JP3718638B2 - 絶縁皮膜付き電磁鋼板およびその製造方法。 - Google Patents

絶縁皮膜付き電磁鋼板およびその製造方法。 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁皮膜付き電磁鋼板とその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、6価クロムや6価クロム由来の3価クロム等といったクロム分を含まない、リン酸塩系の絶縁皮膜を有する電磁鋼板であって、従来のリン酸塩系絶縁皮膜より皮膜特性が著しく改善され、従来の一般的な絶縁皮膜である重クロム酸塩系皮膜と同等の性能を有する絶縁皮膜付き電磁鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転機や変圧器の鉄芯に使用される電磁鋼板の絶縁皮膜は、層間抵抗だけでなく、ユーザーにおける利便性(打抜き性、溶接性、耐熱性、かしめ性)等の種々の特性が要求される。
【0003】
現在一般に使用されている無方向性電磁鋼板用の絶縁皮膜は、下記の3種に大別される (日本鉄鋼協会主催第155, 156回西山記念技術講座「軟磁性材料の最近の進歩」、平成7年(1995)7月1日発行、181 頁参照) :
(1) 耐熱性が重視され、歪取焼純可能な無機皮膜;
(2) 打抜性と溶接性の両立を目指した歪取焼純可能な樹脂含有半有機皮膜;
(3) 特殊用途用の歪取焼鈍不可の有機皮膜。
【0004】
歪取焼純可能な汎用の絶縁皮膜は(1), (2)の無機成分を含む皮膜であり、特に(2) の半有機皮膜は、(1) の無機皮膜に比較して打抜性が格段に優れるため、広く利用されている。
【0005】
これまで、上記(1), (2)の絶縁皮膜中に含まれる無機成分としては、重クロム酸塩が広く用いられてきた。重クロム酸塩を含む絶縁皮膜は、6価クロムと多価金属イオンを含む水溶液に、エチレングリコールやグリセリンなどの有機還元剤を混合して得た処理液を、素地鋼板に塗布し、焼付けることにより製造される。焼付け中に6価クロムが3価クロムに還元されて造膜するので、絶縁皮膜は主に3価クロムを含有する。
【0006】
しかし、処理液中に多量に含まれる6価クロムは、毒性が強く、製造に携わる人間の健康を害する可能性が懸念される。また、絶縁皮膜中に含まれる3価クロムは、6価クロムに比べれば毒性は格段に小さいが、完全に無毒とは言えない。このように、重クロム酸塩を用いる絶縁皮膜は、製造時および製品段階で、人間あるいは環境に有害であることが懸念されることから、絶縁皮膜をクロムフリーにすることが望まれている。
【0007】
絶縁皮膜の無機成分に使用できる、重クロム酸塩以外の無機成分として、多価金属リン酸塩がある。リン酸塩水溶液は、塗装可能な処理液として工業的に比較的安価に得られ、無機成分としては数少ない造膜可能な系であるため、従来より絶縁皮膜用の無機成分として検討され、製品としても使用されてきた経緯がある(例えば、特公昭53−28375 号公報)。
【0008】
特開平6−330338号公報、特開平11−131250号公報および特開平11−152579号公報には、多価金属リン酸塩と水性有機樹脂を混合した処理液を塗布し、焼付けることによりリン酸塩系の半有機皮膜を形成する無方向性電磁鋼板の製造方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者らが検討したところ、単に多価金属リン酸塩と水性有機樹脂を混合しただけの処理液を用いると、塗布・焼付け後に形成された絶縁皮膜が白濁したり、耐水性や密着性に劣ることが判明した。
【0010】
絶縁皮膜付きの電磁鋼板は、絶縁皮膜により防錆性も付与されるため、防錆油塗布などの防錆手段がとられることなく出荷されるのが普通である。防錆油を塗布してしまうと、後で洗浄作業が煩雑になるからである。ところが、リン酸塩系絶縁皮膜の多くは、無機系と半有機系のいずれであっても、高温多湿雰囲気にさらされると、耐水性の劣化により白濁し、結果として点錆が発生することが本発明者らの検討で散見された。この白濁や点錆は、従来のクロム酸塩系皮膜では特に顕著に現れる現象ではなかった。
