JP2016004050A - 二成分現像剤用キャリア、二成分現像剤、画像形成方法、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁性粒子、及び、前記磁性粒子を被覆する樹脂被覆層を有し、前記樹脂被覆層が、樹脂、界面活性剤、及び、架橋粒子を含有し、前記架橋粒子の含有量が、前記樹脂被覆層の全重量に対し、2〜30重量%であることを特徴とする二成分現像剤用キャリア。
【選択図】なし
Description
現像剤には、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがある。その中でも二成分現像剤は、キャリアが現像剤の撹拌・搬送・帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。
特許文献1には、少なくとも結着樹脂及び着色剤からなる母体粒子の表面に、特定の構造の含フッ素界面活性剤の存在下にエマルジョン化した離型剤微粒子を付着させ、更にその表面に疎水性シリカ微粒子を添加したことを特徴とする負帯電性トナーが記載されている。
特許文献2には、樹脂微粒子を用いた乾式法により、芯材粒子の表面に樹脂被覆層が形成された樹脂被覆キャリアであって、樹脂微粒子は、ポリエチレングリコールエーテル型非イオン系界面活性剤の存在下に乳化重合して得られるフッ素化アクリレート系重合体よりなり、樹脂微粒子中における界面活性剤の残留量が60〜10,000ppmの範囲にあることを特徴とする静電荷像現像用キャリアが記載されている。
特許文献4には、キャリアの被覆層の膜剥がれがなく、高湿時の吸湿による電位リークがなく、トナースペントを生じないなどのすぐれた特性を有していて高耐久性であり、現像剤としたとき長期に亘り高画質の画像が安定して得られる電子写真用キャリアが記載されている。
特許文献6には、芯材の表面に重合体の被覆層を有する静電荷像現像用キャリアにおいて、該重合体が少なくともメタクリル酸シクロアルキル単量体を重合してなる重合体を主要成分として含有し、かつ重合体の中の残存界面活性剤量が重量基準で5〜500ppmであることを特徴とする負帯電トナー用キャリアが記載されている。
特許文献7には、磁性体粒子の表面に、内層と外層の2層からなる樹脂コーティング層を設けてなるコーティングキャリアにおいて、前記内層が界面活性剤を含有してなるコーティングキャリアが記載されている。
<1>磁性粒子、及び、前記磁性粒子を被覆する樹脂被覆層を有し、前記樹脂被覆層が、樹脂、界面活性剤、及び、架橋粒子を含有し、前記架橋粒子の含有量が、前記樹脂被覆層の全重量に対し、2〜30重量%であることを特徴とする二成分現像剤用キャリア、
<2>前記架橋粒子の含有量が、前記樹脂被覆層の全重量に対し、5〜20重量%であることを特徴とする<1>に記載の二成分現像剤用キャリア、
<3>前記界面活性剤の含有量が、キャリアの総重量に対し、50〜2,250ppmである、<1>又は<2>に記載の二成分現像剤用キャリア、
<4><1>〜<3>の何れか1つに記載の二成分現像剤用キャリア及び静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする二成分現像剤、
<5>少なくとも像保持体を帯電させる帯電工程と、前記像保持体表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記像保持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記トナー像を定着する定着工程と、を含み、前記静電荷像現像剤が、<4>に記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法、
<6>像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、静電荷像現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を定着する定着手段と、を有し、前記静電荷像現像剤が、<4>に記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
上記<2>に記載の発明によれば、架橋粒子の含有量が樹脂被覆層の全重量に対して5〜20重量%の範囲内ではない場合に比べて、経時による画像濃度の変化がより抑えられる静電荷像現像用キャリアを提供することができる。
上記<3>に記載の発明によれば、界面活性剤の含有量がキャリアの総重量に対して50〜2,250ppmの範囲内ではない場合に比べて、経時による画像濃度の変化がより抑えられる静電荷像現像用キャリアを提供することができる。
上記<4>に記載の発明によれば、<1>〜<3>の何れかに記載の二成分現像剤用キャリア及び静電荷像現像用トナーを有さない場合に比べて、経時による画像濃度の変化が抑えられる二成分現像剤を提供することができる。
上記<5>に記載の発明によれば、静電荷像現像剤が<4>に記載の二成分現像剤ではない場合に比べて、経時による画像濃度の変化が抑えられる画像形成方法を提供することができる。
上記<6>に記載の発明によれば、静電荷像現像剤が<4>に記載の二成分現像剤ではない場合に比べて、経時による画像濃度の変化が抑えられる画像形成装置を提供することができる。
本実施形態の二成分現像剤用キャリア(以下、単に「キャリア」ともいう。)は、磁性粒子(以下、「芯材」ともいう。)、及び、前記磁性粒子を被覆する樹脂被覆層を有し、前記樹脂被覆層が、樹脂、界面活性剤、及び、架橋粒子を含有し、前記樹脂粒子の含有量が、前記樹脂被覆層の全重量に対し、2〜30重量%であることを特徴とする。
