JP3690059B2 - 熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は機械的特性および成形性が優れ、金属端子などを腐食させない黒着色された熱可塑性樹脂組成物および成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発され、市場に供されている。その中で耐候性の向上目的または高温雰囲気下で使用時の変色を防止する目的でカーボンブラックを添加されることは一般的に行われている。これらの特性を付与したポリマはエンジニアリングプラスチックとして自動車、電気・電子、精密機械、事務機など各種部品に広範な用途に使用されている。
【0003】
しかしながら、一般的なカーボンブラックを使用した場合、確かに耐候性の向上、黒着色することは可能であるが、高性能化に伴う金属インサート成形品やコネクター、コイルボビン等の電気・電子部品において樹脂部と接触及び近接する金属部品が腐食し、接点不良などを引き起こすなどの問題があり、使用が制限されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解消し、機械的特性および成形性が均衡して優れ、樹脂製成形品と接触および近接する金属が腐食しない黒色に着色された熱可塑性樹脂組成物および成形品の取得を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)ポリオキシメチレン、液晶性樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂100重量部に対して、ジブチルフタレート吸着量が150ml/100g以下であり、粒子径が25〜50nmであるカーボンブラック0.01〜10重量部を含有せしめてなる熱可塑性樹脂組成物、
(2)カーボンブラックのBET式低温窒素吸着法による比表面積が150m2/g以下である上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物、
(3)カーボンブラックの硫黄成分含有量が400ppm以下である上記(1)または(2)のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物、
(4)カーボンブラックの塩素成分含有量が200ppm以下である上記(1)〜(3)のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物、
(5)熱可塑性樹脂が異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
(6)液晶性ポリエステルが下記構造単位(I) 、(II) および(IV)または(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリ
エステルである上記(5)記載の液晶性樹脂組成物、
【化4】
(ただし式中のR1 は
【化5】
から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は
【化6】
から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III)の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
(7)上記(1)〜(6)のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる熱可塑性樹脂金属インサート型成形品に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる熱可塑性樹脂は、加熱すると流動性を示し、これを利用して成形加工できる合成樹脂のことであって、ポリオキシメチレン、液晶性樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂である。
【0008】
液晶性樹脂としては、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドなどから選ばれる1種または2種以上の混合物である。
【0009】
特に液晶性ポリエステルおよび液晶ポリエステルアミドなどの液晶性樹脂を用いた場合に機械物性の低下がほとんどなく、良好な金属耐腐食性を得るなど最も効果を得ることができる。
【0010】
本発明に用いる液晶性樹脂における異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルおよび液晶性ポリエステルアミドとは、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルであり、また、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドである。
【0011】
異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルの例としては、好ましくは下記構造単位(I)あるいは(I)、(II)および(IV)、または、(I)、(II)、(III) および(IV)、または、(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
【0012】
【化7】
(ただし式中のR1 は、
【化8】
から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は、
【化9】
から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III) の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸、2、6−ヒドロキシナフトエ酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III )はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。
【0013】
