JP2009098668A - 電子写真用キャリア - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂被覆層中に導電性微粒子を含有する樹脂被覆型キャリアであって、長期間にわたって現像電極として適度な作用が発揮されてエッジ効果が抑制されると共に高い細線再現性が得られる電子写真用キャリアの提供。
【解決手段】 電子写真用キャリアは、磁性体粒子の表面に、導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が設けられてなるものであって、前記樹脂被覆層の断面の平均空隙率が1〜20%であることを特徴とする。電子写真用キャリアにおいては、前記樹脂被覆層を構成する樹脂が、アクリル樹脂よりなることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば電子写真法の画像形成に用いられる二成分現像剤の電子写真用キャリアに関する。
従来、電子写真法においては、感光体や静電記録体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナー粒子を付着させることにより当該静電潜像を現像する方法が一般的に使用されている。この現像に際しては、キャリアと呼ばれる担体粒子をトナー粒子と混合して両者を相互に摩擦帯電させることによりトナー粒子に適当量の正または負の電荷を付与している。
キャリアは、一般に、表面が樹脂によって被覆された樹脂被覆型キャリアと、表面に樹脂被覆層を有さない非被覆キャリアとに大別されるが、樹脂被覆型キャリアを用いた現像剤は寿命が長いという利点を有し、このことから種々の樹脂被覆型キャリアが開発され、かつ実用化されている。
しかしながら、樹脂被覆型キャリアは、樹脂被覆層を形成する樹脂の存在によって電気抵抗が大きくなっているため、現像電極としての作用を十分に発揮することができず、その結果、面積の大きい画像を形成した場合に、中央部の画像濃度が薄く、端部の画像濃度が濃く表現される、いわゆるエッジ効果の鋭く利いた画像となってしまう。また、形成すべき画像が中間調のものである場合に極めて再現性の低い画像となってしまうという欠点を有する。さらに細線再現性も低いという問題がある。
以上のような問題を解決するため、従来から、樹脂被覆型キャリアの電気抵抗を低くするために、樹脂被覆層の上層にさらにカーボンブラックを含有する導電層を形成する技術(例えば、特許文献1参照。)や、樹脂被覆層中にカーボンブラック(例えば、特許文献2参照。)、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物(例えば、特許文献3参照。)などよりなる導電性微粒子を分散させる技術が提案されている。
しかしながら、樹脂被覆型キャリアの電気抵抗を低くするための導電性微粒子を多量に添加すると、得られるキャリアが帯電付与能力の低いものとなり、従ってトナーの帯電量が低くなり、結局、長期間使用することができない、という問題がある。
特開2005−345676号公報 特開昭56−126843号公報 特開昭64−35561号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、樹脂被覆層中に導電性微粒子を含有する樹脂被覆型キャリアであって、長期間にわたって現像電極として適度な作用が発揮されてエッジ効果が抑制されると共に高い細線再現性が得られる電子写真用キャリアを提供することにある。
本発明の電子写真用キャリアは、磁性体粒子の表面に、導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が設けられてなる電子写真用キャリアであって、
前記樹脂被覆層の断面の平均空隙率が1〜20%であることを特徴とする。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、樹脂被覆層における前記平均空隙率が1〜5%であることがより好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、樹脂被覆層に含有される導電性微粒子が、カーボンブラック、酸化亜鉛および酸化スズの少なくとも1つを含有することが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、樹脂被覆層における導電性微粒子がカーボンブラックのみよりなり、当該カーボンブラックの含有量が、当該樹脂被覆層を構成する樹脂100質量部に対して2〜40質量部であることが好ましい。
また、樹脂被覆層における導電性微粒子が酸化亜鉛のみよりなり、当該酸化亜鉛の含有量が、当該樹脂被覆層を構成する樹脂100質量部に対して2〜150質量部であることが好ましい。
