JP3690060B2 - 液晶性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子部品、OA・AV部品、自動車部品、機械部品、ハウジング部品などとして有用な薄肉流動性と耐熱性、色調に優れ、特に液晶性樹脂特有の成形品表面の筋状模様のでにくい液晶性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマーが数多く開発されているが、中でも分子鎖の平行な配列を特徴とする溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂が優れた流動性と機械物性を有する点で注目されている。しかしながら、液晶性樹脂は、黄色味がつきやすく、成形品表面に筋状模様(フローマーク)が現れやすいという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題を解決し、薄肉流動性と耐熱性、色調に優れ、特に液晶性樹脂特有の成形品表面の筋状模様のでにくい液晶性樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】
即ち、本発明は
(1)溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂(A)100重量部に下記一般式で表される構造を有するベンゾオキサゾル化合物(B)0.001〜10重量部を配合してなる液晶性樹脂組成物、
【化6】
(ただし式中のRはそれぞれアルキル基を示す。lは0〜4であり、ベンゼン環を置換するRの官能基数を示す。)
(2)前記ベンゾオキサゾル化合物(B)が下記一般式で表される構造を有するベンゾオキサゾル化合物である上記(1)記載の液晶性樹脂組成物、
【化7】
(ただし式中のR’、R”はそれぞれアルキル基を示す。R’、R”はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。m、nは0〜4であり、ベンゼン環を置換するR’、R”の官能基数を示す。Zは1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2,5−フラン、2,5−チオフェン、2,5−ピロール、4,4’−ビフェニル、4,4’−スチルベンから選ばれた1種以上の基を示す。pは0または1である。)
(3)前記溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂(A)が下記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリエステルである上記(1)または(2)記載の液晶性樹脂組成物、
【化8】
(ただし式中のR1は
【化9】
から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す。また構造単位(IV)は構造単位(II)と(III)の合計と実質的に等モルである。)
(4)前記溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂(A)100重量部に対して、さらにリン酸金属塩、亜リン酸金属塩、次亜リン酸金属塩から選ばれた少なくとも一つの化合物0.001〜10重量部を含有せしめてなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶性樹脂組成物、
(5)前記溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂(A)100重量部に対して、さらに充填材1〜300重量部を含有せしめてなる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶性樹脂組成物、
(6)前記ベンゾオキサゾル化合物(B)が4−(ベンゾオキサゾル−2−イル)−4’−(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベンである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶性樹脂組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる液晶性樹脂(A)とは、溶融時に異方性を形成し得る樹脂であり、液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリエステルカーボネート、液晶ポリエステルエラストマーなどが挙げられ、なかでも液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミドなどが好ましく用いられる。
【0007】
上記液晶性ポリエステルとしては、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステルを挙げることができ、液晶性ポリエステルアミドとしては、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステルアミドを挙げることができる。
【0008】
芳香族オキシカルボニル単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジオキシ単位としては、例えば、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンから生成した構造単位、芳香族ジカルボニル単位としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸から生成した構造単位、芳香族イミノオキシ単位としては、例えば、4−アミノフェノールから生成した構造単位が挙げられる。
【0009】
中でも本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルはエチレンジオキシ単位を必須成分とする液晶性ポリエステルであり、さらに好ましくは下記構造単位(I)、(III)、(IV)あるいは(I)、(II)、(III)、(IV)の構造単位からなるポリエステルであり、最も好ましいのは(I)、(II)、(III)、(IV)の構造単位からなるポリエステルである。
【0010】
【化11】
(ただし式中のR1は
【化12】
から選ばれた一種以上の基を示し、R2は
【化13】
から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)
なお、構造単位(II)および(III)の合計は構造単位(IV)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0011】
上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【化14】
であり、R2が
【化15】
であるものが特に好ましい。
【0012】
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)、(III)、(IV)または(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次の共重合量であることが好ましい。
