JP4993046B2 - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法に関する。
ハードディスクは大容量化、低コスト化が求められており、その中でガラス基板としては高い平滑性、高い清潔度を有し、且つ生産性の向上も求められている。高い平滑性を達成する方法としてコロイダルシリカを研磨材にした最終研磨に使用する方法が知られているが、同時に生産性を向上させる手段として、例えば特許文献1に、コロイダルシリカを含む研磨液を循環させて使う研磨装置が開示されている。
特開2008−246645号公報
本発明の目的は、酸化セリウムを組成に含むガラス素板を精密研磨加工する際に、シリカ系砥粒を研磨材として循環使用するに当たり、循環使用できる回数が制限されることを防ぐことができ、平坦度の良好な情報記録媒体用ガラス基板を得ることができる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することである。
すなわち、本発明は、酸化セリウムを0.01質量%〜2質量%含有する円板状のガラス素板の表面に、化学強化処理液を用いて形成した化学強化層を有する情報記録媒体用ガラス基板であって粗研磨工程及び精密研磨工程によって前記表面を研磨することにより、前記ガラス素板の外周の半径をr1としたとき、ガラス素板の中心から0.75×r1の位置における周方向1周分のTIRが0.7μm以下の情報記録媒体用ガラス基板を製造する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、前記粗研磨工程で、酸化セリウムを主成分とした研磨材を用いて前記ガラス素板を粗研磨し、前記精密研磨工程で、シリカ系砥粒を含む研磨材を用いて粗研磨後の前記ガラス素板を精密研磨し、前記精密研磨工程を行う前に、前記ガラス素板表面の酸化セリウム量が0.125ng/cm以下となるように粗研磨工程後の前記ガラス素板を洗浄することを特徴とする。
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
本発明の製造方法における粗研磨工程及び精密研磨工程で用いる研磨装置の一実施形態の説明図である。 実施例で用いたガラス素板A〜D夫々の組成を示す図表である。 実施例1〜11及び比較例1夫々の粗研磨後のCe付着量、精密研磨後の表面粗さに基づく評価、外周TIR、内周TIR等の測定値を表した図表である。 内周TIR及び外周TIRを説明する際の説明図である。
本発明者の検討によれば、コロイダルシリカを研磨材として含む研磨液を使用して循環させた場合、時間経過を経るごとにコロイダルシリカが凝集してしまうため、研磨材として使用し難くなるという問題がある。この場合に、フィルタにて凝集したコロイダルシリカを取り除くことにより、循環使用期間を長くする技術が存在する。しかしながら、この技術では、凝集したコロイダルシリカがフィルタよりも小さい場合、フィルタを通過してしまうため、その効果は反映されにくい。特に、最近のコロイダルシリカは20nm程度の大きさのものを使用しているため、凝集したコロイダルシリカを取り除きにくい。
また、酸化セリウムについても研磨メカニズミを有しており、研磨材として使用される。この研磨メカニズムにおいては、圧力を受けた際にガラス素板の表面で主な組成であるSi−Oの結合に酸化セリウムが置き換わり、Ce−Oという結合が起こる。このCe−O結合はすぐに切り離されるが、切れたCeは再度結合することはない。これらの置換、結合を繰り返すことにより研磨が行われる。
また、本発明者の検討によれば、酸化セリウムがシリカ系砥粒で行う研磨の際に存在した場合、セリウムはシリカ系砥粒の水酸基と結合し、シリカ系砥粒の分散性が低下する。これは酸化セリウムの上記研磨メカニズムがシリカ系砥粒(およびスラッジ)でも同様に起こるためであると考えられる。それにより、研磨液(スラリー液)を循環使用していくとシリカ系砥粒の凝集が大きくなり、ガラス基板の平滑性に悪影響を及ぼす。また、研磨機に酸化セリウムがたまっていくため、平滑性の悪影響はさらに大きくなる。しかも、酸化セリウムは、最終工程に至るまで残存することで深くガラス素板に浸透し、最終のガラス基板の清潔性に悪影響を及ぼす。
また、環境対策のためにガラス組成に酸化セリウムを含むガラス素板において、研磨時にガラス素板から溶出する酸化セリウムは、粗研磨で研磨材として使用される酸化セリウムと同様に問題となる。これらガラス組成として含まれて研磨時に溶出する酸化セリウムは様々な大きさ、電子状態のものがあり、コロイダルシリカが、より凝集し易い状況になってしまうと推測される。よって、酸化セリウムが含まれるガラス素板の研磨においてはコロイダルシリカの凝集がより顕著に表れるため、循環使用する回数がより制限されてしまう。また、コロイダルシリカの凝集があるとTIRも悪化することも知られている。TIR(Total Indicated Runout)とは、ガラス基板(ガラス素板)の平坦度を示す指標であり、特に周方向のTIRを小さくすることが重要である。
