JP2010238272A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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【課題】研削痕がなく強度が高く、平滑な表面が得られる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、板状ガラスをエッチングして板厚を調整するエッチング工程と、前記板状ガラスを円環状のガラス基板に形成するスクライブ工程と、前記スクライブ工程の後工程であって前記ガラス基板の研磨工程の前に前記ガラス表面の化学的表面処理を行う化学的表面処理工程と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードディスクドライブ装置(HDD装置)に搭載される磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
従来、フロート法などにより製造される板状ガラスを用いて磁気ディスク用ガラス基板が製造されている(例えば、特許文献1参照)。従来のガラス基板の製造工程は、まず、板状ガラスから円環状のガラス基板を切り出し(スクライブ工程)ガラス基板の端面を面取り(チャンファリング工程)する。次いで、ガラス基板を2段階に分けて研削(研削工程、固定砥粒による研削工程)してガラス基板の板厚を調整し、ガラス基板の端面を研磨する(端面研磨工程)。次に、ガラス表面を化学処理によって強化(化学強化工程)し、最後に2段階に分けて表面を研磨(1次研磨工程、2次研磨工程)して磁気ディスク用ガラス基板を製造する。
原料に用いる板状ガラスは、プレス法で製造したガラスと比較してガラス表面が平滑であり、鏡面状態になっている。研削工程では、♯400から♯1000程度の粒度の粗い砥石で物理的に研削するため、ガラス表面の鏡面状態が失われ粗面化される。この粗面化されたガラス表面を後の研磨工程で再び粗さを低減している。
一方、2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板は、ノートPC(パーソナルコンピュータ)やモバイル機器の記録媒体として用いられている。このような磁気ディスク用ガラス基板は、強度が高く、割れにくい性質が要求される。従来の磁気ディスク用ガラス基板の製造では、ガラス基板表面のイオン交換による化学強化により基板を強化していた。
特開2002−334423号公報
しかしながら、研削工程では粒度の粗い砥石を用いて物理的にガラス表面を削るため、砥石が表面をキズつけてしまい、研磨工程でも取りきれない深いキズ(以下、研削痕という)が不規則的に入ってしまう。この研削痕は、磁気ディスクのグライド検査時、サーティファイ検査時の歩留まり低下の原因となっていた。また、研削痕がつかない場合においても、研削によって粗面化した表面の研磨工程の研磨量が大きい問題があった。
また、従来の製造工程では、ガラス基板表面のイオン交換による化学強化により基板の強化を行っていたが、化学強化処理はコストが高いことに加え、化学強化後にガラス基板表面への異物の付着及び表面の欠陥が増加するなどの問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、研削痕がなく強度が高く、平滑な表面が得られる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、板状ガラスをエッチングして板厚を調整するエッチング工程と、前記板状ガラスを円環状のガラス基板に形成するスクライブ工程と、前記スクライブ工程の後工程であって前記ガラス基板の研磨工程の前に前記ガラス表面の化学的表面処理を行う化学的表面処理工程と、を具備することを特徴とする。
この方法によれば、ガラスの表面を研削せずに磁気ディスク用ガラス基板の板厚を調整できるので、研削痕のない平滑な表面の磁気ディスク用ガラス基板を得ることができる。また、スクライブ工程前にエッチング工程を行うことにより、ガラス基板の端面を荒らすことなく、ガラス基板の板厚を調整することができる。さらに、エッチングにより板厚を調整することにより、ガラス表面を粗面化することなく板厚を調整できるので、エッチング後のガラス基板の研磨処理の負荷を軽減でき、生産コストを低減することができる。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、前記スクライブ工程と前記化学的表面処理工程との間に面取り工程及び端面研磨工程を含むことが好ましい。この方法によれば、端面研磨工程後の端面に対して化学的表面処理を行うので、研磨端面の微小な凹凸を平滑化することができ、さらにガラス基板の坑折強度を高めることができる。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、前記エッチング工程及び前記化学的表面処理工程において、フッ化水素酸を主成分としたエッチング液を用いることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、前記エッチング工程における前記ガラス基板の表面の取り代は20μm〜50μmであることが好ましい。
本発明によれば、研削痕がなく強度が高く、平滑な表面が得られる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することができる。
