JP2000116326A - 調味油の製造方法 - Google Patents

調味油の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】細断した畜肉、野菜または魚介類のごとき原料
を濾過せず調味油中に残すことにより、処理工程中抽出
される呈味成分および香気成分に加え、畜肉片、野菜片
または魚介類片中に残る未抽出の呈味成分および香気成
分を含み、調理感のあるより本格的な食味性をもつ調味
油を得て、油脂分と香り、旨味、塩分を必要とする食品
への利用を有効とし、かつ即席麺の調味油、炒め物、チ
ャーハンまたは焼きそばなどへの利用が期待でき、特に
長期常温保存を可能とする。しかも原料を残渣として廃
棄せずに製品化されるため、産業廃棄物を排出しない。 【解決手段】細断した畜肉、野菜または魚介類のごとき
原料1Aについて、それらの単品、2種または全部の混
合品に、食塩、酸味料、調味料を加えて煮込み、原料の
水分を十分に蒸発させる一次処理を施す。次いで二次処
理として、動植物油脂3を加えて設定温度まで加熱後、
冷却することにより、畜肉片、野菜片または魚介類片を
含んだままで長期常温保存を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細断した畜肉の単
品または種類の異なる畜肉の混合品、野菜の単品または
種類の異なる野菜の混合品、魚介類の単品または種類の
異なる魚介類の混合品、あるいは畜肉、野菜、魚介類に
ついて、それらの2種または全部の混合品を原料とし、
選択した前記原料の畜肉片、野菜片、魚介類片を油脂中
に残して長期常温保存を可能とし、しかも優れた調理感
をもたらす調味油の製造方法に関する。本発明におい
て、畜肉とは、牛肉、豚肉、鶏肉などが挙げられるが、
それを単独で、または複数を組み合わせて用いることも
含むものである。なお、本発明にいう「調理感」とは、
前記原料を常圧下で煮込んだあるいは炒めたときに感じ
られる特徴的な呈味や香りのことをいい、本発明によっ
て得た調味油を使用することによって、手のこんだ調理
をしなくとも、満足しえる意図した料理が簡単に再現で
きる特性を有することを意味する。
【0002】
【従来の技術】従来より、調味油の製造方法として、油
脂に畜肉、野菜、魚介類を加え加熱処理することによ
り、油脂に原料の風味を移行した調味油の製法が知ら
れ、例えば特公昭63−31169号公報(調味油の製
造法)のように、密閉状態の中で反応処理を行うことで
軽いフレーバー成分の揮散を防ぐ方法が、また特開平9
−9910号公報(調味油の製造方法)には、温度帯の
変化を利用する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記技
術思想は加熱処理した後、濾過して油脂のみを採取して
おり、濾過による残渣の発生や濾過で発生した残渣中に
残る未抽出の呈味成分及び香気成分を廃棄してしまう結
果、原料が保有する成分を十分に有効利用していないこ
と、更には廃棄に伴う公害問題などの問題点があり、特
に残渣処理に伴う問題は、近年、産業廃棄物問題として
社会的に深刻となっている。これまでの調味油の製法か
ら出される残渣の多くはその中に有効成分を残しながら
も廃棄物として処理されるため、その量は膨大であり、
その一方でこれらを捨てる場所の確保は我国の国土的に
も限界に近い状態であり、今や製造者がこれら残渣を産
業廃棄物として大量に廃棄している現状とこれに要する
費用は、社会、企業双方にとって無視できないものとさ
れながら、これまでにこれを克服し改善に導くための具
体的な解決策は提案されるには至っていなかった。
【0004】本発明は、上記問題の解決をはかるため、
畜肉片、野菜片、魚介類片を濾過せず残すことにより、
処理工程中抽出される呈味成分及び香気成分に加え、畜
肉片、野菜片、魚介類片中に残る未抽出の呈味及び香気
成分を含み、これを食したときに感じる食味性をより本
格的な調理感のあるものとし、油脂分と香り、旨味、塩
分を必要とする食品への利用が有効である。本調味油
は、即席麺の調味油をはじめ、炒め物やチャーハン、焼
きそばなどに利用することが期待できるものであって、
特に長期常温保存を可能とした調味油の製造方法の提供
を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決しようとするための手段】前記目的を達成
