単位(III) を含まない場合は1.0〜1
5.0dl/gが特に好ましい。
【0042】また、本発明における(A)液晶性樹脂の
溶融粘度は、0.5〜200Pa・sが好ましく、特に
1〜100Pa・sがより好ましい。
【0043】なお、この溶融粘度は、融点(Tm)+1
0℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下
で高化式フローテスターによって測定した値である。
【0044】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
m1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を意味する。
【0045】本発明に用いられる(B)アルカリ性を呈
するリン酸の縮合物の金属塩とは、水に溶解した際にp
H7.5以上を呈するリン酸の縮合物であるポリリン酸
の金属塩であり、例えば、トリポリリン酸カリウム、ト
リポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カルシウム、
テトラポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸カリウ
ム、およびテトラポリリン酸カルシウムなどが好まし
く、特にトリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナト
リウム、トリポリリン酸カルシウム、テトラポリリン酸
ナトリウム、テトラポリリン酸カリウム、およびテトラ
ポリリン酸カルシウムが好ましく、最も好ましいのはト
リポリリン酸ナトリウムおよびテトラポリリン酸ナトリ
ウムである。
【0046】トリポリリン酸ナトリウムの化学名はポリ
リン酸ナトリウムであり、一般式Na5 3 10で表さ
れ、成分としてはP2 5 として50%以上を含有する
ものである。
【0047】また、テトラポリリン酸ナトリウムの化学
名はテトラポリリン酸ナトリウムであり、一般式Na6
4 13で表され、成分としてはP2 5 として50%
以上を含有するものである。
【0048】ここで、「アルカリ性を呈する」とは、リ
ン酸の縮合物の金属塩を水に溶解した際に、その水溶液
のpHが7.5以上であることであり、具体的には、1
%水溶液のpHをpHメーターを用いて測定した際にp
Hが7.5以上であることが好ましく、より好ましくは
8.0以上であり、さらに好ましくは8.5以上であ
る。
【0049】これらのアルカリ性を呈するリン酸の縮合
物の金属塩を含有することにより、着色抑制効果を得る
ことができるが、酸性を呈するアンモニウム塩などを用
いた場合には、本発明が目的とする効果を得ることがで
きない。
【0050】(B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合物
の金属塩の配合量は、本発明の効果を発揮するために、
(A)液晶性樹脂100重量部に対して0.001〜5
重量部であり、より好ましくは、0.01〜3重量部、
更に好ましくは0.05〜1重量部である。
【0051】また、(B)アルカリ性を呈するリン酸の
縮合物の金属塩の形状としては、粉末もしくは顆粒状で
あることが好ましい。
【0052】これらの(B)アルカリ性を呈するリン酸
の縮合物の金属塩は、(A)液晶性樹脂の重合条件下で
安定であることが好ましく、熱重量分析(TGA)によ
って、窒素下で室温から350℃まで20℃/分の昇温
速度で昇温した際の重量減少が、1%以下であることが
好ましく、より好ましくは0.7%以下、更に好ましく
は0.5%以下である。このような(B)アルカリ性を
呈するリン酸の縮合物の金属塩を用いた場合には、着色
および成形品の膨れの抑制効果と共に、良好な難燃効果
の発現を期待することができる。
【0053】本発明の液晶性組成物の製造方法は特に限
定されるものではなく、(B)アルカリ性を呈するリン
酸の縮合物の金属塩を、通常の溶融混練配合した場合に
も充分な効果をえることができるが、(B)アルカリ性
を呈するリン酸の縮合物の金属塩を、(A)液晶性樹脂
の重合時に添加することが、さらに優れた効果が期待で
きる点で好ましい。
【0054】(B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合物
の金属塩を重合時に添加する場合には、(A)液晶性樹
脂の重合前に、上記原料モノマーと共に一括して投入し
て重合することが好ましい。また、重合途中において
(B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合物の金属塩を添
加することも可能である。その際には、塊状にならない
ように、例えば上記(2)の方法においては、無水酢酸
に分散した状態で添加する方法が好ましい。
【0055】また、上記(1)〜(5)のいずれの方法
においては、重合系中が完全に溶融状態になった後の場
合、部分的に未溶融である状態の場合、および全体が未
溶融の状態である場合のどの段階においても、(B)ア
ルカリ性を呈するリン酸の縮合物の金属塩を添加しても
よいが、例えば、上記(1)の方法においては、全体が
完全に溶融状態になった後に添加することが好ましい。
つまり、未溶融部分が残った状態で(B)アルカリ性を
呈するリン酸の縮合物の金属塩を添加するよりも、完全
に溶融状態で添加した方が、生成するポリマーのシーク
エンスのランダム性が高くなるため好ましい。また、例
えば上記(2)の方法においては、無水酢酸および酢酸
を溶媒として重合が行われるが、この場合には、(B)
アルカリ性を呈するリン酸の縮合物の金属塩が塊状にな
ることを防ぐために、溶媒としての無水酢酸または酢酸
が系中に存在する状態で、無水酢酸に分散させて添加す
ることが好ましい。
【0056】このように、(B)アルカリ性を呈するリ
ン酸の縮合物の金属塩を重合時に添加した場合には、得
られるポリマーに悪影響を及ぼすことなく、(B)アル
カリ性を呈するリン酸の縮合物の金属塩が良好に分散し
