JP2009155707A - 電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液 - Google Patents

電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁鋼板の表面にリン酸塩と合成エマルジョン樹脂とを含有する処理液の塗布と低温での焼付けにより、1.0 g/m2以下の薄膜でも必要な諸性能を有し、樹脂粒子の凝集がなく表面凹凸のない美麗な外観の半有機型ノンクロム絶縁皮膜を形成する。
【解決手段】処理液がAl、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnの第一リン酸塩から選ばれた第一リン酸塩(A)と、ホスホン酸化合物またはホスホン酸化合物およびカルボン酸化合物からなるキレート剤(B)と、エマルジョン樹脂(C)と、分子量200〜600のポリエチレングリコール(D)とを含有し、第一リン酸塩(A)に含まれる金属原子のモル数とその価数の積の総和をΣMiとし、キレート剤(B)のモル数と分子中の酸基数の積の総和をΣOiとして、(A)と(B)の割合が下記の式(1)を満たす:
0.1≦ΣOi/ΣMi≦5 ・・・ (1)。
【選択図】なし

Description

本発明は、電磁鋼板の表面に絶縁皮膜を形成するための処理液と、それを用いて絶縁皮膜を形成した電磁鋼板およびその製造方法とに関する。本発明の処理液は6価クロム化合物等の有害な化合物を含まない。
現在一般に使用されている無方向性電磁鋼板用の絶縁皮膜は以下の3種に大別される:(1)耐熱性が重視され、歪取り焼鈍可能な無機皮膜、(2)打抜き性と溶接性の両立を目指した、歪取焼鈍可能な、無機有機混合型の半有機皮膜、(3)打抜き性が重視され、歪取り焼鈍不可の有機皮膜。
この中で汎用されているのは、歪取り焼鈍可能な、(1)および(2)の無機成分を含む絶縁皮膜である。特に、(2)の半有機皮膜が、無機皮膜に比較して打抜き性が格段に優れるため、主流となっている。
これまで上記(1)および(2)の絶縁皮膜中の無機成分を形成するための材料としては、重クロム酸塩が広く用いられてきた。使用する処理液は、6価クロム化合物である重クロム酸多価金属塩の水溶液にエチレングリコールやグリセリンなどの有機還元剤と場合により水性有機樹脂とを混合して調製される。この処理液を電磁鋼板にロールコータにより塗布した後、加熱して塗膜を焼付けると、6価クロムが3価クロムに還元されて造膜が起こり、絶縁皮膜が形成される。焼付けは200℃から330℃の低い温度で1分以内の短時間のうちに終了する。
しかし、6価クロムは毒性が強く、製造に携わる人間の健康を害する危険性が懸念されるため、クロムを全く使用しないノンクロム型の絶縁皮膜が求められるようになってきた。ただし、形成された絶縁皮膜中に含まれる3価クロムは、6価クロムに比べれば毒性は格段に低い。
重クロム酸塩と同様に絶縁皮膜の形成に利用可能な無機成分として多価金属リン酸塩がある。多価金属リン酸塩(例、リン酸アルミニウム)は、数少ない造膜可能な無機成分系であり、かつ比較的安価に得られるため、従来より無機および半有機の絶縁皮膜における無機成分として検討されてきた(例えば、特許文献1)。
特許文献2には、クロムを含まないリン酸Al系の無方向性電磁鋼板用表面処理剤が提案されている。この表面処理剤は、水中に第一リン酸Alに加えて、エマルジョン樹脂と少量のOH含有有機化合物とを含有する。
出願人らも、重クロム酸塩系なみの低い焼付け温度で成膜でき、その場合でも優れた耐水性や、密着性、絶縁性等の電磁鋼板用絶縁皮膜に必要な諸性能を有し、優れた成膜性を示す、リン酸塩系の電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液をこれまでに提案した(特許文献3〜5)。例えば、特許文献4に提案した処理液は、水性溶媒中に水溶性の多価金属リン酸塩と酸基を有するキレート剤(ホスホン酸化合物など)とを含有し、場合によりさらに合成樹脂、ホウ酸、コロイダルシリカの1種または2種以上を含有する。
特公昭53−28375号公報 特開平11−152579号公報 特開2001−107261号公報 特開2002―47576号公報 特開2002−249881号公報
半有機型の絶縁皮膜では、処理液の溶媒が無機造膜成分を溶解させる必要上、水性溶媒、通常は水であるため、皮膜中の合成樹脂として水性樹脂、中でも合成エマルジョン樹脂が使用される。
