JP2021172574A - ガラス板の前処理方法及びガラス物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス板の搬送又は保管後にシミが生じ難い、ガラス板の前処理方法を提供する。【解決手段】ガラス板の搬送又は保管前の前処理方法であって、前記ガラス板をアルコール及びケトンから選択される少なくとも1種である処理液に浸漬させることにより前処理を行う工程を備える、ガラス板の前処理方法。【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス板の前処理方法及び該ガラス板の前処理方法を用いたガラス物品の製造方法に関する。
従来、ガラス板は、光通信分野などの多岐にわたる分野で使用されており、その使用に際しては様々な処理が施されている。
下記の特許文献1には、光アイソレータ等に用いられる偏光ガラス板の製造方法が開示されている。特許文献1の偏光ガラス板の製造方法では、まず、銀や銅等の金属元素とハロゲン元素とを含有する原料バッチを調製し、溶融、成形することによりガラス部材を作製する。得られたガラス部材を加熱処理することにより、内部にハロゲン化金属粒子を析出させ、ガラスプリフォーム板を得る。ガラスプリフォーム板を加熱しながら所定の条件で延伸成形することにより、ガラスマトリクス中に延伸ハロゲン化金属粒子が分散されてなるガラス板を得る。さらに、ガラス板に還元処理を施すことにより、延伸ハロゲン化金属粒子を還元して延伸金属粒子に変化させ、偏光ガラス板を得ている。なお、特許文献1では、ガラス板に還元処理を施す前に、所定の厚みとなるように研磨加工することが記載されている。
ところで、上記のようなガラス板の研磨工程と、還元処理等の後工程とはそれぞれ別の場所で行われることがある。この場合、研磨工程を行った後、ガラス板が車両などにより別の場所に搬送されて後工程に供される。ここで、研磨工程の後には通常、ガラス板は水(例えば純水)により洗浄されるが、洗浄後のガラス板をそのまま搬送すると、ガラス板の表面にシミ(水が乾燥して生じるシミ)が生じることがある。このシミは再洗浄により除去し難いという問題がある。このようなシミの発生を防止するため、ガラス板を容器内の水に浸した状態で搬送することがある。しかしながら、この場合は、水中でガラス板が揺動して破損する場合がある。特に、ガラス板の厚みを薄くした場合に、その傾向は顕著であった。
なお、ガラス板の搬送時以外にも、ガラス板を洗浄した後、一時的に倉庫などで保管する際に、同様のシミが生じる場合がある。
本発明の目的は、ガラス板の搬送又は保管後にシミの生じ難い、ガラス板の前処理方法及び該ガラス板の前処理方法を用いたガラス物品の製造方法を提供することにある。
本発明に係るガラス板の前処理方法は、ガラス板の搬送又は保管前の前処理方法であって、前記ガラス板をアルコール及びケトンから選択される少なくとも1種である処理液に浸漬させることにより前処理を行う工程を備えることを特徴としている。
本発明においては、前記処理液が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びアセトンから選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、前記処理液が、イソプロピルアルコールであることがより好ましい。
本発明においては、前記ガラス板の厚みが、1mm以下であることが好ましい。
本発明においては、前記ガラス板が、内部にハロゲン化金属粒子を析出したガラスにより構成されていることが好ましい。
本発明においては、前記ガラス板が、赤外線吸収ガラスにより構成されていることが好ましい。
本発明においては、前記ガラス板が、リン酸塩系ガラスにより構成されていることが好ましい。
本発明においては、研磨工程を行った後に前記ガラス板の前処理が行われることが好ましい。
本発明においては、前記前処理をしたガラス板の搬送又は保管後に、前記ガラス板の洗浄が行われることが好ましい。
本発明に係るガラス物品の製造方法は、本発明に従って構成されるガラス板の前処理方法を用いて、前記ガラス板の前処理を行う工程を備えることを特徴としている。
本発明によれば、ガラス板の搬送又は保管後にシミが生じ難い、ガラス板の前処理方法及び該ガラス板の前処理方法を用いたガラス物品の製造方法を提供することができる。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[ガラス板の前処理方法]