【0013】
すなわち、上記構造単位(I)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I) は構造単位(I)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜95モル%がより好ましい。また、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0014】
一方、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して60〜95モル%が好ましく、80〜92モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して40〜5モル%が好ましく、20〜8モル%がより好ましい。また、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は耐熱性と流動性のバランスの点から好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルである。
【0015】
また液晶性ポリエステルアミドとしては、上記構造単位(I) 〜(IV)以外にp−アミノフェノ−ルから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0016】
上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単位(I) 〜(IV)を構成する成分以外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2´−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4´−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0017】
本発明における液晶性樹脂の製造方法は特に制限はなく、例えば液晶性ポリエステルおよび/または液晶性ポリエステルアミドの製造方法は、公知のポリエステルあるいはポリエステルアミドの重縮合法に準じて製造できる。
【0018】
例えば、上記好ましく用いられる液晶性ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
【0019】
(1)p−アセトキシ安息香酸、4,4´−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸およびポリエチレンテレフタレ―トなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルから脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0020】
(2)p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ポリエチレンテレフタレ―トなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルとを無水酢酸をヒドロキシ基のアシル化剤として存在させ、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0021】
これらの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸第1スズ、テトラブチルチタネート、三酸化アンチモンなどの液晶性樹脂の重縮合触媒として公知のものを使用することができる。
【0022】
本発明において用いられる液晶性樹脂は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能なものもあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値で0.3以上が好ましく、構造単位(III) を含む場合は0.5〜3.0dl/g、構造単位(III) を含まない場合は1.0〜15.0dl/gが特に好ましい。
【0023】
また、本発明における液晶性樹脂の溶融粘度は1〜2,000Pa・sが好ましく、特に2〜1,000Pa・sがより好ましい。
【0024】
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
【0025】
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0026】
本発明において用いられる液晶性樹脂は、重量平均分子量が2000〜200000が好ましく、さらに好ましくは10000〜80000であり、特に構造単位(III) を含む場合は10000〜30000、構造単位(III) を含まない場合は20000〜60000が好ましい。分子量は、液晶性樹脂が可溶な溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定することが可能である。
【0027】
本発明で用いられるベンゾオキサゾル化合物(B)は、下記一般式で表される構造を有する。
【0028】
【化16】
(ただし式中のRはアルキル基を示す。lは0〜4であり、ベンゼン環を置換するRの官能基数を示す。)
なかでも下記一般式で表されるベンゾオキサゾル化合物が好ましい。
【0029】
【化17】
(ただし式中のR’、R”はそれぞれアルキル基を示す。R’とR”はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。m、nは0〜4であり、ベンゼン環を置換するR’、R”の官能基数を示す。Zは1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2,5−フラン、2,5−チオフェン、2,5−ピロール、4,4´−ビフェニル、4,4´−スチルベンから選ばれた1種以上の基を示す。pは0または1である。)
上記式中R、R’、R”の具体例としては、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、ターシャリブチルなどが挙げられ、これらは1種以上で用いられる。なかでもメチル、ターシャリブチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
【0030】
R’、R”はそれぞれ同じ、または異なっていてもよく、また、同一のベンゼン環に複数個置換されていてもよい。
【0031】
Zの具体例としては、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2,5−フラン、2,5−チオフェン、2,5−ピロール、4,4´−ビフェニル、4,4´−スチルベンなどが挙げられるが、2,5−チオフェン、4,4´−スチルベンが好ましく、中でも4,4´−スチルベンが特に好ましい。
【0032】