【0011】
これまで無方向性電磁鋼板用の半有機皮膜としてリン酸塩系皮膜が使用されてきた例はいくつか有るものの、特に高温多湿雰囲気での白濁等の変質が起こらず、耐水性が従来の重クロム酸塩系皮膜並みに優れているリン酸塩系の絶縁皮膜は存在しなかった。
【0012】
本発明の目的は、耐水性をはじめとする皮膜性能が、従来の重クロム酸系皮膜と同等の性能を有する、リン酸塩系の絶縁皮膜付き電磁鋼板およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
無機成分が多価金属リン酸塩からなるリン酸塩系の絶縁皮膜が、高温多湿雰囲気で白濁や点錆といった耐水性の劣化を生ずるのは、乾燥後の皮膜中に含まれるFeイオンとリン酸イオンとの反応生成物 (その詳細な化学式および構造は不明である) に原因があることが判明した。
【0014】
図1は、絶縁皮膜中に含まれるPに対するFeのモル比と、皮膜の耐水性との関係を調査した結果である。Fe/Pモル比が大きいほど、高温多湿雰囲気下での白濁が進行し、耐水性が劣化した皮膜となるという結果が得られた。
【0015】
これは、多価金属リン酸塩を含む絶縁皮膜形成用処理液がかなり強い酸性であることに根本的な原因があると考えられる。この酸性の処理液を鋼板表面に塗布すると、処理液が鋼板表面を溶解し、乾燥途上にある皮膜中に鋼板からFeがイオン化して溶出する。そのため、焼付けにより形成された乾燥皮膜は、Feとリン酸との非晶質あるいは結晶質の塩を含むことになる。この塩は、絶縁皮膜中で微細な粒子を形成して、成膜性 (白濁した皮膜の外観) や密着性 (リン酸とFeの塩を基点として皮膜剥離が生じる) を阻害し、ひいては耐水性をも低下させる。Feの溶出量が多い、即ち、Fe/Pモル比が高いほど、上記の塩の生成量が増え、耐水性が低下する。
【0016】
図1に示すように、皮膜中のFe/Pモル比を0.1 以下にすると、耐水性が良好で、白濁のない多価金属リン酸塩系絶縁皮膜となることがわかった。それには、処理液を塗布した際の鋼板からのFeの溶出を抑えるように、処理液の酸性度を低下させる、即ち、多価金属リン酸塩を含有する処理液を適当なアルカリで中和することが有効であるが、処理液の安定性が失われやすい (沈殿を生じやすくなり、液寿命が悪化する) という欠点がある。
【0017】
中和以外の方法について検討を重ねた結果、多価金属リン酸塩を含有する酸性の処理液に少量の腐食抑制剤を添加すると、処理液の安定性を損なうことなく、処理液塗布時の鋼板からのFeの溶出を抑制することができ、成膜性や耐水性の向上が可能となることを見出した(図2参照)。
【0018】
以上の知見に基づいて完成した本発明は、1面において、少なくとも片面に多価金属リン酸塩からなる絶縁皮膜を備えた絶縁皮膜付き電磁鋼板であって、該被膜に含まれるFeとPのモル比が下式(I) の関係を満たし、かつ絶縁皮膜の付着量が片面当たり0.1 g/m2以上、3.0 g/m2以下であることを特徴とする、絶縁皮膜付き電磁鋼板である。
【0019】
0≦Fe/P≦0.10 ‥‥ (I)
好適態様においては、前記多価金属リン酸塩はAlおよび/またはMgのリン酸塩を主成分とするものであり、および/または前記絶縁被膜は有機樹脂をさらに含有する半有機皮膜である。
【0020】
無機絶縁皮膜を有する本発明の電磁鋼板は、1〜50質量%の多価金属リン酸塩および 0.001〜1質量%の腐食抑制剤を含有する水溶液からなる処理液を鋼板の少なくとも片面に塗布し、乾燥することを特徴とする方法により製造することができる。
【0021】
また、有機樹脂を含む半有機絶縁皮膜を有する本発明の電磁鋼板は、1〜50質量%の多価金属リン酸塩および 0.001〜1質量%の腐食抑制剤を含有する水溶液に、多価金属リン酸塩100 質量部当たり3〜100 質量部の量の水性有機樹脂を含有させた処理液を鋼板の少なくとも片面に塗布し、乾燥することを特徴とする方法により製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の絶縁皮膜付き電磁鋼板の素地鋼板は特に限定されず、一般的な熱延鋼板、冷延鋼板を含む種々の組成のものが使用できる。即ち、電磁鋼板として一般的な珪素鋼板に限らず、Siをほとんど含まない普通鋼も使用可能である。珪素鋼板の場合、無方向性と方向性のいずれでもよい。素地鋼板は、絶縁皮膜付き電磁鋼板の用途に応じて適宜選択することができる。
