JP2009146788A - リチウム二次電池用正極形成用塗工液、リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用正極形成用塗工液、リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム二次電池の正極形成用塗工液における、活物質粒子の分散状態を改良し、長期間の保存による活物質粒子の凝集および沈殿を防止するとともに、活物質層を形成する場合に、活物質層における活物質の高密度充填を可能にする。
【解決手段】平均粒径1〜20μmの大粒径活物質と、平均粒径5〜100nmの小粒径活物質とを、その配合比が容積基準で90:10〜50:50になるように含有し、かつ平均粒径比(大粒径活物質の平均粒径/小粒径活物質の平均粒径)が50〜500である塗工液を用いる。この塗工液は長期間の保存安定性に優れ、活物質の高密度充填が可能なので、この塗工液を用いて正極を作製すれば、エネルギー密度および容量の高いリチウム二次電池が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池用正極形成用塗工液、リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池に関する。より詳しくは、本発明は、主に、リチウム二次電池用正極形成用塗工液の改良に関する。
充放電により、リチウムイオンの吸蔵および放出を可逆的に繰り返すことが可能な正極活物質を用いた非水電解質二次電池が提案され、既に実用化されている。このような非水電解質二次電池に用いられる正極は、一般的に、練合工程、塗工工程、圧延工程およびスリット工程を含む製造方法により製造されている。練合工程では、正極活物質、導電材および結着材を、分散媒中で混合、攪拌して、正極合剤ペーストを調製する。塗工工程では、練合工程で得られる正極合剤ペーストを正極芯材に塗工し、乾燥させて、正極芯材表面に正極活物質層を担持させる。圧延工程では、正極活物質層を圧延して所定の厚みに調整し、正極板を得る。スリット工程では、正極板を所定の寸法に裁断する。
上記各工程の中でも、練合工程で調製される正極合剤ペーストの良否が、最終的に得られる正極板の性能に大きな影響を及ぼす。特に、正極合剤ペーストにおける活物質などの固形成分の分散状態は重要である。例えば、正極合剤ペーストは、その調製から正極芯材に塗工されるまでの間、放置されることがある。このとき、固形成分の分散状態の経時変化が小さく、分散状態が安定していることが望まれる。より具体的には、時間が経過しても固形成分が沈降せず、粘度変化が小さく、適度なチキソトロピーを有し、塗工性が良好であることが望まれる。
上記のような特性を有する正極合剤ペーストを得るために、種々の提案がなされている。例えば、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を用い、かつ、均質化処理30分後の正極合剤ペーストの粘度A(cp)と、均質化処理2時間後の正極合剤ペーストB(cp)との比(B/A)が1.3以下である正極合剤ペーストが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、均質化処理とは、正極活物質5gを含む正極合剤ペーストを、容量45mlのボールミルに充填し、20℃、2500rpmで5分間混練することである。この技術によれば、正極合剤ペーストの調製後、正極合剤ペーストの粘度が数時間程度はほぼ安定である。しかしながら、数日またはそれ以上の長期にわたって粘度が安定な正極合剤ペーストを得るのは困難である。また、電池の高エネルギー密度化および高容量化のためには、正極活物質を正極活物質層に高密度充填する必要があるが、この技術では、正極活物質を満足できる水準まで充填できない。
また、正極活物質および導電材に、増粘剤を2回以上に分けて添加して練合し、ついで結着材を添加して練合する正極合剤ペーストの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、特許文献2には、正極活物質および導電材と増粘剤との練合は、ファニキュラー状態での固練り工程およびスラリー状態での希釈分散工程で行うことが記載されている。この技術により得られる正極合剤ペーストを正極芯材に塗工すると、表面に塗工すじおよび凝集塊が存在しない正極活物質層が形成される。また、この正極合剤ペーストを用いると、電池性能に優れる正極板を歩留まり良くかつ生産性良く製造できる。しかしながら、この技術には、正極活物質の高密度充填などの点で改良の余地が残されている。
一方、活物質の高密度充填化についても、種々の提案がなされている。例えば、平均粒径の異なる複数の活物質粒子群を含有し、平均粒径が最大である活物質粒子群の粒子径範囲が4〜50μmである電極が提案されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、特許文献3には、好ましい形態として、平均粒径が最小である活物質粒子群の平均粒径が、平均粒径が最大である活物質粒子群の平均粒径の70%以下である構成が記載されている。この技術によれば、大粒径活物質間の隙間に、小粒径活物質が入り込むことにより、電極の活物質密度が高まることが期待される。しかしながら、実際には、大粒径活物質間の隙間だけでなく、大粒径活物質と大粒径活物質との間にも小粒径活物質が入り込むため、期待通りの効果を得るのは困難である。
また、リチウムと遷移金属との複合酸化物からなる粒子の少なくとも表面を溶融させ、その後凝固させ、次いで凝固後の粒子を熱処理する正極活物質の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この技術によれば、リチウムと遷移金属との複合酸化物である活物質粒子が球状化される。その結果、活物質粒子間の摩擦が軽減され、充填率が向上し、高密度充填が可能になるとされている。しかしながら、単に活物質粒子を球状化するだけでは、十分な高密度充填を行い得ない。このことは、剛体球モデルから実証される。剛体球を細密充填した場合の充填率は74%に過ぎない。
一方で、剛体球モデルによれば、大平均粒径粒子7重量部に対して、大平均粒径粒子よりも平均粒径が著しく小さい小平均粒径粒子3重量部を用いる場合に、充填密度が最も高くなることが明らかにされている(例えば、非特許文献1参照)。
特開平10−64518号公報 特開2000−348713号公報 特開平8−227708号公報 特開2002−110156号公報 鈴木ら 化学工学論文集−1985年 第11巻 438〜443頁
本発明の目的は、保存安定性に優れ、しかも活物質の高密度充填が可能なリチウム二次電池用正極形成用塗工液、活物質が高密度で充填された正極、および高エネルギー密度かつ高容量のリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の平均粒径を有する2種類の活物質を併用する場合には、所望のリチウム二次電池用正極形成用塗工液が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、平均粒径1μm〜20μmの大粒径活物質と平均粒径5nm〜100nmの小粒径活物質とを含み、大粒径活物質と小粒径活物質との配合比が容積比で90:10〜50:50、大粒径活物質の平均粒径/小粒径活物質の平均粒径が50〜500であるリチウム二次電池用正極形成用塗工液(以下単に「本発明の塗工液」とする)に係る。
