JPH07163880A - 銅含有水素化触媒の調製法およびアルコールの製造法 - Google Patents
銅含有水素化触媒の調製法およびアルコールの製造法Info
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Abstract
通下に水素ガスもしくは水素と不活性ガスとの混合ガス
を供給して成形した銅含有水素化触媒前駆体を液相還元
するに際し、50〜140℃の温度範囲内で液相還元を
行うことを特徴とする銅含有水素化触媒の調製法、並び
に該方法により調製された銅含有水素化触媒を用いるア
ルコールの製造法。 【効果】本発明の調製法によると、使用に供された溶媒
の品質劣化及び触媒の性能低下を引き起こすことなく、
触媒活性の向上及び還元活性化に要する工程時間を大幅
に短縮することが可能となる。このため、当該触媒を用
いた本発明のアルコールの製造法によると、工業生産上
非常に有利に高品質なアルコールの製造を行うことが可
能となる。
Description
製法およびアルコールの製造法に関する。更に詳しく
は、特定の温度条件下で液相還元する銅含有水素化触媒
の調製法、並びに当該方法により調製された銅含有水素
化触媒を用いて行う、触媒活性及び選択性が著しく改良
された、高生産性でかつ高品質なアルコールの製造法に
関するものである。
ン酸あるいはカルボン酸エステルを水素化して脂肪族ア
ルコールや脂環式アルコールあるいは芳香族アルコール
を製造する方法については、1930年代以降数多くの
方法が開示されてきている。ここでカルボン酸エステル
の水素化、特に脂肪酸エステルの水素化に供される触媒
としては主に銅系触媒が提案されており、一般的には銅
−クロム触媒が工業的に使用されている。
態、使用方法、反応方式等を考慮して決められる。例え
ば懸濁床反応方式を採用する場合、触媒形態は粉末であ
り、特開平1−305042号公報、同5−17714
0号公報、同5−117185号公報では触媒を還元活
性化する場合、気相還元法あるいはパラフィン等の炭化
水素、ジオキサン等のエーテル類、アルコールもしくは
エステルなどの溶媒中で行う液相還元法のいずれかの方
法を用いても良いとしている。しかし、気相還元法では
粉末触媒を還元活性化するための(反応器とは異なる)
別の装置が必要であり、さらに還元後生成した銅が空気
により酸化されないよう表面の安定化処理が必要になる
等の欠点があるため、懸濁床反応方式では液相還元法が
一般的である。この方法では、150〜350℃で水素
吸収が認められなくなるまで還元を行うのが望ましいと
されている。この場合、粉末触媒では除熱が容易に行わ
れるため、局部過熱は容易に避けることができる。
形触媒の還元活性化には気相還元法が専ら採用されてお
り、急速な触媒還元による局部過熱を回避すべく、工業
的には数パーセントから数十パーセントの水素濃度を有
する不活性ガスの流通下、所定の温度で注意深く触媒還
元を行うのが一般的である。
化銅1モル当たり20Kcalの還元熱が生じるととも
に、還元銅の熱安定性が極めて悪いことが知られてい
る。このため、銅触媒の性能を損なわないようにするに
は発熱を制御しながら徐々に還元を行うことが重要とな
り、特に成形された触媒を用いる場合は、除熱が困難な
ため、この点が特に重要となる。
活性化を行う場合、急激な発熱により触媒性能の低下が
著しくなり、ましてや、工業的なレベルで大量の触媒を
短時間で還元活性化する場合、急激な温度上昇によって
極めて危険な状況に陥るであろうことが当然予想され
る。このため、酸化銅を含有する触媒の実用的な気相還
元活性化方法としては、低濃度の水素で長時間かけて行
うのが常法となっている。例えば、特開昭61−161
146号公報ではこのような還元活性化に要する時間は
4〜14日間もかかるとしており、アルコールの生産性
に関する気相還元活性化法の不利益性を示している。
−亜鉛酸化物触媒の還元活性化法として、水素を含む窒
