JP4771981B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ディスク装置であるハードディスクドライブ(HDD)等に用いられる磁気ディスクを構成する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及びこの磁気ディスク用ガラス基板を用いる磁気ディスクの製造方法に関する。
今日、情報記録技術、特に、磁気記録技術は、いわゆるIT産業の発達に伴って飛躍的な技術革新が要請されている。そして、コンピュータ用ストレージ等として用いられる磁気ディスク装置であるハードディスクドライブ(HDD)に搭載される磁気ディスクにおいては、磁気テープやフレキシブルディスクなどの他の磁気記録媒体と異なり、急速な情報記録密度の増大化が続けられている。
このような磁気ディスクは、アルミニウム系合金基板やガラス基板などの基板上に、磁性層等が成膜されて構成されている。そして、ハードディスクドライブにおいては、高速回転される磁気ディスク上に磁気ヘッドを浮上飛行させながら、この磁気ヘッドにより、情報信号を磁化パターンとして磁性層に記録し、また、再生を行なう。
近年、このような磁気ディスクにおいては、情報記録密度が1平方インチ当り40ギガビットを超えるまでに到っており、さらに、1平方インチ当り100ギガビットを超えるような超高記録密度をも実現されようとしている。このように高い情報記録密度が実現できるようになった近年の磁気ディスクは、従来のフレキシブルディスクなどの磁気ディスクに比較して、ずっと小さなディスク面積であっても、実用上十分な情報量を収納できるという特徴を有している。
また、このような磁気ディスクは、他の情報記録媒体に比較して、情報の記録速度や再生速度(応答速度)が極めて敏速であり、情報の随時書き込み及び読み出しが可能であるという特徴も有している。
このような磁気ディスクの種々の特徴が注目された結果、近年においては、いわゆる携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報機器(例えば、PDA(personal digital assistant):パーソナルデジタルアシスタント)、あるいは、カーナビゲーションシステムなどのように、パーソナルコンピュータ装置よりも筐体がずっと小さく、かつ、高い応答速度が求められる携帯用機器に搭載できる小型のハードディスクドライブが求められるようになってきている。
ハードディスクドライブを携帯用機器に搭載すること(いわゆる「モバイル用途」)に対する要求が高まったことに伴い、磁気ディスク用の基板として、硬質材料であるガラスからなるガラス基板が採用されている。ガラス基板は、軟質材料である金属からなる基板に比較して、高強度、かつ、高剛性であるからである。
また、ガラス基板においては、平滑な表面が得られるので、ヘッドクラッシュ及びサーマル・アスペリティといった障害を防止しつつ、磁気ディスク上を浮上飛行しながら記録再生を行う磁気ヘッドの浮上量を狭隘化(低フライングハイト化)することが可能であり、高い情報記録密度の磁気ディスクを得ることができる。
しかしながら、ガラス基板は、脆性材料であるという側面も有している。そのため、従来より、様々なガラス基板の強化方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ガラス基板を、化学強化槽において300°C程度に加熱した硝酸ナトリウム(NaNO)や硝酸カリウム(KNO)等の硝酸塩融解液中に所定時間浸漬することによって、ガラス基板中の表層部のリチウムイオン(Li)をナトリウムイオン(Na)やカリウムイオン(K)に置換し、あるいは、ガラス基板中の表層部のナトリウムイオン(Na)をカリウムイオン(K)に置換し、両面の表層部に圧縮応力層を形成し、これら圧縮応力層の間を引張応力層とする化学強化処理が記載されている。
また、特許文献2には、化学強化処理に用いる硝酸塩融解液中に微量の陽イオン不純物を混入し、硝酸塩の完全凝固点が130°C以下となるように調整し、化学強化処理後の冷却時において硝酸塩が流動性を有するようにして、ガラス基板の反りを抑制しつつ化学強化処理を行う方法が記載されている。
特開2002−121051公報 特開2001−192239公報
ところで、前述したような化学強化工程においては、化学強化工程後に生じるガラス基板上の微小うねりを十分に抑制することができないことが判明した。また、このような微小うねりは、化学強化工程後のガラス基板の冷却時に発生していることが判明した。
そして、近年、磁気ディスクにおける情報記録の高密度化に伴い、磁気ヘッドの低フライングハイト化が進められており、従来にもましてより平滑な表面を有するガラス基板が求められており、このような微小うねりが問題となるに至っている。
そこで、本発明は、前述のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱した化学強化塩融解液にガラス基板を接触させガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、化学強化工程後のガラス基板の冷却時に発生する微小うねりが抑制され、ヘッドクラッシュ及びサーマル・アスペリティといった障害を防止しつつ磁気ヘッドの低フライングハイト化を図り高密度情報記録が可能であって、特に、携帯情報機器用の小型のハードディスクドライブに用いて好適な磁気ディスクを構成することができる磁気ディスク用ガラス基板を製造できる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することにある。
また、本発明は、このような磁気ディスク用ガラス基板を用いることによって、ヘッドクラッシュ及びサーマル・アスペリティといった障害を防止しつつ磁気ヘッドの低フライングハイト化を図り高密度情報記録が可能であって、特に、携帯情報機器用の小型のハードディスクドライブに用いて好適な磁気ディスクを製造できる磁気ディスクの製造方法を提供することにある。
本発明者は、前述のようなガラス基板上に発生する微小うねりは、化学強化工程の後に、ガラス基板上に残留した強化塩が冷却されて結晶化する際に生じる塩の体積変動及び凝固熱によって生じることを突き止めた。
そこで、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、以下の構成のいずれか一を有するものである。
〔構成1〕
加熱した化学強化塩融解液にガラス基板を接触させ所望の温度においてガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程とこの化学強化工程を経たガラス基板を冷却する冷却工程とを含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、冷却工程においては、ガラス基板の表面に付着した化学強化塩融解液中の化学強化塩を固化させることなく、室温までガラス基板の温度を低下させることを特徴とするものである。
〔構成2〕
構成1を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、冷却工程は、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液にガラス基板を接触させる冷却処理を含み、処理液の温度は、化学強化工程における化学強化融解液の温度よりも低く調整されていることを特徴とするものである。
〔構成3〕
