JP2013041120A - 静電荷像現像用キャリアの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用キャリアの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂被覆層の剥がれを抑制して、芯材粒子の表面に樹脂被覆層が形成された、静電荷像現像用キャリアの製造方法の提供。
【解決手段】芯材粒子と樹脂粒子とを混合して、前記芯材粒子の表面に前記樹脂粒子が付着した混合物を得る工程と、前記混合物に対して超臨界二酸化炭素を接触させて、前記芯材粒子の表面に付着した樹脂粒子同士を溶着させて、前記芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成する工程と、前記混合物に対する前記超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程と、を有する静電荷像現像用キャリアの製造方法を適用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用キャリアの製造方法に関するものである。
特許文献1には、静電荷像現像用キャリアの磁性体粒子表面を、樹脂微粒子で被覆し、被服層を形成する乾式コーティングを施した静電荷像現像用キャリアが開示されている。
特許文献2には、芯材粒子と被覆用樹脂粒子との混合物に繰り返し機械的衝撃力を付与し、芯材粒子の表面上に被覆用樹脂粒子による樹脂被覆層を形成する乾式法により静電荷像現像用キャリアを製造する方法が開示されている。
特許文献3には、非加熱下に混合して樹脂−磁性粉球状粒子の表面に樹脂乃至樹脂組成物の微粒子が付着した混合物を形成させる工程と、この混合物を攪拌・加熱しながら、樹脂−磁性粉球状粒子の表面に融着させ表面処理コート層を形成させる工程と、得られる熱処理物を攪拌下に樹脂乃至樹脂組成物の融着開始温度よりも低い温度迄攪拌下に冷却する工程とから成る、現像剤用キャリヤの製造方法が開示されている。
特許文献4には、磁性体粒子と樹脂微粒子にさらに非磁性体粒子を加えた混合物に機械的衝撃力を繰り返し付与し樹脂被覆キャリアを作製した後に、該樹脂被覆キャリアと非磁性体粒子とを分離する工程を付加することを特徴とする静電荷像現像用樹脂被覆キャリアの製造方法が開示されている。
特許文献5には、超臨界流体を用いて微粒子に対して高分子化合物をコーティングすることを特徴とする超臨界流体を用いた微粒子のコーティング方法が開示されている。
特許文献6には、導電材料を樹脂中に分散して複合材料を形成する分散工程と、上記複合材料と核体粒子とを、超臨界流体中で混合する混合工程と、上記混合工程によって得られた混合物を、超臨界流体の臨界圧力未満に減圧して上記複合材料を含む被覆層を形成する減圧工程とを含むことを特徴とする被覆キャリアの製造方法が開示されている。
特許文献7には、超臨界乃至亜臨界の流体中で、少なくとも被覆用樹脂を溶解乃至分散させて、芯材表面に被覆層を形成することを特徴とするキャリアの製造方法が開示されている。
特許文献8には、芯材の表面に被覆層が形成された静電潜像現像用キャリアの製造方法であって、芯材と微粒子を混合して芯材と微粒子の混合物を形成する工程と、前記混合物と被覆用樹脂とを超臨界流体中又は亜臨界流体中で混合し前記混合物表面に被覆層を形成する工程とを含む、静電潜像現像用キャリアの製造方法が開示されている。
特開平02−87169号公報 特開平03−269546号公報 特開平05−216286号公報 特開平10−282727号公報 特開平11−47681号公報 特開2006−106208号公報 特開2007−72444号公報 特開2008−241735号公報
本発明の目的は、樹脂被覆層の剥がれを抑制して、芯材粒子の表面に樹脂被覆層が形成された、静電荷像現像用キャリアの製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
芯材粒子と樹脂粒子とを混合して、前記芯材粒子の表面に前記樹脂粒子が付着した混合物を得る工程と、
前記混合物に対して超臨界二酸化炭素を接触させて、前記芯材粒子の表面に付着した樹脂粒子同士を溶着させて、前記芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成する工程と、
前記混合物に対する前記超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程と、
を有する静電荷像現像用キャリアの製造方法。
請求項2に係る発明は、
前記混合物を流動させた状態で、前記樹脂被覆層を形成する工程及び前記超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程を行う、請求項1に記載の静電荷像現像用キャリアの製造方法。
請求項3に係る発明は、
前記混合物を得る工程が、
前記芯材粒子及び前記樹脂粒子とともに、さらに、導電性粒子を混合して、前記芯材粒子表面に前記樹脂粒子とともに前記導電性粒子が付着した混合物を得る工程である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用キャリアの製造方法。
請求項4に係る発明は、
前記樹脂粒子のガラス転移温度をTa(℃)、前記超臨界二酸化炭素の温度をTb(℃)としたとき、下記式(1)を満たす条件下で、前記超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアの製造方法。