帯電制御剤としては、例えば界面活性剤を加える方法が提案されている(特許文献6)。界面活性剤を使用した場合、確かに帯電制御は可能なものの、その維持性は低く、現像剤を長期に渡って使用した場合には画像濃度の変化が引き起こされた。
これは、界面活性剤は膜の表面に存在しやすいため、キャリア被複層の摩耗(膜へり)により被覆層中の界面活性剤量が減少してしまい、結果として帯電変動が引き起こされたためであると推測している。
そこで本発明者等が詳細に検討した結果、キャリアの樹脂被覆層に、界面活性剤と共に特定の割合で架橋樹脂粒子を配合することにより、長期に渡る使用下においても画像濃度の変化が抑制され、好ましい特性を示すことになることを見いだした。これは、界面活性剤が、被複層の表面だけではなく被覆層中の被覆樹脂と樹脂粒子との界面にも存在するため、界面活性剤が層内の深さ方向に分散することとなり、経時による膜へりが生じた際にも安定した帯電制御が可能となっているためであると推測している。
本実施形態の二成分現像剤用キャリアは、磁性粒子(芯材)、及び、前記磁性粒子を被覆する樹脂被覆層を有する。
前記芯材としては、公知の材料を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらの磁性金属とマンガン、クロム、希土類等との合金、酸化鉄、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型芯材が挙げられる。
前記樹脂分散型芯材に用いられる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
芯材の磁力は、1,000エルステッドにおける飽和磁化が50emu/g以上100emu/g以下であることが好ましく、60emu/g以上100emu/g以下であることがより好ましい。飽和磁化が50emu/g以上100emu/g以下であると、磁気ブラシの硬度が適度に保たれ、また、キャリアがトナーと共に、感光体上に現像されてしまうことを抑制することができる。
例えば、測定試料を内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1,000エルステッドまで掃引する。次いで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求めることができる。なお、本実施形態においては、飽和磁化は1,000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ、層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式:R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm2)を表す。
本実施形態の二成分現像剤用キャリアは、磁性粒子、及び、前記磁性粒子を被覆する樹脂被覆層を有し、前記樹脂被覆層が、樹脂、界面活性剤、及び、架橋粒子を含有する。
本実施形態の前記樹脂被覆層に用いられる架橋粒子としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂のどちらも使用できるが、熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。架橋粒子の例としては、メラミン樹脂粒子、フェノール樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、架橋ポリウレタン粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋スチレン−アクリル樹脂粒子等が挙げられ、メラミン樹脂粒子が好ましい。
架橋粒子としては、樹脂被覆層中に界面を作り出すことが好ましいため、後述する樹脂被覆層に含まれる樹脂と相溶しない架橋粒子が好ましい。
架橋粒子が熱可塑性樹脂の場合、架橋粒子のTgとしては、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。
架橋粒子の体積平均一次粒径は、0.1〜1μmであることが好ましく、0.2〜0.8μmであることがより好ましい。
なお、体積平均粒径は、例えば、透過電子顕微鏡(TEM)により観察・写真撮影して、写真から任意の架橋粒子100個の粒径を測定して、その平均値を取ることにより求めることができる。
架橋粒子の添加量は、樹脂被複層の全重量に対し、2〜30重量%であり、5〜20重量%であることが好ましく、5〜15重量%であることがより好ましい。
添加量が上記範囲であれば、樹脂被覆層中に十分な界面が形成され、また架橋粒子が均一に分散した樹脂被複層が得られる。
他の架橋粒子の製造方法としては、例えば特開2007−3840に記載の合成方法が挙げられる。
なお、本実施形態においては、架橋粒子として市販品を使用することもでき、好ましい市販品としては、エポスターシリーズ((株)日本触媒製)、JSR SIZE STANDARD PARTICLES(JSR(株)製)、MX、MZ、MR及びMPシリーズ(綜研化学(株))、マイクロジェル(日本ペイント(株))等が挙げられる。
前記樹脂被覆層に用いられる界面活性剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び、両性界面活性剤の各種界面活性剤が挙げられる。中でも、カチオン性、アニオン性、及び、ノニオン性界面活性剤が好ましく、帯電制御の観点からは、カチオン性又はアニオン製界面活性剤がより好ましい。
