JP2003173518A - 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び磁気記録媒体の製造方法Info
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Abstract
媒体用ガラス基板を得る。 【解決手段】 円板状ガラス基板を研削した後、研磨砥
粒を含む研磨液によって研磨する磁気記録媒体用ガラス
基板の製造方法において、前記研磨砥粒はコロイダルシ
リカ砥粒であって、前記研磨液にNaOHを含有させる
ことにより研磨液のpHが10.2を超え、12以下と
なるように調整されていることを特徴とする磁気記録媒
体用ガラス基板の製造方法。
Description
な磁気記録媒体に用いられる磁気記録媒体用ガラス基板
の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法に関する。
磁気記録媒体が要請されている。磁気記録媒体の高密度
記録化を達成するためには、磁気記録媒体表面に対する
磁気ヘッドの浮上高さを小さくすることが重要となる。
磁気ヘッドの浮上高さは磁気記録媒体表面の表面粗さに
相関があるため、磁気記録媒体表面、磁気記録媒体用基
板の表面粗さをより平滑にする試みがなされている。
耐久性や高い平滑性が得られるなどの理由からガラス基
板が用いられている。そして、ガラス基板を平滑にする
方法として、特開平7−240025や特開平10−2
41144が知られている。
5に記載されている方法は、除去ステップ(研磨工程)
として、酸性になるようにpH調製されたコロイド粒子
(コロイダルシリカ)溶液を用いて磁気ディスク用基板
を作製する方法が開示されている。
れている方法は、研削工程の後、酸化セリウム+水を用
いた第1、2研磨工程、さらにコロイダルシリカ+水を
用いた第3研磨工程によって磁気記録媒体用ガラス基板
を作製する方法が開示されている。
水溶液を用いており、スラリーの凝集/定盤の腐食(酸
化)といった問題がある。また、後者の方法は、ガラス
基板表面を高平滑性とするために3段階の研磨工程を実
施しており製造コストがかかる。また、第3研磨工程で
は、コロイダルシリカ+水の研磨液を用いているので研
磨速度が遅く、研磨時間がかかり生産性が劣る。さらに
は、研磨工程後の洗浄として、水やアルカリ水溶液を用
いて超音波洗浄が行われるが、水の場合、コロイダルシ
リカ研磨砥粒を十分に除去しきれず研磨残りが発生す
る。また、アルカリ水溶液(通常濃度7wt%(PHで
は14.243)による洗浄の場合、コロイダルシリカ
研磨砥粒は溶解除去されるため研磨残りの問題はない
が、コロイダルシリカ研磨砥粒を除去するためにアルカ
リ水溶液濃度や洗浄条件等を強くするとガラス基板にア
ルカリ水溶液によるダメージ(凹欠陥)が発生するとい
う問題がある。この凹欠陥は、基板上に少なくとも磁性
層を形成して磁気記録媒体を作製し、記録再生を行った
場合に、信号エラーとなる要因となる。
ものであり、研磨残りや凹欠陥のない高平滑性の磁気記
録媒体用ガラス基板を提供し、生産性のよい磁気記録媒
体用ガラス基板の製造方法、及び磁気記録媒体の製造方
法を提供することを目的とする。
に本発明は以下の構成を要する。 (構成1)円板状ガラス基板を研削した後、研磨砥粒を
含む研磨液によって研磨する磁気記録媒体用ガラス基板
の製造方法において、前記研磨砥粒はコロイダルシリカ
砥粒であって、前記研磨液にアルカリを含有させること
により研磨液のpHが10.2を超え、12以下となる
ように調製されていることを特徴とする磁気記録媒体用
ガラス基板の製造方法である。 (構成2)前記コロイダルシリカ砥粒による研磨を行っ
た後、アルカリ洗浄を行うことを特徴とする構成1に記
載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法である。 (構成3)前記研磨液に含有させるアルカリ及び、研磨
後のアルカリ洗浄に用いるアルカリを同じアルカリ成分
とすることを特徴とする構成1又は2に記載の磁気記録
媒体用ガラス基板の製造方法である。 (構成4)前記ガラス基板は、アルミノシリケートガラ
スからなることを特徴とする構成1乃至3の何れかに記
載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法である。 (構成5)構成1乃至4の何れかに記載の磁気記録媒体
用ガラス基板の製造方法によって得られた磁気記録媒体
用ガラス基板の主表面上に、少なくとも磁性層を形成す
ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
ダルシリカ砥粒の微細な研磨剤を用いることにより高い
平滑性が得られ、かつ研磨液にアルカリを含有させて研
磨液のpHが10.2を超え、12以下となるように調
整しているので、平滑性を維持したままガラス基板に対
する研磨速度を上げることができる。従って、従来のよ
うに研削工程の後、酸化セリウム砥粒などによる複数段
階の研磨工程を行いさらに最終研磨工程としてコロイダ
ルシリカ砥粒による精密研磨が行われていたのを、最終
研磨工程前の研磨工程を1回、又は省略することがで
き、生産性を向上させてなおかつ高平滑性のガラス基板
が得られる。
の場合、ガラス基板に対する研磨速度が遅くなるので、
生産性に劣るので好ましくない。また、pHが12を超
える場合、コロイダルシリカ砥粒が溶解し、精密研磨が
出来ないので好ましくない。また、研磨液のPHが小さ
くなると、コロイダルシリカ砥粒が凝集し、好適に研磨
できなくなる場合がある。
は、例えば、NaOH、KOH、などが挙げられる。N
aOHにより研磨液のPHを調節すると、好適に研磨で
きるので好ましい。
リ性の点から10.5以上11以下とすることが好まし
い。
後に得る基板の平滑性(表面粗さ)によって適宜調整さ
れる。例えば、0.02〜0.5μmとする。近年の高
密度記録再生が可能な高い平滑性(表面粗さRmax≦
3nm)のガラス基板を得るためには、コロイダルシリ
カの平均砥径は0.5μm以下を必要とする。
速度や表面粗さに応じて適宜調整される。例えば、加工
速度を考慮して20〜35wt%とすることが好まし
い。研磨剤濃度が高くなるに従って、基板の表面は粗く
なる。
制限はない。石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミ
ノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルミノ
ボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラ
スなどが挙げられる。
たコロイダルシリカ砥粒による研磨を行った後、アルカ
リ洗浄を行うことにより、コロイダルシリカの研磨残り
を確実になくすことができるとともに、コロイダルシリ
カ砥粒を溶解除去するために行なわれるアルカリ洗浄の
ガラス基板に対する負荷(アルカリ濃度やPH)を低減
することができるので、凹欠陥の発生を抑制することが
できる。研磨後のアルカリ洗浄の濃度は、研磨残りをな
くすために研磨工程でのアルカリ濃度より大きいことが
望ましく、pH14以上が好ましい。但し、アルカリ洗
浄によるガラス基板に対するダメージ(凹欠陥)が起き
ない濃度(pH)が良い。以上の観点から本発明者が研
究したところ、前記研磨後のガラス基板のアルカリ洗浄
において好適な洗浄液のPHは、13.87〜14.2
0とするのが望ましい。
アルカリ及び、研磨後のアルカリ洗浄に用いるアルカリ
として同じアルカリ成分、特にNaOHを使用すること
により、基板表面における研磨剤残りなどの付着物を効
果的に除去できるので好ましい。前記研磨後のアルカリ
洗浄においてNaOHを用いる場合、洗浄液に含有する
NaOHの濃度は3wt%〜5wt%とすると好適であ
る。
してアルミノシリケートガラスを用いることにより、ア
ルカリに対する化学的耐久性が良いので、凹欠陥の発生
を低減することができるので好ましい。
ミノシリケートガラスの組成としては、SiO2を58
〜75重量%、Al2O3を5〜23重量%、Li2Oを
3〜10重量%、Na2Oを4〜13重量%含有するガ
ラスが挙げられる。
って得られた磁気記録媒体用ガラス基板上に少なくとも
磁性層を形成することにより、高密度記録再生が可能な
磁気記録媒体を生産性よく、エラーの発生の起きない信
頼性の高い磁気記録媒体が得られる。
はない。例えば、CoCrPtB、CoCrPtTa、
CoCrPtNi、CoCrPt、CoCrNiTa、
CoCrTa、CoCrNi、CoCrPtTaBなど
が挙げられる。
性、摺動特性に応じて、シード層、下地層、中間層、保
護層、潤滑層を必要に応じて適宜設けることができる。
径を制御する目的で設けられ、例えば、NiAl、Al
Co、CrTi、CrNiなどの材料を用いることがで
きる。
るのが一般的で、主に静磁気特性を良好にする目的で設
けられ、例えば、CrやCr合金(CrMo、CrV、
CrTi,CrW、CrTaなど)の材料を用いること
ができる。