本発明の塗工液は、100Pa以上の降伏値を有するチキソトロピー性流体であることが好ましい。
本発明の塗工液において、ずり速度4/secにおける粘度η1(25℃)と、ずり速度40/secにおける粘度η2(25℃)との比(η1/η2)が5〜12であることが好ましい。
また本発明は、正極芯材と、正極芯材の厚み方向における一方または両方の表面に設けられる正極活物質層とを含み、
正極活物質層が平均粒径1μm〜20μmの大粒径活物質と平均粒径5nm〜100nmの小粒径活物質とを含有し、活物質の充填率が80%以上であるリチウム二次電池用正極(以下単に「本発明の正極」とする)に係る。
本発明の正極において、大粒径活物質と小粒径活物質との配合比率が容積比で90:10〜50:50であり、かつ大粒径活物質の平均粒径/小粒径活物質の平均粒径が50〜500であることが好ましい。
本発明の正極において、小粒径活物質が主として大粒径活物質の三重点に存在することが好ましい。
本発明の正極は、正極芯材の厚み方向における一方または両方の表面に、本発明の塗工液を塗布し、乾燥させることにより形成されることが好ましい。
また本発明は、本発明の正極を含むリチウム二次電池に係る。
本発明の塗工液は、数日またはそれ以上の長期にわたって保存しても、固形成分などの沈降、凝集およびそれに伴う粘度、チキソトロピーなどの変化が非常に少なく、保存安定性に優れている。また、本発明の塗工液を正極芯材に塗工すると、活物質が高密度で充填された正極活物質層を形成できる。また、本発明の塗工液は正極芯材に対する塗工性に優れ、歩留まりの低下がなくかつ効率よく正極芯材に塗工できるので、実用性が高く、工業的に有利である。
本発明の正極は、本発明の塗工液を用いて形成されるので、正極活物質が高密度で充填された正極活物質層を有し、電池の高エネルギー密度化および高容量化に寄与できる。
本発明のリチウム二次電池は、本発明の正極を含むことによって、非常に高いエネルギー密度および容量を有し、各種電気、電子機器類の電源として有用である。
[リチウム二次電池用正極形成用塗工液]
本発明の塗工液は、活物質として、大粒径活物質と小粒径活物質とを併用することを最大の特徴にしている。大粒径活物質は、平均粒径がミクロンサイズの活物質粒子である。また、小粒径活物質は、平均粒径がナノサイズの活物質粒子である。したがって、小粒径活物質の平均粒径は、大粒径活物質の平均粒径よりも小さい。
塗工液において、活物質粒子の沈降、凝集などに関する安定性を考える場合、塗工液の粘度は、塗工液の安定性を左右する主な要因の1つになる。そして、塗工液の粘度は、塗工液中に含有される活物質粒子などの固形成分の平均粒径に大きく依存している。
一般に、平均粒径がミクロンサイズである固形成分粒子(以下「ミクロンサイズ粒子」とする)を用いると、塗工液はその粘度がシェアに依存しないニュートン流体になるが、ミクロンサイズ粒子の沈降が短時間で進行するため、安定性の面で問題がある。一方、平均粒径がナノサイズである固形成分粒子(一次粒子、以下「ナノサイズ粒子」とする)を用いると、ナノサイズ粒子間の相互作用が強くなり、強いチクソ性が発現し、ナノサイズ粒子の濃度が高い塗工液を調製することが困難になる。その一方で、一般的な分散手法では、ナノサイズ粒子の凝集を完全に防止し得ない。このため、得られる塗工液は、ナノサイズ粒子が凝集した二次粒子の平均粒径に依存する流体特性を示す。二次粒子の平均粒径は、ミクロンサイズであることが多く、ミクロンサイズ粒子と同様の挙動を示す。すなわち、ナノサイズ粒子を用いても、ミクロンサイズ粒子を用いたのと同様の特性を示す塗工液が得られる。したがって、ナノサイズ粒子を用いても、塗工液中では二次粒子の沈降が進行し、高い安定性を有する塗工液を得ることは困難である。
これに対し、本発明の塗工液では、平均粒径がミクロンサイズの大粒径活物質と、平均粒径がナノサイズの小粒径活物質とを含んでいる。したがって、本発明の塗工液は、ミクロンサイズ粒子を含有する塗工液(以下「ミクロンサイズ塗工液」とする)と、ナノサイズ粒子を含有する塗工液(以下「ナノサイズ塗工液」とする)との中間的な流体特性を示すと考えるのが一般的である。しかしながら、予想外にも、本発明の塗工液は、ナノサイズ塗工液より大きなチクソ性を示し、長期にわたって高水準の安定性が保持される特徴的な流体特性を有する。
図1は、各種サイズ粒子の塗工液調製直後の分散状態を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す分散状態の保存過程での経時変化を模式的に示す断面図である。図1(a)および図2(a)はミクロンサイズ粒子の分散状態を示す。図1(b)および図2(b)はミクロンサイズ粒子とナノサイズ粒子とが共存した分散状態を示す。図1(c)および図2(c)はナノサイズ粒子の分散状態を示す。
ミクロンサイズ粒子またはナノサイズ粒子を単独で含む場合、塗工液調製直後には、各粒子が塗工液中に均一に分散している。しかしながら、塗工液を保存すると、ミクロンサイズ粒子では沈降が進行し、ナノサイズ粒子では凝集に伴う沈降が進行する。これに対し、ミクロンサイズ粒子とナノサイズ粒子との共存状態では、保存後でも、塗工液調製直後と同様の分散状態が維持される。これは、次のような理由によるものと推測される。
ミクロンサイズ粒子とナノサイズ粒子とが共存することで、ミクロンサイズ粒子によるナノサイズ粒子の分散および二次粒子の解砕が進行する。さらに、ナノサイズ粒子は主にミクロンサイズ粒子同士の間隙に分散して存在し、ナノサイズ粒子が集合したネットワーク構造が形成される。それとともに、ミクロンサイズ粒子とナノサイズ粒子との物理的な相互作用が働いて、各粒子の流動が抑制され、長期間保存しても塗工液中での分散状態の変化が起こり難くなる。これによって、塗工液の粘度変化が小さい状態が長期にわたって保たれ、ミクロンサイズ粒子が存在するにもかかわらず、粒子の沈降しない安定な塗工液が得られるものと推測される。
なお、ナノサイズ粒子がネットワーク構造を形成する理由としては、平均粒径が小さくなるほど静電反発による分散安定化効果が小さくなること、機械的に分散された一次粒子が結合する場合は直鎖状に結合する方がエネルギー的に有利であることなどが挙げられる。このことは、たとえば、最新顔料分散技術((株)技術情報協会刊、1995年、第67頁)などに記載されている。
本発明の塗工液は、大粒径活物質および小粒径活物質とともに分散媒を含有し、かつ次の(1)〜(3)の特徴を有している。
(1)大粒径活物質は、平均粒径が1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。小粒径活物質は、平均粒径が5〜100nm、好ましくは10〜70nmである。
大粒径活物質の平均粒径が1μm未満では、電池性能の向上に寄与し得る程度の活物質の高密度充填を実施できないおそれがある。また、大粒径活物質の平均粒径が20μmを超えると、本発明の塗工液を用いて作製した正極を含むリチウム二次電池において、充放電効率が低下するおそれがある。
