JP2009064514A - ガラス基板およびその製造方法、ならびに当該ガラス基板を用いた磁気ディスク - Google Patents

ガラス基板およびその製造方法、ならびに当該ガラス基板を用いた磁気ディスク Download PDF

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【課題】磁気ディスクに用いた場合に、優れた強度を実現可能な、ガラス基板を提供することにある。
【解決手段】ドーナツ形状のガラス基板において、内周面の面取部および側面部の算術平均粗さRaが0.05〜1μm、かつ、それらの最大高さRyが0.5〜15μmあり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス基板に関する。より詳しくは、本発明のガラス基板は、固定磁気ディスク記録装置の磁気ディスク等に使用した場合に、優れた強度を実現するガラス基板に関する。本発明は、このようなガラス基板の製造方法に関する。本発明は、このようなガラス基板を用いた磁気ディスクに関する。
コンピュータ等の記録媒体に組み込まれる磁気ディスクの基板材料には、アルミニウム材料またはガラス材料が用いられる。特に、小型・薄板化および耐衝撃化の両立が求められるノートパソコン等の携帯用モバイルに使用する基板材料には、高い剛性を発揮するガラス材料が用いられている。
このようなガラス材料は、結晶化ガラスとアモルファスガラスとの2種類に大別される。近年、磁気ディスクの高記録密度化に伴い、基板材料には高い平坦性が求められる。このため、基板材料としては、結晶粒界の存在により平坦性が低い結晶化ガラスに比して、結晶粒界がないことで平坦性が高いアモルファスガラスが用いられている。
しかしながら、アモルファスガラスは結晶化ガラスに比して機械的強度に劣る。このような状況に鑑み、以下の技術が開示されている。
特許文献1には、アモルファスガラスの抗折強度を化学処理により補強した化学強化ガラスを基板とした光ディスクに関する技術が開示されている。この技術は、化学強化法によってガラス表面に圧縮応力を加え、クラックの発生を抑制するとともに、化学エッチングによって破壊の起点となるマイクロクラックの発生を抑制する技術である。
ここで、特許文献1における化学強化法とは、ガラス表面に存在するイオンを、ガラス転移点以下の温度で、より大きなイオンに置換し、ガラス表面に急峻な分布の圧縮応力層を形成して、ガラス表面を強化する方法である。イオン置換は、350〜450℃程度に加熱した硝酸カリウムまたは硝酸ナトリウムの溶融塩中にガラスを浸漬して行われる。
しかしながら、この方法には、2〜6時間という長時間が必要であるため、当該方法を実施する工程において製品が滞留し、生産性が低下するおそれがある。また、イオン置換により、ガラス材料の端部が僅かに盛り上がるスキージャンプと称される変形が生ずる。このため、スキージャンプに起因する変形量を相殺するための面ダレ量の形成工程を、研磨工程とは別途確保する必要がある。従って、工程数の増大により基板製造が煩雑になるだけでなく、ガラス基板をより多くの工程で処理するため、ガラス基板の良品率が低下するおそれもある。
一方、特許文献1に開示されているエッチングを、ガラス材料に対して5〜50μm以上行なうと、ガラス表面に存在するマイクロクラックが除去され、強度が5〜10倍程度向上する。しかしながら、エッチング後の主表面研磨工程、洗浄工程、成膜工程、およびそれら工程間の搬送、さらには完成したガラス基板の磁気ディスク装置への組み込み工程において、新たなマイクロクラックが発生し、ガラス基板の強度が劣化するおそれがある。このような状況に鑑み、以下の技術が開示されている。
特許文献2には、ドーナツ形状のガラス板であって、その内周面端面がエッチング処理されており、かつ、エッチング処理された内周面端面が、鉛筆引っかき値5H以上の硬さを有する保護膜により被覆されている磁気ディスク用ガラス基板が開示されている。この技術は、硬質コーティングを施したガラス基板に関する技術であるが、好ましい被覆材料とされているポリシラザンを反応硬化させることにより得られるシリカ膜を厚膜にすると、当該膜には外力によりクラックが発生し易くなる。このため、実用的には膜厚を4μm以下にする必要がある。しかしながら、そのような薄膜では強度が不足する。また、ディスク製造工程およびハードディスク装置組立工程においては、ハンドまたはスピンドルと基板との間に硬質塵埃を噛みこむことがある。このような場合には、硬質塵埃が局所的に押されると、上記の強度不足に起因して、その加重に十分耐えることができずに被覆が破れ、ガラス基板内へクラックが進入するおそれがある。そのような不良基板を工程中で特定して排除することはほぼ不可能であり、製品として市場に流出する可能性が高い。よって、当該基板を磁気ディスクに用いた場合には、信頼性を著しく損ねるおそれがある。
特許文献3には、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)または大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)対応の磁気記録媒体の基板に用い、面取部および側壁部のうちの少なくとも一方の表面が、鏡面である磁気記録媒体用アルミノシリケートガラス基板が開示されている。この技術では、磁気記録媒体用ガラス基板の内外周の面取部および側面部の算術表面粗さRaと1μm未満、Rmaxを0.01〜4μmとすることが開示されている。
特許文献4には、中心部に円形孔を有し、内周端面が曲率半径の異なる多数のピットが隣接してなるエッチング面であり、エッチング面のピットのうち曲率半径rが0.5μm以下のピットの存在率が5%以下である磁気ディスク用ガラス基板が開示されている。この技術では、ガラス基板の内周端面を算術表面粗さRaが1.0μm以下になるように仕上げ研磨し、次いで該仕上げ研磨面を2.5〜25μmエッチング処理することが開示されている。
特許文献5には、端面部の鏡面加工工程は、端面部に研磨手段を接触させ、この研磨手段とガラスディスクとを相対的に移動させることにより前記端面部の表面を鏡面研磨し、その後に、該表面の鏡面状態を保持しつつ、該端面部を化学処理し、表層部に存在するクラックを除去する処理を行う磁気ディスク用ガラス基板の製造方法が開示されている。
特開昭62−143243号公報 特開平11−328665号公報 特開2003−228814号公報 特開2006−196144号公報 特開2005−285276号公報
上述のように、種々のガラス基板に関する技術が開示されているが、磁気ディスク等に用いた場合に、優れた強度を実現する、ガラス基板に対する要求が存在する。
従って、本発明の目的は、磁気ディスクに用いた場合に、優れた強度を実現可能な、ガラス基板を提供することにある。また、本発明の目的は、当該ガラス基板の製造方法、および当該ガラス基板を用いた磁気ディスクを提供することにある。
本発明は、主表面と、上記主表面の内側に延在する内周面と、上記主表面の外側に延在する外周面とを具え、上記内周面の面取部および側面部の算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上であるガラス基板に関する。本発明のガラス基板は、コンピュータ等の記録媒体に組み込まれる磁気ディスクの構成部材として用いられる。本発明のガラス基板は、上記外周面の面取部および側面部の算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上であることが望ましい。また、上記主表面の算術平均粗さRaが0.5nm以下であることがさらに望ましい。