精密研磨工程の前に、化学強化処理液を用いて化学強化層を形成する場合、化学強化処理の際のイオン交換の均一性が十分でないと、表面に働く圧縮応力のバランスが崩れて平坦度が悪化し、周方向のTIRを十分に小さくすることが困難であるという問題もある。
このため、TIRを低く抑え得る組成を有し、コロイダルシリカのゲル化または凝集を抑えることによってTIRが大きく改善され、製造した情報記録媒体用ガラス基板をディスク装置に装着した場合に、ディスク装置に設けられた磁気ヘッドの浮上量の低減に寄与することができ、情報記録媒体用ガラス基板の大容量化を実現できるようになる。
本発明は、このような検討の結果に基づいてなされたものである。
以下に、本発明の好ましい実施の形態並びに実施例について説明する。しかしながら、本発明は、以下に説明する実施形態や実施例の製造方法に限られているわけではない。
この実施形態の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、円盤加工工程と、ラッピング工程と、粗研磨工程(1次研磨工程)と、洗浄工程と、化学強化工程と、精密研磨工程(2次研磨工程)と、最終洗浄工程とを含み、これらの工程を経て製造される。
使用するガラス素板は、この実施形態では、酸化物基準で、SiO:55〜75質量%、Al:5〜18質量%、LiO:1〜10質量%、NaO:3〜15質量%、KO:0.1〜5質量%、但し、LiO+NaO+KOの総量:10〜25質量%、MgO:0.1〜5質量%、CaO:0.1〜5質量%、CeO:0.01〜2質量%、ZrO:0〜8質量%であり、(LiO+NaO+KO)に対する(MgO+CaO)の質量比が、0.10≦(MgO+CaO)/(LiO+NaO+KO)≦0.80の範囲にあるガラス組成のガラス素材が用いられる。
円盤加工工程は、上記ガラス素材から板状に形成したガラス素板10を、貫通孔10aを有する(図4に図示)円盤形状のガラス素板に加工する工程である。この円盤加工工程で、例えば、外径が2.5インチ、1.8インチ、1インチ、0.8インチ等で、厚みが2mm、1mm、0.63mm等の円盤状のガラス素板に形成されるが、円盤加工工程で形成されるガラス素板の大きさや厚さは特に限定されない。
ラッピング工程は、上記ガラス素板を所定の板厚に加工する工程である。この実施形態では、第1ラッピング工程と、第2ラッピング工程との2つの工程から構成されている。
第1ラッピング工程は、ガラス素板の裏表の両面を研削(ラッピング)加工し、ガラス素板の全体形状、すなわちガラス素板の平行度、平坦度および厚みを予備調整する。
第2ラッピング工程は、更に、ガラス素板の両表面を再び研削加工して、ガラス素板の平行度、平坦度および厚みを微調整する。
粗研磨工程は、ラッピング工程を終えたガラス素板の表面に粗研磨を施す。この粗研磨工程は、上述したラッピング工程で残留した傷や歪みの除去を目的とするもので、研磨装置を用いて実施する。
研磨装置1は、この実施形態では、例えば図1に示すような両面同時研削可能な装置を使用する。この研削装置1は、装置本体部1aと、装置本体部1aに研磨液を供給する研磨液供給部1bとを備えている。
装置本体部1aは、互いに平行になるように上下に間隔を隔てて配置された円盤状の上定盤2と下定盤3とを備えており、互いに逆方向に回転する。
この上下の定盤2、3の対向するそれぞれの面にガラス素板10の表裏の両面を研磨するための研磨パッドが貼り付けられている。この粗研磨工程で使用する研磨パッドは、例えばポリウレタン製の硬質研磨パッドが用いられる。また、上下の定盤2、3の間には、回転可能な複数のキャリア5が設けられている。
このキャリア5には、複数の素板保持用孔51が設けられており、この素板保持用孔51にガラス素板10をはめ込んで配置する。この実施形態では、キャリア5は、100枚のガラス素板10をはめ込んで配置できるように構成されており、一回の処理(1バッチ)で100枚のガラス素板10を処理できるようになっている。また、上下の定盤2、3は別駆動で動作することができる。
研磨パッドを介して定盤2、3に挟まれているキャリア5は、複数のガラス素板10を保持した状態で、自転しながら定盤2,3の回転中心に対して下定盤3と同じ方向に公転する。このように動作している研削装置1において、研磨液7(スラリー液)を上定盤2とガラス素板10との間、及び下定盤3とガラス素板10との間、夫々に供給することでガラス素板10の粗研磨を行うことができる。
