JPH10241144A - 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10241144A
JPH10241144A JP9357205A JP35720597A JPH10241144A JP H10241144 A JPH10241144 A JP H10241144A JP 9357205 A JP9357205 A JP 9357205A JP 35720597 A JP35720597 A JP 35720597A JP H10241144 A JPH10241144 A JP H10241144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass substrate
recording medium
surface roughness
magnetic
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9357205A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3554476B2 (ja
Inventor
Tsuyoshi Watanabe
強 渡邊
Koji Takahashi
浩二 高橋
Masao Takano
正夫 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP35720597A priority Critical patent/JP3554476B2/ja
Publication of JPH10241144A publication Critical patent/JPH10241144A/ja
Priority to JP36177499A priority patent/JP3600767B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3554476B2 publication Critical patent/JP3554476B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報記録媒体用に用いられるガラス基板及び
及びその製造方法、並びに、安定且つ、良好な磁気特性
を維持しつつ高密度記録再生可能な磁気記録媒体及びこ
の磁気記録媒体を安定して製造することができる製造方
法を得る。 【解決手段】 ガラス基板主表面の表面粗さがRmax
≦15nm、Ra≦1nm、Rq≦1.5nm(但し、
Rqは二乗平均平方根粗さ(=RMS)である)である
ようにし、又は、ガラス基板主表面の表面粗さがRma
x≦15nm、Ra≦1.3nm、Rmax/Ra≧1
0であるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度記録再生が
可能な磁気記録媒体及びその製造方法並びにその磁気記
録媒体に使用する情報記録媒体用ガラス基板及びその製
造方法に関し、特に、インライン型連続スパッタリング
によって磁気記録媒体を製造する際、パレット内におけ
る各磁気記録媒体の磁気特性のバラツキないしは各磁気
記録媒体における面内の磁気特性のバラツキを抑えて高
密度記録再生を可能にするものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、さらなる高密度記録に対応可能な
磁気ディスクが要請されてきている。磁気ディスクの高
密度記録化を達成するためには、磁気記録媒体表面に対
する磁気ヘッドの浮上高さを小さくすることが重要であ
る。最近ではこの浮上高さを0.2〜0.1μm以下と
することが要求されている。そこで、この要求に対し高
密度記録に対応可能な磁気ディスクとして、特開平5ー
303735や、特開平8ー293177等の磁気ディ
スクが開発されている。
【0003】特開平5ー303735の磁気ディスク
は、円環状基板(ガラス基板)の表面粗さをRaで1n
m以下、且つ、平面度1μm以下にすることによって、
磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上高さを小さく
し、高密度記録を可能にするものである。尚、この公報
では、円環状基板(ガラス基板)の表面粗さを非常に平
滑にする研磨技術や、表面粗さがRaで0.3nm以
下、Rmaxで5nm以下といった表面がスーパースム
ーズ仕上げされたガラス基板が開示されている。
【0004】特開平8ー293177は、磁気ディスク
の始動時及び停止時にヘッドが媒体上に休止するCSS
ドライブでなく、停止時にはヘッドがディスクから離れ
るようにしたダイナミックヘッドローディング型磁気デ
ィスクドライブに搭載する磁気ディスクが開示されてい
る。この磁気ディスクは、一例としてスーパースムーズ
仕上げされた基板上に、スーパースムーズ仕上げ磁性表
面及び、スーパースムーズ仕上げ保護表面を有する磁性
層、保護層を形成することにより、ヘッド−媒体の磁気
的間隔を小さくし、高密度記録を可能にするものであ
る。さらにこの公報では、保護層の膜厚を小さくするこ
とによる磁性層表面とヘッドとの間隔(実効フライング
ハイト)を小さくする技術も開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
の磁気記録媒体においては、RmaxやRaのそれぞれ
を所定値以下にすることによって、ヘッドー媒体の磁気
的間隔については十分小さくすることが可能になった。
しかしながら、本発明者等の研究によれば、保磁力やS
/Nといった磁気特性及び記録再生特性については必ず
しも近年の厳しい要請を十分に満足させるものではない
ことがわかった。すなわち、ガラス基板の表面粗さやそ
の上に形成する磁性層等の条件を同一に揃えて製造して
も、必ずしも常に良好な磁気特性を有する磁気ディスク
を得られないことがわかった。本発明者等がこの原因に
ついて鋭意研究した結果、この原因は、ガラス基板の表
面粗さのばらつきに起因し、このばらつきによってその
上に形成される薄膜の結晶成長が乱れて磁気特性や記録
再生特性を悪化させるものであろうとの結論が得られ
た。すなわち、ガラス基板表面の状態(表面粗さ及び表
面粗さのばらつき)がその上に形成される下地層、磁性
層の結晶粒と密接に関係しており、磁気特性良好で且つ
高密度記録再生可能な磁気記録媒体を得るには、このガ
ラス基板の表面粗さのばらつきをおさえ、その上に形成
される薄膜の結晶粒を均一にすることが必要であろうと
の解明結果が得られた。また、一方、上述の従来の磁気
記録媒体においては、RmaxとRaとの関係を考慮さ
れていなかったために、たとえ非常に平滑な基板であっ
たとしても、複数枚磁気記録媒体を製造した際、各々の
磁気特性にバラツキがあることがわかった。すなわち、
ガラス基板の表面粗さやその上に形成する磁性層等の条
件を同一に揃えて製造しても、必ずしも常に安定し、且
つ良好な磁気特性を有する磁気ディスクが得られないこ
とがわかった。特に、この磁気特性のバラツキは、イン
ライン型連続スパッタリング法によって磁気ディスクを
製造する場合に、顕著に表れた。
【0006】本発明者らがこの原因について鋭意研究し
た結果、この原因は、各ガラス基板の表面粗さRmax
とRaとの関係(Rmax/Ra)が定められておら
ず、この関係(Rmax/Ra)の変動に伴い、各磁気
ディスクにおける磁気特性のバラツキが発生するのであ
ろうとの結論に至った。
【0007】本発明は、この解明結果に基づいてなされ
たものであり、磁気ディスクや光ディスクといった情報
記録媒体用に用いられるガラス基板及びその製造方法、
並びに、安定且つ、良好な磁気特性を維持しつつ高密度
記録再生可能な磁気記録媒体及びこの磁気記録媒体を安
定して製造することができる製造方法を得ることを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明は、要するに、ガラス基板の表面粗さ及び
そのばらつきを所定の範囲におさえ、その上に形成され
る下地層、磁性層の結晶粒を均一にすることによって、
磁気特性良好で且つ高密度記録再生可能な磁気記録媒体
を得るようにしたものであり、また、ガラス基板の表面
粗さ(Rmax、Ra)及びそれらRmaxとRaとの
関係(Rmax/Ra)等を所定の範囲におさえること
によって、安定且つ、良好な磁気特性と、高密度記録再
生可能な磁気記録媒体を得るようにしたものであって、
具体的には以下の構成を有する。
【0009】請求項1の発明は、ガラス基板主表面の表