(a),(b)は、磁気ディスク用ガラス基板の研削痕を示す模式図であり、(c)は、エッチング後のガラス基板表面を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の化学的表面処理による抗折強度の変化を示す図である。
本発明者は、このように、ガラス基板の表面の物理的な研削を行うと研削痕が生じること、ガラス基板のエッチングによってガラス基板を強化できること、に着目し、エッチングによってガラス基板の板厚を調整すると共にガラス基板を強化できることを見出し本発明をするに至った。
すなわち、本発明の骨子は、板状ガラスをエッチングして板厚を調整し、前記板状ガラスを円環状に形成し、前記スクライブ工程の後工程であって前記ガラス基板の研磨の前に前記ガラス表面の化学的表面処理を行うので、研削痕がなく強度が高く、平滑な表面が得られる磁気ディスク用ガラス基板を得ることである。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
磁気ディスク用ガラス基板の材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦性及び基板強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を提供することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好ましく用いることができる。
本実施の形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造工程は、素材加工工程;エッチング工程;スクライブ工程;チャンファリング工程(面取り面形成工程);端面研磨工程(外周端部及び内周端部);化学的表面処理工程;主表面研磨工程(第1及び第2研磨工程)などの工程を含む。
以下に、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程の各工程について説明する。
(1)素材加工工程
フロート法で製造した厚さ(例えば、0.90mm)のアルミノシリケートガラスからなる板状ガラスを所定の大きさ(例えば、70.5mm×70.5mm)の四角形に切断する。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO:58質量%〜75質量%、Al:5質量%〜23質量%、LiO:3質量%〜10質量%、NaO:4質量%〜13質量%を含有する化学強化用ガラスを使用できる。なお、板状ガラスであればフロート法に限定されない。
(2)エッチング工程
エッチング(ウェットエッチング)工程においては、フッ化水素酸を主成分としたエッチング液を用い、ガラス表面でエッチング反応を起こしてガラス表面を削ることにより、ガラスの板厚を調整する。図1は、ガラス基板の表面を示す模式図である。図1(a)に示すように、従来技術では、砥石を用いてガラス表面を物理的に削るため、ガラスの表面が粗面化すると共に、砥石がガラス表面を深く傷つけることにより研削痕が不規則に生じていた。図1(b)に示すように、この研削痕は、研磨工程によっても平滑化しきれず、グライド検査、サーティファイ検査の際にガラス基板の歩留まりが低下する原因となっていた。
一方、図1(c)に示すように、ウェットエッチングによってガラス表面をエッチングした場合、ガラスを物理的に接触することなく化学的に侵食してガラスの板厚を調整するので、ガラス表面に研削痕が生じない。また、ガラス表面を粗面化することなくガラス板厚を調整することができるので、ガラス表面の平滑さを維持したままガラス基板を任意の板厚に調整することができる。
エッチング液としては、ガラス溶解性があれば特に限定はされないが、フッ化水素酸、硅フッ素酸などが挙げられる。エッチング処理の方法は、板状ガラスを該当液体へ浸漬、もしくはシャワーリング法などが挙げられる。
なお、このエッチング工程では、エッチング液を循環し、エッチング液の温度制御を行うことにより、エッチング液の寿命を延長することができる。また、エッチング処理の方法は、板ガラスを該当液体へ浸漬、もしくはシャワーリング法などが挙げられる。
(3)スクライブ工程
四角形に切断した板状ガラスに対して、左右非対称のカッターホイールを用いて、磁気ディスク用ガラス基板となされる領域の外周側及び内周側の略周縁を描くそれぞれ円形の切り筋を、外周側及び内周側の何れも板厚方向に対して外側へ斜めに(傾斜角度10度程度)形成した。該切り筋を形成した板状ガラスの外径切り捨て部に300℃の熱を与え、切り筋を基板反対面まで浸透させ、さらに基板膨張により分離して切り出し、続いて内径についても同様の方法で切り出した。
(4)チャンファリング工程
チャンファリング工程においては、内周端面及び外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、端部(外周端部及び内周端部)に面取り面を形成する面取り加工を施す。
(5)端面研磨工程
