JP2009022938A - 水素添加用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた触媒活性及び耐久性を有する脂肪酸又はそのエステルの水素添加用触媒及びその製造方法、ヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルの製造方法、並びにそれを原料とするアルコールの製造方法の提供。
【解決手段】 Ni及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属を10〜85重量%(触媒全量中の金属酸化物としての含有量)含有し、かつ細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量が0.15〜1.0mL/gである、脂肪酸又はそのエステルの水素添加用触媒、その製造方法、この水素添加用触媒の存在下、常圧〜30MPaの圧力下で脂肪酸又はそのエステルの水素添加反応を行う、ヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルの製造方法、並びにこの方法で製造した脂肪酸又はそのエステルを原料として用い、還元反応を行うアルコールの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂肪酸又はそのエステルの水素添加用触媒及びその製造方法、それを用いたヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルの製造方法、並びにこの脂肪酸又はそのエステルを原料とするアルコールの製造方法に関する。
脂肪酸又はそのエステルには、オレイン酸、リノール酸等に代表される、不飽和脂肪酸由来の不飽和化合物が含まれている。これら不飽和化合物含量は、脂肪酸又はそのエステルの融点や酸化安定化等の物性に大きく影響するため、適宜水素添加して飽和化合物とすることで、脂肪酸又はそのエステルの物性を制御している。
脂肪酸又はそのエステルの水素添加に用いる触媒としては、活性の高いものが望まれることは言うまでもない。これまでにも、NiをSiO2に担持した触媒で、Ni表面積が高く、直径3nm未満の細孔の表面積を多くして活性を高くする試みがなされている(特許文献1)。この技術によれば、径の小さい細孔を多く持たせることにより、触媒の水添活性が高くなることが開示されている。
特開平3−207449号公報
脂肪酸又はそのエステルの水素添加を工業的に行う場合、長期的に高い活性が持続することが経済性、操業の利便性を考慮して重要な因子となる。しかしながら、従来の水素添加用触媒では、初期の活性が高いものは見られるものの、触媒活性の持続性に言及したものはなく、かかる耐久性の高い水素添加用触媒が求められていた。
すなわち、本発明の課題は、優れた触媒活性及び耐久性を有する脂肪酸又はそのエステルの水素添加用触媒及びその製造方法、ヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルの製造方法、並びにそれを原料とするアルコールの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を行った結果、Ni及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属を特定量含有し、かつ従来技術よりはるかに大きい径を有する細孔の容量を大きくすることが、脂肪酸又はそのエステルの水素添加用触媒の活性及び耐久性を高め、ヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルの製造に有用であることを見出した。
すなわち本発明は、Ni及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属を10〜85重量%(触媒全量中の金属酸化物としての含有量)含有し、かつ細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量が0.15〜1.0mL/gである、脂肪酸又はそのエステルの水素添加用触媒、その製造方法、この水素添加用触媒の存在下、常圧〜30MPaの圧力下で脂肪酸又はそのエステルの水素添加反応を行う、ヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルの製造方法、並びにこの方法で製造した脂肪酸又はそのエステルを原料として用い、還元反応を行うアルコールの製造方法を提供する。
本発明の水素添加用触媒を用いることにより、長期間に渡って効率的にヨウ素価の低い脂肪酸又はそのエステルを得ることができ、更に得られた脂肪酸又はそのエステルを原料として、効率的にアルコールを製造することができる。
[水素添加用触媒及びその製造方法]
本発明の水素添加用触媒は、Ni及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属を含有するが、金属としては、活性及び耐久性の観点より、Ni単独、又はNiとCuを併用したものが好ましい。