また、液晶性ポリエステルアミドの例としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、p−アミノフェノールとテレフタル酸から生成した液晶性ポリエステルアミド、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸、p−アミノ安息香酸およびポリエチレンテレフタレートから生成した液晶性ポリエステルアミド(特開昭64−33123号公報)などが挙げられる。
【0014】
本発明にさらに好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)、(II)および(IV)、または、(I)、(II)、(III) および(IV)からなる共重合体であり、上記構造単位(I)、(II)、(III) および(IV)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次の共重合量であることが好ましい。
【0015】
すなわち、上記構造単位(III) を含む場合は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から上記構造単位(I)および(II)の合計は(I)、(II)および(III) の合計に対して60〜95モル%が好ましく、75〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III) は(I)、(II)および(III) の合計の40〜5モル%が好ましく、25〜7モル%がより好ましい。また、構造単位(I)と(II)のモル比は耐熱性と流動性のバランスの点から好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III) の合計と実質的に等モルである。
【0016】
一方、上記構造単位(III) を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は(I) および(II)の合計の40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位(II)と実質的に等モルである。
【0017】
なお、本発明で好ましく使用できる上記液晶性ポリエステルを重縮合する際には上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0018】
本発明における液晶性樹脂の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0019】
本発明で用いるカーボンブラックはチャネルブラック系、ファーネスブラック系、ランプブラック系、サーマルブラック系、ケッチェンブラック系、ナフタレンブラック系などが挙げられ、これらのうち特にファーネスブラック系のものが好ましく使用でき、市販されているものから、所望の特性を有するカーボンブラックを適宜選択して用いることもできる。
【0020】
また、比表面積をコントロールまたはその他の特性を付与するためにカーボンブラック表面を酸処理あるいはアルカリ処理して使用することもできる。
【0021】
本発明で用いるカーボンブラックのジブチルフタレート吸着量は、通常、150ml/100g以下、好ましくは120ml/100g以下、より好ましくは100ml/100g以下である。ジブチルフタレート吸着量が大きすぎる場合には腐食性金属をカーボンブラック中に取り込んで濃縮し、金属腐食の原因となる場合がある。
【0022】
カーボンブラックの吸油量はブラベンダー中にカーボンブラックを10g仕込み、ジブチルフタレートを少量づつ滴下し、ブラベンダーのトルクが一定になったところのジブチルフタレート量を測定し、カーボンブラック100gあたりのジブチルフタレート量(ml)に換算することにより求める。
【0023】
本発明で用いるカーボンブラックのpHは、得られる組成物の機械物性、成形時の滞留安定性、成形品外観などの点から3〜11、好ましくは4〜10、特に好ましくは5〜9.5である。
【0024】
上記のPHはカーボンブラック1gを蒸留水20mlに分散せしめた水性懸濁液を作成し、該懸濁液のpHを測定した値である。
【0025】
本発明で用いるカーボンブラックは粒子径が25〜50 nmであることが着色性、取扱性の点から必要である。カーボンブラックの粒子径の測定方法は超音波によりクロロホルム中で分散させ、電子顕微鏡を用いて測定した。
【0026】
また、BET式低温窒素吸着法による比表面積は、150m2 / g以下、特に120m2 / g以下、さらに100m2 / g以下であることが好ましい。また、比表面積が大きすぎると、カーボンブラック表面に腐食の原因となる金属原子の吸着量が増加する傾向がある。比表面積はBET法つまり、低温窒素吸着装置ソープトマチックー1800(カルロ・エルバ社製)を用いて多点法により算出したものである。
【0027】
本発明に用いるカーボンブラックの硫黄成分含有量は400ppm以下、特には300ppm以下、さらに150ppm以下であることが好ましい。
【0028】
また、塩素成分含有量は200ppm以下、特に150ppm以下、さらに100ppm以下であることが好ましい。硫黄成分含有量あるいは塩素成分含有量が少ない方が金属の腐食性の点から好ましい。
【0029】
上記カーボンブラックの硫黄、塩素成分含有量の測定は蛍光X線を用いて行うことができる。
【0030】
本発明に用いるカーボンブラックの添加量は0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部、より好ましくは0.1〜5重量部用いられる。カーボンブラックの添加量が0.01重量部未満では着色されず、10重量部を越える場合は成形品の表面外観を損ない、また物性が低下してしまい好ましくない。
【0031】
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物上に銅板をのせ、密封容器中で150℃、1000時間処理後の銅板の表面抵抗値が15Ω以下、好ましくは13Ω以下、より好ましくは10Ω以下である。表面抵抗値が15Ωを越えると金属端子が腐食されたことを示し、接点不良を引き起こすので好ましくない。
【0032】
銅板の腐食劣化テストおよび表面抵抗の測定は20ccのアンプル管に5gのポリマーとその上に5×15×厚み0.5mmの銅板を仕込み、封管して150℃/1000時間オーブンで処理し、処理後に銅板を取り出す。次いで表面抵抗値を山崎精機製MICRO OHM METER を用い、4端子法にて接触荷重20gf、レンジ1mA・200mmΩ〜20Ωで行なうものとする。