さらに、樹脂被覆層における導電性微粒子が酸化スズのみよりなり、当該酸化スズの含有量が、当該樹脂被覆層を構成する樹脂100質量部に対して2〜200質量部であることが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、樹脂被覆層に含有される導電性微粒子の数平均一次粒子径が5〜150nmであることが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、樹脂被覆層を構成する樹脂が、アクリル樹脂よりなることが好ましい。また、樹脂被覆層を構成するアクリル樹脂が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレートおよびポリシクロヘキシルメタクリレートの少なくとも1つよりなることが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、樹脂被覆層を構成する樹脂のガラス転移点温度が110〜180℃であることが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、樹脂被覆層の平均厚さが50〜4,000nmであることが好ましく、より好ましくは200〜3,000nmである。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、樹脂被覆層が乾式コート法によって形成されたものであることが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、磁性体粒子が、鉄粒子、マグネタイト粒子およびフェライト粒子の少なくとも1つを含有することが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、当該電子写真用キャリアの飽和磁化の値が2.5×10-5〜15.0×10-5Wb・m/kgであることが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアにおいては、使用前において、電気抵抗率が1×108 〜3×1010Ω・cmであることが好ましく、より好ましくは2×108 〜1×1010Ω・cmである。
本発明の電子写真用キャリアの粒径が、体積平均粒径D4で10〜100μmであることが好ましい。
本発明の電子写真用キャリアによれば、樹脂被覆層中に特定容量の空隙を有するために、帯電付与性能に大きな影響を与えない少量の導電性微粒子によって導通経路が確保され、これにより低抵抗化が図られ、従って、長期間にわたって良好な帯電付与性能が得られながら現像電極として適度な作用が発揮され、結局、長期間にわたってエッジ効果が抑制され、かつ高い細線再現性が得られた、高い画質の画像を形成させることができる。
キャリアの樹脂被覆層中に空隙を有することによって帯電付与性能に大きな影響を与えない少量の導電性微粒子によって導通経路が確保される原理は、明確ではないが、以下の(1)または(2)の現象が生じることによると推定される。
(1)図1に示されるように、空隙14の縁部に導電性微粒子12が並び、当該導電性微粒子12が連続して接触状態に存在することにより、空隙14の形状に沿った形状の導通経路Rが形成される。
(2)図2に示されるように、空隙14が存在することによって樹脂被覆層16中における導電性微粒子12の存在領域が限定され、その結果、導電性微粒子12同士が接近して接触確率が高いものとなって導通経路Rが形成される。
一方、図3に示されるように、空隙のない樹脂被覆層(以下、「従来の樹脂被覆層」ともいう。)16Aにおいては、空隙14を有する樹脂被覆層(以下、「本発明に係る樹脂被覆層」ともいう。)16と同程度の低抵抗化を企図する場合に、本発明に係る樹脂被覆層16における導通経路Rと同じ程度の数の導通経路Rを当該従来の樹脂被覆層16Aにおいて形成させなければならないところ、これを達成するためには、本発明に係る樹脂被覆層16において含有させたのよりも多量の導電性微粒子12を含有させることが必要となり、結局、十分な帯電付与性能が得られない。
なお、従来の樹脂被覆層16Aにおいては、その厚みの大きさに従って低抵抗化を図るために含有される導電性微粒子12の量が多いものとなり、その厚みの大きさに従って低帯電化されてしまう。
以上のように、空隙14の存在により、本発明に係る樹脂被覆層16において導通経路Rの形成に寄与しない導電性微粒子12が低減されるため、帯電付与性能に大きな影響を与えない少量の導電性微粒子12によってキャリアの低抵抗化が図れることができるものと推測される。
図において、18は磁性体粒子である。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔電子写真用キャリア〕
本発明の電子写真用キャリア(以下、単に「キャリア」ともいう。)は、磁性体粒子の表面に、導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が設けられてなるものであり、前記樹脂被覆層においては、透過型電子顕微鏡によって観察される当該樹脂被覆層の断面の写真における平均空隙率が1〜20%とされ、好ましくは1〜5%である。
平均空隙率は、キャリアの樹脂被覆層中に存在する樹脂や添加剤などの固体成分または液体成分による部分以外の部分、すなわち空孔、気泡の存在率を示す指標である。
樹脂被覆層の平均空隙率が1〜20%の範囲にあることによって、キャリアの低抵抗化を図りながらトナーに適正な帯電付与性能が得られ、摩擦ストレスによる膜はがれも生じ難い。
樹脂被覆層の平均空隙率が1%未満である場合は、樹脂被覆層が樹脂および添加剤などの固体成分および液体成分で充満されている状態であるために、当該樹脂被覆層の機械的強度が高く摩擦ストレスによる樹脂被覆層の膜はがれは生じ難いものの、導通経路の形成のために導電性微粒子が多量に添加されているため、低抵抗化が図られる一方でキャリアの帯電付与性能が低い、という不具合がある。
一方、樹脂被覆層の平均空隙率が20%より大きい場合は、少量の導電性微粒子によって導通経路が形成されており、キャリアの低抵抗化が図られながらトナーへの良好な帯電付与性能が得られるものの、樹脂被覆層の機械的強度が低く樹脂被覆層の膜はがれが生じ易くなる。
〔平均空隙率の測定方法〕