素ガス気流中、120〜240℃の温度で徐々に還元
し、最終的には高圧水素で1〜2時間、250〜300
℃の温度で処理する方法が開示されている。特開昭62
−298457号公報では、1容量%の水素を含む窒素
ガス中、10℃/時間で130℃から200℃に昇温し
た後、200℃で12時間保持することにより銅−クロ
ム系酸化物触媒の還元活性化が可能になるとしている。
また、DE3443277A1号公報では、銅−亜鉛酸
化物触媒の還元活性化法として、5容量%の水素を含む
窒素ガス中、200℃で16時間還元した後、更に20
0℃で16時間、純水素により還元処理する方法が開示
されている。特開昭61−178037号公報では酸化
銅−珪酸マグネシウム触媒の還元活性化が、1〜2容量
%の水素を含む窒素ガス中、200℃で60時間処理す
ることで可能になるとしている。加えて、特開平1−1
27042号公報では銅−クロム系酸化物触媒の還元活
性化法について、発明者の技術を開示するとともに従来
技術のレビューを行っているが、いずれの技術において
も触媒の還元は150℃以上の温度で行わなければなら
ないことを示している。
還元が一般的であるが、液相還元により酸化銅含有触媒
前駆体を活性化する方法も知られている。例えば、特開
平5−177140号公報、同5−117185号公報
では銅−亜鉛酸化物触媒を、オートクレーブ中、バッチ
反応方式にて200℃で還元活性化を行っている。英国
特許385625号公報では固定床反応方式にてエステ
ル流通下(液空間速度:8.0)、325℃で銅−クロ
ム触媒を液相還元し、引続きエステルの水素化を行う方
法について述べている。また、特開昭47−14113
号公報には固定床反応方式にてラクトン流通下(液空間
速度:0.67)、200℃で銅−クロム系触媒を液相
還元し、引続きラクトンの水素化を行う方法が示されて
いる。また、特開平2−26611号公報によると、酸
化銅含有触媒の還元はエステル原料を供給した後に行う
ことができるとしている。
術では、特開平2−26611号公報において「この方
法で行う触媒の銅成分還元は、やや不完全であり、か
つ、制御がやや困難である。」と記載されているよう
に、気相還元活性化技術に対する優位性は何ら見いださ
れていなかったのが現実である。
を含有する触媒をエステルもしくはアルコール流通下、
150℃以上の温度で水素による還元活性化を行った場
合、以下に述べるような不利益が生じることが見出され
た。
によるエステルの加水分解で銅含有触媒の触媒毒となる
脂肪酸が生成するため、アルコール製造用の原料として
そのまま使用することができない。更に、触媒還元中に
生成した脂肪酸により銅の溶出が起きるなど、触媒の変
質も問題となる。またアルコールを溶媒に用いた場合、
触媒の還元活性化が進行するに伴い、2分子のアルコー
ルからエステルワックスが生成し、アルコール純度が低
下するという大きな問題も発生する。加えて、処理温度
が高くなればなるほどアルコールの分解による炭化水素
の生成も多くなり、アルコール純度は著しく低下するこ
とになる。
決すべく、液相還元法による触媒活性及び選択性が著し
く改良された銅含有水素化触媒の調製法、並びに当該方
法により調製された銅含有水素化触媒を用いて行う、高
生産性でかつ高品質なアルコールの製造方法を提供する
ものである。
続反応方式にて有機カルボン酸又は有機カルボン酸エス
テル、好ましくは油脂または脂肪酸エステルを水素化
し、対応するアルコールを製造するに際し、酸化銅を含
有する触媒前駆体を酸化銅あるいは金属銅に対し不活性
な溶媒中、水素ガスまたは水素と不活性ガスとの混合ガ
スを触媒前駆体に接触させ、50〜140℃の温度条件
で液相還元を行ったところ、従来の液相還元技術で問題
となる溶媒の品質劣化を引き起こすことなく、工業的に
実施されている気相還元活性化法と比べ、触媒活性の向
上および触媒還元時間の大幅な短縮が可能になるという
事実を見いだし、本発明を完成するに至った。
