JP5032758B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

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本発明は、磁気ディスク装置であるハードディスクドライブ(HDD)に用いられる磁気ディスク用ガラス基板を製造する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及びこの磁気ディスク用ガラス基板を用いて磁気ディスクを製造する磁気ディスクの製造方法に関する。
今日、情報記録技術、特に、磁気記録技術は、いわゆるIT産業の発達に伴って飛躍的な技術革新が要請されている。そして、コンピュータ用ストレージとして用いられる磁気ディスク装置であるハードディスクドライブ(HDD)に搭載される磁気ディスクにおいては、磁気テープやフレキシブルディスクなどの他の磁気記録媒体と異なり、急速な情報記録密度の増大化が続けられている。パーソナルコンピュータ装置に収納することのできる情報容量は、このような磁気ディスクの情報記録密度の増大に支えられて、飛躍的に増加している。
このような磁気ディスクは、ガラス基板やアルミニウム系合金ディスク基板などの基板上に、磁性層等が成膜されて構成されている。特に、近年においては、ハードディスクドライブを携帯用機器(いわゆる「ノート型パーソナルコンピュータ装置」など)に搭載する要求が高まったことに伴い、高強度、かつ、高剛性であって高い耐衝撃性を有するガラス基板を用いた磁気ディスクが注目されている。
そして、ハードディスクドライブにおいては、高速回転される磁気ディスク上に磁気ヘッドを浮上飛行させながら、この磁気ヘッドにより、磁性層に対し磁化パターンとして情報信号を記録し、また、再生を行なう。ガラス基板を用いた磁気ディスクにおいては、平滑な表面が得られるので、磁気ヘッドの浮上量を狭隘化することが可能であり、高い情報記録密度を実現することができる。つまり、ガラス基板を用いることにより、磁気ヘッドの低浮上量対応性に優れた磁気ディスクを作製することができる。
一方、磁気ディスクにおける情報記録容量を増大させるためには、この磁気ディスクにおいて情報信号の記録がなされない無駄な領域の面積を小さくすることが必要である。そこで、ハードディスクドライブの起動停止方式として、従来より用いられているCSS方式(「コンタクトスタートストップ(Contact Start Stop)方式」)に代えて、情報記録容量の増大が可能なLUL方式(「ロードアンロード(Load Unload)方式」、別名「ランプロード方式」ともいう。)の導入が進められている。
CSS方式においては、磁気ディスクの非使用状態(停止状態)において磁気ヘッドが載置されるCSSゾーンを磁気ディスク上に設ける必要があり、このCSSゾーンには情報信号の記録ができないため、その分、磁気ディスクにおいて情報信号の記録がなされる領域の面積が減少する。
これに対し、LUL方式においては、磁気ディスクの非使用状態(停止状態)においては、磁気ヘッドは磁気ディスクの外周側に移動され磁気ディスク上より退避されて支持されるので、磁気ディスク上にCSSゾーンのような情報信号の記録ができない領域を設ける必要がなく、磁気ディスクにおいて情報信号の記録がなされる領域の面積を最大限確保することができる。
また、LUL方式においては、CSS方式と異なり、磁気ヘッドと磁気ディスクとが接触することがないので、磁気ディスク上にCSSゾーンにおけるような吸着防止用の凸凹形状を設ける必要がなく、磁気ディスクの主表面を極めて平滑化することが可能となる。したがって、LUL方式用の磁気ディスクにおいては、CSS方式用の磁気ディスクに比較して、磁気ヘッドの浮上量を一段と狭隘化させることができ、記録信号のS/N比(Signal Noise Ratio)の向上を図ることができ、高記録密度化が図られるという利点もある。
このような、LUL方式の導入に伴う磁気ヘッド浮上量の非連続的な一段の狭隘化により、近年においては、10nm未満の極狭な浮上量においても、磁気ヘッドが安定して動作することが求められるようになってきた。
ところで、磁気ディスク用ガラス基板は、研磨処理、洗浄処理等の複数の工程を経て製造されている。磁気ディスク用ガラス基板の表面に異物等が存在すると、磁気ディスク、あるいは、ハードディスクドライブの信頼性が低下し、場合によってはグライドヒットやクラッシュなどの障害が生ずる虞れもあるので、磁気ディスク用ガラス基板の表面は、平滑、かつ、清浄でなければならない。
そこで、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程においては、洗浄処理及び乾燥処理を含むものとなっている。磁気ディスク用ガラス基板の製造工程中における洗浄処理及び乾燥処理としては、例えば、特許文献1に記載されているように、IPA(イソプロピルアルコール)により洗浄を行い、IPA蒸気により乾燥を行う技術が記載されている。
そして、磁気ディスクの製造においては、この磁気ディスク用ガラス基板上に、スバッタリング成膜等の方法により、磁性層等の薄膜を成膜して、磁気ディスクを製造する。
特開2002−083416公報
