JP2008216569A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、(B)光酸発生剤1〜100質量部、(C)炭素数4〜14の炭化水素基及び水酸基のみからなる脂肪族アルコール化合物0.1〜50質量部、および(D)有機ケイ素化合物0.1〜30質量部、を含んでなる感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
中でも、硬化後に耐熱性樹脂となるアルカリ性水溶液可溶性のヒドロキシポリアミド、例えばポリベンゾオキサゾール(以下、「PBO」ともいう。)前駆体を、光酸発生剤、例えば、感光性ジアゾキノン化合物と混合し、ポジ型感光性樹脂組成物として用いる方法が、例えば、特許文献1に開示され、近年注目を集めている。
このポジ型感光性樹脂組成物の現像メカニズムは、未露光部の感光性ジアゾキノン化合物及びPBO前駆体がアルカリ性水溶液への溶解速度が小さいのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物がインデンカルボン酸化合物に化学変化して露光部のアルカリ性水溶液への溶解速度が大きくなることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部からなるレリーフパターンの作成が可能となる。
また、アルカリ性水溶液に可溶なポリイミドと、上述の感光性ジアゾキノン化合物とを組み合わせることにより、同様にポジ型の性能を発現する材料もあり、この場合には、初めからポリイミド構造を有しているため、ポリイミドの環化反応が不要である利点を有している。
シリコンウエハーとの接着性を向上させる目的で、前述のPBO前駆体組成物にケイ素化合物を添加することが、例えば、特許文献2、3、4に開示され、知られている。
通常、該組成物においては、長期の保存による接着性等の性能の劣化を防ぐための低温での保管が推奨されている。
すなわち、本発明の第一は、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、(B)光酸発生剤1〜100質量部、(C)炭素数4〜14の炭化水素基及び水酸基のみからなる脂肪族アルコール化合物0.1〜50質量部、(D)有機ケイ素化合物0.1〜30質量部、を含んでなる樹脂組成物である。
中でも、アルカリ可溶性樹脂が、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体のいずれかであることが好ましい。
また、本発明の第二は、上述のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、マスクを介して化学線で露光するか、光線、電子線、もしくはイオン線と直接照射した後、露光部または照射部を溶出または除去し、次いで得られたレリーフパターンを加熱することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法である。
さらに、本発明の第三は、上述の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置である。
本発明の感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下に具体的に説明する。
(A)アルカリ可溶性樹脂
本発明で使用するアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性水溶液に溶解する樹脂であれば良く、フェノール性水酸基を有する樹脂、例えば、ノボラック、ポリヒドロキシスチレン、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体が挙げられ、特にアルカリ可溶性のポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体がより好ましい。
ヒドロキシポリアミドには、必要に応じて、上記一般式(1)で表される繰り返し単位のジアミド単位をn個有してもよい。該ジアミド単位は、X2 (NH2 )2 の構造を有するジアミンおよびY2 (COOH)2 の構造を有するジカルボン酸を重縮合させた構造を有する。nは0〜500の範囲が好ましく、0〜10の範囲がより好ましい。
ヒドロキシポリアミド中における上記のジヒドロキシジアミド単位の割合が高いほど、現像液として使用するアルカリ性水溶液への溶解性が向上するので、m/(m+n)の値は0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが最も好ましい。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
または別法として、テトラカルボン酸二無水物とビスアミノフェノールもしくはジアミンを反応させて、生成するカルボン酸残基を、モノアルコールまたはモノアミンにより、エステル化またはアミド化することもできる。
前述の一般式(1)で示される繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミドにおいて、その末端基を有機基(以下、封止基という)で封止して使用することも好ましい。ヒドロキシポリアミドの重縮合において、ジカルボン酸成分をビスアミノフェノール成分とジアミン成分の和に比べて過剰のモル数で使用する場合には、封止基としては、アミノ基、または水酸基を有する化合物を用いるのが好ましい。該化合物の例としては、アニリン、エチニルアニリン、アミノフェノール、ノルボルネンアミン、ブチルアミン、プロパルギルアミン、エタノール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。
また、アルカリ可溶性のポリイミドの一例としては、1又は2以上のテトラカルボン酸二無水物と、互いにオルト位にあるアミノ基及びフェノール性水酸基を有する1又は2以上のジアミンとが、脱水縮合した構造を有する重縮合物が挙げられる。
具体的には、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、及び2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記、テトラカルボン酸二無水物の中で、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、及びビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物が挙げられる。
具体的には、2,4−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ジアミノ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、3,3'−ジヒドロキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジアミノビフェニル、3,4−ジヒドロキシ−3’, 4'−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)−2−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホンを挙げることができる。これらのフェノール性ジアミンは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記、フェノール性ジアミンの中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、及びビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる光酸発生剤としては、例えば、感光性ジアゾキノン化合物、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、を用いることができるが、中でも、感光性ジアゾキノン化合物が好ましい。