R’、R”の具体例としては、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、ターシャリブチルなどが挙げられ、これらは1種以上で用いられる。なかでもメチル、ターシャリブチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
【0033】
R’、R”はそれぞれ同じ、または異なっていてもよく、また、同一のベンゼン環に複数個置換されていてもよい。
【0034】
本発明で用いられるベンゾオキサゾル化合物(B)の具体例としては、1,3−フェニレンビス−2−ベンゾオキサゾリン、1,4−フェニレンビス−2−ベンゾオキサゾリン、2,5−ビス(ベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェン、2,5−ビス(5−ターシャリブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェン、4,4´−ビス(ベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン、4−(ベンゾオキサゾル−2−イル)−4´−(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベンなどが挙げられるが、2,5−ビス(5−ターシャリブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェン、4−(ベンゾオキサゾル−2−イル)−4´−(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベンが好ましく、中でも4−(ベンゾオキサゾル−2−イル)−4´−(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベンが特に好ましい。
【0035】
本発明に用いられるベンゾオキサゾル化合物(B)の融点は、色調改良効果の点から250℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは300℃以上である。
【0036】
本発明に用いられるベンゾオキサゾル化合物(B)の配合量は、液晶性樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部であり、好ましくは0.01〜3重量部、より好ましくは0.02〜1重量部である。
【0037】
本発明の液晶性樹脂組成物として用いるリン酸金属塩、亜リン酸金属塩、次亜リン酸金属塩としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩があり、具体的にはリン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸バリウム、リン酸アルミニウム、リン酸マンガン、亜リン酸リチウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸バリウム、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸マンガン、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸バリウム、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸マンガンなどが挙げられる。中でも、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウムが好ましく、中でも次亜リン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0038】
本発明に用いられるリン酸金属塩、亜リン酸金属塩、次亜リン酸金属塩の配合量は、液晶性樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部であり、好ましくは0.01〜3重量部、より好ましくは0.02〜1重量部である。
【0039】
本発明に用いられるリン酸金属塩、亜リン酸金属塩、次亜リン酸金属塩から選ばれた少なくとも一つの化合物は液晶性樹脂(A)を重合する段階で含有せしめてなることが色調改良、耐熱性向上をさせる上で有効である。
【0040】
例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ポリエチレンテレフタレ―トなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルとを無水酢酸をヒドロキシ基のアシル化剤として存在させ、さらにリン酸金属塩、亜リン酸金属塩、次亜リン酸金属塩から選ばれた少なくとも一つの化合物を添加して脱酢酸重縮合反応によって液晶性樹脂(A)を製造する方法が挙げられる。
【0041】
本発明の液晶性樹脂組成物として用いる充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミック繊維、ボロン繊維、アスベスト繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、グラファイト、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワラステナイト、酸化チタン、二硫化モリブデン等の繊維状(ウイスカーも含む)、粉状、粒状あるいは板状の有機、無機充填材が挙げられる。中でも、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、マイカ、タルクが好ましい。これらの充填剤についてはシラン系、チタネート系などのカップリング剤、その他の表面処理剤で処理されたものを用いてもよい。
【0042】
本発明に用いられる充填材の配合量は、液晶性樹脂(A)100重量部に対して、1〜300重量部であり、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは10〜100重量部である。
【0043】
本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、芳香族ナイロンなどのナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどの非液晶性ポリエステル樹脂、ポリアセタール、、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンなどのオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレートなどが挙げられる。
【0044】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂の配合量は、液晶性樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜2000重量部であり、好ましくは1〜1000重量部、より好ましくは10〜300重量部である。
【0045】
本発明に用いる難燃剤としては、有機臭素化物、有機燐化合物、赤燐等が挙げられる。
【0046】