本発明は、上記のドーナツ形状のガラス基板の製造方法であって、ガラス材料を、主表面と、上記主表面の内側に延在する内周面と、上記主表面の外側に延在する外周面とを具えるドーナツ形状とする工程、上記内周面に研磨処理を施して、面取部および側面部を形成する工程、および上記面取部および側面部にエッチング処理を施す工程を含む、ガラス基板の製造方法に関する。このようなガラス基板の製造方法においては、上記エッチング処理を、厚さ5〜50μmで行なうことが望ましい。
また、本発明のガラス基板の製造方法においては、上記外周面に研磨処理を施して、面取部および側面部を形成する工程、および上記面取部および側面部にエッチング処理を施す工程を含むことが望ましい。このようなガラス基板の製造方法においては、上記エッチング処理を、厚さ5〜50μmで行なうことがさらに望ましい。
さらに、上記研磨処理は、砥石による処理およびサンドブラストによる処理のうちの少なくとも一方とすることができる。上記砥石による処理は、遊離砥粒と軟質ブラシとを用いて行なう処理とすることができる。上記遊離砥粒は、酸化セリウムおよびコロイダルシリカのうちの少なくとも一方とすることができ、上記軟質ブラシはナイロン製とすることができる。
加えて、本発明のガラス基板の製造方法においては、上記エッチング処理において、ガラス材料を浸漬する溶液を、フッ酸とフッ化アンモニウム水溶液と有機酸とを含む混合溶液とすることができる。また、当該方法においては、上記混合溶液を、代替的に、フッ酸と燐酸水素二アンモンの混合溶液とを含む混合溶液とすることができる。さらに、当該方法においては、上記混合溶液を、さらに代替的に、フッ化アンモニウムとアルコール類とを含む混合溶液とすることができる。
本発明は、上記ガラス基板を用いた磁気ディスクを包含する。
本発明のガラス基板は、ドーナツ形状の、少なくとも内周面の面取部および側面部について、その算術平均粗さRa、最大高さRy、および展開長さ比Lrを所定の範囲の値に設定することで、ガラス基板の優れた強度を実現することができる。
以下に、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下に示す例は、単なる例示であって、当業者の通常の創作能力の範囲で適宜設計変更することができる。
<ガラス基板>
図1は、本発明の、ドーナツ形状のガラス基板10を示す斜視図である。ガラス基板10の材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、結晶化ガラスを用いることができる。特に、高記憶密度記録が可能な垂直磁気ディスクに適用するガラス基板には、表面の高平坦性の観点から、アモルファス系のガラスを用いることが好ましい。
ガラス基板10は、主表面12、ならびにこの主表面12の内方および外方にそれぞれ延在する内周面14および外周面16を含む。ガラス基板の形状は、例えば、外径65mm、内径20mm、および板厚0.635mm(2.5インチタイプ)、または外径48mm、内径12mm、および板厚0.508mm(1.8インチタイプ)とすることができる。
このようなガラス基板10を含む磁気ディスクは、その内周面14によって画成される空洞に、固定磁気ディスク装置のモーター軸のフランジを嵌挿して、固定される。このため、モーター回転時の負荷は、ガラス基板10を含む磁気ディスクの内周面端部に集中する。この局部的な負荷がガラス基板10を破壊する起点となるおそれがあり、ガラス基板10の最も重要な強化対象部位は、内周面端部である。
図2は、図1の丸囲み部分Aを示す、ガラス基板の内周面の面取部22および側面部24、ならびに主表面26の一部を示す断面図である。同図に示すように、面取部22は、主表面26の延長線に対して40〜50°の角度θで延在する。この面取部22の角度はハードディスク装置の機能上は意味を持たない。しかしながら、当該角度は、基板製造工程またはハードディスク装置組立工程で用いられる治工具またはハンドの受け部の角度と合わせることで、ガラス基板が点接触して傷付くことを防止する役割を果たす。一方、側面部24は、主表面26に対してほぼ垂直に延在する。これにより、磁気ディスクを高速回転させた時に障害となる偏芯がないように、ハードディスク装置のスピンドルモーターのフランジに正確に位置決めできるという効果が得られる。
このような角度θの設定条件の下、上記の強化対象部位としての内周面においては、その面取部22および側面部24の算術平均粗さRaを0.05〜1μmとする。また、それらの最大高さRyを0.5〜15μmとする。さらに、それらの展開長さ比Lrを1.006以上とする。
算術平均粗さRaおよび最大高さRyとは、ともに、JIS B0601に定義されている指標である。算術平均粗さRaおよび最大高さRyの好適な設定により、ガラス基板の破壊を効果的に抑制できる理由は以下のとおりである。即ち、ガラス基板において、上記モーター軸のフランジとの接触表面が鏡面である場合には、微小な硬質粒子が1個介在しただけであっても、全荷重が当該硬質粒子の介在位置に集中し、クラック発生の起点となるおそれがある。しかしながら、上記接触表面が鏡面ではなく、ほどよい粗さに仕上げられている場合には、硬質粒子が接触表面に存在する凹凸部分の、特に凹部に紛れ込み、硬質粒子が荷重を受ける起点になる可能性を著しく低下させる。このような場合には、たとえクラックが発生したとしても、上記凹凸のうち凸部の一部が欠けるに留まり、それ以上クラックが進展するおそれは極めて低い。
算術平均粗さRaについては、0.05μm以上とすることで、基板破損の抑制という効果が得られる。一方、ハードディスク装置への組み込み精度を保障するためには、内径交差を±10μm以内とすることが必要であるが、Raを1μm以下とすることで、上記内径交差を上記所定の範囲とし、過度な凹凸の生成を防ぐことができるという効果が得られる。
最大高さRyについては、0.5μm以上とすることで、基板破損の抑制という効果が得られる。一方、15μm以下とすることで、上記したハードディスク装置への組み込み精度を有利に保障できるという効果が得られる。
なお、算術平均粗さRaを1μm超とし、かつ最大高さRyを15μm超とした場合であっても、上記のガラス基板の破壊抑制効果は得られる。しかしながら、ハードディスク装置が要求する組み込み精度を実現するには、最大高さRyを15μm以下とすることが好ましい。RyがRaの10倍程度であることからすれば、Ryを15μm以下とするためには、Raを1.5μm以下にすればよいが、安全率を考慮すると、算術平均粗さRaを1μm以下とする必要がある。
展開長さ比Lrとは、算術平均粗さの測定により得られた断面曲線の展開長さL0と、基準長さlとの比(L0/l)をいい、断面曲線の凹凸の頻度を示す指標である。ここで、基準長さlとは、表面粗さパラメーターを算出する断面曲線の両端間の距離をいう。また、この展開長さ比Lrは、先端角度が60°であって、先端半径が2μmの触針を用いた触針式表面粗さ計を用いて測定して算出した値である。例えば、ソーダライムガラスのような一般的な透明ガラスの場合には、Lrが1.004未満の面は、波長380〜780nmの光を垂直入射させた時の反射率が10〜12%の光沢面である。これに対し、Lrが1.006以上面は、上記反射率が14%以上の無光沢面である。