本発明に係るガラス板の前処理方法は、ガラス板の搬送又は保管前の前処理方法である。本発明に係るガラス板の前処理方法では、ガラス板をアルコール及びケトンから選択される少なくとも1種である処理液に浸漬させることにより前処理が行われる。
本発明に係るガラス板の前処理方法は、ガラス板の搬送又は保管前の前処理方法である。本発明に係るガラス板の前処理方法では、ガラス板をアルコール及びケトンから選択される少なくとも1種である処理液に浸漬させることにより前処理が行われる。
本発明においては、ガラス板を処理液に浸漬させることにより前処理を行うので、ガラス板の表面に付着した水分を処理液に置換することができる。処理液は水よりも揮発しやすく、乾燥時にシミになりにくい。そのため、ガラス板の搬送又は保管後にガラス板の表面にシミが生じ難くなる。なお、仮にガラス板表面に処理液によるシミが生じたとしても、当該シミは水によるシミと異なり、洗浄により容易に除去することができる。
また、本発明のガラス板の前処理方法を採用すれば、ガラス板を処理液に浸漬した後、空気中に取り出し、乾燥状態で搬送することができる。そのため、従来の搬送方法のように、容器内の水中でガラス板が揺動して破損するといった問題もない。
本発明において、ガラス板を処理液に浸漬させることにより前処理を行う温度は、特に限定されないが、例えば、10℃以上、30℃以下とすることができる。また、処理液に浸漬させることにより前処理を行う時間は、特に限定されないが、例えば、1分以上、10分以下とすることができる。また、前処理後には、ガラス板を処理液から取り出して搬送又は保管に供する。この際、前処理後には、積極的に処理液の乾燥工程を設けずに、搬送又は保管に供することができる。もっとも、処理液の乾燥工程を設けた後に、搬送又は保管に供してもよく、特に限定はされない。
本発明において、前処理に用いる処理液としては、以下のものが挙げられる。アルコールとしては、第一級または第二級アルコールであることが好ましく、脂肪族の第一級または第二級アルコールであることがより好ましい。具体例としては、メタノール、エタノール、IPA(イソプロピルアルコール)が挙げられる。ケトンとしては、アセトンが挙げられる。これらのなかで、処理液としては、脂肪族第二級アルコールであることが好ましく、IPAであることがより好ましい。この場合、ガラス板の搬送又は保管後により一層シミを生じ難くすることができる。なお、上記処理液は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明において、ガラス板の厚みは、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.5mm以下であり、さらに好ましくは0.3mm以下である。
ガラス板の厚みが上記上限値以下である場合、ガラス板を容器内の水に浸した状態で搬送すると、搬送時におけるガラス板の破損が生じ易くなる。また、耐水性の低いガラス板は、ガラス品質の劣化が生じやすい。これに対して、本発明の前処理方法により処理されたガラス板は、容器内の水に浸さなくとも乾燥状態で搬送することができるので、搬送時におけるガラス板の破損を生じ難くすることができる。また、ガラス品質の劣化も生じ難くなる。そのため、ガラス板の厚みが上記上限値以下である場合、あるいは耐水性の低いガラス板の場合に、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。このように、ガラス板の厚みを上記上限値以下としてもガラス板の破損が生じ難いので、光アイソレータなどのデバイスに用いたときに、デバイスのより一層の小型化を図ることができる。
また、ガラス板の厚みは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.08mm以上である。ガラス板の厚みが上記下限値以上である場合、ガラス板の破損をより一層生じ難くすることができる。
本発明のガラス板の前処理方法は、偏光ガラス板の製造時や、赤外線吸収ガラス板の搬送又は保管前に好適に用いることができる。
具体的に、偏光ガラス板の製造時においては、例えば、研磨工程と、延伸ハロゲン化金属粒子の還元工程などの後工程とが別々の場所で行われることがある。この場合、研磨工程を行った後、ガラス板が車両などにより搬送されて後工程に供される。