ところが、多価金属リン酸塩の水溶液に合成エマルジョン樹脂を添加した処理液を用いて形成した半有機型の絶縁皮膜では、1.0g/m2以下の薄膜になると、皮膜外観にバラツキが多発するようになる場合があることが判明した。そのような外観を持つ皮膜の表面を斜めからSEM(走査型電子顕微鏡)で観察すると、10μm以上の径を持つ微小な凹凸を生じており、さらに樹脂粒子が不均一に分布していることが観察された。
本発明は、従来の重クロム酸塩系処理液と同様の低い焼付け温度で成膜でき、優れた耐水性、密着性、絶縁性、防錆性等の電磁鋼板用絶縁皮膜に必要な諸性能を有し、皮膜外観にバラツキがない半有機型の絶縁皮膜を電磁鋼板の表面に形成することができる、ノンクロム型処理液を提供することを課題とする。
無機造膜成分と合成エマルジョン樹脂とを含む半有機型の絶縁皮膜の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)により観察したところ、無機造膜成分が重クロム酸塩である従来の半有機絶縁皮膜では、エマルジョン樹脂の粒子が凝集せずに皮膜中に分散していた。一方、無機造膜成分がリン酸塩であって、表面に微小凹凸がある半有機絶縁皮膜では、エマルジョン樹脂のかなりの割合が凝集粒子となり、さらには凝集粒子が合一した、より大きな粒子も多数観察された。
また、処理液中のエマルジョン樹脂の分散状態を調べるために処理液の粒度分布から求められる二次粒子径を調査したところ、無機造膜成分が重クロム酸塩である処理液では、原料樹脂の一次粒子径とほぼ同じであって、凝集が全く起こっていなかった。一方、無機造膜成分がリン酸塩である処理液では、処理液中の樹脂粒子の二次粒子径が原料樹脂の一次粒子径を大きく上回り、樹脂粒子の凝集が起こっている場合があった。
本明細書において、エマルジョン樹脂の「一次粒子径」とは原料樹脂(すなわち乳化重合して得られるエマルジョン分散液)の状態で測定される数値を指すのに対し、「二次粒子径」とは原料樹脂をりん酸塩、キレート剤等に混合して処理液とした際に測定される数値を指す。
さらに、リン酸塩系の絶縁皮膜の場合、処理液の段階ではエマルジョン樹脂の凝集が見られなくても、絶縁皮膜中では樹脂粒子が凝集していることがあった。その原因を調べるために、ロールコータ出側で処理液を掻き取って樹脂粒子の粒度分布を調査したところ、ロールコータの出側での処理液は塗布前の処理液中より二次粒子径が大きくなる場合があることも明らかとなった。ロールコータに引き上げられてロール間隙を通る際に処理液が剪断応力を受けることにより、樹脂粒子の凝集が起こるのではないかと推測される。
以上より、リン酸塩を無機造膜成分とするノンクロム型の半有機系絶縁皮膜において外観が不良となる原因は、塗布前の処理液中および/またはロールコータによる塗布段階において合成エマルジョン樹脂の凝集や合一が起こることが関係していると考えられる。
本発明者らは、リン酸塩系処理液を用いた電磁鋼板のノンクロム型の絶縁皮膜において、従来の重クロム酸塩系処理液と同様の低い焼付け温度で成膜可能で、優れた耐水性と密着性を有し、付着量1.0g/m2以下の皮膜においても皮膜外観にバラツキのない絶縁皮膜を形成できる処理液について検討を重ねた。その結果、多価金属リン酸塩と合成エマルジョン樹脂に加えて、特定のキレート剤およびポリエチレングリコールを含有させることで、そのような処理液が得られることを見出した。
本発明は、水性媒質中に、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、およびZnの第一リン酸塩から選ばれた1種または2種以上の第一リン酸塩(A)と、ホスホン酸化合物、またはホスホン酸化合物およびカルボン酸化合物からなるキレート剤(B)と、合成エマルジョン樹脂(C)と、ポリエチレングリコール(D)とを含有する処理液からなり、処理液中の前記第一リン酸塩(A)に含まれる金属原子のモル数とその価数の積の総和をΣMiとし、キレート剤(B)のモル数と分子中の酸基数の積の総和をΣOiとするとき、(A)と(B)の割合が下記の式(1)を満たすことを特徴とする、電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液である。
0.1≦ΣOi/ΣMi≦5 ・・・・・ (1)
上記処理液は好ましくは下記の1または2以上をさらに特徴とする:
・第一リン酸塩(A)が第一リン酸アルミニウムおよび第一リン酸マグネシウムから選ばれた1種または2種である;
・合成エマルジョン樹脂(C)がノニオン型合成エマルジョン樹脂である;
・合成エマルジョン樹脂(C)がアクリル系合成エマルジョン樹脂である;
・ポリエチレングリコール(D)が分子量200〜600のものである;
・さらに水酸化マグネシウムを含有する;
・第一リン酸塩(A)の濃度が1〜50質量%である.