以上に示す、算術平均粗さRa、最大高さRy、および展開長さ比Lrの効果が相まって、結果的に優れたガラス基板の強度が実現される。
次に、図1に示すガラス基板10を含む磁気ディスクは、磁気ディスク装置内での媒体外周は自由端となっており、装置内ではクラックが発生する可能性はないが、磁気ディスクの製造工程および/または磁気ディスク装置の組み立て工程中では、外周を保持したり、支持したりする。このため、ガラス基板10を含む磁気ディスクの外周面端部にもクラックが発生するおそれがある。このように発生したクラックもガラス基板10を破壊する起点となるおそれがあり、ガラス基板10をより安定して使用するために重要な強化対象部位として、外周面が挙げられる。
図3は、図1の丸囲み部分Bを示す、ガラス基板の外周面の面取部32および側面部34、ならびに主表面36の一部を示す断面図である。同図に示すように、面取部32は、主表面36の延長線に対して40〜50°の角度θで延在する。この面取部32の角度はハードディスク装置の機能上は意味を持たない。しかしながら、当該角度は、基板製造工程またはハードディスク装置組立工程で用いられる治工具またはハンドの受け部の角度と合わせることで、ガラス基板が点接触して傷付くことを防止する役割を果たす。
このような角度θの設定条件の下、上記の強化対象部位としての外周面においては、その面取部32および側面部34の算術平均粗さRaを0.05〜1μm、かつ、それらの最大高さRyを0.5〜15μmとし、面取部32および側面部34の展開長さ比Lrを1.006以上とすることが好ましい。これにより、外周面の強化が実現され、ひいては、ガラス基板の破壊をより効果的に抑制することができる。
さらに、図1に示すガラス基板10の主表面12には、通常、クラックの起点となるマイクロクラックが無数に存在する。マイクロクラックが存在する領域の強度は、クラックがない場合の理論強度10GPa(「ガラスの強度はどのように決まるか」MRS−J NEWS Vol7,No4,November 2005 松岡純:滋賀県立大学工学部材料学科教授)の1/100〜1/1000程度である。しかしながら、上記のように、内周面および外周面の、各面取部および側面部の算術平均粗さRa、最大高さRy、および展開長さ比Lrの好適な設定により、内周面および/または外周面で生じたクラックの進展を抑制し、ひいては、主表面へのクラックの転移を有利に抑制することができる。
なお、図1に示すガラス基板10を含む磁気ディスクにおいて、磁気ヘッドがディスク上の磁気情報を良好な信号強度で読み書きするのに好適な浮上量5nmを確保するには、高い平坦性と平滑表面が必要である。また、垂直磁気記録方式の場合、磁性層の結晶軸配向のばらつきが大きいと、磁気情報の読み出し時のノイズが発生してしまうことからも、平滑表面を実現することが好ましい。よって、2.5インチ磁気ディスクの場合で、平坦度をPV=4μm以下とし、主表面の算術平均粗さRaを0.5nm以下とすることが好ましい。これにより、磁気ヘッドの浮上を妨げるギャップまたはうねりが生ずることなく、磁気ヘッドを安定して浮上させることができる。
<ガラス基板の製造方法>
(ガラス材料の形成)
ドーナツ形状のガラス材料を製造する。まず、プレス成形法、または板状ガラスからの切り出し法等により、所定形状のガラス材料を得る。
プレス成形法としては、如何なる公知の手段を使用してもよい。
板状ガラスからの切り出し法としては、如何なる公知の手段を使用してもよい。
次に、これらの方法により得られたガラス材料の表面に、ラップ加工を行い、磁気ディスクが必要とする平坦度(例えば2.5インチ基板の場合PV≦4μm)を得る。例えば、製品板厚が0.635mm±0.015mmの2.5インチ基板の場合は、ラップ加工により0.64±0.010mm〜0.68±0.010mm程度まで加工する。この板厚は、その後の研磨加工代によって決まり、このラップ加工による加工痕(砂目)を完全に消して鏡面にするのに必要な量であり、両面で0.05〜0.1mmが好ましい。
ラップ加工としては、例えば、鋳鉄定盤のラップ加工機を用い、加工液はシリコンカーバイド(SiC)砥粒等を用いることができる。
その後、洗剤を加えた超音波ディップ槽にて洗浄を行ない、水洗槽での濯ぎ、温風乾燥を行って、スラリーおよび研磨粉を除去して、清浄な表面を得る。
研磨後、基板に付着しているガラス粉、砥粒、鋳鉄粉は、超音波浸漬洗浄により除去する。超音波は、除去対象とする汚れ、即ち異物のサイズによって、数十kHz〜数MHzの周波数を選択することができる。また、その際の浸漬液としては、酸洗剤、中性洗剤、アルカリ洗剤等の水溶液が有効である。また、条件の異なった超音波洗浄を組み合わせることもできる。さらに、スクラブ洗浄によりこすり洗いをすることもできる。洗剤洗浄後は、必要に応じて0.2〜1.0μm程度のフィルターにて濾過を行なった水道水または工業用水による濯ぎを行なう。その後、必要に応じて、エアブロー、熱風、温水引き上げ、溶剤置換等の公知の方法により乾燥する。
次に、ガラス材料の内周面端および外周面端を同時に円周加工できる研削盤と溝付ダイヤモンド砥石(♯400)を用いて、内外径加工を行なうことが好ましい。内外径加工の好適な寸法は、後工程で行なわれる研磨加工またはエッチング加工代を、製品の内外径寸法に加えて算出することができる。
(ガラス材料の面取り加工)
次に、ガラス材料の、内周面および外周面のうち、少なくとも内周面に面取り加工を施し、面取部と、非面取部(側面部)とを得る。面取り加工は、内外径それぞれの断面形状に合わせた総型のダイヤモンド電着砥石を装着した、内外径を同時加工する2軸型の研削盤を用いて、ダイヤモンド砥粒メッシュを#240〜#3000、相対速度を5〜100m/secとした条件下に行なうことができる。
特に、後工程のエッチング工程で粗面加工を行わない方法では、この工程にて算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上という表面形状を作りこむ必要がある。ここで、ダイヤモンド砥粒メッシュを#600〜2000、相対速度を10〜20m/secとすることが好ましい。後工程にて、研磨法、サンドブラスト法、エッチング法等で算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上という表面形状を作り込む場合は、さらに大きな砥粒(ダイヤモンド砥粒メッシュ#350〜#600)を用いてもよい。面取り加工を行なうにあたり、ガラス材料表面と面取部との成す角は40〜50°とすることが一般的である。磁気ディスク製造工程またはハードディスク装置組立工程で使われる治工具またはハンドの受け部形状と合わせることにより、ガラス基板が点接触して傷付くことを防止することができる。
(面取部および側面部の研磨処理)
続いて、上記面取り加工が完了したガラス材料に対し、必要に応じて、その内周面および外周面のうち、少なくとも上記面取り加工が施された面を研磨する。以下に、内周面への研磨処理について説明するが、この処理は外周面へも適用できる。
後工程で粗面化エッチング処理を行なわない方法で、かつ前工程の面取り加工工程では算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上という表面形状にはせずに、例えば、砥石による処理またはサンドブラストによる研磨処理によって、算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上という表面形状にすることができる。