有機臭素化物としては通常難燃剤として使用される有機臭素化合物、特に臭素含量20重量%以上のものが好ましい。具体例としてはヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールAなどの低分子量有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート(例えば臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマーあるいはそのビスフェノールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合物(例えば臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物や臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌルおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリα−メチルスチレンなどのハロゲン化されたポリマーやオリゴマーあるいは、これらの混合物が挙げられ、なかでもエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポキシオリゴマーまたはポリマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが好ましく、臭素化ポリスチレンが最も好ましく使用できる。なかでもジまたはトリ臭素化スチレンモノマを重合して製造されたポリ臭素化スチレンが好ましい。
【0047】
有機燐化合物としては、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル、次亜リン酸エステルが挙げられる。中でも芳香族リン酸エステル化合物が好ましい。
【0048】
赤燐としては、そのまま使用してもよいが、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物の皮膜で被覆したもの、パラフィンやワックス、フェノール系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂で被覆したもの、あるいは、酸化チタンと混合したものを好適に使用することができる。
【0049】
本発明に用いられる難燃剤の配合量は、液晶性樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜60重量部であり、好ましくは0.03〜20重量部、より好ましくは0.05〜10重量部である。
【0050】
本発明に用いられる酸化チタンの配合量は、液晶性樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜60重量部であり、好ましくは0.03〜20重量部、より好ましくは0.05〜10重量部である。
【0051】
本発明の液晶性樹脂組成物は物性向上のためにさらにエポキシ化合物を配合することができる。その構造は必ずしも限定されるものではない。これらエポキシ化合物の分子中におけるエポキシ基の数は2つ以上であることが好ましく、2つであることが最も好ましい。このエポキシ化合物とは、グリシジルエーテル類、グリシジルエステル・エーテル類、グリシジルエステル類、エポキシ化イミド化合物、エポキシ基含有共重合体、エポキシシラン類などであり、これらのエポキシ化合物は、一種だけでなく二種以上を併用してもよい。
【0052】
更に、本発明の液晶性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、ポリエチレンおよびポリエチレンワックスなど)、染料(たとえばニトロシンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)を含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤、結晶核剤、難燃剤などの通常の添加剤を添加して、所定の特性を付与することができる。
【0053】
液晶性樹脂(A)とベンゾオキサゾル化合物(B)、および、必要に応じて併用する充填材などを配合する方法は溶融混練することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、溶融混練して組成物とすることができる。
【0054】
好ましい方法としては、二軸押出機を使用し、液晶性樹脂(A)、ベンゾオキサゾル化合物(B)、熱可塑性樹脂、難燃剤、顔料等を元込めにして溶融させたところに、充填材をサイドフィーダーにより供給し、混練する方法が挙げられる。
【0055】
かくしてなる本発明の液晶性樹脂組成物は、優れた成形性を有し、通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)により、三次元成形品、シート、容器パイプなどに加工することができ、特に射出成形により得られた精密成形品に有効である。
【0056】
本発明の液晶性樹脂組成物は各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0058】
参考例1(A−1)
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル134重量部、テレフタル酸120重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート208重量部及び無水酢酸970重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度295℃、GPC−LS法により測定した重量平均分子量約26,000の液晶性樹脂が得られた。
【0059】
参考例1'(A−1')
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル134重量部、テレフタル酸120重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート208重量部、無水酢酸944重量部及び次亜リン酸ナトリウム3重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度295℃、重量平均分子量約26,000の液晶性樹脂が得られた。
【0060】
参考例2(A−2)
p−ヒドロキシ安息香酸932重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸423重量部及び無水酢酸1011重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度260℃、重量平均分子量約45,000の液晶性樹脂を得た。
【0061】
参考例3(A−3)
p−ヒドロキシ安息香酸932重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸85重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル335重量部、テレフタル酸299重量部及び無水酢酸1213重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度305℃、重量平均分子量約34,000の液晶性樹脂を得た。