本発明の水素添加用触媒中のNi及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属の含有量は、活性及び耐久性の観点より、10重量%以上であり、55重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、65重量%以上が更に好ましい。また、触媒の強度の観点より、85重量%以下であり、80重量%以下が好ましい。
ここでいう金属の含有量は、担体やバインダーその他の成分を含有した触媒全量中の、金属酸化物としての含有量である。
本発明の水素添加用触媒は、十分な水添活性及び耐久性を発現させる観点から、細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量が0.15mL/g以上であり、0.18mL/g以上が好ましく、0.20mL/g以上がより好ましく、0.25mL/g以上が更に好ましい。また、成形体として用いる場合、反応容器をコンパクトに設計できるという観点から、かさ密度はある程度高いほうが好ましいため、細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量が1.0mL/g以下であり、0.7mL/g以下が好ましい。
なお、細孔直径は水銀圧入法で測定した直径であり、本発明の水素添加用触媒の水銀圧入法により測定した細孔直径のモード径は、十分な水添活性及び耐久性を発現させる観点から、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましい。また触媒の強度の観点より、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
なお、水銀圧入測定装置としては、例えばMicromeritics社製Pore Sizer 9320を使用することができる。水銀圧入の最大圧力は207MPaとし、6nmより大きい細孔を測定する。
本発明の水素添加用触媒は、直径20〜200nmの範囲にある細孔の容量を上記の範囲内になるように制御することで、良好な水添活性及び耐久性を有することができる。触媒の細孔構造は、沈殿条件、乾燥条件、成形条件、焼成条件等の触媒調製条件を種々変化させることで制御可能である。
上記のように本発明の水素添加用触媒は、直径20nm〜200nmの細孔が重要であり、これが水添活性及び耐久性を決定する。従って、直径20nm未満の径の小さい細孔の全体に占める割合は少ないほうが良く、特に直径3nm未満の細孔の表面積(BET比表面積)は、全表面積の55%未満が好ましい。
なお、直径3nm未満の細孔の表面積とは、窒素吸着を用いるBET法にて得られる値を指す。BET比表面積の測定は、例えばMicromeritics社製ASAP2020により行うことができる。
また、本発明の水素添加用触媒は、Ni及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属が担体に担持されたものが好ましい。
担体としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト、珪藻土、活性白土、チタニア、ジルコニア、活性炭等の公知の担体が使用できるが、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニアが好ましく、シリカ、アルミナ、シリカアルミナが更に好ましい。
担体への、Ni及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属の担持方法は特に限定されず、共沈殿法、含浸法、あるいは均一混練法等が適用できる。またこれら調製法を組み合わせて適用することもできる。これらの中では共沈殿法、含浸法が好ましく、共沈殿法がより好ましい。
共沈殿法の場合、例えば水溶性Ni塩及び水溶性Cu塩から選ばれる少なくとも1種を溶解した水溶液、担体となる物質の水溶液、及びアルカリ金属塩水溶液を混合することで金属と担体を同時に沈殿させ、得られた沈殿を洗浄、乾燥、焼成する方法が利用できる。沈澱の際のpHは、5〜10が好ましい。
含浸法の場合は、例えば担体粉末に水溶性Ni塩及び水溶性Cu塩から選ばれる少なくとも1種を溶解した水溶液を含浸し、乾燥、焼成する方法が利用できる。
本発明の水素添加用触媒の製造方法としては、生産性及び触媒の細孔構造制御の容易性の観点から、Ni塩及びCu塩から選ばれる少なくとも1種の塩の水溶液を、沈殿時の固形分濃度(得られる沈殿を金属酸化物に換算して)が1〜20重量%となる条件で沈殿させることが好ましく、2〜20重量%となる条件がより好ましく、3〜20重量%となる条件が更に好ましい。高濃度で沈澱を行うことにより、径の大きい細孔による容積を大きくすることができる。ここで固形分濃度とは、濾過後に得られる固体を全て金属酸化物として換算した場合のことを指す。
沈殿時の温度は、触媒の細孔構造制御の容易性の観点から、55℃以上が好ましく、65℃以上がより好ましく、70℃以上が更に好ましい。また、製造設備負荷及び製造コストの観点から、100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましく、90℃以下が更に好ましい。高い温度で沈澱を行うことにより、径の大きい細孔の容量を大きくすることができる。