研磨液供給部1bは、液貯留部11と液回収部12とを備えている。液貯留部11は、液貯留部本体11aと、液貯留部本体11aから装置本体部1aに延ばされた吐出口11eを有する液供給管11bとを備えている。
液回収部12は、液回収部本体12aと、液回収部本体12aから装置本体部1aに延ばされた液回収管12bと、液回収部本体12aから研磨液供給部1bに延ばされた液戻し管12cとを備えている。
そして、液貯留部本体11aに入れられた研磨液7は、液供給管11bの吐出口11eから装置本体部1aに供給され、装置本体部1aから液回収管12bを介して液回収部本体12aに回収される。
また、回収された研磨液7は、液戻し管12cを介して液貯留部11に戻され、再度、装置本体部1aに供給可能とされている。
研磨液7は、粗研磨工程では、フッ素含有量が5質量%以下である希土類酸化物、すなわち酸化セリウムを主成分とする研磨材を含むものが用いられる。また、粗研磨工程で使用する研磨材の平均粒径は1μmが好ましい。
セリウム研磨材による粗研磨後のガラス素板は、洗浄工程によって洗浄される。例えばまず、pH13以上のアルカリ洗剤で洗浄を行い、ガラス素板にリンスを行う。続いてpH1以下の酸系洗剤でガラス素板を洗浄、リンスし、最後にフッ化水素酸(HF)溶液による洗浄を行う。酸化セリウムに関しては、アルカリ洗浄、酸洗浄、HFの順で洗浄を行うことが最も効率的である。これはまずアルカリ洗剤で研磨材を分散除去し、続いて酸洗剤で研磨材を溶解除去、最後にHFによってガラス素板をエッチングし、ガラス素板に深く刺さっている研磨材を除去するのである。
このとき、これらを単一の槽で用いて洗浄した場合には、効率的な洗浄ができない。特に、酸洗剤とHFを同一槽に入れた場合、HFのエッチング速度は、研磨材の多い場所で低下するため、基板内を均一にエッチングできなくなるからである。また、各洗浄の後にリンス槽を用いることが好ましい。これらの洗剤には、場合によって界面活性剤、分散材、キレート剤、還元材などを添加しても良い。また、各洗浄槽には、超音波を印加し、それぞれの洗剤には脱気水を使用することが好ましい。上記に加え、ラッピング工程(内径加工、外径加工)中に酸化セリウムを使用している場合は、それら各工程後にHF洗浄を行うことが好ましい。
また、この粗研磨後のガラス素板の洗浄は、ガラス素板表面の酸化セリウム量が0.125ng/cm以下となるように行なわれる。ガラス素板表面の酸化セリウム量が0.125ng/cmを超えると後の精密研磨工程による精密研磨後のガラス素板の平坦度を良好にできないからである。より詳しくは、上記0.125ng/cmを超えると、精密研磨後のガラス素板における周方向の平坦度である外周TIRが0.7μm以下で、内周TIRが0.5μm以下にすることができなくなるからである。
最終的に得られた情報記録媒体用基板の外周TIRが0.7μm以下で、内周TIRが0.5μm以下であれば、その情報記録媒体用基板をディスク装置に装着した場合に、例えばディスク装置に設けられた磁気ヘッドと情報記録媒体用基板とのクラッシュ(接触)の危険性を少なくできる。
そこで、本実施形態では、粗研磨後のガラス素板の洗浄を、ガラス素板表面の酸化セリウム量が0.125ng/cm以下となるように設定している。
化学強化工程は、化学強化液にガラス素板を浸漬してガラス素板に化学強化層を形成する。化学強化層を形成することで耐衝撃性、耐振動性及び耐熱性等を向上させることができる。
この化学強化工程は、加熱された化学強化処理液にガラス素板を浸漬することによってガラス素板に含まれるリチウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンをそれよりイオン半径の大きなカリウムイオン等のアルカリ金属イオンによって置換するイオン交換法によって行われる。イオン半径の違いによって生じる歪みにより、イオン交換された領域に圧縮応力が発生し、ガラス素板の表面が強化される。
この実施形態では、(MgO+CaO)/(LiO+NaO+KO)が、0.1≦(MgO+CaO)/(LiO+NaO+KO)≦0.80の範囲のガラス素板ものを用いて行なうため、ガラス素板が適度な耐熱性を持ち、化学強化工程中における熱変形を抑えることができる。しかも、化学強化工程中におけるイオン交換が均一に行なわれ、ガラス素板表面に均等な圧縮応力を働かせることが出来、ガラス素板の平坦度を抑えることができる。
従って、この実施形態のように、化学強化工程の後に精密研磨を行なっても、ガラス素板を全体に渡って略均一な取り代で行なうことができ、精密研磨後の平坦性を良好にできる。