は金属銅に対し不活性な溶媒の流通下に水素ガスもしく
は水素と不活性ガスとの混合ガスを供給して成形した銅
含有水素化触媒前駆体を液相還元するに際し、50〜1
40℃の温度範囲内で液相還元を行うことを特徴とする
銅含有水素化触媒の調製法、並びに(2)固定床連続反
応方式により有機カルボン酸又は有機カルボン酸エステ
ルを水素で接触還元するアルコールの製造法において、
前記(1)記載の方法により活性化された銅含有水素化
触媒を用いることを特徴とするアルコールの製造法に関
する。
発明の銅含有水素化触媒の調製法は、成形した銅含有水
素化触媒前駆体に酸化銅もしくは金属銅に対し不活性な
溶媒を通液しつつ該溶媒の流通下、水素ガスによる還元
により行うものである。
ロム系酸化物触媒、銅−亜鉛系酸化物触媒、銅−鉄系酸
化物触媒、銅−アルミ系酸化物触媒あるいは銅−シリカ
系酸化物触媒等の触媒前駆体が挙げられるが、特にこれ
らに限定されるものではない。但し、酸化銅含有量が全
触媒前駆体重量に対し5〜98重量%、好ましくは20
〜98重量%の範囲にあることが望ましい。なお、これ
らの金属触媒前駆体をシリカ、アルミナ、酸化ジルコニ
ウム、酸化チタン、シリカ−アルミナ等に担持させたも
のを用いてもよい。この場合、ここでいう全触媒前駆体
重量とは、これらの担体を含めた重量をいう。
床反応器の運転に支障のない範囲内において任意に決め
ることができる。通常は円柱状に打錠、あるいは押し出
し成形された触媒前駆体、もしくは1〜20mmの球状
粒子に成形された触媒前駆体が、容易にかつ安価に製造
し得るという理由から好ましく使用される。
銅あるいは金属銅の溶出や不可逆的な吸着及び銅との化
合物形成を起こさないものを指す。このような溶媒とし
ては、触媒の還元活性化処理条件下で液体状態を呈する
ものであり、グリセリド油、エステル、アルコール、炭
化水素等が好ましい。最も好ましくは、本発明が主目的
とするアルコール製造において、生成アルコールの品質
に関して悪影響を与えないグリセリド油、脂肪酸エステ
ル類、脂肪族アルコール類、炭化水素類等が挙げられ、
これらは単独であるいは2種以上を併用して使用され
る。具体的にはグリセリド油としては、炭素数が6〜2
2の脂肪酸から構成されるモノグリセリド、ジグリセリ
ド及びトリグリセリドであり、また脂肪酸エステル類と
しては、炭素数が2〜22の少なくとも1個以上の脂肪
酸基を有する脂肪酸と炭素数が1〜22の脂肪族アルコ
ールとのエステルである。また脂肪族アルコール類とし
ては、2〜22の炭素数から成り、少なくとも1個の水
酸基を有するとともに、触媒還元活性化条件下では液状
を呈するアルコールである。また、炭化水素類として
は、流動パラフィン、環状炭化水素等が挙げられる。
ルコールの品質に重大な影響を与えない限りにおいて、
他の不活性溶媒も使用できる。このような溶媒として、
触媒の還元活性化条件下において液状を呈するものであ
って、エーテル、アルデヒド、ケトン等を挙げることが
できる。更に、前記のエステル及びアルコールを含め、
これらの有機化合物のアルキル基部分は直鎖、分岐鎖、
脂環あるいは芳香族環のいずれか1種以上から成る。
で0.1〜5.0〔時間-1〕の範囲が好ましく、より好
ましくは0.1〜3.0〔時間-1〕である。0.1〔時
間-1〕未満であると溶媒による触媒の濡れ状態が不均一
となり、触媒の一部は気相還元される可能性が生じる。
5.0〔時間-1〕を越えると触媒還元に関しては何ら不
都合はないものの、大量の溶媒を使用することとなり、
経済的な面で好ましくない。尚、溶媒を反応器に導入す
る温度は、触媒還元を極力温和な条件で開始できるよう
に、通常20〜60℃において行い、後述の還元活性化
温度まで昇温していく。
元剤として水素ガスもしくは水素と不活性ガスとの混合
ガスを触媒前駆体に接触・供給しながら行うものであ
る。このとき水素を希釈するための不活性ガスとして
は、窒素、ヘリウム、アルゴン、メタン等の使用が可能