ところで、近年の磁気ディスクにおいては、前述したように、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間のスペーシングロスを改善し、記録信号のS/N比を向上させた結果、情報記録密度が1平方インチ当り40ギガビットを超えるまでに到っており、さらに、1平方インチ当り100ギガビットを超えるような超高記録密度をも実現されようとしている。
このように高い情報記録密度が実現できるようになった近年の磁気ディスクにおいては、従来の磁気ディスクに比較してずっと小さなディスク面積であっても、実用上十分な情報量を収納できるという特徴を有している。また、磁気ディスクは、他の情報記録媒体に比較して、情報の記録速度や再生速度(応答速度)が極めて敏速であり、情報の随時書き込み及び読み出しが可能であるという特徴も有している。
このような磁気ディスクの種々の特徴が注目された結果、近年においては、携帯用のいわゆるMP3プレーヤ、携帯電話装置、デジタルカメラ、携帯情報機器(例えば、PDA(personal digital assistant):パーソナルデジタルアシスタント)、あるいは、「カーナビゲーションシステム」などのように、パーソナルコンピュータ装置よりも筐体がずっと小さく、かつ、高い応答速度が求められる機器に搭載できる小型のハードディスクドライブが求められるようになってきている。
しかしながら、前述のように磁気ヘッド浮上量を狭隘化して超高記録密度化を図った場合には、フライスティクション障害が頻発する虞れがある。フライスティクション障害とは、磁気ディスク上を浮上飛行している磁気ヘッドが、浮上姿勢や浮上量に変調をきたす障害であり、不規則な再生出力変動の発生を伴うことが多い。また、浮上飛行中の磁気ヘッドが磁気ディスクに接触してしまういわゆるヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害を生じてしまうことがある。
このような障害を生ずることなく、磁気ディスクにおける超高記録密度化が可能になった背景の一つに、磁気ディスク用ガラス基板の平滑化が実現されていることが挙げられる、磁気ディスク用ガラス基板の表面は、原子間力顕微鏡で測定したときに、Ra(算術平均粗さ)で0.5nm以下、あるいは、Rmax(最大高さ)で5nm以下の平滑鏡面となされているので、磁気ヘッドのフライングハイトを10nm以下としても、問題なく記録再生できるのである。すなわち、磁気ディスク用ガラス基板は、表面を極めて平滑面に仕上げることができるので、磁気ヘッドの浮上量を狭隘化することができるのである。
また、磁気ディスク用ガラス基板の表面に、磁性層に磁気異方性を付与するテクスチャが形成されるようになってきたことも、高記録密度化が実現された一つの理由である。このようなテクスチャが表面に形成された磁気ディスク用ガラス基板は、磁性層に優れた磁気異方性を付与できるので、高記録密度化が実現できるのである。
ところが、このような磁気ディスク用ガラス基板において、以下の問題が生じた。すなわち、磁気ディスク用ガラス基板を製造し、磁気ディスクを製造した場合に、必ずしも、所期の性能が得られない場合があった。すなわち、磁気ヘッドのグライドハイトを十分に狭隘化することができなかったり、磁性層における磁気異方性にばらつきを生じることがあった。
これは、磁気ディスク用ガラス基板の表面に異物が付着し、この異物によりガラスが改質することによる劣化(いわゆるヤケ)が生じているものと考えられ、また、テクスチャが形成されていることにより、磁気ディスク用ガラス基板の表面部の状態の不安定さが増大されている可能性もある。さらには、テクスチャの形成時に、有機物が付着した場合に、テクスチャが形成されているがゆえに十分な洗浄ができず、この付着物によって劣化が生ずることも考えられる。
そこで、本発明は、前述のような実情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、磁気ディスク用ガラス基板を製造し、磁気ディスクを製造するときに、所期の性能が得られ、磁気ヘッドのグライドハイトを十分に狭隘化することができる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することにある。、
また、本発明の第2の目的は、磁性層に良好な磁気異方性が付与された磁気ディスクの製造を可能とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、このような磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造される磁気ディスク用ガラス基板を用いることにより良好な特性を有する磁気ディスクを製造することができる磁気ディスクの製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく研究を進めた結果、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程中の洗浄処理及び乾燥処理において使用されるアルコール中に含有される水分量と、グライドヒットとの間に一定の関係があるとの知見を得た。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものであり、洗浄処理及び乾燥処理に供されるアルコール中の含水量を所定値以下とすることにより、磁気ディスク用ガラス基板の表面の清浄度が向上し、ひいては、低グライドハイトの磁気ディスクを提供できるものである。