面粗さがRmax≦15nm、Ra≦1nm、Rq≦
1.5nm(但し、Rqは二乗平均平方根粗さ(=RM
S)である)であることを特徴とする情報記録媒体用ガ
ラス基板である。
【0010】請求項2の発明は、前記ガラス基板主表面
の表面粗さがRmax≦10nm、Ra≦0.5nm、
Rq≦0.7nmであることを特徴とする請求項1に記
載の情報記録媒体用ガラス基板である。
【0011】請求項3の発明は、前記ガラス基板主表面
の表面粗さがRmax≦5nm、Ra≦0.3nm、R
q≦0.4nmであることを特徴とする請求項1に記載
の情報記録媒体用ガラス基板である。
【0012】請求項4の発明は、前記ガラス基板主表面
の表面粗さの比(Rmax/Ra)が30以下であるこ
とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の情
報記録媒体用ガラス基板である。
【0013】請求項5の発明は、ガラス基板上に少なく
とも磁性層を含む薄膜を有する磁気記録媒体において、
前記ガラス基板として、請求項1ないし4に記載の情報
記録媒体用ガラス基板を用いることを特徴とした磁気記
録媒体である。
【0014】請求項6の発明は、前記薄膜は、前記ガラ
ス基板の表面粗さを制御することによって、ほぼ均一な
結晶粒から構成されてなり、該結晶粒の平均結晶粒径が
5〜30nmであることを特徴とする請求項5に記載の
磁気記録媒体である。
【0015】請求項7の発明は、ガラス基板上に少なく
とも磁性層を含む薄膜を有する磁気記録媒体において、
前記ガラス基板主表面の表面粗さがRmax≦15n
m、Ra≦1nm、表面粗さの比(Rmax/Ra)が
30以下であり、前記薄膜が前記ガラス基板の表面粗さ
を制御することによって、ほぼ均一な結晶粒から構成さ
れてなり、該結晶粒の平均結晶粒径が5〜30nmであ
ることを特徴とする磁気記録媒体である。
【0016】請求項8の発明は、前記ガラス基板主表面
の表面粗さがRmax≦10nm、Ra≦0.5nm、
表面粗さの比(Rmax/Ra)が30以下であること
を特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体である。
【0017】請求項9の発明は、前記ガラス基板主表面
の表面粗さがRmax≦5nm、Ra≦0.3nm、表
面粗さの比(Rmax/Ra)が30以下であることを
特徴とする請求項7に記載の磁気記録媒体である。
【0018】請求項10の発明は、前記薄膜の結晶粒
を、1ミクロン平方に存在する結晶粒径分布について測
定したとき、該薄膜の結晶粒径が最も多く分布する点に
おける半値幅が20nm以下であることを特徴とする請
求項5ないし9のいずれかに記載の磁気記録媒体であ
る。
【0019】請求項11の発明は、前記薄膜は前記ガラ
ス基板と前記磁性層との間に、下地層が形成されている
ことを特徴とする請求項5ないし10のいずれかに記載
の磁気記録媒体である。
【0020】請求項12の発明は、前記ガラス基板と前
記磁性層との間に、低融点金属からなる凹凸形成層が形
成されていることを特徴とする請求項5ないし11のい
ずれかに記載の磁気記録媒体である。
【0021】請求項13の発明は、前記凹凸形成層の表
面粗さの比Rq/Raが1.5以下であることを特徴と
する請求項12に記載の磁気記録媒体である。
【0022】請求項14の発明は、前記凹凸形成層の表
面粗さがRmaxで10〜50nmであることを特徴と
する請求項12又は13に記載の磁気記録媒体である。
【0023】請求項15の発明は、円盤状ガラス基板を
ラッピングする工程と、その工程後、前記ガラス基板の
表面粗さがRmax≦15nm、Ra≦1nm、Rq≦
1.5nm(但し、Rqは二乗平均平方根粗さ(=RM
S))となるように予め選定された粒径の研磨砥粒を含
む研磨液を用いて鏡面研磨する工程と、を有することを
特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であ
る。
【0024】請求項16の発明は、円盤状ガラス基板を
ラッピングする工程と、その工程後、粒径1〜3μmの
研磨砥粒を含む研磨液を用いて研磨する第1研磨工程
と、粒径0.5〜2μmの研磨砥粒を含む研磨液を用い
て研磨する第2研磨工程と、粒径0.5μm以下の研磨
砥粒を含む研磨液を用いて研磨する第3研磨工程とを有
することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造
方法である。
【0025】請求項17の発明は前記第3工程に使用す
る研磨砥粒は、粒径0.2μm以下のコロイダルシリカ
砥粒であることを特徴とする請求項16に記載の情報記
録媒体用ガラス基板の製造方法である。
【0026】請求項18の発明は、前記請求項15ない
し17のいずれかの情報記録媒体用ガラス基板の製造方
法によって製造されたガラス基板上に少なくとも磁性層
を含む薄膜を、該薄膜を構成する結晶粒がほぼ均一な結
晶粒から構成されてなり、該結晶粒の平均結晶粒径が5
〜30nmになるように成膜する薄膜形成工程を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
【0027】請求項19の発明は、ガラス基板の少なく
とも磁性層を含む薄膜が形成される側の表面粗さがRm
ax≦15nm、Ra≦1nm、Rq≦1.5nmとな
るようにするガラス基板表面処理工程と、前記ガラス基
板主表面上に、前記薄膜を構成する結晶粒がほぼ均一な
結晶粒から構成されてなり、該結晶粒の平均結晶粒径が
5〜30nmになるように成膜する薄膜形成工程とを有
することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
【0028】請求項20の発明は、ガラス基板の少なく
とも磁性層を含む薄膜が形成される側の表面粗さがRm
ax≦15nm、Ra≦1nm、表面粗さの比(Rma
x/Ra)を30以下となるようにするガラス基板表面
処理工程と、前記ガラス基板主表面上に前記薄膜を構成
する結晶粒がほぼ均一な結晶粒から構成されてなり、該
結晶粒の平均結晶粒径が5〜30nmになるように成膜
する薄膜形成工程とを有することを特徴とする磁気記録
媒体の製造方法である。
【0029】請求項21の発明は、ガラス基板主表面の
表面粗さがRmax≦15nm、Ra≦1.3nm、R
max/Ra≧10であることを特徴とする情報記録媒
体用ガラス基板である。
【0030】請求項22の発明は、前記ガラス基板主表
面の表面粗さがRmax≦10nm、Ra≦0.8n
m、Rmax/Ra≧10.5であることを特徴とする
請求項21に記載の情報記録媒体用ガラス基板である。
【0031】請求項23の発明は、ガラス基板上に少な
くとも磁性層を含む薄膜を有する磁気記録媒体におい
て、前記ガラス基板として、請求項21又は22に記載
の情報記録媒体用ガラス基板を用いることを特徴とした
磁気記録媒体である。
【0032】請求項24の発明は、請求項21又は請求
項22記載の情報記録媒体用ガラス基板を用意する工程
と、前記ガラス基板上に少なくとも磁性層を含む薄膜を
形成する工程と、を有することを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法である。
【0033】請求項25の発明は、前記薄膜はインライ
ン型連続スパッタリング法により形成するものであるこ
とを特徴とする請求項24に記載の磁気記録媒体の製造
方法である。
【0034】
【実施の形態】実施例1 図1は本発明の実施例1にかかる磁気記録媒体の構成を
示す部分断面図である。以下、図1を参照にしながら本
発明にかかる磁気記録媒体及びその製造方法を説明す
る。
【0035】図1において、この磁気記録媒体は、ガラ
ス基板1の上に、順次、第1下地層2、第2下地層3、
テクスチャー層4、Cr層5a及びCrMo層5bから
なる第3下地層5、磁性層6、保護層7、並びに、潤滑
層8がそれぞれ形成された磁気ディスクである。以下、
この磁気ディスクの製造方法をその工程順に説明しなが
らその詳細な構成もあわせて説明する。
【0036】(1)荒ずり工程 まず、ダウンドロー法で形成したシートガラスから、研
削砥石で直径96mmφ、厚さ3mmの円盤状に切り出
したアルミノシリケイトガラスからなるガラス基板を、
比較的粗いダイヤモンド砥石で研削加工して、直径96
mmφ、厚さ1.5mmに成形した。
【0037】この場合、ダウンドロー法の代りに、フロ
ート法で形成したシートガラスから、上述と同様に円盤
状に切り出して加工したものや、溶融ガラスを、上型、
