JP2009190700A - 操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵装置に取り付けられたエアバッグの展開方向を常に運転者の正面にする。
【解決手段】操舵装置1は、車体に固定され後端を運転席前に配置されたステアリングコラム2と、運転者が操作を行うステアリングホイール3と、ステアリングコラム2の後端に取り付けられステアリングホイール3を異なる2つの軸(ステアリングシャフト5の軸心と揺動軸12の軸心)に対して回転可能に支持するギヤハウジング4と、ステアリングコラム2に回転可能に取り付けられたステアリングシャフト5と、ギヤハウジング4に取り付けられた運転者用のエアバッグ6と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両等の操舵装置に関するものである。
車両のハンドル(操作子)には、ステアリングシャフトに連結されるハンドルの中央部に、衝突時に展開して運転者を保護するエアバッグが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
従来の車両の一般的なハンドルは、ステアリングシャフトの軸心周りに回転するように構成されており、つまり、ハンドルの回転軸は1つで、ハンドルは1つの平面内で回転する。したがって、ハンドル操作中も常にハンドル面は運転者に対面しており、エアバッグの展開する方向も常に運転者の身体の正面に向いている。
特開2005−199987号公報
ところで、近年、操作性の改善等を図るために、ハンドルをステアリングシャフトの軸心周りに回転可能で、且つ、前後方向に回転可能にした操舵装置が考えられている(以下、これを複合回転型の操舵装置と称す)。
この複合回転型の操舵装置では、ハンドルの前後方向の回転に伴って、ハンドル面が運転者に対面しないときがある。そのため、従来と同様にハンドルの中央部にエアバッグを取り付けた場合には、ハンドル面が運転者に対面していないときには、エアバッグの展開する方向が運転者の身体の正面から左右方向にずれてしまい、エアバッグの衝撃吸収性能を十分に発揮できない場合が想定される。
そこで、この発明は、エアバッグの展開方向を常に運転者の正面にすることができる複合回転型の操舵装置を提供するものである。
この発明に係る操舵装置は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、運転者が操作を行う操作子(例えば、後述する実施例におけるステアリングホイール3)を異なる2つの軸(例えば、後述する実施例におけるステアリングシャフト5の軸心と揺動軸12の軸心)に対して回転可能に支持する支持体(例えば、後述する実施例におけるギヤハウジング4)を備え、該支持体にエアバッグ(例えば、後述する実施例におけるエアバッグ6)が取り付けられていることを特徴とする操舵装置(例えば、後述する実施例における操舵装置1)である。
このように構成することにより、操作子をいずれの軸の周りに回転した場合にも、エアバッグの展開方向を常に運転者の正面に向けることができる。
請求項1に係る発明によれば、操作子をいずれの軸の周りに回転した場合にも、エアバッグの展開方向を常に運転者の正面に向けることができるので、衝突時には常にエアバッグの衝撃吸収性能を十分に発揮させることができる。
以下、この発明に係る操舵装置の実施例を図1から図6の図面を参照して説明する。以下に説明する各実施例は車両用操舵装置の態様である。
図1、図2はそれぞれ、車両用操舵装置1を一部破断して示す側面図および横断面図であり、操舵装置1は、車体に固定され後端を運転席前に配置されたステアリングコラム2と、運転者が操作を行うステアリングホイール(操作子)3と、ステアリングコラム2の後端に取り付けられステアリングホイール3を異なる2つの軸に対して回転可能に支持するギヤハウジング(支持体)4と、ステアリングコラム2に回転可能に取り付けられたステアリングシャフト5と、ギヤハウジング4に取り付けられた運転者用のエアバッグ6と、を備えている。