また、後工程で粗面化エッチング処理を行なう方法では、その前処理として研磨処理によってRa≦0.01μm以下に鏡面化を行なう。
遊離砥粒と軟質ブラシを用いた砥石処理により、算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上という表面形状をつくることができる。ここで、遊離砥粒とは砥粒を水に分散させた研磨スラリーをいう。砥粒としては、#1000〜#8000のシリコンカーバイト粉、酸化アルミニウム粉、シリカ粉、ジルコンサンドなど用いることができる。また、軟質ブラシとしては、適度な柔軟性と研磨スラリーとのなじみの観点から、ナイロン製のブラシを用いることが好ましい。さらに、砥石の処理条件としては、相対速度を0.1m/sec〜10m/secが適当である。
遊離砥石と軟質ブラシを用いた砥石処理により、Ra≦0.01μm以下に鏡面化することもできる。その場合は、砥粒には酸化セリウムやコロイダルシリカ、軟質ブラシとしては、ナイロン製を用いるのが好ましく、処理条件としては、相対速度0.1m/sec〜10m/secが適当である。
一方、サンドブラストによる処理は、#160〜#1200のシリコンカーバイト、アルミナ、ジルコニア、ガーネット等を用いて行なうことができる。サンドブラストの処理条件としては、噴射圧を0.1〜0.5MPaとすることができ、0.1〜0.3MPaとすることが、噴射状態の安定性とワークの破損防止の観点から好ましい。
このように、研磨処理は、上記砥石またはサンドブラストにより行なうことができるが、その処理態様は上記例に限られず、全く別異の如何なる方法によって処理することもできる。このような研磨処理により、後工程で粗面化エッチングを行なわない工程では、所定部位の面取部および側面部の算術平均粗さRaを0.05〜1μmとし、かつ、それらの最大高さRyを0.5〜15μmとすることができる。また、後工程で粗面化エッチングを行なう工程では、Ra≦0.1μm以下の鏡面とすることができる。
研磨処理においては、図2(内周面)および/または図3(外周面)における符号θを好適に制御するため、研磨量は30μm以下とすることが肝要であり、面取り加工の影響を除くためには、5μm以上の加工が有効であることから、5〜30μmとすることが好ましい。
(ガラス材料のエッチング処理)
最後に、上記研磨処理が完了したガラス材料に対し、その内周面および外周面のうち、少なくとも内周面の、面取部および側面部にエッチング処理を施す。以下に、内周面へのエッチング処理について説明するが、この処理は外周面へも適用できる。
研磨加工により鏡面とした面取り部を、算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上の表面形状にする、内周面へのエッチング処理は、フッ酸、フッ化アンモニウム水溶液、および有機酸を含む混合溶液に、ガラス材料を浸漬して行なうことができる。この際、エッチング条件としては、エッチング液を、フッ化水素酸10〜50wt%、フッ化アンモニウム6〜30wt%、および蟻酸、酢酸、プロピオン酸の少なくとも1つからなる有機酸30〜60wtの水溶液とし、15℃〜35℃、時間5分〜120分とすることができる。エッチング液を、フッ化水素酸10〜20wt%、フッ化アンモニウム15〜30wt%、および残水とし、時間10〜60分とすることが、求める表面形状を得る観点から好ましい。
また、上記態様に対する代替的な処理としては、フッ酸と燐酸水素2アンモンの混合溶液とを含む混合溶液に、ガラス材料を浸漬することが挙げられる。この際、エッチング条件としては、エッチング液を、フッ化水素酸10〜35wt%、および燐酸水素2アンモニウム20〜70wt%の水溶液とし、35℃〜65℃、時間1分〜90分とすることができる。エッチング液を、フッ化水素酸10〜20wt%、および燐酸水素2アンモニウム20〜60wt%の水溶液とし、35℃〜65℃、時間1分〜10分とすることが、求める表面形状を得る観点から好ましい。
さらに、これらの態様に対するさらなる代替的な処理としては、フッ化アンモニウムとアルコール類を含む混合溶液に、ガラス材料を浸漬して行なうことが挙げられる。この際、エッチング条件としては、エッチング液を、フッ化アンモニウム10〜30wt%、フッ化水素酸0〜15wt%、硫酸5〜10wt%、およびエタノール0〜30wt%の溶液とし、15〜35℃、時間10〜120分とすることができる。エッチング液を、フッ化アンモニウム10〜20wt%、フッ化水素5〜10wt%、およびエタノール15〜30wt%の溶液とし、15〜25℃、時間10〜30分することが、求める表面形状を得る観点から好ましい。
このように、エッチング処理は、上記混合溶液またはフロスト溶液を用いて行なうことができるが、その処理態様は上記例に限られない。即ち、これらの溶液をガラス材料の所定箇所にスプレーで吹き付け、もしくは塗布すること、または全く別異の如何なる方法によって処理することもできる。このようなエッチング処理により、所定部位の面取部および側面部の展開長さ比Lrを1.006以上とすることができ、上記研磨処理を施したことによる所望の算術平均粗さRaおよび最大高さRyと相まって、所望の無光沢状態、即ち梨子地状態を実現することができる。
エッチング量は、5〜50μmとすることが好ましい。5μm以上とすることで、ガラス基板の優れた強度を実現することができる。一方、50μm以下とすることで、エッチングむらを抑制することができ、磁気ディスクに用いるガラス基板に、磁気ディスク装置への組み込み精度として求められる、内径精度±10μmを、高いレベルで実現することができる。
(主表面の処理)
最後に、主表面の処理を任意選択的に行う。例えば、所定の材料を含有したパッドを貼った両面研磨盤を用い、水に所定の研磨剤を縣濁させたスラリーを滴下して、ガラス材料の主表面の鏡面研磨加工を行う。
上記所定の材料としては、良好な平坦加工性、および高い加工速度の観点から、酸化セリウム含有ウレタンパッドが好ましく、上記研磨剤としては、高い加工速度、およびスクラッチの入り難さの観点から、酸化セリウム研磨剤が好ましい。
鏡面研磨加工における加工代は、ラップ加工の加工痕(砂目)を完全に除去する観点から、0.05〜0.10mmとすることが好ましい。酸化セリウムによる研磨加工により、算術平均粗さRaが0.5〜2.0nmのガラス表面が得られる。
次いで、超音波を併用した弱アルカリ洗浄、および純水濯ぎを順次行い、表面および側面の研磨剤、切粉を十分に洗浄処理する。
さらに、例えば、発泡ウレタンパッドを貼った両面研磨盤とコロイダルシリカ研磨液を用いて主表面を最終研磨する。
最終研磨加工における加工代は、セリウム研磨面の表面粗さをコロイダルシリカ研磨面の表面粗さに変える観点から、0.0001〜0.001mmとすることが好ましい。コロイダルシリカ研磨により算術平均粗さRaが0.5nm以下のガラス表面が得られる。
次いで、超音波を併用した弱アルカリ洗浄、および純水濯ぎを順次行い、さらに、常温IPA浸漬、およびIPAベーパー乾燥の各工程からなる精密洗浄乾燥を実施し、清浄な磁気ディスク用ガラス基板を得る。
