JP2011033723A - 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも磁性キャリアコア表面に樹脂被覆層を形成した磁性キャリアであって、該樹脂被覆層はトルエンに可溶な樹脂とカーボンブラックを含有しており、該トルエンに可溶な樹脂の温度−30℃、周波数0.1Hz以上、10.0Hz以下における損失弾性率(G”)が1.00×105Pa以上、8.00×106Pa以下であることを特徴とする磁性キャリア。
【選択図】なし
Description
二成分系現像剤に用いられる磁性キャリアとしては、帯電量の安定化、キャリアの耐久性向上などの目的で、フェライト粒子や磁性体分散型樹脂コア表面に樹脂をコートしたコートキャリアが用いられている。
また、特定のモノマーとメタクリル酸メチルモノマーとの共重合体をコートし、水に対する接触角が95°以上であるキャリア(特許文献2)が提案されている。
って、
該樹脂被覆層はトルエンに可溶な樹脂とカーボンブラックを含有しており、
該トルエンに可溶な樹脂の温度−30℃、周波数0.1Hz以上、10.0Hz以下における損失弾性率(G”)が1.00×105Pa以上、8.00×106Pa以下であることを特徴とする磁性キャリアに関する。
また、本発明は、着色剤、結着樹脂及び離型剤を少なくとも含有するトナーと、磁性キャリアコア表面に樹脂被覆層を形成した磁性キャリアとを少なくとも含有する二成分系現像剤であって、該磁性キャリアは、前記磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
また、本発明は、着色剤、結着樹脂及び離型剤を少なくとも含有するトナーと、キャリアコアの表面に樹脂被覆層を形成した磁性キャリアとを少なくとも有する補給用現像剤を補給しながら現像し、且つ少なくとも現像器内部で過剰になった磁性キャリアを必要に応じて現像器から排出する二成分現像方法に使用する為の補給用現像剤であり、該補給用現像剤は該磁性キャリア1質量部に対して該トナーが2質量部以上、50質量部以下の配合割合で含有されており、該磁性キャリアは、前記磁性キャリアであることを特徴とする補給用現像剤に関する。
さらにカーボンブラックの分散や接着性が良く、樹脂被覆層から剥がれ難くなる為、カーボンブラックが原因となる画像のくすみを防止できる。
これらのことから、環境安定性、高速、高負荷型の複写機においても安定した帯電性、耐久性に優れ、長期にわたって安定した画像を得ることができる磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤を得ることができる。
<磁性キャリア>
キャリアコアの表面を被覆する樹脂被覆層について説明する。
本発明においてキャリアコアの表面を被覆するのに用いられる被覆樹脂は、少なくともトルエンに可溶な樹脂であり、−30℃、0.1Hz以上、10Hzの間の周波数における損失弾性率(G”)が1.00×105Pa以上8.00×106Pa以下であることが特徴である。
こういった背景を踏まえ、本発明者らは離型剤の汚染に強い被覆樹脂の発明に着手した。
まず本発明者らは磁性キャリアの表面の付着性を低くするような、表面エネルギーの低
い樹脂での検討を行った。主な例としてはフッ素系樹脂やシリコーン樹脂であった。
しかしこれらを被覆樹脂として検討したが、いずれも離型剤の汚染性として満足できるものは無かった。
まずフッ素系樹脂は、上述にもあるようにネガ帯電性が強く、ネガトナーに対して帯電量の立ち上がりが遅い場合がある。この結果多量にトナーを消費し、さらに高温高湿環境のようなトナーに帯電を付与させるのに不利な条件が重なった場合、帯電不良によるカブリやガサツキ感が目立つ。
シリコーン樹脂では、高速で画像を出力するような場合機械的ストレスによってコート材が剥がれ、画像弊害をもたらすことが多発する結果となった。
こういった背景のもと、本発明者らはフッ素を使用しないアクリル系で帯電付与能とトナーや外添剤、そして離型剤の汚染も抑制できるコート材の検討を行い、本発明に至った。
例えば、樹脂は主鎖の分子運動の起こる領域の主分散域と、局部的な運動(主鎖の一部や側鎖、分子骨格中の基の運動など)の起こる領域の副分散域を有することは知られている。本発明で使用される被覆樹脂は、この副分散域での運動状態が適度に活発であることが求められる。測定温度である−30℃は、副分散域での運動の状態を測定できる温度でほぼ上限に近い温度である。
本発明で使用される被覆樹脂は、副分散域での損失弾性率(G”)を比較的低い値に設計することが特徴である。このことが意味することについて、本発明者らは以下のように考えている。−30℃という測定域で損失弾性率(G”)が小さいということは、局部的な分子の運動(側鎖の運動や分子構造による運動)が活発であることを示している。こういった樹脂は表面エネルギーが高くなることが考えられる。
以上のような理由により、本発明の被覆樹脂をコート材として使用した場合、表面エネルギーが大きくなることで離型剤との親和を抑制し、離型剤汚染を防ぐと共に、樹脂表面の微小な粘性、弾性によってストレスを軽減させることでトナーや外添剤の付着も抑制することができる。
(G”)が8.00×106Paを超える場合、被覆樹脂の表面エネルギーや微小な弾性が小さくなる為、外添剤、トナーそして離型剤の汚染性が悪くなる。そのため長期間で連続使用された場合、高精細な画像が得られず、カブリやガサツキ感が目立ち易くなる。
逆に1.00×105Pa未満の場合は、被覆樹脂の表面エネルギーが大きくなりすぎる為、トナーや外添剤の汚染性が悪化する。また磁性キャリアコアとの密着性が低下してコートが剥がれ、画像に表れてブツブツなどの画像弊害を起こす。さらに後述するカーボンブラック等の添加剤の脱離をお越し、トナーを汚染することで色味の低下を発生させる。
そのような樹脂を得るために、少なくとも下記式(A1)で表される構造を有するモノマーを好ましく使用することができる。
マクロモノマーを共重合成分として用いることで、磁性キャリアコアと被覆樹脂層との密着性を高めることができ、被覆樹脂層の靭性、耐摩耗性を高めることができる。また、コート材にカーボンブラック等の微粒子を添加してもコート材から脱離し難くなる。
具体的なマクロモノマーの一例としては、例えば以下の式(A2)で示されるものが挙げられる。
、アクリロニトリル、メタクリロニトリルからなるグループより選ばれる1種又は2種以上の化合物を重合成分として重合させたときに得られる基を示し、R3はHまたはCH3を示す。)
これらのアクリル系モノマーやマクロモノマーにおいてメタクリル酸メチルモノマーは、トナーへの帯電付与能を高めることができ、また高温高湿環境下におけるトナー帯電量を上げることができ、結果的にトナー帯電量の環境変動を抑えることができるために好ましく使用できる。
これらのアクリル系モノマーとマクロモノマーとの質量基準の共重合割合(ユニット比率)は、アクリル系モノマーによる主鎖成分:マクロモノマーによる側鎖成分=99.5:0.5〜70.0:30.0が好ましい。
本発明において用いられる共重合体は、従来公知の重合方法により得ることができる。具体的には、乳化重合、懸濁重合、分散重合及び溶液重合法等が挙げられる。
比表面積が30m2/g未満である場合、カーボンブラックを添加することで得られる
弾性や靭性強化の効果が少なくなり、汚染性が悪化し易くなる。また、カーボンブラックが被覆樹脂から脱離し易くなる。200m2/gを超えると被覆樹脂が脆くなり、コート
剥がれ等を起こし易くなる。なお、本発明でいう比表面積とはBET法比表面積のことをい
う。
カーボンブラックの一次粒子の個数平均粒子径が10nm未満の場合、カーボンブラックの分散性が悪化し、帯電不良によるカブリの影響が出易くなる。55nmを超えると被覆樹脂に所望の剛性を付与できないためか、キャリアの汚染性が低下し、カーボンブラック自身も脱離し易くなる傾向にある。
