JP5596300B2 - 絶縁皮膜を有する電磁鋼板とその製造方法および処理液 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁鋼板の表面に絶縁皮膜を形成するための処理液と、それを用いて形成された絶縁皮膜を有する電磁鋼板およびその製造方法とに関する。本発明の絶縁皮膜形成用処理液は、6価クロム等の有害な化合物を含まない。
現在一般に使用されている無方向性電磁鋼板用の絶縁皮膜は以下の3種に大別される:(1)耐熱性が重視され、歪取り焼鈍可能な無機皮膜、(2)打抜き性と溶接性の両立を目指した、歪取り焼鈍可能な、無機有機混合型の半有機皮膜、(3)打抜き性が重視され、歪取り焼鈍不可の有機皮膜。
この中で汎用されているのは、歪取り焼鈍可能な、(1)および(2)の無機成分を含む絶縁皮膜である。特に、(2)の半有機皮膜が、無機皮膜に比較して打抜き性が格段に優れるため、主流となっている。
これまで上記(1)、(2)の絶縁皮膜中の無機成分を形成するための材料としては、重クロム酸塩が広く用いられてきた。重クロム酸塩を使用した絶縁皮膜は、6価クロムと多価金属塩を含む水溶液にエチレングリコールやグリセリンなどの有機還元剤を混合して得た処理液を電磁鋼板に塗布した後、加熱して塗膜を焼付け、6価クロムを3価クロムに還元して造膜させることにより形成される。焼付けは200℃から330℃の温度で1分以内の短時間で終了する。
しかし、この絶縁皮膜の形成に用いる6価クロムは、毒性が強く、製造に携わる人間の健康を害する危険性が懸念される。また、形成された絶縁皮膜中に含まれる3価クロムは、6価クロムに比べると毒性は格段に低いが、完全に無害であるとは言えない。したがって、重クロム酸塩を用いる絶縁皮膜は、製造時および製品段階で、人間あるいは環境に僅かながらでも有害である可能性が否定できず、クロムを全く使用しないノンクロム型の絶縁皮膜が求められるようになってきた。
重クロム酸塩と同様に絶縁皮膜の形成に利用可能な無機成分としてリン酸塩がある。リン酸塩水溶液は、無機成分として数少ない造膜可能な系であり、かつ比較的安価に得られるため、従来から無機および半有機の絶縁皮膜用無機成分として検討されてきた(例えば、下記特許文献1を参照)。
下記特許文献2には、クロムを含まないリン酸アルミニウム系の無方向性電磁鋼板用表面処理剤が提案されている。この被膜特性に優れていると記載されている表面処理剤は、水中に第一リン酸アルミニウムに加えて、エマルジョン樹脂と少量のOH基含有有機化合物とを含有する。
また、下記特許文献3〜6には、リン酸塩系の処理液であるにもかかわらず、重クロム酸塩系なみの低い焼付け温度で成膜でき、その場合でも優れた耐水性や、密着性、絶縁性等の電磁鋼板用絶縁皮膜に必要な諸性能を有し、優れた成膜性を示す電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液が開示されている。
電磁鋼板は、主にモーターやトランス等の鉄心として用いられる。その場合、絶縁皮膜が形成された電磁鋼板を所定の形状に連続的に打ち抜き、打ち抜かれた材料を積層して溶接、またはかしめとよばれる凹凸部を嵌合させる方法等により一体化して鉄心を形成するのが一般的である。一体化された鉄心は、そのまま電気機器に組み込まれて使用されるものと、700℃から800℃前後の温度で焼鈍された後、電気機器に組み込まれるものとがある。
後者の焼鈍は歪取り焼鈍といわれ、打ち抜き/せん断時に鋼板に導入されたせん断歪、端面部の溶接により発生する熱歪、さらにはかしめ部の塑性変形歪などを焼鈍により除去ないしは低減し、鉄心としての磁気特性を高めることを目的として行われる。
特許文献1〜6に開示される処理液から形成される絶縁皮膜を備える電磁鋼板は、打ち抜き後に歪取り焼鈍を700℃〜800℃で行うと、焼鈍時に絶縁皮膜の剥離といった不安定な性能を示すことがあった。
特公昭53−28375号公報 特開平11−152579号公報 特開2001−107261号公報 特開2002−47576号公報 特開2002−249881号公報 特開2008−303411号公報