本実施形態に用いられるカチオン性界面活性剤としては、第四級アンモニウム塩が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウム塩がより好ましい。
本実施形態に用いられるアニオン性界面活性剤としては、スルホン酸型界面活性剤が好ましく、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩がより好ましい。
本実施形態に用いられるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好ましい。
両性イオン界面活性剤としては、例えば、N−アルキルニトリロトリ酢酸、N−アルキルジメチルベタイン、N−アルキルオキシメチル−N,N−ジエチルベタイン、N−アルキルスルホベタイン、N−アルキルヒドロキシスルホベタイン、レシチン、ペルフルオロアルキルスルホンアミドアルキルベタインが挙げられる。
界面活性剤の含有量が上記範囲であれば、帯電制御効果が十分に得られ、かつ、吸湿による帯電リークが発生し難い樹脂被覆層が得られる。
前記樹脂被覆層に用いられる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
中でも、前記樹脂被覆層に用いられる樹脂としては、シクロアルキルメタクリレートの単独重合体又は共重合体が好ましく、シクロヘキシルメタクリレートの単独重合体又は共重合体が、前記架橋粒子とのなじみやすさ、帯電量制御の点で更に好ましい。
また、前記樹脂被覆層に用いられる樹脂としては、下記式(2)で表されるモノマーの単独重合体又は共重合体、すなわち、下記式(3)で表されるモノマー単位を少なくとも有する重合体であることが好ましい。
式(2)におけるR2は、前記架橋粒子とのなじみやすさ、及び、帯電量制御の観点から、5〜7員環のシクロアルキル基であることが好ましく、シクロヘキシル基であることが好ましい。また、前記シクロアルキル基は、その環構造上にアルキル基を有していてもよいが、有していないことが好ましい。
前記樹脂被覆層には、導電材料を用いることもできる。具体的には、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、導電材料としては、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色導電剤が好ましい。白色導電剤を用いることにより、キャリア片が被転写体に転写された際に、トナー像中の発色性に影響を与えにくい。
帯電制御剤は、例えば、ニグロシン染料、ベンゾイミダゾール系化合物、第四級アンモニウム塩化合物、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、トリフェニルメタン系化合物、サリチル酸金属塩錯体、アゾ系クロム錯体、銅フタロシアニンなど、公知のいかなるものでも構わない。中でも、第四級アンモニウム塩化合物、アルコキシ化アミン、アルキルアミドが好ましく挙げられる。
帯電制御剤の添加量としては、芯材を100重量部としたとき、0.001重量部以上5重量部以下であることが好ましく、0.01重量部以上0.5重量部以下であることがより好ましい。上記範囲であると、樹脂被覆層の強度が十分であり、使用時のストレスにより変質が生じにくいキャリアが得られ、また、導電材料の分散性に優れる。
前記キャリアの製造方法は、特に限定されず、公知である混練・粉砕製法等の乾式法や、乳化凝集法や懸濁重合法等の湿式法等によって作製される。これらの方法の中でも、乾式法により形成されることが好ましい。ここで、「乾式法」とは、被覆液を使用せずに、被覆層形成用樹脂粒子と芯材粒子とを混合撹拌して、これに機械的衝撃力を繰り返して付与することより芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成していく方法である。
好ましい乾式法の一例としては、芯材粒子と、前記樹脂及び前記界面活性剤を含む被覆層形成用樹脂粒子と、架橋粒子とを、例えば通常の混合撹拌装置等により混合撹拌して均一に混合し、得られた混合物を例えば通常の回転翼型撹拌装置を改良した装置等に入れて、この混合物に例えば5〜40分間にわたり機械的衝撃力を繰り返して付与することにより、芯材粒子の表面に架橋粒子を含む樹脂被覆層を形成する。更に好ましくは、常温で5〜15分間混合撹拌したのち、混合物の温度が被覆層形成用樹脂粒子のガラス転移点Tgに対し(Tg+15)℃以上の範囲の温度条件下で撹拌し樹脂被覆層を形成する。
本実施形態に用いられる被覆層形成用樹脂粒子は、前記樹脂及び前記界面活性剤を含む樹脂粒子であることが好ましい。
また、本実施形態に用いられる被覆層形成用樹脂粒子は、前記界面活性剤の存在下に乳化重合して得られる樹脂粒子であることが好ましい。
樹脂粒子としては、前記樹脂を挙げることができる。
被覆層形成用樹脂粒子の一次粒径は、50〜500nmであることが好ましく、100〜400nmであることがより好ましい。
また、被覆層形成用樹脂粒子は乾燥して使用してもよく、乾燥時には凝集体を形成してもよい。凝集体の粒径としては、1〜50μmであることが好ましい。
樹脂被覆層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上5μm以下であることがより好ましく、1μm以上3μm以下であることが更に好ましい。