被覆樹脂に添加するカーボンブラックの含有量は、被覆樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上、20質量部以下であることが好ましい。0.1質量部未満ではカーボンブラック添加の効果が得られ難く、20質量部を超えるとカーボンブラックの脱離による色味低下の懸念がある。
タログ値が本発明の範囲内であれば好ましく使用することができる。
カーボンブラックの製造から行う場合は、製法や原料によって調整可能である。例えば、天然ガスを原料としたチャンネル法では一次粒子の個数平均粒子径が小さいカーボンブラックを得ることができる。油を主成分とした原料を使用したファーネス法では、チャンネル法よりも一次粒子の個数平均粒子径の大きなカーボンブラックが得られる。また製造時に原料供給量を多くすることで一次粒子の個数平均粒子径が大きいカーボンブラックを得ることができる。
なお、カーボンブラックの一次粒子の個数平均粒子径が大きくなると比表面積は小さくなる。よって製法や原料を調整しながら一次粒子の個数平均粒子径と比表面積を制御し、所望のカーボンブラックを得ることが好ましい。
磁性キャリアコアは、マグネタイト粒子、フェライト粒子、磁性体分散型樹脂粒子等の公知の磁性粒子を用いることができる。中でも磁性体分散型樹脂粒子や中空形状またはポーラス形状を有しているフェライト粒子、或いは、このような形状を有するフェライト粒子の空隙に樹脂を含有させたものが、磁性キャリアの真密度を低くできるために好適である。フェライト粒子の空隙に含有させる樹脂としては、被覆樹脂として使用する共重合体樹脂を用いることもできるが、これに限らず、公知の樹脂を用いることができ、中でも熱硬化性樹脂であることが好ましい。磁性キャリアの真密度を低くすることによって、トナーに対するストレスを軽減でき、トナースペントの発生を抑制できる。またドット再現性を改善することができ、高精細な画像を得ることができるようになる。
中空形状またはポーラス形状を有するフェライト粒子を得るためには、焼成時に温度を低めに調整して結晶の成長速度をコントロールする方法や発泡剤や有機微粒子の空孔形成剤を添加し空孔を生じさせる方法が挙げられる。また、焼成時の雰囲気を、低酸素濃度にコントロールする、磁性キャリアコアの抵抗をコントロールし、現像性に優れた磁性キャリアを得ることができる。
磁性キャリアコアの比抵抗は、電界強度500V/cmにおける比抵抗値が1.0×103Ω・cm以上、1.0×109Ω・cm以下であることが好ましい。現像性を高めることができるという点で、1.0×105Ω・cm以上、5.0×107Ω・cm以下であることがより好ましい。比抵抗値が上記の範囲にある場合、樹脂のコート量を多くしなくともリークを抑制することができる。また、低電界強度においても良好な現像性が得られるようになる。
次に、磁性キャリアについて説明する。
磁性キャリアは、磁化の強さが、1000/4π(kA/m)の磁界下で、40Am2/kg以上、70Am2/kg以下であることが好ましい。より好ましくは45Am2/kg以上、65Am2/kg以下、更に好ましくは45Am2/kg以上、62Am2/kg以下である。磁性キャリアの磁化の強さが上記の範囲内にある場合には、現像スリーブへの磁気的拘束力が適度であるため、キャリア付着の発生をより良好に抑制できる。また、磁気ブラシ中でトナーに与えられるストレスを低減することができるため、トナーの劣化や他の部材に対する付着を良好に抑制できる。また、磁性キャリアの磁化の強さは、含有される樹脂量で適宜調整することができる。
磁性キャリアは、真密度が2.5g/cm3以上、4.2g/cm3以下であることが好ましく、3.2g/cm3以上、4.0g/cm3以下であることがより好ましい。この範囲の真密度を有する磁性キャリアを含む二成分系現像剤は、トナーへかかる負荷が少なく、磁性キャリアへのトナースペントの発生が抑制される。また、低電界強度における良好な現像性と磁性キャリア付着の防止を両立させるためにもこの範囲の真密度が磁性キャリアにとって好ましい。
次に、二成分系現像剤に磁性キャリアと共に含有されるトナーについて説明する。
トナーは、重量平均粒径(D4)が3.0μm以上、8.0μm以下であることが高画質及び耐久性を両立するために好ましい。重量平均粒径(D4)が上記の範囲内にある場合には、トナーの流動性が良好であり、十分な帯電量を得やすく、また、良好な解像度を得やすい。
トナーは、平均円形度が0.940以上、1.000以下であることが好ましい。トナーの平均円形度が上記の範囲内にある場合には、磁性キャリアとトナーとの離型性が良好となる。また、良好なクリーニング性が得られやすい。尚、平均円形度は、フロー式粒子像測定装置によって計測された粒子の円形度を、円形度範囲0.20〜1.00を800分割したチャンネルに振り分けて解析した円形度分布に基づくものである。フロー式粒子像測定装置としては、一視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37μm×0.37μmの解像度である装置を用いた。
トナー粒子に含有される結着樹脂としては、例えば、以下のものが挙げられる。ポリエステル、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類及びジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油樹脂。
トナーは、粉砕法で製造されたものであっても、懸濁重合法や乳化凝集法といった水系媒質中でトナー粒子を製造する方法で得られたものであってもよい。
懸濁重合法を行う際に用いることのできる重合性単量体としては、例えば、以下のものが挙げられる。スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、エチ
レン不飽和モノオレフィレン類のモノマー、ビニルエステル類のモノマー、ビニルエーテル類のモノマー、ビニルケトン類のモノマー、N−ビニル化合物のモノマー及びその他のビニルモノマー。
アクリル系モノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類、アクリル酸及びアクリル酸アミド類。
また、メタクリル系モノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル類、メタクリル酸及びメタクリル酸アミド類。
エチレン不飽和モノオレフィレン類のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレンが挙げられる。
ビニルエステル類のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びベンゾエ酸ビニルが挙げられる。
ビニルケトン類のモノマーとしては、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びメチルイソプロペニルケトンが挙げられる。
N−ビニル化合物のモノマーとしては、例えば、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール及びN−ビニルピロリドンが挙げられる。
その他のビニルモノマーとしては、例えば、ビニルナフタリン類、アクリロニトリル、メタクリロニトル、アクリルアミドの如きアクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体が挙げられる。
ビニル系樹脂を製造する際に用いられる重合開始剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル及びアゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクシルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン及びトリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンの如き過酸化物系開始剤や過酸化物を側鎖に有する開始剤、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムの如き過硫酸塩及び過酸化水素。
ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン及び2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンの如きラジカル重合性多官能重合開始剤が挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上、15質量部以下であることが好ましく、3質量部以上、10質量部以下であることがより好ましい。離型剤の含有量が上記範囲内であると、良好な離型性が得られるとともに磁性キャリアへの汚染性も抑制できる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及
びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。
着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109及び121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21及び27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39及び40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27及び28の如き塩基性染料。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、30質量部であり、より好ましくは0.5質量部以上、20質量部であり、最も好ましくは3質量部以上、15質量部である。
トナーには、トナーとキャリアとの離型性を高めるためのスペーサー粒子として、個数分布基準の最大ピーク粒径80nm以上、200nm以下のシリカ粒子が外添されることが好ましい。スペーサー粒子として機能させつつ、トナーからの脱離をより良好に抑制するためには、100nm以上、150nm以下であることがより好ましい。
更に、流動性や転写性の向上を狙って、トナー粒子にその他の外添剤が添加されていてもよい。トナー粒子表面に外添される外添剤は、酸化チタン、酸化アルミナ及びシリカの如き無機微粒子を含むことが好ましく、複数の種類を併用しても良い。
リカ粒子の含有量は、0.1質量部以上、2.5質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以上、2.0質量部以下である。この範囲内であれば、スペーサー粒子として効果がより顕著となる。
チタンカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート及びビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート。
また、シランカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン及びp−メチルフェニルトリメトキシシラン。
脂肪酸としては、例えば、以下のものが挙げられる。ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸及びアラキドン酸の如き長鎖脂肪酸。それらの脂肪酸金属塩の金属としては、例えば、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム及びリチウムが挙げられる。
疎水化処理は、被処理粒子に対して1質量%以上、30質量%以下(より好ましくは3質量%以上7質量%以下)の疎水化処理剤を被処理粒子に添加して、被処理粒子を被覆することにより行われることが好ましい。
疎水化処理された外添剤の疎水化の程度は特に限定されないが、例えば、処理後の疎水化度が40以上98以下であることが好ましい。疎水化度とは、試料のメタノールに対する濡れ性を示すものであり、疎水性の指標である。
上記補給用現像剤は、現像剤の耐久性を高めるという観点から、上記磁性キャリア1質量部に対して上記トナーを2質量部以上、50質量部以下の配合割合で含有させることを特徴とする。
上記補給用現像剤において、磁性キャリア1質量部に対しトナーの含有量が2質量部未
満であると、特に印刷濃度の高い画像を高速で印刷した場合に補給用現像剤を多量に補給することが必要になる。その結果、補給用現像剤と現像器中の現像剤が十分に混合しないうちに現像に使用され、トナーの帯電が不均一になりやすく、その結果、画質が低下することがある。また、排出される現像剤量が多くなってしまう。
また、磁性キャリア1質量部に対しトナーが50質量部より多く含有されると、劣化した磁性キャリアが排出されずに長期間使用され、磁性キャリアの劣化が進行し画像が低下することがある。
図1は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図を示す。補給用現像剤に含有されるキャリアによって増量した余剰キャリアは、容量UP分がオーバーフローして現像剤回収オーガに取り込まれ、補給用現像剤容器あるいは別の回収容器へ搬送される。
第1の画像形成ユニットPaは、静電潜像担持体としての直径30mmの感光体61aを具備し、この感光体61aは矢印a方向へ回転移動される。帯電手段としての一次帯電器62aは、直径16mmのスリーブの表面に形成された帯電用磁気ブラシが感光体61aの表面に接触するように配置されている。レーザー光67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光体61aに静電潜像を形成するために、図示されていない露光装置により照射される。感光体61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー像を形成するための現像手段としての現像装置63aは、カラートナーを保持している。転写手段としての転写ブレード64aは、感光体61aの表面に形成されたカラートナー像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されてくる転写材(記録材)の面に転写する。この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
現像によりトナーが消費され、T/C比が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給用現像剤容器65aから補給用現像剤を補給する。なお、トナー濃度検知センサー85は図示されないコイルを内部に有している。
、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用いる。そして、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行なわれる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離される。そして、転写材は搬送ベルトの如き搬送手段によって定着装置70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
転写材上に転写された未定着のカラートナー像は、この定着装置70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。
図1において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆動ローラによって矢印e方向に移動するものである。他に、転写ベルトクリーニング装置79、ベルト従動ローラ81であり、ベルト除電器82を有し、一対のレジストローラ83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するためものである。