本発明の目的は、クロムを使用せず、従来の重クロム酸塩系処理液と同様の低い焼付け温度で成膜でき、優れた耐水性や、密着性、絶縁性等の電磁鋼板用絶縁皮膜に必要な諸性能を有し、打ち抜き加工後の歪取り焼鈍を行っても剥離を生じない絶縁皮膜を形成することができる、電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液を提供することにある。本発明はまた、この処理液を用いて皮膜形成した電磁鋼板および絶縁皮膜形成方法を提供する。
本発明者らは、リン酸塩系処理液を用いた電磁鋼板の絶縁皮膜形成について、従来の重クロム酸塩系処理液と同様の焼付け温度で成膜可能で、優れた耐水性と密着性を有し、打ち抜き後の歪取り焼鈍を700℃〜800℃で行っても剥離しない皮膜が形成できる処理液の開発を目指して鋭意検討を行い、本発明を完成した。
本発明は、水性溶媒中に、多価金属の第一リン酸塩(A)と、キレート剤(B)と、ポリアミン(C)と、が溶解している処理液からなり、該多価金属の第一リン酸塩(A)の多価金属カチオンの価数×モル数の積の総和ΣMiとリンのモル数ΣPiとの比が下記の式(1)を満たし、該キレート剤(B)のモル数と分子中の酸基数の積の総和をΣOiとするとき、この総和の前記ΣMiに対する比が下記の式(2)を満たし、該ポリアミン(C)は、分子内に1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム基、もしくはアミド基を構成する窒素原子を2以上有する水または酸に可溶の化合物またはこれらの化合物の混合物からなる、ことを特徴とする電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液である。
1.5≦ΣMi/ΣPi≦5 ・・・ (1)
0.1≦ΣOi/ΣMi≦5 ・・・ (2)
なお、ポリアミン(C)が複素環化合物である場合、同一複素環内に2以上の環窒素原子が含まれていても、その複素環の窒素原子数は1とする。
本発明の態様をいくつか例示すると次の通りである。
前記多価金属の第一リン酸塩(A)が、Al、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnの1種または2種以上の金属の第一リン酸塩である。
前記多価金属の第一リン酸塩(A)が、第一リン酸アルミニウムおよび/または第一リン酸マグネシウムである。
前記キレート剤(B)が、ホスホン酸化合物、またはホスホン酸化合物およびカルボン酸化合物からなる。
前記ポリアミン(C)が、下記(1)〜(6)で示される一般式を有する化合物から選ばれた少なくとも1種である。
Figure 0005596300
式中、
mは1以上の整数であり;
nは2以上の整数であり;
R,R'およびR"はそれぞれ炭素数1〜3のアルキレン基であって、互いに同一であっても異なっていてもよく;
1およびR2はそれぞれHまたはメチル基であって、互いに同一でも異なっていてもよく;
3はピリジル基または−CH2NH2であり;そして
-はハロゲンイオンである。
前記ポリアミン(C)が上記一般式(5)で示される芳香族ポリアミンであり、式中、mは1〜12の整数である。
前記処理液がさらに水酸化マグネシウム、ホウ酸および/または合成樹脂を含有する。
処理液中の多価金属の第一リン酸塩(A)の濃度が1〜50質量%である。
別の側面では、本発明は上記処理液から形成された絶縁被膜を少なくとも片面に有することを特徴とする電磁鋼板である。
前記絶縁被膜は、片面当たりの膜厚が0.05μm以上、2μm以下であることが好ましい。
さらに別の側面では、本発明は、上記処理液を電磁鋼板の少なくとも片面に塗布した後、200〜330℃で加熱して塗膜を焼き付け、電磁鋼板の表面に絶縁被膜を形成することを特徴とする電磁鋼板の処理方法である。
本発明の電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液は、クロム等の有害物を含んでいないため安全に使用できる。また、成膜性に優れているので、電磁鋼板に従来から使用されてきた重クロム酸塩系処理液と同レベルの焼付け温度で、かつ膜厚が0.5μm以下、特に0.25μm以下といった薄膜でも、耐水性、絶縁性、密着性等の必要な諸性能を備えた絶縁皮膜を形成することができる。