上記オニウム塩としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホシホニウム塩、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、及びジアゾニウム塩が挙げられ、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、及びトリアルキルスルホニウム塩からなる群から選ばれるオニウム塩が好ましい。
上記ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物が挙げられるが、中でも、トリクロロメチルトリアジンが好ましい。
本発明で用いる脂肪族アルコール化合物とは、炭素原子数4〜14の炭化水素基及び水酸基のみからなる脂肪族アルコール化合物であり、直鎖構造、分岐構造、または環式構造を有し、中でも、炭素数が4〜10であることが好ましい。
具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、シクロプロピルカルビノール、シクロブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、t−アミルアルコール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、2−シクロヘキセン−1−オール、シクロヘキサンメタノール、4−メチル−1−シクロヘキサンメタノール、3,4−ジメチルシクロヘキサノール、4−エチルシクロヘキサノール、4−t−ブチロシクロヘキサノール、シクロヘキサンエタノール、3−シクロヘキシル−1−プロパノール、1−シクロヘキシル−1−ペンタノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ノルボルナン−2−メタノール、シクロオクタノール、2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール、
これらの脂肪族アルコール化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
上記の脂肪族アルコール化合物のアルカリ可溶性樹脂に対する配合量は、該アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がさらに好ましい。脂肪族アルコール化合物の配合量が0.1質量部以上だと保存前後の接着性(接着性の経時安定性)が良好で、50質量部以下だと塗膜安定性が良好である。
本発明で使用する有機ケイ素化合物は、アルコキシシラン構造を有する化合物が好適に用いられる。
具体的な好ましい例としては、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン又は3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランと、酸無水物又は酸二無水物の反応物、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン又は3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランのアミノ基をウレタン基やウレア基に変換したものが挙げられる。この際のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基が、酸無水物としては、例えば、マレイン酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、フタル酸無水物が、酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物が、ウレタン基としては、例えば、エチルカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基が、例えば、ウレア基としてはフェニルアミノカルボニルアミノ基が挙げられる。具体例として、1−フェニル−2−トリエトキシシリルプロピルウレア、3−(N−トリエトキシシリルプロピル)−アミド−5−ノルボルネン−2−カルボン酸、(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバメート、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールが挙げられる。
有機ケイ素化合物の添加量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。添加量が30質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
本発明においては、これらの成分を溶媒に溶解してワニス状にし、感光性樹脂組成物として使用することが好ましい。このような溶媒としては、有機溶媒(前述の(C)脂肪族アルコール化合物に該当するものは除く)を使用することができ、例として、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン(以下、「GBL」ともいう。)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」ともいう。)、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、「DMDG」ともいう。)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネートを、単独または混合して使用できる。これらの溶媒のうち、非アミド系溶媒がフォトレジストへの影響が少ない点から好ましい。具体的なより好ましい例としては、例えば、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを挙げることができる。
溶媒の添加量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、50〜1000質量部が好ましい。溶媒の添加量は、上記の範囲内で塗布装置、及び塗布厚みに適した粘度に設定することが、硬化レリーフパターンの製造を容易にすることができるので好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、感光性樹脂組成物の添加剤として知られているフェノール化合物、染料、界面活性剤、安定剤、シリコンウエハーとの接着性を高めるための接着助剤等の少なくとも1種を添加することも可能である。
上記添加剤について更に具体的に述べると、フェノール化合物としては、前記感光性ジアゾキノン化合物に使用しているバラスト剤、パラクミルフェノール、ビスフェノール類、レゾルシノール類、もしくはMtrisPC、MtetraPC(本州化学工業社製:商品名)等の直鎖状フェノール化合物が挙げられる。
また、TrisP−HAP、TrisP−PHBA、TrisP−PA(本州化学工業社製:商品名)等の非直鎖状フェノール化合物、ジフェニルメタンのフェニル基の水素原子2〜5個を水酸基に置換した化合物、もしくは2,2−ジフェニルプロパンのフェニル基の水素原子1〜5個を水酸基に置換した化合物、等が挙げられる。該フェノール化合物の添加により、現像時のレリーフパターンの接着性を向上させ残渣の発生をおさえることができる。なお、バラスト剤とは、フェノール性水素原子の一部がナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化されたフェノール化合物である前述の感光性ジアゾキノン化合物に原料として使用されているフェノール化合物をいう。