また、小粒径活物質の平均粒径が5nm未満では、小粒径活物質の大部分が一次粒子になり、小粒径活物質の凝集しようとする特性が極端に顕著になり、小粒径活物質の凝集が起こり易くなる。小粒径活物質の凝集物は、その内部に多くの空隙を有しているので、電池性能の向上に寄与し得る程度の活物質の高密度充填を実施できないおそれがある。一方、小粒径活物質の平均粒径が100nmを超えると、大粒径活物質の三重点に存在できる小粒径活物質の量が減少するため、やはり、電池性能の向上に寄与し得る程度の活物質の高密度充填を実施できないおそれがある。
なお、本明細書において、大粒径活物質の三重点とは、大粒径活物質で囲まれた空隙部分を意味する。このような空隙部分は、複数の大粒径活物質が接触した状態で存在することによって形成される。
(2)大粒径活物質と小粒径活物質との配合比(大粒径活物質:小粒径活物質、容積比)は、90:10〜50:50、好ましくは80:20〜60:40である。
すなわち、大粒径活物質の容積と小粒径活物質の容積とを合計した全容積のうち、大粒径活物質の配合量が、50〜90容積%、好ましくは60〜80容積%であり、残部が小粒径活物質である。大粒径活物質と小粒径活物質とを、前記比率で配合することによって、大粒径活物質の三重点に小粒径活物質が緻密に埋め込まれるため、活物質の高密度充填が可能になる。大粒径活物質の配合比率が50容量%未満の場合および90容量%を超える場合には、電池性能の向上に寄与し得る程度の活物質の高密度充填を実施できないおそれがある。
本明細書において、大粒径活物質および小粒径活物質の容積とは、占有体積を意味する。占有体積は、当該粉体の重量/当該粉体の真密度(比重)により求められる。したがって、大粒径活物質と小粒径活物質とが同じ化合物である場合は、真密度が同じなので、大粒径活物質と小粒径活物質との配合比(容積比=占有体積比)は、大粒径活物質と小粒径活物質との重量比に一致する。
(3)大粒径活物質の平均粒径と小粒径活物質の平均粒径との比(大粒径活物質の平均粒径/小粒径活物質の平均粒径、以下単に「平均粒径比」とする)は、50〜500、好ましくは50〜250、さらに好ましくは50〜200である。平均粒径比が前記範囲にあることによって、大粒径活物質が最密充填に近い形態で充填され、さらに大粒径活物質の三重点には小粒径活物質が緻密に充填される。したがって、活物質の充填率は80%以上にもなり、活物質の高密度充填が達成される。
平均粒径比が50未満では、小粒径活物質が大粒径活物質の三重点を十分に埋める事ができず、空隙が一部そのまま残存することになるので、充填率が小さくなり、高密度充填を実施できないおそれがある。一方、平均粒径比率が500を超えると、小粒径活物質の凝集性が高まり、小粒径活物質の凝集物が大きくなって三重点に入り込めなくなり、三重点である空隙部分における小粒径活物質の充填が不十分になる。このため、活物質の充填率が低下し、充填率80%以上の高密度充填を達成できないおそれがある。
本発明では、大粒径活物質および小粒径活物質が上記(1)〜(3)の特徴を満たすことによって、大粒径活物質の三重点に、小粒径活物質が緻密に充填され、活物質の充填率の向上、すなわち活物質の高密度充填化が達成されるものと考えられる。大粒径活物質および小粒径活物質は、図3に示すように配列され、かつ充填されているものと推測される。図3は、活物質層における大粒径活物質と小粒径活物質との分散状態を模式的に示す断面図である。複数の大粒径活物質1が接触して存在することにより、大粒径活物質1により囲まれた三重点3が形成される。そして、その三重点3には、大粒径活物質1よりも平均粒径が著しく小さい小粒径活物質2が緻密に充填されている。これによって、活物質層における空隙率が低下し、活物質の高密度充填が達成され、エネルギー密度、容量などの電池性能の向上を図り得るものと考えられる。
大粒径活物質および小粒径活物質には、リチウム二次電池において一般的に用いられる、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な正極活物質を使用できる。好ましい正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2またはその固溶体などのLi含有層状岩塩構造酸化物、LiMn24、Li(MnM)24(M:Ni、Co、Feなど)等のスピネル型酸化物、LiFePO4などのオリビン型リン酸化合物などが挙げられる。大粒径活物質には、リチウム二次電池の正極活物質から選ばれる1種または2種以上を使用できる。小粒径活物質にも、リチウム二次電池の正極活物質から選ばれる1種または2種以上を使用できる。
大粒径活物質および小粒径活物質は、たとえば、リチウム二次電池の正極活物質を粉体粉砕機により所定の平均粒径になるように粉砕することにより製造できる。粉体粉砕機としては一般的なものを使用でき、たとえば、カッターミル、フェザーミル、ジェットミル、粒子衝突式ジェットミル、流動層型ジェット粉砕機などが挙げられる。これらの粉体粉砕機は、市販されている。
また、小粒径活物質の作製には最近研究されているナノサイズ粒子合成法を適用することも可能である。例えば、第48回電池討論会予稿集、2〜3頁(三宅ら)、同4〜5頁(大久保ら)にナノサイズのLiCoO2の合成法が報告されている。たとえば、三宅らの報告によれば、リチウム化合物とコバルト化合物とを、リチウムの塩基性溶融塩の存在下かつ300℃程度の加熱下に反応させることにより、粒子径がナノサイズであるLiCoO2が得られる。ここで、リチウム化合物としては、たとえば、過酸化リチウム(Li22)などを使用できる。コバルト化合物としては、たとえば、水酸化コバルトなどを使用できる。塩基性溶融塩としては、たとえば、水酸化リチウム−硝酸リチウムの塩基性溶融塩(LiOH・H2O−LiNO3)などを使用できる。また、大久保らによれば、リチウム化合物およびコバルト化合物を用い、水熱合成を行うことにより、粒子径がナノサイズであるLiCoO2が得られる。
大粒径活物質および小粒径活物質の平均粒径は、本明細書では一次粒子の平均粒径を意味する。したがって、大粒径活物質および小粒径活物質には、一次粒子が用いられる。本発明においては、大粒径活物質および小粒径活物質を走査型電子顕微鏡により観察し、無作為抽出した100個について面積円相当径を測定し、得られた100個の測定値の平均し、一次粒子の平均粒径を求めた。なお、一次粒子径が小さすぎて走査型電子顕微鏡で測定が困難な場合は、透過形電子顕微鏡でさらに高倍率で観察し、一次粒子の面積円相当径を測定できる。また、粒度分布測定に通常用いられるレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置などは、粒子の凝集の影響により一次粒子径を正しく反映しないため不適当である。
なお、本発明では、一次粒子が凝集して形成される二次粒子であっても、その二次粒子の引張強度が50MPa以上である場合は、この二次粒子を本発明における一次粒子として使用できる。この場合、二次粒子の平均粒径に基づいて、大粒径活物質および小粒径活物質を選定し、所定の割合で用いればよい。前記のような引張強度を有する二次粒子は、電極形成用塗工液の調製工程、電極形成用塗工液の塗工工程などにおいて破壊されることがないので、本発明における一次粒子としての使用が可能である。
