JPH01126245A - ガラス製品の表面処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はガラスの研磨、洗浄、貯蔵時にガラス表面に発
生するヤケを容易に除去し、また反射防止膜として蒸着
されたコーテイング膜の不良予防と不良品の再生に適用
される表面処理方法に関する。

［従来技術］ ガラスの表面処理は研磨、洗浄等を行なうが、特に、光
学ガラス等は研磨、洗浄後に光の反射防止膜として弗化
マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化
ジルコニウム等の物質をガラスの表面に蒸着して、コー
テイング膜を施す場合が多い。

コーティング前に処理する研磨や洗浄時、またはコーテ
ィング処理を行なう迄の貯蔵期間中にガラス表面に炭酸
塩や含水ケイ酸層の生成によるヤケが生ずることがよく
知られている。このヤケは連続した処理作業中では発見
しにくく、洗浄や貯蔵の経時変化でも拡大することがあ
る。このヤケの除去には、従来、手拭きや軽い研磨作業
を必要として、大変手間がかかる。

ガラスの表面に蒸着コーテイング膜を施こす場合には、
蒸着不良が発生することが多く、蒸着不良の一因として
前工程では発見できないような軽微なりケが出てくると
いう問題もある。このようにしてできたコーティング不
良品の再生を、再研磨作業で行なった場合、費用が高く
つき廃棄される場合が多かった。

ガラス表面のほこり、研磨剤残渣物、油脂等の一般的汚
染物の除去には、溶剤系、酸・アルカリ系界面活性剤系
などの化学薬品がよく使われているが、溶剤系の洗浄は
油脂類の除去に効果があるが、ヤケな除去する効果は全
くない。酸・アルカリ系の洗浄でヤケな除去できるまで
濃度を高めると、アルカリが強すぎてガラス中のシリカ
が溶出し、一方、酸が強すぎるとガラス中のアルカリ分
が溶は出し、異質の表面層をつくり、実際上使用に供せ
ないものとなる。中性から弱アルカリ域で界面活性剤を
配合した洗浄でも、すでに生成したヤケな除去すること
は困難である。

反射防止膜である蒸着したコーテイング膜を除去するだ
けなら、高濃度の水酸化アルカリと適当な錯化剤の水溶
液で高温処理することにより、弗化マグネシウム等の単
層コートや多重コートの一部を除去することができるが
、ガラス表面が侵食されて問題となる。

［本発明が解決使用とする問題点］ 本発明はガラスの表面に前処理および貯蔵中に生じたヤ
ケを本発明の薬剤で除去することと、該薬剤で反射防止
蒸着コーティングしたために顕在化してくるヤケ不良を
防止すること、さらに、コーテイング後の不良蒸着膜を
短時間で容易に除去し、再生することを目的とする。

［問題を解決するための手段］ ガラスの表面に発生したヤケは、ガラスの特性である透
明性を著しく害し、また識別困難な程度の微細なりケも
反射防止膜として蒸着されたコーテイング膜により顕在
化して、不良品となることに着目し、前もってヤケを除
去できれば均一なコーテイング膜をえることができると
考えた。すなわち、ガラス表面層が外部の雰囲気と環境
により化学変化をおこし、組成変化した表面層を研磨す
ることなしに、ガラス表面の変化を小さくして溶解する
には、ガラス溶解と同時にガラス表面の溶解を抑制する
保護剤が必要であることがわかった。このようなガラス
溶解の抑制保護剤に水溶性アルコール類が極めて有効で
あることを見い出した。

本発明に使用するヤケ除去の処理剤成分は水酸化アルカ
リ等のアルカリ金属塩の中から１種以上を５〜５０重量
％、クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナト
リウム等の有機錯化剤の中から１種以上を１〜２０重量
％、イソプロピルアルコール、グリコール等の水溶性ア
ルコール類の中から１種以上を１〜２５重量％を含む水
溶液からなる。

ここでアルカリ金属塩、有機錯化剤、水溶性アルコール
とは次の化合物をさす。

（１）アルカリ金属塩 水酸化ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、メタケイ
酸ナトリウム、水ガラス等のケイ酸塩、炭酸ナトリウム
、燐酸ナトリウムなどとその他これらの化合物のカリウ
ム塩、アンモニウム塩、リチウム塩 （２）有機錯化剤 １）分子中に水酸基とカルボキシル基を各々少なくとも
１個以上含有するオキシカルボン酸類とその塩 ２）分子中にアミノ基とカルボキシル基を各々少なくと
も１個以上含有するアミノカルボン酸類とその塩 ３）分子中にホスホノ基とカルボキシル基を各々少なく
とも１個以上含有するホスホノカルボン酸類とその塩 ４）分子中にホスホノ基とアミノ基を各々少なくとも１
個以上含有するアミノホスホン酸類とその塩具体的には
、クエン酸およびその塩、酒石酸およびその塩、リンゴ
酸とその塩、グリコール酸とその塩、グルコン酸とその
塩、エチレンジアミン四酢酸とその塩等。