樹脂被覆層の平均膜厚(μm)は、芯材の真比重をρ(無次元)、芯材の体積平均粒径をd(μm)、樹脂被覆層の平均比重をρC、芯材100重量部に対する樹脂被覆層の全含有量をWC(重量部)とすると、下記式(A)以下のようにして求めることができる。
式(A):平均膜厚(μm)={[キャリア1個当たりの被覆樹脂量(導電粉等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]}/樹脂被覆層の平均比重
={[4/3π・(d/2)3・ρ・WC]/[4π・(d/2)2]}/ρC
=(1/6)・(d・ρ・WC/ρC)
キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、ベックマン−コールター社製)を用いて測定する。
本実施形態の二成分現像剤(以下、単に「現像剤」ともいう。)は、本実施形態の二成分現像用キャリアと静電荷像現像用トナーとを含む二成分現像剤である。
前記二成分現像剤における静電荷像現像用トナーと本実施形態のキャリアとの混合比(重量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至10:100の範囲が好ましく、3:100乃至8:100の範囲がより好ましい。
本実施形態の二成分現像剤は、予め現像手段(現像剤収容容器)内に収容される現像剤としてはもちろんのこと、例えば、トリクル現像方式などに利用される供給用現像剤としても適用される。
前記供給用現像剤における静電荷像現像用トナーと本実施形態のキャリアとの混合比(重量比)は、トナー:キャリア=20:1乃至1:1の範囲が好ましく、20:1乃至10:1の範囲がより好ましい。
本実施形態の二成分現像剤は、トリクル現像用二成分現像剤として特に好適に使用される。
本実施形態に用いられる静電荷像現像用トナーとしては、特に制限はなく、公知のトナーを用いることができるが、結着樹脂と着色剤とを有する有色トナーが好ましく例示される。
また、前記静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、及び、着色剤を含むことが好ましく、結着樹脂、着色剤、及び、離型剤を含むことがより好ましい。
前記静電荷像現像用トナーは、結着樹脂を含む。
結着樹脂の種類は特に限定されるものではなく、公知の樹脂を用いることができる。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられるが、加熱による粘度の急激な変化がより現れる点、更に機械的強度と定着性との両立の観点から、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
以下、結着樹脂を代表してポリエステル樹脂を中心に説明する。
なお、上記ポリエステル樹脂の溶融温度及びガラス転移温度は、前記の示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
前記重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製GPC・HLC−8120を用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で行った。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
前記静電荷像現像用トナーは、着色剤を含むことが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーよりなる群から選択された少なくとも一種の有色トナーと共にトナーセットを構成してもよい。
有色トナーに用いられる着色剤としては、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から、公知の顔料が好ましい。
前記着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の有色トナーを得ることができる。
前記静電荷像現像用トナーは、離型剤を含むことが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナバワックス、エステルワックス、モンタンワックス等が挙げられる。これらの中でも、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス等が好ましく、パラフィンワックス、エステルワックス等が更に好ましい。
離型剤のトナー中の含有量は、0.5重量%以上15重量%以下が好ましい。
前記静電荷像現像用トナーには、上記成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の公知の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又は、これら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
無機粒子は、種々の目的のために添加されるが、トナーにおける粘弾性調整のために添加されてもよい。この粘弾性調整により、画像光沢度や紙への染み込みを調整することができる。無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態に用いられる外添剤としては、公知の外添剤が挙げられるが、無機粒子を用いることが好ましい。