た樹脂組成物を得ることができ、本発明の効果がより顕
著に発揮される。
【0057】(B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合物
の金属塩を添加した際の重合条件については、特に制限
されるものではないが、重合温度については、(A)液
晶性樹脂の融点+5℃以上で行うことが好ましく、より
好ましくは融点+10℃〜融点+20℃である。このよ
うな温度範囲であれば、(B)アルカリ性を呈するリン
酸の縮合物の金属塩の添加によって、重合速度促進効果
をも得ることができる。
【0058】また、重合時間については、最終重合温度
に到達してからの常圧下での重合時間は、2時間以内で
あることが好ましく、より好ましくは1時間以内であ
る。さらに、減圧下での重合時間は、減圧の過程も含め
て2時間以内であることが好ましく、より好ましくは1
時間以内であり、更に好ましくは30分以内である。
【0059】なお、上記(2)の重合方法において、ア
セチル化試薬として添加する無水酢酸の添加量は、充分
なアセチル化反応を達成するために、モノマーの水酸基
末端量をに対して下式(イ)にて規定される係数が0.
9〜1.10であることが好ましく、より好ましくは
1.0〜1.09であり、さらに好ましくは、1.02
〜1.07である。
【0060】 係数=添加した無水酢酸のモル数/水酸基末端のモル数…(イ) このような場合には、重合時間を好ましい範囲として重
合を行うことができ、また白色度(W値)の高い液晶性
ポリエステルを得ることがてきる。
【0061】(A)液晶性樹脂と(B)アルカリ性を呈
するリン酸の縮合物の金属塩とを溶融混練する方法に特
に制限はなく、公知の方法を用いることができる。たと
えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、
単軸もしくは二軸押出機などを用い、180〜400℃
の温度で溶融混練することにより樹脂組成物とすること
ができる。
【0062】本発明においては、液晶性樹脂組成物の機
械強度その他の特性を付与するために、さらに(C)充
填材を配合することが可能である。充填材(C)として
は、特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉
末状、粒状などの充填材を使用することができる。具体
的には、例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭
素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維
などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊
維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジル
コニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊
維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウム
ウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アル
ミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維
状、ウィスカー状充填材、マイカ、タルク、カオリン、
シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデ
ン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、リン酸カ
ルシウムおよびグラファイトなどの粉状、粒状あるいは
板状の充填材が挙げられる。
【0063】これら充填材の中で、特に1成分として、
(C’)元素周期表の1A族の金属の炭酸塩および/ま
たは2A族の金属の炭酸塩を成形性や、さらなる難燃性
改良のために配合することが好ましい。(C’)は充填
材として単独で用いてもよいが、他の充填剤と併用する
ことが好ましく、(C’)以外の成分としては、ガラス
繊維などの繊維状充填材が好ましい。
【0064】(C’)元素周期表の1A族の金属、2A
族の金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム、バリウムなどが挙げられ、カルシウ
ムが好ましく採用できる。
【0065】(C’)元素周期表の1A族の金属の炭酸
塩および/または2A族の金属の炭酸塩としては、炭酸
カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウム、炭酸ナトリウムなどが例として挙げられ、炭酸
カルシウムが好ましい。
【0066】本発明における(C’)元素周期表の1A
族の金属の炭酸塩および/または2A族の金属の炭酸塩
の添加量としては、(A)液晶性樹脂100重量部に対
し、炭酸塩0.001〜10重量部が好ましく、特に好
ましくは、0.01〜6重量部、更に好ましくは0.0
5〜2重量部である。
【0067】これら本発明の効果をより顕著に発現させ
るために、(B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合物の
金属塩と(C’)元素周期表の1A族および/または2
A族の金属の炭酸塩の配合比率を重量比((B)/
(C’))で1/1〜1/3の範囲にすることが好まし
く、さらに好ましくは、1/1〜1/2である。
【0068】炭酸カルシウムについては、市販のものを
用いることができ、特に限定されるものではないが、平
均粒子径は0.01〜5μmであることが好ましく、よ
り好ましくは0.05〜3μmである。また、比表面積
については、好ましくは0.1〜8m2/gであり、さ
らに好ましくは0.5〜5m2/gである。
【0069】本発明の液晶性樹脂組成物に元素周期表の
1A族および/または2A族の金属の炭酸塩を充填材の
1成分として配合した場合には、さらに白色度が高くな