【0023】
本発明の電磁鋼板は、多価金属リン酸塩からなるリン酸塩系の絶縁皮膜を備える。この絶縁皮膜は、実質的に多価金属リン酸塩のみからなる無機皮膜であっても、さらに有機樹脂を含有する半有機皮膜であってもよい。
【0024】
本発明によれば、このリン酸塩系の絶縁皮膜は、Fe/Pモル比が下記(I) 式で規定される範囲となるように、皮膜中のFe量が制限される。
0≦Fe/P≦0.10 ‥‥ (I)
それにより、リン酸塩系絶縁皮膜の耐水性が著しく改善され、白濁や点錆の発生がない絶縁皮膜となる。皮膜中のFe/Pモル比は、好ましくは0.08以下であり、皮膜の耐水性がさらに改善される。
【0025】
絶縁皮膜中のFeおよびP量は、皮膜断面方向からのEPMA(電子線マクロアナライザー) や表面からのXPS(X線光電子分光法)で測定可能である。また、化学的な分析方法でも可能である。
【0026】
化学分析の一例は、絶縁皮膜付き電磁鋼板を無水クロム酸水溶液に浸漬して絶縁皮膜を溶解させ、溶解液に含まれるFe量よびP量をICP(誘導結合プラズマ分析)などにより定量する方法である。本発明者らはこの方法で皮膜中のFe量を分析した。この場合、地鉄から溶出するFeもあるため、絶縁皮膜を有しない同組成の鋼板だけを同じ条件で無水クロム酸水溶液に浸漬して、鋼板のみからのFe溶解量も求める。
【0027】
絶縁皮膜中のFe量 (g/m2) は、[(A−B) /C] なる式により算出され、ここで、Aは絶縁皮膜付き電磁鋼板からのFe溶解量(g) 、Bは鋼板のみからのFe溶解量(g) 、Cは試験片の面積(m2)である。
【0028】
前述したように、リン酸塩系絶縁皮膜中のFeは、皮膜の形成中 (処理液の塗布から塗膜の乾燥までの間) に処理液が鋼板表面を溶解してFeが皮膜中に溶出することに起因し、皮膜形成中の鋼板の溶解を抑える手段を講じない限り、形成された絶縁皮膜中のFe量は、上記(I) 式で規定されるFe/Pモル比の上限である0.10を超えてしまう。
【0029】
従って、本発明のリン酸塩系絶縁皮膜は、皮膜形成中の鋼板の溶解を抑える何らかの手段をとることにより形成することができる。この手段は、例えば、処理液にアルカリ類(アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの水酸化物または炭酸塩等)を加えて酸性度を低下させることであってもよい。このような中和により皮膜中のFe/Pモル比を0.10以下に低減させた多価金属リン酸塩からなる絶縁皮膜を有する電磁鋼板も、本発明に係る電磁鋼板の範囲内である。しかし、既に説明したように、このアルカリによる中和は、処理液中の水溶性多価金属リン酸塩の沈殿を生じやすく、処理液が不安定になるので、工業的に好ましい方法ではない。
【0030】
そのため、後述する本発明に係る製造方法に従って、腐食抑制剤を添加した処理液を使用することで皮膜形成中の鋼板の溶解を抑制し、Fe/Pモル比が0.10以下の絶縁皮膜を形成することが好ましい。この方法については、後で詳しく説明する。
【0031】
本発明の電磁鋼板において、絶縁皮膜の付着量は0.1 g/m2以上、3 g/m2以下とすることが好ましい。皮膜厚が0.1 g/m2未満であると、均一塗布が困難になるだけでなく、焼鈍時の耐焼付き性、耐食性 (防錆性) 、層間抵抗が不足する。付着量が3 g/m2以上になると、層間抵抗の向上しろが飽和する上、皮膜の密着性が低下するようになる。
【0032】
絶縁皮膜の付着量は、層間抵抗、すなわち、絶縁性が重視される用途では1.0 g/m2以上とするのがよく、鉄芯や回転機の生産時の生産性に関わる、例えば溶接性などが重視される用途では、薄膜が有利であるので、0.5 g/m2以下とすることが好ましい。このように、用途に応じて重視される性能に有利なように付着量を決定すればよい。