本発明は上記処理液から形成された絶縁皮膜を有する電磁鋼板にも関する。この絶縁皮膜は、好ましくは付着量が片面当たり0.1g/m2以上、1.0g/m2以下である。
本発明はさらに、上記処理液を電磁鋼板の少なくとも片面に塗布した後、200〜330℃で加熱して塗膜を焼き付けて、電磁鋼板の表面に絶縁皮膜を形成することを特徴とする、電磁鋼板の処理方法にも関する。
本発明に係る電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液は、クロム等の有害物を含んでいないため安全に使用でき、成膜性に優れているので、電磁鋼板に従来から使用されてきた重クロム酸塩系処理液と同レベルの低い焼付け温度で、付着量が1.0g/m2以下、特に0.5g/m2以下といった薄膜でも、耐水性、絶縁性、密着性等の必要な諸性能を備えた絶縁皮膜を電磁鋼板の表面に形成することができる。
さらに、ポリエチレングリコールを合成エマルジョン樹脂と併用することにより、合成エマルジョン樹脂の皮膜中の凝集による二次粒子系の増大が抑制され、皮膜外観にバラツキがなく、皮膜表面の凹凸径が1μm以下と小さく、外観の均一性が改善された絶縁皮膜となる。この絶縁皮膜は、付着量が0.1g/m2以上であれば、実用上十分な層間抵抗(JIS−C2550に準拠した測定で5〜10Ω・cm2/枚以上)を有する。従って、本発明に係る処理液を用いて製造した絶縁皮膜付き電磁鋼板は、モーター用途をはじめ、広範囲の用途に利用可能である。
本発明の処理液を適用して絶縁皮膜を形成する基材電磁鋼板の種類は、特に限定されない。電磁鋼板は無方向性と方向性のいずれでもよく、また熱延鋼板と冷延鋼板のいずれでもよい。一般的な電磁鋼板は、Siを1〜5質量%程度含む低炭素鋼板であるが、Siをほとんど含まない普通鋼も電磁鋼板として使用可能である。
電磁鋼板に絶縁皮膜を形成するための本発明の処理液は、水性媒質中に、Al、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnの第一リン酸塩から選ばれた1種または2種以上の第一リン酸塩(A)と、「ホスホン酸化合物」または「ホスホン酸化合物およびカルボン酸化合物」からなるキレート剤(B)と、合成エマルジョン樹脂(C)と、ポリエチレングリコール(D)とが溶解または分散した溶液である。具体的には、合成エマルジョン樹脂(C)は分散状態で、他の成分はほぼ溶解状態で処理液中に含有される。
水性媒質は水でよいが、水と水混和性有機溶媒(例、アルコール、ケトン等)との混合溶媒も使用することができる。
第一リン酸塩(A)は、絶縁皮膜を形成するベースとなる成分(造膜成分)である。1価のアルカリ金属塩であると、耐水性のある皮膜を形成することができないので、Al、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれた多価金属の第一リン酸塩の1種または2種以上を使用する。
いうまでもないが、第一リン酸塩とは、リン酸二水素金属塩のことであり、例えば、第一リン酸マグネシウムはMg(H2PO)2、第一リン酸アルミニウムはAl(H2PO)3なる化学式で表される。しかし、第一リン酸塩は工業的にはリン酸(オルトリン酸)に適量の金属水酸化物を反応させることにより製造され、金属水酸化物の量を変動させることにより金属/Pの原子比を変動させたリン酸塩を製造することができる。
本発明においては、2価金属塩であるMg、Ca、Sr、BaおよびZnの第一リン酸塩とは、金属/Pの原子比が0.7/2〜1.2/2であるものを包含し、3価金属塩である第一リン酸アルミニウムとは、Al/Pの原子比が0.7/3〜1.2/3であるものを包含する。
第一リン酸塩(A)は、第一リン酸アルミニウムと第一リン酸マグネシウムの一方または両方を使用することが好ましい。より好ましくは、高濃度の処理液が得られやすい、工業的に安価といった理由から、アルミニウム塩およびマグネシウム塩の両方を使用する。
処理液中の第一リン酸塩の濃度は、1〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜30質量%である。この濃度が1質量%未満では、造膜性が乏しく、耐水性も低下する傾向が認められる。一方、この濃度が50質量%を超えると、処理液の安定性が低下し、固形物の沈降や粘度の上昇が生じ、均一な皮膜を形成することが困難となる。