り、溶融粘度低下も抑制されるだけでなく、難燃性が向
上し、0.4mm以下の薄肉の成形品でも極短い燃焼時
間で消火する高い難燃性能が得られる。
【0070】また、成形性もさらに向上し、成形機のシ
リンダーの温度を液晶性樹脂組成物の融点よりもさらに
高い温度に設定しても、はな垂れしたりすることなく成
形することが可能となる。
【0071】はな垂れとは射出成形などの成形におい
て、溶融樹脂をノズル内に計量し、金型の開閉動作が終
了するのを待機している間に発生する待機時間(数秒〜
数10秒)の間に、計量した樹脂の粘度が低いことや、
ガスの発生によるシリンダー内圧の上昇によって、溶融
樹脂がノズル先端の射出口から漏出する現象であり、ノ
ズルを金型にタッチしたままで連続成形を行う場合には
金型内に樹脂が流入して連続成形を妨げる原因となる。
【0072】また、繊維状充填材としては、特にガラス
繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般
に樹脂の強化用に用いるものならば特に限定はなく、例
えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストラ
ンドおよびミルドファイバーなどから選択して用いるこ
とができる。
【0073】なお、ガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニ
ル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0074】充填材の添加量は、(C’)成分を一成分
とする場合にはそれも含めて、(A)液晶性樹脂100
重量部に対し、通常0.5〜300重量部であり、好ま
しくは10〜250重量部、より好ましくは20〜15
0重量部である。
【0075】また、上記(C)充填材は上記以外の組み
合わせで2種以上を併用して使用することもできる。な
お、本発明に使用する(C)充填材は、その表面を公知
のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、
チタネート系カップリング剤など)や、その他の表面処
理剤で処理して用いることもできる。
【0076】さらに、本発明の液晶性樹脂組成物には、
酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノ
ール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置
換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、
サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンな
ど)、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその金属
塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルア
ルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスな
ど)、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(た
とえば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着
色剤、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、
結晶核剤、可塑剤、難燃助剤、および帯電防止剤などの
通常の添加剤を添加して、所定の特性をさらに付与する
ことができる。
【0077】また、さらなる特性改良の必要性に応じ
て、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなど
のオレフィン系重合体、無水マレイン酸などによる酸変
性オレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合
体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピ
レン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重
合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル
共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸
共重合体、ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエ
ステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエ
ステルエラストマーなどのエラストマーから選ばれる1
種または2種以上の混合物を添加して所定の特性をさら
に付与することができる。
【0078】これらの添加剤や重合体を添加する方法
は、溶融混練によることが好ましく、溶融混練には公知
の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミ
キサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押
出機などを用い、180〜400℃の温度で溶融混練し
て樹脂組成物とすることができる。その際には、(A)
液晶性樹脂に(B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合物
の金属塩を重合時に添加して得られた樹脂組成物、
(C)充填材およびその他の添加剤との一括混練法、
(A)液晶性樹脂と(B)アルカリ性を呈するリン酸の
縮合物の金属塩、(C)充填材およびその他の添加剤と
の一括混練法、まず(A)液晶性樹脂に(B)アルカリ
性を呈するリン酸の縮合物の金属塩を高濃度に含む液晶
性樹脂組成物を作成し、次いで規定の濃度になるように