本発明のキャリアを構成する樹脂被覆層の平均空隙率は、以下の方法により算出される値である。
すなわち、集束イオンビーム試料作成装置「SM12050」(エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いてキャリア粒子の薄片を作製し、その後、その薄片の断面を透過型電子顕微鏡「JEM−2010F」(日本電子(株)製)にて5,000倍の倍率で撮影し、その写真をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP」((株)ニレコ製)を用いて樹脂被覆層中の空隙箇所を2値化処理し、画面視野における樹脂被覆層中の空隙の面積率を算出し、この操作を100個のキャリア粒子について行い、その平均値が平均空隙率とされる。
〔導電性微粒子〕
本発明のキャリアを構成する樹脂被覆層に含有される導電性微粒子は、カーボンブラック、酸化亜鉛および酸化スズの少なくとも1つを含有するものであることが好ましい。
導電性微粒子としては、樹脂の強度が高められる効果(フィラー効果)が得られ、得られる現像剤が耐久性の高いものとなることから、カーボンブラックよりなる微粒子が好ましい。
樹脂被覆層中の導電性微粒子の含有量は、樹脂被覆層を構成する樹脂100質量部に対して、例えば導電性微粒子がカーボンブラックのみよりなるものである場合は2〜40質量部、例えば導電性微粒子が酸化亜鉛のみよりなるものである場合は2〜150質量部、例えば導電性微粒子が酸化スズのみよりなるものである場合は2〜200質量部とされることが好ましい。
導電性微粒子の数平均一次粒子径は、5〜150nmであることが好ましい。なお、数平均一次粒子径とは、導電性微粒子1個の粒子径のことであり、凝集した二次粒子の粒子径を示すものではない。
導電性微粒子の数平均一次粒子径は、以下の方法により算出される値である。
すなわち、集束イオンビーム試料作成装置「SM12050」(エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いてキャリア粒子の薄片を作製し、その後、その薄片の断面を透過型電子顕微鏡「JEM−2010F」(日本電子(株)製)にて50万倍の倍率で撮影し、その写真をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP」((株)ニレコ製)を用いて、導電性微粒子の数平均一次粒子径を水平方向フェレ径「FERE H」にて測定した。導電性微粒子の測定数は50個とし、写真1視野で足りない場合には、測定数が50個になるまで視野数を増加させ、その50個の平均値が導電性微粒子の数平均一次粒子径とされる。
〔樹脂被覆層〕
本発明のキャリアの樹脂被覆層を構成する樹脂として好適な樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトンなどのポリビニル系樹脂またはポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチレン−アクリル酸共重合体などの共重合体樹脂;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂、または、例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどによる変性樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素樹脂;ポリアミド;ポリエステル:ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂:エポキシ樹脂などである。
これらの中で、樹脂被覆層を構成する樹脂としては、アクリル樹脂が特に好ましい。なお、アクリル樹脂とは、アクリル酸およびそのエステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸およびそのエステルなどの重合体および共重合体をいい、具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。また、樹脂被覆層を構成する樹脂としては、アクリル樹脂を主成分としてその他の樹脂を混合することも可能である。
樹脂被覆層を構成する樹脂としては、ガラス転移点温度Tgが110〜180℃であるものであることが好ましい。
樹脂被覆層の平均厚さhは、キャリアの耐久性と低抵抗化の両立の観点から50〜4,000nmであることが好ましく、より好ましくは200〜3,000nmである。
樹脂被覆層の平均厚さhは、以下の方法により算出される値である。
すなわち、集束イオンビーム試料作成装置「SM12050」(エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いてキャリア粒子の薄片を作製し、その後、その薄片の断面を透過型電子顕微鏡「JEM−2010F」(日本電子(株)製)にて5,000倍の視野で観察し、その視野におけるキャリア1個の最大層厚となる部分と最小層厚となる部分の平均値を算出し、同様の計算をキャリア100個についても行い、キャリア100個の平均値を樹脂被覆層の平均厚さhとする。
〔樹脂被覆層の形成方法〕
このようなキャリアにおける樹脂被覆層を形成する方法としては、以下に示すような湿式コート法および乾式コート法が挙げられ、これらのうち、平均空隙率の調整が容易であることから、乾式コート法が好ましい。
湿式コート法としては、以下の方法(1)〜(3)などを挙げることができる。