さらに、本発明の処理液から形成された絶縁皮膜は、ポリアミンを含有することによって、高温でも電磁鋼板との密着性を保持できる。そのため、この絶縁皮膜を有する電磁鋼板を打ち抜き加工後に700℃〜800℃で歪取り焼鈍しても、絶縁皮膜が剥離することがなく、良好な絶縁特性を有する電磁鋼板を得ることができる。
この絶縁皮膜は、膜厚が0.05μm以上であれば、実用上十分な層間抵抗(JIS−C2550に準拠した測定で5〜10Ω・cm2/枚以上)を有する。
従って、本発明により、一つの処理液を用いて、用途に応じて厚膜から薄膜までの膜厚で、比較的安価に電磁鋼板の表面に絶縁皮膜を形成することが可能となる。この絶縁皮膜は、従来の多価金属リン酸塩系の絶縁皮膜には見られない、優れた薄膜性能(薄膜での成膜性、密着性、耐水性および焼鈍後の耐剥離性)を有する。本発明に係る処理液を用いて製造した絶縁皮膜付き電磁鋼板は、モーター用途をはじめ、広範囲の用途に利用可能である。
本発明の処理液を用いてその表面に絶縁皮膜が形成される電磁鋼板の種類は、特に限定されない。電磁鋼板は無方向性と方向性のいずれでもよく、また熱延鋼板と冷延鋼板のいずれでもよい。一般的な電磁鋼板は、Siを1〜5質量%程度含む低炭素鋼板であるが、Siをほとんど含まない普通鋼の鋼板も電磁鋼板として使用可能である。
本発明に従って電磁鋼板に絶縁皮膜を形成するのに用いる処理液は、多価金属の第一リン酸塩(A)と、キレート剤(B)と、ポリアミン(C)とを水性溶媒中に溶解させた溶液からなる。
水性溶媒は水でよいが、水と水混和性有機溶媒(例、アルコール、ケトン等)との混合溶媒も使用することができる。
第一リン酸塩(A)の水溶液にキレート剤(B)を含有させることにより、処理液の成膜性や絶縁皮膜の密着性、さらには膜厚が1.0g/m2を下回る薄膜の絶縁皮膜の形成能が向上する。また、さらにポリアミン(C)を含有させることにより、絶縁皮膜を形成した電磁鋼板を打抜き加工した後の歪取り焼鈍において被膜の耐剥離性が向上する。
第一リン酸塩(A)は、絶縁皮膜を形成するベースとなる成分(皮膜形成成分)である。金属が1価のアルカリ金属であると、耐水性のある皮膜を形成することができないので、多価金属の第一リン酸塩(A)を使用する。この多価金属リン酸塩(A)は、処理液に含まれる多価金属カチオンの価数×モル数の積の総和ΣMiとリンのモル数ΣPiとの関係式が下記の式(1)を満たすものを使用する。
1.5≦ΣMi/ΣPi≦5 ・・・ (1)
ΣMi/ΣPiの比が1.5より小さいと、耐水性が悪くなり、一方、5より大きいと密着性が悪くなる。ΣMiの値は、処理液中に含まれるすべての多価金属カチオンから算出される。即ち、処理液が、多価金属の第一リン酸塩(A)に加えて、他の多価金属化合物(例、後述する水酸化マグネシウムなど)を含有する場合、この他の多価金属化合物に由来する多価金属カチオンも含めてΣMi値を算出する。
多価金属の第一リン酸塩(A)として、好ましくは、Al、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnの第一リン酸塩から選ばれた1種または2種以上を使用する。いうまでもないが、第一リン酸塩とは、リン酸二水素金属塩のことであり、例えば、第一リン酸マグネシウムはMg(H2PO3)2、第一リン酸アルミニウムはAl(H2PO3)3なる化学式で表される。しかし、第一リン酸塩は工業的にはリン酸(オルトリン酸)に適量の金属水酸化物を反応させることにより製造され、金属水酸化物の量を変動させることにより金属/Pの原子比を変動させたリン酸塩を製造することができる。
本発明においては、2価金属塩であるMg、Ca、Sr、BaおよびZnの第一リン酸塩とは金属/Pの原子比が0.7/2〜1.2/2のものを包含し、3価金属塩である第一リン酸アルミニウムはAl/Pの原子比が0.7/3〜1.2/3のものを包含する。
第一リン酸塩(A)は、第一リン酸アルミニウムと第一リン酸マグネシウムの一方または両方を使用することが好ましい。より好ましくは、高濃度の処理液が得られやすい、工業的に安価といった理由から、アルミニウム塩およびマグネシウム塩の両方を使用する。