端面研磨工程においては、ガラス基板の外周端面及び内周端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行う。このとき、研磨砥粒としては、例えば、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いることができる。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面での汚染・ダメージ・傷の除去を行うことで、ナトリウムやカリウムのようなコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止できる状態になる。
(6)化学的表面処理工程
本実施の形態においては、化学的表面処理を行うことにより、ガラス基板のイオン交換などによる化学強化処理を行うことなく、ガラス基板の強度を向上させることができる。化学的表面処理工程においては、ウェットエッチング工程と同様にフッ化水素酸を主成分としたエッチング液を用い、ガラス表面でエッチング反応を起こしてガラス表面を化学的処理することにより、ガラスの強度を向上させる。化学的表面処理前のガラスの端面は、端面研磨工程により研磨されているが、ガラスの端面に微小な荒れが存在している。ガラス主表面の荒れは、研磨工程によって鏡面化することができるが、ガラス端面の荒れについては、研磨工程で平滑化することは困難である。ガラス端面の荒れが製品まで残存した場合、このガラス端面の荒れを基にガラス基板が損傷し、ガラス基板の製品寿命が低下する。
このため、本実施の形態においては、端面研磨工程後に化学的強化処理工程を行うことにより、ガラス基板の端面の荒れをエッチングによって平滑化することができ、ガラス基板の強度を高めることができる。これにより、ガラス基板の製品寿命を増大させることができる。尚、本実施の形態においては、スクライブ工程後、研磨工程前に化学的表面処理工程を行う。
図2は、化学的表面処理(CT処理)による坑折強度の変化を示す図である。図中の化学強化処理(CS処理)無及びCS処理無CT5μmに示すように、CS処理を行わない場合においても、CT処理を行うことにより、ガラス基板の抗折強度を向上させることができる。また、CS処理無CT5μm及びCS処理無CT20μmに示すように、CT処理でエッチングするガラス基板の量を増やすことにより、ガラス基板の強度をさらに向上させることができる。特に、CS処理有及びCS処理無CT20μmに示すように、CS処理無CT20μmの条件では、CS処理を行った場合と同様以上にガラス基板の抗折強度を向上させることができる。このように、本実施の形態においては、化学的表面処理工程によるガラス基板の表面の取代の量を多くすることにより抗折強度を増加させることができる。
また、本実施の形態においては、ウェットエッチング工程において、ガラス基板の表面を少なくとも20μm以上エッチングするので、エッチング工程後のガラス基板は図2と同様の効果が得られている。さらに、本実施の形態においては、エッチング工程後の端面研磨工程により、ガラス基板の端面に研磨後の微細な傷が生じるが、この端面の微細な傷は、取代の少ない化学的表面処理により平滑化することができ、ガラス基板の坑折強度を向上させることができる。したがって、本実施の形態においては、エッチング工程でガラス基板の表面をエッチングすることにより、化学的表面処理工程におけるガラス基板の表面の取代は、例えば、5μm程度であっても充分な抗折強度が得られる。
このように、本実施の形態においては、エッチング工程でガラス基板の表面を平滑にした状態で板厚を調整すると共に端面研磨工程後の化学的表面処理工程によりガラス基板の坑折強度を向上させることができる。尚、本実施の形態においては、化学的処理工程におけるガラス基板の表面の取代を増大させてもよい。
特に、本実施の形態においては、エッチング工程でのガラス基板の表面の取代を増大することにより、化学的処理工程におけるガラス基板の表面の取代を削減することができるので、ガラス基板に対する過度のエッチングを避けることが容易となる。また、最終工程に近い状態での化学的表面処理を取代の少ないエッチング量で実施することができるので、製品の品位を安定させることができる。
(7)主表面研磨工程(第1研磨工程)
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施す。第1研磨工程は、キズや歪みの除去及び最終研磨工程における表面粗さ創生のための前段階の粗さ調整を主たる目的とする工程である。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行う。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いることができる。
(8)主表面研磨工程(最終研磨工程)
次に、最終研磨工程として、第2研磨工程を施す。第2研磨工程は、両主表面のうち記録面となる面のみを鏡面状に仕上げることを目的とする工程である。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行う。スラリーとしては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒やコロイダルシリカなどを用いることがきる。