次に、精密研磨工程について説明する。精密研磨工程は、上述した粗研磨工程で得られた平坦平滑な主表面を維持しつつ、例えば主表面の表面粗さの最大高さ(Rmax)が6nm程度以下である平滑な鏡面に仕上げる鏡面研磨処理である。この精密研磨工程は、例えば上記粗研磨工程で使用したものと同様の研磨装置を用い、研磨パッドを硬質研磨パッドから軟質研磨パッドに取り替えて行なわれる。
また、精密研磨工程で用いる研磨材は、粗研磨工程のセリウム系研磨材より粒子径が低い、平均粒子径が20nmの、シリカ系の砥粒(コロイダルシリカ)を含む研磨材を用いる。この実施形態では、コロイダルシリカを含む研磨材が用いられる。
そして、上記研磨材を含む研磨液(スラリー液)をガラス素板に供給し、研磨パッドとガラス素板とを相対的に摺動させて、ガラス素板の表面を鏡面研磨する。このとき精密研磨で研磨される量(取り代)は0.2μm〜2μm、好ましくは0.3μm〜1.5μmである。研磨される量は、少なすぎると平坦平滑性が確保できず、多すぎるとセリウム量が多くなってしまう。0.3μmから1.5μmで研磨を行うと平坦平滑性と持続性(循環使用)が確保できるのである。
スラリー液は、例えば、上記研削装置1の研磨液供給部1bによって循環使用される。スラリー液を循環利用する際には、スラリー液の容量を(a)リットル、研磨されるガラス素板の枚数を(b)枚、ガラス素板の酸化セリウム含有量を(X)質量%、取り代を(Y)μmとし、
Z=Y×基板面積(cm)×基板密度(g/cm) ・・・(1)
とすると、
(X×Z)×b÷a<3(μg/リットル) ・・・(2)
になるように各諸元が管理される。ある態様では、スラリー液の容量(a)が30リットルのとき、ガラス素板の枚数(b)は、100枚位となる。
精密研磨工程を終えたガラス素板の洗浄処理を、例えば下記の通りに行う。まず、精密研磨工程を終えたガラス素板を乾燥(自然乾燥を含む)させることなく、水中で保管し、湿潤状態のまま次の洗浄工程へ搬送する。研磨残渣が残った状態のままガラス素板を乾燥させてしまうと、洗浄処理により研磨材(コロイダルシリカ)を除去することが困難になる場合があるからである。鏡面仕上げされたガラス素板の表面をあらすことなく、研磨材を除去する必要がある。
例えば、洗浄液がガラス素板に対してエッチング作用やリーチング作用を有している場合には、敢えて鏡面仕上げを施したガラス表面が荒らされてしまい、梨子地状の仕上げ表面となってしまう。梨子地状の仕上げ表面では、磁気ヘッドの浮上量を十分に低減させることができない。
したがって、この洗浄液はガラスに対して、エッチング作用やリーチング作用を有せず、シリカ系の研磨材に対して選択的溶解性能を備える洗浄液として組成されることが好ましい。すなわち、ガラスをエッチングする要因であるフッ化水素酸(HF)やケイフッ酸(HSiF)等を含まない組成を洗浄液として選定することが好ましい。この最終洗浄工程を経て、情報記録媒体用ガラス基板が製造される。
好適な例としては、pH13のアルカリ洗剤で洗浄し、リンスを行うことである。続いて、pH0の酸系洗剤(硝酸)で洗浄、リンスし最後にHF(0.1%液)による洗浄を行う。
酸化セリウムに関してはアルカリ洗浄、酸洗浄、HFの順で洗浄を行うことが最も効率的である。これはまずアルカリ洗剤で研磨材を分散除去し、続いて酸洗剤で研磨材を溶解除去、最後にHFによってガラスをエッチングし深く刺さっている研磨材を除去できるからである。また各洗剤は、脱気されたものを使用し、超音波を印加しながら洗浄を行う。脱気を行うことにより強力に付着している酸化セリウムを除去できるようになる。
また、超音波を使用することによりキャビテーションの効果が増し、アルカリ洗剤による分散効果が増す。印加条件としては、アルカリ洗剤では40kHz、酸洗剤では80kHz、HF洗剤では170kHzである。特に、酸洗剤で80kHzの超音波を印加することにより、小さい付着に対する溶解性が向上する。最後にHFでは、170kHzの超音波を印可することが好ましい。その場合には、さらに細かい酸化セリウムが除去できる。
なお、上記実施形態では、化学強化工程を、粗研磨工程よりも後であって精密研磨工程よりも前に行なっているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば化学強化工程を、粗研磨工程よりも先に行ない、あるいは、精密研磨工程よりも後に行なってよい。
ただし、化学強化工程を、粗研磨工程よりも先に行うと、化学強化工程で形成した化学強化層が薄くまたは無くなるおそれが生じる。一方、化学強化工程を、精密研磨工程よりも後に行なうと、化学強化工程での熱変形によって平坦度が低下するおそれが生じる。従って、上記実施形態のように、化学強化工程を、粗研磨工程よりも後であって精密研磨工程よりも前に行なうことが好ましい。