Tb≦Ta−5℃・・・式(1)
請求項1に係る発明によれば、芯材粒子に熱やせん断力などの強い負荷を与えて芯材粒子表面に樹脂被覆層を形成する場合と比較して、樹脂被覆層の剥がれを抑制して、芯材粒子の表面に樹脂被覆層が形成された、静電荷像現像用キャリアの製造方法を提供する。
請求項2に係る発明によれば、混合物を流動させない状態で樹脂被覆層を形成する工程及び超臨界二酸化炭素の接触を停止する場合と比較して、芯材粒子と樹脂粒子との凝集が抑制された静電荷像現像用キャリアの製造方法を提供する。
請求項3に係る発明によれば、芯材粒子に熱やせん断力などの強い負荷を与えて芯材粒子表面に樹脂被覆層を形成する場合と比較して、樹脂被覆層の剥がれを抑制して、芯材粒子の表面に樹脂被覆層が形成された、樹脂被覆層に導電性粒子を含む静電荷像現像用キャリアの製造方法を提供する。
請求項4に係る発明によれば、上記式(1)を満たさない条件下で超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程を行う場合と比較して、静電荷像現像用キャリアの凝集が抑制された静電荷像現像用キャリアの製造方法を提供する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る静電荷像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と称することがある)の製造方法は、芯材粒子と樹脂粒子とを混合して、芯材粒子の表面に樹脂粒子が付着した混合物を得る工程と、混合物に対して超臨界二酸化炭素を接触させて、芯材粒子の表面に付着した樹脂粒子同士を溶着させて、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成する工程と、混合物に対する超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程と、を有するものである。
本実施形態に係るキャリアの製造方法では、上記手法により、樹脂被覆層の剥がれが抑制されて、芯材粒子の表面に樹脂被覆層が形成されたキャリアが得られる。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
本実施形態に係るキャリアの製造方法では、樹脂被覆層を形成する際に、樹脂粒子が表面に付着した芯材粒子に超臨界二酸化炭素を接触させて、樹脂粒子を可塑化させる。
ここで、樹脂粒子の可塑化とは、樹脂粒子の柔軟性が高まり、樹脂粒子表面に粘着性が生じることをいう。この現象は、超臨界二酸化炭素が、物質を溶解する溶媒に似た作用を及ぼすためと考えられる。
超臨界二酸化炭素により可塑化された樹脂粒子は、樹脂粒子同士の間隙が減るように樹脂粒子同士が溶着して繋がる結果、芯材粒子の表面を覆う樹脂被覆層を形成すると考えられる。
その後、混合物と超臨界二酸化炭素との接触を停止させて、本実施形態に係るキャリアが得られる。
このように、本実施形態では、芯材粒子に樹脂粒子を付着させた状態を作り出した後に、超臨界二酸化炭素により、樹脂粒子を可塑化させて樹脂被覆層を形成することから、芯材粒子に対して、過度の熱やせん断力を付加させる必要が無い。
このため、樹脂被覆層の剥がれを抑制して、芯材粒子の表面に樹脂被覆層が形成されたキャリアが得られると考えられる。
樹脂粒子は、芯材粒子の表面に追随して可塑化することから、樹脂粒子と芯材粒子との接する面が増加して、密着性がある樹脂被覆層が形成されるので、樹脂被覆層の剥がれが生じにくくなると考えられる。また芯材粒子に樹脂粒子が付着した状態が維持されたまま樹脂粒子が可塑化するので、樹脂被覆層が形成される前における樹脂粒子の芯材粒子表面からの離脱が生じにくくなると考えられる。
そして、これらの結果、芯材粒子表面の露出が抑制されることとなり、樹脂粒子による芯材粒子の被覆率が高くなると考えられる。
加えて、本実施形態では、超臨界二酸化炭素に溶解させることで、樹脂被覆層が形成されることから、樹脂粒子が付着した芯材粒子に過度の負荷がかかりにくく、芯材粒子の割れ欠けが生じにくくなると考えられる。
なお、小径の芯材粒子においては、比表面積が大きくなるため、より多くの樹脂粒子を芯材粒子表面に付着させて被覆量を多くするため、過度の熱やせん断力を加える必要があるが、本実施形態に係るキャリアの製造方法であれば、上記と同様の理由により、過度の熱やせん断力を付加させる必要が無いので、樹脂被覆層の剥がれ、芯材粒子の割れ欠け及び芯材粒子表面の露出が抑制され、樹脂粒子による芯材粒子の被覆率が高い樹脂被覆層が形成されると考えられる。
また、本実施形態では、樹脂被覆層の形成において有機溶剤を使用しないことから、揮発性有機化合物類(VOC)による問題が発生しない。
以下、各工程について詳細に説明する。
[静電荷像現像用キャリアの製造方法]
<芯材粒子に樹脂粒子を付着する工程>
本工程は、例えば、芯材粒子と樹脂粒子とを混合して、芯材粒子の表面に樹脂粒子が付着した混合物を得る工程である。
本工程では、粒子同士を物理的に衝突させて芯材粒子表面に樹脂粒子を付着できれば、特に制限はなく、例えば、混合装置を用いて行えばよい。
混合装置としては、例えば、公知の粉体混合装置が挙げられるが、過度の熱やせん断力を加えることは望ましくないため、具体的には、例えば、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーなどの、冷却機能を有する撹拌機付き混合装置が望ましい。