なお、二次粒子の平均粒径は通常用いられるレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定可能である。また、上記した一次粒子の平均粒径の求め方と同様にして、平均粒径を求めても良い。
二次粒子の引張強度(St)は、微小圧縮試験機(商品名:MCT−W501、(株)島津製作所製)により二次粒子に圧縮試験を課し、二次粒子が破壊に至る時の加重(P)および投影円近似粒子径(d)を測定し、下記の平松らの式から算出できる。
St=2.8P/πd2
〔式中、Stは引張強度(MPa)、Pは二次粒子が破壊に至る時の加重(N)およびdは二次粒子が破壊に至る時の投影円近似粒子径(mm)を示す。〕
本発明の塗工液は、100Pa以上の降伏値を有するチキソトロピー性流体であることが好ましい。降伏値とは、ある物質に外から応力を付与する時に、該物質が流動し始める応力の値である。本発明の塗工液が100Pa以上の降伏値を有することによって、本発明の塗工液の保存安定性が一層向上する。降伏値が100Pa未満では、活物質粒子間の相互作用が低下し、活物質粒子の流動性が必要以上に高まるおそれがある。その結果、塗工液を長期間保存すると、塗工液の粘度の変化が大きくなり、活物質の凝集、沈降などか起こりやすくなり、塗工液によって形成される活物質層の内部構造、膜厚などにばらつきを生じるおそれがある。
また、本発明の塗工液は、ずり速度4/secにおける粘度η1(25℃)と、ずり速度40/secにおける粘度η2(25℃)との比(η1/η2)が5〜12であることが好ましい。η1/η2はチクソ性を示す指標であり、η1/η2を上記範囲内に調整することによって、本発明の塗工液の塗膜形成性、レベリング性などが一層向上する。
η1/η2が5未満では、塗工液の粘度が低下し、塗工液を塗工して形成される塗膜のエッジ部分に垂れを生じるおそれがある。また、前記塗膜の膜厚を制御するのが困難になり、塗工精度が低下するおそれがある。また、塗工液の保存安定性が低下するおそれがある。一方、η1/η2が12を超えると、レベリング性、塗膜形成性などが低下して、塗膜に大きなむらを生じ、ピンホールが発生するおそれがある。
なお、η1およびη2は、プログラマブルレオメーター(型式名:DV−III+、ブルックフィールド社製)を用いて25℃で測定した値である。
本発明では、たとえば、大粒径活物質および小粒径活物質の各平均粒径、大粒径活物質と小粒径活物質との配合比、塗工液中での全固形分濃度などを所定の範囲内で適宜調整することにより、降伏値が100Pa以上であるか、η1/η2が5〜12であるかまたは両方の特性を兼ね備える本発明の塗工液を調製できる。
本発明の塗工液は、大粒径活物質および小粒径活物質の他に、分散媒を含有している。分散媒としては、リチウム二次電池の分野で常用される分散媒(有機溶媒)の中から、その揮発性、他の成分を溶解または分散させる能力などに応じて適宜選択される。分散媒の具体例としては、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミドなどのアミド類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアミンなどのアミン類、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。これらの中でも、NMP、メチルエチルケトンなどが好ましい。分散媒は、1種を単独でまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の塗工液における分散媒の含有量は特に制限されず、他成分の種類と配合比、分散媒自体の種類などに応じて適宜選択されるが、好ましくは塗工液全量の20〜50重量%、さらに好ましくは塗工液全量の25〜40重量%である。分散媒の含有量が20重量%未満では、塗工液の粘度が高くなりすぎて、塗工液のレベリング性が劣化し、塗膜形成不良が発生するおそれがある。一方、分散媒の含有量が50重量%を超えると、活物質層中における大粒径活物質と小粒径活物質との分散状態が不均一になり、活物質層中に生じる空隙が多くなり、活物質の充填密度が低下するおそれがある。
本発明の塗工液は、大粒径活物質、小粒径活物質および分散媒の他に、必要に応じて、導電材、結着材などを含有してもよい。導電材および結着材は、大粒径活物質および小粒径活物質以外の固形成分になる。
導電剤としてはリチウム二次電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカなどの導電性ウィスカ類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料などが挙げられる。導電剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
結着材は、分散媒に溶解または分散する。活物質(大粒径活物質および小粒径活物質)ならびに導電材も、分散媒に分散する。したがって、結着材、活物質、導電材などの少なくとも1つの含有量を適宜変更することにより、本発明の塗工液の粘度を制御することが可能になる。しかしながら、結着材として分散媒に溶解可能なものを選択し、この結着材の含有量を適宜変更して塗工液の粘度を調整するのが好ましい。
結着材としても、リチウム二次電池の分野で常用されかつ分散媒に溶解または分散可能なものを使用でき、たとえば、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、フッ素樹脂が好ましい。本発明の塗工液における導電材の含有量は特に制限されないが、好ましくは活物質(大粒径活物質および小粒径活物質の合計量)100重量部に対して1〜7重量部である。
フッ素樹脂としては、たとえば、フッ素含有モノマー化合物の重合体、フッ素含有モノマー化合物と他のモノマー化合物との共重合体などが挙げられる。フッ素含有モノマー化合物としては、たとえば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが好ましい。他のモノマー化合物としては、たとえば、エチレン、プロピレン、アクリル酸、ヘキサジエンなどが挙げられる。フッ素含有モノマー化合物および他のモノマー化合物は、それぞれ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
フッ素樹脂の具体例としては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。
本発明の塗工液における結着材の含有量は特に制限されないが、好ましくは活物質(大粒径活物質および小粒径活物質の合計量)100重量部に対して1.5〜6重量部である。結着材の含有量が前記範囲内であれば、塗工液中において、大粒径活物質と小粒径活物質との混合粒子間に弾力性のある結合が形成される。その結果、保管による粒子の沈降を抑制し、粘度の経時変化が少なくなって、塗工液の保存安定性増大に寄与することが可能となる。
