JP2009118814A - 食品素材の加熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内外2本の筒体12、13を同芯に設けて一対の壁面12a、13aによって筒状の間隙14を形成するとともに壁面12a、13aを加熱する加熱手段を設けた加熱処理装置10を用い、両筒体12、13の少なくとも一方を回転させた状態で、食品素材を供給口14aから供給して間隙14内を薄膜状態で流動させながら加熱調理した後、排出口14bから排出する。
【選択図】 図1
Description
(実施例1)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1に、オニオンピューレ95kg、パーム油5kgを投入し、90℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。タンク1内で混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が160℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してローストオニオンを得た。
実施例1と同じ原料を開放系で加熱処理してローストオニオンを製造した。パーム油とオニオンピューレを、蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で90℃まで加熱した後、160℃まで中火で加熱してローストオニオンを得た。
実施例1のローストオニオンは、均一できれいな焦げ茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味や渋みの無い、香ばしいローストオニオンの風味を有していた。一方、比較例1のローストオニオンは、局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による渋みや苦味が強く、オニオンの風味も弱かった。
実施例1及び比較例1のローストオニオンを用いて表1−1に示す配合でドレッシングを調製した。これを、表1−2に示す評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表1−2に示すとおり、実施例1のローストオニオンを用いて調製したドレッシングは比較例1の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいドレッシングであった。
(実施例2)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1にガーリックピューレ70kg、パーム油30kgを投入し、85℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が150℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してローストガーリックを得た。
実施例2と同じ原料を開放系で加熱処理してローストガーリックを製造した。パーム油とガーリックピューレを蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で85℃まで加熱した後、150℃まで中火で加熱してローストガーリックを得た。
実施例2のローストガーリックは均一できれいな茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味や渋みの無い、香ばしいローストガーリックの風味を有していた。一方、比較例2のローストガーリックは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味が強く、ガーリックの風味も弱かった。
実施例2及び比較例2のローストガーリックを用いて表2−1に示す配合で焼肉のタレを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表2−2に示すとおり、実施例2のローストガーリックを用いて作製した焼肉のタレは比較例2の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいタレであった。
(実施例3)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1にチキンピューレ90kg、パーム油10kgを投入し、60℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が160℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してローストチキンペーストを得た。
実施例3と同じ原料を開放系で加熱処理してローストチキンペーストを製造した。パーム油とチキンピューレを蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で60℃まで加熱した後、160℃まで中火で加熱してローストチキンペーストを得た。
実施例3のローストチキンペーストは均一できれいなこげ茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味の無い、香ばしいローストチキンの風味を有していた。一方、比較例3のローストチキンペーストは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味が強く、チキンの風味も弱かった。
実施例3及び比較例3のローストチキンペーストを用いて、表3−1に示す配合で鍋つゆを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表3−2に示すとおり、実施例3のローストチキンペーストを用いて作製した鍋つゆは比較例3の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しい鍋つゆであった。
(実施例4)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1に牛ミンチ肉90kg、パーム油10kgを投入し、90℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプにより毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が160℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してローストビーフペーストを得た。
実施例4と同じ原料を開放系で加熱処理してローストビーフペーストを製造した。パーム油と牛ミンチ肉を蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で90℃まで加熱した後、160℃まで中火で加熱してローストビーフペーストを得た。
実施例4のローストビーフペーストは均一できれいなこげ茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味の無い、香ばしいローストビーフの風味を有していた。一方、比較例4のローストビーフペーストは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味が強く、ビーフの風味も弱かった。
実施例4及び比較例4のローストビーフペーストを用いて表4−1に示す配合でスパゲティミートソースを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表4−2に示すとおり、実施例4のローストビーフペーストを用いて作製したスパゲティミートソースは比較例4の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいスパゲティミートソースであった。
(実施例5)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1にバター90kg、パーム油10kgを投入した後に60℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が160℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してローストバターを得た。
実施例5と同じ原料を開放系で加熱処理してローストバターを製造した。パーム油とバターを蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で60℃まで加熱した後、160℃まで中火で加熱してローストバターを得た。