前記静電荷像現像用トナーの体積平均粒径は、4μm以上9μm以下の範囲であることが好ましい。体積平均粒径が4μm以上であると、トナー流動性に優れ、トナー間の帯電量の差が小さく、帯電量の大きいトナーを使用した場合であっても経時による画像濃度変化が抑えられる。また、帯電分布が狭く、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が抑制され、画像の発色性に優れる。
なお、トナーの体積平均粒径の測定は、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用することが好ましい。
測定法として具体的には、以下の方法が挙げられる。
分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を1.0mg加える。これを前記電解液100ml中に添加して試料を懸濁した電解液を作製する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザー−II型により、アパーチャー径として50μmアパーチャーを用いて1〜30μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。なお、測定する粒子数は、50,000とする。
前記静電荷像現像用トナーの製造方法は、特に限定されず、公知である混練・粉砕製法等の乾式法や、乳化凝集法や懸濁重合法等の湿式法等によって作製される。これらの方法の中でも、コアシェル構造のトナーを作製容易な乳化凝集法が好ましい。
次に、本実施形態のカートリッジについて説明する。
本実施形態のカートリッジは、本実施形態の二成分現像剤用キャリア、又は、本実施形態の二成分現像剤を少なくとも収納したカートリッジである。また、本実施形態のカートリッジは、画像形成装置に脱着可能であることが好ましい。
画像形成装置において、本実施形態の二成分現像剤を収納した本実施形態のカートリッジを利用することにより、経時による画像濃度変化が抑えられた画像形成を行うことができる。
ここで、本実施形態のカートリッジは、特にトリクル現像方式の画像形成装置に用いる場合、本実施形態の二成分現像剤を収納するカートリッジであってもよいし、トナーを単独で収納するカートリッジと本実施形態のキャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであってもよい。
本実施形態の画像形成方法としては、本実施形態のキャリアを用いて現像剤を調製し、それを用いて常用の電子写真複写機により静電像の形成及び現像を行い、得られたトナー像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により定着して複写画像を形成することが一例として挙げられる。
なお、本実施形態の画像形成装置は、像保持体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段以外に、その他必要に応じて、定着手段や、クリーニング手段、除電手段等を含んでいていてもよい。
前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。また、転写手段における被転写体としては、中間転写体や紙等の被記録媒体が例示できる。
また、本実施形態のプロセスカートリッジは、その他必要に応じて、除電手段等のその他の部材を含んでいてもよい。
以下、本実施形態のカートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて、図面を用いて具体的に説明する。
図1に示す画像形成装置10は、像保持体12、帯電手段14、露光手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、除電手段24、定着手段26、カートリッジ28を備える。
なお、現像手段18中及びカートリッジ28中に収納される現像剤は、本実施形態の現像剤である。
また、図1は便宜上、本実施形態の現像剤を収納した現像手段18及びカートリッジ28を一つずつ備えた構成のみを図示しているが、例えばカラー画像形成装置の場合などは、画像形成装置に応じた数の現像手段18及びカートリッジ28を備えた構成をとることも可能である。
像保持体12と転写手段20との間は、矢印C方向と反対側から不図示の搬送手段により矢印C方向に搬送される被記録媒体50が挿通可能である。像保持体12の矢印C方向側には加熱源(不図示)を内蔵した定着手段26が配置され、定着手段26には圧接部32が設けられている。また、像保持体12と転写手段20との間を通過した被記録媒体50は、この圧接部32を矢印C方向へと挿通可能である。
次に、像保持体12表面に形成されたトナー像は、像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、像保持体12と転写手段20との接触部に移動する。この際、接触部を、被記録媒体50が、不図示の用紙搬送ロールにより矢印C方向に挿通され、像保持体12と転写手段20との間に印加された電圧により、像保持体12表面に形成されたトナー像が接触部にて被記録媒体50表面に転写される。
トナー像を転写手段20に転写した後の像保持体12の表面は、クリーニング手段22のクリーニングブレードによって残留しているトナーが除去され、除電手段24により除電される。
図2に示す画像形成装置は、本実施形態の現像剤(供給用現像剤)を、現像手段内にある現像剤収容容器へ現像剤供給手段により適宜供給すると共に、現像剤収容容器に収容されている現像剤の少なくとも一部を、現像剤排出手段により適宜排出する、トリクル現像方式を採用した構成となっている。