結着材の含有量が1.5重量部未満では、塗工液の混練調製時に小粒径活物質の分散性が低下し、小粒径活物質の粒子凝集が進行して塗工液の流動性が低下し、塗工液の粘度が増加するおそれがある。また、大粒径活物質と小粒径活物質粒子との混合状態が不均一になり、均一な塗膜が得られないとともに、活物質を高密度で充填できないおそれがある。また、正極芯材と活物質層との結着力が低下して、活物質などが正極芯材から脱落するおそれがある。一方、結着材の含有量が6重量部を超えると、正極中の活物質の割合が低下して、電池の容量が低下するおそれがある。
本発明の塗工液は、たとえば、大粒径活物質および小粒径活物質ならびに必要に応じて導電材、結着材などを分散媒と混合し、溶解または分散させることにより調製できる。混合には、一般に、混合装置が用いられる。混合装置としては、粉体と液体との混合に利用できる市販の混合装置をいずれも使用できる。混合装置はバッチ式でも連続式でもよい。
[リチウム二次電池用正極]
本発明のリチウム二次電池用正極(以下単に「本発明の正極」とする)は、正極芯材と、正極芯材の厚み方向における一方または両方の表面に設けられる正極活物質層とを含み、正極活物質層が平均粒径1μm〜20μmの大粒径活物質と平均粒径5nm〜100nmの小粒径活物質とを含有し、活物質の充填率が80%以上、好ましくは80〜90%であることを特徴とする。
本発明の正極は、たとえば、次のようにして作製できる。まず、本発明の塗工液を正極芯材の厚み方向における一方または両方の表面に塗布し、乾燥させることにより、政局芯材の表面に正極活物質層が形成され、正極板が得られる。この正極板をそのまま本発明の正極として使用可能であるが、必要に応じて、正極活物質層の厚みを圧延により調整し、さらに所定の寸法に裁断すれば、所望の正極板が得られる。
正極芯材としては、リチウム二次電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウムなどの金属材料からなるシート状の多孔性または無孔の導電性基板が挙げられる。前記シート状導電性基板の厚みは特に制限されないが、好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは5〜20μmである。前記範囲の厚みにすることにより、正極芯材ひいてはリチウム二次電池の機械的強度を保持しつつ、軽量化を図ることができる。
正極活物質層の厚みは特に制限されず、たとえば、正極活物質の種類および活物質層での含有量、負極およびセパレータの構成、リチウム二次電池の用途などの各種条件に応じて適宜選択される。その一例を挙げれば、正極芯材の片面に正極活物質層を形成する場合は、10〜200μm程度である。また、正極芯材の両面に正極活物質層を形成する場合は、合計で20〜400μm程度である。
なお、本発明の塗工液を用いて正極活物質層を形成することにより、正極活物質層における活物質の充填率が80%以上の高密度充填になる。
[リチウム二次電池]
本発明のリチウム二次電池は、正極として本発明の正極を用いる以外は、従来のリチウム二次電池と同様の構成を採ることができる。
本発明のリチウム二次電池は、たとえば、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を含む。正極は、本発明の正極である。
負極は、セパレータを介して正極と対向するように設けられ、たとえば、負極芯材と、負極活物質層とを含む。より詳しくは、負極は、負極活物質層がセパレータに対向するように設けられる。負極芯材には、リチウム二次電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ステンレス鋼、ニッケル、銅などの金属材料からなるシート状の多孔性または無孔の導電性基板を使用できる。シート状導電性基板の厚みは特に制限されないが、好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは5〜20μmである。前記範囲の厚みにすることにより、負極芯材ひいてはリチウム二次電池の機械的強度を保持しつつ、軽量化を図ることができる。
負極活物質層は負極活物質を含有し、負極芯材の厚み方向における一方または両方の表面に設けられる。負極活物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、金属、金属繊維、炭素材料、酸化物、窒化物、珪素、珪素化合物、錫、錫化合物、各種合金材料などが挙げられる。これらの中でも、容量密度の大きさなどを考慮すると、炭素材料、珪素、珪素化合物、錫、錫化合物などが好ましい。炭素材料としては、たとえば、各種天然黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、各種人造黒鉛、非晶質炭素などが挙げられる。珪素化合物としては、たとえば、珪素含有合金、珪素含有無機化合物、珪素含有有機化合物、固溶体などが挙げられる。珪素化合物の具体例としては、たとえば、SiOa(0.05<a<1.95)で表される酸化珪素、珪素とFe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、SnおよびTiから選ばれる少なくとも1種の元素とを含む合金、珪素、酸化珪素または合金に含まれる珪素の一部がB、Mg、Ni、Ti、Mo、Co、Ca、Cr、Cu、Fe、Mn、Nb、Ta、V、W、Zn、C、NおよびSnから選ばれる少なくとも1種の元素で置換された珪素化合物または珪素含有合金、これらの固溶体などが挙げられる。錫化合物としては、たとえば、SnOb(0<b<2)、SnO2、SnSiO3、Ni2Sn4、Mg2Snなどが挙げられる。負極活物質は1種を単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極は、たとえば、負極活物質を含有する負極形成用塗工液を負極芯材表面に塗布し、乾燥させて負極活物質層を形成することにより作製できる。負極形成用塗工液は、たとえば、負極活物質、結着材、有機溶媒などを含有する。ここで、結着材および有機溶媒は、正極合剤スラリーの調製に用いられる結着材および有機溶媒の中から適宜選択して使用できる。負極形成用塗工液は、たとえば、負極活物質、結着材などを有機溶媒に溶解または分散させることにより調製できる。負極形成用塗工液が固形分として負極活物質および結着材を含む場合、好ましくは、負極活物質の配合割合は固形分全量の90〜99.5重量%、および結着材の配合割合は固形分全量の0.5〜10重量%である。
セパレータは、正極と負極との間に設けられる。セパレータには、たとえば、所定のイオン透過度、機械的強度、絶縁性などを併せ持つシート状物またはフィルム状物が用いられる。セパレータの具体例としては、たとえば、微多孔膜、織布、不織布などの、多孔性のシート状物またはフィルム状物が挙げられる。微多孔膜は単層膜および多層膜(複合膜)のいずれでもよい。単層膜は1種の材料からなる。多層膜(複合膜)は1種の材料からなる単層膜の積層体または異なる材料からなる単層膜の積層体である。