するための本発明に係る調味油の製造方法の具体的手段
としては、細断した畜肉の単品または種類の異なる畜肉
の混合品に、食塩、酸味料、調味料を加えて煮込み、原
料の水分を十分に蒸発させる一次処理を施し、次いで二
次処理として、動植物油脂を加えて設定温度まで加熱
後、冷却することにより、畜肉片を含んだままで長期常
温保存を可能とするものである。また、細断した野菜の
単品または種類の異なる野菜の混合品に、食塩、酸味
料、調味料を加えて煮込み、原料の水分を十分に蒸発さ
せる一次処理を施し、次いで二次処理として、動植物油
脂を加えて設定温度まで加熱後、冷却することにより、
野菜片を含んだままで長期常温保存を可能とするもので
ある。
【0006】また、細断した魚介類の単品または種類の
異なる魚介類の混合品に、食塩、酸味料、調味料を加え
て煮込み、原料の水分を十分に蒸発させる一次処理を施
し、次いで二次処理として、動植物油脂を加えて設定温
度まで加熱後、冷却することにより、魚介類片を含んだ
ままで長期常温保存を可能とするものである。また、細
断した畜肉、野菜、魚介類について、それらの2種また
は全部の混合品に、食塩、酸味料、調味料を加えて煮込
み、原料の水分を十分に蒸発させる一次処理を施し、次
いで二次処理として、動植物油脂を加えて設定温度まで
加熱後、冷却することにより、畜肉片、野菜片、魚介類
片を含んだままで長期常温保存を可能とするものであ
る。更には、前記設定温度を105〜150℃とするも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の調味油の製造方法
について、その最良の結果をもたらす実施の形態を図面
に従い説明する。図1は本発明の製造工程の説明図であ
り、詳しくは実施例1ないし6に共通する一連の製造工
程としての(イ)ないし(ホ)からなる概要図であり、
1Aはおおよそ5mm前後に細断した畜肉、野菜、魚介
類のごとき原料、1Bは1Aより水溶性呈味成分の一部
が抽出された状態、1Cは1Bより脂溶性成分の一部が
抽出された状態、すなわち完成した調味油における原料
片、2は水溶性呈味成分、3は動植物油脂、4は動植物
油脂への脂溶性成分の可溶化、5は調理感のある香気成
分を含む油脂、Pは開放型直火式釜、Bは撹拌用の羽
根、Wは原料から脱水された水分を示す。
【0008】本発明の製造工程の概要を、実施例1の牛
肉調味油を例に説明すると、まず、図中(イ)において
原料1A(牛挽肉2,000g、にんにく100g、生
姜50g、食塩750g、無水クエン酸17.5g、し
ょうゆ200g)を開放型直火式釜Pに入れ、羽根Bに
よる撹拌を行いながら適切な直火条件下で加熱を行う。
(ロ)の図は、食塩の脱水効果により原料1Aから多量
の水分Wが滲出した様子を示し、この時、同時に水溶性
呈味成分2の抽出が起こり、原料1Aは1Bの状態へと
変化する。水分Wは、加熱の進行に伴い徐々に蒸発し、
図中(ハ)において水分は20%程度となり、原料全体
はソボロ状を呈する(一次処理の完了)。
【0009】引き続き、図中(ニ)において用意した動
植物油脂3(パーム油2,500g)を釜Pに投入する
ことにより、脂溶性成分の動植物油脂への可溶化4が起
こり、1Bは1Cの状態へと変化する。その後、撹拌し
ながらの加熱を更に続け、設定温度(150℃)に達温
後、火を止め、原料片と油脂が分離しないように撹拌し
ながら30℃前後まで冷却し、牛肉調味油を得る(二次
処理の完了)。(ホ)の図は、完成した牛肉調味油の状
態を表し、水溶性の呈味成分2や調理感のある香気成分
を含む油脂5、更に原料片1Cが混在化された状態を示
している。以上のとおりの製造工程を経て完成した本調
味油は、水分活性が低く抑えられ、更に酸味料との併用
でpH値を低下させ、また、高塩濃度条件下におかれる
ことにより適切な保存性を高めることになる。なお、図
面中において、直火式加熱装置の図示、及び(ロ)ない
し(ニ)での羽根Bの図示は省略した。
【0010】
【実施例】以下本発明に関し、実施例に基づき具体的に
説明する。実施例1ないし6において使用した開放型直
火式釜Pは、内容量約13リットルの発明者自作の試作
釜である。釜の中の撹拌は回転軸に取り付けた撹拌用の
羽根Bを回転させ、羽根の速度を20r.p.m前後で
行った。実施例6で乾燥野菜を用いた以外はすべて生原