また、この第一リン酸塩水溶液に、金属または金属酸化物もしくは水酸化物を添加して、リン酸イオンに対する金属の比率を高めると、低温での焼付けにおいて成膜性が向上するという効果を得ることができる。このような目的で、特に好ましくは、水酸化マグネシウムを使用する。水酸化マグネシウムは、酸に溶解しやすく、容易に溶液とすることができ、また低温での焼付けでの成膜性の向上効果が大きいため好ましい。この水酸化マグネシウムの添加量は、第一リン酸塩(A)100質量部に対して4〜30質量部の割合とすることが好ましい。
第一リン酸塩(A)の水溶液にキレート剤(B)を添加することにより、処理液の成膜性や絶縁皮膜の密着性、さらには付着量が1.0g/m2を下回る薄膜の絶縁皮膜の形成能が向上する。それにより200〜330℃での低温焼付けが可能となる。すなわち、キレート剤(B)は、第一リン酸塩の成膜性を改善し、低温焼付け条件においても耐水性が良好な皮膜が形成できるようにする。また、キレート剤(B)は、第一リン酸塩のみでは困難な、均一かつ非晶質で緻密な絶縁皮膜の形成を可能にする作用も果たす。
キレート剤(B)としては、酸基を有するキレート剤を使用する。これは、処理液が第一リン酸塩を含有し、酸性であるからである。例えば、エチレンジアミンといった酸基を有しないキレート剤では、処理液中の第一リン酸イオンと反応して、キレート形成能あるいは金属捕捉能力を失ってしまう。
酸基を有するキレート剤(B)としては、オキシカルボン酸、ジカルボン酸、アミノカルボン酸等のカルボン酸化合物も使用できるが、ホスホン酸(亜リン酸)化合物が、同じリン酸類であり、かつ皮膜の耐水性向上効果が大きいことから好ましい。また、ホスホン酸系キレート剤とカルボン酸系キレート剤とを併用することもできる。
ホスホン酸系キレート剤の具体例としては、ヒドロキシエチリデンモノ−およびジ−ホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられる。カルボン酸系キレート剤のうち、オキシカルボン酸の具体例としてはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸等が、ジカルボン酸の具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸等が、アミノカルボン酸の具体例としてはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等がそれぞれ挙げられる。以上はいずれも例示にすぎず、他の化合物も使用することができる。
処理液中の前記第一リン酸塩(A)と前記キレート剤(B)の割合は、第一リン酸塩(A)に含まれる金属原子のモル数とその価数の積の総和をΣMiとし、キレート剤(B)のモル数と分子中の酸基数の積の総和をΣOiとするとき、下記の式(1)を満たすような割合とする:
0.1≦ΣOi/ΣMi≦5 ・・・・・ (1)。
ΣOi/ΣMiの値が0.1より小さいと、薄膜の絶縁皮膜を形成する場合の成膜性が劣化し、均一な絶縁皮膜を形成することができない上、皮膜の耐水性も低下する。一方、ΣOi/ΣMiの値が5より大きいと、処理液の粘度が上昇したり、処理液中の無機成分が経時的に沈降したりして、形成される絶縁皮膜の品質が安定しないばかりか、その耐水性が劣ることもある。ΣOi/ΣMiの値の好ましい範囲は0.2〜3である。
本発明の絶縁皮膜形成用処理液は、さらに合成エマルジョン樹脂(C)と、ポリエチレングリコール(D)とを含有する。合成エマルジョン樹脂を添加するのは、打抜き性のよい半有機皮膜が形成されるようにするためである。一方、合成エマルジョン樹脂を添加することにより、塗布〜乾燥工程において、皮膜の内部および表面に、粒径あるいは凹凸径として10μm以上程度となるような粒子の塊や表面凹凸を生ずる場合がある。表面凹凸は外観を損ねるため性能評価前の段階でユーザーに受入れられない場合がある。また、大径の粒子の塊は打ち抜き性にも悪影響を及ぼす恐れがあると考えられる。この対策として、ポリエチレングリコール(D)の添加が有効であることがわかった。