るのが一般的で、hcp構造を有する磁性層の結晶配向
を整える目的で設けられ、例えば、CoCr、CoCr
B、CoCrPt、CoCrPtTaなどの材料を用い
ることができる。
食性のために設けられ、例えば、カーボン、水素化カー
ボン、窒化カーボン、SiO2、ZrO2などの材料を用
いることができる。
のために設けられ、例えば、パーフルオロポリエーテル
潤滑剤を用いるのが一般的である。
に説明する。
工程、(2)形状加工工程、(3)端面研磨工程、
(4)精研削工程、(5)第1研磨工程、(6)最終研
磨工程、(7)最終研磨後洗浄工程、(8)化学強化工
程、(9)強化後洗浄工程、(10)磁気ディスク製造
工程の各工程を有する。以下、各工程を説明する。
クトプレスして、直径66mmφ、厚さ1.2mmの円
板状のアルミノシリケートガラスからなるガラス基板を
得た。この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロ
ー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石
で切り出して円板状のガラス基板を得ても良い。なお、
アルミノシリケートガラスとしては、SiO2:58〜
75重量%、Al2O3:5〜23重量%、LiO2:3
〜10重量%、Na2O:4〜13重量%を主成分とし
て含有する化学強化基板用ガラスを使用した。
研削工程は、寸法精度及び形状精度の向上を目的として
いる。研削工程は両面研削装置を用いて行い、砥粒の粒
度を#400で行った。詳しくは、粒度#400のアル
ミナ砥粒を用い、荷重Lを100kg程度に設定して、
内転ギアと外転ギアを回転させることによって、キャリ
ア内に収納したガラス基板の両面を面制度0〜1μm、
表面粗さRmaxで6μm程度に仕上げた。
をあけると共に、外周端面も研削して直径65mmφと
した後、外周端面および内周端面に所定の面取加工を施
した。このときのガラス基板端面(内周、外周)の表面
粗さは、Rmaxで4μmであった。
らガラス基板の端面(内周、外周)の表面粗さをRma
xで1μm、Raで0.3μm程度に研磨した。上記端
面研磨工程を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
を研削することにより、平坦度3μm、表面粗さRma
xが2μm程度、Raが0.2μm程度とした。尚、R
max、Raは原子間力顕微鏡(AFM)(デジタルイ
ンスツルメンツ社製ナノスコープ)にて測定、平坦度、
は平坦度測定装置で測定したもので、基板表面の最も高
い部分と、最も低い部分との上下方向(表面に垂直な方
向)の距離(高低差)である。上記精研削工程を終えた
ガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄層に順次浸漬して
洗浄した。
程で残留したキズや歪みの除去を目的とするもので、両
面研磨装置を用いて行った。詳しくは、ポリシャとして
硬質ポリシャを用い、以下の研磨条件で実施した。 研磨液:酸化セリウム(平均粒径:1.5μm)+水 荷重:80〜100g/cm2 研磨時間:30〜50分 除去量:35〜45μm 上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純
水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄層に順
次浸漬して洗浄した。
置を用い、ポリシャとして軟質ポリシャに変えて最終研
磨工程を実施した。研磨条件は、 研磨液:コロイダルシリカ(平均粒径:0.15μm、
研磨剤濃度:32wt%)+NaOH(濃度1mol/
l 添加量 400ml)+水 (pH:10.5(EUTEC社製pH Scanによ
り測定)) 荷重:60〜120g/cm2 研磨時間:5〜40分 除去量:0.5〜8μm とした。図1に示すように、研磨速度は、0.07μm
/minであった。
t%のNaOH水溶液に浸漬してアルカリ洗浄を行っ
た。尚、洗浄は超音波を印加して行った。さらに、中性
洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗
浄槽に順次浸漬して洗浄した。この得られたガラス基板
の表面をAFM(デジタルインスツルメンツ社製ナノス
コープ)により観察したところ、コロイダルシリカの研
磨残りは確認されなかった。また、アルカリ洗浄ダメー
ジによる凹欠陥もなかった。なお、濃度3wt%〜5w
t%のNaOH水溶液のPHは、13.875〜14.