すなわち、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、以下の構成の少なくとも一を有するものである。
〔構成1〕
表面の洗浄処理及び乾燥処理を含み、磁気ヘッドの浮上高さが10nm以下のLUL方式の磁気ディスク装置に用いられる基板を製造する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、洗浄処理は、少なくとも、純水、または、水を主成分とする水溶液による洗浄と、その後、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とし、かつ、含水量が1.0重量%以下である液体を洗浄液として行う洗浄とを含み、乾燥処理は、少なくとも、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体の蒸気と磁気ディスク用ガラス基板とを接触させる脱水処理を含み、液体に含まれる水分によるガラス基板表面の改質を阻止すべく、液体に含まれる水分量1.0重量%以下とすることを特徴とするものである。
〔構成2〕
洗浄処理された磁気ディスク用ガラス基板の表面の乾燥処理を行うための水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体を作製し、この液体の蒸気を磁気ディスク用ガラス基板に供給する脱水処理を含み、磁気ヘッドの浮上高さが10nm以下のLUL方式の磁気ディスク装置に用いられる基板を製造する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、洗浄処理は、少なくとも、純水、または、水を主成分とする水溶液による洗浄と、その後、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とし、かつ、含水量が1.0重量%以下である液体を洗浄液として行う洗浄とを含み、液体の作製において、原料の少なくとも一部として脱水処理で使用済みの水溶性溶剤を再生して使用し、液体に含まれる水分によるガラス基板表面の改質を阻止すべく、液体に含まれる水分量1.0重量%以下とすることを特徴とするものである。
〔構成3〕
構成1、または、構成2を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、水溶性溶剤を主成分とする液体は、イソプロピルアルコールを主成分として含むものであることを特徴とするものである。
〔構成4〕
構成1乃至構成3のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、磁気ディスク用ガラス基板は、表面にテクスチャを有することを特徴とするものである。
〔構成
構成1乃至構成のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造した磁気ディスク用ガラス基板の主面部上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とするものである。
構成1を有する本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、乾燥処理は、少なくとも、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体の蒸気と磁気ディスク用ガラス基板とを接触させる脱水処理を含み、水溶性溶剤を主成分とする液体に含まれる水分量が1.0重量%以下となっているので、磁気ディスク用ガラス基板の洗浄及び乾燥が良好に行われ、ガラスが改質することによる劣化が防止される。
また、構成2を有する本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、洗浄処理された磁気ディスク用ガラス基板の表面の乾燥処理を行うために磁気ディスク用ガラス基板に蒸気として供給される水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体は、含まれる水分量が1.0重量%以下であるので、磁気ディスク用ガラス基板の洗浄及び乾燥が良好に行われ、ガラスが改質することによる劣化が防止される。
構成3を有する本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、水溶性溶剤を主成分とする液体は、イソプロピルアルコールを主成分として含むものであるので、磁気ディスク用ガラス基板の洗浄及び乾燥を容易に、かつ、良好に行うことができる。
また、構成4を有する本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、磁気ディスク用ガラス基板が表面にテクスチャを有するので、テクスチャがない場合に比較して、本発明による効果が一層顕著に発揮される。
そして、構成5を有する本発明に係る磁気ディスクの製造方法においては、構成1乃至構成4のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造した磁気ディスク用ガラス基板の主面部上に少なくとも磁性層を形成するので、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生が抑止された磁気ディスクを製造することができる。