この機構については現時点では詳細は不明確であるが、大径の粒子の塊や表面凹凸の生成の原因は、合成エマルジョン樹脂の粒子が凝集して二次粒子を形成するためと推定される。ポリエチエレングリコール(D)を添加することにより、リン酸酸性の処理液中において合成エマルジョン樹脂の周囲にポリエチレングリコールが吸着して、合成樹脂エマルジョンの凝集が抑制され、樹脂粒子凝集体の生成が抑制され、皮膜の表面凹凸や皮膜内部の樹脂粒子の粗大化が防止されるのではないかと考えられる。
合成エマルジョン樹脂(C)としては、水性の合成エマルジョン樹脂が好ましい。水分散型の合成エマルジョン樹脂が好ましく用いられる。合成エマルジョン樹脂の具体例として、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。合成エマルジョン樹脂は、1種または2種以上添加することができる。このうち、アクリル樹脂が打ち抜き性において特に好ましい。
また、合成エマルジョン樹脂には、アニオン型、ノニオン型があるが、中でもノニオン型が特に好ましい。ノニオン型はアニオン型に比べて、ポリエチレングリコール存在下におけるリン酸酸性処理液中での樹脂粒子の凝集が生じにくい。従って、最も好ましい合成エマルジョン樹脂は、ノニオン型のアクリルエマルジョン樹脂である。
原料の合成エマルジョン樹脂の一次粒子径(体積粒度分布における50%頻度での粒子径:D50)に比べて、リン酸酸性処理液中における合成エマルジョン樹脂の二次粒子径(同じく50%頻度の粒子径:D50)が実質的に同じであれば、処理液中で樹脂粒子の凝集は起こっていないと判断でき、二次粒子径が一次粒子径より増大していれば、処理液中で樹脂粒子が凝集していると判断できる。ノニオン型の合成エマルジョン樹脂は一般に本発明の処理液中において二次粒子径の増大が起こりにくい。さらに、皮膜形成後には、上記ポリエチレングリコールの効果と相乗して、SEMによる皮膜外観観察において微小凹凸の小さい緻密な皮膜を得ることができる。
合成エマルジョン樹脂(C)の処理液への添加量(固形分換算での量)は、第一リン酸塩(A)100質量部に対して3〜100質量部の範囲内とすることが好ましい。合成エマルジョン樹脂の量が3質量部より少ないと、打抜き性の向上がほとんど得られず、100質量部を超えると、歪取り焼鈍後の層間抵抗が低下することがある。この合成エマルジョン樹脂の添加量は、より好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは7〜30質量部である。
ポリエチレングリコール(D)は、分子量が200〜600のものを使用することが好ましい。ポリエチレングリコールの分子量が200未満では、樹脂の凝集防止発現に必要な添加量が多くなり、造膜成分である第一リン酸塩の成分率が相対的に低下する結果、皮膜の密着性が低下する恐れがある。その分子量が600を超えると、リン酸水性液に溶解できる量が少なくなるため、凹凸の少ない緻密な皮膜が得られにくい場合がある。
ポリエチレングリコール(D)の添加量は、合成エマルジョン樹脂(C)100質量部(固形分換算量)に対して10〜200質量部の範囲とすることが好ましい。ポリエチレングリコールの量が少なすぎると、皮膜外観の凹凸を抑制する効果が十分に得られず、多すぎると絶縁皮膜の密着性が低下する恐れがある。
本発明の絶縁皮膜形成用処理液に防錆剤を添加することにより、輸送、保管等に際して防錆性の優れた絶縁皮膜付き電磁鋼板を得ることができる。防錆剤としては、第4級化イミダゾリウム化合物、ポリアミン化合物、キノリン化合物、チオカルボニル化合物、チアゾール化合物、メルカプト化合物、スルフィド化合物、チオカルバミン酸塩、ピリジニウム化合物、チオシアン酸塩およびイソチオシアン酸塩から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。このうち、第4級化イミダゾリウム化合物およびポリアミン化合物が好ましい。
防錆剤の添加量は、第一リン酸塩(A)のP換算100質量部あたり、0.6〜27.3質量部とするのが好ましい。防錆剤の量が過少であると防錆性向上効果に乏しくなり、過多であると処理液中に溶解ないし分散できなくなる。この添加量はより好ましくは5.5〜16.4質量部である。