(A)液晶性樹脂、(C)充填材およびその他の添加剤
を添加する方法(マスターペレット法、ただし重合時に
高濃度で添加した組成物をマスターペレットとして用い
たり、重合時に通常濃度で(B)アルカリ性を呈するリ
ン酸の縮合物の金属塩を添加した組成物にさらに高濃度
で(B)を溶融混練してマスターペレットとすることも
可能)、および(A)液晶性樹脂と(B)アルカリ性を
呈するリン酸の縮合物の金属塩を一度混練した組成物ま
たは重合時に(B)を添加した組成物に、ついで(C)
充填材およびその他の添加剤を添加する方法のどの方法
を用いてもかまわない。
【0079】かくして得られる本発明の液晶性樹脂組成
物は、着色や成形品の膨れが抑制されると共に、難燃性
が向上したものであり、さらには優れた溶融流動性、成
形性および光学異方性を有しており、通常の成形方法に
よって、優れた低ガス性、表面外観(色調)および機械
的性質を有する三次元成形品、シート、容器、パイプ、
フィルムおよび繊維などに加工することが可能である。
そして、これらの成形品は、極めて優秀な難燃性を有し
ていることから、厳しい難燃性が要求される機械機構部
品や自動車部品、電気・電子部品などにも最適である。
【0080】本発明の液晶性樹脂組成物からなる成形品
の具体的用途としては、例えば、各種ギヤー、各種ケー
ス、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、
抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コン
デンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、
各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チュー
ナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小
型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハ
ウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャ
リッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッ
シュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連
部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テ
レビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、
電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディ
スク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器
部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプラ
イター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される
家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連
部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機
関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水
中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイ
プライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双
眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機
械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネータ
ーコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用
ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種
バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアー
インテークノズルスノーケル、インテークマニホール
ド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレ
ターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガ
スセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロット
ルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセ
ンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗セ
ンサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フ
ローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラ
ッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービ
ンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュ
ター、スタータースィッチ、スターターリレー、トラン
スミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャ
ーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁
気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナ
ル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ラン
プソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、
ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイル
フィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部
品などが挙げられ、これらの各用途において有用な効果
を発揮する。
【0081】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。なお、下記の実施例における各特性については、次
の方法により測定した。
【0082】(1)W値と滞留による着色度 液晶性樹脂または液晶性樹脂組成物のペレットを熱風乾
燥後、住友ネスタール射出成形機プロマット40/25
(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダ−温度液
晶性樹脂の融点+10℃に設定し、金型温度90℃に設
定し、1速1圧の条件で、以下に示す測定用テストピー
スを射出成形するに際して、シリンダー内での通常成形
条件(滞留時間1分)および更に5分間滞留した条件
(滞留時間6分)で成形を行い、縦127mm×横1
2.7mm×厚み3.2mmの棒状成形品を作成した。
この成形品について、スガ試験機(株)製SMカラーコ
ンピューター装置を用いて白色度(W値)を測定し、通
常成形条件品と5分間滞留した成形条件品とのW値の差
を次式 △W値=(1−5分間滞留した成形条件品のW値/通常成
形条件品のW値)×100 で評価した。
【0083】(2)膨れ 上記の通常成形条件にて、縦150mm×横12.7m
m×厚み0.5mmの棒状試験片を100個成形し、成
形品に生じた膨れの個数を評価した。
【0084】(3)燃焼時間 上記の通常成形条件にて、縦150mm×横12.7m
m×厚み0.4mmまたは0.5mmの棒状試験片を成
形し、UL94規格に従い、難燃性を評価した。また、
その際の試験片5本の第一燃焼と第二燃焼の燃焼時間の
合計を全燃焼時間として評価した。
【0085】(4)溶融粘度低下 液晶性樹脂または液晶性樹脂組成物のペレットを、熱風
乾燥後住友ネスタール射出成形機プロマット40/25
(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温度を
液晶性樹脂の融点+20℃に設定し、通常成形条件(滞
留時間1分)または5分間滞留した条件(滞留時間6
分)で、金型温度90℃に設定し、速度最大、圧力20
MPaの条件で縦150mm×横12.7mm×厚み
0.5mmの棒状金型内に射出し、ゲート中央から流動
先端までの距離を棒流動長とした。この棒流動長は、溶
融粘度が低下すると大きくなるため、粘度低下の指標と
なる。通常成形条件と5分間滞留した成形条件の棒流動
長から次式 溶融粘度低下(%)=(滞留時間6分の棒流動長−1/滞留時
間1分の棒流動長)×100 に従って、溶融粘度低下を評価した。
【0086】(5)成形時のはな垂れ性 液晶性樹脂組成物をファナック製ロボショットα30c
型射出成形機(ノーマルノズル)に供し、0.5mmt
棒流動試験用金型を用いて、シリンダー温度を液晶性樹
脂組成物の融点−10℃から5℃ずつ昇温しながら各温
度で、計量値を下限+10mm、サックバックを5mm
設け、金型タッチ成形で、型開から型閉までを4秒間に
設定して20ショット成形を行い、20ショットの間に
型開から型閉の間に樹脂が型内にはな垂れするかどうか
を判定した。はな垂れした温度を上限温度とした評価し
た。
【0087】また、液晶性樹脂組成物の融点は示差熱量
測定において、室温から20℃/分の昇温条件で測定し
た際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、
Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分
の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分
の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度
(Tm2 )を融点とした。
【0088】[実施例1〜4]p−ヒドロキシ安息香酸
994重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル12
6重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約
0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重
量部および無水酢酸960重量部を、撹拌翼、留出管を
備えた反応容器に仕込み、100〜250℃で5時間、
250〜330℃で1.5時間反応させた後、320
℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、さらに10
分間反応させ重縮合を行った。
【0089】その結果、芳香族オキシカルボニル単位8
0モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチ
レンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン
酸単位20モル当量からなり、融点314℃、液晶開始
温度297℃、324℃の溶融粘度25Pa・s(オリ
フィス0.5mm直径×10mm、せん断速度1,00
0(1/秒))の液晶性樹脂A−1が得られた。
【0090】この液晶性樹脂A−1の100重量部に対
し、トリポリリン酸ナトリウム(東京化成工業(株)
製、融点622℃、白色粉末、P2 5 として56%以
上、不純物0.01%以下、1%水溶液のpH9.7)