下型、胴型を用いてダイレクト・プレスして、円盤状の
ガラス体を得てもよい。
【0038】なお、アルミノシリケイトガラスとして
は、モル%表示で、SiOを57〜74%、ZnO
を0〜2.8%、Alを3〜15%、LiO
7〜16%、NaOを4〜14%、を主成分として含
有する化学強化用ガラス(例えば、モル%表示で、Si
:67.0%、ZnO:1.0%、Al
9.0%、LiO:12.0%、NaO:10.0
%を主成分として含有する化学強化用ガラス)を使用し
た。
【0039】次いで、上記砥石よりも粒度の細かいダイ
ヤモンド砥石で上記ガラス基板の両面を片面ずつ研削加
工した。このときの荷重は100kg程度とした。これ
により、ガラス基板両面の表面粗さをRmaxで10μ
m 程度に仕上げた。
【0040】次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の
中央部分に孔を開けるとともに、外周端面も研削して直
径を95mmφとした後、外周端面及び内周面に所定の
面取り加工を施した。このときのガラス基板の端面(側
面及び面取部9の表面粗さはRmaxで4μm程度であ
った。
【0041】(2)端面鏡面加工工程 次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させなが
らガラス基板の端面部分(角張った部位、側面及び面取
部)の表面粗さを、Rmaxで1μm、Raで0.3μ
m程度に研磨した。この端面鏡面加工工程は、ガラス基
板の搬送時や、洗浄工程時等に発生するガラス基板端面
からの発塵によりガラス基板主表面に付着することによ
る膜下欠陥を防止するために有効である。
【0042】上記端面鏡面加工を終えたガラス基板の表
面を水洗浄した。尚、この端面鏡面加工工程は、後述す
る第1、第2、第3研磨工程のどの工程の前で行っても
よく、また、この端面鏡面加工工程を設けなくてもよ
い。
【0043】(3)砂掛け(ラッピング)工程 次に、ガラス基板に砂掛け加工を施した。この砂掛け工
程は、寸法精度及び形状精度の向上を目的としている。
砂掛け工程は、ラッピング装置を用いて行い、砥粒粒度
を#400、#1000と替えて2回行った。
【0044】詳しくは、はじめに、粒度#400のアル
ミナ砥粒を用い、荷重Lを100kg程度に設定して、
内転ギアと外転ギアを回転させることによって、キャリ
ア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、
表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。
【0045】次いで、アルミナ砥粒の粒度を#1000
に替えてラッピングを行い、表面粗さ(Rmax)2μ
m 程度とした。
【0046】上記砂掛け加工を終えたガラス基板を、中
性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
【0047】(4)第1研磨工程 次に、第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は上述
した砂掛け工程で残留したキズや歪みの除去を目的とす
るもので、研磨装置を用いて行った。
【0048】くわしくは、ポリシャ(研磨粉)として硬
質ポリシャ(セリウムパッドMHC15:スピードファ
ム社製)を用い、以下の研磨条件で第1研磨工程を実施
した。
【0049】 研磨液:酸化セリウム(粒径約1μm)+水 荷重:150〜300g/cm2(L=238kg) 研磨時間:15〜30分 除去量:25〜45μm 下定盤回転数:40rpm 上定盤回転数:35rpm 内ギア回転数:14rpm 外ギア回転数:29rpm 上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純
水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA
(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
尚、この洗浄工程は、次の第2研磨工程における研磨液
が一緒の場合、省略することが可能である。
【0050】(5)第2研磨工程 次に、第1研磨工程で使用した研磨装置を用い、ポリシ
ャを硬質ポリシャから軟質ポリシャ(ポリラックス:ス
ピードファム社製:粒径約0.8μpm)に替えて、第
2研磨工程を実施した。研磨条件は、荷重を25〜15
0g/cm、研磨時間を5〜20分、除去量を2.5
〜10μmとしたこと以外は、第1研磨工程と同様とし
た。
【0051】上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、
中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピ
ルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次
浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加
した。
【0052】(6)第3研磨工程 次に、第2研磨工程で使用した研磨装置を用い、超軟質
ポリシャ(研磨粉:0.5μm以下)に替えて、第3研
磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液をコロイダルシ
リカ(粒径0.2μm以下)+水に替え、荷重を25〜
100g/cm、研磨時間を5〜20分、除去量を1
〜5μmとしたこと以外は、第2研磨工程と同様とし
た。
【0053】上記超精密研磨工程を終えたガラス基板
を、中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプ
ロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に
順次浸漬して、洗浄した。この場合、各洗浄槽には超音
波を印加した。
【0054】なお、第3研磨工程に使用する研磨剤(砥
粒)は、粒径の小さなものが望ましく、好ましくは0.
15μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下のもの
が良い。
【0055】また、上記説明で掲げた硬質ポリシャ及び
軟質ポリシャとしては、上述のものに限られず、硬質ポ
リシャとしては、例えば、硬質ベロア、ウレタン発泡、
ピッチ含浸スウェード等が挙げられ、軟質ポリシャとし
ては、,例えば、スウェード、ベロアを素材とするもの
等が挙げられる。さらに、研磨剤(砥粒)としては、酸
化セリウム、アルミナ、べんがら、酸化クロム、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタン、コロイダルシリカ等が挙げら
れる。
【0056】ここで、上述の第1〜3研磨工程に使用す
る研磨液の研磨剤(砥粒)の粒径は、上記使用したもの
に限らず、第1研磨工程では粒径1〜3μm、第2研磨
工程では粒径0.5〜2μm、第3研磨工程では0.5
μm以下の範囲内で適宜調整して行われる。上記範囲の
研磨剤(砥粒)を使用することによって、平滑で且つ粗
さにばらつきのない基板を効率よく平面処理することが
できる。
【0057】(7)化学強化工程 次に、上記研削、研磨工程を終えたガラス基板に化学強
化を施した。
【0058】化学強化は、硝酸セリウム(60%)と硝
酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意
し、この化学強化溶液を400℃に加熱し、300℃に
予熱された洗浄済みのガラス基板を約3時間浸漬して行
った。この浸漬の際に、ガラス基板の表面全体が化学強
化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保
持されるようにホルダーに収納した状態で行った。
【0059】このように、化学強化溶液に浸漬処理する
ことによって、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナト
リウムイオンは、化学強化溶液中のナトリウムイオン、
カリウムイオンにそれぞれ置換されガラス基板は強化さ
れる。
【0060】ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層
の厚さは、約100〜200μmであった。
【0061】上記化学強化を終えたガラス基板を、20
℃の水槽に浸漬して急冷し約10分間維持した。
【0062】上記急冷を終えたガラス基板を、約40℃