(1)流動層式スプレーコート法:
樹脂被覆層を形成すべき樹脂(以下、「被覆用樹脂」という。)を溶剤に溶解させた塗布液を、流動層を用いて磁性体粒子の表面にスプレー塗布し、次いで乾燥させて被膜を作製する方法。
(2)浸漬式コート法:
被覆用樹脂を溶剤に溶解させた塗布液中に、磁性体粒子を浸漬させて塗布処理を行い、次いで乾燥して被膜を作製する方法。
(3)重合法:
被覆用樹脂を形成すべき重合性化合物を溶剤に溶解させた単量体塗布液中に、磁性体粒子を浸漬させて塗布処理を行い、次いで熱などを加えて重合処理を行うことにより被膜を作製する方法。
乾式コート法は、磁性体粒子の表面に被覆用樹脂よりなる微粒子(以下、「被覆用樹脂微粒子」という。)を被着させ、その後、機械的衝撃力を加え、磁性体粒子の表面に被覆用樹脂微粒子を溶融あるいは軟化させて固着させ、被膜を作製する方法である。具体的には、磁性体粒子、被覆用樹脂微粒子および導電性微粒子の混合物に、加熱下または非加熱下において、高速撹拌混合機を用い、高速撹拌して機械的衝撃力を繰り返し付与し、磁性体粒子の表面に被覆用樹脂微粒子を溶解あるいは軟化させて固着させることにより、被膜を作製することができる。
前記混合物には、必要に応じて荷電制御粒子が含有されていてもよい。
加熱下において機械的衝撃力を付与する場合には、加熱温度は60〜125℃であることが好ましい。加熱温度が過大である場合は、キャリア粒子同士の凝集が発生しやすくなる。
被覆用樹脂微粒子の粒子径は、50〜500nmであることが好ましい。
乾式コート法において、空隙は、被覆用樹脂のガラス転移点温度Tgよりも10〜20℃低い温度において、周速7〜12m/secで機械的衝撃力を付与することにより形成され、機械的衝撃力を付与する時間を90〜120分間の範囲で制御することにより、平均空隙率を調整することができる。機械的衝撃力の付与時間が長いほど、平均空隙率は減少する。
機械的衝撃力の付与時間が長いほど樹脂被覆層における空隙が埋まって平均空隙率が減少するため、すなわち、樹脂被覆層の厚みが薄くなるため、より低抵抗化されることや、樹脂被覆層の表面が平滑になり、得られるキャリアが流動性の高いものとなることから、キャリアの帯電付与性能が高くなるという利点もある。
〔磁性体粒子〕
本発明のキャリアを構成する磁性体粒子は、キャリアの芯粒子となるものであり、このような磁性体粒子としては、鉄粉、マグネタイト、各種フェライトよりなる粒子、またはこれらの微粒子を結着樹脂中に分散させた樹脂分散型の粒子などを挙げることができる。これらの中で好ましいものはマグネタイトや各種フェライトよりなる粒子である。各種フェライトの中では、銅、亜鉛、ニッケル、マンガンなどの重金属を含有するフェライトや、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましい。また、樹脂分散型の粒子を構成する結着樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
磁性体粒子の粒子径は、体積平均粒径D4で10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜80μmである。
磁性体粒子の体積平均粒径D4は、湿式分散器を備えてなるレーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS」(シンパティック社製)により測定される体積基準の平均粒径とされる。
磁性体粒子の磁化特性は、得られるキャリアの磁化特性が飽和磁化の値で2.5×10-5〜15.0×10-5Wb・m/kgとなる大きさであることが好ましい。
キャリアの飽和磁化の値は、「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定されるものである。なお、キャリアの飽和磁化の値の測定条件として、測定する磁性キャリアは、あらかじめ20℃、50%RH環境にて2時間調湿したものを使用する。高さ20mm、内径15.8mmのアクリル製円筒に磁性キャリアを充填し、充填密度ρを求める。その後、磁性キャリアを充填したアクリル製円筒を直流磁化特性自動記録装置にセットし、10kOe の磁界をかけて、y軸が磁束密度B(Gauss)、x軸が磁界の強さH(Oe )の磁気ヒステリシス曲線を得る。飽和磁化の値として、σ1000の数値を用いる。
〔キャリアの電気抵抗率〕
本発明の使用前のキャリアの電気抵抗率は、1×108 〜3×1010Ω・cmであり、好ましくは2×108 〜1×1010Ω・cmである。
キャリアの電気抵抗率は、磁気ブラシによる現像条件下に動的に測定される抵抗率とされる。具体的には、感光体ドラムと同寸法のアルミ製電極ドラムを感光体ドラムに置き換え、現像スリーブ上にキャリア粒子を供給して磁気ブラシを形成させ、この磁気ブラシを電極ドラムと摺擦させ、このスリーブとドラムとの間に電圧(500V)を印加して両者間に流れる電流を測定し、この測定値Iを下記式(1)に当てはめることによってキャリアの電気抵抗率が算出される。
式(1):キャリアの電気抵抗率 DVR(Ω・cm)=(V/I)×(N×L/Dsd)
〔上記式(1)において、
V:現像スリーブとドラム間の電圧(V)
I:測定電流値(A)
N:現像ニップ幅(cm)
L:現像スリーブ長(cm)
Dsd:現像スリーブとドラム間距離(cm)である。〕
ただし、本発明においては、V=500(V)、N=1(cm)、L=6(cm)、Dsd=0.06(cm)として測定を行うものとする。
〔キャリアの粒径〕