加熱した化学強化塩融解液にガラス基板を接触させ所望の温度においてガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程とこの化学強化工程を経たガラス基板を冷却する冷却工程とを含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、冷却工程においては、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液にガラス基板上に残留した化学強化融解液の結晶化が開始する前にガラス基板を接触させる冷却処理を行い、処理液の温度は、化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く調整されており、ガラス基板上に残留した化学強化塩融解液を処理液中に拡散させることを特徴とするものである。
〔構成4〕
構成2、または、構成3を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、冷却処理は、第1の処理液にガラス基板を接触させる第1の冷却処理とこの第1の冷却処理の後に少なくとも一の第2以降の処理液にガラス基板を順次接触させる第2以降の冷却処理とからなり、第1の冷却処理に用いる第1の処理液は、化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、化学強化塩の固化温度よりも高い温度に調整されており、第2以降の冷却処理に用いる第2以降の処理液は、この冷却処理の一つ前に行われる冷却処理に用いる前段処理液の温度よりも低く、かつ、この前段処理液の固化温度よりも高い温度に調整されていることを特徴とするものである。
〔構成5〕
化学強化処理槽に収容され加熱された化学強化塩融解液にガラス基板を浸漬し所望の温度においてガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程とこの化学強化工程を経たガラス基板をガラス基板保持槽に収容された処理液に浸漬しこのガラス基板を保持するガラス基板保持工程とを含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、ガラス基板保持槽に収容された処理液は、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解され化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く調整されており、ガラス基板保持工程においては、ガラス基板上に残留した化学強化融解液の結晶化が開始する前にガラス基板の処理液への浸漬を行いガラス基板上に残留した化学強化塩融解液を処理液中に拡散させることを特徴とするものである。
〔構成6〕
構成5を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、ガラス基板保持工程は、第1のガラス基板保持槽に収容された第1の処理液にガラス基板を浸漬させる第1の保持処理とこの第1の保持処理の後に少なくとも一の第2以降のガラス基板保持槽に収容された第2以降の処理液にガラス基板を順次浸漬させる第2以降の保持処理とからなり、第1の保持処理に用いる第1の処理液は、化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、化学強化塩の固化温度よりも高い温度に調整されており、第2以降の保持処理に用いる第2以降の処理液は、この保持処理の一つ前に行われる保持処理に用いる前段処理液の温度よりも低く、かつ、この前段処理液の固化温度よりも高い温度に調整されていることを特徴とするものである。
〔構成
加熱した化学強化融解液にガラス基板を接触させることで当該ガラス基板を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、化学強化融解液の固化温度よりも固化温度が低い物質が融解された処理液に化学強化処理されたガラス基板を接触させることにより、化学強化処理されたガラス基板の表面に付着した化学強化融解液を固化させることなくガラス基板表面上から拡散させる接触工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、化学強化工程後にガラス基板を冷却する冷却工程、または、ガラス基板保持工程において、ガラス基板上に残留した化学強化塩融解液の結晶化が開始する前に、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液にガラス基板を接触、または、浸漬させるので、ガラス基板の表面に微小うねりを発生させることなく、ガラス基板を冷却することができる。この処理液は、化学強化塩の固化温度より高温に調整しておくことが望ましい。なお、本発明において、化学強化処理の内容については、特に限定されるものではない。
〔構成
構成2乃至構成のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、処理液は、硝酸塩を主たる物質とする融解液であることを特徴とするものである。
〔構成
構成8を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、処理液は、アルカリ金属硝酸塩及びアルカリ土類金属硝酸塩から選択される複数種類の硝酸塩を所定の割合で含むことにより、所望の固化温度に調整されていることを特徴とするものである。
〔構成10〕
構成2乃至構成9のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、処理液は、化学強化塩に含まれる金属塩の少なくとも一部を含んでいることを特徴とするものである。
〔構成11
構成1乃至構成10のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、化学強化工程を経たガラス基板の温度を段階的に低下させることを特徴とするものである。
〔構成12
構成1乃至構成11のいずれか一を有する記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、磁気ディスク用ガラス基板は、浮上量が6nm以下の磁気ヘッドに対応する磁気ディスク用ガラス基板であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る磁気ディスクの製造方法は、以下の構成を有するものである。
〔構成13
構成1乃至構成12のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を成膜することを特徴とするものである。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、化学強化工程後にガラス基板を冷却する冷却工程、または、ガラス基板保持工程において、ガラス基板上に残留した化学強化塩融解液の結晶化が開始する前に、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液にガラス基板を接触、または、浸漬させるので、ガラス基板の表面に微小うねりを発生させることなく、ガラス基板を冷却することができる。
したがって、本発明は、加熱した化学強化塩融解液にガラス基板を接触させガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、化学強化工程後のガラス基板の冷却時に発生する微小うねりを抑制し、ヘッドクラッシュ及びサーマル・アスペリティといった障害を防止しつつ磁気ヘッドの低フライングハイト化を図り高密度情報記録が可能であって、特に、携帯情報機器用の小型のハードディスクドライブに用いて好適な磁気ディスクを構成することができる磁気ディスク用ガラス基板を製造できる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することができるものである。