本発明の絶縁皮膜形成用処理液に、特に歪取り焼鈍後の防錆性を向上させるため、ホウ酸を添加してもよい。ホウ酸の添加量は、第一リン酸塩(A)のP換算100質量部あたり、ホウ素換算で50質量部以下とすることが好ましい。添加量が過多であると、層間抵抗や歪取り焼鈍後の防錆性が向上するものの、処理液中にホウ酸を完全に溶解することができず、液中で沈殿することがある。この添加量はより好ましくは2〜20質量部である。
本発明の絶縁皮膜形成用処理液にはまた、層間抵抗を向上させるため、コロイダルシリカを配合してもよい。コロイダルシリカの添加量は、第一リン酸塩(A)のP換算100質量部あたり、Si換算で50質量部以下とすることが好ましい。シリカ添加量が過多であると、処理液の安定性が失われたり、表面性状が損なわれることがある。この添加量はより好ましくは2〜30質量部である。
上記以外にも、処理液中には、所望により、消泡剤、処理液安定化剤等の他の添加剤を適宜配合することができる。
本発明の絶縁皮膜形成用処理液を使用し、これを基材の電磁鋼板の表面(通常は両面であるが、片面に塗布することも可能)に塗布し、加熱して塗膜を焼き付けると、耐水性と密着性に優れたリン酸塩系絶縁皮膜が形成される。
処理液の塗布方法は特に制限されず、工業的に一般に用いられる、ロールコーター、カーテンフローコーター、スプレー塗装、ナイフコーター、浸漬等の種々の塗布方法が適用できる。通常はロールコータ−が使用される。
皮膜の焼付けも、通常実施される、熱風式、赤外線式、誘導加熱式等の方法によって実施でき、従来の重クロム酸塩なみの焼付け温度、即ち、200〜330℃の温度範囲で1分以内の短時間の焼付けによる成膜で、耐水性と密着性に優れ、外観が美麗で径が10μm以上の凹凸や樹脂の凝集がなく、絶縁性や打抜き性も良好な皮膜になる。
電磁鋼板の絶縁皮膜の付着量は、0.1g/m2以上、3g/m2以下が好ましい。付着量が0.1g/m2未満であると、均一塗布が困難になるだけでなく、焼鈍時の耐焼付き性および防錆性、層間抵抗が不足する。付着量が3g/m2を超えると、層間抵抗の向上しろが飽和する上、皮膜の密着性が低下するようになる。
層間抵抗、即ち、絶縁性が主に要求される場合には、付着量を1.0g/m2以上とするのがよい。逆に、例えば、鉄芯や回転機の生産時の生産性の向上のために溶接性の改善が要求される場合には、1.0g/m2以下、好ましくは0.5g/m2以下の薄膜とすることが要求される。このように、用途で重視される性能に応じて、膜厚を設定することができる。本発明の絶縁皮膜形成用処理液は、特に付着量が1.0g/m2以下の薄膜を形成する場合にも外観が良好で、樹脂粒子が凝集せずに均一に分散し、密着性、耐水性に優れた絶縁皮膜を形成できるという特長があるので、このような薄膜の絶縁皮膜の形成に適用することが有利である。
以下に示す実施例により本発明を具体的に例示するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。実施例中の%および部は、特に指定しない限り、固形分換算での質量%および質量部である。
[実施例1]
第一リン酸アルミニウム(Al/P原子比=0.9/3)6.25%、第一リン酸マグネシウム(Mg/P原子比=0.85/2)2.08%、水酸化マグネシウム1.2%、キレート剤として1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸4.2%、合成エマルジョン樹脂として一次粒子径0.1μmノニオン型アクリル樹脂(共栄社化学製ライトエポッゥAX−19)2.1%(固形分換算)、分子量200のポリエチレングリコール1.0%を含有する処理液を、成分と必要量の媒質の水とを撹拌羽根付きのミキサー中で1000rpmで10分間撹拌することにより調製した。調製した処理液中の樹脂の二次粒子径を下記方法で評価した結果を表1に示す。
この処理液を、0.1%のSiを含む板厚0.5mmの電磁鋼板の両面に、焼付け後の絶縁皮膜の付着量が1g/m2となるようにロールコーターで塗布した後、熱風炉で最高到達板温度が270℃となるように30秒間加熱して塗膜を焼付け、絶縁皮膜を形成した。得られた絶縁皮膜付き電磁鋼板の耐水性(べたつきと白化)、密着性、皮膜外観、SEM観察結果、防錆性を下記方法により評価した結果も表1に合わせて示す。