ここで本実施形態では、本実施形態の供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147を用いる構成を一例として挙げたが、現像剤カートリッジ147は、供給用トナーを単独で収納するカートリッジと本実施形態の供給用キャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであってもよい。
クリーニングブレード172は、像保持体110が所定方向(矢印a方向)に回転することによって、1次転写ローラ151により被記録媒体Pに転写されずに像保持体110上に担持されている未転写残留トナーや被記録媒体Pの紙粉等の異物を、堰き止めて像保持体110から除去する。
このようにクリーニング手段170は、ハウジング171の底部に設けられた搬送部材173の回転に伴い、供給搬送手段174を通じて未転写残留トナー粒子を現像手段140(第2撹拌室144A)へと搬送し、収容されている現像剤(トナー)とともに撹拌搬送して再利用するトナーリクレームを採用している。
図3に示す画像形成装置は、本実施形態のプロセスカートリッジを備えた構成となっている。
図3に示す画像形成装置200は、画像形成装置本体(図示せず)に脱着可能に配設されるプロセスカートリッジ210と、露光手段216と、転写手段220と、定着手段226とを備えている。
プロセスカートリッジ210は、静電潜像形成のための開口部211Aが設けられた筐体211内に像保持体212と共に、その周囲に帯電手段214、現像手段218、及びクリーニング手段222を取り付けレール(図示せず)により組み合わせて一体化したものである。なお、プロセスカートリッジ210は、これに限られず、現像手段218と、像保持体212、帯電手段214、及び、クリーニング手段222よりなる群から選ばれた少なくとも一種と、を備えていればよい。
像保持体212、帯電手段214、露光手段216、現像手段218、転写手段220、クリーニング手段222、定着手段226、及び、被記録媒体250における個々の詳細については、上記図1の画像形成装置10における像保持体12、帯電手段14、露光手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、定着手段26、及び、被記録媒体50と同様である。
また、図3の画像形成装置200を用いた画像形成についても、前記図1の画像形成装置10を用いた画像形成と同様である。
<被覆層形成用樹脂粒子の作製>
〔被覆層形成用樹脂粒子1の作製〕
シクロヘキシルメタクリレートモノマー: 100重量部
ドデカンチオール: 0.2重量部
過硫酸アンモニウム: 0.45重量部
を混合して溶解した混合物を、カチオン性界面活性剤(コータミン86Pコンク:花王(株)製)5.0重量部をイオン交換水600部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに開始剤(V−50:和光純薬工業(株)0.45部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均一次粒径が350nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液1が得られた。この樹脂粒子分散液1を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子1を得た。
カチオン性界面活性剤を、アニオン性界面活性剤(DOWFAX2A1:DOW製)1.5重量部に変更する以外は、被覆層形成用樹脂粒子1の作製と同様の方法により、体積平均一次粒径が150nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液2を得た。この樹脂粒子分散液2を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子2を得た。
カチオン性界面活性剤を、ノニオン性界面活性剤(エマルゲン350:花王(株)製)5.0重量部に変更する以外は、被覆層形成用樹脂粒子1の作製と同様の方法により、体積平均一次粒径が350nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液3を得た。この樹脂粒子分散液3を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子3を得た。
カチオン性界面活性剤の添加量を、0.05重量部に変更する以外は、被覆層形成用樹脂粒子1の作製と同様の方法により、体積平均一次粒径が350nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液4を得た。この樹脂粒子分散液4を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子4を得た。
カチオン性界面活性剤の添加量を、10重量部に変更する以外は、被覆層形成用樹脂粒子1の作製と同様の方法により、体積平均一次粒径が250nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液5を得た。この樹脂粒子分散液5を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子5を得た。
アニオン性界面活性剤の添加量を、0.05重量部に変更する以外は、被覆層形成用樹脂粒子2の作製と同様の方法により、体積平均一次粒径が150nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液6を得た。この樹脂粒子分散液6を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子6を得た。