混合する際の温度は、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以下がよく、望ましくはガラス転移温度より10℃以上低い温度、より望ましくはガラス転移温度より20℃以上低い温度に抑えることがよい。
混合する際の撹拌速度(撹拌羽根先端の周速度)は、速すぎると過度の熱やせん断力が加わることから望ましくなく、また遅すぎると芯材粒子表面へ樹脂粒子を付着させる時間が長くなる為、例えば、5m/sec以上40m/sec以下がよく、望ましくは10m/sec以上30m/sec以下がよく、さらに望ましくは、10m/sec以上20m/sec以下がよい。
樹脂被覆層に導電性粒子を含ませる場合は、本工程において、芯材粒子、樹脂粒子とともに導電性粒子も混合し、芯材粒子表面に樹脂粒子及び導電性粒子が付着した混合物を得るとよい。
芯材粒子としては、特に制限はなく、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属を単独で用いるもの、マグネタイトなどの磁性粒子を樹脂中に分散させたもの、フェライトなどの磁性材料を結着剤と共に造粒した後、焼成して磁性粒子としたもの、マグネタイトなどの磁性粒子をモノマー中で分散しながら重合する芯材粒子など、が挙げられる。
芯材粒子の体積平均粒子径は、10μm以上60μm以下のものが用いられ、15μm以上50μm以下のものがより望ましく、さらに、20μm以上40μm以下のものが望ましい。
樹脂粒子としては、特に制限はなく、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂など、公知の樹脂粒子が用いられる。
樹脂粒子の体積平均粒子径は、芯材粒子よりも小さいものがよく、芯材粒子表面全体にまんべんなく付着すること、導電性粒子の分散性などの観点から、0.01μm以上1μm以下がよく、0.05μm以上0.5μm以下がより望ましく、さらに、0.1μm以上0.3μm以下が望ましい。
樹脂粒子のガラス転移温度は、70℃以上120℃以下が望ましく、80℃以上115℃以下がより望ましく、さらに、90℃以上110℃以下が望ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を使用し、得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
混合する樹脂粒子の量は、特に限定されず、目的とするキャリアの帯電量や体積電気抵抗率に合わせて調整されるが、例えば芯材粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下がよく、望ましくは、0.5質量部以上8質量部以下がよく、さらに望ましくは、1質量部以上5質量部以下がよい。
本発明においては、キャリアの帯電量や体積電気抵抗率を調整する目的で樹脂被覆層に導電性粒子を添加してもよい。導電性粒子としては、導電性を発揮する粒子であれば特に限定されないが、具体的には、カーボンブラック、各種金属粉、酸化チタン、酸化スズ、マグネタイト、フェライト等の金属酸化物などが挙げられ、中でも少量の添加で高い導電性付与が可能であり、樹脂被覆層中での分散が比較的容易である、カーボンブラックが特に望ましい。
導電性粒子の体積抵抗率は、101以上1011以下、望ましくは103以上10Ωcm以下がよい。
導電性粒子の体積平均粒子径は、芯材粒子と比較して小さいことがよく、望ましくは、樹脂粒子よりも小さいことがよく、具体的には、例えば、0.01μm以上0.5μm以下の範囲にあると、樹脂粒子との混合・分散性がよくて、樹脂被覆層中での分散性が良好となることから望ましい。
導電性粒子の体積平均粒子径は、0.02μm以上0.35μm以下がより望ましく、さらに、0.05μm以上0.25μm以下が望ましい。
添加する導電性粒子の量は、目的とするキャリアの帯電量や体積電気抵抗率に合わせて調整されるが、例えば、芯材粒子100質量部に対して、0.01質量部以上1質量部以下がよく、望ましくは、0.05質量部以上0.5質量部以下がよく、さらに望ましくは、0.1質量部以上0.3質量部以下がよい。
樹脂粒子、導電性粒子の体積平均粒子径の測定については、レーザ回析式粒度分布測定装置LA−700(堀場製作所社製)を用いて行う。測定法としては、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒子径を、体積平均粒子径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒子径とする。
<樹脂被覆層を形成する工程>
本工程は、上述した芯材粒子と樹脂粒子の混合物に対して超臨界二酸化炭素を接触させて、芯材粒子の表面に付着した樹脂粒子同士を溶着させて、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成する工程である。
本工程では、具体的には、上記の混合物を入れた容器を超臨界二酸化炭素で充填することで混合物に超臨界二酸化炭素を接触させ、混合物の樹脂粒子を可塑化させることで、芯材粒子表面に樹脂被覆層を形成する。
混合物と超臨界二酸化炭素を接触させる容器としては、上述した芯材粒子に樹脂粒子を付着する工程で用いた容器であっても、別の容器であってもよいが、本工程では高圧容器を用いることが必要であり、例えば、撹拌機付きの高圧容器がよい。