また、本発明は、このような磁気ディスク用ガラス基板を用いることによって、ヘッドクラッシュ及びサーマル・アスペリティといった障害を防止しつつ磁気ヘッドの低フライングハイト化を図り高密度情報記録が可能であって、特に、携帯情報機器用の小型のハードディスクドライブに用いて好適な磁気ディスクを製造できる磁気ディスクの製造方法を提供することができるものである。
また、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、冷却工程において使用される処理液を、化学強化塩に含まれる金属塩の少なくとも一部を含んでいるものとすることにより、ガラス基板の表面に付着した化学強化処理を行った化学強化塩融解液を、冷却工程において使用される処理液と分離することなく(液体状態で)混合することができる。これにより、ガラス基板表面に付着している化学強化塩融解液は、凝固点降下により、その結晶化温度を低くすることができるので、冷却工程において強化塩融解液がガラス基板表面で結晶化することをより一層防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の工程を示すフローチャートである。
〔ラッピング工程〕
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法においては、まず、図1に示すように、板状ガラス1の主表面をラッピング(研削)処理してガラス母材2とし、このガラス母材2を切断してガラス基板3を切り出し、このガラス基板3の主表面に対し、少なくともポリッシング(研磨)処理を行う。
ラッピング処理に供する板状ガラス1としては、様々な形状の板状ガラス1を用いることができる。この板状ガラス1の形状は、矩形状であっても、ディスク状(円盤状)であってもよい。ディスク状の板状ガラス1は、従来の磁気ディスク用ガラス基板の製造において用いられているラッピング装置を用いてラッピング処理を行うことができ、信頼性の高い加工を安価にて行うことができる。
この板状ガラス1のサイズは、製造しようとする磁気ディスク用ガラス基板より大きいサイズである必要がある。例えば、「1インチ型ハードディスクドライブ」、あるいは、それ以下のサイズの小型ハードディスクドライブに搭載する磁気ディスクに用いる磁気ディスク用ガラス基板を製造する場合にあっては、この磁気ディスク用ガラス基板の直径は略々20mm乃至30mm程度であるので、ディスク状の板状ガラス1の直径としては、30mm以上、好ましくは、48mm以上であることが好ましい。直径が65mm以上のディスク状の板状ガラス1を用いれば、1枚の板状ガラス1から、複数の「1インチ型ハードディスクドライブ」に搭載する磁気ディスクに用いる磁気ディスク用ガラス基板を採取することができ、大量生産に好適である。
この板状ガラス1は、例えば、溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、または、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらのうち、プレス法を用いれば、板状ガラス1を廉価に製造することができる。
また、板状ガラス1の材料としては、化学強化されるガラスであれば、特に制限は設けないが、アルミノシリケートガラスを好ましく挙げることができる。特に、リチウムを含有するアルミノシリケートガラスが好ましい。このようなアルミノシリケートガラスは、イオン交換型化学強化処理、特に、低温イオン交換型化学強化処理により、好ましい圧縮応力を有する圧縮応力層及び引張応力を有する引張応力層を精密に得ることができるので、磁気ディスク用化学強化ガラス基板3の材料として好ましい。
このようなアルミノシリケートガラスの組成比としては、SiOを、58乃至75重量%、Alを、5乃至23重量%、LiOを、3乃至10重量%、NaOを、4乃至13重量%、主成分として含有することが好ましい。
さらに、アルミノシリケートガラスの組成比としては、SiOを、62乃至75重量%、Alを、5乃至15重量%、LiOを、4乃至10重量%、NaOを、4乃至12重量%、ZrOを、5.5乃至15重量%、主成分として含有するとともに、NaOとZrOとの重量比(NaO/ZrO)が0.5乃至2.0、AlとZrOとの重量比(Al/ZrO)が0.4乃至2.5であることが好ましい。
ラッピング処理(第1ラッピング工程)は、板状ガラス1の主表面の形状精度(例えば、平坦度)や寸法精度(例えば、板厚の精度)を向上させることを目的とする加工である。このラッピング処理は、板状ガラス1の主表面に、砥石、あるいは、定盤を押圧させ、これら板状ガラス1及び砥石または定盤を相対的に移動させることにより、板状ガラス1の主表面を研削することにより行われる。このようなラッピング処理は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置を用いて行うことができる。
ラッピング処理において用いる砥石としては、ダイヤモンド砥石を用いることができる。また、遊離砥粒としては、アルミナ砥粒やジルコニア砥粒、または、炭化珪素砥粒などの硬質砥粒を用いるとよい。
このラッピング処理により、板状ガラス1の形状精度が向上し、主表面の形状が平坦化されるとともに板厚が所定の値となるまで削減されたガラス母材2が形成される。ガラス母材2の主表面がラッピング処理により平坦となされ、また、板厚が削減されていることにより、このガラス母材2を切断して、このガラス母材2からガラス基板3を切り出すことができる。すなわち、ガラス母材2からガラス基板3を切り出すときに、欠け、ひび、割れといった欠陥が発生することを防止することができる。
〔端面ポリッシング工程〕
ガラス基板3の端面の鏡面研磨(端面ポリッシング工程)をしておくことが好ましい。ガラス基板3の端面は切断形状となっているので、この端面を鏡面にポリッシングしておくことにより、端面からのパーティクルの発生を抑制することができ、この磁気ディスク用ガラス基板を用いて製造された磁気ディスクにおいて、いわゆるサーマルアスペリティ障害を良好に防止することができるからである。また、端面が鏡面であれば、微小クラックによる遅れ破壊を防止できる。端面の鏡面状態としては、算術平均粗さ(Ra)で100nm以下の鏡面が好ましい。
〔第2ラッピング工程〕
後述するガラス基板3のポリッシング工程の前に、ラッピング処理(第2ラッピング工程)をしておくことが好ましい。このときのラッピング処理は、前述した板状ガラス1に対するラッピング処理と同様の手段により行うことができる。ガラス基板3をラッピング処理してからポリッシング処理を行うことにより、より短時間で、鏡面化された主表面を得ることができる。
〔ポリッシング工程〕
ガラス母材2から切り出されたガラス基板3に対してポリッシング処理を施し、ガラス基板3の主表面を鏡面化する。
このポリッシング処理を施すことにより、ガラス基板3の主表面のクラックが除去され、主表面の微小うねりは、例えば、最大値で5nm以下となされる。この微小うねりの最大値は、フェイズシフトテクノロジー(PHASE SHIFT TECHNOLOGY)社製「MicroXAM」を用いて、非接触レーザ干渉法により、波長4μm乃至1mmの周波数のうねりを測定した場合の最大値である。測定範囲は、各辺が800μm及び980μmの矩形(800μm×980μm)の範囲内である。
ガラス基板3の主表面がこのような鏡面となっていれば、このガラス基板3を用いて製造される磁気ディスクにおいて、磁気ヘッドの浮上量が、例えば、10nmである場合であっても、いわゆるクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止することができる。また、ガラス基板3の主表面がこのような鏡面となっていれば、後述する化学強化工程において、ガラス基板3の微細領域において均一に化学強化処理を施すことができ、また、微小クラックによる遅れ破壊を防ぐことができる。