なお、本実施の形態において、エッチング工程は素材加工工程後に実施しているが、エッチング工程は、素材加工工程後に限定されず、ガラス基板製造工程の任意のタイミングで行っても良い。例えば、スクライブ工程後にエッチングを行った場合、スクライブによって形成されたガラス基板の外径や内径も共にエッチングされる。このため、本実施の形態においては、スクライブ工程の前の工程でエッチング工程を導入することにより、ガラス基板の外径及び内径を変化することなくエッチングにより、ガラス基板の板厚を調整する。
また、本実施の形態において、エッチング工程でエッチングするエッチング面は、ガラス基板の一方の表面に対して行っても良く、両方の表面に対して行っても良い。特にガラス基板の一方の表面に対してのみ磁気記録層を形成する場合、ガラス基板の表面の平滑度に応じて磁気記録層を形成する側の表面又は反対面にのみエッチング処理することにより、磁気記録層の平滑度を調整することができる。
さらに、本実施の形態において、化学的表面処理工程は、端面研磨工程後に実施しているが、化学的表面処理工程は、端面研磨工程後に限定されず、ガラス基板の製造工程の任意のタイミングで行うことができる。また、化学的表面処理工程で処理する面は、必要に応じてガラス基板の一方の主表面のみあるいは、両主表面に対して行うことができる。特に、磁気記録層をガラス基板の一方の主表面に対して形成する場合など、ガラス基板の磁気記録層を形成しない側の主表面は、化学的表面処理をしなくてもガラス基板の強度を向上させることもできる。
このように、本発明によれば、ガラス基板の板厚の調整をエッチングによって行うことにより、研削痕のない平滑な主表面を有するガラス基板を得ることができるので、ガラス基板の品位を向上させることができると共にガラス基板の歩留まりを向上させることができる。また、ガラス基板の研削工程を削減することにより、ガラス基板を粗面化することなく板厚さを調整できるので、ガラス基板の平滑化のためのガラス基板の研磨量を削減することができ、ガラス基板の生産性を向上させることができると共に生産コストを削減することができる。さらに、ガラスの化学的表面処理を行うことにより、ガラスの坑折強度をガラス強化処理と同様に向上させることができるので、さらに生産コストをダウンさせることができる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
フロート法で製造した厚さ0.90mmのアルミノシリケートガラスからなる板状ガラスを所定の大きさ(70.5mm×70.5mm)の四角形に切断した。次いで、この板状ガラスに、フッ化水素酸を主成分としたエッチング液を用いてエッチングして、ガラス表面を削ることにより、ガラスの板厚を厚さ0.85mmに調整した。なお、このアルミノシリケートガラスとしては、SiO:58質量%〜75質量%、Al:5質量%〜23質量%、LiO:3質量%〜10質量%、NaO:4質量%〜13質量%を含有する化学強化用ガラスを使用した。
四角形に切断した板状ガラスに対して、左右非対称のカッターホイールを用いて、磁気ディスク用ガラス基板となされる領域の外周側及び内周側の略周縁を描くそれぞれ円形の切り筋を外周側及び内周側の何れも板厚方向に対して外側へ斜めに(傾斜角度10度程度)形成した。該切り筋を形成した板状ガラスの外径切り捨て部に300℃の熱を与え、切り筋を基板反対面まで浸透させ、さらに基板膨張により分離して切り出し、続いて内径についても同様の方法で切り出した。
次に、外周端面及び内周端面の研削をして外径を65mmφ、内径(中心部の円孔の直径)を20mmφとした後、外周端面及び内周端面に所定の面取り加工を施した。次いで、ガラス基板の端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。その後、ガラス基板に、フッ化水素酸を主成分としたエッチング液を用いて化学的表面処理を施した。このとき、ガラス基板の表面を5μm処理した。
次に、材料に残る傷を除去するための第1研磨工程を、両面研磨装置を用いて行った。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、第1研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径1.3μm)を研磨剤として分散したRO水とした。第1研磨工程を終えたガラスディスクを、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
次いで、上記の第1研磨工程で使用したものと同じ両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッドに替えて第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えば、ガラスディスク主表面の表面粗さをRmaxで8nm程度以下の平滑な鏡面に仕上げるための鏡面研磨加工である。なお、研磨条件は、研磨液としては、コロイダルシリカ(平均粒径0.8μm)を分散したRO水とし、研磨取代を0.5μm〜1μmとして研磨した。上記第2研磨工程を終えたガラスディスクを、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
上述した工程を経て得られたガラス基板上に、Cr合金で構成された付着層、CoTaZr基合金で構成された軟磁性層、Ruで構成された下地層、CoCrPt基合金で構成された垂直磁気記録層、水素化炭素で構成された保護層、パーフルオロポリエーテルで構成された潤滑層を順次成膜することにより、磁気ディスクを製造した。