である。ここで混合ガス中の水素濃度は0.1容量%以
上100容量%未満の任意の範囲内で選ばれるが、活性
化に要する時間を考慮した場合、水素分圧として1気圧
以上になるような水素濃度に設定するのが望ましい。
300気圧の圧力条件下で行うのがよい。300気圧を
越えても、本発明の効果は得られるものの、設備的な負
荷が大きくなるため、経済的な観点から不利となる。
0〔時間-1〕で行うのが好ましく、より好ましくは10
0〜5000〔時間-1〕である。50〔時間-1〕未満で
あると除熱効果及び還元生成水の効率的な除去が不十分
となり、触媒性能の低下をもたらす。10000〔時間
-1〕を越えると設備的な面で不利となる。尚、ガスの導
入温度は、前記の溶媒の場合と同様の理由により、通常
20〜60℃において行われ、還元活性化温度まで昇温
していく。
であり、本発明は上記のように溶媒およびガスの通液、
供給を行いながら、50〜140℃の温度範囲内で液相
還元をすることを特徴とするものである。尚、本明細書
において還元活性化温度とは、実質的に液相還元に最も
寄与した温度をいう。例えば触媒還元を極力温和な条件
で開始する点から、前記のように20〜60℃で不活性
溶媒や水素ガス等を導入し昇温させていくが、この昇温
過程においても還元活性化の反応は少しは進む。しか
し、主として50〜140℃の温度域で最も還元活性化
が進むため、例えば130℃に一定時間保持して反応さ
せた場合には、「130℃で液相還元を行った」と表現
する。還元活性化温度が50℃未満の場合、十分な触媒
還元速度が得られず、本発明の目的を達成することがで
きない。また140℃を越えるとエステルやアルコール
の品質劣化が著しくなり、経済的に不利となる。即ち、
エステルを溶媒に用いた場合、触媒還元水によるエステ
ルの加水分解で銅含有触媒の触媒毒となる脂肪酸が生成
するため、このようなエステルをアルコール製造用の原
料として再使用するに際し、脂肪酸含有量を低減するこ
とが必要となる。また、触媒還元中に脂肪酸が生成した
場合、酸化銅や金属銅の溶出が起きるため、触媒表面が
変質するという問題も発生する。一方、アルコールを溶
媒に用いた場合、触媒の還元活性化が進行するに伴い、
2分子のアルコールからエステルワックスへの反応が加
速されるため、アルコール純度が顕著に低下する。加え
て、処理温度が高くなればなるほどアルコールの分解に
よる炭化水素が増加するため、この場合においても経済
的な不利益は免れない。
還元活性化温度の範囲内において、主として一定温度で
行われてもよく、昇温中に行われてもよく、それらの両
者を含んでいてもよい。また昇温は連続的もしくは不連
続的に行ってもよく、その昇温速度も一定である必要は
ない。従って、途中で一定温度に保持したり昇温速度を
変えながら液相還元を行ってもなんら問題はない。
異なるが、通常1.5時間以上、好ましくは6〜100
時間である。1.5時間より短いと還元活性化が十分進
行せず、また100時間を越えると触媒性能上の問題は
無いが経済的に不利なものとなる。
40℃/時間が好ましく、1〜30℃/時間がより好ま
しく、5〜20℃/時間が最も好ましい。0.5℃/時
間より遅くとも本発明の効果は得られるが、触媒前駆体
の還元活性化工程に費やす工程時間が長くなりすぎる、
という理由で不利となる。一方、昇温速度が40℃/時
間を越えると、急速な触媒還元に伴う還元熱の蓄積によ
り急激な温度上昇が起こると共に、還元反応の制御が困
難になる、という理由で不利となる。
得られる銅含有水素化触媒は、固定床連続反応方式によ
り主にアルコールの製造に用いられる他、アルデヒド基
あるいはケトン基の水素化、オレフィン類の水素化、ニ
トロ基の水素化等の各種水素化反応に用いることができ
る。従って、銅含有水素化触媒前駆体の液相還元を固定
床連続反応用の反応器内で行えば、得られる活性化触媒
をそのままアルコール等の製造に使用することができ
る。
続反応方式にて有機カルボン酸又は有機カルボン酸エス