混合物を撹拌して、流動させた状態にしながら超臨界二酸化炭素を接触させることで、粒子の凝集が抑制されたキャリアが製造されると考えられる。具体的には、例えば、可塑化した樹脂粒子に芯材粒子が付着することによる凝集、可塑化した樹脂粒子同士が付着することによる凝集、樹脂被覆キャリア同士の凝集が抑制されたキャリアが製造されると考えられる。
高圧容器にて混合物を撹拌する速度(撹拌羽根の回転数)は、例えば10rpm以上2000rpm以下、望ましくは50rpm以上1000rpm以下、より望ましくは100rpm以上500rpm以下である。
ここで、超臨界二酸化炭素とは、臨界点以上の温度・圧力下においた状態の二酸化炭素であり、気体の拡散性と液体の溶解性との双方を持つものである。
超臨界二酸化炭素の密度は、例えば、0.1g/ml以上0.8g/ml以下がよく、望ましくは0.15g/ml以上0.7g/ml以下、より望ましくは0.2g/ml以上0.6g/ml以下である。
この密度を上記範囲内とすることで、樹脂粒子に対する超臨界二酸化炭素を可塑化する力の低下を抑制するとともに、可塑化が過剰になることを抑制する。
なお、超臨界二酸化炭素の密度は、温度及び圧力等により調整される。
混合物に対して超臨界二酸化炭素を接触させる量は、例えば、混合物100gに対して10g以上500g以下がよく、望ましくは20g以上300g以下、より望ましくは50g以上200g以下である。
この量を上記範囲内とすることで、樹脂粒子に対する超臨界二酸化炭素の可塑化は進み易くなるとともに、可塑化が過剰になることを抑制する。
樹脂粒子を可塑化して樹脂被覆層を形成する際の超臨界二酸化炭素の温度(以下、Tcと称することがある)は、例えば、二酸化炭素の臨界温度以上であって、かつ、樹脂粒子が可塑化する温度がよいので、31℃以上に設定するのがよく、望ましくは40℃以上に設定するのがよく、さらに望ましくは、50℃以上に設定するのがよい。
一方で、樹脂粒子の過剰な可塑化を抑制し、芯材粒子と樹脂粒子との融着や凝集を防止するためには、樹脂粒子のガラス転移温度を大幅に超える温度は好ましくなく、例えば樹脂粒子のガラス転移温度プラス20℃以下に設定するのが望ましく、さらに望ましくは、樹脂粒子のガラス転移温度以下に設定するのがよい。
超臨界二酸化炭素の圧力は、7.4MPa以上40MPa以下が望ましく、8MPa以上30MPa以下がより望ましく、さらに、10MPa以上20MPa以下が望ましい。
また、本工程では、例えば、樹脂粒子とともに導電性粒子を芯材粒子に付着した混合物を用いると、樹脂被覆層に導電性粒子を含んだキャリアが得られる。
本工程では、超臨界二酸化炭素を用いて樹脂粒子を可塑化させるために、樹脂粒子のガラス転移温度を超える過度に高い熱やせん断力といった負荷を受けることなく、導電性粒子が含有された樹脂被覆層が形成されるため、導電性粒子は過剰分散や再凝集することなく良好に分散した状態で樹脂被覆層中に固定化されると考えられる。
<超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程>
本工程は、上述した混合物に対する超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程である。
本工程では、具体的には、例えば、混合物を撹拌して、流動させた状態にしながら容器内の超臨界二酸化炭素の温度を下げた後に、容器内の圧力を下げて超臨界二酸化炭素を容器から取り除き(つまり、容器から排出させ)、混合物に対する接触を停止する。
高圧容器にて混合物を撹拌する速度(撹拌羽根の回転数)は、例えば10rpm以上2000rpm以下、望ましくは50rpm以上1000rpm以下、より望ましくは100rpm以上500rpm以下である。
ここで、樹脂粒子のガラス転移温度をTa、超臨界二酸化炭素の温度をTbとしたとき、下記式(1)を満たす条件下で、超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程を行うことがよい。
Tb≦Ta−5℃・・・式(1)
TaとTbは、望ましくはTb≦Ta−10℃の式を、さらに望ましくは、Tb≦Ta−20℃の式を満たすことがよい。
ここで、Tbとは、超臨界二酸化炭素の混合物に対する接触を停止するときの温度をいい、具体的には、樹脂被覆層を形成して容器内の超臨界二酸化炭素の温度を下げた後であって、容器内の圧力を下げて超臨界二酸化炭素を容器から取り除き(つまり、容器から排出させ)、混合物に対する接触を停止するときの温度をいう。
上記の式(1)を満たすことで、TbがTa−5℃より低くなることから、超臨界二酸化炭素の接触を停止した後であっても樹脂被覆層の樹脂は溶融状態ではなくなるので、キャリア同士が溶着して凝集し、粗大粒子が生成することを抑制できると考えられる。
なお、樹脂粒子を可塑化して樹脂被覆層を形成する際の超臨界二酸化炭素の温度Tcは、二酸化炭素の臨界温度以上であって、かつ、樹脂粒子が可塑化する温度以上であるから、Tbは、Tcに比べ、低い温度であることが望ましい。
以上の工程を経て、本静電荷像現像用キャリアの製造方法では、静電荷像現像用キャリアが得られる。
<キャリアの物性>
本発明において、芯材粒子とキャリアの粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から個数累積分布を引いて、累積50%となる粒径を個数平均50%粒径(D50)とする。また、得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒子径(D50v)とする。