このポリッシング処理は、例えば、ガラス基板3の主表面に、研磨布(例えば、研磨パッド)が貼り付けられた定盤を押圧させ、ガラス基板3の主表面に研磨液を供給しながら、これらガラス基板3及び定盤を相対的に移動させ、ガラス基板3の主表面を研磨することにより行われる。このとき、研磨液には、研磨砥粒を含有させておくとよい。研磨砥粒としては、コロイダルシリカ研磨砥粒を用いることができる。研磨砥粒としては、平均砥粒が10nm乃至200nmの砥粒を用いるとよい。
また、別のポリッシング処理としては、例えば、ガラス基板3の主表面にテープ状の研磨布(例えば、研磨テープ)を押し付け、ガラス基板3の主表面に研磨液を供給しながら、これらガラス基板3及び研磨布を相対的に移動させ、ガラス基板3の主表面を研磨するテープ研磨方法を用いてもよい。このとき、研磨液には、研磨砥粒を含有させておくとよい。研磨砥粒としては、ダイヤモンド研磨砥粒を用いることができる。研磨砥粒としては、平均粒径が10nm乃至200nmの砥粒を用いるとよい。
研磨パッド、あるいは、研磨テープの研磨面は、ポリウレタン、ポリエステルなどの樹脂材料とすることが好ましい。研磨パッドであれば、研磨面を発泡樹脂(例えば、発泡ポリウレタン)、研磨テープであれば、研磨面を樹脂繊維(例えば、ポリエステル樹脂繊維)とすることが好適である。
〔化学強化工程〕
図2は、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法における化学強化工程及び冷却工程、または、ガラス基板保持工程を示す側面図である。
ガラス基板3のポリッシング工程の前及び/又は後の化学強化工程において、化学強化処理を施す。化学強化処理を行うことにより、磁気ディスク用ガラス基板の表層に高い圧縮応力を生じさせることができ、耐衝撃性を向上させることができる。特に、ガラス基板3の材料としてアルミノシリケートガラスを用いている場合には、好適に化学強化処理を行うことができる。
この化学強化工程においては、ガラス基板3に含まれるイオンのイオン半径よりもイオン半径が大きいイオンを含有する化学強化塩融解液とガラス基板3とを接触させて、イオン交換をさせる。この化学強化工程は、図2に示すように、化学強化処理槽4を用いて行われ、ガラス基板は、このガラス基板に含まれるイオンのイオン半径よりもイオン半径が大きいイオンを含有する化学強化塩融解液中に浸漬される。
この化学強化工程は、化学強化処理方法として公知のものと同等であり、化学強化塩融解液としては、加熱した化学強化塩融解液を用いることができる。イオン交換法としては、低温型イオン交換法、高温型イオン交換法、表面結晶化法、ガラス表面の脱アルカリ法などが知られているが、ガラスの徐冷点を超えない温度領域でイオン交換を行う低温型イオン交換法を用いることが好ましい。
なお、ここでいう低温型イオン交換法は、ガラスの徐冷点以下の温度領域において、ガラス中のアルカリ金属イオンをこのアルカリ金属イオンよりもイオン半径の大きいアルカリ金属イオンと置換し、イオン交換部の容積増加によってガラス表層に圧縮応力を発生させ、ガラス表層を強化する方法のことをさす。
なお、化学強化処理を行なうときの化学強化塩融解液の加熱温度は、イオン交換が良好に行われるという観点等から、280°C乃至660°C、特に、300°C乃至400°Cであることが好ましい。ガラス基板3を化学強化塩融解液に接触させる時間は、数時間乃至数十時間とすることが好ましい。なお、ガラス基板3を化学強化塩融解液に接触させる前に、予備加熱として、ガラス基板3を100°C乃至300°Cに加熱しておくことが好ましい。
化学強化工程を行うための化学強化処理槽4の材料としては、耐食性に優れるとともに、低発塵性の材料であれば、特に限定されない。化学強化塩や化学強化塩融解液は酸化性があり、かつ、処理温度が高温なので、耐食性に優れた材料を選定することにより、損傷や発塵を抑制し、もって、サーマルアスペリティ障害や、ヘッドクラッシュを抑制する必要がある。この観点からは、化学強化処理槽4の材料としては、石英材が特に好ましいが、ステンレス材や、特に耐食性に優れるマルテンサイト系、または、オーステナイト系ステンレス材も用いることができる。なお、石英材は、耐食性に優れるが、高価なので、採算性を考慮して、適宜選択することができる。
化学強化塩融解液としては、アルカリ金属元素を含有する硝酸塩、例えば、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸リチウムなどを含有する硝酸塩を用いることが好適である。なお、硝酸塩に含有されるリチウム元素は、0ppm〜2000ppmとすることが好適である。このような化学強化塩は、ガラス、特に、リチウム元素を含むアルミノシリケートガラスを化学強化処理したときに、磁気ディスク用ガラス基板としての所定の剛性及び耐衝撃性を実現することができるからである。化学強化塩融解液中に含有されるリチウムイオンが多すぎると、イオン交換が阻害されてしまう結果、本発明で得ようとする引張応カや圧縮応カを得ることが困難になる場合がある。
〔冷却工程、または、ガラス基板保持工程〕
そして、本発明においては、化学強化工程を経たガラス基板に対して、図2に示すように、ガラス基板3をガラス基板保持槽5に収容された処理液に浸漬しこのガラス基板3を保持するガラス基板保持工程を実行する。このガラス基板保持工程は、ガラス基板を冷却する冷却工程ともなっている。
この冷却工程(または、ガラス基板保持工程)においては、ガラス基板3の表面に付着した化学強化塩融解液中の化学強化塩を固化させることなく、所定の温度(例えば、室温)までガラス基板の温度を低下させる。
なお、化学強化塩融解液は、温度が低下するにしたがい、液体、シャーベット状、固体の順に遷移するので、この冷却工程(または、ガラス基板保持工程)においては、ガラス基板3の表面に付着した化学強化塩融解液中の化学強化塩を析出させることなく(シャーベット状とすることなく)、所定の温度(例えば、室温)までガラス基板の温度を低下させることとしてもよい。
この冷却工程(または、ガラス基板保持工程)においては、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液にガラス基板を接触させる冷却処理(または、保持処理)を行う。この処理液の温度は、化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く調整しておく。すなわち、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解され、化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低い温度に調整した処理液を、ガラス基板保持槽5に収容しておき、この処理液中にガラス基板を浸漬させる。
この処理液は、硝酸塩を主たる物質とする融解液とすることができる。処理液の物質は、アルカリ金属硝酸塩及びアルカリ土類金属硝酸塩から選択される複数種類の硝酸塩を所定の割合で含むものとすることにより、所望の固化温度に調整しておくことができる。
処理液への浸漬時間は、ガラス基板上に残留した化学強化塩が処理液中に拡散するに十分な時間であればよく、例えば、数分から十数分であることが好ましい。
そして、このように処理液に浸漬させたガラス基板を、次に、温水、冷水の順に浸漬させ、室温まで冷却するとともに、ディスク基板上から処理液の物質を溶解除去する。