【0062】
参考例4(A−4)
p−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル419重量部、テレフタル酸262重量部、イソフタル酸112重量部及び無水酢酸1263重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度310℃、重量平均分子量約32,000の液晶性樹脂を得た。
【0063】
参考例5(A−5)
p−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル209重量部ハイドロキノン124重量部、テレフタル酸262重量部、2,6−ナフタレンジカルボン酸146重量部及び無水酢酸1263重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度300℃、重量平均分子量約41,000の液晶性樹脂を得た。
【0064】
参考例6(A−6)
p−ヒドロキシ安息香酸746重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル419重量部、テレフタル酸150重量部、2,6−ナフタレンジカルボン酸292重量部及び無水酢酸1112重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度275℃、重量平均分子量約40,000の液晶性樹脂を得た。
【0065】
参考例7(A−7)
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1270重量部、p−アミノフェノール246重量部、テレフタル酸374重量部及び無水酢酸1263重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度240℃、重量平均分子量約44,000の液晶性樹脂を得た。
【0066】
実施例1〜23、比較例1〜19
参考例で得た液晶性樹脂(A)100重量部と表1〜3に示すベンゾオキサゾル化合物(B)、充填材、熱可塑性樹脂、難燃剤、酸化チタンをL/D=45の30mmφ2軸押出機を用いて290〜340℃で種々の条件で溶融混練してペレットとした。熱風乾燥後、このペレットを住友ネスタ−ル射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温度290〜350℃、金型温度90℃に設定し、以下に示す測定用テストピースを射出成形して得た。測定方法を以下に示す。
【0067】
(1)引張特性
上記の成形機を用いて、3.2mm厚のASTM1号ダンベルを成形し、ASTM D790に従って測定した。
【0068】
(2)色調
上記ASTM1号ダンベルのYI値(黄色度)をスガ試験機製SMカラーコンピューターSM−3により測定した。
【0069】
(3)成形品表面の観察
上記ASTM1号ダンベルのゲート付近の筋状模様(フローマーク)を観察した。筋がはっきりとあらわれているもの:×、筋がほとんどあらわれていないもの:○。
【0070】
(4)薄肉流動性
上記の成形機を用いて、シリンダー温度液晶開始温度+50℃、金型温度120℃、射出速度99%、射出圧力500kgf/cm2の条件で0.5mm厚×12.7mm巾の1.0mmφピンゲートの試験片の棒流動長を測定した。
【0071】
(5)耐熱性
上記ASTM1号ダンベルを235℃の熱風オーブン中に40日間静置した。試験前後の引張特性、色調を測定し、強度保持率とYI値の変化(ΔYI)を求めた。なお、実施例18、19と比較例14、15については熱風オーブンの温度を200℃とした。
【0072】
なお、表1〜3のベンゾオキサゾル化合物(B)、充填材、熱可塑性樹脂、難燃剤は下記の通り。
【0073】
B−1:4−(ベンゾオキサゾル−2−イル)−4´−(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン(ヘキスト製“ホスタルクス”KS)融点>300℃
B−2:2,5−ビス(5−ターシャリブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェン(チバガイギー製“ユービテクス”OB)融点200℃
B−3:1,4−ビス(オキサゾル−2−イル)フェニレン(竹本油脂製BOX−220)融点237℃
C−1:ガラス繊維(直径9μm、繊維長3mm)アミノシラン処理チョップドストランド
C−2:マイカ(粒径9μm)
C−3:ホウ酸アルミニウムウイスカー(四国化成製“アルボレックス”)
D−1:ポリエチレン(三井石油化学製“ハイゼックス”8200P)
D−2:ポリブチレンテレフタレート(東レPBT樹脂1101)
D−3:ポリカーボネート(三菱エンプラ製“ユーピロン”S−3000)
E−1:ポリ(ジブロモスチレン)(GLC社製PDBS−80)
E−2:赤燐(燐化学製“ノーバエクセル”140)
酸化チタン:ルチル型(チタン工業製KR−480)
【表1】
【表2】
【表3】
結果を表1〜3に示す。表1〜3の結果から液晶性樹脂(A)にベンゾオキサゾル化合物(B)を配合した特定の液晶性樹脂組成物は、配合していないものと比較して薄肉流動性、耐熱性、色調に優れ、成形品表面の筋状模様がでにくいことがわかる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の液晶性樹脂組成物は、薄肉流動性と耐熱性、色調に優れ、特に液晶性樹脂特有の成形品表面の筋状模様がでにくいことから、これらの特徴を有する電気・電子関連機器、精密機械関連機器、OA・AV機器、自動車部品などその他各種用途に好適な材料である。特に、表面外観に優れていることからハウジング部品など、良外観を必要とする部品にも最適である。
Claims (6)
- 前記溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂(A)100重量部に対して、さらにリン酸金属塩、亜リン酸金属塩、次亜リン酸金属塩から選ばれた少なくとも一つの化合物0.001〜10重量部を含有せしめてなる請求項1〜3のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成物。
- 前記溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂(A)100重量部に対して、さらに充填材1〜300重量部を含有せしめてなる請求項1〜4のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成物。
- 前記ベンゾオキサゾル化合物(B)が4−(ベンゾオキサゾル−2−イル)−4’−(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベンである請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成物。
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