に加熱した硫酸に浸漬し、超音波をかけながら洗浄を行
い、基板主表面を超精密研磨したガラス基板を得た。
【0063】以上のような条件で研磨工程を数段階に別
けて行い、かつ、各段階で用いる研磨砥粒の粒径を通常
の場合よりも細かい径のものを用いることにより、スー
パースムーズの表面を有するガラス基板を得ることがで
き、また、生産効率も格段に向上させることができる。
【0064】このときのガラス基板主表面の表面粗さを
測定したところ、Rmaxで2.6nm、Raで0.2
3nm、表面粗さの比(Rmax/Ra)は11.3で
あった。尚、表面粗さは原子間力顕微鏡(AFM)で測
定を行った。
【0065】なお、以上の例では第3研磨工程は化学強
化工程の前に行う場合を説明したが、化学強化によるガ
ラス基板の析出塩発生に伴う膜下欠陥を防止する意味
で、第3研磨工程を化学強化工程の後に行ってもよい。
【0066】(8)磁気ディスク製造工程 次に、上記ガラス基板に対し、ガラス基板の加熱処理、
第1下地層の成膜、第2下地層の成膜、凹凸形成層の成
膜、第3下地層の成膜、磁性層の成膜及び保護層の成膜
の各工程を、インライン型スパッタリング装置を用いて
連続的に行う。
【0067】このインライン型スパッタリング装置は、
図示しないが、搬送方向に向かって、基板加 熱ヒータ
ーが設けられた第1のチャンバー、Alターゲット、C
rターゲット、及びAlターゲットが設置された第2の
チャンバー、加熱ヒータが設置された第3のチャンバ
ー、Crターゲット、CrMoターゲット(Cr:94
at%、Mo:6at%)及びCoCrPtTaターゲ
ット(Co:78at%、Cr:13at%、Pt:6
at%、Ta:3at%)が順次設置された第4のチャ
ンバー、並びにカーボンターゲットが設置された第5の
チャンバーがそれぞれ設けられたものである。
【0068】そして、チタン等からなるパレットに、上
記のガラス基板を50枚装着し、ロードロック室を介し
て第1のチャンバー内に導入すると、これらのガラス基
板は所定の搬送装置によって上記各チャンバー内を次々
と所定の一定速度で搬送され、その間に以下の条件等で
成膜や処理がなされる。
【0069】即ち、第1のチャンバー内では、基板を3
50℃で2分間加熱する処理がなされる。第2のチャン
バー内では、第1下地層2たる平均膜厚5nmのAl
膜、第2下地層3たる膜厚20nmのCr膜、凹凸形成
層4たる平均膜厚5nm、表面粗さ(Rmax)24n
mのAlからなる連続したテクスチャー膜が成膜され
る。第3のチャンバー内では350℃で1分間の加熱処
理がなされる。第4のチャンバー内では第3下地層5た
る平均膜厚50nmのCr膜5a及び、平均膜厚30n
mのCrMo膜5b、磁性層6たる平均膜厚24nmの
CoCrPtTa膜が順次成膜される。第5のチャンバ
ー内では保護層7を構成する平均膜厚15nmのカーボ
ン膜が順次成膜される。
【0070】尚、上記の第2、第4、第5チャンバー内
のスパッタリング条件は、スパッタ圧力が第2のチャン
バー内では5mTorr、第4のチャンバー内では3m
Torr、第5のチャンバー内では5mTorrであ
り、第2、第4チャンバーのスパッタ雰囲気はアルゴン
の不活性ガスとし、第5チャンバーのスパッタ雰囲気
は、アルゴンの不活性ガス又は、アルゴンに1〜25%
の水素及び/又は窒素が混合された混合ガスか、アルゴ
ンに1〜25%の炭化水素ガス(メタン等)が混合され
た混合ガスが使用される。また、各スパッタ電力は、第
3のチャンバーでは200W、第5のチャンバーでは2
00W、第6のチャンバーでは100Wとした。
【0071】次いで、保護層の形成までの工程を終えた
基板を、上記インライン型スパッタリング装置から取り
出し、その保護層の表面に、浸漬法によってパーフルオ
ロポリエーテルを塗布し、平均膜厚1nmの潤滑層を形
成して実施例1にかかる磁気記録媒体を得た。
【0072】また、これら得られた各磁気記録媒体の半
径22mmのところにおける0°、90°、180°、
270°(パレット装着によって形成されるスパッタマ
ークの中心を0°とする。)の磁気特性及び記録再生特
性を測定したところ、各地点、各磁気記録媒体の保磁力
は1900〜2000 Oeの範囲に分布し、S/N比
は24.2〜25.8dBの範囲に分布していた。製造
工程の安定性を示す工程能力指数Cp(={(上限規
格)−(下限規格)}/6σ;両側規格の場合、{(平
均値)−(下限規格)}/3σ;下限規格の場合)を評
価すると、保磁力(Hc)は、1950±100 Oe
の両側規格に対して2.4、S/Nは19dB以上の下
限規格に対して5.3となり、各磁気記録媒体における
面内分布、パレット内における磁気記録媒体の磁気特性
のバラツキが抑えられ、且つ、磁気特性が良好な磁気記
録媒体が得られるばかりでなく、製造工程の安定性が向
上した。また、荷重3gの70%ヘッドスライダーを用
いた10万回のCSS耐久試験においても、磁気記録媒
体と磁気ヘッドとの間で吸着現象は起こらず、またヘッ
ドクラッシュも発生することなく、高CSS耐久性を有
する磁気記録媒体が得られた。
【0073】尚、保磁力(Hc)の測定は、製造した磁
気記録媒体から8mmφの試料を切り出して膜面方向に
磁場を印加し、振動試料型磁力計により最大外部印加磁
場10kOeで測定した。
【0074】また、記録再生特性(S/N比)の測定は
次のようにして行った。即ち、得られた磁気ディスクを
用いて、磁気ヘッド浮上量が0.055μmのMR(磁
気抵抗効果型)ヘッドを用い、MRヘッドと磁気ディス
クの相対速度を9.6m/sで線記録密度120kfc
l(1インチあたり120,000ビットの線記録密
度)における記録再生出力を測定した。また、キャリア
周波数23MHzで、測定帯域を26MHzとしてスペ
クトルアナライザーにより、信号記録再生時の媒体ノイ
ズを測定し、S/N比を算出した。本測定に用いたMR
ヘッドは、書込み/読取り側にそれぞれトラック幅3.
1/2.4μm、磁気ヘッドギャップ長0.35/0.
28μmである。尚、以後に示す実施例及び比較例にお
ける表面粗さ、結晶粒径、保磁力、S/N比の測定は上
述の方法で行った。
【0075】実施例2〜4、比較例1〜4 次に、研磨条件を変化させて、ガラス基板の表面粗さを
変化させた他は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を
作製し、これらを実施例2〜4及び比較例1〜4とし
て、それぞれの場合について、ガラス基板主表面の表面
粗さRa(nm)、Rmax(nm)、Rmax/R
a、保磁力Hc(Oe)、S/N比(dB)、Cp、C
SS耐久試験の結果を表にまとめて図2に示した。
【0076】上述の結果の通り、実施例では保磁力Hc
が1850〜2050(Oe)以内、S/N比が19
(dB)以上となり、Cpも1.3を超え磁気特性のバ
ラツキが抑えられたとともに、安定して磁気記録媒体を
製造できるようになった。一方、比較例では、Rmax
/Raが10未満による磁気ヘッドと磁気記録媒体との
間で吸着が発生し、CSS耐久性が良好でないばかりで
なく、Rmax及び/又はRaが大きいことにともなう
保磁力(Oe)、S/N比(dB)の各磁気記録媒体に
おける磁気特性のバラツキが大きくなり、安定した磁気
記録媒体が製造できないことがわかる。
【0077】実施例5〜11、比較例5〜9 次に、研磨条件を変化させて、ガラス基板の表面粗さを
変化させ、また、第1下地層2の平均膜厚を1nm、凹
凸形成層の表面粗さ(Rmax)を24nmにした他
は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製し、これ
らを実施例5〜11及び比較例5〜9として、それぞれ
の場合について、ガラス基板主表面の表面粗さRa(n
m)、Rmax(nm)、Rq(nm)、Rmax/R
a、磁性層の平均結晶粒径(nm)、S/N比(d
B)、ヘッドクラッシュの有無等を表にまとめて図3に
示した。
【0078】実施例5の磁気記録媒体の磁性層の平均結
晶粒径を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて表面観察
による計測したところ、下地層の結晶粒そのまま反映さ
れており、その粒径は11nmであり、また、磁性結晶
粒の結晶粒径の分布を調べたところ、最も多く分布する
粒径の点からの半値幅は20nm以下という結晶粒径の
そろった磁性層を得ることができた(尚、この磁性結晶
粒の結晶粒径の分布については、 IEEE Tran
zaction on Magnetics.VOL.