ところで、処理液が固化して結晶化を開始する温度が、この処理液の物質を溶解除去するための温水より高温であると、ガラス基板を温水に浸漬したときに、処理液がガラス基板上で結晶化してしまう虞れがある。このようなことのないように、第2以降の処理液を用いて、順次低温で固化結晶化を開始する物質を含む処理液に浸漬させてゆき、温水の前に浸漬させる処理液が固化して結晶化を開始する温度が、温水より低温であるようにしておくことが好ましい。
すなわち、冷却工程(または、ガラス基板保持工程)における冷却処理(または、保持処理)は、第1の処理液にガラス基板を接触させる第1の冷却処理と、この第1の冷却処理の後に少なくとも一の第2以降の処理液にガラス基板を順次接触させる第2以降の冷却処理とからなるものとすることができる。この場合には、第1のガラス基板保持槽に収容された第1の処理液にガラス基板を浸漬させる第1の冷却処理(または、保持処理)と、この第1の保持処理の後に少なくとも一の第2以降のガラス基板保持槽に収容された第2以降の処理液にガラス基板を順次浸漬させる第2以降の冷却処理(または、保持処理)とを行う。
第1の冷却処理(または、保持処理)に用いる第1の処理液は、化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、化学強化塩の固化温度よりも高い温度に調整しておく。また、第2以降の冷却処理(または、保持処理)に用いる第2以降の処理液は、この冷却処理の一つ前に行われる冷却処理に用いる前段処理液の温度よりも低く、かつ、この前段処理液の固化温度よりも高い温度に調整しておく。
この場合には、この冷却工程(または、ガラス基板保持工程)において、化学強化工程を経たガラス基板の温度を段階的に低下させるようにすることができる。
このように、ガラス基板上に残留した化学強化塩の結晶化が開始する前に、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液にガラス基板を接触、または、浸漬させることにより、ガラス基板の表面に微小うねりを発生させることなく、ガラス基板を冷却することができる。
なお、この冷却工程(または、ガラス基板保持工程)は、化学強化処理されたガラス基板の表面に付着した化学強化融解液を固化させることなくガラス基板表面上から拡散させるとともに、化学強化融解液の固化温度よりも固化温度が低い物質が融解された処理液に化学強化処理されたガラス基板を接触させる接触工程と考えることもできる。
〔処理液の説明〕
前述の冷却工程で使用される処理液は、化学強化工程で使用される化学強化塩の固化温度よりも高い温度では液体である。
冷却工程で使用される処理液は、化学強化工程で使用される化学強化塩と同じ金属塩を含んだものであることが好ましい。なお、化学強化工程で使用される化学強化塩が複数種類の金属塩から構成される場合には、処理液は、化学強化塩を構成する金属塩のうち、少なくとも一部の金属塩を含むことが好ましく、さらに、全ての金属塩を含むことがより好ましい。
また、冷却工程で使用される処理液は、化学強化工程で使用される化学強化塩融解液と混合し、化学強化塩融解液の結晶化温度を低下させるものであることが好ましい。これにより、化学強化工程後のガラス基板表面に付着した化学強化塩融解液の結晶化温度を低下させることができる。
〔洗浄工程等〕
そして、上述のような化学強化工程及び冷却工程(または、ガラス基板保持工程)を完了した後のガラス基板3は、図1に示すように、洗浄工程等を経て、製品(磁気ディスク用ガラス基板)となされる。
前述のようにして製造される本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板は、ディスク厚が0.5mm未満、特に、ディスク厚が0.1mm乃至0.4mmの薄型磁気ディスク用ガラス基板として特に好適である。また、この磁気ディスク用ガラス基板は、ディスクの直径(外径)が30mm以下の小型磁気ディスク用ガラス基板として特に好適である。このような薄型、小型磁気ディスクは、「1インチ型ハードディスクドライブ」、または、「1インチ型ハードディスクドライブ」よりも小型のハードディスクドライブに搭戴されるからである。すなわち、この磁気ディスク用ガラス基板は、「1インチ型ハードディスクドライブ」、または、「1インチ型ハードディスクドライブ」よりも小型のハードディスクドライブに搭戴される磁気ディスク用ガラス基板として好適である。
なお、「1インチ型ハードディスクドライブ」に搭載する磁気ディスクを製造するための磁気ディスク用ガラス基板の直径は、約27.4mm、ディスク厚は、0.381mmである。また、「0.85インチ型ハードディスクドライブ」に搭載する磁気ディスクを製造するための磁気ディスク用ガラス基板の直径は、約21.6mmである。
本発明の構成とすることで、例えば、浮上量が6nm以下とされる磁気ヘッドに対応する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することができる。
〔磁性層の成膜〕
本発明に係る磁気ディスクの製造方法において、上述のようにして製造された磁気ディスク用ガラス基板上に形成される磁性層としては、例えば、コバルト(Co)系強磁性材料からなるものを用いることができる。特に、高い保磁力が得られるコバルト−プラチナ(Co−Pt)系強磁性材料や、コバルト−クロム(Co−Cr)系強磁性材料からなる磁性層として形成することが好ましい。なお、磁性層の形成方法としては、DCマグネトロンスパッタリング法を用いることができる。
また、ガラス基板と磁性層との間に、適宜、下地層等を介挿させることが好ましい。これら下地層の材料としてはAl−Ru系合金や、Cr系合金などを用いることができる。
また、磁性層上には、磁気ヘッドの衝撃から磁気ディスクを防護するための保護層を設けることができる。この保護層としては、硬質な水素化炭素保護層を好ましく用いることができる。
さらに、この保護層上に、PFPE(パーフルオロポリエーテル)化合物からなる潤滑層を形成することにより、磁気ヘッドと磁気ディスクとの干渉を緩和することができる。この潤滑層は、例えば、ディップ法により、塗布成膜することにより形成することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、具体的に説明する。なお、本発明は、これら実施例の構成に限定されるものではない。
〔磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の実施例〕
以下に述べる本実施例における磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、以下の(1)乃至(9)の工程からなる。
(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)
(2)形状加工工程
(3)精ラッピング工程(精研削工程)
(4)端面鏡面加工(ポリッシング)工程
(5)第1研磨(ポリッシング)工程
(6)第2研磨(ポリッシング)工程
(7)化学強化工程
(8)冷却工程
(9)洗浄工程
まず、アモルファスのアルミノシリケートガラスからなるディスク状のガラス母材を用意した。このアルミノシリケートガラスは、リチウムを含有している。このアルミノシリケートガラスの組成は、SiOを、63.6重量%、Alを、14.2重量%、NaOを、10.4重量%、LiOを、5.4重量%、ZrOを、6.0重量%、Sbを、0.4重量%含むものである。
(1)粗ラッピング工程
溶融させたアルミノシリケートガラスから形成した厚さ0.6mmのシートガラスをガラス母材として用いて、このシートガラスから、研削砥石により、直径28.7mm、厚さ0.6mmの円盤状のガラス基板を得た。
このシートガラスの材料であるアルミノシリケートガラスとしては、SiOを、58乃至75重量%、Alを、5乃至23重量%、NaOを、4乃至13重量%、LiOを、3乃至10重量%、含有するものであればよい。