またはテトラポリリン酸ナトリウム(東京化成工業
(株)製、白色粉末、P2 5 として56%以上、不純
物0.01%以下、1%水溶液のpH9.8)を表1に
示した量および充填材としてのガラス繊維(日本電気ガ
ラス製チョップドストランド790DE(直径6μm×
3mm長)50重量部をドライブレンドし、これを日本
製鋼所製TEX30型2軸押出機に供し、シリンダー温
度:液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュー回転数:1
00r.p.mの条件で溶融混練してペレットとした。
このペレットから試験片を成形し、各種特性を評価した
結果を表1に示した。
【0091】[実施例5,6]p−ヒドロキシ安息香酸
994重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル18
4重量部、テレフタル酸164重量部、固有粘度が約
0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート156重
量部および無水酢酸1031重量部を、撹拌翼、留出管
を備えた反応容器に仕込み、100〜250℃で5時
間、250〜330℃で1.5時間反応させた後、33
0℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、さらに5
分間反応させ重縮合を行った。
【0092】その結果、芳香族オキシカルボニル単位8
0モル当量、芳香族ジオキシ単位11モル当量、エチレ
ンジオキシ単位9モル当量、芳香族ジカルボン酸単位2
0モル当量からなり、融点328℃、液晶開始温度30
8℃、338℃の溶融粘度19Pa・s(オリフィス
0.5mm直径×10mm、せん断速度1,000(1
/秒))の液晶性樹脂A−2が得られた。
【0093】この液晶性樹脂A−2の100重量部対
し、実施例1〜4で用いたものと同様のトリポリリン酸
ナトリウムまたはテトラポリリン酸ナトリウムを表1に
示した量および実施例1〜4と同様のガラス繊維50重
量部をドライブレンドし、これを日本製鋼所製TEX3
0型2軸押出機に供し、シリンダー温度:液晶性樹脂の
融点+10℃、スクリュー回転数:100r.p.mの
条件で溶融混練してペレットとした。このペレットから
試験片を成形し、各種特性を評価した結果を表1に併記
した。
【0094】[比較例1〜2]実施例1〜6で得られた
液晶性樹脂A−1およびA−2に対し、トリポリリン酸
ナトリウムまたはテトラポリリン酸ナトリウムの配合を
省略し、実施例1〜4と同様のガラス繊維50重量部の
みをドライブレンドし、これを日本製鋼所製TEX30
型2軸押出機に供し、シリンダー温度:液晶性樹脂の融
点+10℃、スクリュー回転数:100r.p.mの条
件で溶融混練してペレットとした。
【0095】このペレットから試験片を成形し、各種特
性を評価した結果を表1に併記した。
【0096】[比較例3]実施例1〜4で得られた液晶
性樹脂A−1の100重量部対し、酸性を呈するポリリ
ン酸の塩であるポリリン酸アンモニウム(ヘキスト社製
Exolit422、1%水溶液のpH4.5)0.2
重量部および実施例1〜4と同様のガラス繊維50重量
部をドライブレンドし、これを日本製鋼所製TEX30
型2軸押出機に供し、シリンダー温度:液晶性樹脂の融
点+10℃、スクリュー回転数:100r.p.mの条
件で溶融混練してペレットとした。このペレットから試
験片を成形し、各種特性を評価した結果を表1に併記し
た。
【0097】[実施例7]p−ヒドロキシ安息香酸99
4重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル126重
量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6
dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部、
無水酢酸916重量部およびトリポリリン酸ナトリウム
2.9重量部(得られた液晶性樹脂100重量部に対し
て0.2重量部相当)を、撹拌翼、留出管を備えた反応
容器に仕込み、100〜250℃で5時間、250〜3
30℃で1.5時間反応させた後、320℃、1.5時
間で0.5mmHgに減圧し、さらに15分間反応させ
重縮合を行った。
【0098】その結果、芳香族オキシカルボニル単位8
0モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチ
レンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン
酸単位20モル当量からなり、融点312℃、液晶開始
温度296℃、322℃の溶融粘度19Pa・s(オリ
フィス0.5mm直径×10mm、せん断速度1,00
0(1/秒))の液晶性樹脂組成物A−3が得られた。
【0099】この液晶性樹脂組成物A−3に対し、実施
例1〜4と同様のガラス繊維を液晶性樹脂100重量部
当たり50重量部となるようにドライブレンドし、これ
を日本製鋼所製TEX30型2軸押出機に供し、シリン
ダー温度:液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュー回転
数:100r.p.mの条件で溶融混練してペレットと
した。このペレットから試験片を成形し、各種特性を評
価した結果を表1に併記した。
【0100】[実施例8]p−ヒドロキシ安息香酸99
4重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル126重
量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6
dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部、
無水酢酸873重量部およびトリポリリン酸ナトリウム
14.5重量部(得られた液晶性樹脂100重量部に対