ここで、前後方向とは、ステアリングシャフト5の軸方向に沿う方向をいうものとし、必ずしも車体の前後方向と一致しない。また、後方とはステアリングシャフト5において運転席に接近する方向をいい、前方とは運転席から離反する方向をいうものとする。
ステアリングシャフト5はステアリングコラム2のシャフト挿通孔7を挿通し、軸受8を介してステアリングコラム2に回転可能に支持されている。ステアリングシャフト5の後端はステアリングコラム2の後端から後方へ突出しギヤハウジング4内に挿入されており、この後端には第2ベベルギヤ9が一体的に形成されている。ステアリングシャフト5の前端は転舵機構(図示略)に連結されており、ステアリングシャフト5を回転することにより転舵輪(図示略)を転舵することができる。
ギヤハウジング4は、本体4aと蓋体4bから構成されて箱形をなし、ステアリングコラム2の後端に軸受10を介してステアリングコラム2の軸心回りに回転可能に取り付けられている。ギヤハウジング4には、前述した第2ベベルギヤ9と、軸心をステアリングシャフト5と直交する方向に伸ばしてギヤハウジング4を貫通しギヤハウジング4に軸受11を介して回転可能に支持された揺動軸12と、揺動軸12に固定され第2ベベルギヤ9と噛合する第1ベベルギヤ13が収容されている。なお、ステアリングシャフト5の軸心の延長線と揺動軸12の軸心とは互いに直交するように配置されている。
図3に示すように、ステアリングホイール3は、環状のリム50と、中立状態におけるリム50の下部中央から上方に延びる第1スポーク51と、中立状態におけるリム50の左右中央部を連結する第2スポーク52とを備え、第1スポーク51の上端がギヤハウジング4から下方に突出する揺動軸12の下端にボルト53を介して固定され、第2スポーク52の中央部がギヤハウジング4から上方に突出する揺動軸12の上端にボルト54を介して固定され、これにより、ステアリングホイール3は揺動軸12に固定されている。
ここで、ギヤハウジング4がステアリングシャフト5の軸心回りに回転可能であり、ギヤハウジング4に対して揺動軸12がその軸心回りに回転可能であるので、ギヤハウジング4はステアリングホイール3を異なる2つの軸(ステアリングシャフト5の軸心と揺動軸12の軸心)に対して回転可能に支持する支持体と言うことができる。
揺動軸12とステアリングコラム2はガイド機構20によって連結されている。ガイド機構20は、ギヤハウジング4内において揺動軸12に固定されたアーム15と、ステアリングコラム2のカム部16に軸方向移動可能且つ回転可能に外嵌された円筒状のスライダー21と、ギヤハウジング4に設けられた窓18を挿通し一端をアーム15に回転可能に連結され他端をスライダー21に回転可能に連結されたカムフォロワアーム22と、ステアリングコラム2のカム部16に形成されたカム溝17と、スライダー21の内面に不離一体に取り付けられカム溝17に摺動可能に係合するピン23と、から構成されている。
図4に示すように、カム溝17は、カム部16の軸心に沿って直線状に形成された直線部17aと、直線部17aを間に挟んだ両側にカム部16の外周面に沿って螺旋状に形成された螺旋部17b,17cと、直線部17aと螺旋部17b,17cとを接続する曲線部17d,17eとから構成されている。
このガイド機構20においては、ピン23がカム溝17に係合しカム溝17に沿ってのみ移動可能である。したがって、ピン23が直線部17aを移動しているときには、スライダー21はカム部16に対して回転せず、カム部16の軸心に沿って直線移動するだけであるが、ピン23が曲線部17d,17eを移動しているときには、スライダー21はカム部16の軸心に沿って移動しながらカム部16の回りを回転し、ピン23が螺旋部17b,17cを移動しているときには、スライダー21はカム部16の回りで螺旋状に移動する。そして、スライダー21がカム部16の軸心回りに回転したときには、カムフォロワアーム22とアーム15と揺動軸12を介してスライダー21に連結されているギヤハウジング4も、スライダー21と一体となって回転する。
また、エアバッグ6はギヤハウジング4の後面(運転席に向かう面)19に設置されており、エアバッグ6から延出するブラケット31がボルト32を介してハウジング4に固定されている。このエアバッグ6の展開方向は運転者の身体の正面に向けられている。