テルを水素で接触還元するアルコールの製造法におい
て、前記のような方法により活性化された銅含有水素化
触媒を用いることを特徴とするものである。
油、パーム核油、パーム油、牛脂、豚脂等から得られる
動植物系の天然の脂肪酸の他に合成系脂肪酸等が挙げら
れ、有機カルボン酸エステルとしては、油脂または脂肪
酸エステルが望ましい。油脂としては、炭素数が6〜2
2の飽和あるいは不飽和脂肪酸から構成されるモノグリ
セリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが、また脂肪
酸エステルとしては炭素数が1以上でかつエステル基を
1以上含む直鎖、分岐鎖あるいは不飽和の脂肪酸エステ
ルが挙げられる。このような脂肪酸エステルとしては、
例えば蟻酸エステル、酢酸エステル、カプロン酸エステ
ル、カプリル酸エステル、カプリン酸エステル、ウンデ
セン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エ
ステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステ
ル、イソステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、
アラキン酸エステル、ベヘン酸エステル、シュウ酸エス
テル、マレイン酸エステル、アジピン酸エステル、セバ
シン酸エステル等を挙げることができる。ここで、脂肪
酸エステルを構成するところのアルコール部は特に限定
されるものではないが、炭素数が1〜22の脂肪族アル
コールから成る。また本発明において水素化に供される
エステルは、脂肪酸エステルに限定されるものではな
く、シクロヘキサンカルボン酸エステル、安息香酸エス
テル、フタル酸エステルなどの脂環式カルボン酸エステ
ルや芳香族カルボン酸エステル及びその誘導体であって
も何等問題がない。
機カルボン酸エステルを水素化するに際し、固定床連続
反応方式が採用される。水素化反応は溶媒を使用するこ
とも可能であるが、生産性を考慮した場合には無溶媒で
反応を行うのが望ましい。溶媒を用いる場合、アルコー
ル、ジオキサンあるいはパラフィン等の反応に悪影響を
与えないものが選ばれる。反応温度は130〜300
℃、好ましくは160〜250℃であり、反応圧力は
0.1〜300kg/cm2 である。また、原料供給の
液空間速度は反応条件に応じて任意に決定されるが、生
産性あるいは反応性を考慮した場合、0.2〜5.0
〔時間-1〕の範囲が好ましい。
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら
限定されるものではない。
方法に従って、TiO2 上にCuO、ZnO、BaOを
担持させた触媒前駆体を得た。得られた前駆体粉末を円
柱状に打錠成形した後、400℃で2時間焼成すること
により、下記のような重量組成を有する直径3mm、高
さ3mmの成形触媒前駆体を得た。 CuO:ZnO:BaO:TiO2 =33.0%:3.
7%:3.3%:60.0%
体を固定床高圧流通反応器に充填した後、40〜50℃
の温度下、37NL/時間(ガス空間速度で1230
〔時間-1〕)の流速で水素ガス(水素濃度100%)を
導入し、次いで15cc/時間の流速(液空間速度で
0.5〔時間-1〕)でラウリルアルコール(純度=9
9.8%)を通液した。液、ガスの流速が安定した後、
20kg/cm2 (ゲージ圧)の水素圧下、10℃/時
間の速度で昇温を開始した。昇温後130℃で24時
間、触媒前駆体の還元活性化を行った。
ウリルアルコールを炭素数が8〜18の鎖長分布を有す
る脂肪酸メチルエステル(ケン化価=243)に切り換
え、230℃、200kg/cm2 、液空間速度1.0
(時間-1)、脂肪酸メチルエステルに対し25モル倍の
水素流通条件下、水素化反応を行った。還元活性化の終
了時のラウリルアルコール純度をガスクロマトグラフに
より求めた結果、98.7%であった。ここで、触媒の