本発明のキャリアは、その粒径が、体積平均粒径D4で10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜80μmである。このキャリアの体積平均粒径D4は、湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定されるものである。
〔現像剤〕
以上のようなキャリアは、トナーと混合されて現像剤とされる。
トナーとしては、その粒径が体積基準のメジアン径(D50)で3〜8μmであることが好ましく、より好ましくは4〜7μmである。
トナーの体積基準のメジアン径(D50)は、「コールターマルチサイザーTA−III 」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、測定試料のトナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(測定試料の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行って試料分散液を調製し、この試料分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25,000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径とした。
〔画像形成方法〕
本発明の電子写真用キャリアを含有する現像剤は、電子写真法による画像形成方法に好適に使用することができる。
図4は、本発明の電子写真用キャリアを用いた現像剤が使用される画像形成装置の一例の構成を示す概略説明図である。
この画像形成装置40は、タンデム型カラー画像形成装置であって、ベルト状の中間転写体46に沿って設けられた複数の画像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kと、給紙カセット42と、定着装置49とを備えているものである。図4において、41は操作部であり、47Y,47M,47C,47Kは、各色のトナーカートリッジである。
画像形成ユニット50Yは、イエローのトナー像を形成するものであって、感光体51Yを備え、この感光体51Yの周囲に帯電手段52Y、露光手段53Y、現像装置54Y、1次転写手段57Y、クリーニング手段58Yが配置されて構成されている。
画像形成ユニット50M,50C,50Kは、各々イエローのトナー像を形成する代わりにマゼンタ、シアン、黒色のトナー像を形成する他は画像形成ユニット50Yと同様の構成を有する。
ここで、画像形成ユニット50Yによれば黄色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Mによればマゼンタ色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Cによればシアン色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Kによれば黒色のトナー像が形成される。
中間転写体46は、複数の支持ローラ46A、46B、46Cに張架され、循環移動可能に支持されている。
このような画像形成装置においては、次のように画像形成が行われる。
すなわち、まず、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kより形成された各色のトナー像が、循環移動する中間転写体46上に1次転写手段57Y、57M、57C、57Kにより逐次1次転写され、重畳されてカラートナー像が形成される。
一方、給紙カセット42内に収容された画像支持体Pが、給紙ローラ43により一枚ずつ給紙され、レジストローラ44によって2次転写手段57Aに搬送され、当該画像支持体P上にカラートナー像が2次転写される。
次いで、画像支持体Pが定着装置49に搬送されて定着処理が行われ、その後、排紙ローラ45に挟持されて機外の排紙トレイ48上に、定着画像が担持された画像支持体Pが排出される。
以上説明したようなキャリアによれば、樹脂被覆層中に特定容量の空隙を有するために、帯電付与性能に大きな影響を与えない少量の導電性微粒子によって導通経路が確保され、これにより低抵抗化が図られ、従って、長期間にわたって良好な帯電付与性能が得られながら現像電極として適度な作用が発揮され、結局、長期間にわたってエッジ効果が抑制され、かつ高い細線再現性が得られた、高い画質の画像を形成させることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔キャリアの製造例1〕
体積平均粒径D4が60μm、飽和磁化の値が10.7×10-5Wb・m/kgのMn−Mgフェライト粒子1,100質量部と、スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比2/8,ガラス転移点温度Tg=130℃)よりなる樹脂微粒子(粒子径150nm)3.8質量部と、カーボンブラック(粒径30nm)0.57質量部とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で120分間撹拌混合し、機械的衝撃力の作用でフェライトコア粒子の表面に樹脂被覆層を形成させ、キャリア〔1〕を得た。このキャリア〔1〕において、樹脂被覆層の平均厚さhは2,400nmであり、電気抵抗率は5×109 Ω・cmであった。また、このキャリア〔1〕の平均空隙率を上述した方法によって測定した。結果を表1に示す。
〔キャリアの製造例2〜9〕