キャリアの飽和磁化としては、例えば、40emu/g以上が挙げられ、50emu/g以上、より望ましくは60emu/g以上であってもよい。
上記飽和磁化の測定は、測定装置として振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。上記キャリアの飽和磁化は、1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗率(25℃)としては、例えば、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下の範囲が挙げられ、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下であってもよく、1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下の範囲であってもよい。
上記キャリアの体積電気抵抗率(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1mm以上3mm以下の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記20cmの電極板を載せて層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に配置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗率(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
・式: R=E×20/[(I−I)/L]
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、Iは印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm)を表す。
[静電荷像現像剤]
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、「現像剤」と略す場合がある)は、トナーと、キャリアとを少なくとも含み、キャリアとして、既述の本実施形態のキャリアの製造方法により得られるキャリアが用いられるものである。
トナーとしては、特に制限はなく、公知のトナーが用いられる。トナーとしては、代表的には、例えば、結着樹脂と着色剤とを含む着色トナーが挙げられるが、着色剤の代わりに赤外線吸収剤を用いた赤外線吸収トナーなどを用いてもよい。また、これらの成分に加えて、必要に応じて離型剤や各種の内添剤、外添剤等のその他の成分を更に添加してもよい。
結着樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
着色剤としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる。
またトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含んでもよい。その際、特にカラートナー等に用いる場合には、例えば、色調に影響を与えない無色又は淡色の帯電制御剤を用いてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用してもよいが、例えば、アゾ系金属錯体;サルチル酸もしくはアルキルサルチル酸の金属錯体もしくは金属塩;等が挙げられる。
さらに、トナーには、必要であれば、オフセットの防止等を目的として、離型剤が含まれていてもよい。
離型剤は例えば、次のものが挙げられる。パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。誘導体とは、酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等を利用してもよい。
またトナーは、内部に無機酸化物粒子を添加してもよい。無機酸化物粒子としては例えば、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、K2O、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が例示される。これらのうち、特に、シリカ粒子、チタニア粒子が挙げられる。酸化物粒子の表面は、必ずしも予め疎水化処理されている必要はないが、疎水化処理されていてもよい。
疎水化処理は、例えば、疎水化処理剤に無機酸化物を浸漬等することにより行う。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、無機酸化物粒子の種類等により異なるため一概に規定されないが、例えば、無機酸化物粒子100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下の範囲が挙げられる。
またトナーは、無機酸化物粒子をトナー表面に添加してもよい。トナー表面に添加される無機酸化物粒子としては、上述したトナー内部に添加する無機酸化物粒子と同様のものが挙げられる。
トナーの粒度分布および体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して測定するが、測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒子径と定義する。