セパレータの材料には各種樹脂材料を使用できるが、耐久性、シャットダウン機能、電池の安全性などを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。なお、シャットダウン機能とは、電池の異常発熱時に貫通孔が閉塞し、それによりイオンの透過を抑制し、電池反応を遮断する機能である。必要に応じて、微多孔膜、織布、不織布などを2層以上積層してセパレータを構成してもよい。セパレータの厚みは一般的には10〜300μmであるが、好ましくは10〜40μm、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmである。また、セパレータの空孔率は好ましくは30〜70%、より好ましくは35〜60%である。ここで空孔率とは、セパレータの体積に占める、セパレータ中に存在する細孔の総容積の比である。
非水電解質としては、たとえば、液状非水電解質、ゲル状非水電解質、固体状電解質(たとえば高分子固体電解質)などが挙げられる。
液状非水電解質は、溶質(支持塩)と非水溶媒とを含み、さらに必要に応じて各種添加剤を含む。溶質は通常非水溶媒中に溶解する。液状非水電解質は、たとえば、セパレータに含浸される。
溶質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ホウ酸塩類、イミド塩類などが挙げられる。ホウ酸塩類としては、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウムなどが挙げられる。イミド塩類としては、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO22NLi)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO2)(C49SO2)NLi)、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((C25SO22NLi)などが挙げられる。溶質は1種を単独で用いてもよくまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2モル/Lの範囲内とすることが望ましい。
非水溶媒としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステルなどが挙げられる。環状炭酸エステルとしては、たとえば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などが挙げられる。鎖状炭酸エステルとしては、たとえば、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)などが挙げられる。環状カルボン酸エステルとしては、たとえば、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)などが挙げられる。非水溶媒は1種を単独で用いてもよくまたは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
添加剤としては、たとえば、充放電効率を向上させる材料、電池を不活性化させる材料などが挙げられる。充放電効率を向上させる材料は、たとえば、負極上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被膜を形成し、充放電効率を向上させる。このような材料の具体例としては、たとえば、ビニレンカーボネート(VC)、4−メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4−プロピルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、ジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートおよびジビニルエチレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、上記化合物は、その水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。
電池を不活性化させる材料は、たとえば、電池の過充電時に分解して電極表面に被膜を形成することによって電池を不活性化する。このような材料としては、たとえば、ベンゼン誘導体が挙げられる。ベンゼン誘導体としては、フェニル基と、フェニル基に隣接する環状化合物基とを含むベンゼン化合物が挙げられる。環状化合物基としては、たとえば、フェニル基、環状エーテル基、環状エステル基、シクロアルキル基、フェノキシ基などが好ましい。ベンゼン誘導体の具体例としては、たとえば、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。ベンゼン誘導体は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。ただし、ベンゼン誘導体の液状非水電解質における含有量は、非水溶媒100体積部に対して10体積部以下であることが好ましい。
ゲル状非水電解質は、液状非水電解質と液状非水電解質を保持する高分子材料とを含むものである。ここで用いる高分子材料は液状物をゲル化させ得るものである。高分子材料としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリビニリデンフルオライドなどが挙げられる。
固体状電解質は、溶質(支持塩)と高分子材料とを含む。溶質は前記で例示したものと同様のものを使用できる。高分子材料としては、たとえば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体などが挙げられる。
本発明のリチウム二次電池は、一般的なリチウム二次電池と同様にして製造できる。たとえば、まず、正極、セパレータおよび負極をこの順番で積層して積層型の電極群を作製する。正極の正極芯材側に正極リードを接続し、負極の負極芯材側に負極リードを接続する。この電極群を電池ケースに収容し、電極群に非水電解質を注液し、正極リードおよび負極リードを電池ケースの外部に導出する。そして、封口材によって電池ケースを密閉することにより、積層型のリチウム二次電池が得られる。
また、正極、セパレータ、負極およびセパレータをこの順番で重ね合わせて捲回し、捲回型電極群を作製する。以後、上記と同様にして、捲回型のリチウム二次電池が得られる。
なお、電池ケース、封口材などは、従来からリチウム二次電池に用いられているものを、特に制限なく使用できる。
以下に実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
(1)正極形成用塗工液の作製
大粒径活物質としては、平均粒径7μmのコバルト酸リチウムを用いた。小粒径活物質としては、平均粒径70nmのコバルト酸リチウムを用いた。また、配合比(大粒径活物質:小粒径活物質)=70:30(重量比)とした。なお、配合比(容積比=占有体積比)は、大粒径活物質および小粒径活物質ともにコバルト酸リチウムなので、重量比で代用した。以下においても、大粒径活物質および小粒径活物質が同じ化合物である場合、配合比を重量比で代用する。