以下に、具体的に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。図2に示す組成を有する4種類のガラス素板A〜Dを用意した。
(実施例1)
ガラス素板Aを用いて、公知の方法により、円盤加工工程、端面鏡面研磨工程、ラッピング工程を施した。その後、ラッピング工程を終えたガラス素板(以下、ラッピング工程を終えたガラス素板をガラス基板前駆体という)に、図1に示した研磨装置1にポリウレタン製の硬質研磨パッドを装着したものを用いて粗研磨工程を実施した。粗研磨工程は、フッ素含有量が5質量%以下である酸化セリウムを主成分とし、平均粒径が1μmの研磨材をガラス基板前駆体に供給し、硬質研磨パッドとガラス素板とを相対的に移動させて、当該ガラス基板前駆体の主表面を粗研磨した。
次に、洗浄工程を実施した。この洗浄工程では、pH13のアルカリ洗剤で洗浄し、リンスを行った。続いて、pH0の酸系洗剤(硝酸)で洗浄して、リンスし、最後にHF(0.1%液)による洗浄を行った。印加条件は、アルカリ洗剤では40kHz、酸洗剤では80kHz、HF洗剤では170kHzである。
洗浄後、ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。尚、この測定は、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)で計測し、10枚分の平均値を、図3に表記した。
洗浄工程の後、加熱された化学強化処理液にガラス素板を浸漬することによって化学強化工程を実施した。
また、その化学強化工程の後、精密研磨工程を実施した。この精密研磨工程では、粗研磨工程のセリウム系研磨材より粒子径が低い、平均粒子径が20nmのコロイダルシリカを含むスラリー液30リットルを循環使用した。このスラリー液を洗浄工程終了後のガラス基板前駆体に供給し、研磨パッドとガラス基板前駆体とを相対的に摺動させて、ガラス基板前駆体の表面を鏡面研磨した。このとき精密研磨で研磨される取り代(Y)は0.8μmとした。また、上記(2)式の左辺(X×Z)×b÷aを(c)とした場合、ガラス基板前駆体やスラリー液の組成の比率と取り代(Y)とのバランスを考慮し、上記条件で(c)が2.9となるように循環使用の諸元を設定した。
精密研磨工程でのスラリー液の循環使用を20回(1回で研磨処理するガラス基板前駆体は100枚)実行し、5回目、7回目、20回目のときの良否を◎、○、△、×の四段階で評価した。評価は、各循環回数(5回目、7回目、20回目)での表面粗さRaで行う。
表面粗さRaは、最終の洗浄処理を終えたガラス基板の主表面の縦5μm、横5μmの正方形領域の表面粗さであり、原子間力顕微鏡(AFM)で10枚のガラス基板を観察し、平均のRaが0.3Å以上1.0Å未満のとき◎、1Å以上1.5Å未満のとき○、1.5Å以上2.0Å未満のとき△、2.0Å以上のとき×とした。
また、最終の洗浄処理を終えたガラス基板の主表面の外周TIR及び内周TIRを測定した。また、この測定は、上記5回目と7回目と20回目との夫々の内の1枚の外周TIR及び内周TIRを測定してその平均値を図3に表記した。ここで、外周TIRとは、図4に示すように、情報記録媒体用ガラス基板100(ガラス素板10)の半径をr1としたときに、0.75×r1を満たす位置で周方向のTIRをトラック1周分測定したものである。
内周TIRとは、図4に示すように情報記録媒体用ガラス基板100(ガラス素板10)の半径をr1、情報記録媒体用ガラス基板100(ガラス素板10)の貫通穴10aの半径をr2としたときに、(2×r2+r1)/3を満たす位置で周方向のTIRをトラック1周分測定したものである。
(実施例2)
ガラス素板Bを用いて、公知の方法により、円盤加工工程、端面鏡面研磨工程、ラッピング工程を施して、ガラス基板前駆体を得た。このガラス基板前駆体に対し、実施例1の粗研磨工程、洗浄工程を施し、上記実施例1と同様に、洗浄後、ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。
その後、化学強化工程を施し、さらに実施例1の取り代(Y)を1.9に変更して精密研磨工程を実施した。また、洗浄工程では、上記条件で(c)が1.7となるように循環使用の諸元を設定した。そして、上記実施例1と同様に、各循環回数(5回目、7回目、20回目)での表面粗さRaを測定して評価するとともに、ガラス基板の主表面の外周TIR及び内周TIRを測定した。
(実施例3)