【0033】
本発明において用いることができる充填剤は、特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填剤を使用することができる。具体的には例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填剤が挙げられる。上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填剤は2種以上を併用して使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
【0034】
また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0035】
上記の充填剤の添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対し300重量部以下であり、好ましくは10〜250重量部、より好ましくは20〜150重量部である。
【0036】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤などの通常の添加剤を添加して、所定の特性をさらに付与することができる。
【0037】
本発明の熱可塑性樹脂組成物および成形品の製造方法は特に限定されるものではないが、溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で溶融混練して組成物とし、かくして得られた本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形、押出成形、ブロー成形などの通常の成形方法により成形品とする方法などが挙げられる。
【0038】
また、本発明に用いるカーボンブラックを高濃度に配合したマスターペレットを作成し、これを成形加工時に無着色ペレットに混合してから成形する方法なども好ましく使用できる。かくして得られた組成物および成形品は優れた耐腐食性、成形性、機械的特性、表面外観を有する三次元成形品、シート、容器パイプなどに加工することが可能であり、例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケーススイッチコイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用である。
【0039】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
参考例1
LCP1: 液晶ポリエステル (p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4、4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部で圧力容器で重合を行い、ペレットを得た。)
LCP2: 液晶ポリエステル (p−アセトキシ安息香酸1265重量部と6−アセトキシ−2−ナフトエ酸456重量部で圧力容器で重合を行い、ペレットを得た。)
N66 : ナイロン66(CM3001N(東レ( 株) 製))
POM : ポリアセタール(シ゛ュラコンM90-44(ポリプラスチック( 株) 製))
各評価については、次に述べる方法にしたがって測定した。
【0041】
(1)滞留安定性
成形滞留時間を4分間と20分間に変えた2条件でASTM1号引張試験片を成形し、引張強度を測定して、成形滞留時間20分間の時の引張強度/成形滞留時間4分間の時の引張強度×100を引張強度保持率として求めた。
【0042】
(2)腐食性試験
20ccのアンプル管に5gのポリマーとその上に5×15×0.5mmの銅板を仕込み、封管して150℃/1000時間オーブンで処理し、処理後に銅板を取り出す。次いで表面抵抗値を山崎精機製MICRO OHM METER を用い、4端子法にて接触荷重20gf、レンジ1mA・200mmΩ〜20Ωで行った。なお、銅板単独を上記同条件で処理した場合、表面抵抗値は1.2Ωであった。
【0043】
(3)表面外観
(1)で得られた試験片の黒色度および表面外観を観察した。
【0044】
実施例1〜4、比較例1〜6
参考例1に示した熱可塑性樹脂に表1に示した割合でカーボンブラック、充填材をドライブレンドした後、30mmφ2軸押出機で溶融混練してペレットを得た。ついでこのペレットを住友ネスタールプロマット40/25射出成形機(住友重機械工業(株)製)を用いて試験片を得た。
【0045】
評価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物および成形品は黒色に着色され、優れた耐腐食性、機械特性を有するので電気・電子関連機器、精密機械関連機器、事務用機器、自動車・車両関連部品など、その他各種用途に好適である。
Claims (7)
- ポリオキシメチレン、液晶性樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂100重量部に対して、ジブチルフタレート吸着量が150ml/100g以下であり、粒子径が25〜50nmであるカーボンブラック0.01〜10重量部を含有せしめてなる熱可塑性樹脂組成物。
- カーボンブラックのBET式低温窒素吸着法による比表面積が150m2/g以下である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- カーボンブラックの硫黄成分含有量が400ppm以下である請求項1または2のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
- カーボンブラックの塩素成分含有量が200ppm以下である請求項1〜3のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂が異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる熱可塑性樹脂金属インサート型成形品。
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