触媒の形状は、反応の方式により、粉末状、粒状、あるいは球状や柱状に成形された形状のものから反応装置形態に応じて適宜選ぶことができる。流体が触媒を通過する際の圧力損失を低減させる観点より、粒状ないし成形された形状が好ましい。
これら触媒は、通常水素で還元活性化した後に使用する。また、あらかじめ還元活性化及び安定化処理を施した触媒をそのまま、あるいは再度還元活性化した後に使用しても良い。
[脂肪酸又はそのエステルの製造方法]
本発明の脂肪酸又はそのエステルの製造方法は、本発明の水素添加用触媒の存在下、常圧〜30MPaの圧力下で脂肪酸又はそのエステルの水素添加反応を行い、ヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルを製造する方法である。
水素添加を行う前、あるいは水素添加を行った後に、不純物除去や精製を目的として、蒸留を行うこともできる。
原料となる脂肪酸又はそのエステルとしては、トリグリセリド(油脂)、ジグリセリド、モノグリセリド、脂肪酸、脂肪酸と炭素数1〜22のアルコールとのエステル(以下脂肪酸アルコールエステルという)等が挙げられる。これらのうち、グリセリド類としては、牛脂、魚油等の動物性油脂や、パーム核油、ヤシ油、パーム油、大豆油、ナタネ油等の植物性油脂、及びそれらから誘導されるジグリセリド、モノグリセリド等が挙げられる。中でも、構成脂肪酸として炭素数8〜22の脂肪酸を有するものが好ましく、特に植物性グリセリド由来のものが好ましい。
脂肪酸は、油脂の加水分解により得ることができる。加水分解の方法は、高圧連続分解法、中圧法、酵素法等が挙げられる。
また、脂肪酸アルコールエステルは、前記グリセリド類と炭素数1〜22のアルコールとのエステル交換反応、あるいは前記グリセリド類より誘導された脂肪酸と炭素数1〜22のアルコールとのエステル化反応により得ることが出来る。ここで用いるアルコールは、炭素数1〜4の低級アルコールが好ましい。
エステル交換反応及びエステル化反応は、公知の方法で実施することが可能である。反応は連続方式あるいはバッチ方式のいずれの反応形態も利用できるが、大量にエステルを製造する場合、連続反応が有利である。触媒としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、ナトリウムアルコラート等の均一系アルカリ触媒が一般に使用されるが、イオン交換樹脂や含水酸化ジルコニウム、リン酸アルミニウム、硫酸担持ジルコニア、チタノシリケート等の固体触媒も使用することが可能である。均一系アルカリ触媒を用いる場合、一般に以下の条件で反応が行われる。反応温度は30〜90℃、好ましくは40〜80℃、反応圧力は、常圧から0.5MPaの範囲、好ましくは常圧で行われる。またアルコールの使用量は、コスト及び反応性の観点から、グリセリド類に対して、1.5〜10モル倍が好ましい。また、グリセライド類中に遊離脂肪酸が含まれる場合、アルカリ触媒によるエステル交換反応を行う前に、硫酸やパラトルエンスルホン酸等の酸触媒を用いて、予め脂肪酸をエステル化しておくことも有効である。
上記のようにして得られた原料脂肪酸又はそのエステルの水素添加反応の方式としては、バッチ式及び連続式のいずれの方式を使用することもできる。また、粉末触媒を用いた懸濁方式、あるいは成形触媒を用いた固定床方式等、一般に使用される何れの方式も使用することが可能である。大量に処理を行う場合、連続固定床方式が有利である。
水素添加反応の雰囲気ガスは水素が好ましく、不活性ガスを共存させても良い。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム及びメタンが挙げられる。雰囲気ガスの圧力は、常圧〜30MPaであり、0.01〜30MPaが好ましく、0.1〜30MPaがより好ましい。反応を連続式で行う場合には、雰囲気ガスの流量は、処理する原料脂肪酸又はそのエステルのモル数に対する水素のモル比で、0.1〜300倍になるような範囲が好ましい。
水素添加反応の温度は、十分な水素添加速度を得る観点から、40℃以上が好ましく、50℃以上が更に好ましい。また、原料脂肪酸又はそのエステルの水素化分解等の副反応を抑制する観点から、200℃以下が好ましく、180℃以下が更に好ましい。
水素添加反応を連続式で行う場合には、原料脂肪酸又はそのエステルの流通速度は、生産性、触媒寿命、水素化分解の抑制等の観点から適宜設定されるが、1時間当たりの反応塔容積比(LHSV)で、0.1以上が好ましく、また充分な活性を得る観点から、LHSVで5以下が好ましい。
上記のような条件での水素添加により、ヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルを得ることができる。例えば原料が脂肪酸アルコールエステルの場合、水素添加処理後のヨウ素価を5以下とすることが出来る。
[アルコールの製造方法]