097である。
ラス基板に化学強化を施した。化学強化には、硝酸カリ
ウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した
化学強化塩を用意し、この化学強化塩を375℃に加熱
し、300℃に予熱された洗浄済みガラス基板を約3時
間浸漬して行った。このように、化学強化塩に浸漬処理
することによって、ガラス基板表層のリチウムイオン、
ナトリウムイオンは、化学強化塩中のナトリウムイオ
ン、カリウムイオンにそれぞれ置換されガラス基板は強
化される。ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層の
厚さは約100〜200μmであった。上記化学強化を
終えたガラス基板を20℃の水槽に浸漬して急冷し、約
10分維持した。
酸に浸漬し、超音波を掛けながら洗浄を行った。このよ
うにして得られたガラス基板の表面粗さをAFM(デジ
タルインスツルメンツ社製ナノスコープ)で測定したと
ころ、Rmax=2.62nm、Ra=0.31nmで
良好な結果が得られた。従って、Rmax/Raは。
8.45である。なお、Rmax及びRaは、日本工業
規格(JIS)B0601に規定の定義に基づく。
に対し、スパッタリング装置にて、NiAlシード層、
CrV下地層、CoCrPtB磁性層、水素化カーボン
保護層を成膜し、ディップ法によりパーフルオロポリエ
ーテル潤滑層を形成して磁気ディスクを作製した。得ら
れた磁気ディスクに対し、グライド高さ、ロードアンロ
ード試験(40万回)を行ったところ、浮上量4.5n
mまでは、ヘッド−媒体間に接触が発生しないことが確
認できた。また、クラッシュが発生せず、記録再生試験
においても信号エラーはなかった。なお、グライド高さ
の観点でいえば、5.0nmまでは、ヘッド−媒体間に
接触が発生しないことが好ましい。即ち、グライド高さ
は5.0nm以下であることが好ましい。
磨液中に含まれるアルカリの量を調整し、研磨液のpH
濃度を調整した以外は実施例1と同様にして磁気ディス
ク用ガラス基板及び磁気ディスクを作製した。
上げるにしたがって、ガラス基板に対する研磨速度が向
上することが確認できる。また、研磨液のpH濃度が1
2を超えた場合、コロイダルシリカの溶解が始まり加工
できない結果となった。
でpH濃度を変えて得られたガラス基板の表面粗さをA
FM(デジタルインスツルメンツ社製ナノスコープ)で
確認したところ、実施例1と同程度であり表面粗さには
ほとんど変化していないことが確認された。
基板表面のコロイダルシリカの研磨残りは確認されず、
また、アルカリ洗浄ダメージによる凹欠陥もなかった。
イド高さ、ロードアンロード試験(40万回)を行った
ところ、浮上量4.5nmまでは、ヘッド−媒体間に接
触が発生しないことが確認できた。また、クラッシュが
発生せず、記録再生試験においても信号エラーはなかっ
た。
磨工程において、研磨液としてNaOHを加えなかった
(研磨液のpH濃度:10.2)以外は実施例1と同様
にして磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクを作
製した。尚、コロイダルシリカ砥粒の研磨残りをなくす
ために、アルカリ洗浄におけるNaOH濃度は7wt%
とし、超音波を強く印加した。なお、アルカリ洗浄にお
けるNaOH濃度が7wt%のとき、PHは14.24
3であった。比較例1の結果は図1に示す。
は、0.04μm/minに低下した。従って、実施例
と同様の表面粗さに仕上げるためには研磨加工時間が余
計にかかり、これは、生産枚数に比べると100枚に相
当する。(また、特開平10−241144にあるよう
に、研磨工程を3段階にした場合と実施例と比較した場
合、生産枚数に比べると150枚に相当する。)
minであったので、例えば、研磨加工に必要な研磨除
去量が1.5μmであった場合、21.4分の研磨時間
が必要である。比較例1では、研磨速度は0.04μm
/minであったので、例えば研磨加工に必要な研磨除
去量が1.5μmであった場合、37.5分の研磨時間
が必要である。
ィスク用ガラス基板を研磨する研磨装置を用いた場合に
あっては、実施例1の場合、1時間で約300枚の研磨
加工でできるのに対し、比較例1の場合、1時間で10
0枚程度〜200枚未満しか研磨加工できないために、
製造コストが高くなる。本発明においては、研磨速度は
0.05μm/min以上が得られると好ましい。この
場合、例えば、研磨加工に必要な研磨除去量が1.5μ
mであった場合、研磨時間は30分となるので、例え
ば、一度に100枚の磁気ディスク用ガラス基板を研磨