転写手段としては、転写材担持体の裏面側に当接する転写ブレードに代えて、ローラ状の転写ローラの如き転写材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能である。
しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることが、より好ましい。
上記のような複写動作が繰り返されると、図2の現像器内の現像槽17内に収納されている現像剤中のトナーは徐々に消費され、キャリアに対するトナーの比率、すなわちトナー濃度が低下していく。このトナー濃度の変化は、図示しない(図1では濃度検知センサー85として図示)トナー濃度センサーによりトナー濃度が現像に必要な適性範囲内に常に入るようにフィードバック制御される。上記制御によりトナー補給部9の補給口から、現像器内の現像槽17に供給される。
一方、現像槽17内の現像剤中のキャリアは、現像により消費されることはなく、現像槽17内でのトナーと一緒に撹拌され、マグネットロールの磁力、および静電潜像担持体との接触等の影響により、徐々に表面等が汚染されて劣化していく。このようにキャリアが劣化していくと、トナーに所定の帯電量を付与し得なくなり、画質の低下を生じることになる。そこで、上記の現像器内の消費されない劣化したキャリアを新しいキャリアと置換する必要がある。図2では新しいキャリアを現像装置内に補給する手段として、現像により消費されたトナーを補給するためのトナーカートリッジの中に補給用キャリアを混合した現像剤を入れ、トナー補給部9の補給口から、現像器63aに補給する。
図1の現像器63aが感光体61aに対向し、現像動作を行っている位置で、現像器に設けられた現像器側現像剤排出口34から溢出した現像剤は、連通管36内を移動し、現像剤回収口35から排出される。
本発明の現像方法としては、具体的には、現像剤担持体に交流電圧を印加して、現像領
域に交番電界を形成しつつ、磁気ブラシが感光体に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)6と感光ドラムの距離(S−D間距離)は、100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなる。一方、1000μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低く
なり、ドット再現性に劣ったり、磁性コートキャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
また、周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、静電潜像担持体に接触したトナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与えられずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超えると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
感光体の構成としては、通常、画像形成装置に用いられる感光体と同じで良く、例えば、アルミニウム、SUS等の導電性基体の上に、順に導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層及び必要に応じて電荷注入層を設ける構成の感光体が挙げられる。
導電層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層は、通常、感光体に用いられるもので良い。
感光体の最表面層として、例えば電荷注入層あるいは保護層を用いてもよい。
測定装置としては、回転平板型レオメーター「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。
測定試料としては、25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、トナーを直径7.9mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。
該試料をパラレルプレートに装着し、室温(25℃)から180℃に20分間で昇温して、試料の形を整えた後、粘弾性の測定開始温度である−30℃まで冷却し、測定を開始する。この際、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットすることが、重要である。また、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
(1) 直径7.9mmのパラレルプレートを用いる。
(2) 周波数(Frequency)は0.1Hz、0.2Hz、0.3Hz、0.5Hz、0.75Hz、1.0Hz、2.0Hz、3.0Hz、5.0Hz、7.5Hz、10.0Hzの11点でそれぞれ測定し、最大値及び最小値が1.00×105以上、8.00×106以下の範囲にあるかどうかを確認する。
(3) 印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
(4) 30〜200℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0℃/minで測定を行う。尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5) 最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
(6) 最大トルク(Max Allowed Torque)200.0g・cmとし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
(7) 歪み調整(Strain Adjustment)を 20.0% of Current Strain と設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8) 自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9) 初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10) 自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×103(Pa)以上である。
磁性キャリア10gをトルエン50mlが入ったビーカーに入れる。そして、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行った。その後、キャリアコアが流れないように、キャリアコアを磁石で固定しながら、上澄み液を取り除いた。この操作を5回以上繰り返し、その後、50℃で窒素フローしている乾燥機に入れて24時間乾燥させ、キャリアコアを得た。
本発明に用いられる磁性キャリアの比抵抗は、図3に概略される測定装置を用いて測定される。抵抗測定セルEに磁性キャリア47を充填し、充填された磁性キャリアに接するように下部電極41および上部電極42を配し、これらの電極間に電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって磁性キャリアの比抵抗を求める。
サンプル量を10.0g測りとり、サンプルを抵抗測定セルに充填し、サンプルの厚みdを正確に測定した。電圧の印加条件は、印加条件I、II、IIIの順に印加し、印加条件IIIでの印加電圧での電流を測定した。その後、それぞれの電界強度(V/cm)における比抵抗(Ω・cm)を下記計算式により求めた。印加条件IIIの時の電界強度100V/cm(即ち、印加電圧/d=100(V/cm)になる時)における比抵抗を、多孔質磁性コア粒子の比抵抗とした。