トナーの製造方法は、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等を利用してもよい。ここで、湿式造粒法としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法、凝集・合一法等が挙げられる。
混練粉砕法でトナーを作製する場合、例えば、結着樹脂、必要に応じて着色剤やその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、必要に応じて赤外線吸収剤、酸化防止剤等を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得る。
湿式造粒法によりトナーを作製する場合におけるトナー粒子の形状係数としては、例えば、110以上135以下の範囲が挙げられる。
トナーとキャリアの混合質量比としては、例えば、トナー質量/キャリア質量が0.01以上0.3以下であることが挙げられ、0.03以上0.2以下であってもよい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
<実施例1>
(芯材粒子に樹脂粒子を付着する工程)
フェライト粒子(体積平均粒子径30μm)1000g、乳化重合で作製したスチレン/メタクリル酸メチル(以下MMAと称する)(質量比30:70)共重合樹脂粒子(ガラス転移温度100℃、体積平均粒子径0.20μm)12gを、5Lヘンシェルミキサーに仕込み、冷却ジャケットに15℃の水を流しながら、1200rpmで20分間混合し、フェライト粒子表面にスチレン/MMA(質量比30:70)共重合樹脂粒子が付着した混合物を得た。
(樹脂被覆層を形成する工程)
上記の混合物200gを、0.5Lの円筒型撹拌機付き高圧容器(内径70mm、高さ130、AKICO社製)に入れた後、アンカー型の撹拌羽根(直径65mm)を200rpmで回転させながら、高圧容器内に超臨界二酸化炭素を充填し、高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tc)を100℃、圧力を15MPaにして、20分間保持した。
(超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程)
その後、撹拌羽根を200rpmで回転させたまま、高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tb)を70℃に下げ、圧力弁を開けて高圧容器内の圧力を常圧(0.1MPa)に戻して超臨界二酸化炭素を取り除いて超臨界二酸化炭素の接触を停止させ、樹脂被覆キャリア1を得た。
この樹脂被覆キャリア1の75μm網上量は0.8%であった。また樹脂被覆層の被覆率は97%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は90ppmであった。
<実施例2>
超臨界二酸化炭素を取り除く際の高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tb)を95℃とした以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆キャリア2を得た。
この樹脂被覆キャリア2の75μm網上量は1.5%であった。また樹脂被覆層の被覆率は97%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は95ppmであった。
<実施例3>
超臨界二酸化炭素を取り除く際の高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tb)を100℃とした以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆キャリア3を得た。
この樹脂被覆キャリア3の75μm網上量は4.0%であった。また樹脂被覆層の被覆率は97%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は110ppmであった。
<実施例4>
(芯材粒子に樹脂粒子を付着する工程)
フェライト粒子(体積平均粒子径30μm)1000g、乳化重合で作製したスチレン/MMA(質量比30:70)共重合樹脂粒子(ガラス転移温度100℃、体積平均粒子径0.20μm)20g、カーボンブラック(VXC72:キャボット社製、体積平均粒子径:0.13μm)2gを、5Lヘンシェルミキサーに仕込み、冷却ジャケットに15℃の水を流しながら、1200rpmで20分間混合し、フェライト粒子表面にスチレン/MMA(質量比30:70)共重合樹脂粒子とカーボンブラックが付着した混合物を得た。
(樹脂被覆層を形成する工程)
この混合物200gを0.5Lの円筒型撹拌機付き高圧容器(内径70mm、高さ130AKICO社製)に入れた後、アンカー型の撹拌羽根(直径65mm)を200rpmで回転させながら、高圧容器内に超臨界二酸化炭素を充填し、高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tc)を100℃、圧力を15MPaにして、20分間保持した。
(超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程)