次に、ガラス基板に対し、寸法精度及び形状精度の向上のために、ラッピング工程を施す。このラッピング工程は、両面ラッピング装置を用いて、粒度#400の砥粒を用いて行った。
具体的には、始めに粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷量を100kg程度に設定して、サンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を、面精度0乃至1μm、表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。
(2)形状加工工程
次に、円筒状の砥石を用いて、ガラス基板の中央部分に直径6.1mmの孔を形成するとともに、外周端面の研削をして、直径を27.43mmとした後、外周端面及び内周端面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板の端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度とした。
(3)精ラッピング工程
次に、砥粒の粒度を#1000に替え、ガラス基板の主表面をラッピングすることにより、主表面の表面粗さを、Rmaxで2μm程度、算術平均粗さ(Ra)で0.2μm程度とした。
この精ラッピング工程を行うことにより、前工程である粗ラッピング工程や形状加工工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を低減させた。
このような精ラッピング工程を終えたガラス基板を、超音波を印加した中性洗剤及び水の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄を行った。
(4)端面鏡面加工(ポリッシング)工程
次いで、ガラス基板の端面について、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながら、ガラス基板の端面(内周端面及び外周端面)の表面の粗さを、算術平均粗さ(Ra)で40nm程度に研磨した。
そして、端面鏡面加工を終えたガラス基板の主表面を水洗浄した。
なお、この端面鏡面加工(ポリッシング)工程においては、ガラス基板を重ね合わせて端面をポリッシングするが、この際に、ガラス基板の主表面にキズ等が付くことを避けるため、後述する第1研磨(ポリッシング)工程よりも前、あるいは、第2研磨(ポリッシング)工程の前後に行うことが好ましい。
この端面鏡面加工(ポリッシング)工程により、ガラス基板の端面は、パーティクル等の発塵を防止できるような鏡面状態に加工した。
(5)第1研磨(ポリッシング)工程
次に、前述した精ラッピング工程において残留した傷や歪みを除去するため、両面研磨装置を用いて、第1研磨(ポリッシング)工程を行った。
研磨パッドとして発泡ポリウレタンを用いて、第1研磨(ポリッシング)工程を実施した。研磨条件は、酸化セリウム及びRO水からなる研磨液を用いた。この第1研磨(ポリッシング)工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬させて、超音波洗浄し、乾燥させた。
(6)第2研磨(ポリッシング)工程
次に、第1研磨工程で使用した両面研磨装置と同様の両面研磨装置を用いて、ポリッシャを軟質研磨パッド(発泡ポリウレタン)に替えて、主表面の鏡面研磨工程として、第2研磨(ポリッシング)工程を実施した。
第2研磨(ポリッシング)工程は、前述した第1研磨(ポリッシング)工程により得られた平坦な主表面を維持しつつ、クラックを確実に除去し、この主表面の表面粗さ算術平均粗さ(Ra)を、例えば、0.4乃至0.1nm程度まで低減させた鏡面とすることを目的とするものである。
研磨液は、コロイダルシリカ研磨砥粒(平均粒径80nm)及びRO水からなる研磨液を用い、荷重を100g/cm、研磨時間を5分とした。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬させて、超音波洗浄し、乾燥させた。
(7)化学強化工程
次に、洗浄を終えたガラス基板に対し、化学強化処理を施した。化学強化処理は、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムと硝酸リチウムとを混合させた化学強化塩を溶融させた化学強化塩融解液を用いて行った。
この実施例において、化学強化塩融解液としては、KNO:NaNO=6:4のものを用いた。この化学強化塩融解液の結晶化開始温度は、約230°Cである。
この化学強化塩融解液を、380°Cに加熱し、洗浄及び乾燥を終えたガラス基板を、約2時間乃至4時間、化学強化処理槽において浸漬して、化学強化処理を行った。この浸漬の際には、磁気ディスク用ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数の磁気ディスク用ガラス基板が端面で保持されるように、ホルダーに収納した状態で行った。
(8−1)冷却工程(第1の実施例)
化学強化工程で用いた化学強化塩融解液の結晶化開始温度が約230°Cであるので、化学強化処理槽より引き上げたガラス基板の温度が230°C以上に維持され、ガラス基板表面に残留した化学強化塩の結晶化が開始しない状態において、240°C乃至330°Cに調整した第1の処理液に浸漬させた。この第1の処理液は、KNO:NaNO:CaNO・4HO=9:6:5のものを用いた。この第1の処理液の結晶化開始温度は、約190°Cである。
次に、第1の処理液より引き上げたガラス基板の温度が190°C以上に維持され、ガラス基板表面に残留した第1の処理液の結晶化が開始しない状態において、200°C乃至230°Cに調整した第2の処理液に浸漬させた。この第2の処理液は、KNO:NaNO:CaNO・4HO:LiNO=3:2:3:2のものを用いた。
そして、第2の処理液より引き上げたガラス基板を、50°C乃至80°Cに調整した温水ヘ浸漬し、約10分間維持した。さらに、温水より引き上げたガラス基板を、約20°Cの冷水ヘ浸漬し、約10分間維持した。
このようにして、ガラス基板の温度を室温まで低下させた。
(8−2)冷却工程(第2の実施例)
化学強化処理槽より引き上げたガラス基板の温度が230°C以上に維持され、ガラス基板表面に残留した化学強化塩の結晶化が開始しない状態において、約270°Cに調整した第1の処理液に浸漬させた。この第1の処理液は、KNO:NaNO:CaNO・4HO=3:1:6のものを用いた。この第1の処理液の結晶化開始温度は、約150°Cである。
次に、第1の処理液より引き上げたガラス基板の温度が150°C以上に維持され、ガラス基板表面に残留した第1の処理液の結晶化が開始しない状態において、約170°Cに調整した第2の処理液に浸漬させた。この第2の処理液は、KNO:NaNO:CaNO・4HO:LiNO=5:3:8:4のものを用いた。
そして、第2の処理液より引き上げたガラス基板を、約80°Cに調整した温水ヘ浸漬し、約10分間維持した。さらに、温水より引き上げたガラス基板を、約20°Cの冷水ヘ浸漬し、約10分間維持した。
このようにして、ガラス基板の温度を室温まで低下させた。
(9)洗浄
冷却を終えた磁気ディスク用ガラス基板を、約40°Cに加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えた磁気ディスク用ガラス基板を、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬させて、超音波洗浄し、乾燥させた。
次に、洗浄を終えた磁気ディスク用ガラス基板の主表面について、目視検査を行い、さらに、光の反射、散乱及び透過を利用した精密検査を実施した。