キャリアの製造例1において、樹脂被覆層を形成すべき樹脂の種類、導電性微粒子の種類および乾式コート時間を表1に示すように変更したことの他は同様にして、キャリア〔2〕〜〔9〕を得た。これらのキャリア〔2〕〜〔9〕の平均空隙率を表1に示す。
〔黒色トナーの製造例〕
(1)複合着色剤粒子の調製
母材となるシリカ粒子「AEROSIL200」(日本アエロジル社製)にテトラオクチルチタネートを10%処理したもの100質量部および被覆するカーボンブラック「MA100」(三菱化学社製)110質量部を、エッジランナー式粉砕機(松本鉄工所製)
で線加重441N/cm(45kg/cm)の条件で10時間混合し、複合着色剤粒子〔1〕を調製した。
なお、ここで、上記のシリカ粒子は、疎水化処理していないヒュームドシリカ(平均一次粒子径12nm、BET比表面積200g/m2 、嵩密度50g/L)である。
(2)トナー用樹脂粒子の製造
(2−1)ラテックス〔1HML〕の調製
(2−1−1)ラテックス〔1H〕の調製:核粒子の調製(第一段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた5Lのセパラブルフラスコに、下記式(X)で表されるアニオン系界面活性剤7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)〔1H〕を調製した。
式(X):C1021(OCH2 CH2 2 OSO3 Na
(2−1−2)ラテックス〔1HM〕の調製:中間層の形成(第二段重合)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に、下記式(W)で表される結晶性化合物98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、上記式(X)で表されるアニオン系界面活性剤1.6gをイオン交換水2700gに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックス〔1H〕を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記結晶性化合物の単量体溶液を8時間混合分散させ、284nmの分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この乳化液に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240gに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750gとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)〔1HM〕を得た。
式(W):C{CH2 OCO(CH2 20CH3 4
(2−1−3)ラテックス〔1HML〕の調製:外層の形成(第三段重合)
上記のようにして得られたラテックス〔1HM〕に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に結晶性化合物が含有されている複合樹脂粒子の分散液)〔1HML〕を得た。
このラテックス〔1HML〕を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000および13,000にピーク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の重量平均粒径は122nmであった。なお、これらの樹脂粒子の粒子径は「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)により測定され、体積平均粒子径として取り扱っている。
(2−2)ラテックス〔2L〕の調製
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、重合開始剤(KPS)14.8gをイオン交換水400gに溶解させた開始剤溶液を仕込み、80℃の温度条件下に、スチレン600g、n−ブチルアクリレート190g、メタクリル酸30.0g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル20.8gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、27℃まで冷却しラテックス(低分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)〔2L〕を得た。
このラテックス〔2L〕を構成する樹脂粒子は11,000にピーク分子量を有するものであり、また、この樹脂粒子の重量平均粒径は128nmであった。
(3)電子写真用黒色トナーの製造
アニオン系界面活性剤59.0gをイオン交換水1600gに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、320.0gの複合着色剤粒子〔1〕を徐々に添加し、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液〔1〕を調製した。