ポリフッ化ビニリデン(結着材、重量平均分子量:28万、以下「PVDF」とする)3重量部を、N−メチル−2−ピロリドン(分散媒、以下「NMP」とする)34.5重量部に溶解し、結着材溶液を調製した。この結着材溶液に、平均粒径7μmのコバルト酸リチウム70重量部、平均粒径70nmのコバルト酸リチウム30重量部およびアセチレンブラック(導電材)15重量部を混合し、攪拌して本発明の正極形成用塗工液を作製した。
この塗工液は、室温で3週間保存しても、固形物の凝集、沈降、分散媒の分離などは観察されず、さらに初期の粘度などの液特性を維持しており、成膜性の低下は認められなかった。
(2)正極の作製
上記で得られた正極形成用塗工液を、厚み20μmのアルミニウム箔(正極芯材)の両面に塗工し、乾燥して、正極活物質層を形成し、正極板を作製した。ローラを用いて正極活物質層を一定の線圧で圧延し、正極板を所定寸法に裁断し、正極を作製した。圧延前および正極活物質層の断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。図4は、圧延前における正極活物質層の断面の走査型電子顕微鏡写真である。図5は、圧延後における正極活物質層の断面の走査型電子顕微鏡写真である。図4から、一次粒子同士の結合性が低い小粒径活物質が、大粒径活物質を被覆していることが判る。図5から、大粒径活物質1同士の間隙に小粒径粒子2が均一に分散していることが判る。
(比較例1)
正極活物質として平均粒径7μmのコバルト酸リチウム100重量部のみを用いる以外は、実施例1と同様にして、比較用の正極形成用塗工液を作製した。得られた塗工液は、1時間後には固形物の沈降が始まり、実施例1の塗工液に比べて保存安定性が著しく劣るものであった。さらに、この正極形成用塗工液を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較用の正極を作製した。
(比較例2)
正極活物質として平均粒径70nmのコバルト酸リチウム100重量部のみを用いる以外は、実施例1と同様にして、比較用の正極形成用塗工液を作製した。得られた塗工液は、調製直後には固形物の凝集、沈降などは観察されなかったが、保存1週間後には若干の分散媒の分離が観察され、実施例1の塗工液に比べて保存安定性に劣るものであった。さらに、この正極形成用塗工液を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較用の正極を作製した。
(試験例1)
実施例1、比較例1および比較例2で得られた塗工液の粘度特性を、プログラマブルレオメーター(型式:DV−III+、ブルックフィールド社製)を用い、25℃にて次のようにして測定した。0.2、0.4、1、2、4、10、20の回転数でそれぞれ90秒間の一定の剪断を与え、その後の粘度を測定した。
また、次に示すカーソン(Casson)の計算式から、降伏値(τ0)を算出した。
τ1/2=(η∞)1/2・D1/2+(τ01/2
〔式中、τ:ずり応力、D:ずり速度、η∞:極限粘度、τ0:降伏値である。〕
ずり応力(τ)は、ずり速度(D)と粘度の測定値とから算出できる。極限粘度(η∞)は、ずり速度の平方根(特に高ずり速度領域)に対してずり応力の平方根をプロット(Cassonプロット)して得られる直線の傾きとして求められる。したがって、上記カーソンの式に、ずり応力(τ)、ずり速度(D)および極限粘度(η∞)を代入することにより、降伏値(τ0)を算出できる。また、η1/η2は、ずり速度が4/secのときの粘度(η1)と、ずり速度が40/sec(η2)のときの粘度とから算出した。これらの粘度の測定は、上記と同様にして、プログラマブルレオメーター(DV−III+)を用いて行った。
図6は、実施例1および比較例1〜2の塗工液におけるずり速度と粘度との関係を示すグラフである。図7は、実施例1および比較例1〜2の塗工液におけるずり速度とずり応力との関係を示すグラフである。図6および図7によれば、実施例1および比較例1〜2の塗工液の降伏値およびη1/η2は、表1に示すとおりである。
また、実施例1の本発明塗工液について、上記の各回転数で90秒間せん断力を付与した後、保存試験を行い、粘度の経時変化を調べた。結果を図8に示す。図8は、本発明の塗工液にせん断力を付与した後の粘度の経時変化を示すグラフである。図8から、本発明の塗工液に外的な応力が付加されても、保存安定性が低下することがなく、時間を経ても粘度がほぼ一定で安定していることが判る。したがって、本発明の塗工液を用いれば、大粒径活物質と小粒径活物質とが均一に混合し、膜厚がほぼ均一で、活物質が高密度充填された正極活物質層を形成できることが明らかである。
(実施例2)
大粒径活物質として平均粒径20μmのコバルト酸リチウム、小粒径活物質として平均粒径100nmのコバルト酸リチウムを用い、かつ配合比(重量比)を大粒径活物質:小粒径活物質 =50:50とする以外は、実施例1と同様にして、本発明の正極形成用塗工液および正極を作製した。得られた本発明の塗工液は3週間保存しても、沈降、凝集、分散媒の分離などは観察されなかった。また、本発明の塗工液は、3週間保存後でも初期の液特性を維持しており、成膜性、レベリング性などの劣化も認められなかった。
(実施例3)
大粒径活物質として平均粒径20μmのコバルト酸リチウム、小粒径活物質として平均粒径100nmのコバルト酸リチウムを用い、かつ配合比(重量比)を大粒径活物質:小粒径活物質 =90:10とする以外は、実施例1と同様にして、本発明の正極形成用塗工液および正極を作製した。得られた本発明の塗工液は3週間保存しても、沈降、凝集、分散媒の分離などは観察されなかった。また、本発明の塗工液は、3週間保存後でも初期の液特性を維持しており、成膜性、レベリング性などの劣化も認められなかった。
(比較例3)
大粒径活物質として平均粒径20μmのコバルト酸リチウム、小粒径活物質として平均粒径100nmのコバルト酸リチウムを用い、かつ配合比(重量比)を大粒径活物質:小粒径活物質 =40:60とする以外は、実施例1と同様にして、比較用の正極形成用塗工液および正極を作製した。得られた塗工液は、調製直後には明確な粒子の沈降は観察されなかったが、3週間保存すると若干の分散媒の分離が観察され、本発明の塗工液に比べて保存安定性に劣るものであった。
(比較例4)
大粒径活物質として平均粒径20μmのコバルト酸リチウム、小粒径活物質として平均粒径100nmのコバルト酸リチウムを用い、かつ配合比(重量比)を大粒径活物質:小粒径活物質 =95:5とする以外は、実施例1と同様にして、比較用の正極形成用塗工液および正極を作製した。得られた塗工液は、調製直後には明確な粒子の沈降は観察されなかったが、1週間保存すると若干の分散媒の分離が観察され、本発明の塗工液に比べて保存安定性に劣るものであった。
(比較例5)
大粒径活物質として平均粒径20μmのコバルト酸リチウム、小粒径活物質として平均粒径7μmのコバルト酸リチウムを用いる以外は、実施例1と同様にして、比較用の正極形成用塗工液および正極を作製した。得られた塗工液は、調製1時間後においても粒子の沈降が観察され、本発明の塗工液に比べて保存安定性に劣るものであった。
実施例1〜3および比較例1〜5で得られた正極について、次の式に従って、活物質充填率(%)を求めた。結果を表2に示す。なお、表2には、大粒径活物質および小粒径活物質の平均粒径(μm)、配合比(大粒径活物質/小粒径活物質、重量比)ならびに平均粒径比(大粒径活物質の平均粒径/小粒径活物質の平均粒径)を併記する。