活性は成形触媒単位容積当たりの1次反応速度定数とし
て求めた。また、反応の選択性はガスクロマトグラフよ
り求めた炭化水素及びエーテル化合物等の副生成物量を
もって表示した。得られた結果を表1に示した。
施例1と同様の方法により触媒前駆体の還元活性化を行
った。かくして得られた活性化触媒を用い、実施例1に
記載の方法に従って脂肪酸メチルエステルの水素化反応
を行った。ここで、還元活性化の終了時のラウリルアル
コール純度は99.0%であった。得られた結果を表1
に示した。
施例1と同様の方法により触媒前駆体の還元活性化を行
った。かくして得られた活性化触媒を用い、実施例1に
記載の方法に従って脂肪酸メチルエステルの水素化反応
を行った。ここで、還元活性化の終了時のラウリルアル
コール純度は99.7%であった。得られた結果を表1
に示した。
L/時間(ガス空間速度で1230〔時間-1〕)の流速
で窒素ガスを導入した後、15cc/時間の流速(液空
間速度で0.5〔時間-1〕)でラウリルアルコール(純
度=99.8%)を通液した。液、ガスの流速が安定し
た後、10℃/時間の速度で昇温を開始し、100℃に
到達した時点で窒素ガスを水素ガスに切換、100℃で
24時間、触媒前駆体の還元活性化を行った。
例1に記載の方法に従って脂肪酸メチルエステルの水素
化反応を行った。ここで、還元活性化の終了時のラウリ
ルアルコール純度は98.7%であった。得られた結果
を表1に示した。
方法に従って充填した後、窒素ガスで希釈した1.3〜
5.0容量%濃度の水素を用い、15kg/cm2 (ゲ
ージ圧)の圧力のもと、250(時間-1)のガス空間速
度で窒素/水素の混合ガスを流通しながら、130℃で
157時間気相による還元活性化処理を行った。かくし
て得られた活性化触媒を用い、実施例1に記載の反応条
件に従って脂肪酸メチルエステルの水素化反応を行っ
た。得られた結果を表1に示した。
施例2と同様の方法により触媒前駆体の還元活性化を行
った。かくして得られた活性化触媒を用い、実施例2に
記載の方法に従って脂肪酸メチルエステルの水素化反応
を行った。ここで、還元活性化の終了時のラウリルアル
コール純度は90.0%であり、アルコール純度の大幅
な低下が確認された。得られた結果を表1に示した。
方法に従って充填した後、37NL/時間(ガス空間速
度で1230〔時間-1〕)の流速で水素ガスを導入し、
次いで水素化反応の原料として用いる脂肪酸メチルエス
テル(ケン化価=243,酸価=0.2)を15cc/
時間の流速(液空間速度で0.5〔時間-1〕)で通液し
た。液、ガスの流速が安定した後、3kg/cm2 の水
素圧下、昇温を開始した。130℃で6時間、触媒前駆
体の還元活性化を行った後、実施例1に記載の反応条件
下にて水素化反応を行った。ここで、還元活性化の終了
時の脂肪酸メチルエステルの酸価は0.6であった。得
られた結果を表1に示した。
水素圧下、6時間、脂肪酸メチルエステル溶媒中で触媒
前駆体の還元活性化を行った後、実施例1に記載の反応
条件下にて水素化反応を行った。ここで、還元活性化の
終了時の脂肪酸メチルエステルの酸価は0.6であっ
た。得られた結果を表1に示した。
施例5と同様の方法により触媒前駆体の還元活性化を行
った後、脂肪酸メチルエステルの水素化反応を行った。
ここで、還元活性化の終了時の脂肪酸メチルエステルの
酸価は5.0であり、触媒毒となる脂肪酸の顕著な増加
が確認された。また、この際生成した脂肪酸により触媒
表面の変質が起きたため、副生成物量が実施例5と比較
し1.5倍に増加していることが確認された。得られた
結果を表1に示した。
従って、TiO2 上にCuO、ZnO、BaOを担持さ
せた触媒前駆体を得た。得られた前駆体粉末を円柱状に
打錠成形した後、400℃で2時間焼成することによ
り、下記のような重量組成を有する直径3mm、高さ3
mmの成形触媒前駆体を得た。 CuO:ZnO:BaO:TiO2 =43.6%:2.