【0033】
本発明の電磁鋼板の絶縁皮膜の構成成分については、本発明の製造方法と合わせて一緒に次に説明する。
リン酸塩系の絶縁皮膜は、処理液として多価金属リン酸塩化合物の水溶液を使用し、この処理液を素地鋼板に塗布した後、焼付けを行って塗膜を乾燥させることにより、一般に形成される。半有機皮膜とする場合には、処理液に水性有機樹脂 (エマルジョン樹脂または水溶性樹脂) を添加する。
【0034】
絶縁皮膜を形成するベース成分である多価金属リン酸塩は、水溶性で、かつ焼付けにより絶縁性のリン酸塩皮膜を形成できるものであれば特に制限はない。一般に、水溶性の高い第一リン酸塩、即ち、オルトリン酸の3個の水素の1つだけが金属と置換した構造を持つ多価金属リン酸塩を使用することが好ましい。
【0035】
特に好ましい多価金属リン酸塩は、第一リン酸アルミニウム[Al(H2PO4)3]である。第一リン酸アルミニウムの水溶液は、絶縁性が高い皮膜を形成することができる上、この水溶液は工業的に安価に得ることができる。第一リン酸アルミニウムの水溶液は、Al/Pのモル比が化学量論比の1/3 である必要はないが、0.7/3〜1.2/3の範囲内のものが好ましい。この範囲外では、水溶液の安定性または皮膜形成性が低くなる傾向がある。
【0036】
第一リン酸マグネシウム[Mg(H2PO4)2]も好ましい多価金属リン酸塩であり、その場合のMg/Pのモル比は、同じ理由で、0.7/2〜1.2/2の範囲が好ましい。
このように、多価金属リン酸塩は、アルミニウム塩およびマグネシウム塩が、溶解度が高く高濃度の処理液が得られやすい、工業的に安価、といった理由から好ましいが、他の2価、3価の金属塩(Ca塩、Sr塩、Ba塩、Zr塩など)も使用できる。また、金属塩は2種以上を使用することもできる。例えば、市販の第一リン酸アルミニウムまたはマグネシウムの水溶液に、上記の他の多価金属イオンを添加して、リン酸イオンに対する多価金属イオンのモル比を高めた水溶液も処理液として使用できる。その場合、リン酸アルミニウム塩またはマグネシウム塩がリン酸塩の主成分となるように、他の金属を添加することが、水溶液の安定性の点で好ましい。
【0037】
処理液中の多価金属リン酸塩の濃度 (固形分含有量) は、1〜50質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。多価金属リン酸塩の濃度が1質量%より低いと、処理液を塗布した時の造膜性が乏しく、皮膜が形成できても、耐水性が低下した皮膜となる傾向がある。多価金属リン酸塩の濃度が50%を超えると、処理液の安定性が低下し、固形物の沈殿や粘度の上昇を生じ易くなる。
【0038】
絶縁皮膜は、有機樹脂を含有する、打抜き性のよい半有機皮膜とすることもできる。その場合には、多価金属リン酸塩の水溶液に有機樹脂を含有させた処理液を使用する。有機樹脂としては、処理液が多価金属リン酸塩の水溶液をベースとすることから、水性有機樹脂を使用する。この水性有機樹脂は、エマルジョン、分散液、水溶液のいずれの形態でもよい。
【0039】
処理液に添加する有機樹脂は熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもよい。本発明で使用するのに適した有機樹脂の例としては、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。有機樹脂は、1種単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。
【0040】
処理液に添加する有機樹脂の量は、多価金属リン酸塩 (水溶液の場合には固形分質量) 100 質量部に対して、樹脂固形分として3〜100 質量部の範囲とすることが好ましい。有機樹脂が3質量部より少ないと、打抜性が十分に得られない。有機樹脂が100 質量部を超えると、歪取焼鈍後の層間抵抗が低下する。この有機樹脂の量は、より好ましくは5〜50質量部であり、さらに一層好ましくは7〜30質量部である。
【0041】
多価金属リン酸塩をベースとする処理液を鋼板に塗布した際に、鋼板からのFe溶出を抑制し、皮膜に取り込まれるFeを低減させるには、腐食抑制剤の添加が効果的である。