すなわち、本発明は、磁気ディスク用ガラス基板を製造し、磁気ディスクを製造するときに、所期の性能が得られ、磁気ヘッドのグライドハイトを十分に狭隘化することができ、また、磁性層に良好な磁気異方性が付与された磁気ディスクの製造を可能とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することができるものである。
また、本発明は、このような磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造される磁気ディスク用ガラス基板を用いることにより良好な特性を有する磁気ディスクを製造することができる磁気ディスクの製造方法を提供することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、後述するように、複数の工程を経由して製造される磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。すなわち、この磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造される磁気ディスク用ガラス基板は、ガラスディスクの主表面に対して少なくとも研磨(ポリッシング)処理を行い、さらに、化学強化処理及びテクスチャ加工、洗浄処理及び乾燥処理を経て製造される。
(1)研磨処理
本発明においては、ガラスディスクに対して、少なくとも研磨処理を施し、ガラスディスクの主表面を鏡面化する。この研磨処理以降の工程は、クリーンルーム内で行うことが好ましい。
この研磨処理を施すことにより、ガラスディスクの主表面のクラックが除去され、主表面の表面粗さは、例えば、Rmaxで5nm以下、Raで0.4nm以下となされる。ガラスディスクの主表面がこのような鏡面となっていれば、このガラスディスクを用いて製造される磁気ディスクにおいて、磁気ヘッドの浮上量が、例えば、10nmである場合であっても、いわゆるクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止することができる。また、ガラスディスクの主表面がこのような鏡面となっていれば、後述する化学強化処理において、ガラスディスクの微細領域において均一に化学強化処理を施すことができ、また、微小クラックによる遅れ破壊を防ぐことができる。
この研磨処理は、例えば、ガラスディスクの主表面に、研磨パッド(研磨布)が貼り付けられた定盤を押圧させ、ガラスディスクの主表面に研磨液を供給しながら、これらガラスディスク及び定盤を相対的に移動させ、ガラスディスクの主表面を研磨することにより行われる。このとき、研磨液には、研磨砥粒を含有させておくとよい。研磨砥粒としては、コロイダルシリカ研磨砥粒、または、酸化セリウム砥粒を用いることができる。
なお、本発明においては、ガラスディスクを研磨する前に、研削処理をしておくことが好ましい。このときの研削処理は、前述した板状ガラスに対する研削処理と同様の手段により行うことができる。ガラスディスクを研削処理してから研磨処理を行うことにより、より短時間で、鏡面化された主表面を得ることができる。
また、本発明においては、ガラスディスクの端面において、主表面の周縁に沿った略々45°の面取り面を形成し、かつ、この端面を鏡面研磨しておくことが好ましい。ガラスディスクの端面は、面取り面が形成された部分の間の部分が切断形状となっているので、この端面を鏡面に研磨しておくことにより、パーティクルの発生を抑制することができ、この磁気ディスク用ガラス基板を用いて製造された磁気ディスクにおいて、いわゆるサーマルアスペリティ障害を良好に防止することができるからである。
図1は、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の研磨処理後の各工程を示すブロック図である。
そして、本発明においては、研磨処理をなされたガラスディスクを、洗浄処理及び乾燥処理する。乾燥処理においては、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体の蒸気とガラスディスクとを接触させる。このような水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体としては、IPA(イソプロピルアルコール)が好適である。
すなわち、本発明においては、図1に示すように、研磨処理をなされたガラスディスク1を、酸洗浄槽2、純水(1)洗浄槽3、中性洗剤洗浄槽4、純水(2)洗浄槽5及びIPA洗浄槽6に順次浸漬させて、超音波洗浄し、次に、IPA蒸気槽7においてIPAの蒸気によって脱水処理を行い、乾燥させる。
IPA洗浄槽6及びIPA蒸気槽7には、IPAタンク8からIPAが供給される。これらIPA洗浄槽6及びIPA蒸気槽7において使用されたIPAは、排タンク9に排出される。この排タンク9に送られたIPAは、脱水蒸留装置10において再生処理されて、IPAタンク8に戻される。そして、このIPAタンク8には、新たなIPA11が補充される。