II :(500Vで30秒ホールド)
III:(500Vから0Vに変更:30秒おき100Vずつステップ状に減少)
2、上部電極の荷重240gとした。サンプル量を1.0g測りとり、サンプルを抵抗測定セルに充填し、サンプルの厚みdを正確に測定した。
電圧の印加条件は、印加条件I、II、IIIの順に印加し、印加条件IIIでの印加電圧での電流を測定した。その後、それぞれの電界強度(V/cm)における比抵抗(Ω・cm)を下記計算式により求めた。印加条件IIIの時の電界強度3000V/cm(即ち、印加電圧/d=3000(V/cm)になる時)における比抵抗を、磁性キャリアの比抵抗とした。
II :(1000Vで30秒ホールド)
III:(1000Vから0Vに変更:30秒おき200Vずつステップ状に減少)
上記式中、“印加電圧(V)/d(cm)”の値は、多孔質磁性コア粒子の測定においては100(V/cm)であり、キャリアの測定においては3000(V/cm)である。
磁性キャリアの樹脂被覆層に含有されている微粒子の個数分布基準の最大ピーク粒径は、以下の手順で測定した。
樹脂被覆層を形成している樹脂が可溶な溶媒(例えば、トルエン)で、樹脂被覆層を有するキャリアを洗浄することにより、磁性キャリアから分離された成分を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて50,000倍で観察する。そして、粒径が5nm以上の微粒子をランダムに500個以上抽出する。抽出された粒子の長軸と短軸をデジタイザにより測定し、長軸と短軸の平均値を微粒子の粒径とする。抽出された500個以上の微粒子の粒径の分布(カラム幅を5乃至15nm,15乃至25nm,25乃至35nm,・・・のように10nm毎に区切ったカラムのヒストグラムを用いる)のピークになるカラムの中心値の粒径を最大ピーク粒径とする。
また、トナーの外添剤に関しても、上記微粒子と同様の測定方法によって測定することができる。
磁性キャリアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV−30(理研電子(株)製)で以下の手順で測定した。
円筒状のプラスチック容器にキャリアを十分に密に充填したものを試料として用い、1000/4π(kA/m)の外部磁場における磁化モーメントを測定した。また、該容器に充填したキャリアの実際の質量を測定した。これらより、キャリアの磁化の強さ(Am2/kg)、残留磁化(Am2/kg)、保磁力(kA/m)を求めた。
粒度分布測定は、マイクロトラックMT3300EX(日機装社製)にて測定を行った。測定には、乾式測定用のTurbotrac試料供給機を装着して行った。
真密度は、乾式自動密度計オートピクノメータ(ユアサアイオニクス社製)を用いて測定した。
i)中空形状またはポーラス形状を有するフェライト粒子の場合
試料として中空形状またはポーラス形状を有するフェライト粒子を用意できる場合にはそれを測定試料として用い、磁性キャリアしかない場合には、以下の方法でフェライト粒子を取り出して用いる。
磁性キャリアを10.0g準備し、るつぼ中に入れる。N2ガス導入口、排気装置ユニットを装着したマッフル炉(FP−310、ヤマト科学製)を用い、N2ガスを導入しながら、900℃で16時間加熱した。その後、磁性キャリアの温度が50℃以下になるまで放置した。
50mlのポリ瓶中に加熱後の磁性キャリアを入れ、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2g、水を20g加え、磁性キャリアに付着しているスス等を洗浄した。この時、磁性キャリアが流れないようにするために、磁石で固定して行った。また、アルキルベンゼンスルホン酸塩が試料に残らないように水で5回以上すすいだ。その後、60℃で24時間乾燥させた。以上のようにして、磁性キャリアからフェライト粒子を取り出した。
上記の如くして取り出したフェライト粒子を用いて、パウダーテスターPT−R(ホソカワミクロン社製)で、固め見掛け密度を測定した。
測定においては、目開き500μmの篩を用いて、振幅を1mmで振動させながら、ちょうど10mlとなるまでフェライト粒子を補給しつつ、金属性カップを振幅18mmにて上下往復180回タッピングした。そして、タッピング後のキャリアコア粒子質量から、固め見掛け密度(g/cm3)を計算した。
ii)中空形状またはポーラス形状を有するフェライト粒子以外の場合
試料としてキャリアコアを用意できる場合にはそれを測定試料として用い、樹脂コートされた磁性キャリアしかない場合には、以下の方法で被覆樹脂を除去し、キャリアコアを取り出して用いる。
磁性キャリアを10g準備し、ビーカーにトルエンを50ml入れ、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行った。次いで、キャリアコアが流れないように磁石で固定しながら、溶解された被覆樹脂を含む上澄み液を取り除いた。これらの操作を5回以上繰り返し、上澄み液が透明になることを確認した。その後、50℃で窒素フローしている乾燥機に入れ、24時間乾燥させてキャリアコアを得た。
上記の如くして取り出したキャリアコアを用いて、i)の場合と同様にして硬め見掛け密度(g/cm3)を測定した。
固め見掛け密度の測定と同様にしてキャリアコアを分離した後、JIS−Z2504に準じ、測定を行う。
JIS K6217−2:2001に記載の方法で測定され、単位重量当りの比表面積(m2/g)で表示される。
カーボンブラックを走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所製S−4700)により、10万倍に拡大した無機微粒子の画像から300個の粒子径を測定し、その平均から一次粒子の個数平均粒子径を求める。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により、以下の手順で測定される。前述のキャリアコアに用いられる樹脂やトナーの結着樹脂の重量平均分子量も、この測定手順により測定することができる。
40℃のヒートチャンバー中で安定化されたカラムに、テトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料である樹脂の濃度が0.05乃至0.6質量%に調整されたTHF試料溶液を、50乃至200μl注入して測定する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。用いるカラムは、103乃至2×106の分子量領域を的確に測定するために、複数の市販のポリスチレンゲルカラムの組み合わせであることが好ましい。例えば、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせや、昭和電工社製のshodex KA−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせが好ましい。
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東ソー(株)製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer
3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製
)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力が120Wである超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定できる。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。
各粒子の円形度を算出後、円形度0.2乃至1.0の範囲を800分割し、測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加えた後、測定試料0.5gを加える。そして、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モ