して1重量部相当)を、撹拌翼、留出管を備えた反応容
器に仕込み、100〜250℃で5時間、250〜33
0℃で1.5時間反応させた後、320℃、1.5時間
で0.5mmHgに減圧し、さらに5分間反応させ重縮
合を行った。
【0101】その結果、芳香族オキシカルボニル単位8
0モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチ
レンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン
酸単位20モル当量からなり、融点314℃、液晶開始
温度298℃、324℃の溶融粘度25Pa・s(オリ
フィス0.5mm直径×10mm、せん断速度1,00
0(1/秒))の液晶性樹脂組成物A−4が得られた。
【0102】この液晶性樹脂組成物A−4に対し、実施
例1〜4と同様のガラス繊維を液晶性樹脂100重量部
当たり50重量部となるようにドライブレンドし、これ
を日本製鋼所製TEX30型2軸押出機に供し、シリン
ダー温度:液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュー回転
数:100r.p.mの条件で溶融混練してペレットと
した。このペレットから試験片を成形し、各種特性を評
価した結果を表1に併記した。
【0103】[実施例9]p−ヒドロキシ安息香酸99
4重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル126重
量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6
dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部、
無水酢酸916重量部およびテトラポリリン酸ナトリウ
ム2.9重量部(得られた液晶性樹脂100重量部に対
して0.2重量部相当)を、撹拌翼、留出管を備えた反
応容器に仕込み、100〜250℃で5時間、250〜
330℃で1.5時間反応させた後、320℃、1.5
時間で0.5mmHgに減圧し、さらに20分間反応さ
せ重縮合を行った。
【0104】その結果、芳香族オキシカルボニル単位8
0モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチ
レンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン
酸単位20モル当量からなり、融点315℃、液晶開始
温度297℃、325℃の溶融粘度18Pa・s(オリ
フィス0.5mm直径×10mm、せん断速度1,00
0(1/秒))の液晶性樹脂組成物A−5が得られた。
【0105】この液晶性樹脂組成物A−5に対し、実施
例1〜4と同様のガラス繊維を液晶性樹脂100重量部
当たり50重量部となるようにドライブレンドし、これ
を日本製鋼所製TEX30型2軸押出機に供し、シリン
ダー温度:液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュー回転
数:100r.p.mの条件で溶融混練してペレットと
した。このペレットから試験片を成形し、各種特性を評
価した結果を表1に併記した。
【0106】[実施例10]p−ヒドロキシ安息香酸9
94重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル184
重量部、テレフタル酸164重量部、固有粘度が約0.
6dl/gのポリエチレンテレフタレート156重量
部、無水酢酸1031重量部およびトリポリリン酸ナト
リウム2.9重量部(得られた液晶性樹脂100重量部
に対して0.2重量部相当)を、撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、100〜250℃で5時間、25
0〜330℃で1.5時間反応させた後、330℃、
1.5時間で0.5mmHgに減圧し、さらに2分間反
応させ重縮合を行った。
【0107】その結果、芳香族オキシカルボニル単位8
0モル当量、芳香族ジオキシ単位11モル当量、エチレ
ンジオキシ単位9モル当量、芳香族ジカルボン酸単位2
0モル当量からなり、融点326℃、液晶開始温度30
4℃、336℃の溶融粘度32Pa・s(オリフィス
0.5mm直径×10mm、せん断速度1,000(1
/秒))の液晶性樹脂組成物A−6が得られた。
【0108】この液晶性樹脂組成物A−6に対し、実施
例1〜4と同様のガラス繊維を液晶性樹脂100重量部
当たり50重量部となるようにドライブレンドし、これ
を日本製鋼所製TEX30型2軸押出機に供し、シリン
ダー温度:液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュー回転
数:100r.p.mの条件で溶融混練してペレットと
した。
【0109】このペレットから試験片を成形し、各種特
性を評価した結果を表1に併記した。
【0110】[実施例11〜15、比較例4,5]液晶
性樹脂A−1100重量部に対し、トリポリリン酸ナト
リウム(東京化成工業(株)製、融点622℃、白色粉
末、P25 として56%以上、不純物0.01%以
下、1%水溶液のpH9.7)および炭酸カルシウム
(備北粉化工業製マイクロパウダー3S)を表1に示し
た量および充填材としてのガラス繊維(日本電気ガラス
製チョップドストランド790DE(直径6μm×3m
m長)50重量部をドライブレンドし、これを日本製鋼
所製TEX30型2軸押出機に供し、シリンダー温度:
液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュー回転数:100
r.p.mの条件で溶融混練してペレットとした。この
ペレットから試験片を成形し、各種特性を評価した結果
を表2に示した。
【0111】
【表1】
【0112】表1の結果から明らかなように、本発明の
液晶性樹脂組成物(実施例1〜10)は、アルカリ性を
呈するリン酸の縮合物の金属塩を添加しないもの(比較
例1,2)や酸性を呈するリン酸の縮合物の金属塩を添