IPAタンク8に補充される新たなIPA11の含水量(IPAに含まれる水分量)は、0.1重量%程度である。そして、本発明においては、IPAタンク8において作製されIPA洗浄槽6中のガラスディスクに供給されるIPAの含水量は、1重量%以下となっていることが好ましい。また、このIPAタンク8におけるIPAの含水量は、0.5重量%以下となっていることがより好ましい。また、IPA蒸気槽7に供給されるIPAの含水量も、1重量%以下となっていることがより好ましい。
なお、排タンク9におけるIPAの含水量は、5重量%程度となっている。脱水蒸留装置10において再生処理された後のIPAの含水量は、0.5重量%程度である。
(2)化学強化処理
そして、本発明においては、ガラスディスクの研磨工程の後に、化学強化処理を施す。化学強化処理を行うことにより、磁気ディスク用ガラス基板の表面に高い圧縮応力を生じさせることができ、耐衝撃性を向上させることができる。特に、ガラスディスクの材料としてアルミノシリケートガラスを用いている場合には、好適に化学強化処理を行うことができる。
本発明における化学強化処理としては、公知の化学強化処理方法を用いたものであれば、特に制限されない。ガラスディスクの化学強化処理は、例えば、加熱した化学強化塩に、ガラスディスクを接触させ、ガラスディスクの表層のイオンが化学強化塩のイオンでイオン交換されることによって行われる。
ここで、イオン交換法としては、低温型イオン交換法、高温型イオン交換法、表面結晶化法、ガラス表面の脱アルカリ法などが知られているが、本発明においては、ガラスの徐冷点を超えない温度領城でイオン交換を行う低温型イオン交換法を用いることが好ましい。
なお、ここでいう低温型イオン交換法は、ガラスの徐冷点以下の温度領域において、ガラス中のアルカリイオンをこのアルカリイオンよりもイオン半径の大きいアルカリイオンと置換し、イオン交換部の容積増加によってガラス表層に圧縮応力を発生させ、ガラス表層を強化する方法のことをさす。
なお、化学強化処理を行なうときの溶融塩の加熱温度は、イオン交換が良好に行われるという観点等から、280°C乃至660°C、特に、300°C乃至400°Cであることが好ましい。ガラスディスクを溶融塩に接触させる時間は、数時間乃至数十時間とすることが好ましい。
本発明における化学強化塩の材料としては、硝酸ナトリウム、及び/又は、硝酸カリウムを含有する化学強化塩材料であることが好ましい。このような化学強化塩は、ガラス、特に、アルミノシリケートガラスを化学強化処理したときに、磁気ディスク用ガラス基板としての所定の剛性及び耐衝撃性を実現することができるからである。
(3)テクスチャ加工
次に、本発明においては、ガラスディスクの主表面及び端面に対して、テクスチャ加工を施す。このテクスチャは、この磁気ディスク用ガラス基板上に少なくとも磁性層を形成したときに、磁性層に磁気異方性を付与する、例えば、線状凹凸のテクスチャである。
このテクスチャ加工においては、まず、ガラスディスクを、中央部分の円孔においてテクスチャ加工装置のチャッキング軸の先端側に装着する。このチャッキング軸は、先端側をガラスディスクの円孔に挿入して拡径させることにより、ガラスディスクを保持する。このチャッキング軸は、所定の回転速度によって軸回りに回転操作されるとともに、軸に直交する方向に所定の周囲及び振幅にて往復移動されるようになっている。
そして、このテクスチャ加工装置においては、一対の研磨テープが所定の速度で送り操作されるようになっている。これら研磨テープは、互いに重ね合わされた状態で、等しい速度で送り操作される。チャッキング軸に保持されたガラスディスクは、主表面となる部分を、送り操作される一対の研磨テープの間に挿入される。そして、これら研磨テープは、加圧ローラにより、ガラスディスクの両面側の主表面に対してそれぞれ所定の圧力にて押接される。すなわち、ガラスディスクは、両主表面を、一対の研磨テープによって挟持されることとなる。
この状態において、チャッキング軸をガラスディスクとともに軸回りに回転させるとともに、このチャッキング軸を軸に直交する方向に所定の周囲及び振幅にて往復移動させる。このとき、チャッキング軸の往復移動の方向は、一対の研磨テープの送り操作方向に直交する方向となっている。また、このとき、ガラスディスクと各研磨テープとの間には、液体状の研磨剤を供給する。このとき、液体状の研磨剤には、研磨砥粒を含有させておくとよい。研磨砥粒としては、ダイヤモンド砥粒を用いることができる。このとき、ガラスディスクと各研磨テープとは、相対的に摺接移動される。
(4)磁気ディスクの製造
そして、本発明に係る磁気ディスクの製造方法においては、前述のような磁気ディスク用ガラス基板上に少なくとも磁性層を形成する。
磁気ディスク用ガラス基板上に形成される磁性層としては、例えば、コバルト(Co)系強磁性材料からなるものを用いることができる。特に、高い保磁力が得られるコバルト−プラチナ(Co−Pt)系強磁性材料や、コバルト−クロム(Co−Cr)系強磁性材料からなる磁性層として形成することが好ましい。なお、磁性層の形成方法としては、バイアススパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法や、バイアスCVD法を用いることができる。
ガラス基板と磁性層との間には、適宜、下地層等を介挿させることが好ましい。これら下地層の材料としてはAl−Ru系合金や、Cr系合金などを用いることができる。