アニオン性界面活性剤の添加量を、10重量部に変更する以外は、被覆層形成用樹脂粒子2の作製と同様の方法により、体積平均一次粒径が100nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液7を得た。この樹脂粒子分散液7を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子7を得た。
ノニオン性界面活性剤の添加量を、0.05重量部に変更する以外は、被覆層形成用樹脂粒子3の作製と同様の方法により、体積平均一次粒径が350nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液8を得た。この樹脂粒子分散液8を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子8を得た。
ノニオン性界面活性剤の添加量を、10重量部に変更する以外は、被覆層形成用樹脂粒子3の作製と同様の方法により、体積平均一次粒径が300nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液9を得た。この樹脂粒子分散液9を凍結乾燥し被覆層形成用樹脂粒子9を得た。
〔キャリア1の作製〕
・フェライト粒子: 100重量部
(Mn−Mgフェライト、真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化60emu/g、表面粗さ1.5μm)
・被覆層形成用樹脂粒子1: 5重量部
・メラミン樹脂粒子(日本触媒社製、品番:エポスターS、体積平均粒径100nm):
0.5重量部
上記材料を5Lヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)に入れ2,000rpmで20分混合し樹脂粒子をフェライト粒子に固定化させた。ヘンシェルミキサー温度を225℃に保ち2,000rpmで20分間撹拌した後、1,000rpmで回転させたまま50℃まで冷却し樹脂被覆層形成キャリア1を得た。樹脂被覆層形成キャリア1を目開き75μmの網で篩分してキャリア1を得た。
被覆層形成用樹脂粒子の種類、使用量、及び、架橋粒子の使用量を表1又は表2に記載のように変更した以外は、キャリア1と同様にキャリア2〜51を得た。なお、架橋PMMA樹脂粒子としては、東洋紡(株)製AR650L(体積平均粒径100nm)を用いた。
(着色剤分散液1)
・シアン顔料:銅フタロシアニンC.I.Pigment Blue 15:3(大日精化工業(株)製:シアニンブルー4937): 50部
・アニオン性界面活性剤:ネオゲンSC(第一工業製薬(株)製): 5部
・イオン交換水: 200部
上記成分を混合し、IKA社製ウルトラタラックスにより5分間、更に超音波バスにより10分間分散し、固形分21%の着色剤分散液1を得た。(株)堀場製作所製粒度測定器LA−700にて体積平均粒径を測定したところ160nmであった。
・パラフィンワックス:HNP−9(日本精鑞(株)製): 19部
・アニオン性界面活性剤:ネオゲンSC(第一工業製薬(株)製): 1部
・イオン交換水: 80部
上記成分を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分、撹拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力条件のもと、3パス相当の循環運転を行った後、圧力を35MPaに昇圧し、更に3パス相当の循環運転を行った。こうしてできた乳化液を前記耐熱溶液中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤分散液1を得た。
・エチレングリコール(和光純薬工業(株)製): 37部
・ネオペンチルグリコール(和光純薬工業(株)製): 65部
・1,9−ノナンジオール(和光純薬工業(株)製): 32部
・テレフタル酸(和光純薬工業(株)製): 96部
上記の成分をフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂を得た。次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂の分散液(結着樹脂粒子分散液1)を得た。
・結着樹脂粒子分散液1: 150部
・着色剤分散液1: 25部
・離型剤分散液1: 35部
・ポリ塩化アルミニウム: 0.4部
・イオン交換水: 100部
上記の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でIKE社製のウルトラタラックスT50を用い混合・分散を10分行った後、加熱用オイルバスでフラスコ内を撹拌しながら3℃/分で30℃から48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに結着樹脂粒子分散液1を緩やかに70部追加した。その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら90℃まで加熱して30分間保持した。保持終了後、降温速度を5℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これを更に30℃のイオン交換水3,000部を用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌・洗浄した。この洗浄操作を更に6回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A濾紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を24時間継続してトナー粒子を得た。