【0042】
腐食抑制剤としては、鋼板の腐食抑制に効果があることが知られている化合物が使用でき、例えば、第4級アンモニウム塩、有機硫黄化合物、アミン等が挙げられる。
【0043】
第4級アンモニウム塩としては、イミダゾリン化合物を4級化剤により4級化して得られる化合物、窒素原子を含む脂環式化合物を4級化剤により4級化して得られる化合物、キノリンおよびイソキノリン化合物を4級化剤により4級化して得られる化合物等を挙げることができる。
【0044】
有機硫黄化合物としては、チオ尿素誘導体、メルカプト基を含有する化合物等が挙げることができる。
アミン化合物としては、第1級、第2級、第3級のアルキルアミンを挙げることができる。
【0045】
これらの腐食抑制剤は1種類だけを使用してもよいが、2種以上を混合することで相乗効果が得られる場合が多いので、2種以上を混合して用いてもよい。
腐食抑制剤は、多価金属リン酸塩が溶解している処理液中に 0.001〜1質量%の濃度となるように添加することが好ましい。この添加量が0.001 質量%より少ないと、腐食抑制効果が乏しくなり、鋼板からのFe溶出を充分に抑制できないことがある。腐食抑制剤の添加量が1%より多くなると、絶縁皮膜の耐水性、密着性が低下することがある。
【0046】
実際の腐食抑制剤の添加量は、Fe/Pモル比が0.10以下の絶縁皮膜を形成するのに充分な量とする。この量は、処理液中の多価金属リン酸塩の濃度によっても異なり、リン酸塩濃度が高いほど腐食抑制剤の添加量の多くすることが好ましい。適正な腐食抑制剤の添加量は、当業者であれば実験により決定できる。
【0047】
本発明で使用する処理液には、特に歪取焼鈍後の耐食性を向上させるために、ホウ酸を添加してもよい。ホウ酸配合量は、多価金属リン酸塩のP換算100 質量部あたり、B換算で50質量部以下とすることが好ましい。添加量が過多であると層間抵抗や歪取焼鈍後の耐食性は向上するものの、処理液中に全てが溶解することができず、沈殿することがあるためである。
【0048】
また、本発明の処理液に層間抵抗を向上させるためにコロイダルシリ力を配合してもよい。コロイダルシリ力の添加量は多価金属リン酸塩がP換算100 質量部あたり、Si換算で50質量部以下が好ましい。シリカ添加量が過多であると、処理液の安定性が失われたり、表面性状が損なわれることがあるためである。
【0049】
説明した成分以外に、処理液中に必要に応じて防錆剤、消泡剤、処理液安定化剤等の他の添加剤を配合してもよい。
本発明の絶縁皮膜付き電磁鋼板を製造する際には、本発明の処理液の多価金属リン酸塩ならびに必要に応じて使用される有機樹脂および添加剤(腐食抑制剤を含む)を配合した処理液を、素地鋼板の表面に塗布して焼付処理して絶縁皮膜を形成することができる。
【0050】
処理液の塗布方法は、特に制限されず、工業的に一般に用いられる、ロールコーター、カーテンフローコーター、スプレー塗装、ナイフコーター等の種々の方法または装置が適用できる。電磁鋼板の絶縁皮膜は、通常は素地鋼板の両面に形成するが、片面だけに形成することも可能である。塗布は、焼付けによる塗膜の乾燥後に前述した付着量の絶縁皮膜が形成されるように行う。
【0051】
塗膜の焼付けも、一般に用いられる熱風式、赤外式、誘導加熱式等の加熱方法により行うことができる。この焼付けにより塗膜が乾燥して絶縁皮膜が形成される。焼付け中に、塗膜中の水溶性の多価金属リン酸塩は脱水・縮合を受けて、不溶性のリン酸塩 (例、ポリリン酸塩および/または第三リン酸塩) に変化し、不溶性の絶縁皮膜が形成される。また、熱硬化性樹脂を用いた半有機皮膜の場合には、焼付け中に有機樹脂が硬化する。焼付け温度は、このような変化を比較的短時間で達成できるように設定するが、通常は200 〜350 ℃の範囲である。
【0052】
この塗膜の焼付けによる乾燥に際して、耐水性の優れた絶縁皮膜を安定して形成するには、昇温速度を大きくしてすばやく加熱することが好ましい。昇温が遅いと、皮膜の耐水性が劣化する場合がある。その理由は完全には解明されていないが、処理液を鋼板に塗布した後、時間がたつにつれて鋼板の腐食が進むため、腐食抑制剤を配合してもFe/Pモル比が大きくなりやすいためではないかと推測される。