次に、このように構成された操舵装置1の作用を説明する。ここで、説明の都合上、ステアリングシャフト5の軸心方向をX軸、揺動軸12上においてX軸と直交し且つ車幅方向に伸びる軸をY軸、X軸とY軸に直交する軸をZ軸とする。
操舵装置1では、中立状態において、揺動軸12の軸心がZ軸に一致し(図1参照)、アーム15およびリム50がYZ平面上に位置し(図1、図2参照)、ピン23がカム溝17の直線部17aの長手方向中央(図4においてQ点)に位置するように設定されている。
この中立状態からステアリングホイール3をX軸回りに回転させようとしても、ピン23とカム溝17の直線部17aとの係合によりX軸回りに回転させることはできない。しかしながら、ピン23を直線部17aに沿ってステアリングコラム2の軸心方向へ移動させることは可能である。
そこで、中立状態から転舵輪を転舵させるときには、ステアリングホイール3のリム50の左右一方を前方へ、他方を後方へ移動することにより、ステアリングホイール3をZ軸回り(すなわち、揺動軸12回り)に回転させる。すると、ステアリングホイール3に連結された揺動軸12と第1ベベルギヤ13がステアリングホイール3と一体となってZ軸回りに回転し、Z軸回りに自転する第1ベベルギヤ13に噛合する第2ベベルギヤ9がX軸回りに回転し、ステアリングシャフト5がX軸回りに回転する。これにより転舵輪を転舵することができる。また、このときにアーム15が揺動軸12と一体となって回転するので、これに伴ってカムフォロワアーム22およびスライダー21が前後方向へ移動せしめられ、ピン23がカム溝17の直線部17aに沿ってステアリングコラム2の軸心方向へ移動する。ここで、直線部17aの長さ設定により、ステアリングホイール61の前後方向操作範囲を設定することができる。
また、ピン23がカム溝17の直線部17aに沿ってステアリングコラム2の軸心方向へ移動するときには、ギヤハウジング4はステアリングコラム2に対して回転しない。したがって、この間、エアバッグ6の展開方向は常に運転者の身体の正面に向いている。
そして、ピン23がカム溝17の曲線部17dまたは17eに達した後は、ステアリングホイール3を揺動軸12回りに回転しながらギヤハウジング4をステアリングコラム2の軸心回りに回転する。すなわち、ステアリングホイール3を揺動軸12回りに回転させながらステアリングシャフト5回りに回転させる複合的な回転を行う。
すると、ステアリングホイール3に連結された揺動軸12とギヤハウジング4と第1ベベルギヤ13がステアリングホイール3と一体となってX軸回りに回転するとともに、揺動軸12と第1ベベルギヤ13がステアリングホイール3と一体となって揺動軸12回りに回転する。これにより、ピン23をカム溝17の曲線部17dまたは17eに沿って移動させることができる。
そして、この操作により、第1ベベルギヤ13に噛合する第2ベベルギヤ9をX軸回りに回転することができ、転舵輪を転舵することができる。
ここで、この曲線部17d,17eの曲率を適宜に設定することにより、直線部17aから螺旋部17b,17cへの移行を滑らかにすることができる。
そして、ピン23が螺旋部17bまたは17cに達した後は、ピン23をカム溝17の螺旋部17bまたは17cに沿って移動させるために、ギヤハウジング4をステアリングコラム2の軸心回りに回転する。すなわち、ステアリングホイール3をステアリングシャフト5回りに回転する。すると、ステアリングホイール3に連結された揺動軸12とギヤハウジング4と第1ベベルギヤ13がステアリングホイール3と一体となってX軸回りに回転し、第1ベベルギヤ13に噛合する第2ベベルギヤ9がX軸回りに回転して、ステアリングシャフト5がX軸回りに回転する。これにより、転舵輪を転舵することができる。なお、ピン23が螺旋部17b,17cを移動するときには、ピン23のカム部16の軸心方向移動が規制され、該方向へは殆ど移動しない。ここで、螺旋部17b,17cの長さ設定により、ステアリングホイール3のX軸回りの回転操作範囲を設定することができる。