その後、撹拌羽根を200rpmで回転させたまま、高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tb)を70℃に下げ、圧力弁を開けて高圧容器内の圧力を常圧(0.1MPa)に戻して超臨界二酸化炭素を取り除いて超臨界二酸化炭素の接触を停止させ、樹脂被覆キャリア4を得た。
この樹脂被覆キャリア4の75μm網上量は1.0%であった。また樹脂被覆層の被覆率は98%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は100ppmであった。
<実施例5>
超臨界二酸化炭素を取り除く際の高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tb)を95℃とした以外は実施例4と同様にして樹脂被覆キャリア5を得た。
この樹脂被覆キャリア5の75μm網上量は1.6%であった。また樹脂被覆層の被覆率は97%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は115ppmであった。
<実施例6>
超臨界二酸化炭素を取り除く際の高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tb)を100℃とした以外は実施例4と同様にして樹脂被覆キャリア6を得た。
この樹脂被覆キャリア6の75μm網上量は3.5%であった。また樹脂被覆層の被覆率は97%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は118ppmであった。
<実施例7>
樹脂被覆層を形成する工程の、高圧容器内に充填して20分間保持しているときの高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tc)を120℃とした以外は、実施例4と同様にして樹脂被覆キャリア7を得た。
この樹脂被覆キャリア7の75μm網上量は2.5%であった。また樹脂被覆層の被覆率は98%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は80ppmであった。
<実施例8>
樹脂被覆層を形成する工程の、高圧容器内に充填して20分間保持しているときの高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tc)を80℃とした以外は、実施例4と同様にして樹脂被覆キャリア8を得た。
この樹脂被覆キャリア8の75μm網上量は0.5%であった。また樹脂被覆層の被覆率は98%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は130ppmであった。
<実施例9>
芯材粒子として、フェノール40部、ホルマリン60部、マグネタイト(体積平均粒子径0.2μm)400部、イオン交換水60部、アンモニア水12部をディゾルバーを用いて、混合撹拌しながら85℃で4時間かけて反応・硬化させた後、冷却・ろ過・洗浄を行い、更に180℃まで昇温して乾燥させたフェノール樹脂に磁性粒子が分散した芯材粒子(体積平均粒子径32μm)を用いたこと以外は実施例4と同様にして樹脂被覆キャリア9を得た。
この樹脂被覆キャリア9の75μm網上量は1.1%であった。また樹脂被覆層の被覆率は98%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は85ppmであった。
<実施例10>
樹脂粒子を乳化重合で作製したシクロヘキシルメタクリレート/MMA(質量比3:97)共重合樹脂粒子(ガラス転移温度110℃、体積平均粒子径0.20μm)とした以外は、実施例4と同様にして樹脂被覆キャリア10を得た。
この樹脂被覆キャリア10の75μm網上量は0.8%であった。また樹脂被覆層の被覆率は97%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は90ppmであった。
<実施例11>
超臨界二酸化炭素を取り除く際の高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tb)を100℃とした以外は、実施例10と同様にして樹脂被覆キャリア11を得た。
この樹脂被覆キャリア11の75μm網上量は1.3%であった。また樹脂被覆層の被覆率は98%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は95ppmであった。
<実施例12>
樹脂被覆層を形成する工程の、高圧容器内に充填して20分間保持しているときの高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tc)を110℃、超臨界二酸化炭素を取り除く際の高圧容器内の温度(超臨界二酸化炭素の温度Tb)を110℃とした以外は、実施例10と同様にして樹脂被覆キャリア12を得た。
この樹脂被覆キャリア12の75μm網上量は3.5%であった。また樹脂被覆層の被覆率は98%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は100ppmであった。
<実施例13>
樹脂被覆層を形成する工程および超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程において、高圧容器の撹拌を停止した以外は、実施例10と同様にして樹脂被覆キャリア13を得た。