本発明のアルコールの製造方法は、上記のような本発明の方法で製造したヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルを原料として用い、還元反応を行い、アルコールを得る方法である。
また、上記の水素添加反応によりヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステル得る方法と、還元反応によりアルコールを得る方法を連続して行っても良い。
アルコールの製造に用いられる触媒としては、一般に知られている銅系、あるいはパラジウムや白金等の貴金属系触媒などが用いられる。銅系触媒としては、銅−クロム、銅−亜鉛、銅−鉄−アルミニウム、銅−シリカ等を挙げることができる。これら触媒の存在下、液相懸濁床あるいは固定床方式等、一般に使用される何れの反応方式によっても、還元反応を行うことが可能である。
液相懸濁床方式で還元反応を行う場合、触媒量は、脂肪酸又はそのエステルに対し0.1〜20重量%が好ましいが、反応温度あるいは反応圧力に応じて、実用的な反応収率が得られる範囲内において任意に選択できる。反応温度は、好ましくは160〜350℃、更に好ましくは200〜280℃である。反応圧力は、好ましくは0.1〜35MPa、更に好ましくは3〜30MPaである。
固定床方式で連続的に還元反応を行う場合、触媒は、円柱状あるいはペレット状、球状等に成形されたものを使用する。反応温度は、好ましくは130〜300℃、更に好ましくは150〜270℃であり、反応圧力は、好ましくは0.1〜30MPaである。LHSVは、生産性及び反応性を考慮し、反応条件に応じて任意に決定される。
以下の実施例において、触媒の細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量及び細孔直径のモード径の測定は、水銀圧入測定装置であるMicromeritics社製Pore Sizer 9320にて行った。また脂肪酸エステルのヨウ素価は、Wijs法(JIS K0070:1992)により測定した。
原料脂肪酸エステルの調製例
パーム核油1000gに対して、NaOHを10重量%含有したメタノール溶液30gとメタノール100gを、生成してくるグリセリン層を除去しながら、3回に分けて加え、50℃で3時間反応させた。反応後、油層を水洗し、パーム核油脂肪酸メチルエステルを得た。得られたパーム核油脂肪酸メチルエステルを、更に蒸留することにより、ヨウ素価17.5のパーム核油脂肪酸メチルエステルを得た。以下の実施例においては、本パーム核油脂肪酸メチルエステルを原料として用いた。
触媒の製造例1
2Lセパラブルフラスコに、イオン交換水800g、Ni(NO32・6H2O 232gを仕込み、攪拌しながら80℃に昇温した。ここに、イオン交換水630gにJIS3号水ガラス33g、Na2CO3 113gを溶解して80℃に加熱した溶液を、攪拌しながら投入した。投入後、Mg(NO32・6H2O 24gを加え、生成したスラリーを80℃にて1時間攪拌した後、濾過、水洗を行い、110℃で乾燥して前駆体を得た。沈澱時の固形分濃度(酸化物換算)は、6.1重量%であった。次いで、アルミナをバインダーとして前駆体をヌードル状に成形した後、焼成、還元、安定化を行って、直径1.6mmの触媒Aを得た。この触媒Aの細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量は0.361mL/gであった。
触媒の製造例2
2Lセパラブルフラスコに、イオン交換水840g、Ni(NO32・6H2O 180g、Cu(NO32・3H2O 22g、γ-アルミナ4g、60%硝酸4.7gを仕込み、攪拌しながら80℃に昇温した。ここに、イオン交換水570gにJIS3号水ガラス50g、Na2CO3 118gを溶解して80℃に加熱した溶液を、攪拌しながら投入した。生成したスラリーを80℃にて1時間攪拌した後、濾過、水洗を行い、110℃で乾燥して前駆体を得た。沈澱時の固形分濃度(酸化物換算)は、4.1重量%であった。次いで、アルミナをバインダーとして前駆体をヌードル状に成形した後、焼成、還元、安定化を行って、直径1.6mmの触媒Bを得た。この触媒Bの細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量は0.325mL/gであった。
触媒の製造例3
2Lセパラブルフラスコに、イオン交換水1260g、Ni(NO32・6H2O 108g、Cu(NO32・3H2O 13g、γ-アルミナ2.4g、60%硝酸2.8gを仕込み、攪拌しながら80℃に昇温した。ここに、イオン交換水860gにJIS3号水ガラス30g、Na2CO3 71gを溶解して80℃に加熱した溶液を、攪拌しながら投入した。生成したスラリーを80℃にて1時間攪拌した後、濾過、水洗を行い、110℃で乾燥して前駆体を得た。沈澱時の固形分濃度(酸化物換算)は、1.8重量%であった。次いで、アルミナをバインダーとして前駆体をヌードル状に成形した後、焼成、還元、安定化を行って、直径1.6mmの触媒Cを得た。この触媒Cの細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量は0.182mL/gであった。