このような工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板の主表面に、特異な微小うねりが存在しないことが、「Candela社製OSA6100」を用いて確認された。
〔磁気ディスクの製造方法の実施例〕
次に、以下の工程を経て、磁気ディスクを製造した。
前述の工程により得られる磁気ディスク用ガラス基板の両主表面に、静止対向型のDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、Al−Ru合金のシード層、Cr−W合金の下地層、Co−Cr−Pt−Ta合金の磁性層、水素化炭素保護層を順次成膜する。シード層は、磁性層の磁性グレインを微細化させる作用を奏し、下触層は、磁性層の磁化容易軸を面内方向に配向きせる作用を奏する。
この磁気ディスクは、非磁性基板である磁気ディスク用ガラス基板と、この磁気ディスク用ガラス基板上に形成された磁性層と、この磁性層上に形成された保護層と、この保護層上に形成された潤滑層とを少なくとも備えて構成される。
磁気ディスク用ガラス基板と磁性層との間には、シード層及び下地層からなる非磁性金属層(非磁性下地層)が形成されている。この磁気ディスクにおいて、磁性層以外は、全て非磁性体からなる層である。この実施例においては、磁性層及び保護層、保護層及び潤滑層は、それぞれ接した状態で形成されている。
すなわち、まず、スパッタリングターゲットとして、Al−Ru(アルミニウム−ルテニウム)合金(Al:50at%、Ru:50at%)を用いて、磁気ディスク用ガラス基板上に、膜厚30nmのAl−Ru合金からなるシード層をスパッタリングにより成膜する。次に、スパッタリングターゲットとして、Cr−W(クロム−タングステン)合金(Cr:80at%、W:20at%)を用いて、シード層5上に、膜厚20nmのCr−W合金からなる下地層をスパッタリングにより成膜した。次いで、スパッタリングターゲットとして、Co−Cr−Pt−Ta(コバルト−クロム−プラチナ−タンタル)合金(Cr:20at%、Pt:12at%、Ta:5at%、残部Co)からなるスパッタリングターゲットを用いて、下地層上に、膜厚15nmのCo−Cr−Pt−Ta合金からなる磁性層をスパッタリングにより形成する。
次に、磁性層上に水素化炭素からなる保護層を形成し、さらに、PFPE(パーフルオロポリエーテル)からなる潤滑層をディップ法で成膜する。保護層は、磁気ヘッドの衝撃から磁性層を保護する作用を奏する。
このようにして得られた磁気ディスクを用い、浮上量が10nmのグライドヘッドによりグライド検査を行ったところ、衝突する異物等は検出されず、安定した浮上状態を維持することができた。また、この磁気ディスクを用いて、700kFCIで記録再生試験を行ったところ、十分な信号強度比(S/N比)を得ることができた。また、信号のエラーは確認されなかった。
また、実施例によって得られたガラス基板を用いて、磁気ヘッドの浮上量を6nmに設定し、ロード/アンロード試験を行った結果、100万回の動作を行っても、ヘッドクラッシュは起きなかった。
さらに、1平方インチ当り60ギガビット以上の情報記録密度を必要とする「1インチ型ハードディスクドライブ」に搭載して駆動させたところ、特に問題なく記録再生を行うことができた。すなわち、クラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害は発生しなかった。
なお、本発明においては、磁気ディスク用ガラス基板の直径(サイズ)については、特に限定されるものではない。しかし、本発明は、特に、小径の磁気ディスク用ガラス基板を製造する場合に優れた有用性を発揮する。ここでいう小径とは、例えば、直径が30mm以下の磁気ディスク用ガラス基板である。
すなわち、例えば、直径が30mm以下の小径の磁気ディスクは、いわゆるカーナビゲーションシステムなどの車載用機器や、いわゆるPDAや携帯電話端末装置などの携帯用機器における記憶装置において用いられ、固定されて使用される機器における通常の磁気ディスクに比較して、高い耐久性や耐衝撃性が要求されるからである。
〔比較例〕
前述の実施例における磁気ディスク用ガラス基板と同様に、化学強化処理を行った後、比較例として、ガラス基板を化学強化処理液から引き上げて、放置した状態で室温まで下げることにより、磁気ディスク用ガラス基板を得た。この比較例における磁気ディスク用ガラス基板の主表面においては、「Candela社製OSA6100」を用いた確認により、微少うねりが観察された。
そして、このガラス基板を用いて磁気ディスクを製造し、実施例と同様のグライド検査を行ったところ、ヘッドクラッシュが発生した。
なお、本発明は、以下の発明の構成として把握することができる。
〔構成12〕
加熱した化学強化塩融解液にガラス基板を接触させ、所望の温度においてガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
化学強化処理されたガラス基板を、前記化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液に接触させる処理を含む
ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
〔構成13〕
構成12を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記処理液の温度は、前記化学強化塩の固化温度よりも高い温度とされている
ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
〔構成14〕
加熱した化学強化塩融解液にガラス基板を接触させ、所望の温度においてガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
化学強化処理されたガラス基板を、前記化学強化塩よりも固化温度の低い第1の物質が融解された第1の処理液に接触させる処理を含み、
前記第1の処理液に接触したガラス基板を、前記第1の物質よりも固化温度の低い第2の物質が融解された第2の処理液に接触させる処理を含む
ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
〔構成15〕
構成14を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記第1の処理液の温度は、前記化学強化塩の固化温度よりも高い温度とされ、
前記第2の処理液の温度は、前記第1の物質の固化温度よりも高い温度とされている
ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
〔構成16〕
前記処理液は、融解した硝酸塩である
ことを特徴とする構成12乃至構成15のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
〔構成17〕
前記処理液に接触したガラス基板の温度を段階的及び/又は連続的に低下させる
ことを特徴とする構成12乃至構成16のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
〔構成18〕
構成12乃至構成17のいずれか一を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を成膜する
ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の工程を示すフローチャートである。 本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法における化学強化工程及び冷却工程、または、ガラス基板保持工程を示す側面図である。