また、磁性層上には、磁気ヘッドの衝撃から磁気ディスクを防護するための保護層を設けることができる。この保護層としては、硬質な水素化炭素保護層を好ましく用いることができる。この保護層の形成には、プラズマCVD法を用いることができる。
さらに、この保護層上に、PFPE(パーフルオロポリエーテル)化合物からなる潤滑層を形成することにより、磁気ヘッドと磁気ディスクとの干渉を緩和することができる。この潤滑層は、例えば、ディップ法により、塗布成膜することにより形成することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、具体的に説明する。なお、本発明は、これら実施例の構成に限定されるものではない。
〔実施例1〕
以下に述べる本実施例における磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクの製造方法においては、まず、アモルファスのアルミノシリケートガラスからなるディスク状のガラス母材を用意する。このアルミノシリケートガラスは、リチウムを含有している。
そして、以下の(1)乃至(5)の工程を実施する。
(1)第1研磨工程
(2)第2研磨工程
(3)化学強化工程
(4)テクスチャ加工
(5)磁気ディスクの製造工程(成膜工程)
(1)第1研磨工程
ガラスディスクに残留した傷や歪みを除去するため、両面研磨装置を用いて、第1研磨工程を行なった。
画面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下定盤の間に、キャリアにより保持させたガラスディスクを密着させ、このキャリアを、サンギア及びインターナルギアに噛合させるとともに、ガラスディスクを上下定盤によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラスディスクの研磨面(主表面)との間に研磨液を供給しながら、サンギアを回転させることによって、ガラスディスクは、定盤上で自転しながらインターナルギアの回りを公転して、両主表面を同時に研磨加工される。
以下の研磨工程で使用する両面研磨装置としては、同一の装置を用いている。具体的には、ポリッシャとして硬質ポリシヤ(硬質発泡ウレタン)を用いて、第1研磨工程を実施した。研磨条件は、酸化セリウム(平均粒径1.3μm)及びRO水からなる研磨液を用い、荷重を100g/cm、研磨時間を15分とした。そして、この第1研磨工程を終えたガラスディスクを、中性洗剤、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬させて、超音波洗浄し、乾燥させた。
(2)第2研磨工程
次に、第1研磨工程で使用した両面研磨装置と同様の両面研磨装置を用いて、ポリッシャを軟質ポリッシャ(スウェードパット)に替えて、主表面の鏡面研磨工程として、第2研磨工程を実施した。
この第2研磨工程は、前述した第1研磨工程により得られた平坦な主表面を維持しつつ、この主表面の表面粗さRaを、例えば、0.5乃至0.3nm程度以下まで低減させることを目的とするものである。
研磨条件は、コロイダルシリカ(平均粒径80nm)及びRO水からなる研磨液を用い、荷重を100g/cm、研磨時間を5分とした。
そして、この第2研磨工程を終えたガラスディスクを、酸、純水(1)、中性洗剤、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬させて、超音波洗浄処理し、次に、IPA蒸気により乾燥処理した。
IPAの洗浄槽に供給されるIPA及びIPA蒸気として供給されるIPAの含水量は、1重量%とした。
(3)化学強化工程
次に、、洗浄を終えたガラスディスクに対し、化学強化処理を施した。化学強化処理は、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムとを混合させた化学強化液を用いて行い、強化処理されたガラスディスクから溶出されるリチウム含有量をICP発光分析装置を用いて測定した。
この化学強化溶液を、340°C乃至380°Cに加熱し、洗浄及び乾燥を終えたガラスディスクを、約2時間乃至4時間浸漬して、化学強化処理を行なった。この浸漬の際には、ガラスディスクの表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラスディスクが外周端面で保持されるように、ホルダーに収納した状態で行った。
化学強化処理を終えたガラスディスクを、20°Cの水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。
そして、急冷を終えたガラスディスクを、約40°Cに加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えた磁気ディスク用ガラス基板を、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬させて、超音波洗浄し、乾燥させた。
次に、洗浄を終えたガラスディスクの主表面及び端面について、目視検査を行い、さらに、光の反射、散乱及び透過を利用した精密検査を実施した。その結果、ガラスディスクの主表面及び端面には、付着物による突起や、傷等の欠陥は発見されなかった。