主表面の算術平均粗さ等は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができ、算術平均粗さRaは0.05〜0.5nm、最大高さRyは0.5〜5nmであることが好ましい。算術平均粗さRaは出来る限り小さい方が望ましいが、原子レベルの凹凸が存在することから0.05nm未満に加工することは難しい。また、0.5nm以下であれば、磁気情報の読み出し時のノイズに対する結晶軸の揺らぎの影響が出ないという効果が得られる。一方、最大高さRyもできる限り小さい方が望ましいが、Raと同様の理由で0.5nm未満に加工することは難しい。また、5nm以下であれば、垂直磁気記録用ヘッドの安定浮上走行を妨げないという効果が得られる。これにより、高密度垂直磁気ディスク用ガラス基板として供するのに十分な表面平滑性を有することができる。
<磁気ディスク>
上記ガラス基板を用いた磁気ディスクについて説明する。なお、以下に示す磁気ディスク体は、垂直磁気記録媒体であるが、本発明のディスクはこのような例には限れず、上記ガラス基板を用いることができれば、いかなるタイプのディスクも含むものである。
図4は、上記ガラス基板を用いた磁気ディスクの構造の一例を示す断面模式図である。同図によれば、磁気ディスク40は、ガラス基板42と、ガラス基板42上に形成された軟磁性裏打ち層44と、軟磁性裏打ち層44上に形成された非磁性結晶配向制御層46と、非磁性結晶配向制御層46上に形成された下地層48と、下地層48上に形成された磁性層50と、磁性層50上に形成された保護層52と、保護層52上に形成された潤滑層54とから構成されている。
ガラス基板42は、上記のようにして得られたものであれば、いかなるタイプのものも使用できる。ガラス基板42の膜厚は、基板の大きさに応じて調整され、0.3〜1.3mmの範囲とすることが好ましい。
軟磁性裏打ち層44は、情報の記録時にヘッドから発生する磁束の広がりを抑制し、垂直方向の磁界を十分に確保する役割を担う、任意選択的に用いる層である。軟磁性裏打ち層44の材料としては、Ni合金、Fe合金、Co合金、Ta合金、およびZr合金を用いることができる。例えば、CoZrNb、CoTaZrおよびCoTaZrNbなどの非晶質Co−Zr系合金、またはCoFeNb、CoFeZrNbおよびCoFeTaZrNbなどの非晶質Fe−Co系合金を用いることにより、良好な電磁変換特性を得ることができる。また、これらの他にも、Fe−B系合金およびフェライト組織のFe系合金などの各種軟磁性材料を用いることができる。
軟磁性裏打ち層44の膜厚は、記録の際に使用する磁気ヘッドの構造を考慮するとともに生産性を考慮して、10nm〜100nmの範囲とすることが好ましい。当該膜厚を10nm以上とすることで、磁束の広がりを抑える効果を有することができる。また、当該膜厚を100nm以下とすることで、優れた生産性を実現することができる。
非磁性結晶配向制御層46は、この上層として形成する下地層48、ひいては磁性層50の配向性および粒径を制御する役割を担う、任意選択的に用いる層であり、例えばAu、Ag、およびPtなどの貴金属元素を含む材料を用いることが好ましい。また、非磁性結晶配向制御層46に酸化し易い材料を用いる場合には、下地層48の形成前に高真空状態を維持して表面への酸素の付着を防止し、非磁性結晶配向制御層46の酸化されていない表面状態を得ることができる。
非磁性結晶配向制御層46の膜厚は、最終的に磁性層50の磁気特性および電磁変換特性が所望の値になるように適宜調製され、2nm〜20nmの範囲とすることが好ましい。当該膜厚を2nm以上とすることで、下地層48ひいては磁性層50の配向性の劣化が抑制される。また、当該膜厚を20nm以下とすることで、非磁性結晶配向制御層46の粒径を過度に大きくせず、これにより下地層48を介して磁性層50の粒径の微細化を実現することができ、電磁変換特性の劣化を抑制することができる。
下地層48は、それ自身の配向性の向上および粒径の微細化によって、この上層として形成する磁性層50の配向性の向上および粒径の微細化を実現し、磁気特性という点で不所望な磁性層50の初期層の発生を抑制する非磁性層である。下地層48は、Cr等から形成することができる。
さらに、磁性層50の初期層の形成を抑制するためには、下地層48の良好な結晶性を得ることが肝要であり、下地層48の膜厚を1nm以上の範囲とすることが好ましい。これにより、下地層48の良好な結晶性に起因する配向性の劣化を抑制でき、これに伴い磁性層50の優れた配向性および結晶粒の分離性も達成でき、さらに磁性層50の初期成長層形成が抑制される。また、下地層の膜厚を20nm以下とすることにより、下地層48の粒径が肥大化せず、これに伴い磁性層50の粒径の肥大化も抑制することができる。このような、下地層48の膜厚の制御により、さらにノイズの低減を図ることができる。
磁性層50は、情報を記録および再生するための層である。磁性層50を垂直磁気記録媒体の一部として用いるためには、磁化容易軸を基板面に対して垂直方向に配向させる必要がある。磁性層50は、Coを含む合金を含む材料から構成する。Coを含む合金としては、Co−Pt系合金およびCo−Cr系合金を用いることができる。
磁性層50の膜厚は、8nm〜20nmの範囲とすることが好ましい。8nm以上とすることにより、熱安定性の劣化を抑制できる。また、20nm以下とすることにより、ヘッド磁界を磁性膜全体に届かせ、良好な書込み特性が得られる。
保護層52は、磁性層50の腐食防止と、磁気ヘッドの媒体接触時における磁性層50の損傷の防止とを目的として形成される層である。保護層52には、通常使用される材料、例えば、C、SiO2、およびZrO2のいずれかを主体とする層を用いることができる。保護層52の厚さは、通常の磁気記録媒体で用いる膜厚の範囲、例えば、2nm〜5nmの範囲とすることが好ましい。
潤滑層54は、磁気ヘッドと媒体との間の潤滑特性を確保する目的で形成される層である。潤滑層54は、通常使用される材料、例えば、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、およびフッ素化カルボン酸の潤滑剤を用いることができる。潤滑層54の厚さは、通常磁気記録媒体で用いられる膜厚の範囲、例えば、0.5nm〜2nmの範囲とすることができる。
<磁気ディスクの製造方法>
次に、上述した図4に示す本発明の磁気ディスクの製造方法の一例について説明する。なお、以下に示す例は、本願発明における任意選択的要素である軟磁性裏打ち層および非磁性結晶配向制御層を含む例である。
(ガラス基板42の洗浄)
ガラス基板42を洗浄する。当該洗浄としては、自然酸化膜を取り除く方法として効果の高い所定の薬品、例えば、酸、もしくはアルカリによる溶液洗浄の他、各種プラズマまたはイオンを用いたドライ洗浄を使用することができる。特に、設計寸法の高精度化、使用薬品から生じる廃液処理、洗浄の自動化等の観点からは、上記ドライ洗浄を用いることが好ましい。
(軟磁性裏打ち層44の形成)
洗浄したガラス基板42をスパッタ装置に導入する。軟磁性裏打ち層44を所定のターゲットを用いて、各種スパッタ法により形成する。例えば、DCマグネトロンスパッタ法を用いることができる。ここで、スパッタ装置内の雰囲気はアルゴン雰囲気とし、装置内圧力は0.7〜1.5Paとし、装置内温度は加熱なしとし、成膜レートは2〜10nm/秒とし、ターゲットと基板との距離は5〜15nmとすることが好ましい。
(非磁性結晶配向制御層46の形成)