実施例5のローストバターは均一できれいな茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味の無い、香ばしいローストバターの風味を有していた。一方、比較例5のローストバターは黒く焦げがあり、局所加熱による苦味が強く、バターの風味も弱かった。
実施例5及び比較例5のローストバターを用いて表5−1に示す配合でバターケーキを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表5−2に示すとおり、実施例5のローストバターを用いて作製したバターケーキは比較例5の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいバターケーキであった。
(実施例6)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンクに味噌50kg、パーム油50kgを投入した後に80℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が135℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱して、ロースト味噌を得た。
実施例6と同じ原料を開放系で加熱処理してロースト味噌を製造した。パーム油と味噌を蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で80℃まで加熱した後、135℃まで中火で加熱してロースト味噌を得た。
実施例6のロースト味噌は均一できれいな茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや苦味、部分的な加熱不足から発生する生っぽさの無い、香ばしいロースト味噌の風味を有していた。一方、比較例6のロースト味噌は黒く焦げがあり、局所加熱による苦味が強く、味噌の風味も弱かった。
実施例6及び比較例6のロースト味噌を用いて表6−1に示す配合でラーメンスープを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表6−2に示すとおり、実施例6のロースト味噌を用いて作製したラーメンスープは比較例6の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいラーメンスープであった。
(実施例7)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1に、カレー粉20kg、パーム油80kgを投入し、60℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が115℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱して、ソテーカレー粉を得た。
実施例7と同じ原料を開放系で加熱処理してソテーカレー粉を製造した。パーム油とカレー粉を蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットした後に、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で60℃まで加熱した後、115℃まで中火で加熱してソテーカレー粉を得た。
実施例7のソテーカレー粉は均一できれいな茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや苦味、部分的な加熱不足から発生する生っぽさの無い、香ばしいソテーカレー粉の風味を有していた。比較例7のソテーカレー粉は局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味が強く、カレー粉の風味も弱かった。
実施例7及び比較例7のソテーカレー粉を用いて表7−1に示す配合でポップコーンを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表7−2に示すとおり、実施例7のソテーカレー粉を用いて作製したポップコーンは比較例7の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいポップコーンであった。
(実施例8)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1に、スライスオニオン95kg、パーム油5kgを投入し、90℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が125℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してソテーオニオンを得た。
実施例8と同じ原料を開放系で加熱処理してソテーオニオンを製造した。パーム油とスライスオニオンを蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で90℃まで加熱した後、125℃まで中火で加熱してソテーオニオンを得た。
実施例8のソテーオニオンは均一できれいなキツネ色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味や渋みの無い、甘味の強いソテーオニオンの風味を有していた。一方、比較例8のソテーオニオンは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による渋みや苦味が強く、甘味も弱かった。
実施例8及び比較例8のソテーオニオンを用いて表8−1に示す配合でハンバーグを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表8−2に示すとおり、実施例8のソテーオニオンを用いて作製したハンバーグは、比較例8の原料を用いたものと比較して甘味に富んだ美味しいハンバーグであった。
(実施例9)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1に、ガーリックピューレ70kg、パーム油30kgを投入し、85℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置に供給し、品温が125℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してソテーガーリックを得た。
実施例9と同じ原料を開放系で加熱処理してソテーガーリックを製造した。パーム油とガーリックピューレを蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で85℃まで加熱した後、125℃まで中火で加熱してソテーガーリックを得た。
実施例9のソテーガーリックは均一できれいなキツネ色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味の無い、香ばしいソテーガーリックの風味を有していた。一方、比較例9のソテーガーリックは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味が強く、ガーリックの風味も弱かった。
実施例9及び比較例9のソテーガーリックを用いて表9−1に示す配合で餃子を作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表9−2に示すとおり、実施例9のソテーガーリックを用いて作製した餃子は比較例9の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しい餃子であった。
(実施例10)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1に、チキンピューレ90kg、パーム油10kgを投入し、60℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒と外筒の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が125℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してソテーチキンペーストを得た。
実施例10と同じ原料を開放系で加熱処理してソテーチキンペーストを製造した。パーム油とチキンピューレを蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で60℃まで加熱した後、125℃まで中火で加熱することによりソテーチキンペーストを得た。