32,NO.5「Microstructure/Ma
gneticProperty Relationsh
ips in CoCrPt Magnetic Th
in Films/Mary Doerner」」の論
文等に掲載されているTEMによる磁性結晶粒径分布と
同様の測定により、Number of Grains
をフ゜ロットし、そのNumber of Grain
sの最高値からの半値幅で結晶粒径の分布の度合いを評
価した。)。また、この得られた磁気記録媒体の磁気特
性と記録再生特性を測定したところ、保磁力が2300
Oe、S/N比が24.7dBという良好な磁気記録
媒体が得られた。また、荷重3gの70%ヘット゛スラ
イタ゛ーを用いた10万回のCSS耐久試験において
も、磁気記録媒体と磁気ヘット゛との間で吸着現象は起
こらず、またヘット゛クラッシュも発生することなく、
高CSS耐久性を有する磁気記録媒体が得られた。
【0079】尚、保磁力(Hc)の測定は、製造した磁
気記録媒体から8mmφの試料を切り出して膜面方向に
磁場を印加し、振動試料型磁力計により最大外部印加磁
場10kOeで測定した。
【0080】また、記録再生特性(S/N比)の測定は
次のようにして行った。即ち、得られた磁気ディスクを
用いて、磁気ヘッド浮上量が0.055μmのMR(磁
気抵抗効果型)ヘッドを用い、MRヘッドと磁気ディス
クの相対速度を9.6m/sで線記録密度120kfc
i(1インチあたり120000ビットの線記録密度)
における記録再生出力を測定した。また、キャリア周波
数23MHzで、測定帯域を26MHzとしてスペクト
ルアナライザーにより、信号記録再生時の媒体ノイズを
測定し、S/N比を算出した。本測定に用いたMRヘッ
ドは、書込み/読取り側にそれぞれトラック幅3.1/
2.4μm、磁気ヘッドギャップ長0.35/0.28
μmである。尚、以後に示す実施例及び比較例における
表面粗さ、結晶粒径、保磁力、S/N比の測定は上述の
方法で行った。尚、実施例6〜11及び比較例5〜9に
おける磁気記録媒体の保磁力を測定したが、2000
(Oe)以上という高い保磁力を有していた。
【0081】比較例5、7では、ガラス基板の表面粗さ
Raが1.0nmより大きくなったこと及び/又はRq
が1.5nmより大きくなったことに起因してその上に
形成される下地層の結晶粒径が不規則かつ異常成長して
大きくなったことによって、磁性層の結晶粒径が大き
く、ばらつきが発生し、S/N比が低下したものと思わ
れる。
【0082】比較例6では、ガラス基板の表面粗さRm
axが15.0nmより大きくなったことにより、それ
が磁気ディスク表面に影響されるため、磁気ヘッドの低
浮上走行が実現できず、記録再生特性が悪化するばかり
か、異常な結晶粒成長によるS/N比の悪化とヘッドク
ラッシュが発生してしまうので好ましくない。
【0083】比較例8では、ガラス基板の表面粗さRm
axが大きいことによる磁気ヘッドの低浮上走行が実現
しないこと、また、RaとRmaxとの差が大きいこと
に起因してその上に形成される磁性層の結晶粒径が局所
的に異常成長したことによるS/N比の悪化や、異常突
起にともなうヘッドクラシュが発生してしまい好ましく
ない。
【0084】比較例9では、上述の比較例5〜8の場合
と同様に、磁性層の結晶粒径が大きくなったことや結晶
粒径のばらつきによるS/N比の悪化と、磁気ヘッドの
低浮上走行が実現できず、またヘッドクラシュが発生し
てしまうので好ましくない。
【0085】尚、実施例6〜10についても実施例5と
同様に、磁性層結晶粒の結晶粒径の分布を測定したとこ
ろ、実施例5と同様の結果となり、結晶粒径のそろった
磁性層が形成されていた。また、比較例5〜9の磁性層
結晶粒の結晶粒径の分布を測定したことろ、結晶粒径が
ばらばらであった。
【0086】以上の結果から、磁気特性及び、記録再生
特性が良好で且つ、ヘッドクラッシュが発生しない信頼
性の極めて高い磁気記録媒体を得るためには、ガラス基
板の表面粗さをRmax≦15nm、Ra≦1nm、R
q≦1.5nmにすることが必要である。好ましくはガ
ラス基板の表面粗さを、Rmax≦10nm、Ra≦
0.5nm、Rq≦0.7nm、さらに好ましくは、R
max≦5nm、Ra≦0.3nm、Rq≦0.4nm
にすることが望ましい。
【0087】また、同様に信頼性の極めて高い磁気記録
媒体を得るためには、ガラス基板の表面粗さをRmax
≦15nm、Ra≦1nm、Rmax/Ra≦30に
し、磁性層の平均結晶粒径を5〜30nmにしなければ
ならないことがわかる。好ましいガラス基板の表面粗さ
はRmax≦10nm、Ra≦0.5nm、さらに好ま
しくは、Rmax≦5nm、Ra≦0.3nmにするこ
とが望ましい。
【0088】実施例12〜15及び比較例9〜13 次に、ガラス基板表面粗さの凹凸形成層4に対する影響
を調べるために凹凸形成層4の膜厚を変えた磁気記録媒
体を作製し、これらを実施例12〜15及び比較例9〜
13とした。すなわち、上述の実施例5のガラス基板を
使用し、凹凸形成層の平均膜厚を5nm(実施例5)、
6.5nm(実施例12)、6nm(実施例13)、
4.5nm(実施例14)、4nm(実施例15)と変
化させた他は実施例5と同様に磁気記録媒体を作製し
た。
【0089】次に、本発明の範囲から外れている例とし
て比較例5のガラス基板を使用し、凹凸形成層4の平均
膜厚を5nm(比較例9)、6.5nm(比較例1
0)、6nm(比較例11)、4.5nm(比較例1
2)、4nm(比較例13)と変化させた他は実施例1
と同様に磁気記録媒体を作製した。
【0090】これら得られた磁気記録媒体の凹凸形成層
4の平均膜厚(nm)、凹凸形成層4の表面粗さ(Rm
ax)及び凹凸形成層4の表面の(Rq/Ra)の値を
表にしてそれぞれ図4及び図5に示し、また、それぞれ
について凹凸形成層4の平均膜厚(nm)とその表面粗
さ(Rmax)との関係をグラフにして図6及び図7に
示す。
【0091】これらの結果から判るように、実施例のガ
ラス基板では、凹凸形成層の膜厚と表面粗さがほぼ直線
関係にあるので、高いCSS耐久性を得るための表面粗
さの制御が容易にでき、かつ信頼性の高い磁気記録媒体
が得られるのに対し、表面粗さが大きいガラス基板(比
較例)では、凹凸形成層の膜厚と表面粗さの関係がばら
ばらであるので、凹凸形成層の表面粗さを制御すること
は極めて困難であるばかりでなく、信頼性に乏しい。ま
た、凹凸形成層の表面粗さの比(Rq/Ra)について
各実施例、比較例をみると、基板の表面粗さのばらつき
による凹凸形成層の異常突起、表面粗さのばらつきが発
生し、実施例のものについては基板表面あらさが良好で
あるため、凹凸形成層については、Rq/Ra≦1.5
となりそのときヘッドクラッシュは発生していないが、
比較例のものについては、基板表面粗さのばらつきや、
異常突起により、Rq/Ra>1.5となり、そのとき
ヘッドクラッシュが発生していることがわかる。
【0092】尚、ここでは示さないが、上述の実施例6
〜11、比較例6〜8に示すガラス基板についても、上
記と同様にカ゛ラス基板の表面粗さの影響による、凹凸
形成層の膜厚と表面粗さ、ばらつき及びヘッドクラッシ
ュの関係を調べたが、実施例6〜11については上述の
図4の表及び図6のグラフに示される傾向と同様の傾向
が見られ、また、比較例6〜8については上述の図5の
表及び図7のグラフに示される傾向と同様の傾向が見ら
れた。従って、本発明のカ゛ラス基板を用いることによ
り、凹凸形成層の表面粗さを容易に精度良く制御でき、
かつ表面粗さのばらつきも抑えられるので、信頼性の高
い磁気記録媒体が得られることがわかる。
【0093】実施例16〜20、比較例14、15及び
比較例16 次に、凹凸形成層の膜厚とスパッタ条件を適宜調整し
て、凹凸形成層の表面粗さ(Rmax)を9nm(比較
例14)、10nm(実施例16)、20nm(実施例
17)、30nm(実施例18)、40nm(実施例1
9)、50nm(実施例20)、55nm(比較例1
5)と変化させた他は、実施例5のガラス基板を用い、
実施例5と同様にして磁気記録媒体を作製した。また、
上述の比較例2のガラス基板に表面粗さ(Rmax)が
10nmの凹凸形成層を形成させた他は、実施例5と同
様にして磁気記録媒体を作製した。その時の凹凸形成層
の表面粗さとCSS耐久性及びヘッドクラッシュの特性
を表にして図8に示す。
【0094】上述の結果から判るように、凹凸形成層の
表面粗さが10nmより小さい場合、磁気ヘッドと磁気
記録媒体が吸着してしまい、高いCSS耐久性が得られ
なかった。また、比較例16のように表面粗さRmax
が大きいガラス基板を使用した場合、ガラス基板表面に
ある異常突起により凹凸形成層の表面粗さの突起もそれ
に起因して増長する。従って、図7の表に示すように、
異常突起によるヘッドクラッシュが発生して、磁気ヘッ
ドばかりでなく、磁気ディスクにも致命的な損傷を受け
るので好ましくない。また、比較例15においては、表
面粗さRmaxが大きいことによる磁気ヘッドの低浮上
走行が実現できないので、高密度記録再生には不適切で
ある。
【095】実施例21、比較例17 上述の実施例では、凹凸形成層を形成させて磁気ディス
ク表面に凹凸を形成させた磁気ディスクを挙げたが、凹
凸形成層を設けず、上述の実施例に用いたガラス基板の
極めて高い平滑性、平坦性をそのまま磁気ディスク表面
に反映させて、例えば、接触型磁気ディスクドライブ用
の磁気ディスクとしても使用可能である。以下にその接
触型磁気ディスクの例をガラス基板として実施例5のガ
ラス基板を用いた場合を実施例21とし、ガラス基板と
して比較例5のガラス基板を用いた場合を比較例17と
して掲げる。
【0096】図9は実施例21及び比較例9の膜構成を
示す図である。図9に示すように、これらの磁気記録媒
体は、ガラス基板1の上に、順次、第1下地層2(A
l;平均膜厚5nm)、第2下地層3(Cr;平均膜厚
50nm)、第3下地層50(CrMo;Cr:94a
t%、Mo:6at%、平均膜厚30nm)、磁性層6
(CoCrPtTa;Co:78at%、Cr:13a
t%、Pt:6at%、Ta:3at%、平均膜厚24
nm)、保護層7(カーボン;平均膜厚15nm)及び
潤滑層8(パーフルオロポリエーテル液体潤滑層;平均
膜厚1nm)が形成されたものである。