軟磁性裏打ち層44上に、非磁性結晶配向制御層46を所定のターゲットを用いて、各種スパッタ法により形成する。例えば、DCマグネトロンスパッタ法を用いることができる。ここで、スパッタ装置内の雰囲気はアルゴン雰囲気とし、装置内圧力は0.7〜2Paとし、装置内温度は加熱なしとし、成膜レートは2〜10nm/秒とし、ターゲットと基板との距離は5〜15nmとすることが好ましい。
(下地層48の形成)
非磁性結晶配向制御層46上に下地層48を形成する。この際、下地層48の形成方法としては、下地層48に芳香族化合物を用いる場合には、その分子構造を破壊しない、蒸着法を用いることが好ましい。
蒸着法としては、非磁性結晶配向制御層46上に、下地層48を所定のターゲットを用いて、各種スパッタ法により形成する。例えば、DCマグネトロンスパッタ法を用いることができる。ここで、スパッタ法を用いる場合には、スパッタ装置内の雰囲気はアルゴン雰囲気とし、装置内圧力は2.5〜12Paとし、装置内温度は加熱なしとし、成膜レートは2〜10nm/秒とし、ターゲットと基板との距離は5〜15nmとすることが好ましい。
(磁性層50の形成)
下地層48上に、磁性層50を所定のターゲットを用いて、各種スパッタ法により形成する。例えば、DCマグネトロンスパッタ法を用いることができる。ここで、スパッタ装置内の雰囲気はアルゴン雰囲気とし、装置内圧力は0.7〜4Paとし、装置内温度は加熱なしとし、成膜レートは2〜10nm/秒とし、ターゲットと基板との距離は5〜15nmとすることが好ましい。
(保護層52の形成)
ガラス基板42上に、軟磁性裏打ち層44、非磁性結晶配向制御層46、下地層48および磁性層50が順に形成された積層体をスパッタ装置から真空装置に移し、磁性層50上に、保護層52を、CVD法により形成することができる。なお、保護層52の他の形成方法としては、カーボンターゲットを用いたスパッタ法、およびイオンビーム法等が挙げられ、これらの方法は公知の態様を採用することができる。特に、CVD法またはイオンビーム法を用いた場合には、保護層52を薄くすることができる。
(潤滑層54の形成)
最後に、保護層52が形成された積層体を、真空装置から取り出し、保護層52上に、潤滑層54を、ディップ法により形成し、本発明の垂直磁気記録媒体を得る。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明し、本発明の効果を実証する。
<ガラス基板の形成>
(実施例1)
厚さ1.5mm、幅1000mm、および長さ1000mmであって、SiO2:65mol%、Al23:12mol%、Li:7mol%、Na2O:10mol%、ZnO2:2mol%、および残部からなる、アルミノシリケイト製シートガラスを用意した。このシートガラスから、研削砥石を用いて、外径66mm、内径19mmのドーナツ形状のガラス材料の250枚を、切り出し加工により得た。これらのガラス材料を、鋳鉄定盤を装着した両面ラップ盤に装着し、水に研磨材(WA♯1200)を縣濁させたスラリーを滴下して、両面同時ラップ加工を行い、厚さ0.68mmに形成した。
次いで、ガラス材料の内周面端および外周面端を、同時に円周加工できる研削盤と溝付ダイヤモンド砥石(♯400)を用いて、内径20.01±0.003mm、外径65±0.01mm、同芯度≦3μmとする内外径加工を行った。
さらに、内周面端および外周端を、図5に示すように、側面部の板厚方向長さが0.3mmとなる面取り加工を行った。なお、ガラス材料表面と面取部との成す角は45±5°とした。
この時点で、ガラス基板の内周面および外周面を含む全面は、無光沢(梨子地状)となっていた。これを確認するため、内周面の面取部および側面部の算術平均粗さRaおよび最大高さRyを、JIS B0601に基づき測定した結果、Ra=0.56μm、Ry=6.3μmであった。また、内周面の面取部および側面部の展開長さ比Lrを、先端角度が60°であって先端半径が2μmの触針を装着した触針式表面粗さ計(ミツトヨ製フォームトレーサCS−3100)を用いて測定した結果、Lr=1.006であった。さらに、反射率測定機(オリンパスUSPM−RUIII)を用いて反射率を測定したところ、20.8%であった。この反射率は、JISR3106に準じて、波長380〜780nmの光を垂直入射させた時の値であり、ガラス表面の光沢度を示す指標である。
次に、セリウム含有パッドを貼った両面研磨盤を用い、水に酸化セリウム研磨剤を縣濁させたスラリーを滴下して、ガラス基板の主表面の鏡面研磨加工を行い、板厚を0.637mmに加工した。その後、超音波を併用した弱アルカリ洗浄、および純水濯ぎを順次行い、表面および側面の研磨剤、切粉を十分に洗浄処理した。
さらに、発泡ウレタンパッドを貼った両面研磨盤とコロイダルシリカ研磨液(商品名:コンポール80(フジミインコーポレーテッド))を用いて主表面を最終研磨し、板厚を0.635mmに加工した。その後、超音波を併用した弱アルカリ洗浄、純水濯ぎ、常温IPA浸漬、およびIPAベーパー乾燥の各工程からなる精密洗浄乾燥を実施し、清浄な磁気ディスク用ガラス基板を得た。
主表面の算術平均粗さ等を、AFMを用いて測定したところ、Ra=0,28nm、Ry=3.2nmであった。これにより、高密度垂直磁気ディスク用ガラス基板として供するのに十分な表面平滑性を有していることが判った。
以上のようにして、実施例1のガラス基板を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして、切り出し加工、ラップ加工、内外径加工、および面取り加工を施したガラス基板を用意した。内周面の面取部および側面部の性状は、Ra=0.50μm、Ry=7.1μm、Ir=1.007であった。
次に、ガラス基板に実施例1と同様に鏡面研磨加工を施し、電子工業用グレードの50vol%フッ化水素酸1に対して、脱イオン水4を加えて希釈した常温(25℃)の10vol%フッ化水素酸エッチング溶液に、当該基板を10分浸漬して素早く取り出した。さらに、脱イオン水を用いてエッチング液を十分に濯いだ。ガラス基板の内周面および外周を含む表面は、エッチングにより半透明にはなったが、梨子地状は維持されており、内周面の面取部および側面部は、算術平均粗さRaが0.61μm、それらの最大高さRyが5.7μmあり、面取部および側面部の展開長さ比Lrが1.008以上であった。
また、マイクロメータによってエッチング前後の内径を測定した値の差から、エッチング前の半径とエッチング後の半径との差で定義されるエッチング量は12μmであった。さらに、反射率測定器(オリンパスUSPM−RUIII)によって反射率を測定したところ、16.1%であった。
続いて、実施例1と同様の工程によって、主表面の最終研磨と精密洗浄乾燥を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。主表面のラップ加工痕は完全になくなったが、内周面の面取部および側面部は梨子字状(無光沢)が維持されたままであった。主表面の算術平均粗さ等を、AFMを用いて測定したところ、Ra=0.30nm、Ry=4.2nmであった。
以上のようにして、実施例2のガラス基板を得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして、切り出し加工、ラップ加工、内外径加工、および面取り加工を施したガラス基板を用意した。このガラス基板に対して、酸化セリウム研磨剤とナイロンブラシを用いてガラス基板表面を研磨し、鏡面とした。内周面の面取部および側面部の算術平均粗さ等は、Ra=0.003μm、Ry=0.044μm、Ir=1.002であった。