ラテックス〔1HML〕420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと複合着色剤粒子分散液〔1〕200gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置および撹拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.5〜11.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000gに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加し、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温した。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度98℃にて6時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させた。
さらに、ラテックス〔2L〕96gを添加し、3時間にわたって加熱撹拌を継続し、ラテックス〔1HML〕の凝集粒子表面にラテックス〔2L〕を融着させた。ここで、塩化ナトリウム40.2gを加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した塩析、融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、黒色粒子を得た。
得られた黒色粒子に、数平均一次粒子径35nmの疎水性シリカ0.8質量部、平均一次粒子径25nmの疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、10lヘンシェルミキサーの回転翼周速を30m/sに設定し25分間混合することにより、黒色トナーを得た。この黒色トナーは、体積基準のメジアン径が6.5μmであった。
なお、トナーの体積基準のメジアン径は、以下のように測定した。
すなわち、「コールターマルチサイザーIII 」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出したものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が5〜10%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25,000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径とした。
〔現像剤の作製例1〜9〕
各々、上記のキャリア〔1〕〜〔6〕および比較用のキャリア〔7〕〜〔9〕100質量部と、上記の黒色トナー6質量部とを、V型混合機で混合し、現像剤〔1〕〜〔6〕および比較用の現像剤〔7〕〜〔9〕を作製した。
<実施例1〜6,比較例1〜3>
以上の現像剤〔1〕〜〔6〕および比較用の現像剤〔7〕〜〔9〕を用いてエッジ効果の発現度合い、カブリの発生および細線再現性の画質評価を行った。
エッジ効果の発現度合いおよびカブリの発生については、画質評価は、プリント画像電子写真方式を採用する市販の複合機「bizhub Pro C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の改造機を使用し、A4サイズの上質紙(64g/m2 )に上記の現像剤によって画素率10%のテスト用分割画像(画素率7%の文字画像、人物顔写真画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分した領域に形成された画像)を出力し、初期および50万枚出力後のテスト用分割画像について評価した。結果を表1に示す。
(1)エッジ効果
出力されたテスト用分割画像におけるベタ黒画像の中央部の画像濃度と、端部の画像濃度との差を目視で観察し、以下のように評価した。評価が◎〜△であれば実用上問題ないといえる。
◎:濃度差がない。
○:若干、濃度差がある。
△:濃度差はあるものの、許容できる範囲である。
×:濃度差があり、許容できない範囲である。
(2)カブリの発生
まず、上記の上質紙の印字されていない白紙について反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて20ヵ所の画像濃度を測定し、この平均値を白紙濃度とした。次いで、出力されたテスト用分割画像のベタ白画像の部分について、同様に20ヵ所の濃度を測定し、この平均値から上記白紙濃度を減じた値をカブリ濃度として求め、以下の基準で評価した。カブリ濃度が0.010未満であれば、カブリの発生は実用上問題ないといえる。
◎;カブリ濃度が0.003未満である。
○:カブリ濃度が0.003以上0.006未満である。
△;カブリ濃度が0.006以上0.010未満である。
×:カブリ濃度が0.010以上である。
(3)細線再現性
プリント画像電子写真方式を採用する市販の複合機「bizhub Pro C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の改造機を使用し、A4サイズの上質紙(64g/m2 )を用いて2ドットラインの画像信号に対応したテスト用ライン画像を2万枚形成した。1枚目のテスト用ライン画像におけるライン幅(W1 )および2万枚目のテスト用ライン画像におけるライン幅(W2 )を、各々印字評価システム「RT2000」(ヤーマン(株)製)によって測定した。W1 およびW2 のいずれもが200μm以下であり、かつ、(W2 −W1 )が10μm未満である場合は「○」、(W2 −W1 )が10μm以上である場合は「×」として評価した。評価が○であれば、細線再現性は実用上十分であるといえる。