ガラス素板Cを用いて、公知の方法により、円盤加工工程、端面鏡面研磨工程、ラッピング工程を施して、ガラス基板前駆体を得た。このガラス基板前駆体に対し、実施例1の粗研磨工程、洗浄工程を施し、上記実施例1と同様に、洗浄後、ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。
その後、化学強化工程を施し、さらに実施例1の取り代(Y)を1.0に変更して精密研磨工程を実施した。また、洗浄工程では、上記条件で(c)が1.8となるように循環使用の諸元を設定した。そして、上記実施例1と同様に、各循環回数(5回目、7回目、20回目)での表面粗さRaを測定して評価するとともに、ガラス基板の主表面の外周TIR及び内周TIRを測定した。
(実施例4)
ガラス素板Dを用いて、公知の方法により、円盤加工工程、端面鏡面研磨工程、ラッピング工程を施して、ガラス基板前駆体を得た。このガラス基板前駆体に対し、実施例1の粗研磨工程、洗浄工程を施し、上記実施例1と同様に、洗浄後、ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。
その後、化学強化工程を施し、さらに実施例1の取り代(Y)を0.7に変更して精密研磨工程を実施した。また、洗浄工程では、上記条件で(c)が2.5となるように循環使用の諸元を設定した。そして、上記実施例1と同様に、各循環回数(5回目、7回目、20回目)での表面粗さRaを測定して評価するとともに、ガラス基板の主表面の外周TIR及び内周TIRを測定した。
(実施例5)
ガラス素板Dを用いて、公知の方法により、円盤加工工程、端面鏡面研磨工程、ラッピング工程を施して、ガラス基板前駆体を得た。このガラス基板前駆体に対し、実施例1と同じ条件で粗研磨工程、洗浄工程を施し、ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。また、その後、上記実施例1と同じ条件で、化学強化工程、精密研磨工程を実施し、実施例1と同様に、各循環回数(5回目、7回目、20回目)での表面粗さRaを測定して評価するとともに、ガラス基板の主表面の外周TIR及び内周TIRを測定した。
(実施例6)
ガラス素板Dを用いて、公知の方法により、円盤加工工程、端面鏡面研磨工程、ラッピング工程を施して、ガラス基板前駆体を得た。このガラス基板前駆体に対し、実施例1と同じ条件で粗研磨工程を実施した。次いで、以下の条件で洗浄工程を実施した。
粗研磨工程後のガラス基板前駆体をアルカリ洗剤、硝酸、アルカリ洗剤、HFの順で洗浄した。各洗浄時において印可した超音波は、それぞれアルカリ洗剤(US40kHz)、硝酸(US80kHz)、アルカリ洗剤(950kHz)、HF(170kHz)とした。各槽、特に、アルカリ洗剤(950kHz)の超音波槽は、脱気を行い、洗浄した。
洗浄後、ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。その後、実施例1と同様に化学強化工程、精密研磨工程を実施し、実施例1と同様に、各循環回数(5回目、7回目、20回目)での表面粗さRaを測定して評価するとともに、ガラス基板の主表面の外周TIR及び内周TIRを測定した。
(実施例7〜11)
ガラス素板Cを用いて、公知の方法により、円盤加工工程、端面鏡面研磨工程、ラッピング工程を施して、ガラス基板前駆体を得た。このガラス基板前駆体に対し、実施例1の粗研磨工程、洗浄工程を施し、ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。また、その後、上記実施例1と同じ条件で、化学強化工程を施した。
また、(2)式の効果を確認するため、(c)の値を上記条件で2.7μm(実施例7)、2.1μm(実施例8)、1.4μm(実施例9)、0.9(実施例10)、0.4(実施例11)となるように、取り代(Y)をそれぞれ1.5μm(実施例7)、1.2μm(実施例8)、0.8μm(実施例9)、0.5μm(実施例10)、0.2μm(実施例11)に変更して精密研磨工程を実施し、実施例1と同様に、夫々の各循環回数(5回目、7回目、20回目)での表面粗さRaを測定して評価するとともに、ガラス基板の主表面の外周TIR及び内周TIRを測定した。
(比較例1)
ガラス素板Dを用いて、公知の方法により、円盤加工工程、端面鏡面研磨工程、ラッピング工程を施して、ガラス基板前駆体を得た。このガラス基板前駆体に対し、実施例1と同じ条件で粗研磨工程、洗浄工程ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。