[実施例2〜11、比較例1〜5]
処理液の組成(成分の配合割合)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同じ方法で処理液を調製し、評価した。結果を表1に一緒に示す。一部の例では、ポリエチレングリコールとして分子量が異なるもの、あるいは単量体(すなわち、エチレングリコール)を使用した。また、キレート剤としてカルボン酸化合物(具体的にはリンゴ酸)を併用し、合成エマルジョン樹脂としてアニオン型のスチレン/アクリル樹脂(ニチゴー・モビニール製モビニール870)も使用した。
上記実施例および比較例における各特性の試験方法の概要を次に説明する。
[処理液の安定性]
処理液を40℃で1ヶ月間保存した後、目視で観察した処理液の状態(固形物の発生の有無)により次のように評価をした:
○:固形物が発生しない場合、
×:固形物が発生する場合。
[処理液の二次粒子径(μm)]
成分を上記のように撹拌混合して調製した処理液を24時間静置した後、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD−2200)を用いて、処理液を十分に蒸留水で希釈した状態で液中の粒度分布(すなわち、エマルジョン樹脂粒子の粒度分布)を測定した。体積粒度分布における50%頻度の粒子径(μm)を合成エマルジョン樹脂の二次粒子径とした。
○:処理液の二次粒子径が0.1μm以下、
△:処理液の二次粒子径が0.1μmを超え、1.0μm以下、
×:処理液の二次粒子径が1.0μmを超える。
[皮膜外観]
塗布と焼付けにより絶縁皮膜が形成された絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片の外観を目視により観察して、下記の3段階で評価した。○が合格である。
○:クリアー皮膜(全面的に透明)、
△:部分的に透明性の劣る部位がある、
×:全面的に透明性が劣る。
[SEM観察]
絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を走査型電子顕微鏡(SEM)により垂直方向に対して60°の角度から2000倍の倍率で観察し、皮膜表面に観察される凹凸の径(μm)を測定し(10個の平均値)、下記の3段階で評価した。
○:凹凸径が1μm以下、
△:凹凸径が1μm超、10μm以下、
×:凹凸径が10μm超。
[耐水性]
50℃、98%RHに調製した恒温恒湿槽内に、絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を吊るし、72時間経過後の皮膜表面の状態を、触手によるべたつきの有無と、色差測定による白化の程度により評価した。評価は下記の4段階にて行った。○、◎が合格である。皮膜の白化については、ミノルタ製全反射型色差測定器CR−300を使用し、JIS−Z8730で規定されるL値(白さを表す数値)を試験前後に測定し、そのL値の変化(ΔL)の大きさで白化を判断した。
◎:べたつきなし、白化なし(ΔL≦2)、
○:べたつきなし、白化やや有り(2<ΔL≦5)、
△:べたつき有り、白化有り(5<ΔL≦10)、
×:べたつき有り、白化顕著(ΔL>10)。
[絶縁皮膜の密着性]
長さ50mm、幅25mmの絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を、直径5mmの鉄棒に巻き付け、巻き付けた外側の部分についてテープ剥離試験を行って、鋼板に残存した絶縁皮膜の状況を調査した。下記の4段階で評価を行った。◎、○が合格である。
◎:皮膜剥離なし、
○:皮膜剥離発生(面積率で5%以下)、
△:皮膜剥離発生(面積率で5%超、30%以下)、
×:皮膜剥離発生(面積率で30%超)。
[防錆性]
絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を、50℃、95%RHに調整した恒温恒湿槽内に400時間暴露した後、表面錆の面積率を目視で判定し、下記の4段階で評価を行った。◎、○が合格である。
◎:面積率で5%以下
○:面積率で5%超、10%以下
△:面積率で10%超、30%以下
