JP4808985B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ガラス基板を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、化学強化工程は、少なくとも2つの工程を有しており、第1工程においては、ガラス基板に含まれるイオンのイオン半径よりもイオン半径が大きい第1のイオンを含有する化学強化処理液とガラス基板とを接触させて、イオン交換をさせ、第2以降の工程おいては、2価イオンである第2以降のイオンを含有する処理液とガラス基板とを接触させることを特徴とするものである。
本発明は、構成1を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、第2以降のイオンは、Pb2+、Cd2+、Zn2+、Hg2+、Ca2+、Sr2+、または、Ba2+のいずれかであることを特徴とするものである。
本発明は、構成1、または、構成2を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、ガラス基板の主表面の微小うねりの最大値が、各辺が800μm及び980μmの矩形の測定範囲内において5nm未満であることを特徴とするものである。
本発明に係る磁気ディスクの製造方法は、構成1乃至構成3のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とするものである。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、まず、図1に示すように、板状ガラス1の主表面をラッピング(研削)処理してガラス母材2とし、このガラス母材2を切断してガラス基板3を切り出し、このガラス基板3の主表面に対し、少なくともポリッシング(研磨)処理を行う。
ガラス基板3の端面の鏡面研磨(端面ポリッシング工程)をしておくことが好ましい。ガラス基板3の端面は切断形状となっているので、この端面を鏡面にポリッシングしておくことにより、端面からのパーティクルの発生を抑制することができ、この磁気ディスク用ガラス基板を用いて製造された磁気ディスクにおいて、いわゆるサーマルアスペリティ障害を良好に防止することができるからである。また、端面が鏡面であれば、微小クラックによる遅れ破壊を防止できる。端面の鏡面状態としては、算術平均粗さ(Ra)で100nm以下の鏡面が好ましい。
後述するガラス基板3のポリッシング工程の前に、ラッピング処理(第2ラッピング工程)をしておくことが好ましい。このときのラッピング処理は、前述した板状ガラス1に対するラッピング処理と同様の手段により行うことができる。ガラス基板3をラッピング処理してからポリッシング処理を行うことにより、より短時間で、鏡面化された主表面を得ることができる。
ガラス母材2から切り出されたガラス基板3に対してポリッシング処理を施し、ガラス基板3の主表面を鏡面化する。
ガラス基板3のポリッシング工程の前及び/又は後の化学強化工程において、化学強化処理を施す。化学強化処理を行うことにより、磁気ディスク用ガラス基板の表面に高い圧縮応力を生じさせることができ、耐衝撃性を向上させることができる。特に、ガラス基板3の材料としてアルミノシリケートガラスを用いている場合には、好適に化学強化処理を行うことができる。
図2は、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法における化学強化工程を示す側面図である。
化学強化工程の第2工程は、前述した第1工程に続いて、ガラス基板3と第2の処理液とを接触させる。この第2の工程おいては、2価イオンである第2のイオンを含有する第2の処理液とガラス基板とを接触させる。
本発明に係る磁気ディスクの製造方法において、上述のようにして製造された磁気ディスク用ガラス基板上に形成される磁性層としては、例えば、コバルト(Co)系強磁性材料からなるものを用いることができる。特に、高い保磁力が得られるコバルト−プラチナ(Co−Pt)系強磁性材料や、コバルト−クロム(Co−Cr)系強磁性材料からなる磁性層として形成することが好ましい。なお、磁性層の形成方法としては、DCマグネトロンスパッタリング法を用いることができる。
以下に述べる本実施例における磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、以下の(1)乃至(7)の工程からなる。
(2)形状加工工程
(3)精ラッピング工程(精研削工程)
(4)端面鏡面加工(ポリッシング)工程
(5)第1研磨(ポリッシング)工程
(6)第2研磨(ポリッシング)工程
(7)化学強化工程(第1工程)
(8)化学強化工程(第2工程)
(9)洗浄工程
まず、アモルファスのアルミノシリケートガラスからなるディスク状のガラス母材を用意した。このアルミノシリケートガラスは、リチウムを含有している。このアルミノシリケートガラスの組成は、SiO2を、63.6重量%、Al2O3を、14.2重量%、Na2Oを、10.4重量%、Li2Oを、5.4重量%、ZnO2を、6.0重量%、Sb2O3を、0.4重量%含むものである。
溶融させたアルミノシリケートガラスから形成した厚さ0.6mmのシートガラスをガラス母材として用いて、このシートガラスから、研削砥石により、直径28.7mm、厚さ0.6mmの円盤状のガラス基板を得る。
次に、円筒状の砥石を用いて、ガラス基板の中央部分に直径6.1mmの孔を形成するとともに、外周端面の研削をして、直径を27.43mmとした後、外周端面及び内周端面に所定の面取り加工を施す。このときのガラス基板の端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度にする。
次に、砥粒の粒度を#1000に替え、ガラス基板の主表面をラッピングすることにより、主表面の表面粗さを、Rmaxで2μm程度、算術平均粗さ(Ra)で0.2μm程度とする。
次いで、ガラス基板の端面について、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながら、ガラス基板の端面(内周端面及び外周端面)の表面の粗さを、算術平均粗さ(Ra)で40nm程度に研磨する。
次に、前述した精ラッピング工程において残留した傷や歪みを除去するため、両面研磨装置を用いて、第1研磨(ポリッシング)工程を行う。
次に、第1研磨工程で使用した両面研磨装置と同様の両面研磨装置を用いて、ポリッシャを軟質研磨パッド(発泡ポリウレタン)に替えて、主表面の鏡面研磨工程として、第2研磨(ポリッシング)工程を実施する。
次に、洗浄を終えたガラス基板に対し、化学強化処理を施す。化学強化処理は、第1工程として、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムと硝酸リチウムとを混合させた化学強化塩を溶融させた化学強化溶融塩を第1の処理液(化学強化処理液)として用いて行う。
次に、化学強化工程の第1工程を終えたガラス基板に対し、化学強化工程の第2工程を施す。化学強化処理の第2工程は、第2のイオンである2価イオンとしてPb2+、Cd2+、Zn2+、Hg2+、Ca2+、Sr2+、または、Ba2+をそれぞれ含む処理液を第2の処理液として用いて行う。
化学強化工程を終えた磁気ディスク用ガラス基板を、20°Cの水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持する。
次に、以下の工程を経て、磁気ディスクを製造した。
2 ガラス母材
3 ガラス基板
4 第1の処理槽
5 第2の処理槽
Claims (4)
- ガラス基板を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
前記化学強化工程は、少なくとも2つの工程を有しており、
第1工程においては、前記ガラス基板に含まれるイオンのイオン半径よりもイオン半径が大きい第1のイオンを含有する化学強化処理液とガラス基板とを接触させて、イオン交換をさせ、
第2以降の工程おいては、2価イオンである第2以降のイオンを含有する処理液とガラス基板とを接触させる
ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 前記第2以降のイオンは、Pb2+、Cd2+、Zn2+、Hg2+、Ca2+、Sr2+、または、Ba2+のいずれかである
ことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 前記ガラス基板の主表面の微小うねりの最大値は、各辺が800μm及び980μmの矩形の測定範囲内において、5nm未満である
ことを特徴とする請求項1、または、請求項2記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成する
ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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