研磨工程においては、例えば、研磨材を含むスラリーを用いて、ガラス板の表面を研磨する。そのため、研磨後には、PVA(ポリビニルアルコール)などの洗浄部材を用いてガラス板の表面を水洗浄し、ガラス板の表面に残存した研磨材を除去する(第1の洗浄工程)。
この第1の洗浄工程の後に、ガラス板を処理液により前処理する工程が行われる。前処理後、ガラス板が車両などによって後工程を行う別の場所に搬送される。
搬送後、還元工程の前には、ガラス板が洗浄される(第2の洗浄工程)。ガラス板の洗浄に際しては、例えば、ガラス板を洗浄液で満たされた洗浄槽に浸漬させる。洗浄液は、特に限定されないが、例えば、上述した処理液を用いることができる。
次に、ガラス板が収納されたバスケットを蒸気槽に投入し、洗浄用の蒸気によってガラス板を洗浄する。洗浄用の蒸気には、特に限定されないが、例えば、IPA等を用いることができる。
なお、洗浄液をノズルからガラス板に噴射する等、他の洗浄方法により洗浄してもよい。
洗浄後、ガラス板を還元工程などの後工程に供する。
このような偏光ガラス板の製造工程では、上記のように研磨材の第1の洗浄工程を行なった後にガラス板が搬送される。この際、何も処理せずに乾燥状態でガラス板を搬送すると、第1の洗浄工程で付着した水によるシミが生じる。この場合に生じるシミは、再洗浄により除去し難いという問題がある。他方、ガラス板を容器内の水に浸した状態で搬送すると、搬送時におけるガラス板の揺動により破損が生じ易くなる。
これに対して、本発明のガラス板の前処理方法により、表面に付着した水分が処理液に置換されたガラス板では、第1の洗浄工程で付着した水によるシミが生じ難く、また搬送時におけるガラス板の破損も生じ難い。さらに、ガラス板表面に処理液によるシミが生じた場合も、第2の洗浄工程で同じ処理液により洗浄することにより、当該シミを確実に除去することができる。
なお、上記前処理の前には、必ずしも第1の洗浄工程が設けられていなくてもよい。また、上記前処理の後には、必ずしも第2の洗浄工程が設けられていなくてもよい。もっとも、第1の洗浄工程及び第2の洗浄工程が設けられている場合、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
また、ガラス板が赤外線吸収ガラスにより構成されている場合においても、搬送又は保管の前後において第1の洗浄工程及び第2の洗浄工程が行われてもよい。なお、例えば銅を含有するリン酸塩系ガラス等の赤外線吸収ガラス板は、耐水性に劣るため、そもそも容器内の水に浸した状態で搬送することが難しいという問題がある。よって、赤外線吸収ガラス板は洗浄工程の後、乾燥状態で搬送する必要がある。これに対して、本発明のガラス板の前処理方法により、表面に付着した水分が処理液に置換されたガラス板は、水に浸さなくとも、搬送又は保管後にシミが生じ難い。よって、本発明のガラス板の前処理方法は、赤外線吸収ガラス板にも好適に用いることができる。
赤外線吸収ガラス板としては、例えば、硫リン酸塩系ガラス、フツリン酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス等からなるガラス板が挙げられる。特に、CuOを含有した硫リン酸塩系ガラス、フツリン酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラスが好ましく用いられる。
硫リン酸塩系ガラスとしては、赤外線吸収ガラスとして用いられる公知のガラス組成を用いることができるが、例えば、質量%でP2O5 20%〜70%、SO3 1%〜25%、ZnO 10%〜50%、R2O 1%〜30%(RはLi、Na、Kのいずれか)の基本組成を含有するガラスを用いることができる。
フツリン酸塩系ガラスとしては、赤外線吸収ガラスとして用いられる公知のガラス組成を用いることができるが、例えば、アニオン%でF− 5%〜70%、O2− 30%〜95%であり、カチオン%でP5+ 20%〜50%、Al3+ 0.2%〜20%、R+ 1%〜30%(RはLi、Na、Kのいずれか)、R’2+ 1%〜50%(R’はZn、Mg、Ca、Sr、Baのいずれか)の基本組成を含有するガラスを用いることができる。
リン酸塩系ガラスとしては、赤外線吸収ガラスとして用いられる公知のガラス組成を用いることができるが、例えば、重量%でP2O5 20%〜70%、Al2O3 1%〜20%、R2O 0%〜30%(RはLi、Na、Kのいずれか)、R’O 0%〜40%(R’はZn、Mg、Ca、Sr、Baのいずれか)の基本組成を含有するガラスを用いることができる。