このトナー粒子100重量部と平均粒径40nmのシリコーンオイル処理シリカ粒子(RY50:日本エアロジル社製)1.2重量部、平均粒径150nmのHMDS処理化シリカ粒子1.5重量部とをサンプルミルで混合して外添トナーを得た。
各実施例及び比較例において、表3又は表4に記載のキャリアを用いて現像剤を作製した。具体的には、外添トナー8重量部と表3又は表4に記載のキャリア100重量部とを、Vブレンダーを用いて40rpmで20分間撹拌し、125μm網目のシーブを用いて篩分を行い、各実施例及び比較例において使用される現像剤を得た。
上記現像剤を使用し、DocuCentreColor400(富士ゼロックス(株)製)の改造機により画像出力を行った。
30℃、88%RH環境下において、網点面積20%(Cin20%)でA4サイズの普通紙(富士ゼロックス(株)製、C2紙)を使用し、10,000枚連続印刷した後に、5cm×10cmのソリッドパッチを印刷し、画像濃度を反射濃度計X−Rite404(X−Rite,Inc製)を使用して測定した。12時間放置した後に5cm×10cmのソリッドパッチを印刷し、画像濃度を測定した。直ちに10℃、20%RH環境下に設置し、Cin1%で10,000枚連続印刷し、5m×10cmのソリッドパッチを印刷として画像濃度を測定した。
画像濃度差を以下の基準により5段階で評価した。3以上を実使用上の許容範囲とした。
5:3回の濃度測定の平均値と、3回の測定のそれぞれの測定値との差の最大値が0.2未満。
4:3回の濃度測定の平均値と、3回の測定のそれぞれの測定値との差の最大値が0.2以上0.3未満。
3:3回の濃度測定の平均値と、3回の測定のそれぞれの測定値との差の最大値が0.3以上0.4未満。
2:3回の濃度測定の平均値と、3回の測定のそれぞれの測定値との差の最大値が0.4以上0.5未満。
1:3回の濃度測定の平均値と、3回の測定のそれぞれの測定値との差の最大値が0.5以上。
結果を表3及び表4に示す。
12、110、212:像保持体
14、120、214:帯電手段
16、130、216:露光手段
18、140、218:現像手段
20、220:転写手段
22、170、222:クリーニング手段
24、160:除電手段
26、180、226:定着手段
28:カートリッジ
30:現像剤供給管
32:圧接部
50、250、P:被記録媒体
141:現像剤収容容器
141A:現像剤収容容器本体
141B:現像剤収容容器カバー
141C:仕切り壁
142:現像ロール
142A:現像ロール室
143:第1撹拌部材
143A:第1撹拌室
144:第2撹拌部材
144A:第2撹拌室
145:層厚規制部材
146:現像剤供給手段
147:現像剤カートリッジ
148:現像剤排出手段
150:中間転写ベルト
150A、150B:張架ローラ
150C:バックアップローラ
150D:駆動ローラ
151:1次転写ローラ
152:2次転写ローラ
153:被記録媒体供給装置
153A:搬送ローラ
153B:誘導スロープ
154:中間転写体クリーニング手段
171:ハウジング
172:クリーニングブレード
173:搬送部材
174:供給搬送手段
181:定着ローラ
182:搬送コンベア
210:プロセスカートリッジ
211:筐体
211A:開口部
Claims (6)
- 磁性粒子、及び、前記磁性粒子を被覆する樹脂被覆層を有し、
前記樹脂被覆層が、樹脂、界面活性剤、及び、架橋粒子を含有し、
前記架橋粒子の含有量が、前記樹脂被覆層の全重量に対し、2〜30重量%であることを特徴とする
二成分現像剤用キャリア。 - 前記架橋粒子の含有量が、前記樹脂被覆層の全重量に対し、5〜20重量%であることを特徴とする請求項1に記載の二成分現像剤用キャリア。
- 前記界面活性剤の含有量が、キャリアの総重量に対し、50〜2,250ppmである、請求項1又は2に記載の二成分現像剤用キャリア。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の二成分現像剤用キャリア及び静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする二成分現像剤。
- 少なくとも像保持体を帯電させる帯電工程と、
前記像保持体表面に静電潜像を形成する露光工程と、
前記像保持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、
前記トナー像を定着する定着工程と、を含み、
前記静電荷像現像剤が、請求項4に記載の二成分現像剤であることを特徴とする
画像形成方法。 - 像保持体と、
前記像保持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
静電荷像現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
前記トナー像を前記像保持体から被転写体に転写する転写手段と、
前記トナー像を定着する定着手段と、を有し、
前記静電荷像現像剤が、請求項4に記載の二成分現像剤であることを特徴とする
画像形成装置。
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