ードで、トータルカウントモードにて30000個の粒子を計測する。粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上200.00μm以下に限定し、トナーの平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
表1で示されるモノマーと、式(1)で示されるような一方の末端にエチレン性不飽和基(メタクリロイル基)を有し、式中Xが表1で示されるモノマーを重合することにより得られたマクロモノマーとを、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。さらにトルエン90質量部、メチルエチルケトン110質量部、及びアゾビスイソバレロニトリル2.0質量部を加えた。得られた混合物を、窒素気流下70℃で10時間保持し、重合反応終了後、洗浄を繰り返し、グラフト共重合体溶液(固形分33質量%)を得た。この溶液のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量は、54,000であった。これを被覆樹脂1とする。得られた被覆樹脂1乃至15の物性を表3に示す。
マグネタイト微粒子(球形、個数平均粒径250nm、磁化の強さ65Am2/kg、残留磁化4.2Am2/kg、保磁力4.4kA/m、500V/cmにおける比抵抗3
.3×105Ω・cm)と、シラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の質量に対して3.0質量%の量)とを、容器に導入した。そして、該容器内において温度100℃以上で高速混合撹拌して、マグネタイト微粒子を表面処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液) 16質量部
・表面処理した上記マグネタイト微粒子 84質量部
上記材料を反応釜に導入し、温度40℃でよく混合した。
その後、撹拌しながら平均昇温速度3℃/分で、温度85℃に加熱し、28質量%アンモニア水4質量部および水25質量部を反応釜に加えた。温度85℃にて保持し、3時間重合反応させて硬化させた。このときの撹拌翼の周速は1.8m/秒とした。
重合反応させた後、温度30℃まで冷却して水を添加した。上澄み液を除去して得られた沈殿物を水洗し、さらに風乾した。得られた風乾物を、減圧下(5hPa以下)にて、温度60℃で乾燥して、樹脂中に磁性体が分散された体積分布基準の50%粒径(D50)35μm、ゆるみ見かけ密度1.90g/cm3のキャリアコア(a)を得た。キャリアコア(a)の比抵抗は、2.2×108Ω・cm、固め見掛け密度2.11g/cm3、真密度3.60g/cm3であった。また、磁化の強さ55Am2/kg、残留磁化3.5Am2/kg、保磁力4.3kA/mであった。
被覆樹脂1を固形分10質量%になるようにトルエンに溶解した。その中に表2に示すカーボンブラックを、被覆樹脂固形分100質量部に対して10.0質量部、架橋メラミン粒子(個数分布基準の最大ピーク粒径が250nm)を被覆樹脂固形分100質量部に対して1.0質量部添加し、充分に攪拌、分散させた。
次にコート装置として万能混合攪拌機(不二パウダル製)を用い、キャリアコア100質量部に対して、コート量(固形分として)が1.0質量部になるようコート溶液を3回に分けて投入した。その際、混合機内を減圧し、窒素を導入して、雰囲気を窒素置換した。温度65℃に加熱し、窒素雰囲気で減圧(700MPa)を保ちつつ、攪拌し、キャリアがさらさらになるまで溶剤を除去した。さらに撹拌を行いつつ、窒素を導入しながら温度100℃に加熱し、1時間保持した。冷却後、磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の物性を表3に示す。
さらに磁性キャリア1と同様、表3に示す被覆樹脂(キャリアコア100質量部に対して樹脂固形分1.0質量部で固定)、カーボンブラック、キャリアコア、架橋メラミン粒子の組み合わせで磁性キャリア2乃至22を得た。カーボンブラックの種類や被覆樹脂固形成分100質量部に対する添加部数、架橋メラミン粒子の被覆樹脂固形成分100質量部に対する添加部数及び磁性キャリアの比抵抗を表3に示す。
ビニル系共重合体ユニットを得るための材料として、スチレン10質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、フマル酸2質量部、α−メチルスチレンの2量体5質量部、ジクミルパーオキサイド5質量部を滴下ロートに入れた。また、ポリエステル重合体ユニットを得るための材料として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン25質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン15質量部、テレフタル酸9質量部、無水トリメリット酸5質量部、フマル酸24質量部及び2−エチルヘキサン酸錫0.2質量部をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、マントルヒーター内に設置した。次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、温度130℃の温度で攪拌しつつ、先の滴下ロートより、ビニル系単量体及び重合開始剤を約4時間かけて滴下した。次いで、温度を200℃まで昇温し、4時間反応させ、重量平均分子量78,000、数平均分子量3800のハイブリッド樹脂を得た。
・上記ハイブリッド樹脂 100質量部
・精製ノルマルパラフィン(最大吸熱ピーク温度80℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で
混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を分級し、さらにハイブリダイザー(奈良機械製作所製)処理装置を用い5回繰り返し球形化処理を行い、重量平均粒径(D4)5.8μm、平均円形度0.957のシアントナー粒子を得た。
同様にしてC.I.ピグメントブルー15:3の替わりにC.I.ピグメントイエロー74を7.0質量部、C.I.ピグメントレッド122を6.0質量部、表2に示すカーボンブラックaを5.0質量部使用して、それぞれイエロー、マゼンタ、ブラックトナー粒子を調整した。
得られた各トナー粒子100質量部に、個数分布基準の最大ピーク粒径110nmであり、ヘキサメチルジシラザンで処理された疎水化度94のシリカ粒子を1.0質量部、個数分布基準の最大ピーク粒径50nmであり、疎水化度70の酸化チタン粒子を0.9質量部、個数分布基準の最大ピーク粒径20nmであり、疎水化度98のシリコーンオイル処理シリカ粒子を0.5質量部添加した。そして、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)で混合して、重量平均粒径5.9μm、平均円形度0.956の各色トナーを得た。
キャリア1の92質量部に対し、各色トナーを8質量部加え、ターブラーミキサーにより2分間混合し、二成分系現像剤を調製した。
一方、キャリア1を10質量部に対し、トナー1を90質量部加え、常温常湿23℃50%RHの環境において、V型混合機により5分間混合し、補給用現像剤とし、補給用現像剤収容装置内の補給用現像剤容器に充填した。
画像形成装置として、キヤノン製カラー複写機imagePRESS C7000VPを下記条件で出力できるように改造し、各色現像器に上記現像剤を入れ、下記条件で画像面積比率10%の画像50万枚の耐久試験前後での各種評価を行った。
印刷環境 温度30℃/湿度80RH%(以下「H/H」)
温度23℃/湿度5RH%(以下「N/L」)
紙1 カラーレーザーコピアペーパー(81.4g/m2)