【0053】
そのため、処理液の塗布後は直ちに乾燥することが好ましく、その際の200 ℃までの昇温速度を10℃/秒以上とすることが好ましい。200 ℃まで昇温すると、未乾燥の塗膜はほぼ流動性を失うため、200 ℃を超える温度での昇温速度は特に限定されない。しかし、リン酸塩系皮膜の脱水・縮合反応を促進させるには、なるべく高温で焼き付けるのが好ましく、処理速度の高速化による経済面を考慮すると、200 ℃を超える温度域でも10℃/秒以上の昇温速度を維持するのが好ましい。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、実施例は本発明を制限するものではない。実施例中、%は特に指定のない限り、質量%である。
【0055】
実施例での調査項目の評価方法は次の通りである。
耐水性
50℃、98%RHの湿潤試験機内に、絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を吊るし、72時間後の皮膜表面の白化状態を目視観察した。評価は、下記の4段階にて行い、○と◎を合格とした。
【0056】
◎:白化が無く、光沢も良好;
○:白化は無いが、光沢がやや低下;
△:白化が少し有り(白ぼけ感有り);
×:白化顕著 (白濁) 。
【0057】
絶縁皮膜の密着性
絶縁皮膜付き電磁鋼板の試験片を直径10 mm の鉄棒に巻き付け、巻き付けた外側の部分について、接着テープ剥離試験を行い、鋼板に残存した絶縁皮膜の剥離の有無と剥離面積 (評価部分の面積率) を調査した。評価は下記の4段階で評価を行い、◎と○を合格とした。
【0058】
◎:皮膜剥離無し;
○:皮膜剥離発生(5%以下);
△:皮膜剥離発生(5%を超え、30%以下);
×:皮膜剥離発生(30%超)。
【0059】
処理液の安定性
作製した処理液500 mlを、直ちにガラス容器に入れて密閉した後、室温(約25℃)で15日間放置し、放置後の処理液を目視観察し、処理液の透明性、白色化および処理液中の浮遊物の有無について調査した。評価は下記の4段階にて行い、○と◎を合格とした。
【0060】
◎:処理液は透明で、浮遊物無し;
○:作製直後に比べて白色化するが透明で、浮遊物無し;
△:作製直後に比べて白色化し、不透明で、浮遊物発生;
×:白濁し、不透明で、液中に浮遊物が、容器底には沈降物が発生。
【0061】
打抜性
打ち抜き寸法:15 mm 角
クリアランス:鋼板板厚の5%
打ち抜き工具:SKD-11
打ち抜き速度:350 ストローク/分
上記条件にて作製した絶縁皮膜付き電磁鋼板の打抜きを行い、打ち抜き片のかえり高さが50μmに達するまでの打ち抜き数を求めた。評価は下記の基準により行い、◎と○を合格とした。
【0062】
◎:200 万回超;
○:100 万〜200 万回;
△:10万〜100 万回未満;
×:10万回未満。
【0063】
【実施例1】
第一リン酸アルミニウム水溶液(Al/Pモル比=1/3、固形分濃度50%)に、腐食抑制剤 (イソキノリンの4級化化合物とチオ尿素誘導体との混合物)を、種々の濃度で添加し、溶解させた。この水溶液を純水で希釈して、固形分濃度を10%に調整し、無機リン酸塩系皮膜形成用の処理液として使用した。
【0064】
作製した処理液を、Siを0.1 %含む板厚0.5 mmの電磁鋼板の両面に、焼付け後の絶縁皮膜付着量が1.5 g/m2となるようにバーコーターにより塗布した後、昇温速度20℃/秒で300 ℃まで鋼板を昇温し(所要時間14秒)、鋼板温度を300 ℃で保持したまま30秒間の乾燥・焼付けを行った (総所要時間44秒)。
【0065】
こうして形成された絶縁皮膜付き電磁鋼板の皮膜成分の分析結果(上述したクロム酸を用いた皮膜溶解法を使用)と性能評価の結果を、希釈後の処理液中の腐食抑制剤の濃度と併せて表1に示す。また、得られた結果を、図1にFe/Pモル比と耐水性との関係として、図2には腐食抑制剤の濃度とFe/Pモル比との関係として示す。
【0066】