フェノール化合物を加える場合の添加量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0〜50質量部が好ましく、1〜30質量部が好ましい。添加量が50質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
界面活性剤を加える場合の添加量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0〜10質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。添加量が10質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
接着助剤としては、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリビニルメチルエーテル、エポキシポリマー等が挙げられる。
接着助剤を加える場合の添加量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、0〜30質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。添加量が30質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
次に、本発明の硬化レリーフパターンの製造方法について、以下具体的に説明する。
第一に、本発明の感光性樹脂組成物を、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布、またはダイコーター、もしくはロールコーター等のコーターにより塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥して溶媒を除去する。
第二に、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか、光線、電子線またはイオン線を直接照射する。
第三に、露光部または照射部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、または超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、または脱イオン水等が使用できる。
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、及びアンモニア等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、またはエチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、及び樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
最後に、得られたレリーフパターンを加熱処理して、ポリベンズオキサゾール構造を有する樹脂からなる耐熱性硬化レリーフパターンを形成する。
本発明の半導体装置は、本発明の硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、あるいはバンプ構造を有する装置の保護膜として、公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで製造することができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、または液晶配向膜等の用途にも有用である。
<アルカリ可溶性樹脂の合成>
〔参考例1〕
容量2lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン197.8g(0.54mol)、ピリジン75.9g(0.96mol)、DMAc692gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。これに、別途DMDG88g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物19.7g(0.12mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により50℃に加温し18時間撹拌したのち反応液のIRスペクトルの測定を行い1385cm-1および1772cm-1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805/804/803直列
容離液:テトラヒドロフラン 40℃
流速 :1.0ml/分
検出器:昭和電工製 商標名 Shodex RI SE−61
容量2lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン197.8g(0.54mol)、ピリジン75.9g(0.96mol)、DMAc692gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。これに、別途DMDG88g中にシクロヘキシルジカルボン酸無水物18.5g(0.12mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で33℃であった。
次にこれを水浴により8℃に冷却し、これに別途DMDG398g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド142.3g(0.48mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は70分、反応液温は最大で14℃であった。滴下終了から3時間後、上記反応液を12lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、アルカリ可溶性樹脂(A−2)を得た。このようにして合成されたアルカリ可溶性樹脂のGPCによる重量平均分子量は、ポリスチレン換算で13000であった。GPCの分析条件は参考例1と同じとした。
ディーンスターク型トラップ、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物を26.66g(60ミリモル)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン20.14g(55ミリモル)、γ−バレロラクトンを0.6g(6ミリモル)、ピリジン1.8g(18ミリモル)、NMPを150g、トルエン30gを加え、窒素ガスを通じながらシリコンオイル浴温度180℃で、180rpmで1時間40分間加熱攪拌する。反応中トルエン、水の留出分を除去した。このようにして製造されたポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量は24600である。この反応液を5lの水に高速攪拌下で滴下し、ポリマーを分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリマーを回収した。このポリマーにGBLを加えて、30重量%樹脂濃度の重縮合物溶液を調整した(A−3)。GPCの分析条件は、参考例1と同じとした。
〔参考例4〕