紙3 カラーレーザーコピア光沢厚紙NS−701(150g/m2)
(いずれもキヤノンマーケティングジャパン株式会社)
画像形成速度 A4サイズ、フルカラーで80枚/分で出力できるように改造した。
現像条件 現像コントラストを自由に変更できるように改造した。
現像器空回転 本体の現像器のスリーブ周速を自由に変更し、空回転できるように改造した。
耐久後、感光体上に現像されるトナー量が0.55mg/cm2となるために必要とされる現像コントラストを調整し、A4全面ベタ画像をカラーレーザーコピア光沢厚紙NS−701に出力した。この時の白く抜けたような画像上のぶつぶつの個数をカウントし、各色単色で出力したA4紙1枚画像のぶつぶつの数を平均したもので表した。
A:2個以内。
B:2個より多く、4個以下。
C:4個より多く、6個以下。
D:6個より多く、8個以下。
E:8個より多く、11個以下。
F:11個より多く、15個以下。
G:15個より多い。
なお製品として問題ないレベルは、A乃至Dである。結果4を表に示す。
耐久後、A4全面ベタ白画像をカラーレーザーコピアペーパーで出力した。カブリは白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定し、その白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、評価した。評価基準は次の通りである。
A:非常に良好(0.5%未満)
B:良好(0.5%以上、1.0%未満)
C:やや良好(1.0%以上、1.5%未満)
D:普通(1.5%以上、2.5%未満)
E:やや悪い(2.5%以上、〜3.0%未満)
F:悪い(3.0%〜4.0%)
G:非常に悪い(4.0%以上)
なお製品として問題ないレベルは、A乃至Dである。結果を表4に示す。
耐久後、ハーフトーン画像(30H画像)をカラーレーザーコピアペーパーで出力した。この画像を目視にて観察し、前記画像のドットの再現性について以下の基準に基づき評価した。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白とし、FFHをベタ黒とするときのハーフトーン画像である。
A:全くガサツキを感じなく、なめらかな画像である。
B:ガサツキをあまり感じない。
C:ややガサツキ感はあるが、実用上問題ないレベルである。
D:ガサツキ感がある。
E:非常にガサツキ感がある。
なお製品として問題ないレベルは、A乃至Cである。結果を表4に示す。
環境による色味差はa*、b*をSpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)を用いて測定することによって求められる。以下に具体的な測定条件の一例を示す。
<測定条件>
観測光源:D50
観測視野:2°
濃度:DIN NB
白色基準:Pap
フィルター:なし
系で用いられている値である。a*及びb*は、両者で色相を表す。色相とは、赤、黄、緑、青、紫等、色あいを尺度化したものである。a*及びb*のそれぞれは、色の方向を示しており、a*は赤−緑方向、b*は黄−青方向を表している。本発明において色味変動の差(△C)を以下のように定義した。
A:非常に良好 0≦△C<1.0
B:良好 1.0≦△C<2.0
C:やや良好 2.0≦△C<3.0
D:普通 3.0≦△C<4.0
E:やや悪い 4.0≦△C<5.0
F:悪い 5.0≦△C<6.5
G:非常に悪い 6.5≦△C
なお製品として問題ないレベルは、A乃至Dである。結果を表5に示す。
イエローの二成分系現像剤が投入された現像器を補給用現像剤が補給されない状態でそれぞれN/L環境、H/H環境で空回転させた。空回転時のスリーブの周速は700mm/秒で、1時間空回転後、10分間止めるという工程を繰り返し、合計で20時間空回転させた。その後、紙上トナー量が0.55mg/cm2となるように現像コントラストを調整し、A4全面ベタ画像をカラーレーザーコピアペーパーで出力した。その後(4)と同じ測定器、測定条件で耐久前後の明度L*を測定した。この評価では、最も差が出やすい
イエローで評価を行った。なお、空回転前の画像のL*は全て83.3以上であった。
A:非常に良好 83.0以上
B:良好 82.0以上、83.0未満
C:やや良好 81.0以上、82.0未満
D:普通 80.0以上、81.0未満
E:やや悪い 78.0以上、80.0未満
F:悪い 76.0以上、78.0未満
G:非常に悪い 76.0未満
なお製品として問題ないレベルは、A乃至Dである。結果を表4に示す。
実施例1では、各評価とも非常に優れた画像特性を示した。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア2、3と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例2、3では、被覆樹脂のマクロモノマーの比率を変化させることで、温度−30℃における損失弾性率(G”)を調整できるが、本発明の範囲内であり、結果は非常に優れた画像特性であった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア4、5、6と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例4、5、6では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)を調整できるが、本発明の範囲内であり、結果は非常に優れた画像特性であった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア7と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例7では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)を調整できるが、G”が若干低くなり
、H/H環境でのL*の低下が若干気になるが、高画質として問題無いと言えるレベルだ
った。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア8と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例8では、主鎖モノマー種としてシリコンアクリル系モノマーを使用した。コートの靭性が若干少なくなり、コート剥がれによる画像ブツブツやカブリが少し目に付くようになったが、製品として問題無いレベルだった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア9と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例9では、カーボン種を変更したが、カーボンブラックの特性値を満足しており、高画質として問題無いと言えるレベルだった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア10、11と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例10、11では、カーボン種を変更した。カーボンブラックの特性値として、BET法比表面積がかなり大きいことから、コート材の靭性が低下
し、コート剥がれによる画像ブツブツ、カブリが目立つようになったが、製品として問題無いレベルだった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア12と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例12では、カーボン種を変更した。カーボンブラックのBET
法比表面積が小さく、粒径も大きい為、カーボンブラックがコートから剥がれ易くなり、L*の低下が目立つようになった。また、特にN/Lでのドット再現性が若干悪くなった