活物質充填率(%)=(活物質層中の活物質体積/活物質層体積)×100
なお、活物質層中の活物質層体積(V1)および活物質体積(V2)は、次の式に従って、求められる。ここで、LiCoO2の真密度は5.05g/cm3として計算した。
活物質層体積(V1)={(Et−Pt)/Esv}×Esr
〔式中、Etは電極厚みを示す。Ptは芯材厚みを示す。Esvはプレス前後での電極面積変化率を示す。Esrはプレス後の電極面積を示す。〕
活物質体積(V2)={(Ew−Pw)×(Awr)}/(Ad)
〔式中、Ewは電極重量を示す。Pwは芯材重量を示す。Awrは活物質層中の活物質重量比率を示す。Adは活物質の真密度を示す。〕
表2から、実施例1〜3の正極における活物質充填密度は80%を超え、良好な充填性を示しているのに対し、比較例1〜5の正極では活物質充填密度は58.5〜77.2%に留まり、活物質の高密度充填が十分に進んでいないことが明らかである。これは、実施例1〜3の塗工液が、ミクロンサイズ活物質粒子とナノサイズ活物質粒子とを併用した上、それらの配合比を本発明に規定の適切な範囲から選択したことによるものと考えられる。前記の構成を採ることにより、塗工液の作製時に、ミクロンサイズ活物質粒子が、ナノサイズ活物質粒子の凝集を防止しつつ、ナノサイズ活物質粒子を塗工液中に充分に分散させる。その結果、活物質層形成時に、ナノサイズ活物質粒子がミクロンサイズ活物質粒子の三重点にほぼ均一に充填され、活物質充填率を向上させることができたものと考えられる。
(実施例4)
(1)正極の作製
実施例1と同様にして、厚み80μmの正極シートを作製した。
(2)負極の作製
人造黒鉛粉末75重量部と、導電剤であるアセチレンブラック20重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量部とを混合し、これらを脱水N−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状の負極合剤を調製した。この負極合剤を厚み15μmの銅箔からなる負極芯材表面に塗布し、乾燥後、圧延して、厚み100μmの負極シートを作製した。
(3)非水電解液の調製
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(体積比1:3)を100重量部と、ジアリルカーボネート(DAC)2重量部を混合した。この混合液に、LiPF6を1.25mol/Lの濃度で溶解した。
(4)電池の組立
正極シートおよび負極シートを35mm×35mmの大きさに切りだし、それぞれ、リード付きのアルミニウム板および銅板に超音波溶接した。ポリプロピレン製のセパレータを介して、正極シートおよび負極シートが対向するようにアルミニウム板および銅板をテープ固定して一体化した。次に、この一体化物を両端が開口している筒状のアルミラミネート袋に納め、リード部分において、袋の一方の開口を溶着した。そして、他方の開口から調製しておいた電解液を滴下により注液した。このものを、0.1mAの電流で1時間充電した後、10mmHgで10秒間脱気し、さらに、電解液を注液した側の開口を溶着により封止し、本発明のリチウム二次電池を得た。
(比較例6)
実施例4において、実施例1と同様にして作製した正極シートに代えて比較例1と同様にして作製した厚み120μmの正極シートを用いる以外は、実施例4と同様にして、比較6のリチウム二次電池を作製した。
実施例4及び比較例6の電池を2mAの定電流で、上限電圧が4.2V、下限電圧が3.0Vの間で充放電を行った。このときの電池の放電容量を表3に示す。
表3から、本発明による実施例4のリチウム二次電池は、比較例6のリチウム二次電池に比べ、15%以上も高容量であることが明らかである。
本発明の塗工液は、正極芯材の表面に正極活物質層を形成し、リチウム二次電池用の正極を作製するのに好適に利用できる。本発明の塗工液を用いて作製された正極を含むリチウム二次電池は、従来のリチウム二次電池と同様の用途に使用できる。特に、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯用情報端末、電子辞書、ゲーム機器などの各種携帯用電子機器類の電源として好適に使用できる。
調製直後の塗工液における粒子の分散状態を模式的に示す断面図である。 図1に示す分散状態の保存過程での経時変化を模式的に示す断面図である。 活物質層における大粒径活物質と小粒径活物質との分散状態を模式的に示す断面図である。 圧延前における正極活物質層の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 圧延後における正極活物質層の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1および比較例1〜2の塗工液におけるずり速度と粘度との関係を示すグラフである。 実施例1および比較例1〜2の塗工液におけるずり速度とずり応力との関係を示すグラフである。 本発明の塗工液にせん断力を付与した後の粘度の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
1 大粒径活物質
2 小粒径活物質
3 三重点
4 分散媒

Claims (8)

  1. 平均粒径1μm〜20μmの大粒径活物質と平均粒径5nm〜100nmの小粒径活物質とを含み、大粒径活物質と小粒径活物質との配合比が容積比で90:10〜50:50、大粒径活物質の平均粒径/小粒径活物質の平均粒径が50〜500であるリチウム二次電池用正極形成用塗工液。
  2. 100Pa以上の降伏値を有するチキソトロピー性流体である請求項1に記載のリチウム二次電池用正極形成用塗工液。
  3. ずり速度4/secにおける粘度η1(25℃)と、ずり速度40/secにおける粘度η2(25℃)との比(η1/η2)が5〜12である請求項1または2に記載のリチウム二次電池用正極形成用塗工液。
  4. 正極芯材と、正極芯材の厚み方向における一方または両方の表面に設けられる正極活物質層とを含み、
    正極活物質層が平均粒径1μm〜20μmの大粒径活物質と平均粒径5nm〜100nmの小粒径活物質とを含有し、活物質の充填率が80%以上であるリチウム二次電池用正極。
  5. 大粒径活物質と小粒径活物質との配合比率が容積比で90:10〜50:50であり、かつ大粒径活物質の平均粒径/小粒径活物質の平均粒径が50〜500である請求項4に記載のリチウム二次電池用正極。
  6. 小粒径活物質が主として大粒径活物質の三重点に存在する請求項4または5に記載リチウム二次電池用正極。
  7. 正極芯材の厚み方向における一方または両方の表面に、請求項1〜3のいずれか1つのリチウム二次電池用正極形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより形成される請求項4〜6のいずれか1つに記載のリチウム二次電池用正極。
  8. 請求項4〜7のいずれか1つのリチウム二次電池用正極を含むリチウム二次電池。
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