上記各ガラスにおけるCuOの含有量は、各ガラス100質量部に対して、0.1質量部〜15質量部であることが好ましく、0.5質量部〜10質量部であることがより好ましく、2質量部〜8質量部であることがさらに好ましい。CuOの含有量が少なすぎると、赤外線吸収性能が不十分となる場合があり、CuOの含有量が多すぎると、可視光透過率が低下する場合や、ガラス化しない場合がある。
[ガラス物品の製造方法]
本発明のガラス物品の製造方法は、上述した本発明のガラス板の前処理方法を用いて、ガラス板の前処理を行う工程を備える。そのため、ガラス板の搬送又は保管後におけるシミを生じ難くすることができる。本発明で製造されるガラス物品としては、偏光ガラス板や赤外線吸収ガラス板が挙げられる。以下、本発明のガラス物品の製造方法の一例として、偏光ガラス板の製造方法について詳細に説明する。
本発明のガラス物品の製造方法は、上述した本発明のガラス板の前処理方法を用いて、ガラス板の前処理を行う工程を備える。そのため、ガラス板の搬送又は保管後におけるシミを生じ難くすることができる。本発明で製造されるガラス物品としては、偏光ガラス板や赤外線吸収ガラス板が挙げられる。以下、本発明のガラス物品の製造方法の一例として、偏光ガラス板の製造方法について詳細に説明する。
(偏光ガラス板の製造方法)
一例としての偏光ガラス板の製造方法では、まず、銀や銅等の金属元素とハロゲン元素とを含有する原料バッチを調製し、溶融、成形することによりガラス部材を作製する。得られたガラス部材を加熱処理することにより、内部にハロゲン化金属粒子を析出させ、ガラスプリフォーム板を得る。ガラスプリフォーム板を加熱しながら所定の条件で延伸成形することにより、ガラスマトリクス中に延伸ハロゲン化金属粒子が分散されてなるガラス板を得る。
一例としての偏光ガラス板の製造方法では、まず、銀や銅等の金属元素とハロゲン元素とを含有する原料バッチを調製し、溶融、成形することによりガラス部材を作製する。得られたガラス部材を加熱処理することにより、内部にハロゲン化金属粒子を析出させ、ガラスプリフォーム板を得る。ガラスプリフォーム板を加熱しながら所定の条件で延伸成形することにより、ガラスマトリクス中に延伸ハロゲン化金属粒子が分散されてなるガラス板を得る。
次に、得られたガラス板が所定の厚みとなるように研磨加工を施す。研磨工程においては、例えば、研磨材を含むスラリーを用いて、ガラス板の表面を研磨する。具体的には、研磨材を含むスラリーを導入しつつ、ガラス板の表面に、研磨パッドを押し当てガラス板の表面を研磨する。研磨パッドとしては、特に限定されず、硬質発泡ウレタンのような硬質パッドを用いてもよいし、軟質スウェードのような軟質パッドを用いてもよい。研磨材を含むスラリーは、研磨材と、水とを含んでいる。研磨材としては、特に限定されないが、例えば、酸化セリウム、ジルコニア、アルミナ、シリカ等を用いることができる。
研磨後、PVA(ポリビニルアルコール)などの洗浄部材を用いてガラス板の表面を水で洗浄する(第1の洗浄工程)。これにより、ガラス板の表面に残存した研磨材を除去する。
次に、上述した本発明の前処理方法に従ってガラス板の前処理を行う。前処理後、ガラス板を車両などによって別の場所に搬送する。なお、搬送の代わりに、例えば、倉庫などに保管してもよい。
搬送又は保管後、ガラス板をさらに洗浄する(第2の洗浄工程)。ガラス板の洗浄に際しては、ガラス板を洗浄液で満たされた洗浄槽に浸漬させる。洗浄液は、特に限定されないが、例えば、上述した処理液を用いることができる。
次に、ガラス板が収納されたバスケットを蒸気槽に投入し、洗浄用の蒸気によってガラス板を洗浄する。洗浄用の蒸気は、特に限定されないが、例えば、IPA等を用いることができる。
なお、洗浄液をノズルからガラス板に噴射する等、他の洗浄方法により洗浄してもよい。
洗浄後、ガラス板に還元処理を施す。これにより、延伸ハロゲン化金属粒子を還元して延伸金属粒子に変化させ、偏光ガラス板を得ることができる。
このように、本実施形態における偏光ガラス板の製造方法では、ガラス板を車両などによって搬送する際や保管する際に、本発明の前処理方法に従ってガラス板に前処理を施すので、ガラス板の表面に付着した水分を処理液に置換することができ、搬送後や保管後にガラス板の表面にシミが生じることを抑制することができる。