料(冷凍品を含む)を用い、原料の細断には家庭用フー
ドカッターを使用した。
【0011】実施例6に示されたような乾燥野菜チップ
のごとき乾燥原料を水分の多い原料と併用すると、乾燥
原料は水分が極力排除されているため一次処理での水分
の蒸発をすみやかに行うことができる。また、乾燥原料
は完成した調味油における原料片としての呈味力が強
く、加熱に対しても保形性がよいという利点をもつ。し
かしながら、乾燥品のみを原料とした場合では水分の滲
出が起こらないため、本発明の製造方法のいう調味油の
製造は不可能である。乾燥品を原料の一部に使用するか
いなかについては、調味油に求める用途上の目的や性質
に合わせて選択すべきである。本実施例では、生原料の
みを用いた調味油の実施例と乾燥原料を処方の一部に用
いた実施例を記す。
【0012】実施例1 牛肉調味油 牛挽肉 2,000g にんにく 100g 生姜 50g 食塩 750g 無水クエン酸 17.5g しょうゆ 200g パーム油 2,500g
【0013】牛肉調味油を作製した。一次処理として、
直火式釜にパーム油以外の原料を投入し、釜の中で撹拌
しながら原料をなじませる。釜に着火後、焦げを発生さ
せないような適切な直火条件下で約2時間を目安に加熱
し続け、じっくりと煮込み水分を20%程度になるまで
十分に蒸発させる。一次処理で留意すべきこととして
は、原料の水分を十分に蒸発させることで、不十分なま
ま引き続いて二次処理へ移ると、二次処理の油脂中で多
量の水分を蒸発させることとなり、油脂への負担が大き
く、油脂の劣化につながり好ましくない結果を招くこと
になる。
【0014】次に、二次処理として、融解したパーム油
を投入し、1時間を目安に釜の中の温度を150℃の設
定温度まで上昇させる。二次処理で長時間の加熱を続け
ると、たとえ終点が同じ設定温度であっても程良い調理
感を越えた焦げの状態に近づいてしまい、しかも出来上
がり時の呈色も褐色化していく。設定温度に達した時点
で火を止め、冷却する。気温により若干物性が異なるも
のの、パーム油が常温で固体である性質を利用し、畜肉
片や野菜片と油脂が分離しないよう均一に撹拌しながら
30℃前後に冷却後、牛肉調味油4,000gを得た。
【0015】実施例2 鶏肉調味油 鶏挽肉 2,000g 食塩 750g 無水クエン酸 17.5g しょうゆ 200g パーム油 2,500g
【0016】鶏肉調味油を作製した。パーム油以外の原
料を直火式釜に入れ、釜の中で撹拌しながら原料をなじ
ませ、釜に着火後、焦げを発生させないような適切な直
火条件下で約2時間を目安に加熱し続け、じっくりと煮
込み水分を20%程度になるまで十分に蒸発させる。水
分が十分に蒸発後、パーム油を投入し、1時間を目安に
設定温度125℃に達するまで更に加熱する。達温後、
30℃前後まで冷却し、鶏肉調味油4,400gを得
た。
【0017】実施例3 玉ねぎ調味油 冷凍玉ねぎ 2,000g にんにく 100g 生姜 50g 食塩 750g 無水クエン酸 17.5g しょうゆ 200g パーム油 400g パーム油 2,100g
【0018】細断された冷凍玉ねぎを用いて、玉ねぎ調
味油を作製した。パーム油以外の原料を直火式釜に入
れ、撹拌しながら原料をなじませる(ここでのパーム油
の添加は、本原料中にほとんど油脂分がふくまれない
ため、加熱による焦げ発生防止を目的とするものであ
る)。釜に着火後、焦げを発生させないような適切な直
火条件下で約2時間30分を目安に加熱し続け、じっく
りと煮込み水分を20%程度になるまで十分に蒸発させ
た後、パーム油を釜に投入し、1時間を目安として設
定温度130℃まで加熱する。達温後、30℃前後まで
冷却し、玉ねぎ調味油3,400gを得た。
【0019】実施例4 にんじん調味油 にんじん 2,000g にんにく 100g 生姜 50g 食塩 750g 無水クエン酸 17.5g パーム油 400g パーム油 2,100g
【0020】にんじん調味油を作製した。実施例3同様
に、パーム油以外の原料を直火式釜に入れ、撹拌しな
がら原料をなじませる。釜に着火後、焦げを発生させな
いような適切な直火条件下で約2時間を目安に加熱し続
け、じっくりと煮込み水分を20%程度になるまで十分
に蒸発させた後、パーム油を釜に投入し、1時間を目
安として設定温度120℃まで加熱する。達温後、30
℃前後まで冷却し、にんじん調味油3,460gを得
た。