また、前述のような工程を経たガラスディスクの主表面の表面粗さは、原子間カ顕微鏡(AFM)によって測定したところ、Rmaxで2.5nm、Raで0.30nmと、超平滑な表面となっていることが確認された。なお、表面粗さの数値は、AFM(原子間力顕微鏡)によって測定した表面形状について、日本工業規格(JIS)B0601にしたがって算出したものである。
また、前述のような工程を経たガラスディスクは、内径が7mm、外径が27.4mm、板厚は0.381mmであり、「1.0インチ型」磁気ディスクに用いる磁気ディスク用ガラス基板の所定寸法であることを確認した。
さらに、このガラスディスクの円孔の内周端面の表面粗さは、面取り面においてRmaxで0.4μm、Raで0.04μm、面取り面以外の部分においてRmaxで0.4μm、Raで0.05μmであった。外周端面における表面粗さRaは、面取り面において0.04μm、面取り面以外の部分において0.07μmであった。このように、内周端面は、外周端面と同様に、鏡面状に仕上がっていることを確認した。
また、このガラスディスクの表面に異物やサーマルアスペリティの原因となるパーティクルは認められず、円孔の内周端面にも異物やクラックは認められなかった。
(4)テクスチャ加工
次に、化学強化処理を終えたガラスディスクに対し、テクスチャ加工を行った。このテクスチャ加工は、テクスチャ加工装置を用いて、ガラスディスクとこのガラスディスクの両主表面を挟持する研磨テープとを所定の状態で相対的に摺接移動させる「メカニカルテクスチャ加工」によって、主表面及び端面に対して行った。これらガラスディスクと各研磨テープとの相対的摺動は、ガラスディスクの周方向(接線方向)の移動を基本としつつ、この周方向に対して、サインカーブを描いて揺動する移動として行った。また、このとき、ガラスディスクと各研磨テープとの間に、研磨砥粒としてダイヤモンド砥粒をを含有する液体状の研磨剤を供給した。
このテクスチャ加工が終了した後、ガラスディスクをスクラブ洗浄し、磁気ディスク用ガラス基板を得た。
(5)磁気ディスクの製造工程(成膜工程)
次に、以下の工程を経て、本発明に係る磁気ディスクを製造した。
前述の工程により得た磁気ディスク用ガラス基板の両主表面に、静止対向型のDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、Al−Ru合金のシード層、Cr−W合金の下地層、Co−Cr−Pt−Ta合金の磁性層、水素化炭素保護層を順次成膜した。シード層は、磁性層の磁性グレインを微細化させる作用を奏し、下触層は、磁性層の磁化容易軸を面内方向に配向きせる作用を奏する。
この磁気ディスクは、非磁性基板である磁気ディスク用ガラス基板と、この磁気ディスク用ガラス基板上に形成された磁性層と、この磁性層上に形成された保護層と、この保護層上に形成された潤滑層とを少なくとも備えて構成される。
そして、磁気ディスク用ガラス基板と磁性層との間には、シード層及び下地層からなる非磁性金属層(非磁性下地層)が形成されている。この磁気ディスクにおいて、磁性層以外は、全て非磁性体からなる層である。この実施例においては、磁性層及び保護層、保護層及び潤滑層は、それぞれ接した状態で形成した。
すなわち、まず、スパッタリングターゲットとして、Al−Ru(アルミニウム−ルテニウム)合金(Al:50at%、Ru:50at%)を用いて、磁気ディスク用ガラス基板上に、膜厚30nmのAl−Ru合金からなるシード層をスパッタリングにより成膜した。次に、スパッタリングターゲットとして、Cr−W(クロム−タングステン)合金(Cr:80at%、W:20at%)を用いて、シード層5上に、膜厚20nmのCr−W合金からなる下地層をスパッタリングにより成膜した。次いで、スパッタリングターゲットとして、Co−Cr−Pt−Ta(コバルト−クロム−プラチナ−タンタル)合金(Cr:20at%、Pt:12at%、Ta:5at%、残部Co)からなるスパッタリングターゲットを用いて、下地層上に、膜厚15nmのCo−Cr−Pt−Ta合金からなる磁性層をバイアススパッタリングにより形成した。
次に、磁性層上に水素化炭素からなる保護層をバイアスCVD法により形成し、さらに、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層をディップ法で成膜した。保護層は、磁気ヘッドの衝撃から磁性層を保護する作用を奏する。このようにして、磁気ディスクを得た。
〔実施例2〕
第2研磨工程後の洗浄処理及び乾燥処理において、IPAの洗浄槽に供給されるIPA及びIPA蒸気として供給されるIPAの含水量を0.3重量%とし、他は前述の実施例1と同様にして、磁気ディスク用ガラス基板を作成した。この磁気ディスク用ガラス基板を用いて、磁気ディスクを作成した。
〔実施例3〕
第2研磨工程後の洗浄処理及び乾燥処理において、IPAの洗浄槽に供給されるIPA及びIPA蒸気として供給されるIPAの含水量を0.1重量%とし、他は前述の実施例1と同様にして、磁気ディスク用ガラス基板を作成した。この磁気ディスク用ガラス基板を用いて、磁気ディスクを作成した。
〔実施例4〕
テクスチャ加工を行わずに磁気ディスク用ガラス基板を作成し、他は前述の実施例1と同様とした。この磁気ディスク用ガラス基板を用いて、磁気ディスクを作成した。
〔比較例〕
この比較例においては、第2研磨工程後の洗浄処理及び乾燥処理において、IPAの洗浄槽に供給されるIPA及びIPA蒸気として供給されるIPAの含水量を3重量%とし、他は前述の実施例1と同様にして、磁気ディスク用ガラス基板を作成した。この磁気ディスク用ガラス基板を用いて、磁気ディスクを作成した。