（３）水溶性アルコール類 水酸基を１個以上含有する水溶性アルコールで具体的に
は、イソプロピルアルコール、グリセリン、ソルビトー
ル、ブチンジオール、ヘキシンジオール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ボリブロビレングリコール等 本発明による表面処理において、アルカリ金属塩が５重
量％以下では、ガラス表面を溶解するのに長時間を要し
、５０重量％以上ではガラス表面の侵食が激しく実用性
がない。有機錯化剤が１重世％以下の場合は汚染物を除
去する能力が弱く、２０重量％以上では処理液中に沈殿
を生じ、不溶解部分が多くなり不利である。水溶性アル
コールが１重量％以下では、ガラス表面の保護効果が不
十分であり、２５重量％以上ではガラス表面の保護効果
が過剰となり無駄である。

本発明処理液の処理温度は６０〜８０℃の範囲が好まし
い、処理温度が低い時には処理時間を伸ばし、温度が高
い場合は時間を短縮することが望ましい。ガラス表面の
ヤケ除去の最適処理時間は４〜２００秒である。蒸着さ
れたコーテイング膜を除去する場合、処理時間は２〜１
５分間の範囲がよい。この場合、蒸着されたコーテイン
グ膜の厚さやコーティング屡の数により、処理時間の短
縮又は延長を行なうことが望ましい。

［発明の効果］ 本発明を実施した結果、ガラスの表面のヤケな除去すれ
ば人手をはふき大量・簡単かつ安価に処理ができ、なお
かつ、次工程に蒸着がある場合にはその不良予防にも役
立つので、歩留りよくガラス製品を生産できる。また、
蒸着コーテイング後不良を生じた時にも本発明処理液で
処理することにより、コーテイング膜を除去して再生も
容易にでき、処理経費の大巾な低減と処理時間・工程の
短縮化が可能である。

［実施例］ 以下実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。

実施例１ ヤケを発生した重フリントガラスＳＦ材のレンズを８０
’Ｃの湯洗に３０秒間浸漬後、水酸化ナトリウム５重量
％、オルソ硅酸ナトリウム５重量％、クエン酸２重量％
、グリセリン５重量％の水溶液を８０℃に加温し、３分
間浸漬した。この後、レンズを直ちに流水洗してよくす
すぎ、乾燥した。乾燥後のガラス表面を集光器で照射し
拡大鏡で観察した結果、−点の曇りなく、ヤケは除去さ
れ、ガラス表面層の損傷も認められなかった。

比較例１ 水酸化ナトリウム２０重量％、エチレンジアミン四酢酸
ナトリウム５重量％を含む水溶液に実施例１で使用した
ものと同種のレンズを用いて８０℃の湯洗に３０秒間浸
漬してから８０℃、３分間浸漬後、流水洗、乾燥してガ
ラス表面を実施例１と同じ方法で観察したところ、ガラ
ス表面に侵食がみられ、実使用にたえない状態となった
。

実施例２ ヤケを発生した重バリウムクラウンガラスＳＫ材のレン
ズを７０℃の湯洗液に３０秒間浸漬後、水酸化カリウム
１５重量％、燐酸ナトリウム５重量％、酒石酸カリ・ソ
ーダ３重量％、ポリエチレングリコール３重量％の水溶
液からなる浴に７０℃、１分間浸漬した。以下実施例１
と同様にすすぎ、乾燥後、ガラス表面を観察した結果、
ヤケは完全に除去され、ガラス表面層の損傷は全く認め
られなかった。

実施例３ ２８％アンモニア水１０重量％、水酸化ナトリウム３０
重量％、炭酸ナトリウム５重量％、リンゴ酸ナトリウム
５重量％、ブチンジオール５重士％の水溶液に実施例１
で用いたと同様なレンズを６０℃の湯洗に３０秒間浸漬
してから６０’Ｃ１３５秒間浸漬し、流水洗、乾燥後、
実施例１と同様にして観察した結果、ヤケは除去され、
ガラス表面層の損傷は認められなかった。

実施例４ ランタン系光学ガラスＬａＫ材のレンズ上に蒸着された
弗化マグネシウム単層コート品を実施例２の表面処理浴
を用いて７０℃、８分間浸漬したところ、弗化マグネシ
ウムのコーティング被膜が完全に剥離除去されて、ガラ
ス表面層は全く浸されていなかった。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 水酸化アルカリ、ケイ酸塩等のアルカリ金属塩の中から
   １種以上を５〜５０重量％、有機錯化剤の中から１種以
   上を１〜２０重量％、水溶性アルコール類の中から１種
   以上を１〜２５重量％を含むアルカリ水溶液で、ガラス
   表面のヤケまたは蒸着されたコーティング膜を除去する
   ことを特徴とするガラスの表面処理方法。