×:面積率で30%超。
Figure 2009155707
表1において、各成分の量(%)は、処理液中の固形分換算での含有量(質量%)である。表1からわかるように、本発明に従った組成を有する処理液を用いた実施例1〜11では、従来のクロム酸塩系処理液と同様の低い焼付け温度(270℃)で成膜したにもかかわらず、1.0g/m2、さらには0.5g/m2といった薄膜であっても、良好な皮膜外観が確保され、SEM観察で径1μmを超える凹凸の生成がなく、耐水性、密着性、防錆製も十分に良好であった。また、処理液の安定性が高く、処理液中での二次粒子径の増大(処理液中での合成エマルジョン樹脂粒子の凝集)も見られなかった。
これに対し、ポリエチレングリコールを添加しなかった比較例1、2では、処理液の二次粒子径が増大し、合成エマルジョン樹脂が凝集して粗大粒子となっていた。そのため、皮膜外観やSEM観察による微小凹凸生成の結果もよくなかった。単量体のエチレングリコールを添加した比較例3では、絶縁皮膜の密着性が低下した。一方、キレート剤を添加しなかった比較例5では、皮膜外観、耐水性、密着性、防錆性が損なわれるだけでなく、処理液の安定性も損なわれた。キレート剤の添加量が多く、ΣOi/ΣMiが上限を超えた比較例4では、処理液の安定性が悪かった。

Claims (11)

  1. 水性媒質中に、Al、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnの第一リン酸塩から選ばれた1種または2種以上の第一リン酸塩(A)と、ホスホン酸化合物またはホスホン酸化合物およびカルボン酸化合物からなるキレート剤(B)と、合成エマルジョン樹脂(C)と、ポリエチレングリコール(D)が溶解または分散している処理液からなり、処理液中の前記第一リン酸塩(A)に含まれる金属原子のモル数とその価数の積の総和をΣMiとし、キレート剤(B)のモル数と分子中の酸基数の積の総和をΣOiとするとき、(A)と(B)の割合が下記の式(1)を満たすことを特徴とする、電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液。
    0.1≦ΣOi/ΣMi≦5 ・・・・・ (1)
  2. 第一リン酸塩(A)が第一リン酸アルミニウムおよび第一リン酸マグネシウムから選ばれた1種または2種である、請求項1記載の処理液。
  3. 合成エマルジョン樹脂(C)がノニオン型合成エマルジョン樹脂である、請求項1または2に記載の処理液。
  4. 合成エマルジョン樹脂(C)がアクリル系合成エマルジョン樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の処理液。
  5. ポリエチレングリコール(D)が分子量200〜600のものである、請求項1〜4のいずれかに記載の処理液。
  6. さらに水酸化マグネシウムを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の処理液。
  7. 第一リン酸塩(A)の濃度が1〜50質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の処理液。
  8. 合成エマルジョン樹脂(C)の量が第一リン酸塩(A)100質量部に対して3〜100質量部の範囲内、ポリエチレングリコール(D)の量が合成エマルジョン樹脂(C)100質量部に対して10〜200質量部の範囲である、請求項1〜7のいずれかに記載の処理液。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の処理液から形成された絶縁皮膜を有する電磁鋼板。
  10. 絶縁皮膜の付着量が片面当たり0.1g/m2以上、1.0g/m2以下である、請求項9記載の電磁鋼板。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の処理液を電磁鋼板の少なくとも片面に塗布した後、200〜330℃で加熱して塗膜を焼き付けて、電磁鋼板の表面に絶縁皮膜を形成することを特徴とする、電磁鋼板の処理方法。
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