が、製品として問題無いレベルであった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア13と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例13では、カーボンブラックの添加量を少なくした。その結果、N/L環境での帯電の不安定さが現れ、カブリ、ドット再現性の低下が目に付いた。
また環境による色味差も若干気になるようになったが、製品として問題無いレベルであった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア14と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例14では、カーボンブラックの添加量を多くした。その結果、H/H環境での帯電の不安定さが現れ、カブリ、ドット再現性の低下が目に付いた。ま
た多量のカーボンブラックにより、L*の低下が不利になると共に、環境による色味差も
若干気になるようになったが、使用可能レベルであった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア15と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例15では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)が高くなり、キャリア汚染によるカブリ、ドット再現性などの低下が確認できたが、使用可能レベルだった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア16と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。実施例16では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)が低くなり、コート剥がれによる画像への影響が目立つようになったが、使用可能レベルだった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア17と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例1では、被覆樹脂のマクロモノマーの比率を多くすることで、温度−30℃における損失弾性率(G”)が高くなった。そのため、キャリアの汚染性が高くなり、画像弊害としてカブリが顕著に表れた。また環境による色味差も大きくなった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア18と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例2では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)が小さくなった。その結果、コート剥がれなどによる画像弊害や、カーボンブラックの脱離によるL*の低下が顕著に表れた
。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア19と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例3では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)高くなった。その結果特にカブリが悪化した。また色味の差も大きくなった。さらにG”が高くなり過ぎることでコート材の靭性が悪くなり、コート剥がれも目立つようになった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア20と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例4では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)が小さくなり、さらにカーボンブラックを添加しなかった。カーボンブラックによるコート材の剛性、靭性が得られないため、コート剥がれが特に顕著に発生した。そのために全体的に画像特性が悪化したが、カーボンブラックの帯電緩和性も得られないことが原因で、画像弊害は特にN/L環境で顕著
であった。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア21と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例5では、被覆樹脂の主鎖モノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)大きくなり、さらに被覆樹脂にマクロモノマーを使用しなかったため、コート材の剥がれが極端に悪化した。その影響で画像のブツブツやL*
の低下も顕著になった。特にキャリアの汚染性は顕著で環境による色味差は著しく悪化した。結果を表4及び5に示す。
実施例1と同様に、キャリア22と、トナーを使用して二成分系現像剤と補給用現像剤を実施例1と同じ比率で調製した。ここで得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例6では、被覆樹脂の主鎖モノマーを変更することで、温度−30℃における損失弾性率(G”)小さくなり、さらに被覆樹脂にマクロモノマーを使用しなかったため、コート材の剥がれが極端に悪化した。その影響で画像のブツブツや環境による色味差も顕著になった。カーボンブラックの脱離が著しく悪化し、L*の低下は極
端に悪くなった。結果を表4及び5に示す。
定電圧装置、47 磁性キャリア、48 ガイドリング、E 抵抗測定セル、L 試料厚み
Claims (6)
- 少なくとも磁性キャリアコア表面に樹脂被覆層を形成した磁性キャリアであって、
該樹脂被覆層はトルエンに可溶な樹脂とカーボンブラックを含有しており、
該トルエンに可溶な樹脂の温度−30℃、周波数0.1Hz以上、10.0Hz以下における損失弾性率(G”)が1.00×105Pa以上、8.00×106Pa以下であることを特徴とする磁性キャリア。 - 該カーボンブラックの比表面積が30m2/g以上、200m2/g以下であり、一次粒子の個数平均粒子径が10nm以上、55nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
- 該樹脂被覆層を形成している樹脂が、少なくともマクロモノマーと他のモノマーとを共重合することにより得られた樹脂を少なくとも含有し、該マクロモノマーは、少なくともアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーを重合することにより得られたマクロモノマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性キャリア。
- 着色剤、結着樹脂及び離型剤を少なくとも含有するトナーと、磁性キャリアコア表面に樹脂被覆層を形成した磁性キャリアとを少なくとも含有する二成分系現像剤であって、
該磁性キャリアは、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。 - 着色剤、結着樹脂及び離型剤を少なくとも含有するトナーと、キャリアコアの表面に樹脂被覆層を形成した磁性キャリアとを少なくとも有する補給用現像剤を補給しながら現像し、且つ少なくとも現像器内部で過剰になった磁性キャリアを必要に応じて現像器から排出する二成分現像方法に使用するための補給用現像剤であり、該補給用現像剤は該磁性キャリア1質量部に対して該トナーが2質量部以上、50質量部以下の配合割合で含有されており、該磁性キャリアは、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
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