また、この第一リン酸塩水溶液に、金属または金属酸化物もしくは水酸化物を添加して、リン酸イオンに対する金属の比率を高めてもよい。こうすると、低温での焼付けにおいて成膜性が向上するという効果を得ることができる。このような目的で、特に好ましくは、水酸化マグネシウムを使用する。水酸化マグネシウムは、酸に溶解しやすく、容易に溶液とすることができ、また低温での焼付けでの成膜性の向上効果が大きい。上述したように、処理液が水酸化マグネシウム又は他の多価金属の水酸化物若しくは酸化物を含有する場合、この水酸化物又は酸化物に由来する多価金属も含めてΣMiの値を算出する。
処理液中の第一リン酸塩の濃度は、1〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜30質量%である。この濃度が1質量%未満では、造膜性が乏しく、耐水性も低下する傾向が認められる。一方、この濃度が50質量%を超えると、処理液の安定性が低下し、固形物の沈降や粘度の上昇が生じ、均一な皮膜を形成することが困難となる。
キレート剤(B)は、第一リン酸塩の成膜性を改善し、低温焼付け条件においても耐水性が良好な皮膜が形成できるようにする。また、キレート剤(B)は、第一リン酸塩のみでは困難な、均一かつ非晶質で緻密な絶縁皮膜の形成を可能にする作用も果たす。
キレート剤(B)としては、酸基を有するキレート剤を使用する。これは、処理液が第一リン酸塩を含有し、酸性であるからである。例えば、エチレンジアミンといった酸基を有しないキレート剤では、処理液中の第一リン酸イオンと反応して、キレート形成能あるいは金属捕捉能力を失ってしまう。
酸基を有するキレート剤(B)としては、オキシカルボン酸、ジカルボン酸、アミノカルボン酸等のカルボン酸化合物も使用できるが、ホスホン酸(亜リン酸)化合物が、同じリン酸類であり、かつ皮膜の耐水性向上効果が大きいことから好ましい。また、ホスホン酸系キレート剤とカルボン酸系キレート剤とを併用することもできる。
ホスホン酸系キレート剤の具体例としては、ヒドロキシエチリデンモノ−およびジ−ホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられる。カルボン酸系キレート剤のうち、オキシカルボン酸の具体例としてはグリコール酸、乳酸等が、ジカルボン酸の具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸等が、アミノカルボン酸の具体例としてはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等がそれぞれ挙げられる。以上はいずれも例示にすぎず、他の化合物も使用することができる。
処理液中の前記多価金属第一リン酸塩(A)と前記キレート剤(B)の割合は、処理液中に含まれる多価金属カチオンの価数とモル数との積の総和をΣMiとし、(B)のモル数と分子中の酸基数の積の総和をΣOiとするとき、下記の式(2)を満たすような割合とする:
0.1≦ΣOi/ΣMi≦5 ・・・ (2)。
ΣOi/ΣMiの値が0.1より小さいと、薄膜の絶縁皮膜を形成する場合の成膜性が劣化し、均一な絶縁皮膜を形成することができない上、皮膜の耐水性も低下する。一方、ΣOi/ΣMiの値が5より大きいと、処理液の粘度が上昇したり、処理液中の無機成分が経時的に沈降したりして、形成される絶縁皮膜の品質が安定しないばかりか、その耐水性が劣ることもある。ΣOi/ΣMiの値の好ましい範囲は0.2〜3である。
本発明の絶縁皮膜形成用処理液はさら、分子内に1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム基、もしくはアミド基を構成する窒素原子を2以上有する水または酸に可溶の化合物またはこれらの化合物の混合物からなるポリアミン(C)を含有する。それにより、絶縁皮膜を形成した電磁鋼板を打ち抜き加工後に700℃〜800℃で歪取り焼鈍する際に焼鈍後の絶縁皮膜の剥離を防止することができる。ポリアミンを含有することにより、絶縁皮膜の剥離が防止される理由は定かではないが、処理液が酸性であり皮膜形成時に基材の鉄イオンが溶出しやすく、この溶出鉄イオンが高温で基材と皮膜の界面において結合性に悪影響を及ぼすが、ポリアミンの存在によりこの鉄イオンの溶出が抑制され、高温での絶縁皮膜の密着性低下が防止されるためではないかと考えられる。
ポリアミンの添加量は、第一リン酸塩(A)100質量部に対して0.1〜5.0質量部の範囲内が好ましい。この量が0.1質量部より少ないと、絶縁皮膜の密着性が改善せず、5質量分析より多くなると、通常での(塗装後の)絶縁皮膜の密着性が劣ることがある。この量はより好ましくは0.5〜2.0質量部の範囲である。