【0021】実施例5 エビ調味油 冷凍エビ 2,000g にんにく 100g 生姜 50g 食塩 750g 無水クエン酸 17.5g パーム油 400g パーム油 2,100g
【0022】冷凍エビを用いてエビ調味油を作製した。
エビは、フードカッターにて細断してすりみ状になった
ものを使用した。実施例3同様に、パーム油以外の原
料を直火式釜に入れ、撹拌しながら原料をなじませる。
釜に着火後、焦げを発生させないような適切な直火条件
下で約2時間30分を目安に加熱し続け、じっくりと煮
込み水分を20%程度になるまで十分に蒸発させた後、
パーム油を釜に投入し、1時間を目安として設定温度
120℃まで加熱する。達温後、30℃前後まで冷却
し、エビ調味油3,650gを得た。
【0023】実施例6 豚肉調味油 豚挽肉 2,000g 乾燥玉ねぎチップ 100g 乾燥にんにくチップ 50g 食塩 750g 無水クエン酸 17.5g しょうゆ 200g パーム油 2,500g
【0024】豚肉調味油を作製した。直火式釜にパーム
油以外の原料を入れ、釜の中で撹拌しながら原料をなじ
ませる。乾燥野菜チップは、撹拌当初は豚挽肉の中に白
く混在しているだけであるが、豚挽肉からの水分の滲出
に伴い徐々にその水分を吸湿するので、作業性は実施例
1牛肉調味油の場合と変わらない。釜に着火後、焦げを
発生させないような適切な直火条件下で約2時間を目安
に加熱し続け、じっくりと煮込み水分を20%程度にな
るまで十分に蒸発させた後、パーム油を釜に投入し、1
時間を目安として設定温度105℃まで加熱する。達温
後、30℃前後まで冷却し、豚肉調味油3,950gを
得た。
【0025】〈官能評価〉次に、前記実施例2の鶏肉調
味油を使用した官能試験を実施した。鶏肉調味油
(A)、鶏肉調味油を加熱溶解後濾過して分離された油
脂部(B)、鶏肉調味油を加熱溶解後濾過して分離され
た畜肉片部(C)として、各2gを熱湯100ccに溶
かして3点で比較官能評価した。評価は、味、香り、総
合的評価について、10名のパネラーにより行った。そ
れぞれのパネラーが評点として好ましい順に1位から3
位までの順位をつけ、1位のものを5点、2位のものを
3点、3位のものを1点として、それぞれ集計した。結
果は表1、表2、表3のとおりであった。
【0026】
【表1】
【表2】
【表3】
【0027】更に、即席麺(塩味)に前記(A)を1食
あたり10g添加したもの、鶏肉調味油の構成油脂部と
畜肉片部の比率が7:3であることから、前記(B)を
7gを添加したもの、前記(C)を3gを添加したも
の、比較例として何も添加しないもの、の4点を塩分濃
度を一定にして10名のパネラーにより官能評価を行っ
た。それぞれのパネラーが評点として好ましい順に1位
から4位までの順位をつけ、1位のものを7点、2位の
ものを5点、3位のものを3点、4位のものを1点とし
て、それぞれ集計した。結果は表4のとおりであり、畜
肉片を残した調味油(A)は、油脂部(B)、畜肉片部
(C)よりも官能的に優れていることが判明した。
【0028】
【表4】
【0029】〈保存試験結果〉次に、実施例1で得た牛
肉調味油の保存試験の結果を表5に示す。保存試験は、
常温条件下(10〜25℃)にて6ケ月間行った。試験
項目は、官能評価、一般生菌数、大腸菌群、酸価、過酸
化物価とした。更に、恒温条件下(33℃)で60日間
保存した際の、一般生菌数、大腸菌群の試験結果を表6
に付す。本結果において、常温での保存試験で官能、分
析値に問題はなく、長期間の常温保存において良好なも
のであった。
【0030】
【表5】
【表6】
【0031】
【発明の効果】本発明に係る請求項1ないし5の調味油
の製造方法は、ともに共通する効果として一次、二次処
理といった直火加熱処理により、各種原料からもたらさ
れる呈味と香りが同時に持ち合わされ、優れた調理感を
発揮できるものである。本製法で得られる調味油は、仕
込み原料を全て有効にかつ無駄なく使用し、濾過により
発生する残渣を廃棄することなく製品化されるものであ
って、産業廃棄物を排出しない点でも優れており、しか
も各種原料を油脂に残留させたまま常温で長期保存を可
能にした優れたものである。
【0032】すなわち、請求項1の本発明によれば、調
理感のある畜肉の呈味と香りを持ち、畜肉片を含んだま
まで長期常温保存可能な調味油を製造することができ