以上のように、実施例1〜6の本発明のキャリアに係る現像剤〔1〕〜〔6〕によれば、エッジ効果が抑制され、カブリの発生が低減され、高い細線再現性が得られることが確認された。
本発明の電子写真用キャリアの樹脂被覆層の断面の一例を模式的に示す説明図である。 本発明の電子写真用キャリアの樹脂被覆層の断面の別の一例を模式的に示す説明図である。 空隙を有さない電子写真用キャリアの樹脂被覆層の断面の一例を模式的に示す説明図である。 本発明の電子写真用キャリアによる現像剤が使用される画像形成装置の一例の構成を示す概略説明図である。
符号の説明
12 導電性微粒子
14 空隙
16,16A 樹脂被覆層
18 磁性体粒子
40 画像形成装置
41 操作部
42 給紙カセット
43 給紙ローラ
44 レジストローラ
45 排紙ローラ
46 中間転写体
46A,46B,46C 支持ローラ
47Y,47M,47C,47K トナーカートリッジ
48 排紙トレイ
49 定着装置
50Y,50M,50C,50K 画像形成ユニット
51Y 感光体
52Y 帯電手段
53Y 露光手段
54Y 現像装置
57A 2次転写手段
57Y,57M,57C,57K 1次転写手段
58Y クリーニング手段
P 画像支持体
R 導通経路

Claims (18)

  1. 磁性体粒子の表面に、導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が設けられてなる電子写真用キャリアであって、
    前記樹脂被覆層の断面の平均空隙率が1〜20%であることを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 樹脂被覆層における前記平均空隙率が1〜5%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  3. 樹脂被覆層に含有される導電性微粒子が、カーボンブラック、酸化亜鉛および酸化スズの少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  4. 樹脂被覆層における導電性微粒子がカーボンブラックのみよりなり、当該カーボンブラックの含有量が、当該樹脂被覆層を構成する樹脂100質量部に対して2〜40質量部であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真用キャリア。
  5. 樹脂被覆層における導電性微粒子が酸化亜鉛のみよりなり、当該酸化亜鉛の含有量が、当該樹脂被覆層を構成する樹脂100質量部に対して2〜150質量部であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真用キャリア。
  6. 樹脂被覆層における導電性微粒子が酸化スズのみよりなり、当該酸化スズの含有量が、当該樹脂被覆層を構成する樹脂100質量部に対して2〜200質量部であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真用キャリア。
  7. 樹脂被覆層に含有される導電性微粒子の数平均一次粒子径が5〜150nmであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  8. 樹脂被覆層を構成する樹脂が、アクリル樹脂よりなることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  9. 樹脂被覆層を構成するアクリル樹脂が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレートおよびポリシクロヘキシルメタクリレートの少なくとも1つよりなることを特徴とする請求項8に記載の電子写真用キャリア。
  10. 樹脂被覆層を構成する樹脂のガラス転移点温度が110〜180℃であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  11. 樹脂被覆層の平均厚さが50〜4,000nmであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  12. 前記樹脂被覆層の平均厚さが200〜3,000nmであることを特徴とする請求項11に記載の電子写真用キャリア。
  13. 樹脂被覆層が乾式コート法によって形成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  14. 磁性体粒子が、鉄粒子、マグネタイト粒子およびフェライト粒子の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  15. 当該電子写真用キャリアの飽和磁化の値が2.5×10-5〜15.0×10-5Wb・m/kgであることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  16. 使用前において、電気抵抗率が1×108 〜3×1010Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  17. 使用前において、電気抵抗率が2×108 〜1×1010Ω・cmであることを特徴とする請求項16に記載の電子写真用キャリア。
  18. 当該電子写真用キャリアの粒径が体積平均粒径D4で10〜100μmであることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
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