【0097】この実施例及び比較例も上述の実施例及び
比較例とほぼ同様の結果が得られた。すなわち、実施例
5のガラス基板を用いた実施例21の磁気ディスクの場
合、ガラス基板上に形成された下地層、磁性層を構成す
る結晶粒が良好となり、保磁力が2400 Oe、S/
N比が24.5dBという磁気特性、記録再生特性良好
な接触型磁気ディスクが得られる。一方、基板表面状態
の悪い比較例9のガラス基板を用いた比較例16の磁気
ディスクの場合、ガラス基板上に形成された下地層、磁
性層を構成する結晶粒の粒径にばらつきが発生し、また
粒径も大きくなるのでS/N比が21.0dBと悪化し
て、記録再生特性の悪い結果となった。
【0098】上述の実施例では、インライン型連続スパ
ッタリング装置を使用して磁気ディスクを製造した例を
示したが、静置対向型のスパッタリング装置を使用する
場合でも同様の結果が得られる。また、上述の実施例で
は、凹凸形成層をAl/Cr下地層の上に設けたが、下
地層を介さずガラス基板表面に直接形成させてもよい。
図10は下地層を介さずガラス基板表面に直接凹凸形成
層を設けた例を示す図である。図10に示されるよう
に、この磁気記録媒体は、ガラス基板1の上に、順次、
凹凸形成層4、Cr層51aとCrMo層51bとから
な下地層51、磁性層6、保護層7及び潤滑層8が形成
されたものである。
【0099】凹凸形成層を構成する低融点金属材料は、
Al、Ti、Cr、Ag、Nb、Ta、Bi、Si、Z
r、Cu、Ce、Au、Sn、Pd、Sb、Ge、M
g、In、W、Pb等の金属やそれらの合金、又はそれ
らの金属もしくは合金の酸化物、窒化物、炭化物等から
選ばれる材料であることが望ましい。特に好ましい材料
としては、Al単体や、Al合金、酸化Al、窒化Al
といったAlを主成分とするものである。Al、窒化A
lが最も良い。
【0100】凹凸形成層の形状は、連続したテクスチャ
ー膜であっても、離散的に分布した島状突起であっても
よい。
【0101】また、凹凸形成層をランディングゾーンに
のみ形成させたものや、リードライトゾーンは平滑性を
もたせ、ランディングゾーンの表面粗さを粗くした所謂
ゾーンテクスチャーとすることも可能である。また、使
用するドライブの種類に応じて、凹凸形成層を省略する
こともできる。
【0102】本発明で使用するガラス基板としては、表
面強化ガラス基板、結晶化ガラス基板などが挙げられ、
具体的には、アルミノシリケートガラス、アルミノボロ
シリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラ
ス、ソーダライムガラス、オキシナイトライドガラスな
どが挙げられる。またガラスと同様の性質を有するもの
として、セラミック基板、ガラスセラミック基板、シリ
コン基板、カーボン基板などの非金属基板が挙げられ
る。
【0103】なお、本発明のガラス基板は、上述した磁
気ディスクだけでなく、光ディスク、光ディスク用基板
としても有用である。
【0104】第1下地層2としては、Alの外にも、G
e、Ga、Zr、Ti等を主たる成分とするものを用い
ることができる。また、第2下地層3としてはCr単体
に限らず、Crを主たる成分に含む合金等であってもよ
い。
【0105】さらに、第3下地層5としては、Cr層5
aの上に形成されるCrMo層5bの代わりに、Cr、
Mo、Zr、B、Si、Zn、Ti、W、V、Ta、A
lから選ばれる少なくとも1種以上の元素を主たる成分
とする1層以上の層によって構成してもよい。
【0106】なお、第1下地層2をAlとし、第2下地
層3をCrとすることが各層の結晶成長の制御の上で好
ましい。これによれば、その上に形成される低融点金属
薄膜である凹凸形成層4の凹凸もばらつきなく高精度に
制御できると共に、ガラス基板の有する特性との相乗効
果により低いヘッド浮上量を実現することができ、再生
出力を高くすることができる。
【0107】磁性層6としては、CoCrPtTaの外
に、CoPt、CoCr、CoNi、CoPtCr、C
oCrTa、CoNiCr、CoNiPt、CoNiC
rTa、CoNiCrPt、CoCrPtTaNb、C
oCrPtTaZr、CoCrPtTaSiOなどのC
o系合金や、フェライト系、鉄−希土類系などの磁性材
料により構成してもよい。また、磁性層を非磁性膜(例
えば、Cr、CrMo、CrV等)で分割してノイズの
低減を図った多層膜としてもよい。例えば、CoCrP
tTa/CrMo/CoCrPtTa、CoPtCr/
CrMo/CoPtCr(「/」の左側が基板に近い層
である)等の層構成にしてもよい。
【0108】また、実施例では、保護層7をカーボン保
護層の単層で構成した例を示したが、これに限られるこ
となく、このカーボン保護層と磁性層との間に、Cr、
Mo、Ti、TiW、CrMo、Ta、W、Si、Ge
等の非磁性材料、あるいはこれらの合金、酸化物、窒化
物、炭化物等を介在させてもよい。また、カーボン保護
層の代わりに、テトラアルコキシランをアルコール系溶
媒で希釈した中にコロイダルシリカ微粒子を分散して塗
布し、さらに焼成して酸化珪素(SiO)膜を形成さ
せてもよい。この場合には保護層と凹凸形成層の両方の
機能を果たすことができる。
【0109】潤滑層8の材料としては、パーフルオロポ
リエーテルの外に、フルオロカーボン系の液体潤滑剤
や、スルホン酸のアルカリ金属塩からなる潤滑剤を用い
ることもできる。その膜厚は0.5〜2nmであること
が望ましい。その理由は0.5nm未満であると耐摩耗
性の確保が十分でなくなり、また、2nmを越えるとそ
れ以上にしても耐摩耗性が向上することがないばかりで
なく吸着の問題が生ずるからである。尚、保護層自体に
潤滑効果がある場合、潤滑層を省略することも可能であ
る。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、ガラス
基板の表面粗さ及びばらつきを所定の範囲におさえ、そ
の上に形成される下地層、磁性層の結晶粒を均一にした
もので、これにより、磁気特性良好で且つ高密度記録再
生可能な磁気記録媒体及びその製造方法を得ているもの
であり、また、ガラス基板の表面粗さ(Rmax、R
a)及びそれらRmaxとRaとの関係(Rmax/R
a)を所定の範囲におさえることによって、安定且つ、
良好な磁気特性と、高密度記録再生可能な磁気記録媒体
及びその製造方法を得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る磁気記録媒体の構成を
示す部分断面図である。
【図2】本発明の実施例1〜4及び比較例1〜4の特性
等を表にして示す図である。
【図3】本発明の実施例5〜11及び比較例5〜9の特
性等を表にして示す図である。
【図4】本発明の実施例5、実施例12〜15の凹凸形
成層の特性等を表にして示す図である。
【図5】本発明の比較例9〜13の凹凸形成層の特性等
を表にして示す図である。
【図6】本発明の実施例5、実施例12〜15の凹凸形
成層の平均膜厚とRmaxとの関係をグラフにして示す
図である。
【図7】本発明の比較例9〜13の凹凸形成層の平均膜
厚とRmaxとの関係をグラフにして示す図である。
【図8】本発明の実施例14〜20及び比較例15〜1
6の特性等を表にして示す図である。
【図9】本発明の実施例21及び比較例17の膜構成を
示す図である。
【図10】本発明の実施例の変形例の膜構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…第1下地層、3…第2下地層、4
…凹凸形成層、5…第3下地層、6…磁性層、7…保護
層、8…潤滑層。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板主表面の表面粗さがRmax
    ≦15nm、Ra≦1nm、Rq≦1.5nm(但し、
    Rqは二乗平均平方根粗さ(=RMS)である)である
    ことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。
  2. 【請求項2】 前記ガラス基板主表面の表面粗さがRm
    ax≦10nm、Ra≦0.5nm、Rq≦0.7nm
    であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体
    用ガラス基板。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基板主表面の表面粗さがRm
    ax≦5nm、Ra≦0.3nm、Rq≦0.4nmで
    あることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用
    ガラス基板。
  4. 【請求項4】 前記ガラス基板主表面の表面粗さの比
    (Rmax/Ra)が30以下であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の情報記録媒体用ガ
    ラス基板。
  5. 【請求項5】 ガラス基板上に少なくとも磁性層を含む
    薄膜を有する磁気記録媒体において、前記ガラス基板と
    して、請求項1ないし4に記載の情報記録媒体用ガラス
    基板を用いることを特徴とした磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記薄膜は、前記ガラス基板の表面粗さ
    を制御することによって、ほぼ均一な結晶粒から構成さ
    れてなり、該結晶粒の平均結晶粒径が5〜30nmであ
    ることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 ガラス基板上に少なくとも磁性層を含む
    薄膜を有する磁気記録媒体において、前記ガラス基板主
    表面の表面粗さがRmax≦15nm、Ra≦1nm、
    表面粗さの比(Rmax/Ra)が30以下であり、前
    記薄膜が前記ガラス基板の表面粗さを制御することによ
    って、ほぼ均一な結晶粒から構成されてなり、該結晶粒
    の平均結晶粒径が5〜30nmであることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記ガラス基板主表面の表面粗さがRm