る。請求項2の本発明によれば、調理感のある野菜の呈
味と香りを持ち、野菜片を含んだままで長期常温保存可
能な調味油を製造することができる。請求項3の本発明
によれば、調理感のある魚介類の呈味と香りを持ち、魚
介類片を含んだままで長期常温保存可能な調味油を製造
することができる。
【0033】請求項4の本発明によれば、調理感のある
畜肉、野菜、魚介類の呈味と香りを持ち、畜肉片、野菜
片、魚介類片を含んだままで長期常温保存可能な調味油
を製造することができる。請求項5の本発明によれば、
特定の設定温度とすることによって、請求項1、2、3
または4項記載の調味油の製造方法についてより一層好
適なものとして得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程の説明図
【符号の説明】
1A 細断した畜肉、野菜、魚介類のごとき原料 1B 1Aより水溶性呈味成分の一部が抽出された状
態 1C 1Bより脂溶性成分の一部が抽出された状態
(すなわち、完成した調味油における原料片) 2 水溶性呈味成分 3 動植物油脂 4 動植物油脂への脂溶性成分の可溶化 5 調理感のある香気成分を含む油脂 P 開放型直火式釜 B 撹拌用の羽根 W 原料から脱水された水分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 智子 群馬県前橋市朝倉町555の4 サンヨー食 品株式会社内 (72)発明者 中村 郁恵 群馬県前橋市朝倉町555の4 サンヨー食 品株式会社内 Fターム(参考) 4B026 DC01 DC03 DG01 DG11 DL01 DL06 DL07 DL10 DP01 DP03 DX02 4B047 LB02 LB09 LE07 LF02 LG03 LG10 LG11 LG39 LG45 LG46 LG50 LG54 LG60 LG62 LP05 LP07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細断した畜肉の単品または種類の異なる
    畜肉の混合品に、食塩、酸味料、調味料を加えて煮込
    み、原料の水分を十分に蒸発させる一次処理を施し、次
    いで二次処理として、動植物油脂を加えて設定温度まで
    加熱後、冷却することにより、畜肉片を含んだままで長
    期常温保存を可能としたことを特徴とする調味油の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 細断した野菜の単品または種類の異なる
    野菜の混合品に、食塩、酸味料、調味料を加えて煮込
    み、原料の水分を十分に蒸発させる一次処理を施し、次
    いで二次処理として、動植物油脂を加えて設定温度まで
    加熱後、冷却することにより、野菜片を含んだままで長
    期常温保存を可能としたことを特徴とする調味油の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 細断した魚介類の単品または種類の異な
    る魚介類の混合品に、食塩、酸味料、調味料を加えて煮
    込み、原料の水分を十分に蒸発させる一次処理を施し、
    次いで二次処理として、動植物油脂を加えて設定温度ま
    で加熱後、冷却することにより、魚介類片を含んだまま
    で長期常温保存を可能としたことを特徴とする調味油の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 細断した畜肉、野菜、魚介類について、
    それらの2種または全部の混合品に、食塩、酸味料、調
    味料を加えて煮込み、原料の水分を十分に蒸発させる一
    次処理を施し、次いで二次処理として、動植物油脂を加
    えて設定温度まで加熱後、冷却することにより、畜肉
    片、野菜片、魚介類片を含んだままで長期常温保存を可
    能としたことを特徴とする調味油の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記設定温度を105〜150℃とした
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4項記載の調
    味油の製造方法。
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