【表1】
Figure 0003718638
【0067】
処理液に腐食抑制剤を0.001 %以上の量で添加することにより、鋼板からのFeの溶出が抑えられ、リン酸塩系絶縁皮膜のFe/Pモル比が0.1 以下の耐水性が良好なリン酸塩系絶縁皮膜を形成することができた。この耐水性の改善に併せて、密着性も改善傾向が見られた。
【0068】
【実施例2】
実施例1で使用した第一リン酸アルミニウム水溶液(Al/Pモル比=1/3、固形分濃度50%) に、市販のアクリルエマルジョンを、第一リン酸アルミニウム100 質量部(固形分換算)に対して0〜50質量部 (固形分換算) 添加し、実施例1で使用した腐食抑制剤を、次の希釈後に0.1 %濃度となるように溶解させた後、さらに純水で希釈して、固形分濃度が10%となるように調整した処理液を作製した。
【0069】
作製した処理液を、Siを0.1 %含む板厚0.5 mmの電磁鋼板の両面に、焼付け後の絶縁皮膜付着量が1.0 g/m2となるようにバーコーターにより塗布した後、実施例1と同様の条件で焼付けを行って塗膜を乾燥させた。
【0070】
こうして形成された絶縁皮膜付き電磁鋼板の皮膜成分の分析結果(上述したクロム酸を用いた皮膜溶解法を使用)と性能評価の結果を、アクリル樹脂の添加量 (固形分基準で第一リン酸アルミニウム100 質量部当たりの樹脂の質量部) および処理液の安定性の評価結果と併せて表2に示す。
【0071】
【表2】
Figure 0003718638
【0072】
アクリルエマルジョンを添加することで、打抜き性が良好になり、従来の重クロム酸塩+有機樹脂からなる半有機系皮膜とほぼ同レベルの打抜き性を示すようになる。腐食抑制剤の添加は、本発明の範囲の添加量であれば、処理液の安定性に悪影響を及ぼさない。
【0073】
【実施例3】
リン酸水溶液にアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、またはストロンチウムを添加し、それぞれ第一リン酸アルミニウム (Al/Pモル比=1/3)、第一リン酸マグネシウム(Mg/Pモル比=1/2)、第一リン酸カルシウム(Ca/Pモル比=1/2)、第一リン酸ストロンチウム(Sr/Pモル比=1/2) の固形分濃度の異なる水溶液を作製した。この水溶液に実施例1で使用した腐食抑制剤を0.1 %濃度となるように添加して、処理液を作製した。
【0074】
作製した処理液の安定性を調査した。その後、調査した処理液を用いて、Siを0.1 %含む板厚0.5 mmの鋼板の両面に、焼付け後の絶縁皮付着量が1.0 g/m2となるようにバーコーターで塗布し、実施例1と同様の条件で焼付けを行って塗膜を乾燥させた。
【0075】
こうして形成された絶縁皮膜付き電磁鋼板の皮膜成分の分析結果(上述したクロム酸を用いた皮膜溶解法を使用)と性能評価の結果を、第一リン酸塩の金属種とその処理液中の濃度および腐食抑制剤の添加量、ならびに処理液の安定性の評価結果と併せて表3に示す。
【0076】
【表3】
Figure 0003718638
【0077】
第一リン酸塩がアルミニウム塩またはマグネシウム塩であると、高濃度の処理液とした場合にも処理液の安定性が良好であった。第一リン酸塩がカルシウム塩またはストロンチウム塩の場合には、処理液中の濃度が10%以上になると、処理液の安定性が低下し、浮遊物などが生成することがあった。
【0078】
【実施例4】
第一リン酸アルミ水溶液水溶液(Al/Pモル比=1/3、固形分濃度50%)に含まれるリン酸塩100 質量部(固形分換算)に対し、樹脂固形分量で市販のアクリルスチレン共重合体エマルジョンを10質量部、酢酸ビニル系エマルジョンを5質量部添加し、純水で希釈して固形分濃度が10%となるように濃度を調整した。この希釈液に実施例1で使用した腐食抑制剤を0〜0.1 %添加して、塗布に用いる処理液を作製した。
【0079】
作製した処理液を、Siを0.1 %含む板厚0.5 mmの電磁鋼板の両面に、焼付け後の絶縁皮膜厚が1.5 g/m2となるようにバーコーターで塗布した後、200 ℃までの昇温速度を表4のように変化させ、さらに同じ昇温速度で300 ℃に昇温させた後、300 ℃に30秒間保持することにより焼付けを行い、塗膜を乾燥させた。