この樹脂被覆キャリア13の75μm網上量は6.5%であった。また樹脂被覆層の被覆率は98%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は140ppmであった。
<比較例1>
フェライト粒子(体積平均粒子径30μm)1000g、乳化重合で作製した体積平均粒子径0.20μmのスチレン/MMA(質量比30:70)共重合樹脂粒子(ガラス転移温度100℃)12gを、5リットルヘンシェルミキサーに仕込み、冷却ジャケットに15℃の水を流しながら、1200rpmで10分間混合し、フェライト粒子表面にスチレン/MMA(質量比30:70)共重合樹脂粒子が付着した混合物を得た。その後、ジャケットを80℃の温水に切替えて、更に3600rpmで30分間混合して混合物に機械的衝撃力を加えて樹脂被覆キャリア14を得た。
この樹脂被覆キャリア14の75μm網上量は15.5%であった。また樹脂被覆層の被覆率は95%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は1650ppmであった。
<比較例2>
フェライト粒子(体積平均粒子径30μm)1000g、乳化重合で作製した体積平均粒子径0.20μmのスチレン/MMA(質量比30:70)共重合樹脂粒子(ガラス転移温度100℃)20g、カーボンブラック(VXC72:キャボット社製、体積平均粒子径:0.13μm)2gを、5リットルヘンシェルミキサーに仕込み、冷却ジャケットに15℃の水を流しながら、1200rpmで10分間混合し、フェライト粒子表面にスチレン/MMA(質量比30:70)共重合樹脂粒子とカーボンブラックが付着した混合物を得た。その後、ジャケットを80℃の温水に切替えて、更に3600rpmで30分間混合して混合物に機械的衝撃力を加えて樹脂被覆キャリア15を得た。
この樹脂被覆キャリア15の75μm網上量は16.5%であった。また樹脂被覆層の被覆率は94%で、負荷をかけた後の樹脂被覆層剥がれ量は1800ppmであった。
<評価>
網上量の測定方法は、以下のとおりである。
作製したキャリアに対し、75μmメッシュの篩分網を用いて篩分を行い、篩分網上に残ったキャリアの重量を算出して、篩分前のキャリア全量に対する篩分網上の量を質量%で算出した。
実施例1〜13、比較例1,2の結果は表1に示す。
樹脂被覆層の被覆率は、XPS測定(X線光電子分光測定)により求めた。XPS測定装置としては、日本電子製、JPS80を使用し、測定は、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を20mVに設定して実施し、芯材粒子を構成する主たる元素(Fe)について芯材粒子とキャリア粒子のそれぞれのatomic%を測定し、その比率により被覆率を求める。
実施例1〜13、比較例1,2の結果は表1に示す。
樹脂被覆層の剥がれ量の測定方法は、以下のとおりである。
ビーカー中にキャリア20gと水100ml及び適量の界面活性剤を入れ、キャリアと水とをよくなじませる。そのビーカーを40℃の恒温層に入れたまま超音波ホモジナイザーUS−300TCVP−3のプローブをビーカー内の水中に入れ5分間200mVの超音波強度で振盪する。振盪後キャリアの流出を防ぐため磁石で保持して上澄み液を回収し、その上澄み液を剥れた樹脂被覆層よりも小さな目開きの重量を測定しておいたろ紙でろ過する。そのろ紙の乾燥後重量を測定し、ろ紙上の剥れた樹脂被覆層の重量を算出した後、樹脂被覆層の剥れる量を質量%で算出する。
実施例1〜13、比較例1,2の結果は表1に示す。
Figure 2013041120

上記表1に示すように、実施例においては、比較例に比べ、網上量が少ない。また、実施例における樹脂被覆層は、比較例に比べ、被覆率が高く、剥がれ量が低い。

Claims (4)

  1. 芯材粒子と樹脂粒子とを混合して、前記芯材粒子の表面に前記樹脂粒子が付着した混合物を得る工程と、
    前記混合物に対して超臨界二酸化炭素を接触させて、前記芯材粒子の表面に付着した樹脂粒子同士を溶着させて、前記芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成する工程と、
    前記混合物に対する前記超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程と、
    を有する静電荷像現像用キャリアの製造方法。
  2. 前記混合物を流動させた状態で、前記樹脂被覆層を形成する工程及び前記超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程を行う、請求項1に記載の静電荷像現像用キャリアの製造方法。
  3. 前記混合物を得る工程が、
    前記芯材粒子及び前記樹脂粒子とともに、さらに、導電性粒子を混合して、前記芯材粒子表面に前記樹脂粒子とともに前記導電性粒子が付着した混合物を得る工程である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用キャリアの製造方法。
  4. 前記樹脂粒子のガラス転移温度をTa(℃)、前記超臨界二酸化炭素の温度をTb(℃)としたとき、下記式(1)を満たす条件下で、前記超臨界二酸化炭素の接触を停止する工程を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアの製造方法。
    Tb≦Ta−5℃・・・式(1)
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