    ax≦10nm、Ra≦0.5nm、表面粗さの比(R
    max/Ra)が30以下であることを特徴とする請求
    項7に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記ガラス基板主表面の表面粗さがRm
    ax≦5nm、Ra≦0.3nm、表面粗さの比(Rm
    ax/Ra)が30以下であることを特徴とする請求項
    7に記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記薄膜の結晶粒を、1ミクロン平方
    に存在する結晶粒径分布について測定したとき、該薄膜
    の結晶粒径が最も多く分布する点における半値幅が20
    nm以下であることを特徴とする請求項5ないし9のい
    ずれかに記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記薄膜は前記ガラス基板と前記磁性
    層との間に、下地層が形成されていることを特徴とする
    請求項5ないし10のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記ガラス基板と前記磁性層との間
    に、低融点金属からなる凹凸形成層が形成されているこ
    とを特徴とする請求項5ないし11のいずれかに記載の
    磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記凹凸形成層の表面粗さの比Rq/
    Raが1.5以下であることを特徴とする請求項12に
    記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記凹凸形成層の表面粗さがRmax
    で10〜50nmであることを特徴とする請求項12又
    は13に記載の磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 円盤状ガラス基板をラッピングする工
    程と、その工程後、前記ガラス基板の表面粗さがRma
    x≦15nm、Ra≦1nm、Rq≦1.5nm(但
    し、Rqは二乗平均平方根粗さ(=RMS))となるよ
    うに予め選定された粒径の研磨砥粒を含む研磨液を用い
    て鏡面研磨する工程と、を有することを特徴とする情報
    記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 円盤状ガラス基板をラッピングする工
    程と、その工程後、粒径1〜3μmの研磨砥粒を含む研
    磨液を用いて研磨する第1研磨工程と、粒径0.5〜2
    μmの研磨砥粒を含む研磨液を用いて研磨する第2研磨
    工程と、粒径0.5μm以下の研磨砥粒を含む研磨液を
    用いて研磨する第3研磨工程とを有することを特徴とす
    る情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第3工程に使用する研磨砥粒は、
    粒径0.2μm以下のコロイダルシリカ砥粒であること
    を特徴とする請求項16に記載の情報記録媒体用ガラス
    基板の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記請求項15ないし17のいずれか
    の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造さ
    れたガラス基板上に少なくとも磁性層を含む薄膜を、該
    薄膜を構成する結晶粒がほぼ均一な結晶粒から構成され
    てなり、該結晶粒の平均結晶粒径が5〜30nmになる
    ように成膜する薄膜形成工程を有することを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 ガラス基板の少なくとも磁性層を含む
    薄膜が形成される側の表面粗さがRmax≦15nm、
    Ra≦1nm、Rq≦1.5nmとなるようにするガラ
    ス基板表面処理工程と、前記ガラス基板主表面上に、前
    記薄膜を構成する結晶粒がほぼ均一な結晶粒から構成さ
    れてなり、該結晶粒の平均結晶粒径が5〜30nmにな
    るように成膜する薄膜形成工程とを有することを特徴と
    する磁気記録媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】 ガラス基板の少なくとも磁性層を含む
    薄膜が形成される側の表面粗さがRmax≦15nm、
    Ra≦1nm、表面粗さの比(Rmax/Ra)を30
    以下となるようにするガラス基板表面処理工程と、前記
    ガラス基板主表面上に前記薄膜を構成する結晶粒がほぼ
    均一な結晶粒から構成されてなり、該結晶粒の平均結晶
    粒径が5〜30nmになるように成膜する薄膜形成工程
    とを有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  21. 【請求項21】ガラス基板主表面の表面粗さがRmax
    ≦15nm、Ra≦1.3nm、Rmax/Ra≧10
    であることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。
  22. 【請求項22】前記ガラス基板主表面の表面粗さがRm
    ax≦10nm、Ra≦0.8nm、Rmax/Ra≧
    10.5であることを特徴とする請求項21に記載の情
    報記録媒体用ガラス基板。
  23. 【請求項23】ガラス基板上に少なくとも磁性層を含む
    薄膜を有する磁気記録媒体において、前記ガラス基板と
    して、請求項21又は22に記載の情報記録媒体用ガラ
    ス基板を用いることを特徴とした磁気記録媒体。
  24. 【請求項24】請求項21又は請求項22記載の情報記
    録媒体用ガラス基板を用意する工程と、前記ガラス基板
    上に少なくとも磁性層を含む薄膜を形成する工程と、を
    有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  25. 【請求項25】前記薄膜はインライン型連続スパッタリ
    ング法により形成するものであることを特徴とする請求
    項24に記載の磁気記録媒体の製造方法。
JP35720597A 1996-12-27 1997-12-25 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3554476B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35720597A JP3554476B2 (ja) 1996-12-27 1997-12-25 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法
JP36177499A JP3600767B2 (ja) 1997-12-25 1999-12-20 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-351317 1996-12-27
JP35131796 1996-12-27
JP35720597A JP3554476B2 (ja) 1996-12-27 1997-12-25 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36177499A Division JP3600767B2 (ja) 1997-12-25 1999-12-20 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10241144A true JPH10241144A (ja) 1998-09-11
JP3554476B2 JP3554476B2 (ja) 2004-08-18

Family

ID=26579368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35720597A Expired - Lifetime JP3554476B2 (ja) 1996-12-27 1997-12-25 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3554476B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003173518A (ja) * 2001-09-28 2003-06-20 Hoya Corp 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び磁気記録媒体の製造方法
US6682833B1 (en) 1999-03-19 2004-01-27 Fujitsu Limited Magnetic recording medium and production process thereof
JP2004063062A (ja) * 2002-06-05 2004-02-26 Nippon Sheet Glass Co Ltd 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及びその製造方法で製造された情報記録媒体用ガラス基板
US7010939B2 (en) 2002-06-05 2006-03-14 Hoya Corporation Glass substrate for data recording medium and manufacturing method thereof
CN100419861C (zh) * 2004-07-12 2008-09-17 Tdk股份有限公司 磁记录媒体
JP2009123327A (ja) * 2008-12-24 2009-06-04 Hoya Corp 磁気ディスクの製造方法