実施例10のソテーチキンペーストは均一できれいな茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味の無い、香ばしいソテーしたチキンの風味を有していた。一方、比較例10のソテーチキンペーストは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味があり、チキンの風味も弱かった。
実施例10及び比較例10のソテーチキンペーストを用いて表10−1に示す配合でチキンナゲットを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表10−2に示すとおり、実施例10のソテーチキンペーストを用いて作製したチキンナゲットは比較例10の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいチキンナゲットであった。
(実施例11)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1に、松の実ピューレ14kg、オリーブオイル36kgを投入し、60℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が125℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してソテー松の実ペーストを得た。
実施例11と同じ原料を開放系で加熱処理してソテー松の実ペーストを製造した。松の実ピューレとオリーブオイルを蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で60℃まで加熱した後、125℃まで中火で加熱してソテー松の実ペーストを得た。
実施例11のソテー松の実ペーストは均一できれいな薄茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味の無い、香ばしいソテーした松の実の風味を有していた。一方、比較例11のソテー松の実ペーストは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味があり、松の実の風味も弱かった。
実施例11及び比較例11のソテー松の実ペーストを用いて表11−1に示す配合でジェノベーゼソースを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表11−2に示すとおり、実施例11のソテー松の実ペーストを用いて作製したジェノベーゼソースは比較例11の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいジェノベーゼソースであった。
(実施例12)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1に、薄力粉60kg、パーム油40kgを投入し、60℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置10は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒12と外筒13の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が155℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱してルーを得た。
実施例12と同じ原料を開放系で加熱処理してルーを製造した。薄力粉とパーム油を蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で60℃まで加熱した後、155℃まで中火で加熱してルーを得た。
実施例12のルーは均一できれいな茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味の無い、香ばしいローストした小麦粉の風味を有していた。一方、比較例12のルーは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味があり、小麦粉の風味も弱かった。
実施例12及び比較例12のルーを用いて表12−1に示す配合でデミグラスソースを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表12−2に示すとおり、実施例12のルーを用いて作製したデミグラスソースは比較例12の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいデミグラスソースであった。
(実施例13)
図1及び図2で例示される加熱処理装置及びシステムを用いた。タンク1にリンゴピューレ60kg、パーム油40kgを投入し、60℃まで予備加熱しながら混合した。加熱処理装置は床面に対してほぼ垂直に設置し、約3mmの間隙をもって設置された内筒と外筒の回転差を毎分130回程度で安定させた。混合後の材料をポンプ2により毎時300kgの流量で定量的に加熱処理装置10に供給し、品温が140℃になるまで蒸気を用いて間接的に加熱して、ローストリンゴピューレを得た。
実施例13と同じ原料を開放系で加熱処理してローストリンゴピューレを製造した。リンゴピューレとパーム油を蓋のない鍋に鍋底から約9cmの高さまで満たし、斜軸自転公転式撹拌軸の先端に取り付けた撹拌羽根を鍋に常時接するようにセットし、自転が毎分38回、公転が毎分97回の回転数で常時撹拌した。ガスコンロに点火して弱火で60℃まで加熱した後、140℃まで中火で加熱してローストリンゴピューレを得た。
実施例13のローストリンゴピューレは均一できれいな茶色を呈し、局所加熱に伴う焦げや部分的な加熱不足から発生する苦味の無い、好ましいローストしたリンゴの風味を有していた。一方、比較例13のローストリンゴピューレは局所的に黒く焦げがあり、局所加熱による苦味があり、リンゴの風味も弱かった。
実施例13及び比較例13のローストリンゴピューレを用いて表13−1に示す配合でカレーソースを作製した。前記表1−2と同様の評価基準に従い10名のパネラー(男性5人、女性5人)により評価した。その結果、表13−2に示すとおり、実施例13のローストリンゴピューレを用いて作製したカレーソースは比較例13の原料を用いたものと比較して香味に富んだ美味しいカレーソースであった。
2 ポンプ
4 蒸発装置
5 ポンプ
6 タンク
10 加熱処理装置
11 加熱容器
12 内筒
12a 外壁面
13 外筒
13a 内壁面
14 間隙
14a 供給口
14b 排出口
Claims (10)
- 所定の間隔を隔てて相対向して設けた一対の壁面の少なくとも一方の壁面を加熱面とした加熱処理装置を用い、前記相対向する一対の壁面の少なくとも一方を他方に対して所定の間隔を維持した状態で移動させながら、前記両壁面間に形成される間隙内に食品素材を供給し、前記両壁面に接触させ、薄膜状に拡げた状態で流動させて、所定の品温に到達するまで加熱調理することを特徴とする、食品素材の加熱処理方法。
- 食品素材を、前記壁面の移動方向と交差する方向に流動させる請求項1に記載の加熱処理方法。
- 内外2本の筒体を同芯に設けて内筒の外壁面と外筒の内壁面との一対の壁面によって筒状の間隙を形成するとともに、両筒体の少なくとも一方に、その壁面を加熱する加熱手段を設けた加熱処理装置を用い、前記両筒体の少なくとも一方を回転させた状態で、食品素材を前記筒状の間隙の一端部側から供給して該間隙内を薄膜状態で流動させながら加熱調理した後、他端部側から排出させる請求項1又は2記載の加熱処理方法。
- 前記内外2本の筒体の両方に加熱手段を設け、前記筒状の間隙内を薄膜状態で流動する食品素材を両面から加熱する請求項3に記載の加熱処理方法。
- 食品素材を、前記筒状の間隙に連続的に供給して連続的に加熱調理する請求項3又は4に記載の加熱処理方法。
- 複数の加熱処理装置を連設し、食品素材が所定の品温に到達して目的とする加工状態になるまで、加熱処理を繰り返し行う請求項1〜5のいずれかに記載の加熱処理方法。
- 食品素材が、畜肉類、野菜類、果物類、乳製品類、調味料類、香辛料類及び穀粉類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の加熱処理方法。
- 食品素材が食用油脂を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の加熱処理方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の加熱処理方法により得られる加熱調理された食品。
- 請求項9に記載の加熱調理された食品を用いた加工食品。
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