ポリアミン(C)としては、下記一般式(1)〜(6)で示される化合物が例示される。
Figure 0005596300
式中、
mは1以上の整数であり;
nは2以上の整数であり;
R,R'およびR"はそれぞれ炭素数1〜3のアルキレン基であって、互いに同一であっても異なっていてもよく;
1およびR2はそれぞれHまたはメチル基であって、互いに同一でも異なっていてもよく;
3はピリジル基または−CH2NH2であり;そして
-はハロゲンイオンである。
上記化学式で示されるポリアミンのうち、一般式(1)、(2)および(4)で示される化合物は脂肪族ポリアミンであり、そのうち一般式(2)で示される化合物はポリアルキレンポリアミンである。一般式(3)で示される化合物はポリアミンスルホン又はその誘導体であり、一般式(5)および(6)で示される化合物は芳香族ポリアミンである。これらの化合物のうち、一般式(5)で示され、mが1〜12の整数である芳香族ポリアミンが特に好ましい。
上記一般式において、炭素数1〜3のアルキレン基の例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、メチルエチレン、およびエチルメチレンの各基が挙げられる。好ましいのはメチレン基又はエチレン基である。
-のハロゲンイオンは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)又は要素(I)イオンのいずれでもよい。好ましいのは塩素イオンである。
5がピリジル基である場合、このピリジル基は2−ピリジル基、3−ピリジル基および4−ピリジル基のいずれでもよい。
一般式(1)の化合物としては、各種分子量のポリエチレンイミン(例、日本触媒化学工業社製製品)を挙げることができる。一般式(2)の化合物としては、トリエチレンテトラミン(商品名「トリエチレンテトラミン」、東ソー)、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどを挙げることができる。一般式(3)の化合物としては、ポリアミンスルホンまたはその誘導体(商品名「PAS−A−5」、日東紡績社製)を挙げることができ、一般式(4)の化合物としては、ポリビニルピリジン、ポリアリルアミン(商品名「PAA−03」、日東紡績)などを挙げることができる。一般式(5)の化合物としては、芳香族ポリアミン(商品名「ガスカミン328」、三菱ガス化学社製)を挙げることができる。一般式(6)の化合物としては、芳香族ポリアミン(商品名「アニリックスマレイミド」、三井化学社製)を挙げることができる。
本発明の絶縁皮膜形成用処理液は、上述した多価金属の第一リン酸塩(A)および場合により他の多価金属酸化物及び/若しくは水酸化物と、キレート剤(B)と、ポリアミン(C)とに加えて、他の成分をさらに含有することができる。
例えば、本発明の処理液は、特に歪取り焼鈍後の耐食性を向上させるため、ホウ酸をさらに含有することが好ましい。ホウ酸の添加量は、第一リン酸塩(A)のP換算100質量部あたり、ホウ素換算で50質量部以下とすることが好ましい。添加量が過多であると、層間抵抗や歪取り焼鈍後の耐食性が向上するものの、処理液中にホウ酸を完全に溶解することができず、液中で沈殿することがある。この添加量はより好ましくは2〜20質量部である。
さらに本発明の処理液は、合成樹脂を含有することができる。合成樹脂を添加することにより、打抜き性のよい半有機皮膜を形成することができる。一方、合成樹脂を添加することにより、700℃〜800℃の焼鈍においては皮膜が劣化する傾向にあるため、添加量には留意が必要である。通常、添加量は、第一リン酸塩(A)100質量部に対し、3〜100質量部の範囲内とすることが好ましい。合成樹脂の量が3質量部より少ないと、打抜き性の向上がほとんど得られず、100質量部を超えると、歪取り焼鈍後の層間抵抗が低下することがある。この合成樹脂の添加量は、より好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは7〜30質量部である。