する研磨装置を用いた場合にあっては、1時間で200
枚の研磨加工が可能となる。
の研磨残りは確認されなかったが、研磨剤を落とすため
にアルカリ(NaOH)濃度が高く、洗浄条件(超音
波)も強くなり、アルカリ洗浄ダメージによる凹欠陥も
見られた。
イド高さ、ロードアンロード試験を行った結果、実施例
との差は見られなかったが、記録再生試験において凹欠
陥による信号エラーが確認された。
程において、研磨液に含有させるアルカリをNaOHに
替えて、KOHとした(実施例3)。研磨液に含有させ
るアルカリをKOHに変更した点以外は実施例1と同様
の製造方法による同様のガラス基板である。なお、研磨
液のPHは10.8となるように、KOHの濃度を調節
した。その結果、研磨速度は0.07μm/minであ
った。得られたガラス基板の表面粗さを実施例1と同様
に測定したところ、Rmax=2.91nm、Ra=
0.29nmであった。従って、Rmax/Ra=10
であった。また、研磨残りと、アルカリ洗浄ダメージに
よる凹欠陥も確認されなかった。
て、実施例1と同様に(10)磁気ディスク製造工程を
施し、得られた磁気ディスクを実施例1と同様に試験し
たところ、浮上量4.8nmまでは、ヘッド−媒体間に
接触が発生しなかった。また、クラッシュが発生せず、
記録再生試験においても信号エラーはなかった。実施例
1と実施例3と結果とを比較すると、実施例3において
も好適な結果が得られていることが分かるが、実施例1
ではグライド高さが4.5nmであるのに対し、実施例
3では、グライド高さが4.8nmとやや悪化してい
る。これは、実施例3において、Rmax/Raが10
以上となったことによるものと考えられる。グライド高
さの観点からは、本発明において、Rmax/Raが1
0未満とすると好ましいと考えられる。
ド高さがやや悪化した原因を調査したところ、目視検査
では確認できなかったが、電子顕微鏡(SEM)を用い
た精密検査の結果、極微量の研磨剤残りが基板表面に僅
かに残留していることが分かった。
板を石英ガラスにし、研磨液に含まれるNaOHを変化
させた以外は実施例1と同様にして磁気ディスク用ガラ
ス基板及び磁気ディスクを作製した。
度にはほとんど変化は見られなかった。また、アルカリ
洗浄ダメージによる凹欠陥はなかった。
イド高さ、ロードアンロード試験、記録再生試験におい
ても実施例と同様の結果となった。
と、生産性を考慮して研磨速度を調整でき、かつアルカ
リに対する化学的耐久性に良好なアルミノシリケートガ
ラスが適していることが確認された。
い高い平滑性の磁気記録媒体用ガラス基板を得ることが
でき、磁気記録媒体の高密度記録化を達成することがで
きる。
ラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】円板状ガラス基板を研削した後、研磨砥粒
を含む研磨液によって研磨する磁気記録媒体用ガラス基
板の製造方法において、 前記研磨砥粒はコロイダルシリカ砥粒であって、前記研
磨液にアルカリを含有させることにより研磨液のpHが
10.2を超え、12以下となるように調整されている
ことを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方
法。 - 【請求項2】前記コロイダルシリカ砥粒による研磨を行
った後、アルカリ洗浄を行うことを特徴とする請求項1
に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項3】前記研磨液に含有させるアルカリ及び、研
磨後のアルカリ洗浄に用いるアルカリを同じアルカリ成
分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気
記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項4】前記ガラス基板は、アルミノシリケートガ
ラスからなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか
に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法 - 【請求項5】請求項1乃至4の何れかに記載の磁気記録
媒体用ガラス基板の製造方法によって得られた磁気記録
媒体用ガラス基板の主表面上に、少なくとも磁性層を形
成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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