加したもの(比較例3)と比較して、成形品の膨れが抑
制され、難燃性が向上する。また、滞留時の溶融粘度の
低下や着色も抑制される。そして、特に重合時にアルカ
リ性を呈するリン酸の縮合物の金属塩を添加したもの
(実施例7〜10)については、初期の成形品の色合い
にも優れ、その後の着色も抑制されたものとなる。
【0113】
【表2】
【0114】表2の結果から明らかなように、更に炭酸
カルシウムを配合した場合には、はな垂れが高温シリン
ダーでも抑制され、さらに薄肉の成形品でも難燃性が向
上し、特に燃焼時間が短縮されることがわかる。その効
果は実施例11、12、13に示したように、本願好ま
しい添加量の範囲であれば十分に発揮される。
【0115】トリポリリン酸ナトリウムと炭酸カルシウ
ムの重量比は実施例12、14,15に示したように、
本願好ましい範囲で、難燃性、はな垂れ性の改良効果が
高くなっていることがわかる。
【0116】比較例4、5に示したように、炭酸カルシ
ウム単品だけを配合しても燃焼時間は逆に延長してしま
い効果が得られず、トリポリリン酸ナトリウムとの相乗
効果が得られていることがわかる。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
着色や成形品の膨れを抑制するとともに、溶融粘度の低
下が抑制されたために成形の安定性が増し、また難燃性
を向上させた液晶性樹脂組成物および成形品を得ること
ができ、本発明の成形品は、電気・電子関連機器、精密
機械関連機器、事務用機器、自動車・車両関連部品など
の各種用途に好適に使用することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA45 AA48 AA57 AB03 AB18 AB21 AB28 AD01 AE07 AF12 AF47 BA01 BB05 BC07 4J002 CF041 CF081 CF091 CF121 CF161 CL081 DA027 DE047 DE187 DE217 DE227 DE237 DH056 DL007 FA047 FD136

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)液晶ポリエステルおよび/または
    液晶ポリエステルアミドからなる1種以上の液晶性樹脂
    100重量部に対して、(B)アルカリ性を呈するリン
    酸の縮合物の金属塩0.001〜5重量部を含有するこ
    とを特徴とする液晶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A)液晶性樹脂が下記構造単位
    (I) 、(II)、(III) および(IV)からなる液晶ポリエステ
    ルであることを特徴とする請求項1に記載の液晶性樹脂
    組成物。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  3. 【請求項3】 (B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合
    物の金属塩が、トリポリリン酸ナトリウムおよび/また
    はテトラポリリン酸ナトリウムであることを特徴とする
    請求項1または2に記載の液晶性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)液晶ポリエステルおよび/または
    液晶ポリエステルアミドからなる1種以上の液晶性樹脂
    100重量部に対して、さらに(C)充填材を0.5〜
    300重量部含有することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の液晶性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (C)充填材が(C’)元素周期表の1
    A族の金属の炭酸塩および/または2A族の金属の炭酸
    塩0.001〜10重量部を1成分として含むことを特
    徴とする請求項4記載の液晶性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (C’)元素周期表の1A族の金属の炭
    酸塩および/または2A族の金属の炭酸塩が炭酸カルシ
    ウムであることを特徴とする請求項5記載の液晶性樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 配合する(B)アルカリ性を呈するリン
    酸の縮合物の金属塩と(C’)元素周期表の1A族の金
    属の炭酸塩および/または2A族の金属の炭酸塩の重量
    比(B/C’)が1/1〜1/3であることを特徴とす
    る請求項5〜6のいずれか記載の液晶性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合
    物の金属塩を、(A)液晶ポリエステルおよび/または
    液晶ポリエステルアミドからなる1種以上の液晶性樹脂
    の重合時に添加することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の液晶性樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 (B)アルカリ性を呈するリン酸の縮合
    物の金属塩を、(A)液晶ポリエステルおよび/または
    液晶ポリエステルアミドからなる1種以上の液晶性樹脂
    の重合前に、原料モノマーと共に一括して投入し重合す
    ることを特徴とする請求項8記載の液晶性樹脂組成物の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    液晶性樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。
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