合成樹脂としては、水性の合成樹脂が好ましい。水性合成樹脂は、エマルジョン型、水分散性型、水溶性型のいずれの水性樹脂であってもよい。合成樹脂の具体例として、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。合成樹脂は、1種または2種以上添加することができる。
本発明の処理液にはまた、層間抵抗を向上させるため、コロイダルシリカを配合してもよい。コロイダルシリカの添加量は、第一リン酸塩(A)のP換算100質量部あたりSi換算で50質量部以下とすることが好ましい。シリカ添加量が過多であると、処理液の安定性が失われたり、表面性状が損なわれることがある。この添加量はより好ましくは2〜30質量部である。
上記以外にも、処理液中に、所望により、防錆剤、消泡剤、処理液安定化剤等の他の添加剤を適宜配合することができる。
本発明の処理液を使用し、これを基材の電磁鋼板の表面(通常は両面であるが、片面に塗布することも可能)に塗布し、加熱して塗膜を焼付けると、耐水性と密着性に優れたリン酸塩系絶縁皮膜が形成される。
処理液の塗布方法は特に制限されず、工業的に一般に用いられる、ロールコーター、カーテンフローコーター、スプレー塗装、ナイフコーター、浸漬等の種々の塗布方法が適用できる。
皮膜の焼付けも、通常実施される、熱風式、赤外線式、誘導加熱式等の方法によって実施でき、従来の重クロム酸塩なみの焼付温度、即ち、200〜330℃の温度範囲で1分以内の短時間の焼付きによる成膜で、耐水性と密着性に優れ、美麗外観、絶縁性も良好な絶縁皮膜が生成する。
電磁鋼板の絶縁皮膜の膜厚は、0.05μm以上、2μm以下が好ましい。膜厚が0.05μm未満であると、均一塗布が困難になるだけでなく、焼鈍時の耐焼付き性および耐食性、層間抵抗が不足する。膜厚が2μmを超えると、層間抵抗の向上しろが飽和する上、皮膜の密着性が低下するようになる。膜厚の上限は1.5μm以下とすることがより好ましい。
層間抵抗、即ち、絶縁性が主に要求される場合には、膜厚を0.5μm以上とするのがよい。逆に、例えば、鉄芯や回転機の生産時の生産性の向上のために溶接性の改善が要求される場合には、0.5μm未満、好ましくは0.25μm以下の薄膜とすることが要求される。このように、用途で重視される性能に応じて、膜厚を設定することができる。本発明の処理液は、上記のような薄膜塗装も可能であり、薄膜でも良好な諸性能を得ることが可能である。
本発明に係る処理液から形成された絶縁皮膜を有する電磁鋼板は、打ち抜き性にも優れているので、常法に従って容易に打ち抜き加工をすることができる。また、打ち抜き加工後に積層と溶接又は機械的な一体化により鉄心を形成した後、電気機器に組み込む前に、700〜800℃で歪取り焼鈍を実施してもよく、絶縁皮膜が焼鈍後も高い密着性を保持し、歪取り焼鈍中の絶縁皮膜の剥離が防止され、所定の特性を有する鉄心を確実に製作することができる。歪取り焼鈍は、上記温度条件で常法に従って実施すればよい。
以下に示す実施例により本発明を具体的に例示するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。実施例中の%および部は、特に指定しない限り、固形分換算での質量%および質量部である。
(実施例1)
多価金属の第一リン酸塩として第一リン酸アルミニウム(Al/P原子比=0.9/3)6.25%および第一リン酸マグネシウム(Mg/P原子比=0.85/2)2.08%を含有し、さらに水酸化マグネシウム1.2%、キレート剤として1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸0.03%、合成樹脂としてアクリルスチレン系合成エマルジョン樹脂2.07%、ポリアミンとして上記一般式(5)で示される芳香族ポリアミン(三菱ガス化学製、商品名「ガスカミン328」)0.1%を含有する水溶液からなる処理液を調製した。この処理液の安定性を下記方法で評価した結果を、処理液組成と一緒に表1に示す。
この処理液を、0.1%のSiを含む板厚0.5mmの電磁鋼板の両面に、焼付け後の絶縁皮膜の膜厚が0.05〜2.0μmとなるようにロールコーターで塗布した後、熱風炉で最高到達板温度が270℃となるように30秒間加熱して塗膜を焼付け、絶縁皮膜を形成した。得られた絶縁皮膜付き電磁鋼板の耐水性(べたつきと白化)、密着性、塗装外観、歪取り焼鈍後の耐剥離性を下記方法により評価した。結果を表2に合わせて示す。