次いで、実施例1の洗浄工程に代えて、クエン酸、スルファミン酸、HFを混合した洗浄液を使用し、120kHzの超音波を印可して洗浄し、比較例とした。また、洗浄工程では、上記条件で(c)が2.9となるように循環使用の諸元を設定した。そして、ガラス基板前駆体の表面に付着している酸化セリウム付着量を測定した。
その後、上記実施例1と同じ条件で、精密研磨工程を実施し、実施例1と同様に、夫々の各循環回数(5回目、7回目、20回目)での表面粗さRaを測定して評価するとともに、ガラス基板の主表面の外周TIR及び内周TIRを測定した。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係る情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、酸化セリウムを0.01質量%〜2質量%含有する円板状のガラス素板の表面に、化学強化処理液を用いて形成した化学強化層を有する情報記録媒体用ガラス基板であって粗研磨工程及び精密研磨工程によって前記表面を研磨することにより、前記ガラス素板の外周の半径をr1としたとき、ガラス素板の中心から0.75×r1の位置における周方向1周分のTIRが0.7μm以下の情報記録媒体用ガラス基板を製造する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、前記粗研磨工程で、酸化セリウムを主成分とした研磨材を用いて前記ガラス素板を粗研磨し、前記精密研磨工程で、シリカ系砥粒を含む研磨材を用いて粗研磨後の前記ガラス素板を精密研磨し、前記精密研磨工程を行う前に、前記ガラス素板表面の酸化セリウム量が0.125ng/cm以下となるように粗研磨工程後の前記ガラス素板を洗浄することを特徴とする。
ここに、TIRとは、ガラス素板(情報記録媒体用ガラス基板)の平坦度(うねり量)を表す指標をいい、評価面(基板表面)の最小二乗平面からの最高点と最低点との距離の合計のことをいう。
この構成によれば、精密研磨工程を行う前に、ガラス素板に付着しているセリウムが0.125ng/cm以下となるように粗研磨後のガラス素板を洗浄しているので、研磨材の循環使用回数を増加し、生産性を向上することが可能となる。また、最終品であるガラス基板の平滑性、平坦度が向上する。さらに、酸化セリウムを0.01質量%から2質量%含有するガラス素板を用いても、精密研磨工程での研磨材の凝集を抑制することができる。従って、環境に配慮した素材を用いても、生産性の向上を高めることが可能になる。加えて、最終のガラス基板の清潔性を確保することができ、強い酸を使用しても、ガラス基板の平滑性に悪影響を及ぼすこともない。従って、本発明によれば、高い平滑性、高い清潔性、並びに高い環境保全性を確保することができ、しかも、酸化セリウムを組成に含むガラス素板を精密研磨加工する際に、シリカ系砥粒を循環使用できる回数を増加し、もって生産性を格段に高めることができるという顕著な効果を奏する。
他の一態様では、上述の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記シリカ系砥粒として、コロイダルシリカを用い、前記精密研磨工程での取り代を、0.2μm〜2μmとし、かつ前記精密研磨工程に使用される研磨材を含むスラリー液の容量を(a)リットル、研磨される前記ガラス素板の枚数を(b)枚、前記ガラス素板の酸化セリウム含有量を(X)質量%、前記取り代を(Y)μmとし、Z=Y×基板面積(cm)×基板密度(g/cm)とすると、前記精密研磨工程で、(X×Z)×b÷a<3(μg/リットル)になるように研磨することを特徴とする。
この態様では、精密研磨工程で研磨材を含むスラリー液の循環使用回数を管理するに当たり、研磨されるガラス素板の酸化セリウムにも配慮して、好適な最大の循環使用回数を求めることが可能になる。
他の一態様では、上述の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記ガラス素板は、その中心部に貫通孔を有し、前記貫通孔の半径をr2としたとき、前記ガラス素板の中心から(2×r2+r1)/3の位置における周方向1周分のTIRが、0.5μm以下になるように、前記ガラス素板を精密研磨することを特徴とする。
この構成によれば、情報記録媒体用ガラス基板をディスク装置に装着した場合において、ディスク装置の磁気ヘッドの低浮上化、高速回転への対応が容易になり、安定して記録及び再生を行なうことができ、磁気ヘッドと情報記録媒体用ガラス基板との接触による記録及び再生のエラーの危険性の少ないものにできる。