〔各実施例及び比較例の対比〕
前述の各実施例及び比較例の磁気ディスク用ガラス基板を用いて作製した磁気ディスクについて、浮上量が6nmのグライドヘッドによりグライド検査を行った。この結果を以下の〔表1〕に示す。このグライド検査は、磁気ヘッドに衝突する異物等の検出により、磁気ヘッドが安定した浮上状態を維持しているかを判別するものである。
実施例1乃至実施例4における磁気ディスクについては、グライド検査において、いずれも97%以上の良好な合格率となっている。なお、実施例4における磁気ディスクについては、磁気ディスク用ガラス基板にテクスチャが形成されていないため、乾燥処理におけるIPA含水量が実施例1と同様であるが、グライド検査においては、98%という良好な合格率となっている。
これに対し、比較例における磁気ディスクについては、グライド検査において、65%という低い合格率となっている。
磁気異方性については、実施例1乃至実施例3における磁気ディスクについては、1.5以上の良好な結果となっている。実施例4における磁気ディスクについては、テクスチャを形成していないので、磁気異方性はない。
これに対し、比較例における磁気ディスクの磁気異方性については、1.2未満であり、実施例1乃至実施例3における磁気ディスクよりも劣っていることが確認された。
また、この実施例1乃至実施例4において得られた磁気ディスクのについてのロードアンロード耐久試験を行った。すなわち、得られた磁気ディスクをハードディスクドライブに搭載して連続してロードアンロード動作を繰り返し行った。その結果は、ロードアンロード耐久性として、60万回以上のロードアンロード動作に耐久することができ、充分な耐久性となっていることが確認された。
図1は、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の研磨処理後の各工程を示すブロック図である。
符号の説明
1 ガラスディスク
2 酸洗浄槽
3 純水(1)洗浄槽
4 中性洗剤洗浄槽
5 純水(2)洗浄槽
6 IPA洗浄槽
7 IPA蒸気槽
8 IPAタンク
9 排タンク
10 脱水蒸留装置
11 新たなIPA

Claims (5)

  1. 表面の洗浄処理及び乾燥処理を含み、磁気ヘッドの浮上高さが10nm以下のLUL方式の磁気ディスク装置に用いられる基板を製造する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記洗浄処理は、少なくとも、純水、または、水を主成分とする水溶液による洗浄と、その後、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とし、かつ、含水量が1.0重量%以下である液体を洗浄液として行う洗浄とを含み、
    前記乾燥処理は、少なくとも、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体の蒸気と磁気ディスク用ガラス基板とを接触させる脱水処理を含み、
    前記液体に含まれる水分によるガラス基板表面の改質を阻止すべく、前記液体に含まれる水分量1.0重量%以下とする
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 洗浄処理された磁気ディスク用ガラス基板の表面の乾燥処理を行うための水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とする液体を作製し、この液体の蒸気を磁気ディスク用ガラス基板に供給する脱水処理を含み、磁気ヘッドの浮上高さが10nm以下のLUL方式の磁気ディスク装置に用いられる基板を製造する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記洗浄処理は、少なくとも、純水、または、水を主成分とする水溶液による洗浄と、その後、水よりも沸点の低い水溶性溶剤を主成分とし、かつ、含水量が1.0重量%以下である液体を洗浄液として行う洗浄とを含み、
    前記液体の作製において、原料の少なくとも一部として前記脱水処理で使用済みの水溶性溶剤を再生して使用し、
    前記液体に含まれる水分によるガラス基板表面の改質を阻止すべく、前記液体に含まれる水分量1.0重量%以下とする
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記水溶性溶剤を主成分とする液体は、イソプロピルアルコールを主成分として含むものである
    ことを特徴とする請求項1、または、請求項2記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記磁気ディスク用ガラス基板は、表面にテクスチャを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造した磁気ディスク用ガラス基板の主面部上に、少なくとも磁性層を形成する
    ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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