(実施例2〜16、比較例1〜7)
表1に示す組成とした他は実施例1と同じ方法で処理液を調製し、評価した。結果は表1に一緒に示す。
使用した一般式(1)〜(6)で示されるポリアミンのうち、一般式(5)のものは実施例1で使用したものと同じであった。残りのポリアミンの詳細は次の通りである。
一般式(1):ポリエチレンイミン(商品名「エポミンSP−018」、分子量1800、日本触媒化学工業製)
一般式(2):トリエチレンテトラミン(商品名「トリエチレンテトラミン」、東ソー)
一般式(3):ポリアミンスルホンおよびその誘導体(商品名「PAS−A−5」、日東紡績)
一般式(4):ポリアリルアミン(商品名「PAA−03」、日東紡績)
一般式(6):芳香族ポリアミン(商品名「アニリックスマレイミド」、三井化学ファイン)。
(評価方法)
上記実施例および比較例における試験方法の概要を次に説明する。
[処理液の安定性]
処理液を40℃で6ヶ月間保存した後、目視で観察した処理液の状態(固形物の発生の有無)により次のように評価をした:
○:固形物が発生しない場合、
×:固形物が発生する場合。
[塗装外観(絶縁皮膜の外観)]
塗装により絶縁皮膜を形成した電磁鋼板の試験片の外観を目視により観察した。下記の3段階で評価を行い、○を合格とした:
○:クリアー皮膜(全面的に透明)、
△:部分的に透明性の劣る部位がある、
×:全面的に透明性が劣る。
[電磁鋼板の耐水性]
50℃、98%RHの湿潤試験機内に、絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を吊るし、72時間経過後の皮膜表面の状態を、触手によるべたつきの有無と、色差測定による白化の程度により評価した。評価は下記の4段階にて行い、○、◎を合格とした。皮膜の白化については、ミノルタ製全反射型色差測定器CR−300を使用し、JIS−Z8730で規定されるL値(白さを表す数値)を試験前後に測定し、そのL値の変化(ΔL)の大きさで白化を判断した:
◎:べたつきなし、白化なし(ΔL≦2)、
○:べたつきなし、白化やや有り(2<ΔL≦5)、
△:べたつき有り、白化有り(5<ΔL≦10)、
×:べたつき有り、白化顕著(ΔL>10)。
[絶縁被膜の密着性]
長さ50mm、幅25mmの絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を、直径5mmの鉄棒に巻き付け、巻き付けた外側の部分についてテープ剥離試験を行って、鋼板に残存した絶縁皮膜の状況を調査した。下記の4段階で評価を行い、◎、○を合格とした:
◎:皮膜剥離なし、
○:皮膜剥離発生(面積率で5%以下)、
△:皮膜剥離発生(面積率で5%超、30%以下)、
×:皮膜剥離発生(面積率で30%超)。
[焼鈍後の耐剥離性]
長さ50mm、幅25mmの絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を、直径10mmの鉄棒に巻き付け、その状態で焼鈍を模した熱処理(N2中、750℃×120分間の加熱後に放冷で冷却)を受けさせた後、巻き付けた外側の部分についてテープ剥離試験を行って、鋼板に残存した絶縁皮膜の状況を調査した。下記の4段階で評価を行い、◎、○を合格とした:
◎:皮膜剥離なし、
○:皮膜剥離発生(面積率で5%以下)、
△:皮膜剥離発生(面積率で5%超、30%以下)、
×:皮膜剥離発生(面積率で30%超)。
Figure 0005596300
表1からわかるように、本発明に従った組成を有する処理液を用いた実施例1〜15では、従来のクロム酸塩系処理液と同様の低い温度および短時間の焼付け(270℃×30秒)で成膜したにもかかわらず、1.0μm、0.5μm、さらには0.05μmといった薄膜であっても、良好な皮膜外観が確保され、SEM観察で径1μmを超える凹凸の生成がなく、耐水性、密着性も十分に良好であった。また、処理液の安定性が高く、処理液中での二次粒子径の増大(処理液中での合成エマルジョン樹脂粒子の凝集)も見られなかった。また、焼鈍後の耐剥離性も良好であった。