このようにして得られた磁気ディスクについて、グライド試験(ディスク上でスライダの浮上を保証する高さ(グライドハイト)が定められた基準値以下であることを確認するテスト)、サーティファイ(Certify)試験(記録媒体の記録領域全面をヘッドにより記録再生を行い、媒体欠陥による記録不能を検出するテスト)を行った。このグライド試験及びサーティファイ試験の歩留まりは92.2%であった。
(比較例)
実施例と同様にして中心部に円孔を備えたガラスディスクを切り出した。次に、外周端面及び内周端面の研削をして外径を65mmφ、内径(中心部の円孔の直径)を20mmφとした後、外周端面及び内周端面に所定の面取り加工を施した。次いで、ガラス基板を遊離砥粒を用いて研削し、その後固定砥粒(ダイヤモンドシート)を用いて研削してガラスの板厚を厚さ0.845mmに調整した。次いで、ガラス基板の端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。
次に、ガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムを混合した化学強化液を用意し、この化学強化液を380℃に加熱し、上記洗浄・乾燥済みのガラスディスクを約4時間浸漬して化学強化処理を行った。化学強化を終えたガラス基板を硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
次に、材料に残る傷を除去するための第1研磨工程を、両面研磨装置を用いて行った。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、第1研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径1.3μm)を研磨剤として分散したRO水とした。第1研磨工程を終えたガラスディスクを、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
次いで、上記の第1研磨工程で使用したものと同じ両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッドに替えて第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えば、ガラスディスク主表面の表面粗さをRmaxで8nm程度以下の平滑な鏡面に仕上げるための鏡面研磨加工である。なお、研磨条件は、研磨液としては、コロイダルシリカ(平均粒径0.8μm)を分散したRO水とし、研磨取代を0.5μm〜1μmとして研磨した。上記第2研磨工程を終えたガラスディスクを、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
上述した工程を経て得られたガラス基板上に、Cr合金で構成された付着層、CoTaZr基合金で構成された軟磁性層、Ruで構成された下地層、CoCrPt基合金で構成された垂直磁気記録層、水素化炭素で構成された保護層、パーフルオロポリエーテルで構成された潤滑層を順次成膜することにより、磁気ディスクを製造した。
このようにして得られた磁気ディスクについて、グライド試験(ディスク上でスライダの浮上を保証する高さ(グライドハイト)が定められた基準値以下であることを確認するテスト)、サーティファイ(Certify)試験(記録媒体の記録領域全面をヘッドにより記録再生を行い、媒体欠陥による記録不能を検出するテスト)を行った。このグライド試験及びサーティファイ試験の歩留まりは91.7%であった。この歩留まりの低下は、研削工程で生じた研削痕が原因であると考えられる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、適宜変更して実施することができる。上記実施の形態における数値、材質、サイズ、処理手順などは一例であり、本発明の効果を発揮する範囲内において種々変更して実施することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明は、パーソナルコンピュータなど、各種HDD装置の搭載機器に適用可能である。

Claims (4)

  1. 板状ガラスをエッチングして板厚を調整するエッチング工程と、前記板状ガラスを円環状のガラス基板に形成するスクライブ工程と、前記スクライブ工程の後工程であって前記ガラス基板の研磨工程の前に前記ガラス表面の化学的表面処理を行う化学的表面処理工程と、を具備することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記スクライブ工程と前記化学的表面処理工程との間に面取り工程及び端面研磨工程を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記エッチング工程及び前記化学的表面処理工程において、フッ化水素酸を主成分としたエッチング液を用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記エッチング工程における前記ガラス基板の表面の取り代は20μm〜50μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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