3%:4.1%:50.0%
体を反応器に充填した後、実施例1に記載の方法に従
い、触媒前駆体の還元活性化を行った後、脂肪酸メチル
エステルの水素化反応を行った。ここで、還元活性化の
終了時のラウリルアルコール純度は99.1%であっ
た。得られた結果を表1に示した。
方法に従って160時間、気相による触媒還元を行っ
た。かくして得られた活性化触媒を用い、実施例1に記
載の方法に従って脂肪酸メチルエステルの水素化反応を
行った。得られた結果を表1に示した。
の円柱状に成形された市販(日揮化学社製)の銅−クロ
ム触媒前駆体を実施例1に記載の方法に従って還元活性
化した後、実施例1に記載の反応条件下にて脂肪酸メチ
ルエステルの水素化反応を行った。ここで、還元活性化
の終了時のラウリルアルコール純度は98.9%であっ
た。 CuO:Cr2 O3 :MnO2 =45.0%:45.0
%:5.0% 得られた結果を表2に示した。
方法に従って160時間、希釈水素により気相還元活性
化を行った。かくして得られた活性化触媒を用い、実施
例1に記載の反応条件下にて脂肪酸メチルエステルの水
素化反応を行った。得られた結果を表2に示した。
方法に従って調製された触媒前駆体粉末を、ベントナイ
トを用いて押し出し成形し、下記のような重量組成を有
する長さ5mm、直径2mmのヌードル状成形触媒前駆
体を得た。 CuO:Fe2 O3 :Al2 O3 =32%:32%:3
6% かくして得られた30ccの成形触媒前駆体を実施例1
に記載の方法に従い、還元活性化した後、脂肪酸メチル
エステルの水素化反応を行った。ここで、還元活性化の
終了時のラウリルアルコール純度は99.1%であっ
た。得られた結果を表2に示した。
方法に従って160時間、希釈水素により気相還元活性
化を行った。かくして得られた活性化触媒を用い、実施
例1に記載の反応条件下にて脂肪酸メチルエステルの水
素化反応を行った。得られた結果を表2に示した。
媒の調製法により得られた触媒は、いずれも触媒活性お
よび選択性に優れることが判った。これに対して、気相
還元法で得られた触媒(比較例1,4,5,6)はいず
れも触媒活性および選択性に劣ることが判った。また、
高温での液相還元法で得られた触媒(比較例2,3)は
触媒活性および選択性に優れているが、アルコール純度
や脂肪酸メチルエステル純度の大幅な低下や触媒還元中
に生成した脂肪酸による触媒表面の変質が認められた。
ると、固定床連続反応方式にて有機カルボン酸等を水素
化して対応するアルコールを製造するに際し、酸化銅を
含有する成形触媒を特定の条件下で液相還元活性化する
ことにより、使用に供された溶媒の品質劣化及び触媒の
性能低下を引き起こすことなく、触媒活性の向上及び還
元活性化に要する工程時間を大幅に短縮することが可能
となる。このため、当該触媒を用いた本発明のアルコー
ルの製造法によると、工業生産上非常に有利に高品質な
アルコールの製造を行うことが可能となる。
Claims (7)
- 【請求項1】 酸化銅もしくは金属銅に対し不活性な溶
媒の流通下に水素ガスもしくは水素と不活性ガスとの混
合ガスを供給して成形した銅含有水素化触媒前駆体を液
相還元するに際し、50〜140℃の温度範囲内で液相
還元を行うことを特徴とする銅含有水素化触媒の調製
法。 - 【請求項2】 20〜60℃で不活性な溶媒、および水
素ガスもしくは水素と不活性ガスとの混合ガスを導入し
た後、50〜140℃の温度範囲へ連続的または不連続
的に昇温することを特徴とする請求項1記載の調製法。 - 【請求項3】 酸化銅もしくは金属銅に対し不活性な溶
媒が、グリセリド油、脂肪酸エステル類、脂肪族アルコ
ール類および炭化水素類からなる群より選ばれる少なく
とも1種以上であることを特徴とする請求項1記載の調
製法。 - 【請求項4】 銅含有水素化触媒が、銅−クロム系酸化
物、銅−亜鉛系酸化物、銅−鉄系酸化物、銅−アルミ系
酸化物、又は銅−シリカ系酸化物である請求項1記載の
調製法。 - 【請求項5】 酸化銅含有量が全触媒前駆体重量に対し
5〜98重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1
記載の調製法。 - 【請求項6】 固定床連続反応方式により有機カルボン
酸又は有機カルボン酸エステルを水素で接触還元するア
ルコールの製造法において、請求項1〜5いずれか記載
の方法により活性化された銅含有水素化触媒を用いるこ
とを特徴とするアルコールの製造法。 - 【請求項7】 有機カルボン酸エステルが油脂または脂
肪酸エステルである請求項6記載の製造法。
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