これに対し、処理液がポリアミン(C)を含有しない比較例1では、絶縁皮膜形成後の塗装外観、被膜密着性および焼鈍後の耐剥離性が悪かった。また、ポリアミンではなく、単なる多価アミン化合物又はモノアミン化合物(第四級アンモニウム塩)を使用した比較例2、3は処理液安定性が悪く、また焼鈍後の耐剥離性にも劣った。従って、本発明による焼鈍後の耐剥離性の改善は、ポリアミンに限られた効果であることがわかる。
さらに、多価金属の第一リン酸塩(A)におけるΣMi/ΣPiの比が本発明で規定する範囲を外れた比較例4および5、キレート剤(B)を添加しなかったか、その添加量が範囲外であった比較例6および7でも、皮膜外観、耐水性、密着性、焼鈍後の耐剥離性の少なくともいずれかが損なわれ、多くは処理液の安定性もよくなかった。

Claims (13)

  1. 水性溶媒中に、多価金属の第一リン酸塩(A)と、キレート剤(B)と、ポリアミン(C)と、が溶解している処理液からなり、該多価金属の第一リン酸塩(A)の多価金属カチオンの価数×モル数の積の総和ΣMiとリンのモル数ΣPiとの比が下記の式(1)を満たし、該キレート剤(B)のモル数と分子中の酸基数の積の総和をΣOiとするとき、この総和の前記ΣMiに対する比が下記の式(2)を満たし、該ポリアミン(C)は、分子内に1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム基、もしくはアミド基を構成する窒素原子を2以上有する水または酸に可溶の化合物またはこれらの化合物の混合物からなる、ことを特徴とする電磁鋼板の絶縁皮膜形成用処理液。
    1.5≦ΣMi/ΣPi≦5 ・・・ (1)
    0.1≦ΣOi/ΣMi≦5 ・・・ (2)
  2. 前記多価金属の第一リン酸塩(A)が、Al、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnの1種または2種以上の金属の第一リン酸塩である、請求項1記載の絶縁皮膜形成用処理液。
  3. 前記多価金属の第一リン酸塩(A)が、第一リン酸アルミニウムおよび/または第一リン酸マグネシウムである、請求項2記載の絶縁皮膜形成用処理液。
  4. 前記キレート剤(B)が、ホスホン酸化合物、またはホスホン酸化合物およびカルボン酸化合物からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁皮膜形成用処理液
  5. 前記ポリアミン(C)が、下記一般式(1)〜(6)のいずれかで示される化合物から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか記載の絶縁皮膜形成用処理液。
    Figure 0005596300
    式中、
    mは1以上の整数であり;
    nは2以上の整数であり;
    R,R'およびR"はそれぞれ炭素数1〜3のアルキレン基であって、互いに同一であっても異なっていてもよく;
    1およびR2はそれぞれHまたはメチル基であって、互いに同一でも異なっていてもよく;
    3はピリジル基または−CH2NH2であり;そして
    -はハロゲンイオンである。
  6. 前記ポリアミン(C)が上記一般式(5)で示される化合物であり、式中、mは1〜12の整数である、請求項5記載の絶縁皮膜形成用処理液。
  7. さらに水酸化マグネシウムを含有する、請求項1〜6のいずれか記載の絶縁皮膜形成用処理液。
  8. さらにホウ酸を含有する、請求項1〜7のいずれか記載の絶縁皮膜形成用処理液。
  9. さらに合成樹脂を含有する、請求項1〜8のいずれか記載の絶縁皮膜形成用処理液。
  10. 処理液中の多価金属の第一リン酸塩(A)の濃度が1〜50質量%である、請求項1〜9のいずれか記載の絶縁皮膜形成用処理液。
  11. 請求項1〜10のいずれか記載の処理液から形成された絶縁被膜を少なくとも片面に有することを特徴とする電磁鋼板。
  12. 絶縁被膜の膜厚が片面当たり0.05μm以上、2μm以下である、請求項11記載の電磁鋼板。
  13. 請求項1〜10のいずれか記載の処理液を電磁鋼板の少なくとも片面に塗布した後、200〜330℃で加熱して塗膜を焼き付け、電磁鋼板の表面に絶縁被膜を形成することを特徴とする電磁鋼板の処理方法。
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