JP2009176415A (ja) * 2009-04-30 2009-08-06 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP4524515B2 (ja) * 2000-07-10 2010-08-18 富士電機デバイステクノロジー株式会社 磁気ディスク用ガラス基板のプレス成形用金型の製造方法および磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
US8124258B2 (en) 2008-05-30 2012-02-28 The Furukawa Electric Co., Ltd. Glass substrate for magnetic disk
US8763428B2 (en) 2006-03-24 2014-07-01 Hoya Corporation Method for producing glass substrate for magnetic disk and method for manufacturing magnetic disk

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6682833B1 (en) 1999-03-19 2004-01-27 Fujitsu Limited Magnetic recording medium and production process thereof
JP4524515B2 (ja) * 2000-07-10 2010-08-18 富士電機デバイステクノロジー株式会社 磁気ディスク用ガラス基板のプレス成形用金型の製造方法および磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP2003173518A (ja) * 2001-09-28 2003-06-20 Hoya Corp 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び磁気記録媒体の製造方法
US7010939B2 (en) 2002-06-05 2006-03-14 Hoya Corporation Glass substrate for data recording medium and manufacturing method thereof
JP2004063062A (ja) * 2002-06-05 2004-02-26 Nippon Sheet Glass Co Ltd 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及びその製造方法で製造された情報記録媒体用ガラス基板
CN100419861C (zh) * 2004-07-12 2008-09-17 Tdk股份有限公司 磁记录媒体
US8763428B2 (en) 2006-03-24 2014-07-01 Hoya Corporation Method for producing glass substrate for magnetic disk and method for manufacturing magnetic disk
US9038417B2 (en) 2006-03-24 2015-05-26 Hoya Corporation Method for producing glass substrate for magnetic disk and method for manufacturing magnetic disk
US8124258B2 (en) 2008-05-30 2012-02-28 The Furukawa Electric Co., Ltd. Glass substrate for magnetic disk
JP2009123327A (ja) * 2008-12-24 2009-06-04 Hoya Corp 磁気ディスクの製造方法
JP4484160B2 (ja) * 2008-12-24 2010-06-16 Hoya株式会社 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP2009176415A (ja) * 2009-04-30 2009-08-06 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP4484162B2 (ja) * 2009-04-30 2010-06-16 Hoya株式会社 磁気ディスク用ガラス基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用ガラス基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3554476B2 (ja) 2004-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6277465B1 (en) Glass substrate for information recording medium
US10607647B2 (en) Magnetic disk substrate with specified changes in height or depth between adjacent raised or lowered portions and an offset portion on a main surface within a range of 92.0 to 97.0% in a radial direction from a center, a magnetic disk with substrate and magnetic disk device
US6544893B2 (en) Method of manufacturing a glass substrate for an information recording medium, and method of manufacturing an information recording medium
US6852010B2 (en) Substrate for an information recording medium, information recording medium using the substrate, and method of producing the substrate
US8029687B2 (en) Polishing slurry, production method of glass substrate for information recording medium and production method of information recording medium
JP3512702B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び情報記録媒体の製造方法
JP3359304B2 (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体及びそれらの製造方法
US20130287938A1 (en) Method of manufacturing magnetic-disk glass substrate and method of manufacturing magnetic disk
JP3554476B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法
JP3254157B2 (ja) 記録媒体用ガラス基板、及び該基板を用いた記録媒体
JP3639277B2 (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体、及びそれらの製造方法
JP4808985B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP3801568B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP3512703B2 (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び磁気記録媒体の製造方法
JPH07134823A (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体の製造方法
JP3616610B2 (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体及びそれらの製造方法
JP3600767B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板及びその製造方法並びに該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法
JP4860580B2 (ja) 磁気ディスク用基板及び磁気ディスク
JP4942305B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
US20030203244A1 (en) Magnetic recording medium and method of producing the same
JPH10194785A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び情報記録媒体の製造方法
JP3969717B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク
JPH10194786A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び情報記録媒体の製造方法
JP3766424B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
US20040238002A1 (en) Method of producing a glass substrate for a magnetic disk and method of producing a magnetic disk

Legal Events

Date Code Title Description
A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term