符号の説明
1 板状ガラス
2 ガラス母材
3 ガラス基板
4 化学強化処理槽
5 ガラス基板保持槽

Claims (13)

  1. 加熱した化学強化塩融解液にガラス基板を接触させ、所望の温度においてガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程と、この化学強化工程を経たガラス基板を冷却する冷却工程とを含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記冷却工程においては、前記ガラス基板の表面に付着した前記化学強化塩融解液中の化学強化塩を固化させることなく、室温まで前記ガラス基板の温度を低下させる
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記冷却工程は、前記化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液に、前記ガラス基板を接触させる冷却処理を含み、
    前記処理液の温度は、前記化学強化工程における化学強化融解液の温度よりも低く調整されている
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 加熱した化学強化塩融解液にガラス基板を接触させ、所望の温度においてガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程と、この化学強化工程を経たガラス基板を冷却する冷却工程とを含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記冷却工程においては、前記化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液に、前記ガラス基板上に残留した前記化学強化融解液の結晶化が開始する前に前記ガラス基板を接触させる冷却処理を行い、
    前記処理液の温度は、前記化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く調整されており、
    前記ガラス基板上に残留した化学強化塩融解液を前記処理液中に拡散させる
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記冷却処理は、第1の処理液に前記ガラス基板を接触させる第1の冷却処理と、この第1の冷却処理の後に少なくとも一の第2以降の処理液に前記ガラス基板を順次接触させる第2以降の冷却処理とからなり、
    前記第1の冷却処理に用いる第1の処理液は、前記化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、前記化学強化塩の固化温度よりも高い温度に調整されており、
    前記第2以降の冷却処理に用いる第2以降の処理液は、この冷却処理の一つ前に行われる冷却処理に用いる前段処理液の温度よりも低く、かつ、この前段処理液の固化温度よりも高い温度に調整されている
    ことを特徴とする請求項2、または、請求項3記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 化学強化処理槽に収容され加熱された化学強化塩融解液にガラス基板を浸漬し、所望の温度においてガラス基板の表層を化学強化する化学強化工程と、この化学強化工程を経たガラス基板をガラス基板保持槽に収容された処理液に浸漬し、このガラス基板を保持するガラス基板保持工程とを含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板保持槽に収容された処理液は、前記化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解され、前記化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く調整されており、
    前記ガラス基板保持工程においては、前記ガラス基板上に残留した前記化学強化融解液の結晶化が開始する前に前記ガラス基板の前記処理液への浸漬を行い、前記ガラス基板上に残留した化学強化塩融解液を前記処理液中に拡散させる
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記ガラス基板保持工程は、第1のガラス基板保持槽に収容された第1の処理液に前記ガラス基板を浸漬させる第1の保持処理と、この第1の保持処理の後に少なくとも一の第2以降のガラス基板保持槽に収容された第2以降の処理液に前記ガラス基板を順次浸漬させる第2以降の保持処理とからなり、
    前記第1の保持処理に用いる第1の処理液は、前記化学強化工程における化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、前記化学強化塩の固化温度よりも高い温度に調整されており、
    前記第2以降の保持処理に用いる第2以降の処理液は、この保持処理の一つ前に行われる保持処理に用いる前段処理液の温度よりも低く、かつ、この前段処理液の固化温度よりも高い温度に調整されている
    ことを特徴とする請求項記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  7. 加熱した化学強化融解液にガラス基板を接触させることで当該ガラス基板を化学強化する化学強化工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記化学強化融解液の固化温度よりも固化温度が低い物質が融解された処理液に、前記化学強化処理されたガラス基板を接触させることにより、化学強化処理されたガラス基板の表面に付着した化学強化融解液を固化させることなくガラス基板表面上から拡散させる接触工程を含む
    ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  8. 前記処理液は、硝酸塩を主たる物質とする融解液である
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  9. 前記処理液は、アルカリ金属硝酸塩及びアルカリ土類金属硝酸塩から選択される複数種類の硝酸塩を所定の割合で含むことにより、所望の固化温度に調整されている
    ことを特徴とする請求項記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  10. 前記処理液は、前記化学強化塩に含まれる金属塩の少なくとも一部を含んでいる
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  11. 前記化学強化工程を経たガラス基板の温度を段階的に低下させる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  12. 前記磁気ディスク用ガラス基板は、浮上量が6nm以下の磁気ヘッドに対応する磁気ディスク用ガラス基板である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基の板製造方法。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により製造された磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を成膜する
    ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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