他の一態様では、上述の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記ガラス素板として、SiO:55〜75質量%、Al:5〜18質量%、LiO:1〜10質量%、NaO:3〜15質量%、KO:0.1〜5質量%、但し、LiO+NaO+KOの総量:10〜25質量%、MgO:0.1〜5質量%、CaO:0.1〜5質量%、CeO:0.01〜2質量%、ZrO:0〜8質量%(0を含む)であり、(LiO+NaO+KO)に対する(MgO+CaO)の質量比が、0.10≦(MgO+CaO)/(LiO+NaO+KO)≦0.80の範囲にあるガラス組成のものを用い、前記化学強化層を、前記組成のガラス素板の表面に形成することを特徴とする。
この構成によれば、ガラス素板が適度な耐熱性を持ち、化学強化工程中における熱変形を抑えることができる。しかも、化学強化工程中におけるイオン交換が均一に行なわれ、ガラス素板表面に均等な圧縮応力を働かせることが出来、ガラス素板の平坦度の低下を抑えることができる。従って、例えばこの化学強化工程後に研磨加工する場合に、研磨加工により化学強化層(圧縮応力層)の平衡がくずれて平坦度が低下するのを抑えることができる。
この出願は、2010年6月29日に出願された日本国特許出願特願2010−147404を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、酸化セリウムを組成に含むガラス素板を精密研磨加工する際に、シリカ系砥粒を研磨材として循環使用するに当たり、循環使用できる回数が制限されることを防ぎ、しかも、平坦度の良好な情報記録媒体用ガラス基板を得ることができる。

Claims (4)

  1. 酸化セリウムを0.01質量%〜2質量%含有する円板状のガラス素板の表面に、化学強化処理液を用いて形成した化学強化層を有する情報記録媒体用ガラス基板であって粗研磨工程及び精密研磨工程によって前記表面を研磨することにより、前記ガラス素板の外周の半径をr1としたとき、ガラス素板の中心から0.75×r1の位置における周方向1周分のTIRが0.7μm以下の情報記録媒体用ガラス基板を製造する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
    前記粗研磨工程で、酸化セリウムを主成分とした研磨材を用いて前記ガラス素板を粗研磨し、
    前記精密研磨工程で、コロイダルシリカ砥粒を含む研磨材を用いて粗研磨後の前記ガラス素板を精密研磨し、
    前記精密研磨工程での取り代を、0.2μm〜2μmとし、かつ前記精密研磨工程に使用される研磨材を含むスラリー液の容量を(a)リットル、研磨される前記ガラス素板の枚数を(b)枚、前記ガラス素板の酸化セリウム含有量を(X)質量%、前記取り代を(Y)μmとし、
    Z=Y×基板面積(cm )×基板密度(g/cm ) ・・・(1)
    とすると、前記精密研磨工程で、
    (X×Z)×b÷a<3(μg/リットル) ・・・(2)
    になるように研磨し、
    前記精密研磨工程を行う前に、前記ガラス素板表面の酸化セリウム量が0.125ng/cm以下となるように粗研磨工程後の前記ガラス素板を洗浄することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記ガラス素板は、その中心部に貫通孔を有し、
    前記貫通孔の半径をr2としたとき、前記ガラス素板の中心から(2×r2+r1)/3の位置における周方向1周分のTIRが、0.5μm以下になるように、前記ガラス素板を精密研磨することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記ガラス素板として、SiO:55〜75質量%、Al:5〜18質量%、LiO:1〜10質量%、NaO:3〜15質量%、KO:0.1〜5質量%、但し、LiO+NaO+KOの総量:10〜25質量%、MgO:0.1〜5質量%、CaO:0.1〜5質量%、CeO:0.01〜2質量%、ZrO:0〜8質量%(0を含む)であり、(LiO+NaO+KO)に対する(MgO+CaO)の質量比が、0.10≦(MgO+CaO)/(LiO+NaO+KO)≦0.80の範囲にあるガラス組成のものを用い、
    前記化学強化層を、前記組成のガラス素板の表面に形成することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記粗研磨工程後且つ前記精密研磨工程前に行われる前記洗浄工程が、pH13以上のアルカリ洗剤で洗浄する工程、pH1以下の酸系洗剤で洗浄する工程及びフッ化水素酸溶液により洗浄する工程をこの順に有することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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