また、本実施形態における偏光ガラス板の製造方法では、容器内の水に浸した状態で搬送せずとも、乾燥状態で搬送することができる。そのため、水中でガラス板が揺動して破損することがないことから、搬送時におけるガラス板の破損も生じ難くすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るガラス物品の製造方法で製造されたガラス物品を示す模式的斜視図である。なお、本実施形態では、ガラス物品として偏光ガラス板1が製造されている。
図1に示すように、偏光ガラス板1は、細長い略矩形板状のガラス板である。偏光ガラス板1は、ガラスマトリクス2と、ガラスマトリクス2中に配向して分散されている延伸金属粒子3とを備える。偏光ガラス板1は、所定の大きさに個片化して用いてもよい。
偏光ガラス板1は、略同サイズのファラデー回転子と貼り合わせることにより光アイソレータとして使用される。具体的には、ファラデー回転子を2枚の偏光ガラス板1で挟持して貼り合わせ、必要に応じて所望の大きさ(例えば0.5mm〜2.0mm角)に切断することにより光アイソレータとして使用される。なお、高性能化を図るため、複数枚のファラデー回転子と3枚以上の偏光ガラス板を交互に積層して光アイソレータを作製してもよい。
なお、上述した偏光ガラス板の製造方法では、処理液により前処理を行うので、ガラス板の厚みを薄くした場合においても、搬送時におけるガラス板の破損を生じ難くすることができる。そのため、得られる偏光ガラス板1の厚みを薄くすることができ、その結果光アイソレータなどのデバイスの小型化を図ることができる。
偏光ガラス板1の厚みは、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.5mm以下であり、さらに好ましくは0.3mm以下である。偏光ガラス板の厚みが上記上限値以下である場合、光アイソレータなどのデバイスのより一層の小型化を図ることができる。
また、偏光ガラス板1の厚みは、好ましくは0.05mm以上であり、より好ましくは0.08mm以上である。偏光ガラス板1の厚みが上記下限値以上である場合、偏光ガラス板1の破損をより一層生じ難くすることができる。
1…偏光ガラス板
2…ガラスマトリクス
3…延伸金属粒子
2…ガラスマトリクス
3…延伸金属粒子
Claims (10)
- ガラス板の搬送又は保管前の前処理方法であって、
前記ガラス板をアルコール及びケトンから選択される少なくとも1種である処理液に浸漬させることにより前処理を行う工程を備える、ガラス板の前処理方法。 - 前記処理液が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びアセトンから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のガラス板の前処理方法。
- 前記処理液が、イソプロピルアルコールである、請求項2に記載のガラス板の前処理方法。
- 前記ガラス板の厚みが、1mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の前処理方法。
- 前記ガラス板が、内部にハロゲン化金属粒子を析出したガラスにより構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板の前処理方法。
- 前記ガラス板が、赤外線吸収ガラスにより構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板の前処理方法。
- 前記ガラス板が、リン酸塩系ガラスにより構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス板の前処理方法。
- 研磨工程を行った後に前記ガラス板の前処理が行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス板の前処理方法。
- 前記前処理をしたガラス板の搬送又は保管後に、前記ガラス板の洗浄が行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のガラス板の前処理方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のガラス板の前処理方法を用いて、前記ガラス板の前処理を行う工程を備える、ガラス物品の製造方法。
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