【0080】
こうして形成された絶縁皮膜付き電磁鋼板の皮膜成分の分析結果(上述したクロム酸を用いた皮膜溶解法を使用)と性能評価の結果を、腐食抑制剤の添加量、ならびに焼付け条件と併せて表4に示す。
【0081】
【表4】
Figure 0003718638
【0082】
表4に示すように、本発明に従って腐食抑制剤を添加した処理液を使用した場合には、鋼板温度が200 ℃までの昇温速度を10℃/秒以上とすることにより、絶縁皮膜の耐水性が特に改善され、密着性も良好となる。また、皮膜中のFe/Pモル比も、昇温速度が大きいほど低くなる傾向がある。しかし、腐食抑制剤を添加しない処理液では、昇温速度を高くしても、耐水性、密着性、Fe/Pモル比のいずれも、不十分なままであった。
【0083】
本発明に係る絶縁皮膜付き電磁鋼板は、6価クロムあるいは6価クロム由来の3価クロムを含まない、従来は耐水性に劣っていたリン酸塩系の皮膜であるが、実施例1〜4の結果から明らかなように、良好な耐水性をはじめとして、電磁鋼板用絶縁皮膜に必要な各性能を兼備している。また、この絶縁皮膜付き電磁鋼板は実用上十分な層間抵抗 (JIS-C-2550に準じて測定した時に5〜10Ω・cm/枚以上)を有する。
【0084】
【発明の効果】
本発明の絶縁皮膜付き電磁鋼板は、従来は耐水性に劣っていたリン酸塩系の絶縁皮膜を有するにもかかわらず、絶縁皮膜の耐水性が良好である。また、この絶縁皮膜は、従来の重クロム酸塩系絶縁皮膜と同様の焼付け温度で形成することができ、層間抵抗や半有機皮膜とした場合の打抜き性を始めとする他の特性も、重クロム酸塩系絶縁皮膜に匹敵する優れた性能を示すので、モーター用途をはじめ広範囲の用途に利用可能である。
【0085】
従って、本発明は、絶縁皮膜中にクロムを含まない、環境に配慮した絶縁皮膜付き電磁鋼板の性能を、従来の重クロム酸塩系の絶縁皮膜と同等レベルに引き上げることを可能にするものであり、その工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】多価金属リン酸塩系絶縁皮膜のFe/Pモル比と皮膜の耐水性との関係を示すグラフである。
【図2】多価金属リン酸塩水溶液からなる処理液中の腐食抑制剤の含有量と形成された絶縁皮膜中のFe/Pモル比との関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 少なくとも片面に多価金属リン酸塩からなる絶縁皮膜を備えた絶縁皮膜付き電磁鋼板であって、該被膜に含まれるFeとPのモル比が下式(I) の関係を満たし、かつ絶縁皮膜の付着量が片面当たり0.1 g/m2以上、3 g/m2以下であることを特徴とする、絶縁皮膜付き電磁鋼板。
    0≦Fe/P≦0.10 ‥‥ (I)
  2. 請求項1記載の絶縁皮膜付き電磁鋼板であって、前記多価金属リン酸塩がAlおよび/またはMgのリン酸塩を主成分とするものである絶縁皮膜付き電磁鋼板。
  3. 請求項1または2記載の絶縁皮膜付き電磁鋼板であって、前記絶縁被膜が有機樹脂をさらに含有する絶縁皮膜付き電磁鋼板。
  4. 請求項1または2記載の絶縁皮膜付き電磁鋼板の製造方法であって、1〜50質量%の多価金属リン酸塩および 0.001〜1質量%の腐食抑制剤を含有する水溶液からなる処理液を鋼板の少なくとも片面に塗布し、乾燥することを特徴とする、絶縁皮膜付き電磁鋼板の製造方法。
  5. 請求項3記載の絶縁皮膜付き電磁鋼板の製造方法であって、1〜50質量%の多価金属リン酸塩および 0.001〜1質量%の腐食抑制剤を含有する水溶液に、多価金属リン酸塩100 質量部当たり3〜100 質量部の量の水性有機樹脂を含有させた処理液を鋼板の少なくとも片面に塗布し、乾燥することを特徴とする、絶縁皮膜付き電磁鋼板の製造方法。
  6. 前記乾燥を、200 ℃までの昇温速度を10℃/秒以上として行う、請求項4または5記載の絶縁皮膜付き電磁鋼板の製造方法。
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