次に、電子工業用グレードの50vol%フッ化水素酸30wt%、試薬特級のフッ化アンモニウム10wt%、試薬特級氷酢酸30wt%、残部が脱イオン水であるフロストエッチング液を用意した。このフロスト溶液に、室温(25℃)で上記の鏡面研磨加工が施された基板を20分浸漬して素早く取り出した。さらに、脱イオン水を用いてエッチング液を十分に濯いだ。ガラス基板の内周面および外周面を含む表面は、エッチングにより半透明にはなったが梨子地状は維持されており、内周面の面取部および側面部は、算術平均粗さRaが0.09μmであり、それらの最大高さRyが1.00μmであり、面取部および側面部の展開長さ比Lrが1.007であった。
また、実施例2と同様の方法で測定したエッチング量は17μmであった。さらに、反射率測定器(オリンパスUSPM−RUIII)によって反射率を測定したところ、16.9%であった。
続いて、実施例1と同様の工程によって、主表面の最終研磨と精密洗浄乾燥を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。AFMにより算術平均粗さ等を測定したところ、Ra=0.27nm、Ry=4.0nmであった。
以上のようにして、実施例3のガラス基板を得た。
(比較例1)
実施例1と同様にして、切り出し加工、ラップ加工、内外径加工、および面取り加工を施したガラス基板を用意した。内周面および外周面のそれぞれの面取部および側面部を、ガラス基板を回転させながら、酸化セリウム研磨剤とナイロンブラシを用いて研磨し、鏡面とした。内周面の面取部および側面部の算術平均粗さ等は、Ra=0.003μm、Ry=0.038μm、Ir=1.002であった。また、反射率測定器(オリンパスUSPM−RUIII)によって反射率を測定したところ、10.7%であった。
続いて、実施例1と同様の工程によって、主表面の最終研磨と精密洗浄乾燥を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。主表面の算術平均粗さ等を、AFMを用いて測定したところ、Ra=0.31nm、Ry=3.5nmであった。
さらに、上記ガラス基板を、試薬特級硝酸ナトリウム40wt%と試薬特級硝酸カリウム60wt%の混合塩を360℃に保持したSUS316ステンレス製の化学強化槽中に4時間浸漬して、化学強化を行った。
以上のようにして、比較例1のガラス基板を得た。
(比較例2)
実施例1と同様にして、切り出し加工、ラップ加工、内外径加工、および面取り加工を施したガラス基板を用意した。内周面および外周面のそれぞれの面取部および側面部を、ガラス基板を回転させながら、酸化セリウム研磨剤とナイロンブラシを用いて研磨し、鏡面とした。内周面の面取部および側面部の算術平均粗さ等は、Ra=0.003μm、Ry=0.035μm、Ir=1.002であった。また、反射率測定器(オリンパスUSPM−RUIII)によって反射率を測定したところ、11.0%であった。
続いて、実施例1と同様の工程によって、主表面の最終研磨と精密洗浄乾燥を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。主表面のAFMを用いて測定したところ、Ra=0.29nm、Ry=3.1nmであった。
以上のようにして、比較例2のガラス基板を得た。
(比較例3)
実施例1と同様にして、切り出し加工、ラップ加工、内外径加工、および面取り加工を施したガラス基板を用意した。このガラス基板に対して、酸化セリウム研磨剤とナイロンブラシを用いてガラス基板表面を研磨し、鏡面とした。内周面の面取部および側面部の算術平均粗さ等は、Ra=0.003μm、Ry=0.042μm、Ir=1.003であった。
次に、実施例2と同様に、電子工業用グレードの50vol%フッ化水素酸1に対して、脱イオン水4を加えて希釈した常温(25℃)の10vol%フッ化水素酸エッチング溶液に、当該基板を10分浸漬して素早く取り出した。さらに、脱イオン水を用いてエッチング液を十分に濯いだ。ガラス基板の内周面および外周面を含む表面は、鏡面のままであり、内周面の面取部および側面部は、算術平均粗さRaが0.003μm、それらの最大高さRyが0.039μmあり、面取部および側面部の展開長さ比Lrが1.002であった。
また、マイクロメータによってエッチング前後の内径を測定した値の差から、エッチング前の半径とエッチング後の半径との差で定義されるエッチング量は10μmであった。さらに、反射率測定器(オリンパスUSPM−RUIII)によって反射率を測定したところ、11.3%であった。
続いて、実施例1と同様の工程によって、主表面の最終研磨と精密洗浄乾燥を行い、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。主表面のAFMを用いて測定したところ、Ra=0.27nm、Ry=2.9nmであった。
以上のようにして、比較例3のガラス基板を得た。
<ガラス基板に対する円環抗折強度の測定>
上述のように作製された各実施例1〜3および各比較例1〜3のガラス基板の各100枚を、材料強度試験装置(島津製作所:AG−1S)を用いて、外径40mm、先端半径2mmの円環冶具42およびR=14.1mmの半球状冶具44と、ガラス基板46とを所定位置にセットし、半球状治具44の上部から試験速度0.5mm/secで抗折力を徐々に負荷して円環抗折強度を行なった。図6は、実際に行なった円環抗折強度の測定に使用した器具の概略図である。同図によれば、円環治具62および半球状治具64と、ガラス基板66とがセット状態となっており、半球状治具64には、その上方に接触配置している負荷器具68により負荷Fがかかっている。また、図7は、図6の丸囲み部分C、即ち、半球状治具64と、ガラス基板の面取部66aおよび側面部66bとの部分拡大断面図である。同図によれば、半球状治具64はガラス基板66の側面部66bと接触しており、実質的には側面部66bに上記負荷Fがかかっている。
ガラス基板に対する円環抗折強度の測定に関する結果(各100枚における最小値、最大値、および平均値)を以下に示す。
Figure 2009064514
表1によれば、本発明の範囲に含まれる実施例1〜3については、内周面の面取部および側面部の算術平均粗さRa、最大高さRy、および面取部および側面部の展開長さ比Lrを所定の値に設定しているため、たとえ比較例1のような化学強化を行なわなくても、ガラス基板について、比較例1と同等以上の抗折力が得られていることが判る。
このため、実施例1〜3の各ガラス基板について、優れた強度を実現可能であることが実証された。
なお、実施例1〜3を比較すると、砥石加工後にエッチングを施す場合(実施例2)、鏡面研磨加工をフロストエッチングにより行って、マイクロクラックを除去場合(実施例3)は、実施例1に比してさらに抗折強度を向上させることができることが判る。
<磁気ディスクの形成>