触媒の比較製造例1
製造例3と同様に調製することで乾燥前駆体を得た後、成形前の混練時間を延長して触媒Dを得た。この触媒Dの細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量は0.095mL/gであった。
触媒の比較製造例2
原料投入時及びスラリー攪拌時の温度を80℃から50℃に変えた以外、製造例3と同様に調製し、触媒Eを得た。この触媒Eの細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量は0.081mL/gであった。
上記製造例及び比較製造例で得られた触媒A〜Eの金属含有量、細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量及び細孔直径のモード径をまとめて、表1に示す。
また、触媒Aについては、細孔直径3nm未満の範囲のBET比表面積を、Micromeritics社製ASAP2020により測定した。その結果も表1に示す。
Figure 2009022938
実施例1〜3及び比較例1、2
内容積500mLのオートクレーブに、触媒A〜E2g、前記調製例で得られたパーム核油脂肪酸メチルエステル(ヨウ素価17.5)200gを仕込み、135℃、水素圧力24.5MPa、水素流量5L/分の条件で、135℃到達時点を0分として60分間水素添加反応を行った。反応0分と60分のパーム核油脂肪酸メチルエステルのヨウ素価、及び次式で算出した水添活性1を表2に示す。
水添活性1=LN(反応0分のヨウ素価/反応60分のヨウ素価)
Figure 2009022938
実施例4〜6及び比較例3
触媒A〜D 180mLを固定床反応器に充填し、20MPa、90℃の反応条件にて、前記調製例で得られたパーム核油脂肪酸メチルエステル(ヨウ素価17.5)900mL/時(LHSV=5)、水素1900NL/時を反応器上部より同時に供給し、水素添加反応を行った。パーム核油脂肪酸メチルエステルを通液直後及び1000倍通液した後に採取した、この通液直後及び1000倍通液した後のパーム核油脂肪酸メチルエステルのヨウ素価、次式で算出した水添活性2及び3をそれぞれ表3に示す。
水添活性2=LN(処理前のヨウ素価*1/通液直後のヨウ素価)
水添活性3=LN(処理前のヨウ素価*1/1000倍通液した後のヨウ素価)
*1:原料ヨウ素価=17.5
Figure 2009022938
実施例7(アルコールの製造例)
固定床反応装置を用い、前記調製例で得られたパーム核油脂肪酸メチルエステル(ヨウ素価17.5)の水素添加反応及び還元反応を連続的に行った。固定床反応装置は二つの反応器を直列に備えており、第1反応器に360mLの触媒Aを充填し、第2反応器に還元触媒として360mLのチタニア担持銅−亜鉛触媒(組成:Cu=35%、Zn=1.8%、TiO2担体50% 形状:3.2mmφ×3.2mm円柱状)を充填した。第1反応器の水素添加反応条件は、20MPa、90℃とし、パーム核油脂肪酸メチルエステルの流量は260mL/時(LHSV=0.72)とした。第1反応器で処理した後のパーム核油脂肪酸メチルエステルのヨウ素価は、0.01であった。
還元触媒を充填した第2反応器の還元反応条件は、圧力20MPa、温度210℃とした。還元反応後、得られた液中のアルコール含量は、ガスクロマトグラフィー上で96.8%であり、鹸化価は4.7mg−KOH/gであった。

Claims (7)

  1. Ni及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属を10〜85重量%(触媒全量中の金属酸化物としての含有量)含有し、かつ細孔直径20〜200nmの範囲の細孔容量が0.15〜1.0mL/gである、脂肪酸又はそのエステルの水素添加用触媒。
  2. 細孔直径のモード径が20〜200nmである、請求項1記載の水素添加用触媒。
  3. Ni塩及びCu塩から選ばれる少なくとも1種の塩の水溶液を、沈殿時の固形分濃度(得られる沈殿を金属酸化物に換算して)が1〜20重量%となる条件で沈殿させる、請求項1又は2記載の水素添加用触媒の製造方法。
  4. 55〜100℃の温度で沈殿させる、請求項3記載の水素添加用触媒の製造方法。
  5. 請求項1又は2記載の水素添加用触媒の存在下、常圧〜30MPaの圧力下で脂肪酸又はそのエステルの水素添加反応を行う、ヨウ素価が低減された脂肪酸又はそのエステルの製造方法。
  6. 脂肪酸又はそのエステルが、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、脂肪酸、及び脂肪酸と炭素数1〜22のアルコールとのエステルから選ばれる少なくとも1種である、請求項5記載の製造方法。
  7. 請求項5又は6記載の方法で製造した脂肪酸又はそのエステルを原料として用い、還元反応を行うアルコールの製造方法。
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