容量1lのセパラブルフラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン109.9g(0.3mol)、テトラヒドロフラン(THF)330g、ピリジン47.5g(0.6mol)を入れ、これに室温下で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物98.5g(0.6mol)を粉体のまま加えた。そのまま室温で3日間撹拌反応を行ったあと、高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」ともいう。)にて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、析出物を濾別した後、これにTHF500mlを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂(オルガノ社製:アンバーリスト15)100gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンを除去した。次にこの溶液を3lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後、真空乾燥した。
生成物がイミド化していることは、IRスペクトルで1394cm-1および1774cm-1のイミド基の特性吸収が現れ1540cm-1および1650cm-1付近のアミド基の特性吸収が存在しないこと、およびNMRスペクトルでアミドおよびカルボン酸のプロトンのピークが存在しないことにより確認した。
滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36重量%濃度の塩酸水溶液5.6gを一気に投入し、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。この際得られた濾液を、0.5重量%濃度の塩酸水溶液5lに、その撹拌下で1時間かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、感光性ジアゾキノン化合物(B−1)を得た。
〔参考例5〕
容量200mlの3口フラスコにフェニルイソシアネート11.9g(0.1mol)、GBL79.3g、これに5℃で3−アミノプロピルトリエトキシシラン22.1g(0.1mol)を加えた。そのまま室温で1日間撹拌反応を行ったあと、HPLCにて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度95%で検出された(D−1)。この反応液をそのまま30wt%溶液として、組成物の調製に使用した。
〔参考例6〕
容量200mlの3口フラスコに5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物16.4g(0.1mol)、GBL89.8g、これに室温下で3−アミノプロピルトリエトキシシラン22.1g(0.1mol)を加えた。そのまま室温で1日間撹拌反応を行ったあと、HPLCにて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度97%で検出された(D−2)。この反応液をそのまま30wt%溶液として、組成物の調製に使用した。
[実施例1〜16、比較例1〜2]
上記参考例1〜3にて得られた(A−1)〜(A−3)のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、上記参考例4にて得られた(B−1)及び下記(B−2)で表される感光性ジアゾキノン化合物、下記(C−1)〜(C−10)の脂肪族アルコール化合物、並びに上記参考例5〜6にて得られた(D−1)〜(D−2)、及び下記(D−3)〜(D−4)のケイ素化合物の所定の質量部を、GBL170質量部に溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して、表1に記載した実施例1〜16、及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物を調製した。
(C−2)シクロプロピルカルビノール
(C−3)t−アミルアルコール
(C−4)1−ヘキサノール
(C−5)クロチルアルコール
(C−6)2−エチル−1−ヘキサノール
(C−7)リナロール
(C−8)プロパノール
(C−9)乳酸エチル
(C−10)2−ブトキシエタノール
(D−3)(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバメート
(D−4)N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール
(1)パターニング特性評価
上記実施例、及び比較例の感光性樹脂組成物をスピンコーター(大日本スクリーン製造社製:Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて120℃、180秒間プリベークを行い、膜厚11μmの塗膜を形成した。膜厚は膜厚測定装置(大日本スクリーン製造社製:ラムダエース)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するステッパー(ニコン社製:NSR2005i8A)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。これをアルカリ現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製:AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が9.3μmとなるように現像時間を調整して現像し、純水にてリンスを行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。感光性樹脂組成物の感度、および接着性の状態を表2に示した。
さらに、この組成物を、容器に入れ密閉した状態で40℃で3日間保存し、同様に感度、および接着性の状態を評価し、保存前後での変化をみた。
なお、感光性樹脂組成物の感度、及び接着性は、次のようにして評価した。
[感度(mJ/cm2 )]
上記現像時間において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量。
[接着性]
上記露光量でのパターンの剥れの寸法(μm)。
Claims (5)
- (A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、(B)光酸発生剤1〜100質量部、(C)炭素数4〜14の炭化水素基及び水酸基のみからなる脂肪族アルコール化合物0.1〜50質量部、および(D)有機ケイ素化合物0.1〜30質量部、を含んでなることを特徴とする感光性樹脂組成物。
- (A)アルカリ可溶性樹脂が、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体のいずれかを含む樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- (B)光酸発生剤が、感光性ジアゾキノン化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかの項に記載の感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、マスクを介して化学線で露光するか、光線、電子線、もしくはイオン線と直接照射した後、露光部または照射部を溶出または除去し、次いで得られたレリーフパターンを加熱することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項4に記載の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなることを特徴とする半導体装置。
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