上記の円環抗折強度の測定に用いた実施例1〜3および比較例1〜3の各ガラス基板の他に、さらに各例において100枚のガラス基板を同様に用意した。これらのガラス基板を、スパッタリング装置内に導入して、CoZrNbアモルファス軟磁性層100nm、Tiシード層10nm、CoCrPt合金からなる磁気記録層30nm、カーボン保護層8nmを順次成膜後、真空装置から取り出した。これらのスパッタリング成膜はすべてArガス圧5mTorr下でDCマグネトロンスパッタリング法により行なった。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層2nmをディップ法により形成し、実施例1〜3および比較例1〜3の各垂直磁気ディスクとした。
<磁気ディスクに対する円環抗折強度の測定>
これらの垂直磁気ディスクの各例につき100枚を、上記したガラス基板の場合と同様に、材料強度試験装置にて円環抗折強度を測定した。磁気ディスクに対する円環抗折強度の測定に関する結果(各100枚における最小値、最大値、および平均値)を以下に示す。
Figure 2009064514
表2によれば、本発明の範囲に含まれる実施例1〜3のガラス基板を用いた磁気ディスクについては、内周面の面取部および側面部の算術平均粗さRa、最大高さRy、および面取部および側面部の展開長さ比Lrを所定の値に設定しているため、たとえ比較例1のような化学強化を行なわなくても、磁気ディスクについて、比較例1と同等以上の抗折力が得られていることが判る。
このため、実施例1〜3の各磁気ディスクについて、優れた強度を実現できることが実証された。
なお、実施例1〜3を比較すると、砥石加工後にエッチングを施す場合(実施例2)、鏡面研磨加工をフロストエッチングにより行って、マイクロクラックを除去場合(実施例3)は、ガラス基板の場合と同様に、実施例1に比してさらに抗折強度を向上させることができることが判る。
また、内周面の面取部および側面部を研磨法によって鏡面にした場合(比較例2)、およびさらにエッチングによりマイクロクラックを除去した場合(比較例3)は、化学強化を行なった場合(比較例1)と異なり、エッチング直後の抗折力に比べて、磁性層および保護層を成膜して磁気ディスクした後の抗折力が大きく低下してしまうことも判明した。これは、面取部と側面部の研磨工程およびエッチング工程より、後の工程での加工またはハンドリング時の負荷によって、内周面の面取部および/または側面部に新たなマイクロクラックが発生したためであると考えられる。
本発明によれば、ドーナツ形状のガラス基板の内周面の面取部および側面部の、算術平均粗さRa、それらの最大高さRy、および面取部および側面部の展開長さ比Lrを好適に設定することで、ガラス基板の優れた強度を実現することができる。よって、本発明は、今後益々高強度化が要求されるコンピュータ等に組み込まれる磁気ディスクを安定して製造できる点で有望である。
本発明の、ドーナツ形状のガラス基板10を示す斜視図である。 図1の丸囲み部分Aを示す、ガラス基板の内周面の面取部22および側面部24、ならびに主表面26の一部を示す断面図である。 図1の丸囲み部分Bを示す、ガラス基板の外周面の面取部32および側面部34、ならびに主表面36の一部を示す断面図である。 本発明のガラス基板を用いた磁気ディスクの構造の一例を示す断面模式図である。 本発明のガラス基板の側方断面図である。 円環治具62および半球状治具64と、ガラス基板66とのセット状態を示す断面図である。 図6の丸囲み部分Cの拡大断面図である。
符号の説明
10,42,66 ガラス基板
12,26,36 主表面
14 内周面
16 外周面
22,32,66a 面取部
24,34,66b 側面部
40 磁気ディスク
44 軟磁性裏打ち層
46 非磁性結晶配向制御層
48 下地層
50 磁性層
52 保護層
54 潤滑層
62 円環治具
64 半球状治具
68 負荷器具

Claims (15)

  1. 主表面と、前記主表面の内側に延在する内周面と、前記主表面の外側に延在する外周面とを具えるドーナツ形状のガラス基板において、前記内周面の面取部および側面部の算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上であることを特徴とするガラス基板。
  2. 前記外周面の面取部および側面部の算術平均粗さRaが0.05〜1μmであって、それらの最大高さRyが0.5〜15μmであり、さらに、それらの展開長さ比Lrが1.006以上であることを特徴とする、請求項1に記載のガラス基板。
  3. 前記主表面の算術平均粗さRaが0.5nm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガラス基板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のドーナツ形状のガラス基板の製造方法であって、
    ガラス材料を、主表面と、前記主表面の内側に延在する内周面と、前記主表面の外側に延在する外周面とを具えるドーナツ形状とする工程、
    前記内周面に研磨処理を施して、面取部および側面部を形成する工程、および
    前記面取部および側面部にエッチング処理を施す工程
    を含むことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  5. 前記エッチング処理を、厚さ5〜50μmで行なうことを特徴とする、請求項4に記載のガラス基板の製造方法。
  6. 前記外周面に研磨処理を施して、面取部および側面部を形成する工程、および前記面取部および側面部にエッチング処理を施す工程を含むことを特徴とする、請求項4または5に記載のガラス基板の製造方法。
  7. 前記エッチング処理を、厚さ5〜50μmで行なうことを特徴とする、請求項6に記載のガラス基板の製造方法。
  8. 前記研磨処理が、砥石による処理およびサンドブラストによる処理のうちの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。
  9. 前記砥石による処理が、遊離砥粒と軟質ブラシとを用いて行なう処理であることを特徴とする、請求項8に記載のガラス基板の製造方法。
  10. 前記遊離砥粒が、酸化セリウムおよびコロイダルシリカのうちの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項9に記載のガラス基板の製造方法。
  11. 前記軟質ブラシがナイロン製であることを特徴とする、請求項9または10に記載のガラス基板の製造方法。
  12. 前記エッチング処理が、フッ酸、フッ化アンモニウム水溶液、および有機酸を含む混合溶液に、ガラス材料を浸漬する処理であることを特徴とする、請求項4〜11のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。
  13. 前記エッチング処理が、フッ酸と燐酸水素二アンモンとを含む混合溶液に、ガラス材料を浸漬する処理であることを特徴とする、請求項4〜11のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。
  14. 前記エッチング処理が、フッ化アンモニウムとアルコール類とを含む混合溶液に、ガラス材料を浸漬して行なうことを特徴とする、請求項4〜11のいずれかに記載のガラス基板の製造方法。
  15. 請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基板を用いた磁気ディスク。
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