また、ピン23がカム溝17の曲線部17d,17eおよび螺旋部17b,17cに沿って移動するときには、ギヤハウジング4がX軸回りに回転するが、回転中もギヤハウジング4の後面19はX軸と直交する面上に位置している。したがって、この間も、エアバッグ6の展開方向は常に運転者の身体の正面に向いている。
すなわち、この操舵装置1では、中立状態に近い舵角領域ではステアリングホイール3の左右を前後方向へ移動することにより、ステアリングホイール3をZ軸回りに回転して転舵輪を転舵させることができ、転舵角が所定角度に達した後はステアリングホイール3をX軸回りに回転することにより転舵輪を転舵させることができる。
その結果、操舵初期においては、運転者は腕の前後方向動作によって操舵することができるので、運転者は操作力を出し易く、操作速度も速くなり、運転者の負担を低減することができ、疲労を軽減することができる。
そして、ステアリングホイール3をいずれの軸(ステアリングシャフト5の軸心と揺動軸12の軸心)回りに回転している時にも、エアバッグ6の展開方向を常に運転者の正面に向けることができる。その結果、衝突時に常にエアバッグ6の衝撃吸収性能を十分に発揮させることができる。
次に、操舵装置1の変形例を図5,図6を参照して説明する。
図5に示す変形例は、ハウジング4の後面19に台座33を固定し、この台座33のエアバッグ取付面34を、中立状態において上方に進むにしたがって運転席側に突出する傾斜面に形成し、エアバッグ取付面34にエアバッグ6をブラケット31、ボルト32を介して固定したものである。
このようにすると、ステアリングホイール3のリム50の回転面と、エアバッグ取付面34を異なる角度にすることができるので、ステアリングホイール3の操作がし易いリム50の面角度を維持しながら、エアバッグ6の展開方向を衝突吸収性能が最適に発揮できる方向に設定することができる。
ただし、この場合、ステアリングホイール3をX軸回りに回転させたときに、ギヤハウジング4の回転に伴って台座33のエアバッグ取付面34も回転し、エアバッグ6の展開方向が変わってしまうので、図5に示す態様は、ステアリングホイール3の総操舵量を少なく設定した操舵装置の場合であってステアリングホイール3の前後方向動作によって大部分の操舵を行うことができるように設定した操舵装置の場合に限られる。このような操舵装置であれば、エアバッグ6が回転する状態になるのは、車庫入れやUターンなど低車速の運転領域であり、低車速であれば衝突しても衝突レベルが低いため、エアバッグ6が回転することによる展開性能の変動は問題にならないからである。
図6に示す変形例は、ハウジング4の運転席側に別のブラケット35をボルト36で固定し、このブラケット35にエアバッグ6をブラケット31、ボルト32を介して固定したものである。この変形例の場合も、ステアリングホイール3のリム50の回転面とブラケット35のエアバッグ取付面37を異なる角度にすることができ、ステアリングホイール3の操作がし易いリム50の面角度を維持しながら、エアバッグ6の展開方向を衝突吸収性能が最適に発揮できる方向に設定することができる。
なお、ブラケット31とボルト32を省略して、エアバッグ6とブラケット35を一体化することも可能である。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例は車両用操舵装置の操作子の態様で説明したが、この発明は他の移動体の操舵装置の操作子にも適用可能である。
この発明に係る操舵装置の実施例において一部破断して示す側面図である。 実施例の操舵装置の横断面図である。 実施例の操舵装置の正面図である。 実施例の操舵装置におけるカム部の側面図である。 実施例の操舵装置の第1の変形例を示す側面図である。 実施例の操舵装置の第2の変形例を示す側面図である。
符号の説明
1 操舵装置
3 ステアリングホイール(操作子)
4 ギヤハウジング(支持体)
5 ステアリングシャフト(軸)
6 エアバッグ
12 揺動軸(軸)

Claims (1)

  1. 運転者が操作を行う操作子を異なる2つの軸に対して回転可能に支持する支持体を備え、該支持体にエアバッグが取り付けられていることを特徴とする操舵装置。
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